(本発明の基礎となった知見)
天井板等の造営材の上には、断熱性を高める断熱材施工(SB施工ともいう)が施されている場合がある。このような断熱材施工が施されている天井板にダウンライト等の照明器具を取り付ける場合に、通常のフィンを備えた放熱部材では、フィンの形状が自然対流向けの形状に最適化されているため、放熱部材が断熱材で覆われてしまうと、照明器具に生じる熱を十分に放熱することができない恐れがある。
このため、造営材に断熱材施工が施されている環境下で、断熱材に放熱部材が覆われても、照明器具の放熱性を確保することができる放熱部材が求められている。
そこで、放熱部材が断熱材で覆われた状態でも、放熱性を向上させることができる照明器具を提供する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、「略**」との記載は、「略同一」を例に挙げて説明すると、全く同一はもとより、実質的に同一と認められるものを含む意図である。なお、「**近傍」との記載においても同様である。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
[構成]
まず、本実施の形態に係る照明器具10の構成について、図1〜図4を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る照明器具10を示す斜視図である。図2は、図1のII−II線における実施の形態に係る照明器具10の断面図である。図3は、実施の形態に係る照明器具10の外観を示す平面図である。図4は、実施の形態に係る照明器具10の放熱板30及び発光モジュール50の斜視図である。
図1では、発光モジュール50の光軸Jの方向に平行な方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な方向をX軸方向とし、Z軸方向及びX軸方向に垂直な方向をY軸方向とする。なお、本実施の形態では、Z軸方向が鉛直方向であり、照明器具10は鉛直方向下向き(Z軸マイナス方向)に光を出射する。そして、図2以降の各図に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。なお、各図では、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、使用態様によって変化するため、これには限定されない。
図1及び図2に示される照明器具10は、造営材に形成された取付孔91に取り付けられる照明器具10である。照明器具10は、例えば建物の天井板90等の造営材に埋め込み配設されることにより、床や壁等の下方向(Z軸マイナス方向)を照明するダウンライト等の埋込型照明器具である。なお、照明器具10は、造営材に対して光軸J方向を傾斜させることができる、いわゆるユニバーサルダウンライトであってもよい。
図2に示されるように、天井板90は、X軸方向及びY軸方向で規定される平面と略平行に設けられている。天井板90の上面(Z軸プラス方向側の面)には、断熱材80が載置されている。断熱材80は、照明器具10が天井板90に取り付けられた場合において、天井板から上方向(Z軸プラス方向)に突出している照明器具10の一部分を覆っている。
照明器具10は、器具本体20と、発光モジュール50と、光学部材60とを備える。なお、図示しないが、発光モジュール50等は、ねじなどの固定部材で器具本体20に取り付けられている。
[器具本体]
器具本体20は、照明器具10の本体部分であり、発光モジュール50が取り付けられる。器具本体20は、放熱板30と、枠部材40(筐体の一例)とを備える。
図2及び図3に示されるように、放熱板30は、発光モジュール50が取り付けられる板状の部材であり、X軸方向及びY軸方向で規定される平面と略平行に設けられ、平面視で略矩形状をなしている。放熱板30は、発光モジュール50で発生した熱を放熱する。つまり、放熱板30は、発光モジュール50の熱を放散させるヒートシンクとして機能する。照明器具10を平面視した場合において、放熱板30は、発光モジュール50の光軸Jと略直交する方向に枠部材40よりも延在している。本実施の形態では、平面視で、発光モジュール50が放熱板30の略中央部に配置されており、放熱板30は、発光モジュール50よりも、発光モジュール50の外周方向(X軸方向及びY軸方向)に延在している。言い換えれば、放熱板30は、枠部材40よりも全周に渡って張り出すように延在している。
また、本実施の形態では、照明器具10の上下方向の高さが増さないように、放熱板30の高さは、枠部材40の高さよりも小さく設定されている。照明器具10の上下方向の高さは、鍔状部43の下面から放熱板30の上面までの距離である。放熱板30の高さは、放熱板30の下面から放熱板30の上面までの距離である。枠部材40の高さは、鍔状部43の下面から枠部材40の上面までの距離である。
放熱板30は、例えば、アルミニウム合金、銅合金等の金属製である。放熱板30は、例えば、アルミニウム合金を用いたアルミダイキャスト製であってもよく、プレス加工により成形してもよい。本実施の形態では、放熱板30は、平面視で矩形状をなしているが、形状は特に限定されない。
