JP2018105662A - インフルエンザウイルスh5亜型の免疫検出法 - Google Patents

インフルエンザウイルスh5亜型の免疫検出法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来報告のある免疫検出法よりも変異したインフルエンザウイルスを確実に検出することができる抗体と当該抗体を使用した簡易検出キットが求められていた。【解決手段】 本発明は、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン(HA)蛋白に対する新規エピトープを認識する抗体を作出し、当該抗体を用いたインフルエンザウイルスH5亜型の免疫検出法を提供することにより、確実、迅速かつ簡便にインフルエンザウイルスH5亜型の確定診断を行うことができるようにすることを目的とする。【選択図】なし

Description

本発明は、インフルエンザウイルスH5亜型のエンベロープ表面上の分子であるヘマグルチニン(HA)蛋白に対する抗体を用いたインフルエンザウイルスH5亜型の免疫検出法、詳しくは、サンドイッチ式免疫測定法、特に、イムノクロマトグラフィー測定法およびイムノクロマト法テストストリップに関するものであり、高病原性鳥インフルエンザウイルスなどのインフルエンザウイルスH5亜型の感染を迅速かつ簡便に診断するために有用な検出法に関する。
高病原性鳥インフルエンザは、鶏などに高致死性の病原性を示すインフルエンザウイルスによる感染症で、家きんペストとも呼ばれ、わが国では家畜伝染病予防法の法定伝染病に指定されており、世界獣医事務局(OIE)ではリストA疾病として掲げられている。
今までに高病原性鳥インフルエンザを引き起こしたインフルエンザウイルスはインフルエンザA型ウイルスのH5亜型及びH7亜型のみである。これらの亜型が総て強毒性であるわけではないが、わが国では、強毒性及び弱毒性であるかにかかわらずこれらの亜型に家畜が感染した場合、すべて屠殺処分することとされている。
H5N1亜型による高病原性鳥インフルエンザは、1997年に香港で流行し、さらに、2003年から2004年にはアジアの数カ国で大流行し、人への感染及び死亡例も報告された。2016年には韓国にてH5N6亜型による野鳥及び家禽において大規模な流行が確認され、日本国内においても野鳥及び家禽における感染が確認されている。
したがって、高病原性鳥インフルエンザの感染を迅速に発見することは、鳥類における大規模なインフルエンザ感染拡大を防ぐ上で重要な課題であり、人における新型インフルエンザ感染を迅速に検出するうえでも重要な課題である。
高病原性鳥インフルエンザ診断は、現状では、ウイルス感染が疑われる病鳥から気管スワブまたはクロアカスワブ(総排泄腔スワブ)を採取し、これを発育鶏卵に接種して培養した後、ウイルスを分離する方法により行われている。しかし、この方法は、結果が得られるまでに数日を要し、迅速に結果が求められない点で不利である。また、遺伝子検査(PCR法、LAMP法)を用いることにより、結果を得るまでにかかる時間は大幅に短縮されるが、かかる遺伝子検査には特別な機器及び技術を要するため、養鶏現場等で検査を行うことは出来ない。さらには、インフルエンザウイルスの核タンパク質に対する抗体を用いた簡易迅速検査(イムノクロマト法)も使用されているが、インフルエンザウイルス感染の確認はできるが、感染しているウイルスの亜型の特定をすることは出来ず、高病原性鳥インフルエンザの診断を行うことは出来ない。
またインフルエンザウイルスH5亜型の簡易検出キットに関する報告があるが、インフルエンザウイルスのヘマグルチニンは、常に中和抗体に曝されており、常にマイナー変異を起こしており、使用される抗体が反応しない可能性も示唆されている。このような状況下において、変異したウイルスを確実に検出することができる抗体と当該抗体を使用した簡易検出キットが求められていた。
特開2008-196967号公報
津田祥美ほか, H5インフルエンザウイルス感染症の迅速診断キットの開発, 日本ウイルス学会学術プログラム・抄録集, 2006年11月1日, 54巻,199頁
そこで、本発明は、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン(HA)蛋白に対する従来報告がなされていないエピトープを認識する抗体を作出し、当該抗体を用いたインフルエンザウイルスH5亜型の免疫検出法、とりわけ、サンドイッチ式免疫測定法、特に、イムノクロマトグラフィー測定法およびイムノクロマト法テストストリップを提供することにより、確実、迅速かつ簡便にインフルエンザウイルスH5亜型の確定診断を行うことができるようにすることを目的とする。
本発明者等は、現在アジア諸国において感染が拡大しているインフルエンザウイルスH5N6亜型を高感度に検出すべく、H5亜型を免疫原としてマウスを免疫して該ウイルスのヘマグルチニン(HA)蛋白の新規のエピトープに対する抗体を取得することに成功し、従来報告がある抗体と異なるエピトープを認識する抗体を取得した。また当該抗体を免疫測定法、特にサンドイッチ式免疫測定法、とりわけイムノクロマトグラフィー測定法で使用することにより、従来のH5亜型検出法と比べ、高感度かつ特異性の高い検出を可能とし、インフルエンザウイルスH5亜型を特異的に検出し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一局面によれば、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する抗体を用いる免疫測定法からなり、前記抗体が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体を含有してなる、インフルエンザウイルスH5亜型の検出法が提供される。
