JP5849065B2 - A型インフルエンザウイルスh5亜型の検出法 - Google Patents
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Description
H5N1亜型による高病原性鳥インフルエンザは、1997年に香港で流行し、さらに、2003年から現在までアジアの数カ国で大流行し、人への感染及び死亡例も報告された。
現在、H5N1亜型の人への感染は世界規模で問題となっており、H1N1亜型、H3N2亜型に続く新型インフルエンザとして世界規模で警戒されている。
上記からも明らかなように、H5N1亜型の人への感染が現実となりつつある現在、H5N1亜型感染を迅速に発見することは、大規模なインフルエンザ感染拡大を防ぐ上で重要な課題である。また迅速に診断することは治療においても重要である。
しかしながら現在行われているインフルエンザ抗原検査はA型ウイルス全てに共通な核タンパク(ヌクレオプロテイン)に対する抗体を使用している。そのためインフルエンザA型ウイルスであるH5亜型感染とH1N1またはH3N2亜型感染との鑑別診断ができない。
H5N1亜型感染は重篤な肺炎を引き起こし、且つ死亡率が非常に高い。初期診断時にH5亜型感染を鑑別診断することは、患者に対する治療方針を立てる上でも重要である。さらに新たな感染を防ぐために患者を早期に隔離するなどの処置を講ずることができ、更なるH5N1亜型感染の拡大を防ぐ上でも重要である。
また、近年開発された遺伝子検査(PCR法、LAMP法)を用いることにより、H5N1亜型を鑑別して検出することは可能であるが特別な機器及び技術を要するため簡便な方法ではない。
本発明の目的は、A型インフルエンザウイルスH5亜型を迅速かつ簡便に鑑別診断できる検出試薬、及びそれを用いた検出法、とりわけ、サンドイッチ式免疫測定法、特に、イムノクロマトグラフィー測定法およびイムノクロマトグラフィー測定装置を提供することを目的とする。
したがって、本発明の上記検出法の好ましい実施形態によれば、前記免疫測定法は、前記第一の抗体とこの第一の抗体が反応する抗原に対して反応する第三の抗体とを用いたサンドイッチ式免疫測定法、及び/又は、前記第二の抗体と該第二の抗体が反応する抗原に対して反応する第四の抗体とを用いたサンドイッチ式免疫測定法から構成される。これらのサンドイッチ式免疫測定法は、前記第一の抗体および第二または第四の抗体を担体に固定して実施すると好都合である。この場合、担体として膜担体を使用すると、イムノクロマトグラフィー測定法を実施することができる。
ポリクローナル抗体は、例えば、配列番号6に記載されるアミノ酸配列をコードするDNA配列のうち、エピトープを構成するアミノ酸残基を含む部分に対応するDNA断片をクローニングし、当該クローン化遺伝子を大腸菌などの宿主で遺伝子工学的に発現させて発現蛋白を抽出および精製し、この精製蛋白を抗原として常法に従って動物を免疫し、その抗血清から取得することができる。
本発明において、イムノクロマトグラフィー測定法などのサンドイッチ式免疫測定法で使用する第四の抗体は、第二の抗体が反応する抗原に対して反応する抗体であればよく、該抗原が第二の抗体に対するエピトープを複数備えている場合には第二の抗体と同一の抗体であってもよく、該抗原が他のエピトープを備えている場合には第二の抗体以外の抗体であってもよい。
また、第三及び第四の抗体は、それぞれ、モノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよいが、反応特異性の点から、モノクローナル抗体であることが好ましい。
また、本明細書において、「抗体との反応が陽性」とは、抗原が抗体と抗原抗体反応することを意味する。
イムノクロマト法テストストリップの具体例としては、例えば図1に示されるテストストリップ10が挙げられる。図1において、数字1は粘着シート、2は含浸部材、3は膜担体、4は捕捉部位、5は吸収用部材、6は試料添加用部材を示している。
図示の例では、膜担体3は、幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース製メンブレンフィルターからなり、同幅の粘着シート1の中程に貼り付けられている。膜担体3には、そのクロマト展開始点側、すなわち図1の左側(以下「上流側」と記す。なお、その逆の側、すなわち図1におけるクロマト展開方向側すなわち右側は以下「下流側」と記す。)の末端から下流側に7.5mmの位置に第一の抗体が固定され、第三の抗体とA型インフルエンザウイルスの核タンパク等のウイルス抗原との複合体を捕捉するための第一の捕捉部位41aが形成されている。さらに、膜担体3の上流側の末端から下流側に10.5mmの位置に第二の抗体が固定され、第四の抗体とH5亜型のヘマグルチニン蛋白等のウイルス抗原との複合体を捕捉するための第二の捕捉部位41bが形成されている。さらに、膜担体3の上流側の末端から下流側に15.0mmの位置に所謂コントロールライン42が設けられている。このコントロールライン42は、分析対象物質の存否に係わらず反応が行われたことを確認するためのものであり、通常、前記第三及び/又は第四の抗体と免疫学的に特異的に結合する物質(分析対象物質を除く)を膜担体3に固定化することによって形成することができる。例えば、第三及び/又は第四の抗体としてマウス抗体を用いた場合は、該マウス抗体に対する抗体を用いることができる。