放熱板30は、延在板部31と、取付台35とを有する。
延在板部31は、平面視で略矩形状をなし、発光モジュール50で発生した熱を放熱することが可能な板状の部材である。延在板部31は、X軸方向及びY軸方向で規定される平面と略平行に設けられている。
放熱板30を平面視した場合、延在板部31は、延在する方向と略直交する方向の幅が、少なくとも一方向において枠部材40の幅(枠部材40における径方向の幅)よりも大きい(幅広である)。具体的には、図3に示すように、照明器具10を平面視した場合において、放熱板30の幅W2は、枠部材40の幅W1よりも大きい。
本実施の形態では、図3に示すように、延在板部31は、枠部材40よりも全周に渡って張り出すように延在している。本実施の形態では、放熱板30を平面視した場合において、延在板部31は、延在する方向と略直交する方向の幅が、どの方向においても、枠部材40の径よりも大きい。照明器具10を平面視した場合において、放熱板30の延在板部31の面積は、枠部材40の面積よりも大きくてもよい。また、天井板90の取付孔91に取り付けた照明器具10を平面視した場合に、延在板部31の一部が天井板90と重なっている。
図2及び図3に示されるように、取付台35には、発光モジュール50が取り付けられる。取付台35は、平面視で、延在板部31に形成されている凸部であり、発光モジュール50が取り付けられる台として機能する部材である。取付台35は、X軸方向及びY軸方向で規定される平面と略平行に設けられている。本実施の形態では、取付台35は、放熱板30を平面視で、延在板部31の略中央部に形成されているが、中央部に限定されず、例えば、放熱板30の端縁側に設けられていてもよい。
取付台35は、第1凸部36と、第2凸部37とを有する。
第1凸部36は、放熱板30の下面(Z軸マイナス方向側の面)から下方向に突出している台である。第2凸部37は、第1凸部36の略中央部から下方向に突出する台であり、第1凸部36よりも小径である。第1凸部36及び第2凸部37は、2つの段部を形成している。取付台35を平面視した場合に、第2凸部37の先端面(Z軸マイナス方向側の面)である取付面37aには、発光モジュール50が取り付けられている。
なお、取付台35は、第1凸部36及び第2凸部37に限定されず、3つ以上あってもよく、第1凸部36又は第2凸部37のいずれか1つであってもよい。また、本実施の形態では、取付台35は、放熱板30と一体化されているが、放熱板30と別部材であってもよい。また、取付台35は、放熱板30になくてもよく、放熱板30の必須の構成要件ではない。
図1及び図2に示されるように、枠部材40は、発光モジュール50を収容する部材であり、筒状をなしている。枠部材40は、放熱板30に固定されている。
枠部材40は、筒部41と、鍔状部43と、支持部44とを有する。
筒部41は、Z軸方向に貫通した筒体であり、Z軸プラス方向側で発光モジュール50の周囲を囲んでいる。本実施の形態では、筒部41は、円筒状をなしているが、形状は特に限定されない。
筒部41は、内周面41aを有している。内周面41aは、筒部41の内部に形成された支持部44よりもZ軸マイナス方向側に形成され、筒部41の内部に形成された曲面である。具体的には、内周面41aは、光学部材60側(Z軸プラス方向側)の端部から、光が出射される側(Z軸マイナス方向側)の端部に向かって内径が漸次大きくなるように構成された筒状の曲面である。
内周面41aは、光学部材60から出射された光の配光を制御する面である。内周面41aは、光学部材60から出射された光を、略下方向に反射させる。
なお、内周面41aは、内面にアルミニウムなどの金属膜が設けられてもよい。内周面41aは、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)など硬質の白色樹脂材料で形成されてもよい。なお、内周面41aには、光の反射を低下させるために、グレアを防止する黒色塗装がされていてもよい。黒色塗装には、例えば、カーボンブラック等を用いてもよい。また、内周面41aには、白色樹脂材料や黒色塗装に限定されず、グレアを防止することができれば、有色の材料を用いてもよい。
鍔状部43は、筒部41から外側向きに(つまり、光軸Jから遠ざかる向きに)突出する円環状の鍔である。鍔状部43は、後述する取付部材との間で天井板90を挟持することで、照明器具10を天井板90に固定してもよい。
支持部44は、筒部41の内部に形成され、内側に(光軸Jに近づく向きに)突出する円環状の凸部である。支持部44は、発光モジュール50よりもZ軸マイナス方向側に設けられている。支持部44は、支持部44の上側(Z軸プラス方向側)の面で、発光モジュール50と向かい合うように光学部材60を支持する。
[発光モジュール]
図2〜図4に示されるように、発光モジュール50は、光源51と、基台53とを有する。
光源51は、照明器具10から出射される光を生成する。本実施の形態では、光源51は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を有する。光源51は、例えば白色光を出射するように構成されている。光源51は、例えば、COB(Chip On Board)型LEDで構成され、基台53と、基台53上に実装されたベアチップ(LEDチップ)である複数の青色LEDと、それら青色LEDを封止し、黄色蛍光体を含む封止部材とを有する。
