JP2006022952A - 転がり軸受の潤滑構造 - Google Patents
転がり軸受の潤滑構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006022952A JP2006022952A JP2005170407A JP2005170407A JP2006022952A JP 2006022952 A JP2006022952 A JP 2006022952A JP 2005170407 A JP2005170407 A JP 2005170407A JP 2005170407 A JP2005170407 A JP 2005170407A JP 2006022952 A JP2006022952 A JP 2006022952A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bearing
- space
- inner ring
- mist
- rolling bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
- Turning (AREA)
Abstract
【課題】 軸受内に封入したグリースだけを使用して、グリース基油の効率的な使用により、高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成できる転がり軸受の潤滑構造を提供する。
【解決手段】 この潤滑構造は、軸受内に密封されたグリースで潤滑される内輪回転の転がり軸受において、転動体転走空間5の付近の運転中に発生するミストを回収空間11に回収するミスト回収手段6と、再流入手段7を設けたものである。再流入手段7は、前記回収空間11に回収されたミストを、内輪1の回転により内輪外径の傾斜面1bを利用して保持器4の内径側から軸受空間に再流入させるものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 この潤滑構造は、軸受内に密封されたグリースで潤滑される内輪回転の転がり軸受において、転動体転走空間5の付近の運転中に発生するミストを回収空間11に回収するミスト回収手段6と、再流入手段7を設けたものである。再流入手段7は、前記回収空間11に回収されたミストを、内輪1の回転により内輪外径の傾斜面1bを利用して保持器4の内径側から軸受空間に再流入させるものである。
【選択図】 図1
Description
この発明は、工作機械主軸等の支持に用いられ、封入グリースの利用度を高める単列円筒ころ軸受やアンギュラ玉軸受等の転がり軸受の潤滑構造に関する。
工作機械主軸を支持する単列円筒ころ軸受やアンギュラ玉軸受の潤滑方法には、主として搬送エアに潤滑オイルを混合してオイルをノズルより軸受内に噴射するエアオイル潤滑や、メンテナンスフリーで使用可能なグリース潤滑がある。高速域ではエアオイル潤滑が主流である。最近の工作機械は、加工能率を上げるために、主軸の高速化が求められている。このような要請に応えるものとして、エアオイル潤滑は、長期にわたり安定して微量のオイルを供給できる点から、高速性、長寿命化に優れた潤滑方法と言える。
エアオイル潤滑による軸受として、ノズル先端を保持器幅面相当部に生じるエアカーテンの内側に設定し、常にエアオイル供給がエアカーテンの内側で行われるようにした構造のものが提案されている(例えば、特願2002−358850号)。しかし、このエアオイル潤滑方法は、付帯設備としてエアオイル供給装置、および軸受への供給構造が必要であり、また多量のエアを必要とすることから、コスト、騒音、省エネ、省資源の観点で問題がある。また、オイルの飛散によって環境を悪化させる問題もある。これらの問題点を回避するため、最近ではグリース潤滑による高速化が注目され始め、要望も多くなってきている。
グリース潤滑を採用した工作機械主軸軸受では、軸受の温度上昇を低く抑える必要上から、高速回転時の攪拌抵抗を抑えるために、初期封入グリースを空間容積の10〜20%と少なくしている。
また、グリース潤滑では、軸受組立時に、グリースを内輪、保持器、転動体、外輪に塗布する(NTN株式会社、精密転がり軸受カタログ2260/J・P27)。しかし、例えば図6に示す単列円筒ころ軸受において、dn値が80万の高速回転領域になると、内輪41、保持器44、転動体43に付着したグリースGが、遠心力で外輪内径面の転動部両側に排除され、内輪41、保持器44、転動体43に残存するグリースGはごく僅かとなる。このことから、接触部分に寄与する潤滑もごく僅かとなる。上記接触部分は、転動体案内形式の場合は、内輪41と転動体43、外輪42と転動体43、転動体43と保持器ポケット44aである。外輪案内保持器の場合は、さらに保持器44と外輪内径案内面が接触部分となる。
このように、グリース潤滑の場合、高速域での潤滑環境下においては、潤滑不足が起き易く、早期に潤滑寿命に至るケースも考えられる。
