JP2012112879A - 免疫検査試薬、それを用いる検査装置及び検査方法 - Google Patents

免疫検査試薬、それを用いる検査装置及び検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強毒型インフルエンザH5N1を容易に鑑別できる免疫検査試薬を提供する。強毒型インフルエンザH5N1を、一般的な季節性インフルエンザおよび新型インフルエンザA/H1N1pdmから鑑別可能とする。
【解決手段】本A型インフルエンザ抗原免疫学的検査試薬は、A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側16−18番目がグリシン−グリシン−グルタミン酸(GGE)であるペプチドを含むインフルエンザ核蛋白抗原に特異的な反応性を有する第1モノクローナル抗体と、A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側316番目がイソロイシン(I)であるインフルエンザ核蛋白抗原に特異的な反応性を有する第2モノクローナル抗体とを含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、免疫検査試薬及びその関連技術に係り、特に、ヒトから採取した試料から強毒型インフルエンザH5N1を検出し、さらに、一般的な季節性インフルエンザおよび新型インフルエンザA/H1N1pdmとの鑑別診断を容易に可能とする試薬に関するものである。
インフルエンザウイルスは、ヒトを含む多くの動物に感染し、インフルエンザを引き起こす病原体である。ヒトがインフルエンザウイルスに感染すると、数日の潜伏期を経て、発熱、頭痛、関節を含む全身各部の痛み、脱力感、咳、のどの痛み等の症状を引き起こす。また、気管支炎、肺炎、中耳炎などを併発することも多く、さらに脳症、筋肉炎、心筋炎などを引き起し重篤な状態に陥る場合もある。特に、体力に乏しい、高齢者、乳幼児等では、命にかかわることもある。
インフルエンザウイルスとしては、主にA型とB型の2つのタイプが知られており、このうち、A型インフルエンザウイルスは、赤血球凝集素(ヘマグルチニン(HA);H1〜H16)、ノイラミターゼNA(N1〜N9)由来の亜型(subtype)が多数存在し、多くの変異株が発生し、全世界的な大流行を引き起こすことがある。
A型インフルエンザウイルスは、ヒトだけでなく、鳥、ブタ、馬、ミンク、クジラ等の動物にも感染する。通常、ヒトは、他の動物が感染するインフルエンザウイルスに感染することはほとんどなく、一般に、ヒトは、A香港型(H3N2)、Aソ連型(H1N1)などに感染するとされる。
しかしながら、ウイルスの変異により、これまでヒトに感染しなかったウイルスが動物からヒトへ感染したり、さらには、ヒトからヒトへ感染したりするようになる場合がある。このようにして新たにヒト間での感染性を示すものを新型インフルエンザと呼んでおり、時として世界的な流行を引き起こし、その感染により甚大な健康被害を与えることがある。
2009年4月メキシコにおいて豚から人に感染したと考えられるH1N1新型インフルエンザ2009(新型A/H1N1pdm)が報告され、その後世界的な感染拡大を引き起こしている。6月には世界保健機構(WHO)は世界的流行病(パンデミック)であることを宣言し、警戒水準を最も高いフェーズ6まで引き上げた。日本でも5月には国内最初の感染者が見つかり、その後感染は拡大の一途をたどり重大な社会問題になった。2010年2月7日現在、世界で212以上の国、自治領、地域から、15,292症例以上の死亡例を含む、実験室診断により確定された症例が報告されている。国内でも2000万人以上の感染者が報告され、死者も200人に達している。なお、死亡率としては0.1%以下と推定され特に高いとは考えられていない。
更に、1997年香港において、鳥由来の強毒型のA型インフルエンザウイルス(H5N1)が最初にヒトに感染した例が報告され、その後、東南アジアやエジプトなどにおいて散発的に感染者が出ており、約500人の患者に対し300人もの死者が出るという致死率の高さでたいへん大きな問題になっている。この強毒型インフルエンザH5N1は増殖部位が呼吸器系に限らず全身の臓器に広がるため症状も重篤化しやすく、対処が難しく死亡率が極めて高くなる。
これらの新型A/H1N1pdmや強毒型インフルエンザH5N1の検査法としては、従来より遺伝子増幅法(PCR法)が用いられてきたが、これによると、複雑な作業が必要で、検査だけでも6時間乃至二日程度の時間が必要になる。新型A/H1N1pdmや強毒型インフルエンザH5N1の蔓延を防ぐためにも迅速な検査が強く要望されている。
さて、イムノクロマト法による試薬を含む検査試薬は、例えば、妊娠検査、あるいは感染症(肝炎ウイルス、アデノウイルス等)の検査に広く用いられている。さらに、A型インフルエンザウイルスやB型インフルエンザウイルスを検査できるイムノクロマト法による試薬を含む検査試薬は、既に実用化されている。これらの試薬は、僅か5分〜15分の短時間で、簡便な操作法による診断を可能とし、医療現場での診療に大いに役立っている。
