JP2018107923A - バッテリ冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリを適切な時期に最小限の冷却仕事で冷却し、バッテリの冷却に要する消費電力を最小限にすることにより、車両の航続距離を延長することができるバッテリ冷却装置を提供する。
【解決手段】バッテリ冷却装置は、バッテリ11を冷却する冷却手段20と、バッテリのSOC変化量を基にバッテリ発熱量Qを算出し、バッテリ発熱量Qに基づきバッテリ温度上昇量を予測する温度上昇量予測手段40と、バッテリ温度上昇量において適正温度範囲を超えるバッテリ11の冷却必要領域が存在するか否かに基づき、バッテリ11の冷却の要否を判定する判定手段40と、バッテリ11を冷却必要領域において適正温度範囲内に維持するのに必要なバッテリ11の冷却仕事量Eを算出する冷却仕事量算出手段40とを備え、冷却手段20は、バッテリ11の冷却要と判定された場合、冷却仕事量Eに基づきバッテリ11を冷却する。
【選択図】図3
【解決手段】バッテリ冷却装置は、バッテリ11を冷却する冷却手段20と、バッテリのSOC変化量を基にバッテリ発熱量Qを算出し、バッテリ発熱量Qに基づきバッテリ温度上昇量を予測する温度上昇量予測手段40と、バッテリ温度上昇量において適正温度範囲を超えるバッテリ11の冷却必要領域が存在するか否かに基づき、バッテリ11の冷却の要否を判定する判定手段40と、バッテリ11を冷却必要領域において適正温度範囲内に維持するのに必要なバッテリ11の冷却仕事量Eを算出する冷却仕事量算出手段40とを備え、冷却手段20は、バッテリ11の冷却要と判定された場合、冷却仕事量Eに基づきバッテリ11を冷却する。
【選択図】図3
Description
本発明は、バッテリ冷却装置に関し、特に電動車両に搭載するバッテリ冷却装置に関する。
エンジンとモータとを駆動源とするハイブリッド(HEV)トラックや、モータのみを駆動源とする電気(EV)トラックなどの電動車両には、モータを作動させるための大容量のバッテリが搭載されている。例えば特許文献1には、HEV車両の走行中に燃費の悪化や運転者のドライブフィールの悪化を防止するべく、蓄冷材を用いることで適切な時期にバッテリを冷却することができるバッテリ冷却装置が開示されている。
ところで、バッテリは、一般に、使用する上で適正な温度範囲を有している。バッテリは、当該温度範囲を越えて高温になると、性能の低下や製品寿命の低下が生じる。また、バッテリの冷却に要する消費電力は比較的大きく、特にEV車両の場合、バッテリの冷却にはバッテリに蓄えた電力を使用することとなるため、車両の航続距離が減少する一因となる。従って、車両走行中において、バッテリを適切な時期に冷却するのみならず、バッテリを冷却するための冷却仕事、即ちバッテリ冷却に使用する消費電力を最小限にし、車両の航続距離を極力延長することが従来より求められていた。
本発明はこのような問題の少なくとも一部を解決するためになされたもので、その目的とするところは、バッテリを適切な時期に最小限の冷却仕事で冷却し、バッテリの冷却に要する消費電力を最小限にすることにより、車両の航続距離を延長することができるバッテリ冷却装置を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
(1)本適用例に係るバッテリ冷却装置は、車両に搭載され、所定の適正温度範囲を有するバッテリと、前記バッテリを冷却する冷却手段と、前記バッテリの充電完了後、前記車両が走行予定経路を経て目標地点に到達するまでのSOC変化量を基にバッテリ発熱量を算出し、該バッテリ発熱量に基づきバッテリ温度上昇量を予測する温度上昇量予測手段と、前記バッテリ温度上昇量において前記適正温度範囲を超える前記バッテリの冷却必要領域が存在するか否かに基づき、前記バッテリの冷却の要否を判定する判定手段と、前記バッテリを前記冷却必要領域において前記適正温度範囲内に維持するのに必要な前記バッテリの冷却仕事量を算出する冷却仕事量算出手段とを備え、前記冷却手段は、前記判定手段にて、前記冷却必要領域が存在し、前記バッテリの冷却要と判定された場合、前記冷却仕事量に基づき前記バッテリを冷却する。