この検出法における免疫測定法としては、特に限定されるものではないが、サンドイッチ式免疫測定法、とりわけELISA(Enzyme-linked immunosorbent assay)法、イムノクロマトグラフィー測定法などが好ましい。
したがって、本発明の他の局面によれば、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する第一の抗体と第二の抗体とを用いたサンドイッチ式免疫測定法からなり、前記第一の抗体および前記第二の抗体の少なくとも何れか一方が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体を含有してなる、インフルエンザウイルスH5亜型の検出法が提供される。
また、本発明の好ましい実施形態によれば、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する第一の抗体を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する第二の抗体と所定量の被験試料との混合液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記被験試料中に含まれるインフルエンザウイルスH5亜型と前記第二の抗体とを備えた複合体を前記捕捉部位に捕捉させるイムノクロマトグラフィー測定法であって、前記第一の抗体および前記第二の抗体の少なくとも何れか一方が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体を含有してなる、インフルエンザウイルスH5亜型のイムノクロマトグラフィー測定法が提供される。
また、本発明の好ましい実施形態によれば、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する第一の抗体と第二の抗体と膜担体とを少なくとも備え、前記第一の抗体は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の抗体は適当な標識物質で標識され、かつ、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されてなるイムノクロマト法テストストリップであって、前記第一の抗体および前記第二の抗体の少なくとも何れか一方が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体を含有してなる、インフルエンザウイルスH5亜型検出用イムノクロマト法テストストリップが提供される。
本発明で必須に使用するインフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する抗体は、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体である。またインフルエンザウイルスのヘマグルチニンアミノ酸配列の記載方法(Wilsonらの方法)によれば、インフルエンザウイルスH3亜型のヘマグルチニン分子アミノ酸配列を基準として比較すると、本抗体の認識部位はH5亜型ヘマグルチニン分子の160番目に位置する。本明細書内では指定が無い限り、配列番号1のヘマグルチニンアミノ酸配列と比較したアミノ酸位置番号で記載する。当該抗体はポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよいが、反応特異性の観点から、モノクローナル抗体とすることが好ましい。イムノクロマトグラフィー測定法などのサンドイッチ式免疫測定法の場合、そこで使用する第一の抗体及び第二の抗体は、それぞれ、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよいが、反応特異性の観点から、一般に、少なくとも一方の抗体をモノクローナル抗体とすることが好ましく、両方の抗体をモノクローナル抗体とすることが特に好ましい。また、該抗体は、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白の他のエピトープを認識する抗体との混合物であってもよい。
本発明で使用する抗体は、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する抗体であり、したがって、インフルエンザウイルスH5亜型と特異的に反応し、インフルエンザウイルスH5亜型以外のインフルエンザウイルスとは反応しないものである。インフルエンザウイルスH5N6亜型(A/duck/Vietnam/HU1-115/2014 (H5N6))等に代表されるH5N6亜型のヘマグルチニン蛋白の全アミノ酸配列は、配列番号1に示されるとおり公知である。配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープはヘマグルチニン蛋白のHA1領域に存在するエピトープである。これらのエピトープは、上記アミノ酸配列の172番目のアミノ酸残基を含むその前後の数個のアミノ酸残基から構成されるものと考えられ、通常、当該172番目のそれぞれのアミノ酸残基を中心とする2〜10個のアミノ酸残基から構成されると考えられる。このうち、本発明で使用する好ましい抗体は、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープを認識する抗体、特にモノクローナル抗体を含有してなる。172番目のアミノ酸を含むエピトープは、インフルエンザウイルスH5亜型に保存されているエピトープと考えられ、ウイルスのヘマグルチニン分子の変異も無く、広範囲のインフルエンザウイルスH5亜型を検出するために好適である。