また、強毒型インフルエンザH5N1の検出キットについても簡易検査試薬が提案されている(特許文献1:特開2010−19739号公報)が、2つのテストの比較を要するものであり判定が難しいという問題がある。結局、強毒型インフルエンザH5N1を容易に鑑別できる免疫検査試薬は、未だ十分に確立していない。
特開2010−19739号公報
そこで本発明は、強毒型インフルエンザH5N1を容易に鑑別できる免疫検査試薬を提供することを目的とする。そして、これにより、一般的に流行が見られる季節性インフルエンザおよび2009年から急速に感染が拡大した新型A/H1N1pdmインフルエンザから、致死率の高い強毒型インフルエンザH5N1のみを鑑別診断できるようにし、その結果、患者の隔離、蔓延の防止、早期の治療などに役立てようとするものである。
第1の発明に係る免疫検査試薬は、A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側16−18番目がグリシン−グリシン−グルタミン酸(GGE)であるペプチドを含むインフルエンザ核蛋白抗原に特異的な反応性を有する第1モノクローナル抗体と、A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側316番目がイソロイシン(I)であるインフルエンザ核蛋白抗原に特異的な反応性を有する第2モノクローナル抗体とを含む。
第2の発明に係る検査装置は、ストリップと、ストリップの上流側に配置される滴下部と、ストリップの下流側に配置される吸水ろ紙と、滴下部より吸水ろ紙に至る流れ方向下流側に配置され第1の抗体を標識したものを流動可能に保持する塗布部と、塗布部と吸水ろ紙との間に配置され第2の抗体が固相される検査部とを備える検査装置であって、第1の抗体は、第1の発明の第1モノクローナル抗体及び第2モノクローナル抗体の一方であり、第2の抗体は、第1の発明の第1モノクローナル抗体及び第2モノクローナル抗体の他方である。
第3の発明に係る検査方法では、第1の発明の第1モノクローナル抗体と第2モノクローナル抗体とが、イムノクロマト法により使用される。
第4の発明に係る検査方法では、第1の発明の第1モノクローナル抗体と第2モノクローナル抗体とが、ELISA法により使用される。
本発明によれば、既に市販されているイムノクロマト法の試薬を含む検査試薬と全く同等の操作と検査時間で、強毒型インフルエンザH5N1ウイルスを他のウイルスと区別して明確に判定できる。
短時間で、強毒型インフルエンザH5N1ウイルスによる陽性を特定できるため、万が一このウイルスが発生した場合、患者を隔離して蔓延を防止でき、また患者を早期に集中的に治療できるため、予後を改善することができる。
具体的な実施の形態の説明に先立ち、概要を以下説明する。好ましい形態の検査装置では、ストリップと、ストリップの上流部に配置される滴下部と、ストリップの下流部に配置される吸水ろ紙と、滴下部より吸水ろ紙に至る流れ方向下流側に配置され第1の抗体を標識したものを流動可能に保持する塗布部と、塗布部と吸水ろ紙との間に配置され第2の抗体が固相される検査部を有する検査領域とを備える検査試薬であって、A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側16−18番目がグリシン−グリシン−グルタミン酸(GGE)であるペプチドを含むインフルエンザ核蛋白抗原に特異的な反応性を有する第1モノクローナル抗体と、A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側316番目がイソロイシン(I)であるインフルエンザ核蛋白抗原に特異的な反応性を有する第2モノクローナル抗体とを含む。これにより、強毒型インフルエンザH5N1ウイルスについて陽性/陰性であることが示される。
本試薬は、第1、第2モノクローナル抗体により、免疫学的なサンドイッチ反応物を生成するため、上述の組み合わせにおいて、第1、第2モノクローナル抗体を互いに入れ変えて検査試薬を作ることも可能である。
好ましくは、本発明の検査試薬は、ストリップは、ケースに保持され、ケースは、滴下部に対応して開口する漏斗部と、検査領域に対応する観察窓とを備えることが望ましい。また、従来の季節性インフルエンザや2009新型インフルエンザ(新型A/H1N1pdm)の検出キットと組み合わせて作製もしくは測定することも可能となる。
なお、本発明の検査試薬は、A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側16−18番目がグリシン−グリシン−グルタミン酸(GGE)であるペプチドを含むインフルエンザ核蛋白抗原に特異的な反応性を有する第1モノクローナル抗体と、A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側316番目がイソロイシン(I)であるインフルエンザ核蛋白抗原に特異的な反応性を有する第2モノクローナル抗体とを含むものであり、上述のイムノクロマト法に従ったストリップタイプの試薬に限らず、例えばELISA法なども含まれる。
