JP2018105519A - ボイラシステム - Google Patents
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Abstract
Description
台数制御適用中に、台数制御装置の燃焼指示に反してボイラが燃焼停止状態になることがある。このようなときに、アラーム等が出力されると、台数制御装置は、燃焼停止状態となったボイラを台数制御の対象外として、台数制御の対象外のボイラである予備ボイラに燃焼指示を行うことができる。
このような場合、台数制御装置は、当該ボイラは一時的に燃焼できない状態であると判断して、当該ボイラが燃焼するまで待つことになる。そうすると、必要な蒸気量が突然不足側に転じてしまうことで、ヘッダ圧力が大きく下降したり、不安定になる可能性があった。
したがって、台数制御装置が台数制御の対象となる制御対象ボイラの台数制御を実行中に、燃焼指示をした制御対象ボイラが燃焼していない場合に、当該ボイラの燃焼状態が異常であるか否かを正確に検知し、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制する制御が望まれている。
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るボイラシステム1について説明する。図1は、ボイラシステム1の概略を示す図である。
ボイラ群2は、負荷機器としての蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御時においては、この蒸気消費量に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量を制御する。
なお、燃焼量を連続的に制御するとは、後述のローカル制御部における演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合(例えば、連続制御ボイラの出力(燃焼量)が1%刻みで制御される場合)であっても、事実上連続的に出力を制御可能な場合を含む。
台数制御装置3は、強制的に優先順位どおりに各ボイラ20を燃焼させるのではなく、負荷変動に伴い、優先順位に従って、優先順位の高いボイラ20を燃焼させ、優先順位の低いボイラ20を燃焼停止させることで、自然に優先順位どおりに燃焼ボイラを入れ替える、最適燃焼移行制御機能を備える。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧力信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量、及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20(ローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、制御部4と、記憶部5と、を備える。
制御部4の詳細な構成については後述する。
また、記憶部5は、各ボイラ20から出力される出力蒸気量、及び各ボイラ20それぞれから出力される出力蒸気量の合計値を記憶する。
制御対象ボイラの台数制御を実行中に、燃焼指示をした制御対象ボイラが燃焼していない場合に、当該ボイラの燃焼状態が異常であるか否かを正確に検知するために、制御部4は、図2に示すように、監視部40と、燃焼異常検知部41と、アラーム報知部42と、優先順位繰下部43と、制御対象ボイラ変更部44と、を含んで構成される。
監視部40は、ボイラ群2に含まれるボイラ20のうち、台数制御の対象となる制御対象ボイラのボイラ状態を常時監視する。より具体的には、ボイラ20が燃焼状態であるか又は非燃焼状態であるかを監視する。
ここで、非燃焼状態とは、連続パイロット状態、待機状態、又はパージ状態(プレパージ状態又はポストパージ状態)を含む。なお、監視部40は、ボイラ20が燃焼できない状態(例えば、運転スイッチがオフの状態、異常停止した状態等)にある場合については、当該ボイラ20を非燃焼状態にあるとはみなさない。
燃焼異常検知部41は、監視部40により監視される燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が所定条件を満たす第1状態になることを検知する。なお、所定条件は予め設定し、記憶部5に記憶するようにしてもよい。
所定条件としては、例えば燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化した場合としてもよい。これは、変化する回数が1回の場合に該当ずる。
例えば、運転開始前の設定値が不適切である等の理由により、台数制御下の制御対象ボイラが突然待機となったような場合が該当する。この場合、燃焼異常検知部41は、監視部40により、燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化した状態(第1状態)を検知する。
また、所定条件としては、燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が、予め設定された所定時間内に予め設定された所定回数となることとしてもよい。
例えば、ボイラ圧力設定ミス又は主蒸気バルブ操作ミスの発生した場合が該当する。この場合、燃焼異常検知部41は、監視部40により監視される燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が所定時間内に所定回数発生した状態(第1状態)を検知する。
ただし、この場合には、例えば、10分に1回の頻度でしか燃焼指示が出ない状況に対し、仮に所定時間を5分に設定した場合、結果的に異常を検出することができない。
このため、所定条件として、燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が、当該ボイラの累計の燃焼時間が予め設定された所定時間内にある場合に、予め設定された所定回数となることとしてもよい。
そうすることで、例えば10分に1回の頻度でしか燃焼指示が出ない状況であっても、ボイラの累計の燃焼時間に基づいて判断することで、異常を検出することが可能となる。以下、燃焼異常検知部41により第1状態を検知した制御対象ボイラを簡単のため「第1状態ボイラ」ともいう。
このようにすることで、燃焼指示のなされたボイラが燃焼していない場合に当該ボイラが燃焼していない経過時間を計測し、単に計測時間が所定時間以上になったときに異常と判定する従来技術と比較して、当該ボイラの燃焼状態が異常であるか否かをより正確に検知することができる。例えば、従来技術の場合、冷態起動時の立ち上がり時間の設定が異なるボイラが混在するボイラシステムにおいて、冷態起動時の立ち上がり時間が所定時間よりも大きいボイラがあった場合に、燃焼指示のなされたボイラがパージ中であるような場合に異常と誤検知される可能性があった。これに対して、燃焼異常検知部41の場合には、燃焼指示のなされたボイラがパージ中であるような場合に異常と誤検知することがない。