図1の装置において、第一の抗体としては、全てのA型インフルエンザウイルス亜型の核タンパクに対して反応するモノクローナル抗体を用いることが好ましい。第二の抗体としては、H5亜型に対して特異的に反応するモノクローナル抗体を用いることが好ましい。
図示の例では、含浸部材2として、5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類なども使用できる。
このうち、捕捉部位4での色の変化を肉眼で観察することにより迅速かつ簡便に判定できる点から、呈色標識物質を用いることが好ましい。
呈色標識物質としては、金コロイド、白金コロイド等の金属コロイドの他、赤色および青色などのそれぞれの顔料で着色されたポリスチレンラテックスなどの合成ラテックスや、天然ゴムラテックスなどのラテックスが挙げられ、このうち、金コロイドなどの金属コロイドが特に好ましい。
含浸部材2は、標識抗体の懸濁液を前記ガラス繊維不織布等の部材に含浸せしめ、これを乾燥させることなどによって作製できる。
さらに、図1の装置では、含浸部材2の上面に試料添加用部材6の下流側部分を載置するとともに、該試料添加用部材6の上流側部分を粘着シート1に貼着しており、また、膜担体3の下流側部分の上面に吸収用部材5の上流側部分を載置するとともに、該吸収用部材5の下流側部分を粘着シート1に貼着せしめてイムノクロマト法テストストリップ10を構成している。
吸収用部材5は、液体をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特に濾紙が最適である。
その際、該混合液中にA型インフルエンザウイルスH5亜型が存在すれば、抗原抗体反応により該H5亜型ウイルスのウイルス抗原と第三の抗体との複合体、及び、該ウイルス抗原と第四の抗体との複合体が形成される。
陽性か陰性かの判定は、標識物質として金コロイドなどの呈色標識物質が使用されていれば、当該呈色標識物質の集積により第一及び第二の捕捉部位41a,41bが発色するので、直ちに、判定することができる。
なお、全血を被験試料として用いるときで、特に標識抗体の標識物質として金コロイドなどの呈色標識物質が用いられる場合、前記試料添加用部材に血球捕捉膜部材を配置しておくことが好ましい。血球捕捉膜部材は、前記含浸部材と前記試料添加用部材との間に積層することが好ましい。これにより、赤血球が膜担体に展開されるのが阻止されるので、膜担体の捕捉部位における呈色標識の集積の確認が容易になる。血球捕捉膜部材としては、カルボキシメチルセルロース膜が用いられ、具体的には、アドバンテック東洋株式会社から販売されているイオン交換濾紙CM(商品名)や、ワットマンジャパン株式会社から販売されているイオン交換セルロースペーパーなどを用いることができる。
図2の装置は、2本のイムノクロマト法テストストリップ10及び20からなるイムノクロマトグラフィー測定装置である。各イムノクロマト法テストストリップ10及び20は、捕捉部位4及び標識抗体の構成を除いて図1のイムノクロマト法テストストリップ10の構成と同様である。図2のイムノクロマト法テストストリップ10は、膜担体3の上流側の末端から7.5mmの位置に第一の抗体が固定され、第三の抗体と分析対象物質との複合体を捕捉するための第一の捕捉部位41aが形成されている点は図1と同様であるが、膜担体3の上流側の末端から10.5mmの位置に抗B型インフルエンザウイルス抗体が固定され、B型インフルエンザウイルスを検出する捕捉部位41bが設けられている点で図1と異なる。そして、イムノクロマト法テストストリップ10の含浸部材2には、標識された第三の抗体及び標識された抗B型インフルエンザウイルス抗体が、混合状態で標識抗体として含浸されている。ここで、第三の抗体として、多くの場合、第一の抗体と同様の抗体が使用できる。抗B型インフルエンザウイルス抗体としては、公知のイムノクロマトグラフィー測定装置に使用されている抗体が使用できる。
その際、該混合液中にA型インフルエンザウイルスH5亜型が存在すれば、イムノクロマト法テストストリップ10においては、抗原抗体反応により該H5亜型ウイルス抗原と第三の抗体との複合体が形成される。この複合体は、膜担体3中をクロマト展開されて捕捉部位41に到達し、第一の捕捉部位41aに固定された第一の抗体と抗原抗体反応して捕捉され陽性の結果を呈するが、捕捉部位41bに固定された抗B型インフルエンザウイルス抗体には捕捉されず陰性の結果を呈する。イムノクロマト法テストストリップ20においては、該H5亜型ウイルス抗原と第四の抗体との複合体が形成され、該複合体は膜担体3中をクロマト展開されて第二の捕捉部位41cに到達し、そこに固定された第二の抗体と抗原抗体反応して捕捉され陽性の結果を呈する。
したがって、第一の捕捉部位41a、第二の捕捉部位41c及び捕捉部位41bにおける結果をもって、H5亜型の感染か、H5亜型以外のA型インフルエンザウイルスの感染か、B型インフルエンザウイルスの感染かを鑑別判定できる。
なお、図2のイムノクロマト法テストストリップ10としては、キャピリア(登録商標)FluA+B(株式会社タウンズ製)などの市販のA型及びB型インフルエンザ鑑別測定用のイムノクロマト法テストストリップまたはキットをそのまま用いることもできる。したがって、かかる市販のテストストリップまたはキットと併用して本発明の検出法又は測定法を実施できるように、図2のイムノクロマト法テストストリップ20のみを単品で供給することもできる。