(開発の経緯)
次に、本発明者らが本願発明の完成に達するまでの経緯を述べる。
一般的にA型インフルエンザウイルスの感染の有無を検査するにあたっては、種々のタイプのウイルスを検出できるようにするため変異が少ない抗原タンパクを標的とすべきと考えられる。具体的には、赤血球凝集素HAやノイラミニターゼNAそのものには、多数の亜型が存在するので、これらは標的としては適しない。一方、核タンパク(NP)は変異が少ないので、標的に適していると考えられる。
A型インフルエンザウイルスは、表面抗原である赤血球凝集素(ヘマグルチニン(HA);H1〜H16)、ノイラミターゼ(NA;N1〜N9)由来の亜型(subtype)が多数存在し、多くの変異株が発生しており、これらの亜型を鑑別することも疫学的に重要である。しかしながら、亜型の鑑別のために赤血球凝集素(HA)やノイラミターゼ(NA)に対する抗体を使用することも試みられてきたが感度が十分ではないという問題があった。
核タンパク(NP)は表面抗原である赤血球凝集素(HA)やノイラミターゼ(NA)に比べると明らかに変異部位は少ないが、詳しく分析すると幾つかの領域で表面抗原に由来する亜型の分類に対応して系統的な変異が起こっている可能性が示唆された。そこで本発明者らは、新型インフルエンザの鑑別を目的として核タンパク(NP)の特定の配列を認識するモノクローナル抗体の評価選定およびモノクローナル抗体の作製、評価を行うこととした。
モノクローナル抗体の作製は、免疫原に、強毒型H5N1株であるインフルエンザA型核蛋白質抗原組換え核蛋白質(A/VietNam/VL020/05由来(r‐NP/A))を免疫し、ラットモノクローナル抗体として独立行政法人国立国際医療研究センターにて作製した。
こうして得られた抗体について、以下の各配列を持つr‐NP/A、新型A/H1N1pdmインフルエンザ由来組換え核蛋白質(A/California/04/2009(H1N1)(r‐NP(Sw))、季節性H3N2インフルエンザウイルス(A/New York/55/2004)培養物および季節性H1N1インフルエンザウイルス(A/New Caledonia/20/99)培養物を抗原とし、反応性を確認した。上記各核蛋白のアミノ酸配列は、以下の通りである。
強毒型H5N1(A/VietNam/VL020/05のNP) 全アミノ酸の配列(1-498)
MASQGTKRSYEQMETGGERQNATEIRASVGRMVSGIGRFYIQMCTELKLSDYEGRLIQNSITIERMVLSAFDERRNRYLEEHPSAGKDPKKTGGPIYRRRDGKWVRELILYDKEEIRRIWRQANNGEDATAGLTHLMIWHSNLNDATYQRTRALVRTGMDPRMCSLMQGSTLPRRSGAAGAAVKGVGTMVMELIRMIKRGINDRNFWRGENGRRTRIAYERMCNILKGKFQTAAQRAMMDQVRESRNPGNAEIEDLIFLARSALILRGSVAHKSCLPACVYGLAVASGYDFEREGYSLVGIDPFRLLQNSQVFSLIRPNENPAHKSQLVWMACHSAAFEDLRVSSFIRGTRVVPRGQLSTRGVQIASNENMEAMDSNTLELRSRYWAIRTRSGGNTNQQRASAGQISVQPTFSVQRNLPFERATIMAAFTGNTEGRTSDMRTEIIRMMESARPEDVSFQGRGVFELSDEKATNPIVPSFDMNNEGSYFFGDNAEEYDN
新型A/H1N1pdm(A/California/04/2009)の全アミノ酸の配列(1-498)
MASQGTKRSYEQMETGGERQDATEIRASVGRMIGGIGRFYIQMCTELKLSDYDGRLIQNSITIERMVLSAFDERRNKYLEEHPSAGKDPKKTGGPIYRRVDGKWMRELILYDKEEIRRVWRQANNGEDATAGLTHIMIWHSNLNDATYQRTRALVRTGMDPRMCSLMQGSTLPRRSGAAGAAVKGVGTIAMELIRMIKRGINDRNFWRGENGRRTRVAYERMCNILKGKFQTAAQRAMMDQVRESRNPGNAEIEDLIFLARSALILRGSVAHKSCLPACVYGLAVASGHDFEREGYSLVGIDPFKLLQNSQVVSLMRPNENPAHKSQLVWMACHSAAFEDLRVSSFIRGKKVIPRGKLSTRGVQIASNENVETMDSNTLELRSRYWAIRTRSGGNTNQQKASAGQISVQPTFSVQRNLPFERATVMAAFSGNNEGRTSDMRTEVIRMMESAKPEDLSFQGRGVFELSDEKATNPIVPSFDMSNEGSYFFGDNAEEYDS
H3N2(A/New York/55/2004)の全アミノ酸の配列(1-498)