光源51に用いられる基台53は、複数のLEDを実装するための実装基板であって、例えばセラミックス基板、樹脂基板又は絶縁被覆されたメタルベース基板などである。また、基台53は、例えば平面視において略矩形状である平面を有する板材である。基台53は、Z軸方向プラス側の面が取付台35に向けて固定される。なお、図示しないが、基台53には、LEDを発光させるための直流電力を外部から受電するための一対の電極端子(正電極端子及び負電極端子)が形成されている。
本実施の形態では、基台53と取付台35との間には、放熱部材である熱伝導シート59が基台53と取付台35とに挟まれるように設けられている。熱伝導シート59は、基台53の上面(Z軸プラス方向側の面)と第2凸部37の取付面37aとで面接触するように設けられている。なお、熱伝導シート59に限らず、放熱グリスなどの放熱部材であってもよい。また、本実施の形態では、基台53と取付台35とに挟まれるように熱伝導シート59が設けられているが、熱伝導シート59が設けられていなくてもよい。例えば、熱伝導シートの代わりに、発光モジュール50と放熱板30とがネジ等の固定部材を介して放熱板30に固定されていてもよい。
[光学部材]
図2に示されるように、光学部材60は、発光モジュール50からの光が入射される透光性の部材である。光学部材60は、発光モジュール50から入射した光の配光を制御して出射する機能を有してもよい。光学部材60は、例えば、円板状のフレネルレンズであってもよい。光学部材60は、反射部材からの光を集光し、略円形の断面を有する光を出射する。
光学部材60は、透光性材料で形成されており、例えばアクリル、ポリカーボネート(PC)などの透明樹脂材料、又はガラス材料などの透明材料で形成される。
[取付部材]
枠部材40の外面には、取付部材が取り付けられていてもよい。取付部材は、照明器具10を天井板90の取付孔91に取り付けるための弾性部材であり、例えば板バネ構造を有していてもよい。取付部材が例えば板バネ構造の場合、鉄等の金属材料からなる長尺状の金属板をプレス加工等によって所定形状に形成される。例えば、枠部材40の外周面には、2つの取付部材が取り付けられていてもよいが、取付部材の個数は2つに限らない。
[シミュレーションによるモデル装置の実験結果]
次に、このような照明器具10における放熱板30及び発光モジュール50の放熱性について説明する。
シミュレーションによる実験モデルでは、X軸方向及びY軸方向の長さを930mmとし、Z軸方向の高さを1015mmとした空間内に、X軸方向及びY軸方向の長さを930mmとし、Z軸方向の高さを530mmとした木製の箱体を、空気層の厚みを485mmとした場合の上方に設ける。また、この実験モデルでは、この箱体の内部に、一様に積層された300mmの厚みからなる断熱材80の層と、断熱材80の上方に空気層とを形成する。この実験モデルでは、この空間内の周囲の室温を30℃とする。
この実験モデルに用いたモデル装置100は、放熱板30と、放熱板30に熱的に結合した発光モジュール50と、発光モジュール50を覆うLEDカバー81とを備える。LEDカバー81は、図4の二点鎖線で示すように、発光モジュール50を覆うように取付台35に設ける。発光モジュール50における光軸JがZ軸マイナス方向を向くように、モデル装置100を箱体内に配置する。そして、モデル装置100の周囲を断熱材80の層で覆った状態で、モデル装置100の放熱性の測定を行った。
発光モジュール50における光源51のLEDチップにおいては、基板層の材料がGaAs又はサファイヤであり、熱伝導率が54(W/mK)であり、放射率が0.9であり、発熱量が7.04(W)である。発光モジュール50における光源51の蛍光体においては、材料がシリコンゴムであり、熱伝導率が0.2(W/mK)であり、放射率が0.9である。発光モジュール50の基台53においては、材料がアルミニウム合金のA−5154であり、熱伝導率が127(W/mK)であり、放射率が0.9である。熱伝導シート59においては、製品名がGR−45A(シリコンを基材としている)であり、熱伝導率が4.5(W/mK)であり、放射率が0.9である。
放熱板30においては、材料がアルミダイカストのADC12であり、熱伝導率が96.3(W/mK)であり、放射率は0.4である。放熱板30のサイズは、X軸方向の長さ及びY軸方向の長さが200mmであり、厚みが7.73mmである。取付台35の第1凸部36の厚みは、5mmである。
断熱材80においては、材料がグラスウールであり、熱伝導率が0.044(W/mK)であり、放射率が0.9である。
LEDカバー81においては、材料がPMMAアクリル樹脂であり、熱伝導率が0.21(W/mK)であり、放射率が0.95である。
枠部材40においては、材料がアルミダイカストのADC12であり、熱伝導率が96.3(W/mK)であり、放射率が0.95である。
