JP2018107427A - 半導体装置の製造方法、真空処理装置及び基板処理装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法、真空処理装置及び基板処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基板に形成された被エッチング膜をエッチングするためのマスクを当該エッチングを行った後に、簡易な方法で、被エッチング膜のダメージが抑えられるように除去すること。【解決手段】被エッチング膜(20)が形成された基板(ウエハW)の表面に重合用の原料を供給して、尿素結合を有する重合体からなるマスク用の膜(23)を形成する工程と、前記マスク用の膜(23)にエッチング用のパターン(28)を形成する工程と、次いで前記パターン(28)を用いて前記被エッチング膜(20)を処理ガスによりエッチングする工程と、その後、前記基板を加熱して前記重合体を解重合して前記マスク用の膜(23)を除去する工程と、を実施する。【選択図】図4

Description

本発明は、半導体装置を製造するための基板上に形成された被エッチング膜を、エッチングマスクを用いてエッチングする技術に関する。
多層化された半導体装置の製造において、動作速度を向上させるために基板である半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)に形成された層間絶縁膜の寄生容量を小さくする手法として、多孔質の低誘電率膜が使用されている。この種の膜としては、例えばシリコン、炭素及び酸素を含み、Si‐C結合を有するSiOC膜が挙げられる。SiOC膜は、配線材料である例えば銅を埋め込むために、レジストマスク及び下層マスクを用いて、CF系のガスである例えばCFガスのプラズマによりエッチングが行われ、次いで酸素ガスのプラズマによりレジストマスクのアッシングが行われる。
ところでSiOC膜に対してエッチングやアッシングなどのプラズマ処理を行う場合、プラズマに曝されたSiOC膜の露出面、即ち凹部の側壁及び底面において、プラズマによって例えばSi−C結合が切れてCが膜中から脱離する。Cの脱離によって不飽和結合手の生成したSiは、その状態では不安定であるため、その後例えば大気中の水分等と結合してSi−OHとなる。
このようにプラズマ処理によって、SiOC膜の露出面にはダメージ層が形成されてしまうが、このダメージ層は炭素の含有量が低下していることから、誘電率が上昇してしまう。配線パターンの線幅の微細化及び配線層や絶縁膜等の薄膜化が進んでいることから、ウエハ全体に対して表面部の与える影響の割合が大きくなっており、表面部といえどもその誘電率の上昇により半導体装置の特性が設計値から外れてしまう要因の一つになる。また、上記のようにプラズマを形成することによりSiOC膜のエッチングに用いたマスクの除去を行っているが、より簡易な方法でマスクの除去を行うことが望ましい。
特許文献1には、基板上の多孔質の低誘電率膜の孔部に事前にPMMA(アクリル樹脂)を埋め込み、低誘電率膜に対してエッチングなどの処理を行った後、基板を加熱し、溶剤を供給し、更にマイクロ波を供給してPMMAを除去する技術が記載されている。しかしながらPMMAを除去するためには、プラズマにより20分程度もの長い時間をかける必要があり、また400℃以上の温度まで基板を加熱しなければならないことから、基板に既に形成されている素子部分に悪影響を与える懸念が大きいという課題がある。
米国特許第9,414、445(第2欄第23行〜29行、第13欄第51行〜53行、クレーム3)
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、基板に形成された被エッチング膜をエッチングするためのマスクを当該エッチングを行った後に、簡易な手法で、被エッチング膜のダメージが抑えられるように除去することができる技術を提供することにある。
本発明の基板に対して処理を行い、半導体装置を製造する方法において、
被エッチング膜が形成された基板の表面に重合用の原料を供給して、尿素結合を有する重合体からなるマスク用の膜を形成する工程と、
前記マスク用の膜にエッチング用のパターンを形成する工程と、
次いで前記パターンを用いて前記被エッチング膜を処理ガスによりエッチングする工程と、
その後、前記基板を加熱して前記重合体を解重合して前記マスク用の膜を除去する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の真空処理装置は、尿素結合を有する重合体からなるマスク用の膜が被エッチング膜の上に形成され、前記マスク用の膜の上にマスクパターンを形成している膜が積層されている基板を、真空容器内にて処理ガスによりエッチングして前記マスクパターンを前記マスク用の膜に転写するための第1のエッチング処理モジュールと、
第1のエッチング処理モジュールにてエッチングされた基板を、真空容器内にて前記マスク用の膜をマスクとして処理ガスにより被エッチング膜をエッチングするための第2のエッチング処理モジュールと、を備えたことを特徴とする。
本発明の基板処理装置は、被エッチング膜が形成された基板の表面に、尿素結合を有する重合体からなるマスク用の膜を形成するための成膜部と、
前記マスク用の膜が成膜された基板にレジストを塗布するためのレジスト塗布部と、
レジストが塗布された基板を加熱処理する露光前の加熱処理部と、
露光後の基板を加熱処理する露光後の加熱処理部と、
加熱処理された基板を現像するための現像処理部と、
基板を処理する各部の間の搬送を行うための搬送機構と、を備え、
前記成膜部は、基板を載置する載置台と、載置台に載置された基板に重合用の原料を液体またはミストとして基板に供給する原料吐出部と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、被エッチング膜が形成された基板の表面に重合用の原料を供給して、尿素結合を有する重合体からなるマスク用の膜を形成する。そして、当該マスク用の膜に形成したエッチング用のパターンを用いて前記被エッチング膜をエッチングした後は、前記基板を加熱し、前記重合体を解重合して前記マスク用の膜を除去する。従って、マスク用の膜を除去するためのプラズマを形成する必要が無い。そのために、当該プラズマによって被エッチング膜がダメージを受けることを防ぐことができ、当該マスク用の膜の除去処理を簡易に行うことができる。
本発明の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の工程の一部を示す説明図である。 本発明の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の工程の一部を示す説明図である。 本発明の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の工程の一部を示す説明図である。 本発明の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の工程の一部を示す説明図である。 本発明の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の工程の一部を示す説明図である。 尿素結合を有する重合体を共重合による反応により生成する様子を示す説明図である。 イソシアネートとアミンとを各々蒸気で反応させて尿素結合を有する重合体を生成するための装置を示す断面図である。 前記半導体装置の製造方法を実施するための真空処理装置の平面図である。 