このように、バッテリの温度上昇量を予測し、バッテリ温度が適正温度範囲を超えるような場合には、適正温度範囲を超える前にバッテリの冷却を行うことで、確実にバッテリ温度を適正温度範囲内に維持することができる。そして、バッテリを冷却するための冷却手段は消費電力を最小とする冷却仕事で行うことにより、冷却手段の効率的な作動を実現可能となるため、バッテリ温度だけに基づいてバッテリを冷却する場合に比して、バッテリの冷却に要する消費電力を低減しながら、車両の航続距離を延長することができる。
前記適用例を用いる本発明のバッテリ冷却装置によれば、バッテリを適切な時期に最小限の冷却仕事で冷却し、バッテリの冷却に要する消費電力を最小限にすることにより、車両の航続距離を延長することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るバッテリ冷却装置を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態における電動車両1のバッテリ冷却装置の概略構成図であり、以下同図に基づき説明する。電動車両1は走行駆動源としてのモータ3を備える電気自動車であるEVトラックであり、以下の説明では、単に車両とも称する。
モータ3は、例えば永久磁石同期電動機のように発電機としても作動可能な電動機である。モータ3の出力軸はプロペラシャフト6を介して差動装置7が連結され、差動装置7には駆動軸8を介して左右の駆動輪9が連結されている。モータ3は、具体的には永久磁石が貼り付けられたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備えた同期発電電動機であり、インバータ10を介してバッテリ11と接続されている。
ここで、車両1には、バッテリ11を冷却するバッテリ冷却回路(冷却手段)20が設けられている。バッテリ冷却回路20は、冷却水が循環する循環路20aを有し、循環路20aには、冷却水の流れ方向の順に、バッテリ11、ラジエータ21、ポンプ22が介挿されている。また、バッテリ冷却回路20は、循環路20aにおいてラジエータ21を迂回するバイパス路20bを有し、バイパス路20bには熱交換器23が介挿されている。
ラジエータ21は電動のファン24を備え、ファン24により送風される外気との熱交換により冷却水を冷却する熱交換器である。ポンプ22は電動であり、循環路20a及びバイパス路20bにおいて冷却水を循環させる。
このように構成されたバッテリ冷却回路20では、バッテリ11の冷却時に、ポンプ22が駆動することでバッテリ11の熱を吸収した冷却水がラジエータ21に送られる。ラジエータ21では、冷却水と外気との間で熱交換が行われることで、冷却水が冷却される。そして、十分冷却された冷却水が再びバッテリ11に送られる。
また、バッテリ冷却回路20は、冷媒が循環する循環路30aを有する冷媒回路30を備えている。循環路30aには、冷媒の流れ方向から順に、熱交換器23、圧縮機31、図示しない凝縮器、膨張弁などが介挿されている。冷媒回路30は、熱交換器23を蒸発器として機能させる冷凍サイクルを形成し、熱交換器23において冷媒によりバッテリ冷却回路20を循環する冷却水を冷却する。圧縮機31は電動の例えばスクロール式であり、冷凍サイクルにおける高圧側の冷媒の圧力、ひいては冷媒の温度を調整する。
このように構成された冷媒回路30では、バッテリ11の冷却時に、圧縮機31が駆動することで低温の冷媒が熱交換器23に送られる。熱交換器23では、冷媒と冷却水との間で熱交換が行われることで、冷却水が冷却される。そして、十分冷却された冷却水が再びバッテリ11に送られる。
バッテリ冷却回路20によるバッテリ11の放熱量は、ポンプ22、ファン24、圧縮機31の回転数に応じて変化する。例えば、ポンプ22の回転数を増大すれば、冷却水の循環量が増大し、バッテリ11の放熱量が増大する。また、ファン24の回転数を増大すれば、ラジエータ21での冷却水の放熱が促進され、冷却水を低温に維持できることから、バッテリ11の放熱量は増大する。また、圧縮機31の回転数を増大すれば、冷媒回路30の冷凍サイクルに係る冷却能力が上昇し、熱交換器23における冷却水の放熱が促進され、冷却水を低温に維持できることから、バッテリ11の放熱量は増大する。