光学部材60においては、材料がPMMAアクリル樹脂であり、熱伝導率が0.21(W/mK)であり、放射率が0.95である。
このような実験モデルにおいて、モデル装置100を用いて測定した結果を図5、図6及び図7に示す。図5及び図6では、実験モデルをX軸方向及びZ軸方向で規定される平面で切断した場合の断面を示している。
図5の(a)は、実施の形態に係るモデル装置100を断熱材80内における箱体の底部190近傍に配置した場合の温度分布を示す図である。図6の(a)は、実施の形態に係るモデル装置100を、断熱材80内における箱体の底部190近傍に配置した場合の熱流束分布を示す図である。図5の(a)及び図6の(a)は、発光モジュール50を取り付けた放熱板30の第1凸部36を、底部190の上面(Z軸プラス方向側の面)から22mm離間し、かつ、断熱材80の上面から放熱板30までの距離を265.27mm離間した状態で、モデル装置100を配置した場合の実験結果を示す。なお、底部190は、天井板90に相当する。
図5の(b)は、実施の形態に係るモデル装置100を断熱材80内の厚み方向(Z軸方向)の中央近傍に配置した場合の温度分布を示す図である。図6の(b)は、実施の形態に係るモデル装置100を断熱材80内での厚み方向の中央近傍に配置した場合の熱流束分布を示す図である。図5の(b)及び図6の(b)は、発光モジュール50を取り付けた放熱板30の第1凸部36を箱体の底部190から137.27mm離間し、かつ、断熱材80の上面から放熱板30までの距離を150mm離間した状態で、モデル装置100を配置した場合の実験結果を示す。
図5の(c)は、実施の形態に係るモデル装置100を断熱材80内での上側(空気層83近傍)に配置した場合の温度分布を示す図である。図6の(c)は、実施の形態に係るモデル装置100を断熱材80内での上側に配置した場合の熱流束分布を示す図である。図5の(c)及び図6の(c)は、発光モジュール50を取り付けた放熱板30の第1凸部36を、箱体の底部190から260.27mm離間し、かつ、断熱材80の上面から放熱板30までの距離を27mm離間した状態で、モデル装置100を配置した場合の実験結果を示す。
図5の(a)及び図6の(a)では、図5の(b)、図5の(c)、図6の(b)及び図6の(c)の場合に比べ、放熱板30と天井板90とが接近しているため、放熱板30から天井板90及び天井板90下方の空気層82までの熱抵抗が小さいことが判った。図5の(a)及び図6の(a)では、放熱性が高いと考えられる。
図7では、周囲の室温30℃とした基準温度からのフィン等の温度上昇値を示し、実施の形態に係る照明器具10の放熱板30の温度上昇値を示している。実施の形態に係る照明器具10は、測定結果A、測定結果B、及び測定結果Cで示される。
測定結果Aは、図5の(a)及び図6の(a)の状態で配置されたモデル装置100の温度上昇値を示す。測定結果Bは、図5の(b)及び図6の(b)の状態で配置されたモデル装置100の温度上昇値を示す。測定結果Cは、図5の(c)及び図6の(c)の状態で配置されたモデル装置100の温度上昇値を示す。
測定結果Aの温度上昇値が82.7℃であり、測定結果Cの温度上昇値が80.1℃であり、両者の温度上昇値がほぼ同等であるとの結果を得た。測定結果Bの温度上昇値は、127.7である。測定結果Bでは、測定結果Aと測定結果Cの場合よりも、モデル装置100の周囲が厚い断熱材80で覆われているため、放熱性が悪く、温度上昇値が高くなっている。
[比較例]
以下、本比較例に係る照明器具について、図8を用いて説明する。
図8は、本比較例に係るモデル装置200の外観を示す斜視図である。本比較例に係る照明器具は、発光モジュール50及び放熱体230を有するモデル装置200を備えている。
実施の形態では、発光モジュール50に板状の放熱板30が熱的に結合されているが、本比較例では、発光モジュール50に柱状の放熱体230が熱的に結合されている点で相違する。
本比較例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
図8に示すように、放熱体230は、Z軸方向に長尺な柱状をなしている。放熱体230は、延在板部231と、第3凸部238とを有する。
延在板部231は、Z軸方向に長尺な柱状をなしている。本実施の形態では、延在板部231は、四角柱状をなしているが、円柱状等でもよく、その形状は特に限定されない。延在板部231の下端面(Z軸マイナス方向側の端面)には、第3凸部238が形成されている。第3凸部238は、第1凸部36の略中央部から下方向に突出する台であり、実施の形態における第2凸部37と同様の構成である。
発光モジュール50は、第3凸部238(放熱体230の下端面)に熱的に結合されている。
このような構成のモデル装置200について、実施の形態のモデル装置100の場合と同様の実験モデルで測定を行った。また、本比較例では、光源51、断熱材80、LEDカバー81においても、実施の形態と同様の構成である。
放熱体230においても、材料がアルミダイカストのADC12であり、熱伝導率が96.3(W/mK)であり、放射率は0.4である。放熱体230の延在板部231のサイズは、X軸方向及びY軸方向の長さが54mmであり、Z軸方向の長さが111mmである。なお、放熱体230の体積は、実施の形態における放熱板の体積と同様である。