MASQGTKRSYEQMETDGDRQNATEIRASVGKMIDGIGRFYIQMCTELKLSDHEGRLIQNSLTIEKMVLSAFDERRNKYLEEHPSAGKDPKKTGGPIYRRVDGKWMRELVLYDKEEIRRIWRQANNGEDATAGLTHIMIWHSNLNDATYQRTRALVRTGMDPRMCSLMQGSTLPRRSGAAGAAVKGIGTMVMELIRMVKRGINDRNFWRGENGRKTRSAYERMCNILKGKFQTAAQRAMVDQVRESRNPGNAEIEDLIFLARSALILRGSVAHKSCLPACAYGPAVSSGYNFEKEGYSLVGIDPFKLLQNSQIYSLIRPNENPAHKSQLVWMACHSAAFEDLRLLSFIRGTKVSPRGKLSTRGVQIASNENMDNMGSSTLELRSGYWAIRTRSGGNTNQQRASAGQTSVQPTFSVQRNLPFEKSIIMAAFTGNTEGRTSDMRAEIIRMMEGAKPEEVSFRGRGVFELSDEKATNPIVPSFDMSNEGSYFFGDNAEEYDN
H1N1 A(New Caledonia/20/99) の全アミノ酸の配列(1-498)
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その結果、季節性H3N2インフルエンザウイルス(A/New York/55/2004)培養物および季節性H1N1インフルエンザウイルス(A/New Caledonia/20/99)培養物には反応性を示さず、r‐NP/A、新型A/H1N1pdmインフルエンザ由来組換え核蛋白質(A/California/04/2009(H1N1)(r‐NP(Sw))に強い反応性を示す特殊なクローン6G6,7F6を得た。これらを、本明細書において、「第1モノクローナル抗体」という。なお以下、クローン7F6を主として取り扱うが、クローン6G6もクローン7F6と同様であり、本願発明の第1モノクローナル抗体に包含される。
これらの第1モノクローナル抗体のエピトープについて調べたところ、これら第1モノクローナル抗体は、A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側4−18番目がQGTKRSYEQMETGGEであるペプチドに特異的な反応性を有し、QGTKRSYEQMETDGE及びQGTKRSYEQMETDGDであるペプチドには反応性を有しない新規のモノクローナル抗体であることが分かった。従って、第1モノクローナル抗体は、N末端側16−18番目がGGE(グリシン−グリシン−グルタミン酸)の配列を認識していると考えられる。
(第1モノクローナル抗体の詳細)
これらの第1モノクローナル抗体について認識する反応部位を分析するため、r‐NP/Aについて全長(full)、フラグメントfr1、fr2、fr3、fr1‐1、fr1‐2の各配列を有する合成ペプチドを固相とするELISAを行った。各r‐NP/A断片は1μg/mlで固相化を行い、モノクローナル抗体は4n段階希釈として1〜16384倍で希釈した各測定試料を用いて、上述と同様のELISA法にて測定を実施した。6G6の反応性は、次表の通りである。なお、全長(full)、フラグメントfr1、fr2、fr3、fr1‐1、fr1‐2については、図5、図6を参照されたい。
7F6の反応性は、次表の通りである。
この結果、第1モノクローナル抗体はfr2,fr3には反応せず、fr1、更にはfr1-1に反応することが分かった。認識する反応部位を絞り込むため、更にfr1‐1‐1(配列1-56番),fr1‐1‐2(配列37-92番)の各配列を有する合成ペプチドを作製して、これを固相とするELISAを行った。ここでr‐NP/A断片は1μg/mlで固相化を行い抗体添加濃度は10μg/mlとして上述と同様のELISA法で測定を行った。なお、対照として抗r‐NP/Aウサギポリクローナル抗体も同時に測定を行い、本発明のモノクローナル抗体の各ペプチドの活性を抗r‐NP/Aウサギポリクローナル抗体活性に対する相対比率で表した(表3、表4参照)。
6G6の反応性は、次表の通りである。
7F6の反応性は、次表の通りである。
以上の結果より、第1モノクローナル抗体はr‐NP/Aの配列のうち、fr1‐1‐1に反応性を有し、従ってモノクローナル抗体の認識する反応部位はアミノ酸配列1-56の中に存在することが分かった。A/VietNam/VL020/05由来組換え核蛋白質(r‐NP/A)、新型H1N1(A/California/04/2009)由来組換え核蛋白質(r‐NP(Sw))、季節性H3N2インフルエンザウイルス(A/New York/55/2004)培養物および季節性H1N1インフルエンザウイルス(A/New Caledonia/20/99)の配列を比較してr‐NP/A、r‐NP(Sw)に共通に含まれて、季節性H3N2インフルエンザウイルス(A/New York/55/2004)、H1N1インフルエンザウイルス(A/New Caledonia/20/99)のいずれにも含まれていない配列として16-18のアミノ酸を見出した。