その際、該混合液中にA型インフルエンザウイルスH5亜型が存在すれば、イムノクロマト法テストストリップ10においては、図2と同様に第一の捕捉部位41aにおいて陽性の結果を呈し、捕捉部位41bでは陰性の結果を呈する。イムノクロマト法テストストリップ20においては、該H5亜型ウイルス抗原と標識抗体との複合体が、第二の捕捉部位41cに固定された第二の抗体に捕捉されて陽性の結果を呈する。
該混合液中にH5亜型以外のA型インフルエンザウイルスが存在すれば、図2と同様に、イムノクロマト法テストストリップ10においては、第一の捕捉部位41で陽性の結果を呈するが、捕捉部位41bでは陰性の結果を呈する。イムノクロマト法テストストリップ20においては、該ウイルス抗原と標識抗体との複合体が形成されないため、両者は単独に膜担体3中をクロマト展開されて第二の捕捉部位41cに到達するが、そこに固定された第二の抗体に捕捉されず、陰性の結果を呈する。
したがって、前記第一の捕捉部位41a、第二の捕捉部位41c及び捕捉部位41bにおける結果をもって、H5亜型の感染か、H5亜型以外のA型インフルエンザウイルスの感染か、B型インフルエンザウイルスの感染かを鑑別判定できる。
図3の装置は、適当なケースに収容した形態のものであってもよい。
かくして、図2を参照して上記したと同様の方法で被験試料を含む混合液を得た後、当該混合液を図4に示されるイムノクロマト法テストストリップ10及び20に共通の試料添加用部材6上に注入すると、該混合液は、該試料添加用部材6を通過して両テストストリップ10及び20の含浸部材2において、標識抗体と混合する。そして、図2と同様に、前記第一の捕捉部位41a、第二の捕捉部位41c及び捕捉部位41bにおける結果をもって、H5亜型の感染か、H5亜型以外のA型インフルエンザウイルスの感染か、B型インフルエンザウイルスの感染かを鑑別判定できる。
図4の装置の変形として、粘着シート1及び試料添加用部材6の他に、含浸部材2をテストストリップ10及び20に共通のものとしてもよい。この場合、図3の態様に準じて標識抗体を含浸部材に含浸させることができる。
図4の装置は、上記被験試料を含む混合液がテストストリップ10及び20に均等に浸透するので、測定感度が向上するため好都合である。
インフルエンザウイルスA型であるA/Puerto Rico/8/34(H1N1)およびインフルエンザウイルスB型であるB/Lee/40を発育鶏卵に接種し、培養した。数日後に漿尿液を採取しウイルスを得た。このウイルスにRNA抽出試薬(TRIzol Reagent, Invitrogen)を加え、それぞれのウイルスRNAを抽出した。抽出したRNAから逆転写反応を行いNP遺伝子のcDNAを作製した。逆転写反応に用いたプライマーとしてUni 12 Primer : 5’-AGCAAAAGCAGG-3’(配列番号1)を用いた。
得られたPCR産物の一部をDNA電気泳動で増幅を確認した後、それぞれの増幅産物を制限酵素NdeIおよびXbaIにて切断し、同じ制限酵素で切断したベクターpET15bに挿入した。
目的遺伝子が挿入された実施例1のベクターpET15bでE.coli BL21CodonPlusを形質転換し、アンピシリン選択培地上で培養し、コロニーを得た。アンピシリン(100μg/ml)とクロラムフェニコール(25μg/ml)を含むL-Broth中にて一晩培養を行った後、アンピシリン(100μg/ml)を含むL-brothに培養液を加えた。37℃にて3時間の培養を行った後、1 M IPTGを最終濃度1 mMになるように添加し組換えNP蛋白の発現を誘導した。IPTGによるタンパク質の発現はSDS-PAGEにて確認した。
遠心分離により回収した菌体を可溶化バッファーに懸濁させた。さらにPMSFおよびリゾチーム処理を行い完全に溶菌させた。得られた溶液の遠心上清から組換えNP蛋白をNi-NTA樹脂を用いたカラムに通し精製した。この精製蛋白をPBSに対して透析し、目的の組換えNP蛋白とした。
実施例2で得られたA型インフルエンザウイルス組換えNP蛋白(FluA NP)およびB型インフルエンザウイルス組換えNP蛋白(FluB NP)を抗原として、FluA NPおよびFluB NPに対するモノクローナル抗体(抗FluA NP抗体および抗FluB NP抗体)を作出した。モノクローナル抗体の作出は常法に従って行った。それぞれ100μgの組換えNP蛋白と等量のAdjuvant Complete Freund(Difco)を混合して、マウス(BALB/c、5週齢、日本SLC)に3回免疫し、その脾臓細胞を細胞融合に用いた。
細胞融合には、マウスの骨髄腫細胞であるSp2/0-Ag14細胞(Shulmanら、1978)を用いた。細胞の培養には、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(Gibco)にL-グルタミン0.3mg/ml、ペニシリンGカリウム100単位/ml、硫酸ストレプトマイシン100μg/ml、Gentacin 40μg/mlを添加し(DMEM)、これに牛胎児血清(JRH)を10%となるように加えた培養液を用いた。