このような実験モデルにおいて、モデル装置200を用いて測定した結果を図7、図9及び図10に示す。
図9の(a)は、本比較例に係るモデル装置200を断熱材80内における箱体の底部190近傍に配置した場合の温度分布を示す図である。図10の(a)は、本比較例に係るモデル装置200を断熱材80内における箱体の底部190近傍に配置した場合の熱流束分布を示す図である。図9の(a)及び図10の(a)は、発光モジュール50を取り付けた放熱体230の延在板部231を、箱体の底部190から22mm離間し、かつ、断熱材80の上面から放熱体230までの距離を162mm離間した状態で、モデル装置200を配置した場合の測定結果である。
図9の(b)は、本比較例に係るモデル装置200を断熱材80内での厚み方向の中央近傍に配置した場合の温度分布を示す図である。図10の(b)は、本比較例に係るモデル装置200を断熱材80内での厚み方向の中央近傍に配置した場合の熱流束分布を示す図である。図9の(b)及び図10の(b)は、発光モジュール50を取り付けた放熱体230の延在板部231を、箱体の底部190から92mm離間し、かつ、断熱材80の上面から放熱体230までの距離を97mm離間した状態で、モデル装置200を配置した場合の測定結果である。
図9の(c)は、本比較例に係るモデル装置200を断熱材80内での上側に配置した場合の温度分布を示す図である。図10の(c)は、本比較例に係るモデル装置200を断熱材80内での上側に配置した場合の熱流束分布を示す図である。図9の(b)及び図10の(b)は、発光モジュール50を取り付けた放熱体230の延在板部231を、箱体の底部190から162mm離間し、かつ、断熱材80の上面から放熱体230までの距離を27mm離間した状態で、モデル装置200を配置した場合の測定結果である。
図7では、周囲の室温30℃とした基準温度からのフィンの上昇温度値を示し、実施の形態に係る照明器具10の放熱板30の温度上昇値を示している。本比較例に係る照明器具のモデル装置200は、測定結果D、測定結果E、及び測定結果Fで示される。
測定結果Dは、図8の(a)及び図9の(a)の状態で配置されたモデル装置200の温度上昇値を示す。測定結果Eは、図8の(b)及び図9の(b)の状態で配置されたモデル装置200の温度上昇値を示す。測定結果Fは、図8の(c)及び図9の(c)の状態で配置されたモデル装置200の温度上昇値を示す。
測定結果Fの温度上昇値が190.6℃であり、温度上昇値が175.6℃である測定結果Dよりも温度上昇値が高いことが判る。これは、測定結果Fの場合における発光モジュール50の方が、測定結果Dの場合における発光モジュール50よりも、断熱材80の深い位置に設けられているため、測定結果Fの方が測定結果Dに比べれば放熱され難いためであると考えられる。また、温度上昇値が216.2℃である測定結果Eにおいては、測定結果Fよりもさらに温度上昇値が高い理由は、モデル装置200が、断熱材80における厚み方向の中央近傍に設けられているため、発光モジュール50で生じた熱が放熱され難いためであると考えられる。
本比較例では、いずれの場合においても、実施の形態の放熱板30よりも、放熱体230の温度が高いことが判った。つまり、本比較例では、実施の形態の放熱板30に比べて放熱性が悪いと言える。
[シミュレーションによる照明器具の実験結果]
次に、照明器具10を天井板90に配置した場合の温度分布及び熱流束分布のシミュレーション結果について説明する。
図11の(a)は、実施の形態に係る照明器具10を天井板90に配置した場合の温度分布を示す図である。図11の(b)は、実施の形態に係る照明器具10を天井板90に配置した場合の熱流束分布を示す図である。
図11の(a)では、図5の(a)に示す温度分布と同等の温度分布であるという結果を得た。また、図11の(b)でも、図6の(a)と同等の熱流束分布であるという結果を得た。
[シミュレーションによる実験結果の比較]
次に、実施の形態の照明器具10と、比較例の照明器具と、複数のフィンが形成された放熱部材を備えた従来の照明器具との温度上昇値を示したシミュレーション結果を、図12を用いて説明する。図12では、周囲の室温30℃を基準温度とした場合に、基準温度30℃から上昇した分の温度を示している。αが光源51の温度上昇値であり、βが放熱板30の温度上昇値である。
本実施の形態では、αは、図2で示すP1の部分で測定した発光モジュール50のTc温度から算出した温度上昇値である。また、βは、図2で示すP2の部分で測定した温度から算出した温度上昇値である。P2は、光源51のLEDチップより直上した(Z軸プラス方向)放熱板30の上面である。
なお、照明器具10、比較例の照明器具及び従来の照明器具においては、放熱板30、放熱体230、放熱部材でそれぞれ異なるものの、他の構成はそれぞれ同様である。
図12に示すように、従来の照明器具では放熱部材の温度上昇値が約78.2℃であり、モデル装置200では放熱体230の温度上昇値が約73.4℃であり、照明器具10では放熱板30の温度上昇値が約49.7℃である。