かくして、本発明の他の局面によれば、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープを認識するモノクローナル抗体が提供される。
かくして、本発明のさらに他の局面によれば、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含み配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるエピトープを認識するモノクローナル抗体が提供される。当該モノクローナル抗体は、近年分離されたH5N6亜型のみならず、従来のH5N1亜型の強毒株を含むインフルエンザウイルスH5亜型広範に反応するため、上述のとおり、インフルエンザウイルスH5亜型を広く検出するのに好適であり、とりわけ、強毒株の検出用に好適である。
なお、上記本発明のモノクローナル抗体は、インフルエンザウイルスH5亜型以外のインフルエンザウイルスとは反応しないものであり、したがって、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対して特異的に反応する抗体である。
本発明によれば、免疫測定法による検出法において、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白のHA1領域に存在する特定のエピトープに対する抗体を用いることとしたので、当該抗体のインフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する特異的反応性を利用して、インフルエンザウイルスH5亜型を選択的に検出することができ、鳥、ヒト等のインフルエンザウイルスH5亜型による感染症の診断に広く適用できる。
また、本発明のイムノクロマトグラフィー測定法およびイムノクロマト法テストストリップによれば、特殊な機器及び熟練した技術を必要とすることなく、養鶏現場や医療現場等において簡便かつ迅速にインフルエンザウイルスH5亜型の検出及び該ウイルスによる感染を診断することが可能となる。
aはイムノクロマト法テストストリップの平面図、bはaで示されたイムノクロマト法テストストリップの縦断面図。
本発明において、抗体の製造および該抗体を使用する検出法および測定法における各ステップは、それぞれ、それ自体、公知の免疫学的手法に準拠して行なわれる。
本発明において、ポリクローナル抗体は、例えば、配列番号1に記載されるアミノ酸配列をコードするDNA配列のうち、該アミノ酸配列の172番目のアミノ酸残基を含む部分に対応するDNA断片をクローニングし、当該クローン化遺伝子を大腸菌などの宿主で遺伝子工学的に発現させて発現蛋白を抽出および精製し、この精製蛋白を抗原として常法に従って動物を免疫し、その抗血清から取得することができる。
本発明において、モノクローナル抗体は、例えば、上記と同様に得られた精製蛋白を抗原としてマウスのような動物を免疫したのち、この免疫された動物の脾臓細胞とミエローマ細胞とを細胞融合して得られた融合細胞をHAT含有培地でセレクトした後に増殖せしめ、増殖せしめた株を前記のようにして得られた精製蛋白を使用して、たとえば、酵素標識免疫法などにより選別することで、取得することができる。
別法として、上記モノクローナル抗体は、例えば、H5亜型のインフルエンザウイルス自体を抗原としてマウスのような動物を免疫したのち、この免疫された動物の脾臓細胞とミエローマ細胞とを細胞融合して得られた融合細胞をHAT含有培地でセレクトした後に増殖せしめ、増殖せしめた株から、H5亜型のインフルエンザウイルスとは反応するが、H5亜型以外のインフルエンザウイルスの総てとは反応しない株を選別することで、取得することができる。更には、H5亜型のインフルエンザウイルスの中でも、H5N6亜型やH5N8亜型、H5N1亜型等特定の亜型に属するウイルス株を用いて選別することにより、より高感度かつ特異性の高い株を選別することができる。
被験試料中のインフルエンザウイルスH5亜型を検出するための本発明のイムノクロマトグラフィー測定法は、公知のイムノクロマト法テストストリップの構成に準拠して容易に実施できる。
一般に、かかるイムノクロマト法テストストリップは、抗原の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応可能な第一の抗体と、前記抗原の第二の抗原決定基にて抗体抗原反応可能で且つ標識された第二の抗体と、膜担体とを少なくとも備え、前記第一の抗体は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の抗体は前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されて構成される。第一の抗体および第二の抗体は、上述のように、それぞれポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であっても良いが、少なくとも何れか一方がモノクローナル抗体であることが好ましい。通常は、第一の抗体及び第二の抗体は「ヘテロ」の組み合わせで用いられ、すなわち、抗原上の位置および構造の何れもが異なる各抗原決定基をそれぞれ認識する第一の抗体及び第二の抗体が組み合わせて用いられる。しかしながら、第一の抗原決定基と第二の抗原決定基は抗原上の位置が異なっていれば構造的に同一であってもよく、また検出対象において抗原が複数発現しており、抗原決定基が複数存在することが判明している場合、第一の抗体および第二の抗体は「ホモ」の組み合わせのモノクローナル抗体であってよく、すなわち、第一の抗体および第二の抗体の両方に同一のモノクローナル抗体が使用できる。