前記真空処理装置に設けられるエッチング処理モジュールの縦断側面図である。 前記半導体装置の製造方法を実施するための塗布、現像装置の平面図である。 前記塗布、現像装置の斜視図である。 前記塗布、現像装置の縦断側面図である。 前記塗布、現像装置に設けられるマスク用膜形成モジュールの縦断側面図である。 尿素結合を有する重合体がオリゴマーとなる反応を示す説明図である。 二級アミンを用いて尿素結合を有する重合体を生成する様子を示す説明図である。 イソシアネート及びアミンを構成する原子団の構成を示す説明図である。 ウエハの表面を示す模式図である。 半導体装置の製造方法の工程の一例を示す説明図である。 半導体装置の製造方法の工程の一例を示す説明図である。 評価試験で得られた走査顕微鏡写真を示す図である。 評価試験で得られた走査顕微鏡写真を示す図である。 評価試験の結果を示すグラフ図である。 評価試験の結果を示すグラフ図である。 評価試験の結果を示すグラフ図である。 評価試験の結果を示すグラフ図である。 評価試験の結果の画像を示す説明図である。 ウエハの表面を示す模式図である。 評価試験の結果を示すグラフ図である。 評価試験の結果を示すグラフ図である。
本発明の半導体装置の製造方法を半導体装置の配線を形成する工程に適用した実施形態について説明する。この配線の形成工程は、基板であるウエハWに対して行われるデュアルダマシンである。図1〜図5は、下層側の回路部分に上層側の回路部分を形成する様子を段階的に示す説明図であり、11は下層側の例えば層間絶縁膜、12は層間絶縁膜11に埋め込まれた配線材料、13はエッチング時のストッパーの機能を持つエッチングストッパー膜である。エッチングストッパー膜13は、例えばSiC(炭化ケイ素)やSiCN(炭化窒化ケイ素)などにより形成されている。
エッチングストッパー膜13の上には、層間絶縁膜である低誘電率膜20が形成されている。低誘電率膜20としては、この例ではSiOC膜が用いられ、SiOC膜は例えばDEMS(Diethoxymethylsilane)をプラズマ化してCVD(Chemical Vapor Deposition)法により成膜される。従って、低誘電率膜20は主成分として、シリコン、炭素及び酸素を含んでいる。なお下層側の層間絶縁膜11についても例えばSiOC膜が用いられる。
本実施形態では、ウエハWの表面において図1(a)に示すように下層側の回路部分が形成され、この回路部分の上に低誘電率膜20が形成されている状態から処理が始まり、この低誘電率膜20にビアホール及びトレンチ(配線埋め込み用の溝)が形成された後、配線が埋め込まれるまでの処理を説明する。
先ず図1(b)に示すように低誘電率膜20の表面に、トレンチに対応する部位が開口する例えばTiN(チタンナイトライド)膜からなるエッチング用のパターンマスクであるハードマスク22が公知の手法により形成される。
続いて、ハードマスク22及び低誘電率膜20上に、ビアホールをエッチングするときのマスクとなるマスク用の膜として、ポリ尿素膜23が形成される(図1(c))。このポリ尿素膜23については、図6に一例を示すように、原料モノマーであるイソシアネート及びアミンを、尿素結合が形成されるように共重合させることにより形成することができる。なお、Rは例えばアルキル基(直鎖状アルキル基または環状アルキル基)またはアリール基であり、nは2以上の整数である。
アミンとしては、例えば脂環式化合物または脂肪族化合物を用いることができ、当該脂環式化合物としては、例えば1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(H6XDA)が、当該脂肪族化合物としては、例えば1,12−ジアミノドデカン(DAD)が夫々挙げられる。
イソシアネートとしては、例えば脂環式化合物、脂肪族化合物、芳香族化合物などを用いることができる。当該脂環式化合物としては、例えば1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)が、当該脂肪族化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートが夫々挙げられる。
上記の原料モノマーを含むガスをウエハWに供給して、蒸着重合によりポリ尿素膜23を形成するためのCVD装置3を図7に示しておく。30は真空雰囲気を区画する真空容器であり、図中39は当該真空雰囲気を形成するために真空容器30内を排気する排気機構である。31a、32aは夫々原料モノマーであるイソシアネート及びアミンを液体で収容する原料供給源であり、イソシアネートの液体及びアミンの液体は供給管31b、32bに介在する気化器31c、32cにより気化され、各蒸気が、ガス吐出部であるシャワーヘッド33に導入される。
シャワーヘッド33は、下面に多数の吐出孔が形成されており、イソシアネートの蒸気及びアミンの蒸気を別々の吐出孔から処理雰囲気に吐出するように構成されている。ウエハWは、温調機構を備えた載置台34に載置される。そして、真空容器30内を所定の圧力の真空雰囲気とした状態で、ウエハWに対してイソシアネートの蒸気及びアミンの蒸気が供給されて、ウエハW表面で蒸着重合され、既述のポリ尿素膜23が形成される。このように蒸着重合させるときの真空容器30内の温度は、原料モノマーの種類に応じて定めることができ、例えば40℃〜150℃とすることができる。例えば原料モノマーの蒸気圧が比較的低い場合にはウエハWの比較的温度は高い方が好ましく、例えば原料モノマーの蒸気圧が比較的高い場合にはウエハWの温度は比較的低い方が好ましい。ポリ尿素膜23の膜厚は、例えばポリ尿素膜23の屈折率や消衰係数に応じて定めることができる。
このポリ尿素膜23の形成後は、当該ポリ尿素膜23上にマスク膜24が形成され、マスク膜24は例えばSiO(酸化シリコン)膜であり、例えばシリコン系の反射防止膜を用いることができる。マスク膜24は、例えば減圧化学気相堆積法(LPCVD:Low Pressure Chemical Vapor Deposition)やALD(Atomic Layer Deposition)により形成される。LPCVDによって、マスク膜24としてSiO(酸化シリコン)膜を形成する場合、原料ガスとしては、例えばシランガス及び酸化ガスが用いられる。
続いて、マスク膜24上に、レジスト膜26が形成される。そしてレジスト膜26が露光、現像されることにより、ビアホールに対応する部位に開口部27が設けられるレジストパターンが形成され(図2(e))、このレジストパターンを用いてマスク膜24がエッチングされる(図2(f))。
このエッチングについては、マスク膜24がSiO膜である場合、例えばCHFガスをプラズマ化して得たプラズマにより行う。さらにマスク膜24をマスクとして、ポリ尿素膜23をエッチングすることで、ビアホールに対応する部位に開口部28が形成される(図3(g))。このときエッチングとしては、例えばO(酸素)ガス、CO(二酸化炭素)ガス、NH(アンモニア)ガスあるいはN(窒素)ガスとH(水素)ガスとの混合ガスをプラズマ化して得たプラズマにより行うことができる。続いてポリ尿素膜23をエッチングマスクとして用い、低誘電率膜20をエッチングし、ビアホール29を形成する(図3(h))。低誘電率膜20、この例ではSiOC膜をエッチングする手法としては、処理ガスである例えばCガスをプラズマ化して得たプラズマにより行うことができ、この場合、更に微量の酸素ガスを添加するようにしてもよい。なお、ポリ尿素膜23上のマスク膜24は、このエッチング工程で除去される。