インフルエンザウイルスH5亜型であるA/duck/Pennsylvania/10128/84(H5N2)株を11日齢の孵化鶏卵の羊膜腔に接種し、培養した。数日後に羊水を採取しウイルスを得た。
得られたウイルスを抗原として、当該ウイルスに対するモノクローナル抗体を作出した。モノクローナル抗体の作出は常法に従っておこなった。
すなわち、100μgのウイルス抗原と等量のAdjuvant Complete Freund (Difco)を混合して、マウス(BALB/c、5週齢、日本SLC)に3回免疫し、その脾臓細胞を細胞融合に用いた。細胞融合には、マウスの骨髄腫細胞であるSp2/0-Ag14細胞(Shulmanら、1978)を用いた。
作出した15クローンのモノクローナル抗体と各種インフルエンザウイルスH5亜型との反応性を蛍光抗体法により確認し、結果を表1に示した。なお、蛍光抗体法は下記手順に従った。
イヌ腎臓由来株化細胞(Madin-Darby canine kidney cell : MDCK細胞)を用いて蛍光抗体法を行った。MDCK細胞の培養にはイーグル最小必須培地(日水製薬)に56℃で30分間加熱非動化した10% Bovine calf serum(Roche)、0.3mg/ml L-グルタミン、100単位/mLペニシリンGカリウム、100μg/ml硫酸ストレプトマイシンを加えた後、炭酸水素ナトリウムでpHを調整した培地を用いた。
蛍光抗体法はOffice International Des Epizooties (2000)の方法に従った。Lab-Tek II Chamber Slide System (Nunc)に単層を形成させたMDCK細胞に104 TCID50/mlでウイルスを接種し、35℃で8時間培養後、培養上清を除去し、感染細胞をPBSで1回洗浄した。細胞を20分間100%冷アセトン(和光純薬)に浸し固定した後、乾燥させた。モノクローナル抗体を含むマウス腹水、もしくは培養上清を抗体希釈液(1% BSA及び0.05% Tween20を含むPBS)で800倍に希釈し、これを1次抗体液として添加し、室温で1時間反応させた。PBSで1回洗浄後、抗体希釈液で1000倍に希釈したFluerescence-conjugated Goat IgG Fraction to Mouse IgG (ICN Biomedicals)を2次抗体液として添加し、室温で1時間反応させた。PBSで1回洗浄後、細胞を封入剤(Glycerol for fluerescence microscopy (Merck) と0.5M 炭酸重炭酸バッファー(pH9.5)を比率3:1で混合したもの)で封入した後、蛍光顕微鏡(Axiovert 200, ZEISS)を用い、FITC Filter (Chroma) で観察した。判定は目視により核および細胞質に緑色の特異的な細胞内蛍光を確認することで陽性(+)と判定した。
なお、表1において、A/duck/Mongolia/500/01(H5N3)及びA/duck/Mongolia/596/01(H5N3)は、それぞれ、A/duck/Mongolia/3/01(H5N3)及びA/duck/Mongolia/10/01(H5N3)と同等であることが知られている。
また、上記クローンのうち、クローン3/3、A27/1及びB29/1から得られたモノクローナル抗体とA/duck/Pennsylvania/10128/84(H5N2)株とを混合して11日齢の孵化鶏卵の羊膜腔に接種し、培養し、数日後に羊水を採取しウイルスを得た。得られたウイルスは、上記モノクローナル抗体の選択圧がかかっているため、上記モノクローナル抗体が結合する部位に変異を生じている可能性が高い。
したがって、上記3種のクローン3/3、A27/1及びB29/1は、インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に特異的に結合するものであり、さらには、配列番号7の168番目のアミノ酸残基を含むエピトープを認識するものであることが示された。
(1)抗FluA NP抗体、抗FluB NP抗体および抗H5抗体の調製
実施例3で得られた抗FluA NP抗体産生細胞F/169およびB/347のそれぞれを、マウス腹腔に接種し、抗FluA NP抗体を含んだ腹水を得た。また、実施例3で得られた抗FluB NP抗体産生クローンF/171をマウス腹腔に接種し、抗FluB NP抗体を含んだ腹水を得た。さらに実施例4で得られた12種の抗H5抗体産生細胞のそれぞれを、マウス腹腔に接種し、A型インフルエンザウイルスH5亜型に対して特異的に反応する抗体(以下、「抗H5抗体」)を含んだ腹水を得た。さらに、常法によりプロテインG吸着体を用いたIgG精製を行い、それぞれの抗体を得た。
加熱によって沸騰させた超純水99mlに、1%(v/w)塩化金酸水溶液1mlを加え、さらに、その1分後に1%(v/w)クエン酸ナトリウム水溶液1.5mlを加えて加熱し5分間沸騰させた後、室温に放置して冷却した。次いで、この溶液に200mM炭酸カリウム水溶液を加えてpH9.0に調製し、これに超純水を加えて全量を100mlとして金コロイド溶液を得た。
上記(1)にて得られた抗体産生細胞B347由来の抗FluA NP抗体(以下、抗FluA NP抗体B347)、抗体産生細胞F/171由来の抗FluB NP抗体(以下、抗FluB NP抗体F/171)および12種の抗体産生細胞由来の抗H5抗体を下記の手順でそれぞれ金コロイド標識した。