イムノクロマト法テストストリップの具体例としては、例えば、図1に示されるテストストリップが挙げられる。図1において、数字1は粘着シート、2は含浸部材、3は膜担体、31は捕捉部位、4は吸収用部材、5は試料添加用部材を示している。
図示の例では、膜担体3は、幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース製メンブレンフィルターで作成されている。
該膜担体3には、そのクロマト展開始点側の末端から7.5mmの位置に、第一の抗体が固定され、検体の捕捉部位31が形成される。
図示の例では、膜担体3は、ニトロセルロース製メンブレンフィルターを用いているが、被験試料に含まれる検体を毛細管現象により展開可能で、かつ、上記捕捉部位31を形成する抗体を固定可能なものであれば、いかなるものであってもよく、他のセルロース類膜、ナイロン膜、ガラス繊維膜なども使用できる。
含浸部材2は、一般的には前記第一の抗体が結合する第一の抗原決定基と異なる部位に位置する第二の抗原決定基にて前記抗原と抗体抗原反応する第二の抗体を含浸せしめた部材からなる。第一の抗体と第二の抗体が同一の抗体であっても構わない。当該第二の抗体は、適当な標識物質で予め標識される。
図示の例では、含浸部材2として、5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類なども使用できる。
第二の抗体の標識物質としては、使用可能なものであればいかなる物質であってもよく、呈色標識物質、酵素標識物質、放射線標識物質などが挙げられる。
このうち、捕捉部位31での色の変化を肉眼で観察することにより迅速かつ簡便に判定できる点から、呈色標識物質を用いることが好ましい。また捕捉部位31の色の変化を定量的に測定するために、所謂イムノクロマトリーダーを用いることも可能であるが、色の変化を定量的に測定するためにも、呈色標識物質を用いることが好ましい。
呈色標識物質としては、金コロイド、白金コロイド等の金属コロイドの他、赤色および青色などのそれぞれの顔料で着色されたポリスチレンラテックスなどの合成ラテックスや、天然ゴムラテックスなどのラテックスが挙げられ、このうち、金コロイドなどの金属コロイドが特に好ましい。
当該含浸部材2は、標識された第二の抗体の懸濁液を前記ガラス繊維不織布等の部材に含浸せしめ、これを乾燥させることなどによって作製できる。
図1に示されるように、膜担体3を粘着シート1の中程に貼着し、該膜担体3の毛細管現象による展開の開始点側(すなわち図1の左側、以下「上流側」と記す、また、その逆の側、すなわち図1の右側を、以下「下流側」と記す)の末端の上に、含浸部材2の下流側末端を重ね合わせて連接するとともに、この含浸部材2の上流側部分を粘着シート1に貼着して本発明のイムノクロマト法テストストリップを作成できる。
さらに、必要に応じて、含浸部材2の上面に試料添加用部材5の下流側部分を載置するとともに、該試料添加用部材5の上流側部分を粘着シート1に貼着してもよく、また、膜担体3の下流側部分の上面に吸収用部材4の上流側部分を載置するとともに、該吸収用部材4の下流側部分を粘着シート1に貼着せしめることもできる。
試料添加用部材5としては、例えば、多孔質ポリエチレンおよび多孔質ポリプロピレンなどのような多孔質合成樹脂のシートまたはフィルム、ならびに、濾紙および綿布などのようなセルロース製の紙または織布もしくは不織布を用いることができる。
吸収用部材4は、液体をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特に濾紙が最適である。
さらに、市販品の場合、図1のイムノクロマト法テストストリップは、試料添加用部材5と捕捉部位31の上方にそれぞれ被験試料注入部と判定部が開口された適当なプラスチック製ケース内に収容されて提供される。
かくして、生体試料などからなる被験試料を必要に応じて適当な展開溶媒と混合してクロマト展開可能な混合液を得た後、当該混合液を図1に示されるイムノクロマト法テストストリップの試料添加用部材5上に注入すると、該混合液は、該試料添加用部材5を通過して含浸部材2において、標識された第二の抗体と混合する。
その際、該混合液中に検体が存在すれば、抗原抗体反応により検体と第二の抗体との複合体が形成される。
この複合体は、膜担体3中をクロマト展開されて捕捉部位31に到達し、そこに固定された第一の抗体と抗原抗体反応して捕捉される。
このとき、標識物質として金コロイドなどの呈色標識物質が使用されていれば、当該呈色標識物質の集積により捕捉部位31が発色するので、直ちに、検体を定性的または定量的に測定することができる。