その後、ビアホール29の底部のエッチングストッパー膜13がエッチングして除去される。このエッチングは、エッチングストッパー膜13が例えばSiC膜である場合には、例えばCFガスをプラズマ化して得たプラズマにより行うことができる。
ポリ尿素膜23を形成してから、この段階までに行われる各プロセスは、ポリ尿素が解重合する温度よりも低い温度で実施されることが必要である。従って、各膜をエッチングする際のウエハWの処理温度は、例えば100℃以下であり、CVDやALDにより各膜を形成する場合におけるウエハWの処理温度は例えば室温〜200℃である。
然る後、ポリ尿素膜23が除去される(図4(i))。ポリ尿素は、300℃以上、例えば350℃に加熱するとアミンに解重合して蒸発するが、ウエハW上に既に形成されている素子部分、特に銅配線に悪影響を与えないようにするためには、400℃以下、例えば390℃以下で加熱することが好ましく、例えば300℃〜350℃で加熱することがより好ましい。ポリ尿素の解重合を行う時間、例えば300℃〜400℃で加熱する時間は、素子への熱的ダメージを抑えるという観点から、例えば5分以下が好ましい。従って加熱レシピの好ましい例としては、350℃、5分以下を挙げることができる。加熱の手法としては、赤外線ランプを用いてもよいし、ヒーターを内蔵した載置台の上にウエハWを載せて加熱するようにしてもよい。加熱雰囲気は例えば窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気とされる。
次にビアホール29を形成したプロセスと同様にして、ハードマスク22を用いて低誘電率膜20がエッチングされ、ビアホール29を囲む領域にトレンチ2Aが形成される(図4(j))。その後、ハードマスク22が除去される(図5(k))。ハードマスク22がTiN膜であるときには、例えば硫酸、過酸化水素水及び水の混合溶液をエッチング液としてウエットエッチングにより除去することができる。続いてビアホール29及びトレンチ2Aに銅が埋め込まれ、余分な銅がCMP(Chemical Mechanical Polishing)により除去されて銅配線2Bが形成され、上層の回路部分が形成される(図5(l))。図5(l)では省略しているが、銅配線2Bが形成される前に、ビアホール29及びトレンチ2A内に例えばTiとTiONとの積層膜からなるバリアメタル層と銅からなるシード層が形成される。
以上の手法によれば、ウエハWに形成された低誘電率膜20をエッチングする際のエッチングマスクとなるポリ尿素膜23を蒸着重合により形成し、低誘電率膜20をエッチングしてビアホール29を形成する。その後、ウエハWを400℃未満の温度で加熱してポリ尿素を解重合させ、ポリ尿素膜23を除去する。従って、低誘電率膜20のエッチングマスクを除去するにあたり、低誘電率膜20をプラズマに曝す必要が無いため、低誘電率膜20の表面が受けるダメージが抑制される。結果として、低誘電率膜20の誘電率の上昇が抑制されるため、配線間の容量の増大を防ぐことができるので、ウエハWから信頼性の高い半導体製品を製造することができる。また、低誘電率膜20をプラズマに曝す必要が無いということは、低誘電率膜20とポリ尿素膜23との間に当該ポリ尿素膜23を除去するにあたり低誘電率膜20をプラズマから保護するための膜を設ける必要が無いということである。そのため、以上の手法によれば、処理工程の増加が抑制されることになる。また、ポリ尿素膜23を除去するためにプラズマを用いる必要が無いため、このポリ尿素膜23の除去を簡易に行うことができ、この除去処理を行う解重合モジュール50の構成を簡素なものとすることができる。また、ポリ尿素についてはアミド基を含んでおり、一のポリマーを構成するアミド基と他のポリマーを構成するアミド基との間に水素結合が形成されるので、比較的高い耐薬品性及び200℃程度という実用上十分な耐熱性を有する。つまり、ポリ尿素膜23はマスクとして好適な性質を備えている。
続いて、上記の一連の処理において、レジストパターンが形成されてからポリ尿素膜23が解重合されるまでの処理を行う真空処理装置4について、図8の平面図を参照しながら説明する。真空処理装置4は、その内部雰囲気が例えば乾燥した窒素ガスにより常圧雰囲気とされる横長の常圧搬送室41を備え、常圧搬送室41の手前には、キャリアCを載置するための搬入出ポート42が左右方向に並べて設置されている。常圧搬送室41の正面壁には、前記キャリアCの蓋と一緒に開閉されるドア43が取り付けられている。常圧搬送室41内には、ウエハWを搬送するための関節アームで構成された第1の搬送機構44が設けられている。さらに、常圧搬送室41の搬入出ポート42側から見て左側壁には、ウエハWの向きや偏心の調整を行うアライメント室45が設けられている。
常圧搬送室41における搬入出ポート42の反対側には、例えば2個のロードロック室46A、46Bが左右に並ぶように配置されている。ロードロック室46A、46Bと常圧搬送室41との間には、ゲートバルブ47が設けられている。ロードロック室46A、46Bの常圧搬送室41側から見て奥側には、真空搬送室48がゲートバルブ49を介して配置されている。
真空搬送室48には、ゲートバルブ4Aを介して、2つのエッチング処理モジュール5及び2つの解重合モジュール50が接続されている。真空搬送室48には、関節アームからなる2本の搬送アームを備えた第2の搬送機構4Bが設けられており、第2の搬送機構4Bにより、ロードロック室46A、46B、エッチング処理モジュール5及び解重合モジュール50間でウエハWの受け渡しが行われる。
続いて、エッチング処理モジュール5について、縦断側面図である図9を参照しながら説明する。このエッチング処理モジュール5は、容量結合プラズマを形成し、既述のプラズマによる各エッチング処理を行うことができるように構成されている。図中51は接地された処理容器であり、図8で説明したゲートバルブ4Aを介して真空搬送室48に接続されている。処理容器51内は、排気機構59によって内部が排気されることで、所望の圧力の真空雰囲気とされる。
図中52はウエハWが載置される載置台であり、ウエハWを加熱するための図示しないヒーターが埋設されている。載置台52は、処理容器51の底面上に電気的に接続されて配置されており、下部電極としての役割を果たし、アノード電極として機能する。また、載置台52は第2の搬送機構4Bとの間でウエハWの受け渡しができるように、載置台52の表面において突没し、ウエハWの裏面を支持する昇降ピンを備えるが、図示は省略している。
載置台52の上方にはこの載置台52の上面と対向するように、シャワーヘッド53が設けられている。図中54は絶縁部材であり、シャワーヘッド53と処理容器51とを絶縁する。シャワーヘッド53には、プラズマ発生用の高周波電源55が接続されており、シャワーヘッド53はカソード電極として機能する。図中56はガス供給部であり、既述の各膜のエッチングに用いられるエッチングガスを独立して、シャワーヘッド53内に設けられる拡散空間57に供給する。拡散空間57に供給されたエッチングガスは、シャワーヘッド53の吐出口からシャワー状にウエハWに供給される。このようにウエハWにエッチングガスが供給されるときに高周波電源55がオンになり、電極間に電界が形成されてエッチングガスがプラズマ化することで、ウエハW表面における膜のエッチングが行われる。