以上の知見より、A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側4-18番目に相当する部分について、新型インフルエンザに存在するペプチド1(QGTKRSYEQMETGGE)、季節性インフルエンザH1N1に存在するペプチド2(QGTKRSYEQMETDGE)および季節性インフルエンザH3N2に存在するペプチド3(QGTKRSYEQMETDGD)の3種のペプチドを合成し、第1モノクローナル抗体6G6、7F6の反応部位を調べた。これらのペプチドを固相化する場合には予め終濃度1mMとなるようにスベリン酸ジスクシンイミジル(PIERCE社製)を添加した96穴に、ペプチドをそれぞれ10μg/mlとなるように添加して固相化を行い、ELISA法による測定を行った。陰性コントロールとして正常ラット血清を同時に測定し、この値に対するカットオフインデックスとして求めた。その結果は、次表の通りである。
この結果、第1モノクローナル抗体(ハイブリドーマ6G6および7F6)は、いずれも16番目のアミノ酸がグリシン型であるペプチド1(QGTKRSYEQMETGGE)と反応し、アスパラギン酸型のペプチド2(QGTKRSYEQMETDGE)およびペプチド3(QGTKRSYEQMETDGD)とは反応しないことが確認された。
過去のインフルエンザ流行株について第1モノクローナル抗体の認識部位である16-18番目のアミノ酸を詳細に調べたところ、ペプチド1にある配列GGEを有する株は新型H1N1および新型H5N1が殆どであり、ペプチド2にある配列DGEを有する株の多くは季節性H1N1であった。更にペプチド3にある配列DGDを有する株のほとんどが季節性H3N2であった。したがってこの認識部位を利用することによってA型インフルエンザの鑑別が可能であることが強く示唆され、第1モノクローナル抗体は特に新型インフルエンザを季節性のインフルエンザと区別して認識できる有用性があると考えられる。
(第2モノクローナル抗体の詳細)
A型インフルエンザウイルスNPに反応するとされるモノクローナル抗体の特異性を上述の各抗原を用いて詳細に検討した。その中に季節性H3N2インフルエンザウイルス(A/New York/55/2004)培養物、季節性H1N1インフルエンザウイルス(A/New Caledonia/20/99)培養物およびr‐NP/Aには反応性を示すが、新型A/H1N1pdmインフルエンザ由来組換え核蛋白質(A/California/04/2009(H1N1)(r‐NP(Sw))にのみ反応性を示さない特殊なモノクローナル抗体(以下、本明細書において、「第2モノクローナル抗体」という。)を見出すに至った。
そこで、このモノクローナル抗体の反応部位を検証するために、A型インフルエンザウイルスNPの498アミノ酸の中で、新型H1N1インフルエンザ(A/H1N1pdm)に特徴的に認められるD21、D53、A190、V313、M316、K350、V371、N433、L456の9個の変異のうち、NPの立体構造データを元に、分子の外部表面に出ていて抗原決定基となりそうな、D53、V313、M316、V371、およびN433の5箇所を選んで、それぞれ強毒型H5N1型、すなわち、D53をE、V313をF、M316をI、VET371をMEA、およびN433をTに、それぞれ変更したNP遺伝子を作製し、293細胞で発現させ人工NP抗原蛋白を得た。
第2モノクローナル抗体をマイクロプレートに2μg/mLの濃度で結合させ、Super Block(PIERCE社製)にてブロッキングを行った。その後、新型A/H1N1pdmインフルエンザ抗原に上記の変異を取り込んだ各抗原500ng/mLを50μL添加して1時間反応させて洗浄し、HRP(西洋わさびペルオキシダーゼ)の酵素標識を行った抗A型インフルエンザモノクローナル抗体((米国Bios Pacific社製、クローンナンバー:A60010044P)50μLを添加して30分間反応させた。洗浄したのちに、TMB酵素基質溶液(Bio−Rad社製)50μLを加えて10分間酵素反応を行い、1N硫酸を50μL添加して反応を停止させた。450nmで反応生成物の発色を測定した。
表6及び図1は、この結果を示す。なお、酵素標識に用いた抗A型インフルエンザモノクローナル抗体は、新型A/H1N1pdmインフルエンザ、強毒型インフルエンザH5N1型などのいずれのNPともに反応することが既に確認されている。
この結果、第2モノクローナル抗体は新型A/H1N1pdmインフルエンザのNPとは反応せず、D53をE、V313をF、VET371をMEA、およびN433をTに、それぞれ変えてもその反応性は回復しなかった。ところが、M316をIに変えることで反応性が改善されることが確認された。この結果は、第2モノクローナル抗体が、N末端側から316番目のアミノ酸がイソロイシン(I)を含むペプチドを強く認識することを示唆している。