抗FluA NP抗体の蛋白換算重量3μgと上記(2)の金コロイド溶液1mlとを混合し、室温で2分間静置してこの抗体のことごとくを金コロイド粒子表面に結合させた後、金コロイド溶液における最終濃度が1%になるように10%BSA水溶液を加え、この金コロイド粒子の残余の表面をことごとくこのBSAでブロックして、金コロイド標識抗FluA NP抗体溶液を調製した。この溶液を遠心分離(5600XG、30分間)して金コロイド標識抗体を沈殿せしめ、上清液を除いて金コロイド標識抗体を得た。この金コロイド標識抗体を10%サッカロース・1%BSA・0.5%トリトン(Triton)-X100を含有する50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁して金コロイド標識抗FluA NP抗体溶液を調製した。また抗FluB NP抗体の蛋白換算重量1μgを上記方法にて金コロイド粒子表面に結合させ金コロイド標識抗FluB NP抗体溶液を調製した。さらに抗H5抗体の蛋白換算重量1μgを上記方法にて金コロイド粒子表面に結合させ金コロイド標識抗H5抗体溶液を調製した。
図4に示されるイムノクロマト法テストストリップを下記の手順で作製した。
(4-1)膜担体の第一の捕捉部位の形成
幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース膜を膜担体3として用意した。
抗FluA NP抗体B347、1.0mg/mlが含有されてなる溶液0.5μlを、この膜担体3における上流側の末端から5.0mmの位置にライン状に塗布して、これを室温で乾燥させ、A型インフルエンザウイルス抗原と標識抗体との複合体の捕捉部位41a(第一の捕捉部位)を形成した。また、抗FluB NP抗体F/171、1.0mg/mlが含有されてなる溶液0.5μlを、この膜担体3の上流側の末端から8.0mmの位置にライン状に塗布して、これを室温で乾燥し、B型インフルエンザウイルス抗原と標識抗体との複合体の捕捉部位41bを形成した。
上記(4-1)で用いた膜担体と同様の膜担体3をもう一つ用意した。
上記(1)で得られた抗H5抗体1.0mg/mlが含有されてなる溶液0.5μlを、この膜担体3の上流側の末端から5.0mmの位置にライン状に塗布して、これを室温で乾燥し、インフルエンザウイルスH5亜型と標識抗体との複合体の捕捉部位41c(第二の捕捉部位)とした。
5mmX15mmの帯状のガラス繊維不織布に、上記(3)で得られた金コロイド標識抗FluA NP抗体溶液および金コロイド標識抗FluB NP抗体溶液を混合した溶液37.5μlを含浸せしめ、これを室温で乾燥させて金コロイド標識抗FluA NP抗体および抗FluB NP抗体含浸部材とした。また別の5mmX15mmの帯状のガラス繊維不織布に、上記(3)で得られた金コロイド標識抗H5抗体溶液37.5μlを含浸せしめ、これを室温で乾燥させて金コロイド標識抗H5抗体含浸部材とした。前者の標識抗体含浸部材をテストストリップ10の含浸部材2として用い、後者の標識抗体含浸部材をテストストリップ20の含浸部材2として用い、上記(4−1)で得られた膜担体をテストストリップ10の膜担体3として用い、上記(4−2)で得られた膜担体をテストストリップ20の膜担体3として用い、その他、各テストストリップの試料添加用部材6として綿布を、吸収用部材5として濾紙を用いて、図4と同様の配置のイムノクロマトグラフィー測定装置を作製した。
実施例5にて作製したイムノクロマトグラフィー測定装置(第二の捕捉部位に固定する抗H5抗体としてB29/1を用い、金コロイド標識抗体の抗H5抗体としてA27/1を用いた)を使用し、インフルエンザウイルスH5亜型に対する反応性試験を実施した。試験は、インフルエンザウイルスH5亜型、A/duck/Miyagi/54/76 (H5N3)、A/duck/Hong Kong/342/78 (H5N2)、A/duck/Hong Kong/698/79、A/swan/Hokkaido/4/96 (H5N3)、A/swan/Hokkaido/67/96 (H5N3)、A/swan/Hokkaido/51/96 (H5N3)、A/duck/Hokkaido/69/00 (H5N3)、A/duck/Hokkaido/447/00 (H5N3)、A/duck/Mongolia/54/01 (H5N2)、A/duck/Mongolia/596/00 (H5N3)、A/duck/Mongolia/500/01 (H5N3)、A/duck/Hokkaido/84/02 (H5N3)を検体希釈液にて調製し被験試料とした。そして、被験試料100μlを実施例5にて得られたイムノクロマトグラフィー測定装置の試料添加用部材6にマイクロピペットで滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、第二の捕捉部位41cで捕捉されたウイルス抗原と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉量を肉眼で観察した。捕捉量は、その量に比例して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で、−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)、++(より明確な着色)、+++(顕著な着色)の5段階に区分して判定した。結果を表4に示した。