従来の照明器具における光源の温度上昇値が84℃であり、モデル装置200における光源51の温度上昇値が79.2℃であり、照明器具10における光源51の温度上昇値が55.6℃である。
それぞれの状態において、従来の照明器具の放熱部材に対する照明器具の光源の温度差が5.8℃であり、モデル装置200の放熱体230に対する光源51の温度差が5.8℃であり、照明器具10の放熱板30に対する光源51の温度差が5.9℃である。
これらの結果から、放熱板30を用いた照明器具10の温度上昇値が最も低いことが判る。また、放熱板30、放熱体230、放熱部材のいずれにおいても、同等の温度差であり、形状に依存しないことが判った。実施の形態に係る照明器具10が最も放熱性に優れているため、比較例のモデル装置200及び従来の照明器具に比べ、放熱性がより向上しているという実験結果を得た。
[実際の測定による実験結果]
次に、照明器具10を天井板90に配置した場合の光源51の温度上昇値、及び放熱板30の温度上昇値における、実験結果について図13を用いて説明する。
図13の(a)は、実施の形態の照明器具10、及び比較例の放熱体230を用いた照明器具における、光源51の温度上昇値を示した図である。図13の(b)は、実施の形態の照明器具、及び比較例の放熱体230を用いた照明器具における、放熱板30等の温度上昇値を示した図である。
この実験で用いた照明器具10の放熱板30は、材料がアルミニウム製のA5052であり、熱伝導率が138(W/mK)である。また、この放熱板30は、天井板90の上面から33.3mm離れた位置に配置されている。他の点については、図5、図6等で用いた実験モデルと同等の条件で実験を行った。
図13の(a)に示すように、実験結果1は、放熱板30を用いた照明器具10に関する実験結果である。また、実験結果2は、比較例の放熱体230を用いた照明器具に関する実験結果である。実験結果1における光源の温度上昇値が54.6℃であり、実験結果2における光源の温度上昇値が72.8℃である。
図13の(b)に示すように、実験結果1は、放熱板30を用いた照明器具10に関する実験結果である。実験結果2は、比較例の放熱体230を用いた照明器具に関する実験結果である。実験結果1における放熱板30の温度上昇値が49.1℃であり、実験結果2における放熱体の温度上昇値が66.3℃である。
この実際の実験結果においても、比較例の放熱体230を用いた照明器具よりも、実施の形態の照明器具10の方が、放熱性が高いことが判った。また、図12で示すシミュレーションによる実験結果と同等の結果を得た。
[作用効果]
次に、本実施の形態における照明器具10の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係る照明器具10は、天井板90に形成された取付孔91に取り付けられる。照明器具10は、発光モジュール50と、発光モジュール50と熱的に結合された放熱板30と、発光モジュール50を収容し、放熱板30に固定された枠部材40とを備える。また、放熱板30は、発光モジュール50の光軸Jと略直交する方向に枠部材40よりも延在する。そして、放熱板30は、平面視で、延在する方向と略直交する方向の幅が、少なくとも一方向において枠部材40の幅よりも大きい。
これによれば、発光モジュール50と熱的に結合された放熱板30が、発光モジュール50の光軸Jと略直交する方向に延在しているため、比較例のような放熱体230を備えた照明装置に比べ、放熱板30と天井板90とが接近している。つまり、放熱板30から天井板90及び天井板90下方の空気層82までの熱抵抗が、比較例の場合の放熱体230から天井板90及び天井板90下方の空気層82までの熱抵抗よりも小さい。このため、比較例のような放熱体230を用いたモデル装置200に比べ、この照明器具10では、放熱性が向上している。
したがって、放熱板30が断熱材80で覆われた状態でも、放熱性を向上することができる。
なお、本実施の形態の実験結果では、放熱板30が断熱材80で覆われた状態を想定しているが、この照明器具10は、放熱板30が断熱材80で覆われていない環境においても有用である。
また、本実施の形態に係る照明器具10において、放熱板30の高さは、枠部材40の高さよりも小さい。
これによれば、放熱板30の高さが大きくなり難いため、照明器具10全体を薄型化することができる。このため、照明器具10では、重量の増加を抑制することができる。
また、本実施の形態に係る照明器具10における、当該照明器具10を平面視した場合において、放熱板30の面積は、枠部材40の面積よりも大きい。
これによれば、平面視で放熱板30が枠部材40よりも張り出ているため、放熱板30の熱が断熱材80を介して天井板90及び天井板90下方の空気層82に放熱され易い。
また、本実施の形態に係る照明器具10において、天井板90の取付孔91に取り付けた照明器具10を平面視した場合に、放熱板30の一部は、天井板90と重なっている。