更に、イムノクロマト法を用いて反応性の確認を行った。ニトロセルロースに7F6抗体を固相化し、金コロイド標識に第2モノクローナル抗体を用いてテストストリップとした。7F6抗体については前述したように新型A/H1N1pdmインフルエンザ、強毒型インフルエンザH5N1のいずれのNPともに反応することが既に確認されている。この試作品にD53をE、V313をF、M316をI、VET371をMEA、およびN433をTに、それぞれ変更した各抗原を100μL添加して15分反応させた。
図2は、この結果を示す。ここでも、M316をIに変えることで反応性が大きく改善されることが確認され、第2モノクローナル抗体が、N末端側から316番目のアミノ酸がイソロイシン(I)を含むペプチドを強く認識することが明らかになった。
以上より、第1モノクローナル抗体についてはA型インフルエンザのNPにおいて、N末端から16−18番目の配列GGEを認識し、第2モノクローナル抗体についてはN末端から316番目のIを認識していることが確認された。そして第1モノクローナル抗体については、新型A/H1N1pdmインフルエンザおよび強毒型インフルエンザH5N1に反応性を示し、他の季節性H1N1,H3N2には反応しない結果が得られ、第2モノクローナル抗体については季節性H1N1,H3N2および強毒型インフルエンザH5N1には反応するが、新型A/H1N1pdmインフルエンザには反応しない結果が得られた。
第1モノクローナル抗体、第2モノクローナル抗体が認識するこれらの各変異部位は、A型インフルエンザの各亜型においてどのようになっているかを、National Center for Biotechnology InformationのInfluenza Virus Resourceにデータベースとして2010年10月27日迄に報告されたA型インフルエンザ6637例について核蛋白のアミノ酸配列を調べてみた。そのうち、該当箇所のいずれかのアミノ酸の分析が出来ていないものが330例あったため、これらは除外し6307例を対象にした。
配列16−18については、主にDGD、DGE、GGEの3つに分類された。このうち、DGDの配列は1946例中1917例(98.5%)がH3N2であった。また、DGEの配列は1570例中1035例(65.9%)が新型A/H1N1pdm以外のいわゆる季節性H1N1であり、431例(27.5%)がH3N2であった。なお、これらのH3N2はいずれも1997年以前の比較的古い株であった。GGEの配列は2787例あり、このうち新型A/H1N1pdmが2557例(91.7%)、強毒型H5N1が194例(7.0%)含まれていた。
インフルエンザの型別に分析すると、新型A/H1N1pdmは2570例中2557例(99.5%)がGGEの配列をもっており、更にこのうちの2546例が316番目のアミノ酸がM(メチオニン)であった。季節性と考えられるその他のH1N1については1055例中1035例(98.1%)がDGEの配列であり、H3N2は2351例中1917例(82%)がDGDの配列であった。
強毒型インフルエンザH5N1では195例中194例(99.1%)がGGEであり、鳥由来とされるH7N2(1例)、H7N3(1例)、H7N7(4例)、H9N2(9例)についても、全てGGEであった。更に、これらは316番目のアミノ酸の全てがI(イソロイシン)であった。
同じデータを316番目のアミノ酸について分析して表8にまとめた。新型A/H1N1pdmは2570例中2559例(99.6%)がM(メチオニン)であり、他の亜型については4例のV(バリン)を除いて全てI(イソロイシン)であった。
A型インフルエンザのNPにおいて、N末端から16−18番目の配列GGEを認識する第1モノクローナル抗体、およびN末端から316番目のIを認識する第2モノクローナル抗体を用いてサンドイッチ免疫測定を行った場合、これら両方の配列を持つ株だけが検出されることになる。従って、上記のNP配列の分析結果より、この検出系によって強毒型インフルエンザH5N1を195例中194例(99.1%)と非常に高い確率で検出できることが分かった。またトリ由来とされるH7N2,H7N3,H7N7,H9N2も検出可能であることが示唆された。
なお、本検出系において、強毒型インフルエンザH5N1およびH7N2,H7N3,H7N7,H9N2以外で反応する株が32例存在したが、これらは新型A/H1N1pdmの一部(11例)およびH1N1(18例)、H3N2(3例)であった。この中にはA/New Jersey/8/1976(H1N1)、A/Wisconsin/301/1976(H1N1)、A/Ohio/3523/1988(H1N1)、A/Ohio/3559/1988(H1N1)、A/Maryland/12/1991(H1N1)、A/Iowa/CEID23/2005(H1N1)、A/Thailand/271/2005(H1N1)、A/Saskatchewan/5131/2009(H1N1)、A/Hong Kong/1774/99(H3N2)、A/Ontario/RV1273/2005(H3N2)、A/Ontario/1252/2007(H3N2)などがあり、養豚労働者が直接ブタからヒトに感染した特殊な例などが多く、中には重篤化した症例や死亡例も含まれていた。