被験試料としては、特に制限はないが、例えば、クロアカスワブ、気管スワブ、糞便、鼻腔吸引液、鼻腔ぬぐい液および咽頭ぬぐい液、血液(全血でも、血清でも、血漿でもよい)、唾液、尿、臓器乳剤等が挙げられる。被験試料は、展開溶媒などの適当な希釈液で希釈して膜担体に注入してもよい。
なお、全血を被験試料として用いるときで、特に標識抗体の標識物質として金コロイドなどの呈色標識物質が用いられる場合、前記試料添加用部材に血球捕捉膜部材を配置しておくことが好ましい。血球捕捉膜部材は、前記含浸部材と前記試料添加用部材との間に積層することが好ましい。これにより、赤血球が膜担体に展開されるのが阻止されるので、膜担体の捕捉部位における呈色標識の集積の確認が容易になる。血球捕捉膜部材としては、カルボキシメチルセルロース膜等血球を捕捉できる素材を用いることができる。
下記の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1(抗インフルエンザウイルスH5亜型モノクローナル抗体の作出)
インフルエンザウイルスH5亜型であるA/duck/Pennsylvania/10128/84(H5N2)株を11日齢の孵化鶏卵の羊膜腔に接種し、培養した。数日後に羊水を採取しウイルスを得た。
得られたウイルスを抗原として、当該ウイルスに対するモノクローナル抗体を作出した。モノクローナル抗体の作出は常法に従っておこなった。
すなわち、100μgのウイルス抗原と等量のAdjuvant Complete Freund (Difco)を混合して、マウス(BALB/c、5週齢、日本SLC)に3回免疫し、その脾臓細胞を細胞融合に用いた。細胞融合には、マウスの骨髄腫細胞であるSp2/0-Ag14細胞(Shulmanら、1978)を用いた。
得られた融合細胞をHAT含有培地でセレクトした後に増殖せしめ、増殖せしめた融合細胞から、インフルエンザウイルスH5亜型の上記株と反応するモノクローナル抗体産生細胞を最終的に2クローン得た。以下得られたクローンから産生される抗体をHTA001およびHTA002と称する。
実施例2(抗インフルエンザウイルスH5亜型抗体を用いたイムノクロマトキットの作製)
(1)抗インフルエンザウイルスH5亜型抗体(抗H5抗体)の調製
実施例1で得られた2種のクローンのそれぞれを、マウス腹腔に接種し、抗H5抗体を含んだ腹水を得た。さらに、常法によりプロテインG吸着体を用いたIgG精製を行い、抗H5抗体とした。
(2)白金-金コロイド粒子溶液の調製
使用するガラス器具の全てを王水で洗浄した。390mlの超純水をフラスコに入れて沸騰させ、この沸騰水に塩化金酸水溶液(水溶液1リットル当たり金として1g、片山化学工業株式会社製)30mlを加え、その後、1重量% クエン酸ナトリウム水溶液60mlを加え、6分45秒後に、塩化白金酸水溶液(水溶液1リットル当たり白金として1g、和光純薬工業株式会社製)30mlを加えた。塩化白金酸水溶液添加から5分後に1重量% クエン酸ナトリウム水溶液60mlを加え、4時間還流条件下で加熱を行い、白金-金コロイド粒子溶液を得た。
(3)白金-金コロイド標識抗H5抗体溶液の調製
上記(1)で得られた2種のクローン由来のHTA001及びHTA002の抗H5抗体を下記の手順でそれぞれ白金-金コロイド標識した。
抗H5抗体の蛋白換算重量1μg(以下、抗体の蛋白換算重量を示すとき、単に、その精製蛋白質の重量分析による重量数値で示す)と上記(2)の白金-金コロイド溶液1mlとを混合し、室温で2分間静置してこの抗体を白金-金コロイド粒子表面に結合させた後、白金-金コロイド溶液における最終濃度が1%となるように10%ウシ血清アルブミン(以下、「BSA」と記す)水溶液を加え、この白金-金コロイド粒子の残余の表面をことごとくこのBSAでブロックして、白金-金コロイド標識抗H5抗体(以下、「白金-金コロイド標識抗体」と記す)溶液を調製した。この溶液を遠心分離(5600×G、30分間)して白金-金コロイド標識抗体を沈殿せしめ、上清液を除いて白金-金コロイド標識抗体を得た。この白金-金コロイド標識抗体を10%サッカロース・1%BSA・0.5%Triton-X100を含有する50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁して白金-金コロイド標識抗体溶液を得た。
(4)抗インフルエンザウイルスH5亜型測定用イムノクロマト法テストストリップの作製
図1に示されるイムノクロマト法テストストリップを下記の手順で作製した。
(4-1)抗H5抗体と白金-金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位
幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース膜をクロマトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体3として用意した。
抗H5抗体1.0mg/mlが含有されてなる溶液0.5μlを、このクロマト展開用膜担体3におけるクロマト展開開始点側の末端から7.5mmの位置にライン状に塗布して、これを室温で乾燥し、インフルエンザウイルスH5亜型と白金-金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位31とした。抗H5抗体として、HTA001およびHTA002モノクローナル抗体を用いた。
(4-2)白金-金コロイド標識抗体含浸部材