これによれば、放熱板30と天井板90との熱抵抗、及び放熱板30と天井板90下方の空気層との熱抵抗が大きくなり難い。このため、放熱板30の熱が、断熱材80を介して天井板90及び天井板90下方の空気層82に放熱され易い。
(実施の形態の変形例)
以下、本変形例に係る照明器具の発光モジュール50及び放熱板330について説明する。
図14は、実施の形態の変形例に係る照明器具の発光モジュール50及び放熱板330の外観を示す斜視図である。
実施の形態では、照明器具10に平板状の放熱板30を用いたが、本変形例では、放熱板330に熱伝導部340が設けられている点で相違する。
本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
図14に示すように、放熱板330は、延在板部331、取付台35の他に、熱伝導部340を有する。
熱伝導部340は、天井板と放熱板330の延在板部331とを熱的に結合する。本実施の形態では、熱伝導部340は、放熱板330に一体的に形成され、天井板と熱的に結合するように放熱板30から下方に突出している。熱伝導部240は、放熱板330と天井板とを熱的に結合する熱伝導路として機能する。熱伝導部340は、天井板と熱的に結合するように、放熱板330の一部を折り曲げて形成される。
熱伝導部340は、延在板部331の端縁側に設けられ、延在板部331に対して、略垂直で下方向に折れ曲がっている。熱伝導部340の先端面341(下端面:Z軸マイナス方向側の面)は、天井板の上面と接触している。本実施の形態では、一対の熱伝導部340が延在板部331に形成されているが、1つでもよく、3つ以上でもよい。また、熱伝導部340は、光軸Jに対して線対称に設けられているが、光軸Jに対して対称に設けられていなくてもよい。
[モデル装置の実験結果]
次に、このような放熱板330及び発光モジュール50を備えたモデル装置301の放熱性について、測定を行った。この測定で用いたモデル装置301の説明をする。
図15の(a)は、実施の形態の変形例に係るモデル装置301を断熱材80内における箱体の底部190近傍に配置した場合の温度分布を示す図である。図15の(b)は、実施の形態の変形例に係るモデル装置301を断熱材80内における箱体の底部190近傍に配置した場合の熱流束分布を示す図である。
本変形例においても、実施の形態と同様のモデルで実験を行っているため、同一の部分については詳細な説明を省略する。
放熱板330のサイズは、X軸方向の長さが146mmであり、Y軸方向の長さが200mmであり、高さが34.73mmである。
図15の(a)は、実施の形態の変形例に係るモデル装置301を断熱材80内における箱体の底部190近傍に配置した場合の温度分布を示す図である。図15の(a)は、実施の形態の変形例に係るモデル装置301を断熱材80内における箱体の底部190近傍に配置した場合の熱流束分布を示す図である。図15の(a)及び図15の(b)は、平板部の両熱伝導部340の先端面340aを箱体の底部190に接触させた状態で配置した場合の実験結果である。なお、図15の(a)及び図15の(b)では、図5の(a)及び図6の(a)場合と同様の配置である。
図7では、周囲の室温30℃とした基準温度からの放熱板330の温度上昇値を示し、測定結果Gが実施の形態に係るモデル装置301の放熱板330の温度上昇値を示している。測定結果Gは、図15の(a)及び図15の(b)の状態で配置されたモデル装置301の温度上昇値を示す。
測定結果Gの温度上昇値が64.2℃であり、測定結果A〜Fのいずれよりも温度上昇値が低いことが判る。これは、図15の(a)及び図15の(b)で示すように、光源51の光軸J側だけでなく熱伝導部340から放熱されている。このため、熱伝導部340が発光モジュール50から空気層82までの熱抵抗を減らしていることが判る。このため、この放熱板330を用いたモデル装置301では、より放熱性が高い。
このような、本実施の形態に係る照明器具は、さらに、天井板90と放熱板30とを熱的に結合する熱伝導部340とを備える。
これによれば、発光モジュール50で生じた熱が放熱板330に伝導され、断熱材80を介して熱伝導部340から天井板に放熱され、天井板から下方の空気層82に放熱される。つまり、発光モジュール50から下方の空気層82に至るまで、断熱材80よりも熱抵抗の低い熱伝導路が形成されているため、この照明器具では、放熱性が向上している。
また、本実施の形態に係る照明器具において、熱伝導部340は、放熱板30に一体的に形成され、天井板90と熱的に結合するように放熱板30から突出している。
これによれば、熱伝導部340が放熱板330に一体的に形成されているため、放熱板330と熱伝導部340とが異なる部材である場合に比べて、熱伝導し易い。
特に、この放熱板330では、熱伝導部340を形成する際に、折り曲げ加工等で形成することができるため、照明器具の部品点数が増加することもなく、製造コストも高騰化し難い。
本変形例における他の作用効果についても、実施の形態と同様の作用効果を奏する。
[実際の測定による実験結果]
次に、照明器具を天井板90に配置した場合の光源51の温度上昇値、及び放熱板30の温度上昇値における、実際に測定した実験結果について図13を用いて説明する。