以上の結果を踏まえて、A型インフルエンザのNPのN末端から16−18番目の配列GGEを認識する第1モノクローナル抗体としてラットモノクローナル抗インフルエンザAウイルス抗体7F6(独立行政法人国立国際医療研究センター製)、およびN末端から316番目のIを認識する第2モノクローナル抗体としてマウスモノクローナル抗体(ViroStat社#1371)を用いてサンドイッチ免疫測定ELISA法にて反応性を確認した(ELISA(1))。また対照としてA型全般に反応するモノクローナル抗体を用いて同様に反応性を確認した(ELISA(2))。
ラットモノクローナル抗インフルエンザAウイルス抗体7F6(独立行政法人国立国際医療研究センター製)をPBS(pH7.4)で2μg/mLの濃度になるように調製し、96穴マイクロプレート(Nunc社製)の各ウエルに100μLずつ加え、4℃で一晩静置し固相化を行った。固相抗体溶液を除去後、1%BSA/PBS(pH7.4)を各ウエルに400μL加え、25℃で3時間静置しブロッキングを行った。1%BSA/PBSを除去後、PBS(pH7.4)にて各ウエルを洗浄後に反応に用いた。対照ELISAにはマウスモノクローナル抗インフルエンザAウイルス抗体M2110169(Fitzgerald社製)を用いて同様に作製した。酵素標識抗体は、モノクローナル抗インフルエンザAウイルス抗体#1371(ViroStat社製)をマレイミド法を用いてアルカリフォスファターゼで標識して作製した。対照として、同様にモノクローナル抗インフルエンザAウイルス抗体A60010044P(BiosPacific社製)を標識した。
反応性の確認には、強毒型H5N1(A/VietNam/VL020/05)由来組換え核蛋白質抗原、新型A/H1N1pdm(A/California/04/2009)由来組換え核蛋白質抗原、季節性H3N2インフルエンザウイルス(A/New York/55/2004)培養物および季節性H1N1インフルエンザウイルス(A/New Caledonia/20/99)培養物をそれぞれ希釈して用いた。すなわち、抽出液で適当な濃度に希釈した各種インフルエンザA型ウイルス抗原を各ウエルに100μL加え、37℃で1時間反応させた。PBS−Tweenで5回洗浄した後、アルカリフォスファターゼ標識モノクローナル抗体を0.1%BSA/PBS(pH7.4)で0.5μg/mLになるように希釈し、各ウエルに100μL加え、37℃で1時間反応させた。反応後、PBS−Tweenで5回洗浄し、基質液(フェニルリン酸2ナトリウム,4−アミノアンチピリン含有溶液)を各ウエルに100μL加え、37℃で30分間反応後、呈色液(メタ過ヨウ素酸ナトリウム含有溶液)を各ウエルに100μL加え、室温で10分間静置後、マイクロプレートリーダーで490nmにおける吸光度を測定した。表9及び図3は、測定結果を示す。
ELISA(1)においては、H5N1の抗原に対して明確な反応性が示されたが、他の抗原では殆ど反応性が示されなかった。一方、対照のELISA(2)では全ての抗原に反応性が示された。ELISA(1)の対照ELISA(2)に対する比率をみると、H5N1においては231.6%であるが、他の抗原ではいずれも2.5%以下となった。
次に本発明者らは、第1、第2モノクローナル抗体を用いてイムノクロマト法の作製法に準じて各種検査試薬の試作品を作製し、その反応性を評価した。本発明の検査試薬は通常のイムノクロマト試薬の構造、形態で達成可能であり、その典型的な形態について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、本発明の検査試薬はハウジング1内にセットされ、試料を滴下する検体滴下部2及び判定窓部3を持っている。
ハウジング1内にセットされているテストストリップは、テストストリップの上流部に配置される滴下部4と、ストリップの下流部に配置される吸水ろ紙5と、滴下部4より吸水ろ紙5に至る流れ方向下流側に配置され、第1の抗体を着色粒子で標識した酵素標識粒子を流動可能に保持する標識粒子塗布部6と、標識粒子塗布部6と吸水ろ紙5との間に配置されニトロセルロースメンブレン7上に、第2の抗体が固相される検査部8および検査対照部9を有する。ここで、第1の抗体は、第1、第2モノクローナル抗体の一方であり、第2の抗体は、第1、第2モノクローナル抗体の他方であり、これらは互いに交換可能である。
検査対照部9は目的の検出物質の有無に関わらず発色サインが出現するように作製される。滴下部4はハウジング1の検体滴下部2に合致する位置に設置される。
検査部8及び検査対照部9は、共にハウジングの判定窓部3を通して外部から観察できるようになっている。
テストストリップは一般的に知られるイムノクロマト法の作製方法に準じた。すなわち抗体固相化メンブレンはニトロセルロースメンブレン7上に、PBS緩衝液に溶解した第2の抗体をライン状に塗布して乾燥させて作製し検査部8とした。
抗体標識粒子については金コロイド溶液と第一の抗体を混合して結合させ、適当な緩衝液に分散溶解させてガラス繊維ろ紙に塗布して乾燥させて標識粒子塗布部6とした。これらを支持体10の上にそれぞれが重なり合うように、滴下部4と、給水ろ紙5と共に貼りあわせ、約6mmの短冊状に切断した。