また、グリース潤滑では、軸受組立時に、グリースを内輪、保持器、転動体、外輪に塗布する(NTN株式会社、精密転がり軸受カタログ2260/J・P27)。しかし、例えば図6に示す単列円筒ころ軸受において、dn値が80万の高速回転領域になると、内輪41、保持器44、転動体43に付着したグリースGが、遠心力で外輪内径面の転動部両側に排除され、内輪41、保持器44、転動体43に残存するグリースGはごく僅かとなる。このことから、接触部分に寄与する潤滑もごく僅かとなる。上記接触部分は、転動体案内形式の場合は、内輪41と転動体43、外輪42と転動体43、転動体43と保持器ポケット44aである。外輪案内保持器の場合は、さらに保持器44と外輪内径案内面が接触部分となる。
このように、グリース潤滑の場合、高速域での潤滑環境下においては、潤滑不足が起き易く、早期に潤滑寿命に至るケースも考えられる。
この発明は、これらの課題を解消することを目的としたものであり、軸受内に封入したグリースを効率的に利用して、高速化と長寿命化、メンテナンスフリーを達成できる転がり軸受の潤滑構造を提供するものである。
この発明の転がり軸受の潤滑構造は、軸受内に密封されたグリースで潤滑される内輪回転の転がり軸受において、転動体転走空間の付近の運転中に発生するミストを回収空間に回収するミスト回収手段と、上記回収空間に回収されたミストを、内輪の回転により内輪外径の傾斜面を利用して保持器の内径側から軸受空間に再流入させる再流入手段とを備え
たものである。
たものである。
この構成によると、軸受は回転中にグリースから基油を取り込み消費して行くが、このとき同時にミスト化される油分の発生がある。この運転中にミスト化された油分は、通常では軸受外部に放出され、軸受内部に再流入し難い。この要因の一つに、保持器の回転によりエアカーテンが形成され、ミスト化された油分が再流入し難いことがある。しかし、この発明の潤滑構造であると、内輪の回転により内輪外径の傾斜面を利用して保持器の内径側から軸受空間に再流入させる再流入手段を設けたので、保持器の回転によりエアカーテンが形成されていても、ミスト化された油分が軸受内に円滑に流入できる。そのため、運転中に生じるミスト化された油分が、ミスト回収手段に回収され、再流入手段によって軸受内に戻されて潤滑に再利用される。
このように、グリースのミスト化した油分をそのまま、エアカーテン内部に再流入させて潤滑に供するため、高速域での潤滑不足を改善し、潤滑寿命の短寿命を防止し、グリースの油分を効率的に消費することで、長寿命化に貢献できる。
また、従来の内輪回転で外部からグリース補給を行うものと異なり、封入されたグリースを循環使用し、僅かな潤滑油で潤滑を行うため、グリースの供給過多となって攪拌抵抗による温度上昇の原因となることがなく、回転の高速化が可能となる。
また、従来の内輪回転で外部からグリース補給を行うものと異なり、封入されたグリースを循環使用し、僅かな潤滑油で潤滑を行うため、グリースの供給過多となって攪拌抵抗による温度上昇の原因となることがなく、回転の高速化が可能となる。
この発明において、前記ミスト回収手段が、外輪に隣接して前記回収空間を形成した外輪間座兼用の回収空間形成部品からなるものとしても良い。
この構成の場合、回収空間を形成する回収空間形成部品が外輪間座に兼用されるので、部品点数を少なくでき、転がり軸受の機器への組込作業性も向上する。
この構成の場合、回収空間を形成する回収空間形成部品が外輪間座に兼用されるので、部品点数を少なくでき、転がり軸受の機器への組込作業性も向上する。
この発明において、前記ミスト回収手段が、外輪を内輪の幅面よりも軸方向に延出させた外輪延出部と、この外輪延出部に取付けられて外輪延出部の内周に前記回収空間を形成するリング状の回収空間形成部品とからなるものであっても良い。
この構成の場合、回収空間形成部品の一部の部材が外輪延出部で兼用されて省略できるので、部品点数をより少なくでき、転がり軸受の機器への組込作業性も向上する。
この構成の場合、回収空間形成部品の一部の部材が外輪延出部で兼用されて省略できるので、部品点数をより少なくでき、転がり軸受の機器への組込作業性も向上する。
この発明において、前記再流入手段が、前記内輪外径の傾斜面に沿って環状の隙間を形成する隙間形成片を有し、前記環状の隙間の一端が前記ミスト回収空間に連通するものであっても良い。
隙間形成片を形成することで、保持器の回転で形成されるエアカーテンの内部まで、回収したミスト化された油分を案内し、軸受内に効率良く再流入させることができる。
隙間形成片を形成することで、保持器の回転で形成されるエアカーテンの内部まで、回収したミスト化された油分を案内し、軸受内に効率良く再流入させることができる。
この発明において、前記再流入手段が、前記内輪外径の傾斜面に沿って環状の隙間を形成する隙間形成片を有し、この隙間形成片が、前記回収空間形成部品に設けられたものであり、前記環状の隙間は、前記回収空間形成部品の内周壁に設けられた開口を介して前記回収空間に連通するものとしても良い。