ここで、車両1にはバッテリ冷却回路20を含め、バッテリ11の管理を行うECU(温度上昇量予測手段、判定手段、冷却仕事量算出手段)40が搭載されている。ECU40には、バッテリ11の温度Tbを検出するバッテリ温度センサ41、車両1外部の外気温度Taを検出する外気温度センサ42が接続されている。また、ECU40は、バッテリ11からバッテリ11の電圧、インバータ10とバッテリ11との間に流れる電流などを検出し、これらの検出結果からバッテリ11のSOC(State Of Charge:充電量)を算出する。
また、ECU40はバッテリ冷却回路20のポンプ22及びファン24と、冷媒回路30の圧縮機31との駆動制御も行う。このポンプ22、ファン24、及び圧縮機31の駆動制御において、ECU40は車両1の走行からSOC変化量を予測し、それに応じたバッテリ温度の変化を予測して、ポンプ22、ファン24、及び圧縮機31を効率的に作動させつつ、バッテリ温度を適正温度範囲に維持するバッテリ冷却制御を行う。
詳しくは、ECU40は、車両1の前方の走行経路における所定の予測範囲で道路環境情報(経路情報)を取得し、当該経路上の各地点の車両1のSOC変化量を予測する。ここで、SOC変化量とは、電気自動車において走行や補機の駆動に伴いバッテリから放電される放電量と、走行経路の坂道や減速時における回生発電によりバッテリに充電される充電量との絶対値の積算値である。
SOC変化量を予測する方法は特に限定されず、公知の技術を適用することができる。例えば、車両1の位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)43と、車両1の前方の経路情報を検出するためのナビゲーションユニット44に記憶されている地図データや道路情報、路面勾配情報等を利用しても良い。また、SOC変化量の予測精度を向上させるため、渋滞や交通規制などの道路交通情報を外部の通信網から受信可能であっても良い。
しかしながら、本発明に係るバッテリ冷却装置においては、ナビゲーションユニット44や道路環境情報を使用せず、現在バッテリに充電されているSOCをすべて放電した場合の放電量を車両1のSOC変化量と見なしても良い。これは、駆動源に内燃機関を備えない電気自動車の場合、回生充電による瞬時充電量は、走行等に使用する連続放電量と比べて非常に小さく、後述するバッテリ温度上昇量は、主に放電量に起因するSOC変化量から算出した場合であっても実質的に高精度の予測が可能である為である。
図2は、バッテリ充電量(SOC)の変化量に伴うバッテリ温度(Tb)の温度上昇量と、バッテリ冷却制御によるバッテリ11の冷却が必要な領域を示した図である。ここで、本実施形態では、バッテリ発熱量Qは、バッテリ温度Tb、バッテリ11の劣化状態により変動するものの、例えばバッテリ11を満充電から使用可能下限まで使用したときのバッテリ発熱量Qは誤差範囲で変動するものの予測可能である。具体的には、バッテリ発熱量Qは、SOC変化量を算出した際に得られた電流積算量から、ΣI2R(電流の2乗×内部抵抗)の演算式で得ることができる。
この知見によれば、ECU40で算出されたバッテリ11のSOCと、外気温度センサ42で検出された外気温Taと、車両1のSOC変化量とに基づき、車両1が所定の走行予定経路を経て目標地点に到達するまでのバッテリ発熱量Qを予め算出可能である。そして、本実施形態のバッテリ冷却制御では、図2(a)に示すように、この算出されたバッテリ発熱量に基づき、車両1が走行予定経路を経て目標地点に到達するまでのSOC変化量に対応するバッテリ温度上昇量を予測曲線として算出する。
ここで、バッテリ温度上昇量は、SOC変化量に基づき算出されたバッテリ温度上昇量とバッテリの初期温度Tb0の合算値として算出される。したがって、同様の予測曲線を示すバッテリであっても、図2(b)に示すような初期温度Tb0が低い場合と、図2(c)に示すような初期温度Tbが高い場合とで、バッテリ温度上昇量の予測曲線は変化する。
以上から、車両1が目標地点に到達して走行終了したときまで無冷却で走行した際のバッテリ温度Tbを予測することができる。
以上から、車両1が目標地点に到達して走行終了したときまで無冷却で走行した際のバッテリ温度Tbを予測することができる。
次に、図2(a)〜(c)において、バッテリ温度上昇量の予測曲線がバッテリ11の適正温度範囲における最大許容温度Tbmaxを越える領域がバッテリ11の冷却必要領域である。図2(a)〜(c)に示す例では、バッテリの初期温度Tb0が低い場合である図2(b)ではバッテリの冷却の必要がなく、図2(a)および(c)の場合においてのみ冷却必要領域が生じている。