5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布に、白金-金コロイド標識抗体溶液37.5μlを含浸せしめ、これを凍結乾燥させ白金-金コロイド標識抗体含浸部材2とした。白金-金コロイド標識抗体として、HTA001およびHTA002モノクローナル抗体からなる白金-金コロイド標識抗体を用いた。
(4-3)イムノクロマト法テストストリップの作製
上記クロマト展開用膜担体3、上記標識抗体含浸部材2の他に、試料添加用部材5として綿布と、吸収用部材4として濾紙を用意した。そして、これらの部材を用いて、図1と同様のクロマト法テストストリップを作製した。
(5)試験
白金-金コロイド標識抗体及び捕捉部位形成抗体(メンブレン固相化抗体)として、それぞれHTA001もしくはHTA002モノクローナル抗H5抗体を用いた2種類のイムノクロマト法テストストリップを用意した。
インフルエンザウイルスH5亜型弱毒株であるA/duck/Pennsylvania/10128/1984(H5N2)株および強毒株であるA/black swan/Akita/1/2016(H5N6)を評価に用いた。それぞれのウイルス液を検体希釈液で段階希釈して被験試料とした。そして、被験試料100μlを上記(4)で得られたテストストリップの試料添加用部材5にマイクロピペットで滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、上記捕捉部位31の呈色強度をイムノクロマトリーダー(大塚電子株式会社製)にて測定し呈色強度を測定した。A/duck/Pennsylvania/10128/1984(H5N2)株との反応性結果を表1および表2に、A/black swan/Akita/1/2016(H5N6)との反応性結果を表3および表4にそれぞれ示した。
A/duck/Pennsylvania/10128/1984(H5N2)との反応性試験
Figure 2018105662
A/duck/Pennsylvania/10128/1984(H5N2)との反応性試験
Figure 2018105662
表1および表2から明らかなように、HTA001およびHTA002抗H5抗体からなるH5検出キットがインフルエンザウイルスH5亜型のA/duck/Pennsylvania/1984(H5N2)弱毒株を検出できることがわかった。また対照として用いたインフルエンザウイルスの核タンパク質に対する抗体を使用したイムノクロマト法キット(株式会社タウンズ製、以下NP検出キットと称する。)も高感度に当該ウイルス株を検出することができた。
A/black swan/Akita/1/2016(H5N6)との反応性試験
Figure 2018105662
A/black swan/Akita/1/2016(H5N6)との反応性試験
Figure 2018105662
一方、表3および表4から明らかなように、抗H5抗体としてHTA001を使用した場合は、インフルエンザウイルスH5亜型弱毒株と同様に検出することができたのに対し、HTA002を使用した場合はA/black swan/Akita/1/2016(H5N6)強毒株を検出することができなかった。対照として使用したNP検出キットはインフルエンザウイルスH5亜型弱毒株と同様の反応性を示した。
これらの結果から、HTA001抗H5抗体はインフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン分子において保存されている領域を認識する抗体であることが示唆され、一方、HTA002抗H5抗体はインフルエンザウイルスH5亜型の弱毒株のヘマグルチニン分子に存在する領域を認識することは出来るが、近年分離されたH5強毒株のヘマグルチニン分子の同領域を認識することができない抗体である可能性が示唆された。
実施例3(抗H5抗体のエピトープ解析)
実施例1にて作製されたHTA001およびHTA002抗H5抗体とA/duck/Pennsylvania/10128/84(H5N2)株とを混合して11日齢の孵化鶏卵の羊膜腔に接種し、培養し、数日後に羊水を採取しウイルスを得た。各羊水から得られたウイルスのヘマグルチニン遺伝子をシークエンス解析し、そのアミノ酸配列を配列番号1の配列と比較し、前記モノクローナル抗体の中和活性による選択圧の結果生じたインフルエンザウイルスのヘマグルチニン分子におけるアミノ酸変異を解析し、抗H5抗体の結合部位であるエピトープを決定した。上記A/duck/Pennsylvania/10128/84(H5N2)以外に、A/duck/Vietnam/HU1-1151/2014(H5N6)、A/black swan/Akita/1/2016(H5N6)、A/whooper swan/Hokkaido/4/2011(H5N1)、A/chicken/Kumamoto9/1-7/2014 (H5N8)およびA/duck/Vietnam/HU3-16/2015(H5N1)のインフルエンザウイルスH5亜型を用いて同様の解析を実施した。各ウイルス株に対する反応性結果を表5に示した。また各抗H5抗体のインフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン分子におけるエピトープ解析結果を表6に示した。
インフルエンザウイルスH5亜型各株との反応性試験。表5において、高い反応性を示した場合は「〇」、中程度から僅かな反応性の場合に「△」、全く反応性を示さなかった場合を「×」で示した。
Figure 2018105662