この構成の場合、回収空間と環状の隙間とは回収空間形成部品の内周壁に設けられた開口で連通しているので、回収空間と環状の隙間の圧力差により、回収空間のミストを環状の隙間へ効率良く流入できる。
この構成の場合、回収空間と環状の隙間とは回収空間形成部品の内周壁に設けられた開口で連通しているので、回収空間と環状の隙間の圧力差により、回収空間のミストを環状の隙間へ効率良く流入できる。
この発明において、軸受は円筒ころ軸受であってもアンギュラ玉軸受であっても良い。円筒ころ軸受の場合、例えば内輪に設けられる鍔の外径面に前記傾斜面を形成することができる。アンギュラ玉軸受の場合は、接触角の形成のために内輪の正面側にカウンタボアが生じるため、このカウンタボアの箇所を内輪の上記傾斜面の形成に利用できる。
この発明の転がり軸受の潤滑構造は、軸受内に密封されたグリースで潤滑される内輪回転の転がり軸受において、転動体転走空間の付近の運転中に発生するミストを回収空間に回収するミスト回収手段と、上記回収空間に回収されたミストを、内輪の回転により内輪外径の傾斜面を利用して保持器の内径側から軸受空間に再流入させる再流入手段とを備えたため、軸受内のグリースのミスト化した油分を回収し、エアカーテン内部に再流入させて潤滑に供することができて、高速域での潤滑不足が改善され、またグリースの油分が効率的に消費されることで、長寿命化に貢献できる。
この発明の第1の実施形態を、図1と共に説明する。この転がり軸受は、内輪1、外輪2、およびこれら内外輪1,2の軌道面1a,2a間に介在した複数の転動体3を有するグリース封入の円筒ころ軸受である。転動体3は円筒ころからなり、保持器4に保持される。この軸受潤滑構造は、上記構成の転がり軸受において、転動体転走空間5の付近の運転中に発生するグリースのミストを回収するミスト回収手段6と、このミスト回収手段6で回収されたミストを、内輪1の回転により内輪外径の傾斜面1bを利用して保持器4の内径側から軸受空間に再流入させる再流入手段7とを備える。内外輪1,2間の軸受空間の片側は、外輪押え蓋32や内輪位置決め間座26などによって密封されている。ミスト回収手段6および再流入手段7は、軸受の他の片側に設けられている。他の片側では、ミスト回収手段6および再流入手段7がシールを兼ねており、軸受背面側からのグリース漏れが防止される。
ミスト回収手段6は、外輪2に隣接してミスト回収空間11を形成した外輪間座兼用の回収空間形成部品8からなる。回収空間形成部品8は、外輪2に隣接した外輪間座兼用の外周側部材9と、この外周側部材9の内径面に固定される断面概形がL字状の内周側部材10とでなる。この内周側部材10は、内輪1と同心状の内周壁10aと、この内周壁8aの一端部から外径側に延びる縦壁10bとを有し、この縦壁10bが外周側部材9の内径面に圧入または接着等で固定される。外周側部材9への内周側部材10の固定は、止め輪などで行っても良い。
再流入手段7は、内輪1の外径面に形成された傾斜面1bと、前記内周側部材10における内周壁10aの軸受寄りの端部に形成され前記内輪1の傾斜面1bに対向して配置される隙間形成片12とで構成される。隙間形成片12は、保持器4の幅面よりも軸受内に延びるように配置されている。内輪1の前記傾斜面1bは、内輪1の片側の外径面に設けられ、軌道面1a側が大径となるように形成されている。隙間形成片12の内径面は、内輪1の傾斜面1bに沿う傾斜面12aとされ、この傾斜面12aと内輪1の傾斜面とで挟まれて環状の隙間13が形成される。
前記内周側部材10における内周壁10aの内径面は、軸受から離反する端部側を小径部10aaとし、この小径部10aaから軸受寄りの部分が小径部10aaに対して段差を成す大径部10abとされ、その大径部10abが前記隙間形成片12の傾斜面12aに続いている。内周壁10aの内径面大径部10abと、内輪1の傾斜面1bと、内輪間座14の外径面14aとで囲まれて環状の内周側空間15が形成され、この内周側空間15が前記環状の隙間13の一端に連通している。また、前記内周側空間15は、内周側部材内周壁10aに設けられた開口16を介して前記ミスト回収空間11に連通している。すなわち、前記環状の隙間13は、前記内周側空間15および開口16を介してミスト回収空間11に連通している。
前記隙間形成片12の外周部には、外径側に延びて転動体転走空間5と前記ミスト回収空間11とを仕切る縦壁部12bが設けられ、この縦壁部12bの外径側端と外周側部材9との間に、転動体転走空間5で発生したミストをミスト回収空間11に導入する導入路
17が形成される。
17が形成される。
上記構成の作用を説明する。グリース封入された軸受の内輪1が回転すると、軸受はグリースから基油を取り込み、内外輪1,2の軌道面1a,2aの潤滑に消費して行くが、このとき同時に、転走する転動体3との接触でグリース中の基油の一部がミスト化して転動体転走空間5に浮遊する。このようにして発生したミストは、転動体3の公転による気流により、軸受内で回転しながら図1中の矢印方向に押し出されて移動し、導入路17から回収空間形成部品8のミスト回収空間11に流入する。ミスト回収空間11と内周側空間15とは開口16で連通しているので、両空間11,15の圧力差により、ミスト回収空間11のミストはさらに内周側空間15に流入する。