次に、ポリ尿素膜23を除去する除去モジュールである解重合モジュール50について説明する。この解重合モジュール50は、エッチング処理モジュール5と同様に、内部が真空雰囲気とされる処理容器51を備える。つまり、解重合モジュール50は、エッチング処理モジュール5とは別個の処理容器51を備えている。そして、解重合モジュール50の処理容器51内においても、エッチング処理モジュール5の処理容器51内と同様に、ヒーターを備える載置台52が設けられており、当該載置台52に載置されたウエハWは既述した温度に加熱されて、ポリ尿素膜23の解重合が行われる。また、解重合モジュール50においては、例えば処理容器51内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部が設けられ、上記のようにウエハWが加熱される際には、処理容器51内は不活性ガス雰囲気とされる。
真空処理装置4はコンピュータである制御部40を備えており、この制御部40は、プログラム、メモリ、CPUを備えている。このプログラムは、コンピュータ記憶媒体、例えばコンパクトディスク、ハードディスク、光磁気ディスク等に収納され、制御部40にインストールされる。制御部4は当該プログラムにより、真空処理装置4の各部に制御信号を出力し、各部の動作を制御する。具体的に、このプログラムは、真空処理装置4内におけるウエハWの搬送、各モジュール5、50におけるウエハWへの各ガスの給断、高周波電源55のオンオフなどの動作を制御し、ウエハWに対して上記の図2(e)〜図4(i)で説明した一連の処理が実施されるようにステップ群が組まれている。
この真空処理装置4の動作について説明する。図2(e)で示したようにレジストパターンが形成されたウエハWを収容したキャリアCが搬入出ポート42上に載置されると、当該キャリアC内のウエハWが、第1の搬送機構44によって取り出され、常圧搬送室41、アライメント室45、ロードロック室46Aの順で搬送された後、第2の搬送機構4Bにより、真空搬送室48、エッチング処理モジュール5の順で搬送される。そして、図2(f)で説明した、プラズマ化したCHFガスによるマスク膜24のエッチング、図3(g)で説明した、プラズマ化した酸素ガスなどによるポリ尿素膜23のエッチング、図3(h)で説明した、プラズマ化したCガスによる低誘電率膜20のエッチングが順番に行われる。
その後、ウエハWは第2の搬送機構4Bにより、真空搬送室48、解重合モジュール50の順で搬送され、当該モジュール5の載置台52に載置されて加熱されて、図4(i)に示したようにポリ尿素膜23が解重合されて除去される。然る後、ウエハWは、第2の搬送機構4Bにより、真空搬送室48、ロードロック室46Bの順で搬送され、第1の搬送機構44によってキャリアCに戻される。
上記の真空処理装置4では、1つのエッチング処理モジュール5において、レジストパターン(マスクパターン)をマスク用の膜であるポリ尿素膜23へ転写する処理と、ポリ尿素膜23をマスクとして被エッチング膜である低誘電率膜20をエッチングする処理とが行われる。即ち、当該レジストパターンの転写を行うための第1のエッチング処理モジュールの真空容器と、低誘電率膜20のエッチングを行うための第2のエッチング処理モジュールの真空容器とが共通化された構成となっている。そのような構成により、装置の製造コスト及び運用コストを抑えることができる。ただしマスクパターンのポリ尿素膜への転写と、低誘電率膜20のエッチングとを互いに異なるエッチング処理モジュール5で行ってもよい。つまり、上記のエッチング工程のすべてを一つのエッチング処理モジュール5で行うことには限られない。
続いて、基板処理装置である塗布、現像装置6について説明する。この塗布、現像装置6は、図1(c)で説明したポリ尿素膜23の形成から図2(e)で説明したレジスト膜26及びレジストパターンの形成に至るまでの一連の処理を行う装置である。以降、塗布、現像装置6の平面図、斜視図、概略縦断側面図である図10、図11、図12を夫々参照して説明する。
この塗布、現像装置6は、キャリアブロックD1と、処理ブロックD2と、インターフェイスブロックD3と、を直線状に接続して構成されている。インターフェイスブロックD3には、露光装置D4が接続されている。以降の説明ではブロックD1〜D3の配列方向を前後方向とする。キャリアブロックD1は、キャリアCの載置台61と、載置台61に載置されるキャリアCの正面に設けられた、キャリアCの蓋と共に開閉される開閉部と、開閉部62を介してキャリアC内とキャリアブロックD1内との間でウエハWを搬送する移載機構63とを備えている。
処理ブロックD2は、ウエハWに液処理を行う6つの単位ブロックEが下から順に積層されて構成されている。この6つの単位ブロックEとしてはE1〜E3の3種類が2層ずつ設けられており、同じ単位ブロックについては同様に構成され、互いに同じ処理が行われる。また、各単位ブロックEでは、互いに独立してウエハWの搬送及び処理が行われる。
図10に示す単位ブロックE1について説明する。キャリアブロックD1からインターフェイスブロックD3へ向かうウエハWの搬送領域64が設けられており、搬送領域64の左右の一方側には加熱処理部である加熱モジュール60が前後に沿って複数設けられている。搬送領域64の左右の他方側には成膜部であるマスク用膜形成モジュール8と、マスク膜24を形成するための薬液塗布モジュール65とが設けられている。マスク用膜形成モジュール8は、ウエハWの表面に薬液を塗布することで、上記のポリ尿素膜23を形成する。マスク用膜形成モジュール8の構成については、後に詳しく説明する。薬液塗布モジュール65は、ウエハWの表面に薬液を塗布してマスク膜24を形成するためのモジュールである。搬送領域64には、ウエハWの搬送機構である搬送アームF1が設けられている。
単位ブロックE2は、マスク用膜形成モジュール8及び薬液塗布モジュール65の代わりに、レジスト塗布部であるレジスト塗布モジュール67を2つ備えることを除いて、単位ブロックE1と同様に構成されている。レジスト塗布モジュール67は、ウエハWの表面に薬液としてレジストを塗布してレジスト膜26を形成するためのモジュールである。
単位ブロックE3は、マスク用膜形成モジュール8及び薬液塗布モジュール65の代わりに、現像モジュール68を2つ備えることを除いて、単位ブロックE1と同様に構成されている。現像処理部である現像モジュール68は、ウエハWの表面に薬液として現像液を供給して、レジストを現像する。薬液塗布モジュール65、レジスト塗布モジュール67及び現像モジュール68は、ウエハWに供給する薬液の種類が異なることを除いて、マスク用膜形成モジュール8と同様に構成されている。また、単位ブロックE1の搬送アームF1に相当し、単位ブロックE2、E3に設けられる搬送アームを夫々F2、F3とする。なお、単位ブロックE2に設けられる加熱モジュール60は、レジストが塗布されたウエハWを加熱処理する露光前の加熱処理部として構成され、単位ブロックE3に設けられる加熱モジュール60は、露光後のウエハWを加熱する露光後の加熱処理部として構成されている。
処理ブロックD2におけるキャリアブロックD1側には、6つの単位ブロックEに跨って上下に伸びるタワーT1と、タワーT1に対してウエハWの受け渡しを行うための昇降自在な搬送機構である受け渡しアーム71とが設けられている。タワーT1は互いに積層された複数の受け渡しモジュールTRSを備え、単位ブロックE1〜E3の各高さに設けられる受け渡しモジュールは、当該単位ブロックE1〜E3の各搬送アームF1〜F3との間でウエハWを受け渡すことができる。
インターフェイスブロックD3においては、6つの単位ブロックEに跨って上下に伸びるタワーT2、T3、T4が設けられている。また、タワーT2とタワーT3に対してウエハWの受け渡しを行うための昇降自在な搬送機構であるインターフェイスアーム72と、タワーT2とタワーT4に対してウエハWの受け渡しを行うための昇降自在な搬送機構であるインターフェイスアーム73と、タワーT2と露光装置D4の間でウエハWの受け渡しを行うための搬送機構であるインターフェイスアーム74と、が設けられている。