上記表5の結果から明らかなように、HTA001抗H5抗体は、試験に供した全てのインフルエンザウイルスH5亜型の全ての株に対して良好な反応性を示した。一方、HTA002抗H5抗体は、A/duck/Pennsylvania/10218/1984 (H5N2)に対してのみ良好な反応性を示したが、A/chicken/Kumamoto9/1-7/2014 (H5N8)およびA/duck/Vietnam/HU3-16/2015 (H5N1)に対しては、僅かな反応性を示し、その他のA/duck/Vietnam/HU1-1151/2014 (H5N6)、A/black swan/Akita/1/2016 (H5N6)およびA/whooper swan/Hokkaido/4/2011 (H5N1)に対しては全く反応性を示さない結果となった。さらにはA/duck/Pennsylvania/10218/1984 (H5N2)以外のH5亜型においては、HTA002抗H5抗体が認識するエピトープが変異しアミノ酸配列が変化したことにより抗体が認識できなくなったことが強く示唆された。
Figure 2018105662
実施例3におけるエピトープ解析の結果より、HTA001抗H5抗体は、配列番号1の172番目のアミノ酸残基を含むエピトープを認識することが示され、またHTA002抗H5抗体は配列番号1の158番目のアミノ酸残基を含むエピトープを認識するものであることが示された。
またHTA001抗H5抗体が認識する配列番号1の172番目のアミノ酸残基を含むエピトープは、供試したインフルエンザウイルスH5亜型に広く保存されており、各株との反応性を裏付ける結果となった。一方、HTA002抗H5抗体は配列番号1の158番目のアミノ酸残基を含むエピトープは、A/duck/Pennsylvania/10218/1984 (H5N2)は有しているものの、僅かな反応であったA/chicken/Kumamoto9/1-7/2014 (H5N8)およびA/duck/Vietnam/HU3-16/2015 (H5N1)においては一部のアミノ酸変異が起こったため反応性が低下し、全く反応性を示さなかったA/duck/Vietnam/HU1-1151/2014 (H5N6)、A/black swan/Akita/1/2016 (H5N6)およびA/whooper swan/Hokkaido/4/2011 (H5N1)においては、エピトープ中心の前位置のアミノ酸がプロリンに変異しており、抗体が認識するエピトープ周辺の構造が大きく変化したことにより、抗体が認識することができなかったものと強く示唆され、この結果がHTA002抗H5抗体を使用したキットの反応性結果に裏付けるものとなった。
上記解析結果より、HTA001抗H5抗体の認識する配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープを認識する抗体は、広範囲のインフルエンザウイルスH5亜型を検出するために好適であることが示された。
本発明は、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する抗体を用いたサンドイッチ式免疫測定法、特に、イムノクロマトグラフィー測定法およびイムノクロマト法テストストリップを提供するものであり、インフルエンザウイルスH5亜型に属するウイルスを特異的に簡単な方法で迅速に検出できるので、当該ウイルスに起因する鳥、ヒト等の疾病を迅速かつ簡便に診断するために有用である。
1 粘着シート
2 含浸部材
3 膜担体
31 捕捉部位
4 吸収用部材
5 試料添加用部材

Claims (25)

  1. インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する抗体を用いる免疫測定法からなり、前記抗体が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体を含有してなる、インフルエンザウイルスH5亜型の検出法。
  2. 前記抗体が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含む配列番号2に示されるエピトープに対する抗体を含有してなる請求項1に記載の検出法。
  3. 前記抗体がモノクローナル抗体である請求項1または2に記載の検出法。
  4. 前記モノクローナル抗体がインフルエンザウイルスH5亜型以外のインフルエンザウイルスとは反応しないものである請求項3に記載の検出法。
  5. インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する第一の抗体と第二の抗体とを用いたサンドイッチ式免疫測定法からなり、前記第一の抗体および前記第二の抗体の少なくとも何れか一方が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体を含有してなる、インフルエンザウイルスH5亜型の検出法。
  6. 前記第一の抗体および前記第二の抗体の少なくとも何れか一方が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含む配列番号2に示されるエピトープに対する抗体を含有してなる請求項5に記載の検出法。
  7. 前記抗体がモノクローナル抗体である請求項5または6に記載の検出法。
  8. 前記モノクローナル抗体がインフルエンザウイルスH5亜型以外のインフルエンザウイルスとは反応しないものである請求項7に記載の検出法。