内周側空間15内のミストは、内輪傾斜面1bと隙間形成片12との間の隙間13の径方向位置による速度差により、遠心力によって軸受内部に導かれ、再流入する。隙間形成片12の先端は、保持器5の幅面よりも軸受内部に位置するため、保持器5の幅面で生じるエアカーテンによる抵抗を受けずに、軸受内に円滑に流入する。
このように、この転がり軸受の潤滑構造では、グリース潤滑において運転中に生じる基油ミストを回収再利用するので、潤滑寿命の延長が可能となり、メンテナンスフリーを達成できる。また、従来の内輪回転で外部からグリース補給を行うものと異なり、封入されたグリースを循環使用し、僅かな潤滑油で潤滑を行うため、グリースの供給過多となって攪拌抵抗による温度上昇の原因となることがなく、回転の高速化が可能となる。
また、ミスト回収空間11を形成する回収空間形成部品8が外輪間座に兼用されるので部品点数を少なくでき、転がり軸受の機器への組込作業性も向上する。
また、ミスト回収空間11を形成する回収空間形成部品8が外輪間座に兼用されるので部品点数を少なくでき、転がり軸受の機器への組込作業性も向上する。
図2は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態は図1の実施形態の潤滑構造をアンギュラ玉軸受に適用したものであり、転動体3はボールからなる。回収空間形成部品8、内輪1の傾斜面1b、および隙間形成片12は、軸受の背面側、つまり内輪1の正面側に設けられる。その他の構成は図1の実施形態の場合と同様である。
アンギュラ玉軸受では、内輪1の正面側の外周にカウンタボアが設けられるため、このカウンタボアとなる部分に傾斜面1bを設け、隙間形成片12を配置することで、隙間形成片12の配置空間が容易に確保できる。
アンギュラ玉軸受では、内輪1の正面側の外周にカウンタボアが設けられるため、このカウンタボアとなる部分に傾斜面1bを設け、隙間形成片12を配置することで、隙間形成片12の配置空間が容易に確保できる。
図3は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は図1の実施形態の潤滑構造において、外輪2に、内輪1の軸受背面側幅面よりも軸方向に延出させた外輪延出部2bを設け、この外輪延出部2bと、外輪延出部2bに取付けられて外輪延出部2bの内周にミスト回収空間11を形成するリング状の回収空間形成部品8Aとでミスト回収手段6を構成したものである。回収空間形成部品8Aは、図1の実施形態における内周側部材10と同じ形状の部材であり、軸受寄りの端部に再流入手段7を構成する隙間形成片12が一体に形成されている。すなわち、この実施形態では、図1の実施形態における回収空間形成部品8の外周側部材9を外輪延出部2bに置き換えることにより、外周側部材9を省略したものである。その他の構成は図1の実施形態の場合と同様である。
この実施形態では、図1の実施形態における回収空間形成部品8の外周側部材9を省略しているので、部品点数を少なくでき、転がり軸受の機器への組込作業性も向上する。
図4は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、図1の実施形態におけるミスト回収手段6および再流入手段7の構成を、外輪2の軸方向の両側に隣接して設けたものであるる。その他の構成は図1の実施形態の場合と略同様である。
この実施形態の場合、軸受の両側でミストを回収・再流入できる。円筒ころ軸受の場合
は、転動体となるころが、ある程度の長さを有するため、両側でミストを回収・再流入する方が、軸方向に偏りなく潤滑できて潤滑性向上の面で好ましい。これにより、高速化と長寿命化、メンテナンスフリーをより増進させることができる。
は、転動体となるころが、ある程度の長さを有するため、両側でミストを回収・再流入する方が、軸方向に偏りなく潤滑できて潤滑性向上の面で好ましい。これにより、高速化と長寿命化、メンテナンスフリーをより増進させることができる。
図5は、図1,図2の各実施形態の潤滑構造を有する転がり軸受を用いた工作機械用スピンドル装置の一例を示す。このスピンドル装置は、ハウジング22内で主軸2が、前側の2個の転がり軸受23,24と後側の1個の転がり軸受25とで支持されている。前側2個の転がり軸受23,24は、アンギュラ玉軸受とされて背面合わせに設けられ、図2に示した潤滑構造が備えられている。後側に設置される転がり軸受25は円筒ころ軸受とされ、図1に示す潤滑構造が備えられている。
前側2個の転がり軸受23,24の内輪1は、内輪間座141 および内輪位置決め間座261 ,262 により位置決めされ、前端の内輪固定ナット29Aにより主軸21の段面21cに対して締め付け固定されている。後側の転がり軸受25の内輪1は、内輪間座142 および内輪位置決め間座263 ,264 により位置決めされ、後端の内輪固定ナット29Bにより主軸21の段面21dに対して締め付け固定されている。