実施例5にて作製したイムノクロマトグラフィー測定装置(インフルエンザA型およびB型判定部位とH5亜型判定部位を有するイムノクロマトキットで、第二の捕捉部位に固定する抗H5抗体としてB29/1を用い、金コロイド標識抗体の抗H5抗体としてA27/1を用いた)を使用し、A型インフルエンザウイルス15種類の亜型に対する反応性試験を実施した。試験はインフルエンザウイルスA型を発育鶏卵にて増殖させ得た漿尿液を用い、検体希釈液で調製して被験試料とした。そして、被験試料150μlを実施例5で得られたイムノクロマトグラフィー測定装置の試料添加用部材6にマイクロピペットで滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、第一の捕捉部位41aおよび第二の捕捉部位41cで捕捉されたウイルス抗原と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉量を肉眼で観察した。捕捉量は実施例6と同様の基準にて判定した。
実施例5にて作製したイムノクロマトグラフィー測定装置において、第二の捕捉部位に固定する抗H5抗体及び金コロイド標識抗体の抗H5抗体として表6記載の組合せを用いた全5種類の測定装置を用意した。
そして、A/duck/Pennsylvania/10128/84(H5N2)株(HA価:512)を検体希釈液で希釈して2.5μg/mLに調整し、被験試料とした。そして、被験試料100μlを上記測定装置のテストストリップの試料添加用部材6にマイクロピペットで滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、第二の捕捉部位41cで捕捉されたA/duck/Pennsylvania/10128/84 (H5N2)株と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉量を肉眼で観察した。捕捉量は、その量に比例して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で、−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)、++(顕著な着色)の4段階(但し、wは弱めを示す)に区分して判定した。対照として、検体希釈液100μlを同様にクロマト展開し呈色度合いを観察した。その結果を表6に示した。
実施例5にて作製したイムノクロマトグラフィー測定装置において、第二の捕捉部位に固定する抗H5抗体及び金コロイド標識抗体の抗H5抗体として表7記載の組合せを用いた全144種類の測定装置を用意した。なお、表7中、第二の捕捉部位に固定された抗体はメンブレン固相化抗体と表記している。
インフルエンザウイルスH5強毒株であるA/Chicken/Yamaguchi/7/04(H5N1)株(HA価:1024HA)を検体希釈液で625倍に希釈して被験試料とした。そして、被験試料100μlを上記測定装置のテストストリップの試料添加用部材6にマイクロピペットで滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、第二の捕捉部位41cで捕捉されたA/Chicken/Yamaguchi/7/04(H5N1)株と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉量を肉眼で観察した。捕捉量は、その量に比例して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)の3段階に区分して判定した。対照として、検体希釈液100μlを同様にクロマト展開し呈色度合いを観察した。その結果を表7に示した。
実施例5にて作製したイムノクロマトグラフィー測定装置(第二の捕捉部位に固定する抗H5抗体としてNo.64を用い、金コロイド標識抗体の抗H5抗体としてNo.64を用いた)を使用し、インフルエンザウイルスH5強毒株に対する反応性試験を実施した。インフルエンザウイルスH5亜型の原液として、A/Vietnam/1194/04 (H5N1)、A/Chicken/Suphanburi/1/04 (H5N1)、A/Chicken/Yamaguchi/7/04 (H5N1)、A/Whooperswan/Mongolia/3/05 (H5N1)、A/HongKong/483/97 (H5N1)、 A/Chicken/Ibaraki/1/05 (H5N2) 及びA/Swan/Hokkaido/51/96 (H5N3)を用い、対照としてA/Chicken/Italy/99 (H7N1) 及びA/Chicken/Netherlands/03 (H7N7)を用いた。