切断されたテストストリップは試料滴下部2、および判定窓部3を有するプラスチック製のハウジング1内に封入した。
(実施の形態1)
好ましい実施の形態1として、第1モノクローナル抗体である、ラットモノクローナル抗インフルエンザAウイルス抗体7F6(独立行政法人国立国際医療研究センター製)をメンブレンに固相し、第2モノクローナル抗体である、モノクローナル抗インフルエンザAウイルス抗体#1371(ViroStat社製)を金コロイド粒子に結合させた。これをイムノクロマト法の作製法に従って組み立てて、プラスチック製のハウジングに入れてキットとした。
(実施の形態2)
また、実施の形態2として実施の形態1の第1、第2モノクローナル抗体を逆にしたものを作製した。すなわち、第2モノクローナル抗体である、モノクローナル抗インフルエンザAウイルス抗体#1371(ViroStat社製)をメンブレンに固相し、第1モノクローナル抗体である、ラットモノクローナル抗インフルエンザAウイルス抗体7F6(独立行政法人国立国際医療研究センター製)を金コロイド着色粒子に結合させた。これをイムノクロマト法の作製法に従って組み立てて、プラスチック製のハウジングに入れてキットとした。
対照として、一般的に知られる全ての亜型に反応性を有する抗インフルエンザNP抗体を用いた。すなわちマウスモノクローナル抗インフルエンザAウイルス抗体M2110169(Fitzgerald社製)をメンブレンに固相し、マウスモノクローナル抗インフルエンザAウイルス抗体A60010044P(BiosPacific社製)を金コロイド粒子に結合させた。これをイムノクロマト法の作製法に従って組み立てて、プラスチック製のハウジングに入れてキットとした。
これらの試作品を用いて各抗原に対する反応性を調べた。反応性の確認には、強毒型H5N1(A/VietNam/VL020/05)由来組換え核蛋白質抗原、新型A/H1N1pdm(A/California/04/2009)由来組換え核蛋白質抗原、季節性H3N2インフルエンザウイルス(A/New York/55/2004)培養物および季節性H1N1インフルエンザウイルス(A/New Caledonia/20/99)培養物をそれぞれ抽出液で適当な濃度に希釈して用いた。こうして準備した試料を100μLずつ試作品の検体滴下部へ滴下し、10分後に判定窓部に出現するラインの有無を判定した。表10は、その結果を示す。
以上の結果より、本発明である実施形態1、および実施形態2は季節性のH1N1、H3N2、新型A/H1N1pdm株には反応せず、H5N1にのみ反応することが示された。また、希釈系列を作って感度を比較したところ対照品と同等以上の実用的な感度を持つことが分かった。
本発明における第2モノクローナル抗体を用いたELISA法の変異導入NP抗原に対する反応性を示すグラフ 本発明における第2モノクローナル抗体を用いたイムノクロマト法の変異導入NP抗原に対する反応結果を示す平面図 本発明の組み合わせによるELISA法のインフルエンザ株との反応性を示すグラフ 本発明の検査装置の概略図 本発明の各フラグメントの説明図 本発明の各フラグメントの説明図
1 ハウジング
2 検体滴下部
3 判定窓部
4 滴下部
5 吸水ろ紙
6 標識粒子塗布部
7 ニトロセルロースメンブレン
8 検査部
9 検査対照部
10 支持体

Claims (4)

  1. A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側16−18番目がグリシン−グリシン−グルタミン酸(GGE)であるペプチドを含むインフルエンザ核蛋白抗原に特異的な反応性を有する第1モノクローナル抗体と、
    前記A型インフルエンザの核蛋白(NP)のアミノ酸配列においてN末端側316番目がイソロイシン(I)であるインフルエンザ核蛋白抗原に特異的な反応性を有する第2モノクローナル抗体とを含む免疫検査試薬。
  2. ストリップと、
    前記ストリップの上流側に配置される滴下部と、
    前記ストリップの下流側に配置される吸水ろ紙と、
    前記滴下部より前記吸水ろ紙に至る流れ方向下流側に配置され第1の抗体を標識したものを流動可能に保持する塗布部と、
    前記塗布部と前記吸水ろ紙との間に配置され第2の抗体が固相される検査部とを備える検査装置であって、
    前記第1の抗体は、請求項1記載の前記第1モノクローナル抗体及び前記第2モノクローナル抗体の一方であり、前記第2の抗体は、請求項1記載の前記第1モノクローナル抗体及び前記第2モノクローナル抗体の他方である検査装置。
  3. 請求項1記載の前記第1モノクローナル抗体と前記第2モノクローナル抗体とが、イムノクロマト法により使用されることを特徴とする検査方法。
  4. 請求項1記載の前記第1モノクローナル抗体と前記第2モノクローナル抗体とが、ELISA法により使用されることを特徴とする検査方法。
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