タワーT2は、受け渡しモジュールTRS、露光処理前の複数枚のウエハWを格納して滞留させるバッファモジュール、露光処理後の複数枚のウエハWを格納するバッファモジュール、及びウエハWの温度調整を行う温調モジュールなどが互いに積層されて構成されているが、ここでは、バッファモジュール及び温調モジュールの図示は省略する。なお、タワーT3、T4にも夫々ウエハWが搬送されるモジュールが設けられているが、ここでは説明を省略する。
図10中70は、塗布、現像装置6に設けられる制御部であり、真空処理装置4の制御部40と同様に構成されている。この制御部70を構成するプログラムについては、後述のようにウエハWを搬送し、各モジュールにて処理を行うことができるように塗布、現像装置6の各部に制御信号を出力するよう、ステップ群が組まれている。
上記のマスク用膜形成モジュール8について、図13を参照して説明する。図中、81は、ウエハWを吸着保持して回転機構80により回転する載置台であるバキュームチャック、82は、カップモジュール、83は、下方に伸びる外周壁及び内周壁が筒状に形成されたガイド部材である。84は、全周に亘って排気、排液を行うことができるように外カップ85と前記外周壁との間に形成された排出空間であり、排出空間84の下方側は気液分離できる構造になっている。図中80は、例えば下方側からウエハWに光を照射することにより加熱するLED(発光ダイオード)であり、後述のようにウエハWに薬液が供給されるときに、重合が行われるように、当該ウエハWを加熱する。
供給源86Bから、図5で説明したジアミンの溶液(第1の薬液とする)が、供給源87Aから、図5で説明したジイソシアネートの溶液(第2の薬液とする)が、各々薬液ノズル86に向けて供給され、これらの溶液は薬液ノズル86に供給される直前で合流し、混合溶液をなす。つまり、第1の薬液と第2の薬液とは基板に供給される直前に混合される。そして、薬液ノズル86は当該混合溶液を鉛直下方に吐出する。原料吐出部である薬液ノズル86は、図示しない駆動機構に接続されており、ウエハWの中心部上と外カップ85の外側との間で移動自在に構成されている。
マスク用膜形成モジュール8におけるウエハWの処理について説明する。先ず、原料吐出部をなす薬液ノズル86からウエハWの中心部に上記の混合溶液が供給されると共に所定の回転数でウエハWを回転させ、当該混合溶液がウエハWの表面に展伸される。つまり、第1の溶液、第2の溶液が各々ウエハWにスピンコーティングされる。そして混合溶液によってウエハW表面でポリ尿素膜23が形成される。
なお、ウエハWには第1の薬液及び第2の薬液のうちの一方の薬液を先に供給し、その後、他方の薬液を供給することで成膜を行ってもよい。その場合は、供給源86Bに接続されるジアミン用の薬液ノズル86と、供給源87Aに接続されるジイソシアネート用の薬液ノズル86とを設けて、これらの薬液ノズル86から薬液を各々ウエハWに吐出する。ところで、上記の各薬液ノズル86は、供給源から供給された薬液をミストとして、ウエハWに吐出するように構成されていてもよい。なお、ミストをウエハWに供給するにあたっては、ウエハWについては回転しておらず、停止した状態とされていてもよい。
この塗布、現像装置6及び露光装置D4からなるシステムにおけるウエハWの搬送経路について説明する。図1(b)で説明したハードマスク22が形成された状態のウエハWが格納されたキャリアCがキャリアブロックD1の載置台61に載置され、移載機構63により処理ブロックD2におけるタワーT1の受け渡しモジュールTRS0に搬送される。この受け渡しモジュールTRS0からウエハWは、受け渡しアーム71により、単位ブロックE1に対応する受け渡しモジュールTRS1(搬送アームF1によりウエハWの受け渡しが可能な受け渡しモジュール)に搬送される。
然る後、ウエハWは搬送アームF1により、受け渡しモジュールTRS1からマスク用膜形成モジュール8に搬送され、ポリ尿素膜23が形成された後、薬液塗布モジュール65に搬送されて薬液が塗布される。次に、ウエハWは加熱モジュール60に搬送されて加熱され、薬液中の溶剤が蒸発して、図2(d)に示したようにマスク膜24が形成される。続いてウエハWは、受け渡しモジュールTRS1に搬送され、さらに受け渡しアーム71により、単位ブロックE2に対応する受け渡しモジュールTRS2に搬送される。
続いて、ウエハWは搬送アームF2により、受け渡しモジュールTRS2からウエハWはレジスト塗布モジュール67に搬送されて、レジストが塗布された後、加熱モジュール60に搬送され、レジスト中の溶剤が蒸発して、マスク膜24上にレジスト膜26が形成される。然る後、ウエハWは、タワーT2の受け渡しモジュールTRS21に搬送され、インターフェイスアーム72、74により、タワーT3を介して露光装置D4へ搬入されて、レジスト膜26が所定のパターンに沿って露光される。露光後のウエハWは、インターフェイスアーム73、74によりタワーT2、T4間を搬送されて、単位ブロックE3に対応するタワーT2の受け渡しモジュールTRS31に搬送される。
然る後、搬送アームF3により、ウエハWは加熱モジュール60に搬送されてポストエクスポージャベークを受けた後、現像モジュール68に搬送されて現像液が供給され、図2(e)に示したようにレジストパターンが形成される。その後、ウエハWはタワーT1の単位ブロックE3に対応する受け渡しモジュールTRS3に搬送され、移載機構63によりキャリアCに戻される。なお、ポリ尿素膜23を形成してからの各処理は、当該ポリ尿素が解重合する温度よりも低い温度で行われる。
また図14(a)〜(d)に示すように、原料モノマーとして一官能性分子を用いてもよい。この図に示すように、ウエハWに形成される尿素膜としては上記のポリ尿素膜23のように高分子化合物であることに限られず、オリゴマーであってもよい。更にまた図15(a)、(b)に示すように、イソシアネートと二級アミンとを用いてもよく、この場合に生成される重合体に含まれる結合も尿素結合である。
ところで、図16は、上記の図6の反応式中の原子団であるRの構造の一例を示したものであり、この図16の構造式中のR′は図6の反応式中のNCOまたはNHである。図16(a)(b)に示すようにRは、ベンゼン環を含むように構成してもよい。図16(a)では、Rに含まれるベンゼン環と、アミン及びジイソシアネートを構成する窒素との間に炭素が存在しない構造を、図16(b)では、Rに含まれるベンゼン環と、アミン及びジイソシアネートを構成する窒素との間に炭素が存在する構造を夫々示している。図16(a)に示すように上記の炭素が存在しない化合物を用いて形成されたポリ尿素膜23は光による変質が起るおそれが有るが、図16(b)に示すように当該炭素が存在する化合物を用いることで、比較的高い耐光性及び膜強度を有するポリ尿素膜23を形成することができる。
また、図16(c)に示すように脂環式炭化水素を有するようにRを構成してもよく、このような構造を有する化合物を用いることで、比較的高い透明性を有するポリ尿素膜23を形成することができる。さらに、図16(d)に示すように脂肪族によりRを構成してもよく、その場合、ポリ尿素膜23は比較的高い柔軟性を有する。図16(d)ではRが炭素の直鎖を備える例と、Rが3級アミンである例とを示しており、そのうちの直鎖を備える例について、当該直鎖を構成する炭素の数は、例えば2〜18である。図14、図15に示した原料モノマーを構成するRについても、このようにベンゼン環、脂環式炭化水素、脂肪族を持つようにすることで、以上に説明した各性質をポリ尿素膜23に付与することができる。