そして、当該バッテリ冷却制御では、この冷却必要領域においてバッテリ11をその適正温度範囲以内に維持するのに必要なバッテリ11の冷却仕事量Eを少なくするとともに、冷却必要領域、或いは冷却必要領域に突入する手前において、ポンプ22、ファン24、及び圧縮機31を最適な回転数により制御することにより、バッテリ11を適切な時期に最小限の冷却仕事量Eで冷却し、バッテリ11の冷却に要する消費電力の最小限化を実現している。
図3は、ECU40が実行するバッテリ冷却制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。以下、図3のフローチャートに沿って本実施形態のバッテリ冷却制御について詳しく説明する。
先ず、ECU40は、ステップS1において、バッテリ冷却装置の起動時における初期のバッテリ温度Tb0、外気温度Ta、及びSOCを取得する。
続いてECU40は、ステップS2において、バッテリ11の充電完了後、車両1が目標地点に到達するまでのSOC変化量を基にバッテリ発熱量Qを算出し、このバッテリ発熱量Qに基づき走行予定経路におけるバッテリ温度上昇量を予測する(バッテリ温度上昇量予測手段)。
本発明においては、SOC変化量の予測には、ナビゲーションユニット44や道路環境情報などから取得した路面勾配情報を必ずしも考慮せず、現在バッテリに充電されているSOCをすべて放電した場合の放電量を車両1のSOC変化量と見なしても良い。これは、前述の通り、駆動源に内燃機関を備えない電気自動車の場合、回生充電による瞬時充電量は、走行等に使用する連続放電量と比べて非常に小さく、後述するバッテリ温度上昇量は、主に放電量に起因するSOC変化量から算出した場合であっても実質的に高精度の予測が可能である為である。
また、より高精度の予測を行うとの観点からは、ナビゲーションユニット44から路面勾配情報を取得しても良い。そして、取得した路面勾配情報に基づき車両1の前方の経路を区分して、各区間において予想される車両1の運転状態からSOCの変動を予測しても良い。例えば降坂路の区間においてはモータ3により回生運転が行われることが予想され、SOCが上昇すると予測する。また、登坂路又は平坦路の区間においては、モータ走行が行われ、SOCが消費される。SOC変化量は、回生走行時の充電量と、モータ走行時の放電量の絶対値の積算値が変化量として算出される。
そして、ECU40は、このようなSOCの変化量の積算値からバッテリ11の温度上昇量を予測する。例えば、このようなSOCの変化量の積算に伴う電流の積算データにより、車両1の走行予定経路におけるバッテリ発熱量QがΣI2R(電流の2乗×内部抵抗)の演算式に基づいて算出され、併せて、バッテリ温度上昇量と初期のバッテリ温度Tb0の合算値として車両1の走行終了時におけるバッテリ温度Tb1が算出される。
そしてステップS3において、ECU40は、バッテリ11の冷却の要否を判定する。当該判定結果が偽(No)である場合、即ち、図2(b)に示したように、バッテリ温度Tbが適正範囲内で推移し、冷却必要領域が存在しないのであれば、バッテリ冷却を行う必要はなく、当該ルーチンをリターンする。
一方、図2(a)および(c)に示したように、予測したバッテリ温度Tbの推移において、バッテリ冷却を行わなければ適正温度範囲を超過するような場合、即ち冷却必要領域が存在する場合には、ステップS3の判定結果は真(Yes)となり、バッテリ冷却を行うべくステップS4に移行する。
次に、ステップS4では、車両1が走行終了するまでにバッテリ11を冷却必要領域において適正温度範囲内に維持するのに必要なバッテリ11の必要放熱量Q1を算出する。具体的には、予測したバッテリ温度Tbにおいて、バッテリ温度Tbの最大値と、適正温度範囲の上限値の差分を算出する。次に、上述した、上限値を超えて最大値となる熱エネルギを車両1の走行終了時点に至るまでに放熱させる必要があり、この放熱させるエネルギ量が必要放熱量Q1となる。
次に、ステップS5において、ECU40は、必要放熱量Qの放熱を実現するために、バッテリ11を冷却必要領域において適正温度範囲内に維持するのに必要なバッテリ11の冷却仕事量Eを算出する。具体的には、バッテリ11を最小限の冷却仕事量Eで冷却可能なポンプ22、ファン24、及び圧縮機31を最適な回転数や駆動タイミングなどを算出する。