アラーム報知部42は、燃焼異常検知部41により第1状態を検知した場合、第1状態ボイラに関するアラームを報知する。例えば、アラーム報知部42は、音や光等により報知を行うように構成してもよい。この際、台数制御盤等の表示部にアラームメッセージを出力するようにしてもよい。
優先順位繰下部43は、第1状態ボイラの優先順位を繰り下げる。例えば、優先順位繰下部43は、第1状態ボイラの優先順位をボイラ群2のなかで最下位に繰り下げるようにしてもよい。なお、優先順位繰下げ部43は、第1状態ボイラの優先順位を繰り下げるとともに、第1状態ボイラ以外の優先順位が最下位のボイラ(例えば、待機ボイラ)の優先順位を繰り上げる。
第1状態ボイラの優先順位を繰り下げることで、制御部4の備える最適燃焼移行制御機能により、第1状態ボイラを燃焼停止させ、代わりに優先順位を高く設定したボイラ20を燃焼させることができる。そうすることで、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制することが可能となる。
制御対象ボイラ変更部44は、第1状態ボイラを台数制御の対象から外す。その代わりに、制御対象ボイラ変更部44は、ボイラ群2に含まれるボイラのうち、台数制御の対象外とされていた予備ボイラを新たに制御対象ボイラとするように変更する。
第1状態ボイラを台数制御の対象から外すことで、当該第1状態ボイラ20の状態を保守員が調査することが可能となる。
次に、第1実施形態における台数制御装置3(制御部4)による制御の一連の流れについて図3を参照しながら説明する。図3は制御部4の処理内容を示すフローチャート図である。
なお、ボイラ群2に含まれる各ボイラ20は、台数制御装置3(制御部4)により台数制御されているものとする。例えば、3台が燃焼状態にあり、2台が非燃焼状態(予備ボイラ)であるとする。
図3を参照しながらブロー報知ボイラに係る処理フローについて説明する。
図3に記載したフローにおいて、ステップST4及びステップST5を図4に示すように置き換えることができる。
ステップST4において、制御部4(制御対象ボイラ変更部44)は、第1状態ボイラを台数制御の対象から外すとともに、台数制御の対象外とされていた予備ボイラを新たに制御対象ボイラに変更する。
図3に記載したフローにおいて、ステップST4とステップST5の間に、新たなステップST4´を挿入するとともに、ステップST5を図5に示すように置き換えることができる。
ステップST4´において、制御部4(制御対象ボイラ変更部44)は、第1状態ボイラを台数制御の対象から外すとともに、台数制御の対象外である予備ボイラを新たに制御対象ボイラに変更する。
なお、変形例2において、第1状態ボイラを台数制御の対象から外した後に、当該ボイラの優先順位を繰下げるようにしてもよい。
これにより、例えば燃焼指示がなされた制御対象ボイラが指示に反して燃焼していないことを正確に検知することで、運転開始前の設定値が不適切であったり、ボイラ圧力設定ミス、ボイラの水位が低水位でとまっている場合、主蒸気バルブ操作ミス(ボイラ主蒸気バルブ開け忘れ)、蒸気ヘッダと各ボイラをつなぐ枝管に設けた逆止弁の固着、又は各ボイラに設けた圧力スイッチもしくはセンサの不具合や指示ずれ等に起因するようなボイラ20の燃焼状態の異常を正確に検知することができる。そうすることで、運転員又は保守員が早々に問題発生を気づくことができる。
これにより、制御部4の備える最適燃焼移行制御機能により、燃焼異常検知部41により検知した第1状態ボイラを燃焼停止させ、優先順位の高いボイラ20を燃焼させることができる。こうすることで、第1状態ボイラを燃焼させにくくすることができ、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制することができる。
これにより、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制することができるとともに、燃焼異常検知部41により検知された第1状態ボイラ20の状態を運転員、保守員等が調査することが可能となる。
また、段階値制御ボイラにより構成する場合、段階値ボイラ毎に、ボイラ容量、燃焼位置の段階数N、及び各燃焼位置における燃焼率等を異なるものとしてもよい。
2 ボイラ群
3 台数制御装置
4 制御部
40 監視部
41 異常検知部
42 アラーム報知部
43 優先順位繰下部
44 制御対象ボイラ変更部
5 記憶部
6 蒸気ヘッダ(蒸気集合部)
7 蒸気圧センサ(蒸気圧測定手段)
18 蒸気使用設備(負荷機器)
20 ボイラ
Claims (7)
- 複数のボイラからなるボイラ群と、
前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、
を備えるボイラシステムであって、
前記制御部は、
前記ボイラ群に含まれるボイラのうち、台数制御の対象となる制御対象ボイラのボイラ状態を監視する監視部と、
前記監視部により監視される燃焼指示済みの前記制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が所定条件を満たす第1状態を検知する燃焼異常検知部と、
前記燃焼異常検知部により前記第1状態を検知した場合、前記制御対象ボイラに関するアラームを報知するアラーム報知部と、
を備える、ボイラシステム。 - 前記制御部は、さらに
前記燃焼異常検知部により前記第1状態を検知した前記制御対象ボイラの優先順位を繰り下げる優先順位繰下部を備える、請求項1に記載のボイラシステム。 - 前記制御部は、さらに
前記燃焼異常検知部により前記第1状態を検知した前記制御対象ボイラを台数制御の対象から外すとともに、前記ボイラ群に含まれるボイラのうち、台数制御の対象外とされた予備ボイラを新たに制御対象ボイラとする制御対象ボイラ変更部を備える、請求項1又は請求項2に記載のボイラシステム。 - 前記所定条件は、
前記回数が少なくとも1回である、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のボイラシステム。 - 前記所定条件は、
前記回数が、予め設定された所定時間内に予め設定された所定回数となる、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のボイラシステム。 - 前記所定条件は、
前記回数が、前記ボイラの累計の燃焼時間が予め設定された所定時間内にある場合に、予め設定された所定回数となる、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のボイラシステム。 - 前記ボイラは、段階値制御ボイラ又は連続制御ボイラであって、
非燃焼状態は、少なくとも連続パイロット状態、待機状態、又はパージ状態を含む、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のボイラシステム。
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