  9. 前記第一の抗体および第二の抗体の何れか一方を担体に固定しておく請求項5に記載の検出法。
  10. インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する第一の抗体を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する第二の抗体と所定量の被験試料との混合液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記被験試料中に含まれるインフルエンザウイルスH5亜型と前記第二の抗体とを備えた複合体を前記捕捉部位に捕捉させるイムノクロマトグラフィー測定法であって、前記第一の抗体および前記第二の抗体の少なくとも何れか一方が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体を含有してなる、インフルエンザウイルスH5亜型のイムノクロマトグラフィー測定法。
  11. 前記第一の抗体および前記第二の抗体の少なくとも何れか一方が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含む配列番号2に示されるエピトープに対する抗体を含有してなる請求項10に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
  12. 前記第一の抗体および前記第二の抗体の少なくとも何れか一方がモノクローナル抗体である請求項10乃至11の何れか1項に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
  13. 前記モノクローナル抗体がインフルエンザウイルスH5亜型以外のインフルエンザウイルスとは反応しないものである請求項12に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
  14. 前記第二の抗体は金属コロイドまたはラテックスで標識されている請求項10に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
  15. 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項14に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
  16. インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する第一の抗体と第二の抗体と膜担体とを少なくとも備え、前記第一の抗体は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の抗体は適当な標識物質で標識され、かつ、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されてなるイムノクロマト法テストストリップであって、前記第一の抗体および前記第二の抗体の少なくとも何れか一方が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体を含有してなる、インフルエンザウイルスH5亜型検出用イムノクロマト法テストストリップ。
  17. 前記第一の抗体および前記第二の抗体の少なくとも何れか一方が、配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含む配列番号2に示されるエピトープに対する抗体を含有してなる請求項16に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
  18. 前記第一の抗体および前記第二の抗体の少なくとも何れか一方がモノクローナル抗体である請求項16及び17の何れか1項に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
  19. 前記モノクローナル抗体がインフルエンザウイルスH5亜型以外のインフルエンザウイルスとは反応しないものである請求項18に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
  20. 前記第二の抗体は金属コロイドまたはラテックスで標識されている請求項16に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
  21. 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項20に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
  22. 配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含むエピトープを認識するモノクローナル抗体。
  23. インフルエンザウイルスH5亜型以外のインフルエンザウイルスとは反応しないものである請求項22に記載のモノクローナル抗体。
  24. 配列番号1に示されるヘマグルチニン蛋白のアミノ酸配列の172番目のアミノ酸を含む配列番号2に示されるエピトープを認識するモノクローナル抗体。
  25. インフルエンザウイルスH5亜型以外のインフルエンザウイルスとは反応しないものである請求項24に記載のモノクローナル抗体。
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