前側2個の転がり軸受23,24の外輪2は、回収空間形成部品8、外輪間座30、および前端の外輪押え蓋31により、ハウジング22内にその段面22aに対して位置決め固定されている。後側の転がり軸受25の外輪2は、回収空間形成部品8および後端の外輪押え蓋32により、ハウジング22内にその段面22bに対して位置決め固定されている。ハウジング22は、ハウジング内筒22Aとハウジング外筒22Bとを嵌合させたものであり、その嵌合部に、冷却のための円筒状の通油路33が設けられている。
前側2個の転がり軸受23,24の内輪1は、内輪間座141 および内輪位置決め間座261 ,262 により位置決めされ、前端の内輪固定ナット29Aにより主軸21の段面21cに対して締め付け固定されている。後側の転がり軸受25の内輪1は、内輪間座142 および内輪位置決め間座263 ,264 により位置決めされ、後端の内輪固定ナット29Bにより主軸21の段面21dに対して締め付け固定されている。
前側2個の転がり軸受23,24の外輪2は、回収空間形成部品8、外輪間座30、および前端の外輪押え蓋31により、ハウジング22内にその段面22aに対して位置決め固定されている。後側の転がり軸受25の外輪2は、回収空間形成部品8および後端の外輪押え蓋32により、ハウジング22内にその段面22bに対して位置決め固定されている。ハウジング22は、ハウジング内筒22Aとハウジング外筒22Bとを嵌合させたものであり、その嵌合部に、冷却のための円筒状の通油路33が設けられている。
主軸21は、その前側の端部21aに工具またはワーク(図示せず)を着脱自在に取付けるチャック(図示せず)が設けられ、後ろ側の端部21bは、モータ等の駆動源の回転伝達機構(図示せず)を介して連結される。モータはハウジング22に内蔵しても良い。このスピンドル装置は、例えばマシニングセンタ、旋盤、フライス盤、研削盤等の各種の工作機械に適用できる。
この構成のスピンドル装置によると、この発明の潤滑構造とした転がり軸受23,24における高速化、長寿命化が効果的に発揮される。
1…内輪
1b…傾斜面
2…外輪
3…転動体
4…保持器
5…転動体走行空間
6…ミスト回収手段
7…再流入手段
8,8A…回収空間形成部品
10a…内周壁
11…ミスト回収空間
12…隙間形成片
13…隙間
16…開口
1b…傾斜面
2…外輪
3…転動体
4…保持器
5…転動体走行空間
6…ミスト回収手段
7…再流入手段
8,8A…回収空間形成部品
10a…内周壁
11…ミスト回収空間
12…隙間形成片
13…隙間
16…開口
Claims (7)
- 軸受内に密封されたグリースで潤滑される内輪回転の転がり軸受において、転動体転走空間の付近の運転中に発生するミストを回収空間に回収するミスト回収手段と、上記回収空間に回収されたミストを、内輪の回転により内輪外径の傾斜面を利用して保持器の内径側から軸受空間に再流入させる再流入手段とを備えた転がり軸受の潤滑構造。
- 請求項1において、前記ミスト回収手段が、外輪に隣接して前記回収空間を形成した外輪間座兼用の回収空間形成部品からなる転がり軸受の潤滑構造。
- 請求項1において、前記ミスト回収手段が、外輪を内輪の幅面よりも軸方向に延出させた外輪延出部と、この外輪延出部に取付けられて外輪延出部の内周に前記回収空間を形成するリング状の回収空間形成部品とからなる転がり軸受の潤滑構造。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記再流入手段が、前記内輪外径の傾斜面に沿って環状の隙間を形成する隙間形成片を有し、前記環状の隙間の一端が前記ミスト回収空間に連通するものである転がり軸受の潤滑構造。
- 請求項2または請求項3において、前記再流入手段が、前記内輪外径の傾斜面に沿って環状の隙間を形成する隙間形成片を有し、この隙間形成片が、前記回収空間形成部品に設けられたものであり、前記環状の隙間は、前記回収空間形成部品の内周壁に設けられた開口を介して前記回収空間に連通するものとした転がり軸受の潤滑構造。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、軸受が円筒ころ軸受である転がり軸受の潤滑構造。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、軸受がアンギュラ玉軸受である転がり軸受の潤滑構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005170407A JP2006022952A (ja) | 2004-06-11 | 2005-06-10 | 転がり軸受の潤滑構造 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004173932 | 2004-06-11 | ||