そして、被験試料100μlを上記測定装置のテストストリップの試料添加用部材6にマイクロピペットで滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、第一の捕捉部位41a及び第二の捕捉部位41cで捕捉された各ウイルス株と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉量を肉眼で観察した。捕捉量は、その量に比例して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)、++(より明確な着色)、+++(顕著な着色)の5段階に区分して判定した。
結果を表8に示した。表8から明らかなように、両抗H5抗体としてNo.64を用いたイムノクロマトキットは、対照としたインフルエンザウイルスH7亜型に対しては反応性を示さなかったが、インフルエンザウイルスH5強毒株及び弱毒株と良好に反応し、とりわけ、インフルエンザウイルスH5強毒株の検出に好適であることが示された。
2 含浸部材
3 膜担体
4 捕捉部位
42 コントロールライン
5 吸収用部材
6 試料添加用部材
10 イムノクロマト法テストストリップ
20 イムノクロマト法テストストリップ
Claims (16)
- 全てのA型インフルエンザウイルス亜型に対して反応する第一の抗体を用いた第一のサンドイッチ式免疫測定と、A型インフルエンザウイルスH5亜型に対して特異的に反応する第二の抗体を用いた第二のサンドイッチ式免疫測定とを併用してなり、第一の抗体がA型インフルエンザウイルスの核タンパクに対する抗体であり、第二の抗体が、A型インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する抗体であって、インフルエンザウイルスH5亜型の強毒株であるA/tn/S.Africa/61、A/swan/Shima/449/83 (24a5b)、A/HongKong/156/97、A/HongKong/483/97、 A/duck/Yokohama/aq-10/2003、 A/chicken/Yamaguchi/7/04、A/Vietnam/1194/04、A/Chicken/Suphanburi/1/04、A/Whooperswan/Mongolia/3/05及びA/Chicken/Ibaraki/1/05の全てに対して反応し、さらに、インフルエンザウイルスH5亜型の弱毒株であるA/duck/Mi/54/76、A/duck/HongKong/342/78、A/duck/HongKong/698/79、A/duck/Pennsylvania/10128/84、A/swan/Hokkaido/4/96、A/swan/Hokkaido/51/96、A/swan/Hokkaido/67/96、A/duck/Hokkaido/69/00、A/duck/Hokkaido/447/00、A/duck/Mongolia/54/01、A/duck/Mongolia/500/01、A/duck/Mongolia/596/01及びA/duck/Hokkaido/84/02の全てに対して反応し、さらに、インフルエンザウイルスH5亜型以外のインフルエンザウイルスとは反応しないモノクローナル抗体であることを特徴とするA型インフルエンザウイルスH5亜型の検出法。
- 全てのA型インフルエンザウイルス亜型に対して反応する第一の抗体、及び、A型インフルエンザウイルスH5亜型に対して特異的に反応する第二の抗体をそれぞれ予め所定位置に固定せしめて形成された第一及び第二の捕捉部位を備える膜担体を用意し、前記第一の抗体が反応する抗原に対して反応する第三の抗体と被験試料との第一の混合液、及び、前記第二の抗体が反応する抗原に対して反応する第四の抗体と前記被験試料との第二の混合液を、それぞれ第一及び第二の捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめるか、または、第三の抗体と第四の抗体と被験試料との混合液を前記捕捉部位の双方に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記第一の捕捉部位における第一の抗体との反応が陽性であることをもってA型インフルエンザウイルスを検出し、さらに第二の捕捉部位における第二の抗体との反応が陽性であることをもってA型インフルエンザウイルスH5亜型を検出できるようにしたイムノクロマトグラフィー測定法であって、第一の抗体がA型インフルエンザウイルスの核タンパクに対する抗体であり、第二の抗体が、A型インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する抗体であって、インフルエンザウイルスH5亜型の強毒株であるA/tn/S.Africa/61、A/swan/Shima/449/83 (24a5b)、A/HongKong/156/97、A/HongKong/483/97、 A/duck/Yokohama/aq-10/2003、A/chicken/Yamaguchi/7/04、A/Vietnam/1194/04、A/Chicken/Suphanburi/1/04、A/Whooperswan/Mongolia/3/05及びA/Chicken/Ibaraki/1/05の全てに対して反応し、さらに、インフルエンザウイルスH5亜型の弱毒株であるA/duck/Mi/54/76、A/duck/HongKong/342/78、A/duck/HongKong/698/79、A/duck/Pennsylvania/10128/84、A/swan/Hokkaido/4/96、A/swan/Hokkaido/51/96、A/swan/Hokkaido/67/96、A/duck/Hokkaido/69/00、A/duck/Hokkaido/447/00、A/duck/Mongolia/54/01、A/duck/Mongolia/500/01、A/duck/Mongolia/596/01及びA/duck/Hokkaido/84/02の全てに対して反応し、さらに、インフルエンザウイルスH5亜型以外のインフルエンザウイルスとは反応しないモノクローナル抗体であることを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定法。