上記の例では、層間絶縁膜である低誘電率膜20上にポリ尿素膜23のマスクを形成しているが、ポリ尿素膜23のマスクとしては既述のように除去するにあたり、当該マスクの下層の膜が受けるダメージを抑えることができるという利点が有る。そのためポリ尿素膜23のマスクは層間絶縁膜以外の被エッチング膜上に形成し、当該被エッチング膜をエッチングした後、マスクの除去による当該被エッチング膜へのダメージを抑えるようにしてもよい。また、ポリ尿素膜23の除去方法としては、上記のように加熱された載置台にウエハWを載置することに限られず、例えば真空雰囲気でランプヒーターなどによりウエハWに赤外線を照射して加熱することで行ってもよい。なお、本発明は既述した実施形態に限られず、各実施形態は適宜変更することが可能である。
ところで、上記のSiOCからなる低誘電率膜20は例えばlow-kと呼ばれる多孔質体によって構成されており、この低誘電率膜20のプラズマエッチングには例えばCF(四フッ化炭素)などのF(フッ素)を含むCF系のガスが用いられる。ポリ尿素膜23をマスクとして当該CF系のガスにより低誘電率膜20をプラズマエッチングした後、既述のように加熱処理によってポリ尿素膜23を解重合すると、低誘電率膜20上に上方へ伸びる細長の残渣91が付着している場合が有ることが確認された。残渣91の成分を分析すると、ポリ尿素を構成するC(炭素)、O(酸素)、N(窒素)が夫々55%、28%、9%含まれていた他に、ポリ尿素を構成しないSi(シリコン)が8%含まれていた。その分析結果から、この残渣91は次のような機序で発生したものと考えられる。
図17を参照しながら説明すると、上記のCF系のガスで低誘電率膜20をエッチングすることで、SiFなどの低誘電率膜20を構成するSiとエッチングガスを構成するFとからなる化合物が生成し、当該ポリ尿素膜23の表面に付着し、ポリ尿素膜23の表面にSiを含む付着層92が形成される。この付着層92は図17(a)では継ぎ目の無い層のように示しているが、実際には多数の小片が重なって形成された層であり、小片間に隙間が形成されている。その後、ポリ尿素膜23を解重合するために加熱すると、ポリ尿素膜23から生じたモノマーが気化し、上記した付着層92の隙間から当該付着層92の外部へ放出され、ポリ尿素膜23が収縮する。このポリ尿素膜23の収縮に合わせて付着層92が収縮し、ポリ尿素膜23が最終的に消失すると、付着層92が固まりをなし、上記の形状の残渣91を形成する(図17(b))。
このような残渣91が低誘電率膜20上に残ることを防ぐための処理について、ウエハWの表面の縦断側面図である図18を参照して説明する。図18(a)はウエハWの表面に低誘電率膜20、ポリ尿素膜23、反射防止膜93が下方から上方に向けてこの順で形成され、反射防止膜93からポリ尿素膜20に至るように凹部であるマスクパターン95が形成された状態を示している。なお、当該凹部の底面に低誘電率膜20が露出している。そして、この状態から既述のようにCF系のガスで、低誘電率膜20をプラズマエッチングする。このエッチングにより反射防止膜93が除去され、低誘電率膜20にはパターン(凹部)96が形成され、ポリ尿素膜23には既述のように付着層92が形成される(図18(b))。このエッチングは、例えば既述のエッチングモジュール5で行う。
その後、例えばH(水素)ガス及びN(窒素)ガスを共に供給して、これらのガスをプラズマ化し、付着層92を例えば60秒間アッシングすることにより除去する(図18(c))。このアッシングも、例えばエッチングモジュール5を用いる。なお、アッシングを行うためのプラズマを形成するガスとしては、上記のH2ガス及びN2ガスには限られず、CO2(二酸化炭素)ガスなどであってもよい。また、エッチングモジュール5における各処理時においては、低誘電率膜20へのダメージが大きくなることを防ぐために、当該エッチングモジュール5のステージ52の温度を例えば室温以下に調整することで、ウエハWの温度を例えば200℃以下とすることが好ましい。
上記のように付着層92のアッシングによる除去後は、既述のようにポリ尿素膜を300℃以上の温度で加熱して、解重合して除去する(図18(d))。この解重合は、既述した解重合モジュール50で行うことができる。従って、図8で説明した半導体製造装置4で、この図18の一連の処理(第1のアッシング含有処理とする)を行う場合には、ウエハWをエッチングモジュール5、解重合モジュール50の順で搬送して処理を行う。
このような第1のアッシング含有処理によれば、ポリ尿素膜23及び付着層92のうち付着層23のみをアッシングにより除去するため、ポリ尿素膜23及び付着層92の両方をアッシングにより除去することに比べて、低誘電率膜20がプラズマに曝される時間を短くすることができる。従って、低誘電率膜20が受けるダメージを抑制することができる。
上記の処理においてアッシングと、解重合を行う加熱との順番は逆でもよい。そのように順番を逆にした処理を第2のアッシング含有処理として、図19を参照して具体的に説明すると、先ず図18(a)で説明したように低誘電率膜20、ポリ尿素膜23及び反射防止膜93が積層され、ポリ尿素膜20及び反射防止膜93にパターン95が形成されたウエハWについて、既述のようにエッチングし、低誘電率膜20にパターン96を形成した後(図19(a)(b))、ポリ尿素膜23の解重合を行うためにウエハWを加熱し、低誘電率膜20に残渣91が付着した状態となる(図19(c))。その後、アッシングを行うことで残渣91を除去する(図19(d))。このアッシングは、例えば図18(c)で述べた付着層92を除去する場合と同様に、プラズマ化したN2ガス及びH2ガスにより60秒間行う。
このように第2のアッシング含有処理では、エッチングによるパターン96の形成、解重合、エッチングによる残渣91の除去の順で処理を行うため、半導体製造装置4でこの一連の処理を行う場合、ウエハWをエッチングモジュール5、解重合モジュール50、エッチングモジュール5の順で搬送して処理を行う。なお、エッチングモジュール5でパターン96を形成後、エッチングモジュール5でウエハWを加熱することにより解重合を行い、モジュール間の搬送の回数を減らすことも考えられる。しかし、上記のようにプラズマに曝される膜のダメージを抑制するために、エッチング時におけるウエハWの温度を200℃以下にするので、エッチングモジュール5で解重合を行うようにすると、処理容器51内の温度調整に比較的長い時間を要することになる。そのため、上記のようにエッチングモジュール5においてパターン96を形成した後は、解重合モジュール5へウエハWを搬送して処理を行う、つまり解重合とエッチングとは別個の処理容器を備えるモジュールで各々行うことが好ましい。
ところで解重合を行う解重合モジュールとして、ウエハWを1枚ずつ加熱処理する枚葉式の加熱モジュールを説明したが、処理容器内に複数のウエハWを搬入して一括で加熱処理するバッチ式の加熱モジュールを用いることができる。ただし、上記のように解重合モジュールにおけるウエハWの温度と、エッチングモジュールにおけるウエハWの温度は異なるため、図19の第2のアッシング含有処理を行う場合は、解重合の後に残渣91を除去するアッシングを行うまでに、当該解重合モジュールで熱除去を行うことになる。従って、この第2のアッシング含有処理でバッチ式の加熱モジュールを用いると、一括処理したウエハWの全てについて、所定の温度に降温されるまで、解重合モジュールで待機させることになり、その待機の間、エッチングモジュール5がウエハWを処理できずに待機することになる。このようなエッチングモジュール5の待機の時間を抑え、エッチングモジュール5の処理効率を高めて一連の処理を行うための処理時間が長くなることを防ぐ観点から、この第2のアッシング含有処理では枚様式の加熱モジュールで解重合を行い、降温したウエハWを順次エッチングモジュール5に搬送することが好ましい。なお、上記の熱除去の際には、ウエハWから発生するガスが冷却され、ポリマーとして処理容器及び排気管などに付着することを防ぐために、これらの処理容器及び排気管をヒーターなどにより100℃以上に加熱することができる構成とすることが好ましい。