図13の(a)は、さらに、本変形例の放熱板330を用いた照明器具における、光源51の温度上昇値を示した図である。図13の(b)は、さらに、本変形例の放熱板330を用いた照明器具における、放熱板330の温度上昇値を示した図である。
図13の(a)に示すように、実験結果3は、本変形例の放熱板330を用いた照明器具に関する実験結果である。実験結果3における光源51の温度上昇値が49.8℃である。
図13の(b)に示すように、実験結果3は、本変形例の放熱板330を用いた照明器具に関する実験結果である。実験結果3における放熱板30の温度上昇値が43.6℃である。
この実際の実験結果においても、比較例の放熱体230を用いた照明器具よりも、本変形例の照明器具の方が、放熱性が高いことが判った。
(変形例等)
以上、本発明について実施の形態及び実施の形態の変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記各実施の形態及び実施の形態の変形例に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態等では、筐体と放熱板とが一体的に形成されていてもよい。この場合、筐体と放熱板とが別部材である場合に比べて照明装置の部品点数を削減することができるとともに、照明装置における組み付け工程も削減することができるため、照明装置の製造コストの低廉化を実現することができる。
また、上記実施の形態等では、熱伝導部は、放熱板の一部を折り曲げて形成しているが、これに限定されず、例えば、バネ等で接続してもよい。また、放熱板は、金属製であるが、これに限定されず、樹脂等でもよく、断熱材よりも熱伝導性の優れた材料であればよい。また、放熱板は、シート状でもよく、板状の部材に限定されない。
また、上記実施の形態等では、放熱板は、弾性復元力を有していてもよい。放熱板は、例えば、グラファイトシート等を用いて実現してもよい。例えば、復元力を有しない金属製等の放熱板では、照明器具を造営材に取り付ける際に、取付孔の径が放熱板の径よりも小さい場合では、照明器具の放熱板を取付孔の下側から挿入させて取り付け難い。しかし、この照明器具では、放熱板を弾性変形させて取付孔に挿入することで、取付孔に取り付けることができる。そして、弾性変形した放熱板は、その復元力により姿勢が復帰する。このため、この照明器具では、取付孔に取り付け易い。なお、放熱板が傘状に広がる機械的構造であってもよい。
また、上記実施の形態等において、照明器具を天井板90に配置した場合の光源51の温度上昇値、及び放熱板の温度上昇値における、実際に測定した実験結果について図13を用いて説明する。図13の(a)は、さらに、放熱板にグラファイトシートを用いた照明器具における、光源51の温度上昇値を示した図である。図13の(b)は、さらに、放熱板にグラファイトシートを用いた照明器具における、放熱板の温度上昇値を示した図である。なお、この実験では、グラファイトシートのサイズはX軸方向の長さが130mmであり、Y軸方向の長さが192mmである。
図13の(a)に示すように、実験結果4は、放熱板にグラファイトシートを用いた照明器具に関する実験結果である。実験結果4における光源51の温度上昇値が61.7℃である。図13の(b)に示すように、実験結果4は、放熱板にグラファイトシートを用いた照明器具に関する実験結果である。実験結果4における放熱板の温度上昇値が54.5℃である。この実際の実験結果においても、比較例の放熱体230を用いた照明器具よりも、放熱板にグラファイトシートを用いた照明器具の方が、放熱性が高いことが判った。
また、上記実施の形態等における照明器具には、発光モジュールと光学部材との間には、光源から光が出射される側(Z軸プラス方向側)の端部から、光学部材に入射される側(Z軸マイナス方向側)の端部に向かって内径が漸次大きくなるように構成された反射部材をさらに設けてもよい。
また、上記実施の形態等における照明器具は、断熱材施工がされている造営材に用いられているが、これに限定されず、断熱材施工がされていない造営材においても用いることができる。つまり、照明器具の放熱板は、自然対流によっても放熱することができる。
また、上記実施の形態等では、照明器具を天井板に形成された取付孔に埋込配設したが、これに限定されず、例えば建物等の壁(造営材の一例)に形成された取付孔に埋込配設してもよい。
また、上記実施の形態等では、光源の発光素子は、例えば、表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の白色LED素子であってもよい。発光素子は、赤色光を発する赤色LEDチップと、緑色光を発する緑色LEDチップと、青色光を発する青色LEDチップとを含んでいてもよい。これらの赤色光、緑色光及び青色光が混ざることにより、発光素子から白色光が出射されてもよい。
その他、上記各実施の形態及び実施の形態の変形例に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び実施の形態の変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。