- 前記第三及び第四の抗体は金属コロイドまたはラテックスで標識されている請求項2に記載の測定法。
- 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項3に記載の測定法。
- 全てのA型インフルエンザウイルス亜型に対して反応する第一の抗体と、A型インフルエンザウイルスH5亜型に対して特異的に反応する第二の抗体と、前記第一の抗体が反応する抗原に対して反応する第三の抗体と、前記第二の抗体が反応する抗原に対して反応する第四の抗体と、膜担体とを少なくとも備え、前記第一及び第二の抗体はそれぞれ予め膜担体の所定位置に固定されて第一及び第二の捕捉部位を形成し、前記第三及び第四の抗体は適当な標識物質で標識され、かつ、前記第三及び第四の抗体は前記捕捉部位の双方から離隔した位置からそれぞれ第一及び第二の捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開可能なように用意されてなるイムノクロマトグラフィー測定装置であって、第一の抗体がA型インフルエンザウイルスの核タンパクに対する抗体であり、第二の抗体が、A型インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対する抗体であって、インフルエンザウイルスH5亜型の強毒株であるA/tn/S.Africa/61、A/swan/Shima/449/83 (24a5b)、A/HongKong/156/97、A/HongKong/483/97、 A/duck/Yokohama/aq-10/2003、A/chicken/Yamaguchi/7/04、A/Vietnam/1194/04、A/Chicken/Suphanburi/1/04、A/Whooperswan/Mongolia/3/05及びA/Chicken/Ibaraki/1/05の全てに対して反応し、さらに、インフルエンザウイルスH5亜型の弱毒株であるA/duck/Mi/54/76、A/duck/HongKong/342/78、A/duck/HongKong/698/79、A/duck/Pennsylvania/10128/84、A/swan/Hokkaido/4/96、A/swan/Hokkaido/51/96、A/swan/Hokkaido/67/96、A/duck/Hokkaido/69/00、A/duck/Hokkaido/447/00、A/duck/Mongolia/54/01、A/duck/Mongolia/500/01、A/duck/Mongolia/596/01及びA/duck/Hokkaido/84/02の全てに対して反応し、さらに、インフルエンザウイルスH5亜型以外のインフルエンザウイルスとは反応しないモノクローナル抗体であることを特徴とするA型インフルエンザウイルスH5亜型検出用イムノクロマトグラフィー測定装置。
- 前記膜担体は、第一の捕捉部位と第二の捕捉部位とを互いに離隔させて備えてなる単一の膜担体からなる請求項5に記載の測定装置。
- 前記膜担体は、第一の抗体が固定された第一の膜担体と、第二の抗体が固定された第二の膜担体とからなる請求項5に記載の測定装置。
- 前記第三の抗体は前記第一の膜担体上に用意されており、前記第四の抗体は前記第二の膜担体上に用意されている請求項7に記載の測定装置。
- 前記第三及び第四の抗体は、それぞれ、前記第一及び第二の膜担体上に配置された含浸部材に含浸されて用意されている請求項8に記載の測定装置。
- 前記第一の膜担体及び前記第二の膜担体は何れも細長形状を備え、両膜担体の含浸部材を互いに所定の間隔をおいて離隔させて相互に並行して配置されている請求項9に記載の測定装置。
- 前記第一の膜担体及び前記第二の膜担体は何れも細長形状を備え、両膜担体の含浸部材を互いに所定の間隔をおいて離隔させて放射方向に又は反対方向に配置されている請求項9に記載の測定装置。
- 第一及び第二の膜担体の双方に連接した含浸部材を備え、該含浸部材には第三の抗体及び第四の抗体が含浸されている請求項7に記載の測定装置。
- 前記第三及び第四の抗体は金属コロイドまたはラテックスで標識されている請求項5に記載の測定装置。
- 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項13に記載の測定装置。
- 前記膜担体はケース内に収容されてなる請求項5に記載の測定装置。
- 前記第三の抗体及び/又は第四の抗体はケース外又はケース内に収容されている請求項15に記載の測定装置。
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