その一方で、図18に示した第1のアッシング含有処理においては、一連の処理において解重合を最後に行うため、バッチ式の加熱モジュールを用いても上記のようなエッチングモジュール5を待機させる必要が無いので、処理時間が長くなることを防ぐことができる。つまり、バッチ式の加熱モジュール、枚様式の加熱モジュールのうちのいずれを用いてもよい。従って、第1のアッシング含有処理は、既述のようにモジュール間におけるウエハWの搬送工程を少なくすることができる他に、モジュールの選択の自由度も高くなるという利点も有る。以上に述べた第1のアッシング含有処理、第2のアッシング含有処理についても、既述した実施形態に組み合わせることができるし、適宜変更することができる。
続いて本発明に関連する評価試験について説明する。
評価試験1
ウエハWに層間絶縁膜、ポリ尿素膜23、反射防止膜、パターンが形成されたレジスト膜を下側からこの順に形成し、レジストをマスクとして反射防止膜をエッチングし、続いて反射防止膜をマスクとしてポリ尿素膜23をエッチングし、然る後、ポリ尿素膜23をマスクとした層間絶縁膜のエッチング及び反射防止膜の除去を行った。その後、ウエハWを350℃で1時間加熱処理した。
図20は加熱処理前のウエハWの写真、図21は加熱処理後のウエハWの写真であり、走査顕微鏡によって各々撮像されたものである。これらの図では上側がウエハWの縦断側面を撮像したものであり、下側がウエハWの上面を斜め方向から撮像したものである。図21ではポリ尿素膜23が解重合により消失する様子が示されている。
評価試験2
アミンとしてH6XDAを気化させて生成した蒸気、イソシアネートとしてH6XDIを気化させて生成した蒸気をウエハWに供給してポリ尿素膜23を形成した。ただし、この評価試験2では、図7で説明したCVD装置3とは異なり、ウエハWの一端側から他端側へ向けて水平方向に各蒸気が供給されるCVD装置を用いて成膜を行った。H6XDAとしては85℃に加熱して、気化量は0.3g/分とした。H6XDIとしては110℃に加熱して、気化量は0.1g/分とした。これらの蒸気のウエハWへの供給は300秒間行い、真空容器30内の圧力は0.2Torr(26.67Pa)とした。また、蒸気の供給中におけるウエハWの温度は処理を行う度に変更しており、80℃、70℃または60℃に設定した。成膜が行われたウエハWについては、面内の各部に形成されたポリ尿素膜23の膜厚を測定した。
ウエハWの温度が80℃である場合において、膜厚の平均値は54nm、最大値は65nm、最小値は40nm、1σは13%であった。ウエハWの温度が70℃である場合において、膜厚の平均値は144nm、最大値は188nm、最小値は92nm、1σは20%であった。ウエハWの温度が60℃である場合において、膜厚の平均値は297nm、最大値は468nm、最小値は142nm、1σは34%であった。以上のように、この評価試験2からは、ウエハWに対してアミンの蒸気及びイソシアネートの蒸気を供給することにより、ポリ尿素膜を形成することが可能であることが確認された。
評価試験3
ウエハWの表面にポリ尿素膜23を形成し、その膜厚を測定した。その後、当該ウエハWを熱板上に5分載置して加熱処理した後、ポリ尿素膜23の膜厚を測定した。複数枚のウエハWに対して、このような処理及び膜厚の測定を行い、ウエハWの加熱温度は150℃〜450℃の範囲内で、処理毎に変更した。また、ポリ尿素膜23としては、第1の化合物、第2の化合物、第3の化合物のうちから選択してウエハWに形成している。これら第1〜第3の化合物は、図6で示した分子構造を有し、構造式中の原子団Rが互いに異なっている。この評価試験3において、ポリ尿素膜23を第1の化合物、第2の化合物、第3の化合物としてものを、夫々評価試験3−1、3−2、3−3とする。
図22〜図24は、評価試験3−1〜3−3の結果を各々示すグラフである。グラフの横軸はウエハWの温度(単位:℃)であり、グラフの縦軸は加熱処理前のウエハWの膜厚を100%としたときの加熱処理後のウエハWの膜厚を百分率で表したものである。また、図22〜図24には、評価試験3−1〜3−3で使用されたポリ尿素膜23を構成する上記のRを示しており、図中のR1はアミンに由来するRであり、R2はイソシアネートに由来するRである。
グラフに示されるように、評価試験3−1〜3−3において、加熱温度が300℃では膜厚が30%以下であり、350℃以上の温度では0%となっている。この結果から、分子構造によらず、加熱することでポリ尿素膜23を分解することが可能と考えられ、350℃以上の温度で加熱する場合は確実に解重合を起こすことができると考えられる。
評価試験4
評価試験4として、既述のように液処理によりポリ尿素膜23を形成した他は、評価試験2と同様の試験を行った。
図25のグラフは、評価試験3の各グラフと同様に、評価試験4の結果を示している。グラフに示されるように、評価試験4において、加熱温度が300℃では膜厚が30%以下であり、350℃以上の温度では0%となっている。なお、評価試験4では、膜収縮が見られた最低温度が200℃であった。この評価試験4の結果から、液処理により形成したポリ尿素膜であっても、加熱することで分解されることが確認された。
評価試験5
評価試験5として、図18で説明した第1のアッシング含有処理を複数のウエハWに行い、処理後の各ウエハWの表面を観察した。この第1のアッシング含有処理中の図18(c)で説明したアッシングについては、処理容器内の圧力を100mTorr、ウエハWを載置するステージの温度は25℃、高周波電源の供給電力は600Wとし、エッチングガスとしてはCO2を用いた。そして、アッシングの時間についてはウエハW毎に変更しており、5秒、15秒または30秒に設定した。図18(d)で説明したアッシング後の解重合については、350℃でウエハWを300秒間加熱することにより行った。また、参考試験5として、アッシング後の解重合を行わない他は評価試験5と同様の試験を行った。この参考試験5でもアッシングの時間はウエハW毎に変更しており、15秒、30秒または75秒に設定した。
図26は、評価試験5、参考試験5の結果を示す写真画像である。評価試験5において、アッシング時間が5秒、15秒である場合には残渣91がウエハWの表面に付着しており、アッシング時間が30秒である場合にはウエハWの表面に残渣91が確認されなかった。参考試験5において、アッシング時間が15秒、30秒である場合には残渣91がウエハWの表面に付着しており、アッシング時間が75秒である場合にはウエハWの表面に残渣91が確認されなかった。つまり、残渣91を残さないようにするために、アッシング及び加熱による解重合のうちアッシングのみを行うとすると、30秒より多く75秒以下のアッシング時間が必要であるが、アッシング及び加熱による解重合の両方を行うとすると15秒より多く30秒以下のアッシング時間が必要である。従って、加熱による解重合を行うことでアッシングに要する時間、つまりウエハWをプラズマに曝す時間を短縮できることが確認された。
評価試験6