次に、ステップS6において、ECU40は、ステップS5で算出された冷却仕事量Eに基づいてバッテリ11の冷却を実施する。具体的には、バッテリ11をポンプ22、ファン24、及び圧縮機31を最適な回転数や駆動タイミングで駆動してバッテリ11を最小限の冷却仕事量Eで冷却する。
これらステップS1〜S6は、車両1の走行停止時のタイミングに周期的に実行され、車両1の走行状況の変動に応じて冷却仕事量Eを都度算出可能である。これにより、車両1の走行予定経路全体においてバッテリ11を最小限の冷却仕事量E、即ち最小限の消費電力で冷却可能である。
以上のようにして、ECU40は、バッテリ11の温度上昇量を予測し、バッテリ温度Tbが適正温度範囲を超えるような場合には、適正温度範囲を超える前にバッテリ11の冷却を行うことで、確実にバッテリ温度Tbを適正温度範囲内に維持することができる。一方、バッテリ温度Tbが適正温度範囲を超えない場合にはバッテリ11の冷却を行わない。
そして、このバッテリ11を冷却するためのバッテリ冷却回路20におけるポンプ22、ファン24、及び圧縮機31の駆動は、バッテリ冷却制御が開始される時点の初期のバッテリ温度Tb0、外気温度Ta、SOCに応じて消費電力を最小とする冷却仕事Eで行われる。従って、ポンプ22、ファン24、及び圧縮機31の効率的な作動を実現可能となるため、バッテリ温度Tbだけに基づいてバッテリ11を冷却する場合に比して、バッテリ11の冷却に要する消費電力を低減しながら、車両1の航続距離を延長することができる。
しかも、予めバッテリ11への冷却仕事量Eを概略把握することができるため、バッテリ11の充電完了後に事前に計算する車両1の航続距離の精度を向上することができる。
以上で本発明に係るバッテリ冷却装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態のバッテリ冷却回路20に設けられる装置は上述したものに限られるものではなく、各装置の配置等もこれに限られるものではなく、他の装置を設けたり、配置を替えたりしても良い。
また、上記実施形態のバッテリ冷却制御では、車両1の走行中にポンプ22、ファン24、及び圧縮機31を最適な回転数や駆動タイミングで駆動する。しかし、これに限らず、バッテリ11を最小限の冷却仕事量Eで冷却可能であれば、車両1の走行状況に応じて、ポンプ22、ファン24、及び圧縮機31の少なくとも1つ、或いは2つの組み合わせで駆動させても良い。
また、上記実施形態のバッテリ冷却制御では、水冷式のバッテリ冷却回路20でバッテリ11を冷却する。しかし、これに限らず、空冷式の冷却手段でバッテリ11を冷却する場合にも本発明を適用可能である。
また、上記実施形態では、本発明をEVトラックに適用した場合について説明したが、走行用動力源として内燃機関を備えたハイブリッド型のトラック、バスや乗用車に適用しても良い。
1 車両
11 バッテリ
20 バッテリ冷却回路(冷却手段)
40 ECU(温度上昇量予測手段、判定手段、冷却仕事量算出手段)
11 バッテリ
20 バッテリ冷却回路(冷却手段)
40 ECU(温度上昇量予測手段、判定手段、冷却仕事量算出手段)
Claims (1)
- 車両に搭載され、所定の適正温度範囲を有するバッテリと、
前記バッテリを冷却する冷却手段と、
前記バッテリの充電完了後、前記車両が走行予定経路を経て目標地点に到達するまでの前記バッテリのSOC変化量を基にバッテリ発熱量を算出し、該バッテリ発熱量に基づきバッテリ温度上昇量を予測する温度上昇量予測手段と、
前記バッテリ温度上昇量において前記適正温度範囲を超える前記バッテリの冷却必要領域が存在するか否かに基づき、前記バッテリの冷却の要否を判定する判定手段と、
前記バッテリを前記冷却必要領域において前記適正温度範囲内に維持するのに必要な前記バッテリの冷却仕事量を算出する冷却仕事量算出手段と
を備え、
前記冷却手段は、前記判定手段にて、前記冷却必要領域が存在し、前記バッテリの冷却要と判定された場合、前記冷却仕事量に基づき前記バッテリを冷却することを特徴とするバッテリ冷却装置。
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