JP2005170407A JP2006022952A (ja) | 2004-06-11 | 2005-06-10 | 転がり軸受の潤滑構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006022952A true JP2006022952A (ja) | 2006-01-26 |
Family
ID=35796362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005170407A Pending JP2006022952A (ja) | 2004-06-11 | 2005-06-10 | 転がり軸受の潤滑構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006022952A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011149463A (ja) * | 2010-01-20 | 2011-08-04 | Ntn Corp | 転がり軸受 |
JP2014009738A (ja) * | 2012-06-29 | 2014-01-20 | Nsk Ltd | 防錆剤付き転がり軸受 |
CN108533618A (zh) * | 2018-04-28 | 2018-09-14 | 无锡民联汽车零部件有限公司 | 超声波雾化油料润滑式汽车轴承 |
-
2005
- 2005-06-10 JP JP2005170407A patent/JP2006022952A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011149463A (ja) * | 2010-01-20 | 2011-08-04 | Ntn Corp | 転がり軸受 |
JP2014009738A (ja) * | 2012-06-29 | 2014-01-20 | Nsk Ltd | 防錆剤付き転がり軸受 |
CN108533618A (zh) * | 2018-04-28 | 2018-09-14 | 无锡民联汽车零部件有限公司 | 超声波雾化油料润滑式汽车轴承 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4727704B2 (ja) | 転がり軸受 | |
WO2005121579A1 (ja) | 転がり軸受の潤滑構造 | |
JP4234127B2 (ja) | 転がり軸受 | |
JP4256391B2 (ja) | 転がり軸受 | |
JP2019015393A (ja) | 回転装置 | |
JP2006022952A (ja) | 転がり軸受の潤滑構造 | |
JP2005106245A (ja) | 潤滑機構付き軸受およびそれを用いた工作機械用スピンドル装置 | |
JPH06264934A (ja) | 主軸装置の軸受潤滑機構 | |
JP2006226427A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2009162341A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2007247784A (ja) | ころ軸受の潤滑構造 | |
JP2005221042A (ja) | 転がり軸受 | |
JP5018334B2 (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP2006234072A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2007247783A (ja) | ころ軸受の潤滑構造 | |
JP2005201346A (ja) | 転がり軸受の潤滑構造 | |
KR20070017418A (ko) | 구름 베어링의 윤활 구조 | |
JP2006105345A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2008240828A (ja) | 転がり軸受のグリース溜り部品およびグリース溜り付き転がり軸受 | |
JP4225104B2 (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP2011069456A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2005337349A (ja) | 軸受装置およびそれを用いた主軸スピンドル装置 | |
JP2010144889A (ja) | グリース溜まり付き転がり軸受 | |
JP6379477B2 (ja) | 軸受装置及び主軸装置 | |
JP2001099166A (ja) | 軸受の潤滑装置及び軸受 |