評価試験6として、上記の評価試験5において30秒アッシングしてから解重合を行うことで残渣91が確認されなかったウエハWについて、low-kである低誘電率膜20のパターンのCDを測定した。具体的に、図27に示すように低誘電率膜20に形成された各凹部について、上部側の幅L1、下部側の幅L2を夫々測定し、このL1、L2について夫々平均値を算出した。なお、図中97は低誘電率膜20上に形成された反射防止膜などにより構成される上層膜である。そして、このように幅L1、L2を測定したウエハWを、フッ酸溶液(DHF)に所定の時間浸してエッチングし、その後に再度上部側の幅L1、下部側の幅L2を夫々測定し、L1、L2について夫々平均値を算出した。また参考試験6として、既述の参考試験5において75秒アッシングを行い、残渣91が確認されなかったウエハWについて、評価試験6と同様にフッ酸溶液によるエッチングの前後における上部側の幅L1及び下部側の幅L2を測定し、L1、L2夫々の平均値を算出した。
図28、図29の棒グラフは評価試験6、参考試験6の結果を夫々示しており、グラフの縦軸は測定された幅であるCD(単位:nmを示している)。評価試験6の上部側の幅L1について、エッチング前の平均値とエッチング後の平均値との差は6.8nmであり、標準誤差は±7.1であった。評価試験6の下部側の幅L2について、エッチング前の平均値とエッチング後の平均値との差は14.5nmであり、標準誤差は±4.1であった。参考試験6の上部側の幅L1について、エッチング前の平均値とエッチング後の平均値との差は17.8nmであり、標準誤差は±8.4であった。参考試験6の下部側の幅L2について、エッチング前の平均値とエッチング後の平均値との差は18.7nmであり、標準誤差は±7.0であった。
このように上部側の幅L1、下部側の幅L2共に、評価試験6の方が参考試験6よりも、フッ酸に浸す前の値に対するフッ酸に浸した後の値の増加量が抑制されている。これは、評価試験6のウエハWの方が、低誘電率膜20がプラズマから受けたダメージが小さいことを表す。従って、評価試験5、6の結果から、図18で説明した第1のアッシング含有処理によれば、低誘電率膜20のダメージを抑制し、半導体製品の品質を確保することができることが確認された。
W ウエハ
20 低誘電率膜
22 ハードマスク
23 ポリ尿素膜
26 レジスト膜
29 ビアホール
3 CVD装置
4 真空処理装置
5 エッチング処理モジュール
50 解重合モジュール
6 塗布、現像装置
8 マスク用膜形成モジュール
9 水蒸気処理モジュール

Claims (15)

  1. 基板に対して処理を行い、半導体装置を製造する方法において、
    被エッチング膜が形成された基板の表面に重合用の原料を供給して、尿素結合を有する重合体からなるマスク用の膜を形成する工程と、
    前記マスク用の膜にエッチング用のパターンを形成する工程と、
    次いで前記パターンを用いて前記被エッチング膜を処理ガスによりエッチングする工程と、
    その後、前記基板を加熱して前記重合体を解重合して前記マスク用の膜を除去する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記マスク用の膜を形成する工程は、イソシアネートの蒸気とアミンの蒸気とを前記被エッチング膜に供給すると共に前記基板を加熱してイソシアネートとアミンとを重合反応させる工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記マスク用の膜を形成する工程は、イソシアネートの液体とアミンの液体とを前記被エッチング膜に供給すると共に前記基板を加熱してイソシアネートとアミンとを混合させて当該基板表面で重合反応させる工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記被エッチング膜は、絶縁膜であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記被エッチング膜は、層間絶縁膜であることを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記層間絶縁膜は、シリコン、炭素及び酸素を含む絶縁膜であることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記重合体を解重合する工程は、基板を300℃〜400℃に加熱して行われることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記マスク用の膜を除去する工程は、当該マスク用の膜をプラズマに曝す工程を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記マスク用の膜を除去する工程は、
    前記マスク用の膜をプラズマに曝した後に、前記基板を加熱して前記重合体を解重合する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法。
  10. 尿素結合を有する重合体からなるマスク用の膜が被エッチング膜の上に形成され、前記マスク用の膜の上にマスクパターンを形成している膜が積層されている基板を、真空容器内にて処理ガスによりエッチングして前記マスクパターンを前記マスク用の膜に転写するための第1のエッチング処理モジュールと、
    第1のエッチング処理モジュールにてエッチングされた基板を、真空容器内にて前記マスク用の膜をマスクとして処理ガスにより被エッチング膜をエッチングするための第2のエッチング処理モジュールと、を備えたことを特徴とする真空処理装置。
  11. 前記第1のエッチング処理モジュールの真空容器と前記第2のエッチング処理モジュールの真空容器とは共通化されていることを特徴とする請求項9記載の真空処理装置。
  12. 前記第2のエッチング処理モジュールにてエッチングされた後の基板を真空容器内にて加熱して前記マスク用の膜を解重合して除去するための除去モジュールと、を備えたことを特徴とする請求項10または11記載の真空処理装置。
  13. 前記除去モジュールの真空容器は、第1のエッチング処理モジュールの真空容器及び第2のエッチング処理モジュールの真空容器とは別個ものであり、
    前記除去モジュールの真空容器と前記第2のエッチング処理モジュールの真空容器との間で基板を搬送する搬送機構を備えたことを特徴とする請求項10ないし12のいずれか一つに記載の真空処理装置。
  14. 被エッチング膜が形成された基板の表面に、尿素結合を有する重合体からなるマスク用の膜を形成するための成膜部と、
    前記マスク用の膜が成膜された基板にレジストを塗布するためのレジスト塗布部と、
    レジストが塗布された基板を加熱処理する露光前の加熱処理部と、
    露光後の基板を加熱処理する露光後の加熱処理部と、
    加熱処理された基板を現像するための現像処理部と、
    基板を処理する各部の間の搬送を行うための搬送機構と、を備え、
    前記成膜部は、基板を載置する載置台と、載置台に載置された基板に重合用の原料を液体またはミストとして基板に供給する原料吐出部と、を含むことを特徴とする基板処理装置。
  15. 前記成膜部は、イソシアネートを液体またはミストとして基板に供給するイソシアネート用の原料吐出部と、アミンを液体またはミストとして基板に供給するアミン用の原料吐出部と、を備えたことを特徴とする請求項14記載の基板処理装置。
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