JP2018105519A - ボイラシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】台数制御装置が台数制御の対象となる制御対象ボイラの台数制御を実行中に、燃焼指示をした制御対象ボイラの燃焼状態が異常であるか否かを正確に検知し、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制すること。【解決手段】複数のボイラ20を含むボイラ群2の台数制御を行う制御部4は、ボイラ群2に含まれるボイラのうち、台数制御の対象となる制御対象ボイラのボイラ状態を監視する監視部40と、監視部40により、燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が所定条件を満たす第1状態を検知する燃焼異常検知部41と、燃焼異常検知部41により第1状態を検知した場合、制御対象ボイラに関するアラームを報知するアラーム報知部42と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のボイラからなるボイラ群の燃焼状態を制御する台数制御手段(台数制御装置)を備えるボイラシステムに関する。
ボイラシステムでは、ボイラ群において生成された蒸気を蒸気ヘッダに集合し、この蒸気ヘッダから負荷機器に対して蒸気を供給する。このようなボイラシステムでは、蒸気ヘッダ内の蒸気の圧力(「ヘッダ圧力」ともいう)が設定圧力範囲に収まる、又は目標圧力値を維持するように、台数制御装置により制御対象のボイラの燃焼量を制御することとしている。
台数制御適用中に、台数制御装置の燃焼指示に反してボイラが燃焼停止状態になることがある。このようなときに、アラーム等が出力されると、台数制御装置は、燃焼停止状態となったボイラを台数制御の対象外として、台数制御の対象外のボイラである予備ボイラに燃焼指示を行うことができる。
しかしながら、本稼働後の運用において、例えば台数制御装置の「目標圧力値」をボイラ側に設けられている「圧力高設定値」を上回る値に変更された場合、ボイラ群に対して、台数制御を適用して制御対象ボイラの燃焼状態を制御しているときに、ボイラ圧力が上昇し過ぎてボイラ側に設けられている「圧力高設定値」を超えてしまった場合、台数制御装置からの燃焼指示に反して、当該ボイラは当該ボイラ自身の判断で燃焼停止して待機状態となることがある。
このような場合、台数制御装置は、当該ボイラは一時的に燃焼できない状態であると判断して、当該ボイラが燃焼するまで待つことになる。そうすると、必要な蒸気量が突然不足側に転じてしまうことで、ヘッダ圧力が大きく下降したり、不安定になる可能性があった。
台数制御装置からの燃焼指示に反してボイラ自身の判断で燃焼停止して待機状態となるケースとしては、他にもボイラの水位が低水位でとまっている場合、試運転時の設定ミスにより本稼働以降に問題が発生した場合等、色々なケースが挙げられる。この外、例えば、特許文献1には、主蒸気弁の開け忘れ、蒸気ヘッダと各ボイラをつなぐ枝管に設けた逆止弁の固着、各ボイラに設けた圧力スイッチもしくはセンサの不具合や指示ずれ等が原因で燃焼指示に反してボイラ自身の判断で燃焼停止して待機状態となる場合が記載されている。
これに対して、特許文献1には、台数制御装置は、燃焼指示をしたボイラが燃焼していない場合に、ボイラが燃焼していない経過時間を計測し、計測時間が所定時間以上になった場合に、異常と判定することが記載されている。
特開2016−156585号公報
しかしながら、ボイラの冷態起動時の立ち上がり時間(プレパージから燃焼までの経過時間)はボイラ仕様によりそれぞれ異なっており、所定時間の決定は易しいものではない。例えば、燃焼停止したボイラが保有している熱を放出して冷却された場合に、燃焼指示がなされると、プレパージから燃焼に移行するまでの時間が数分のオーダーでかかることがある。そうすると、所定時間の設定値によっては、プレパージ中にもかかわらず、台数制御装置は異常と誤検知する可能性がある。
したがって、台数制御装置が台数制御の対象となる制御対象ボイラの台数制御を実行中に、燃焼指示をした制御対象ボイラが燃焼していない場合に、当該ボイラの燃焼状態が異常であるか否かを正確に検知し、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制する制御が望まれている。
本発明は、台数制御装置が台数制御の対象となる制御対象ボイラの台数制御を実行中に、燃焼指示をした制御対象ボイラが燃焼していない場合に、当該ボイラの燃焼状態が異常であるか否かを正確に検知し、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制することができるボイラシステムを提供することを目的とする。
本発明は、複数のボイラからなるボイラ群と、前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、前記制御部は、前記ボイラ群に含まれるボイラのうち、台数制御の対象となる制御対象ボイラのボイラ状態を監視する監視部と、前記監視部により監視される燃焼指示済みの前記制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が所定条件を満たす第1状態を検知する燃焼異常検知部と、前記燃焼異常検知部により前記第1状態を検知した場合、前記制御対象ボイラに関するアラームを報知するアラーム報知部と、を備える、ボイラシステムに関する。
また、前記制御部は、さらに前記燃焼異常検知部により前記第1状態を検知した前記制御対象ボイラの優先順位を繰り下げる優先順位繰下部を備えることが好ましい。
また、前記制御部は、さらに前記燃焼異常検知部により前記第1状態を検知した前記制御対象ボイラを台数制御の対象から外すとともに、前記ボイラ群に含まれるボイラのうち、台数制御の対象外とされた予備ボイラを新たに制御対象ボイラとする制御対象ボイラ変更部を備えることが好ましい。
また、前記所定条件は、前記回数が少なくとも1回であるとしてもよい。
また、前記所定条件は、前記回数が、予め設定された所定時間内に予め設定された所定回数となるとしてもよい。
また、前記所定条件は、前記回数が、前記ボイラの累計の燃焼時間が予め設定された所定時間内にある場合に、予め設定された所定回数となるとしてもよい。
また、前記ボイラは、段階値制御ボイラ又は連続制御ボイラであって、非燃焼状態は、少なくとも連続パイロット状態、待機状態、又はパージ状態を含むことが好ましい。
本発明によれば、台数制御装置が台数制御の対象となる制御対象ボイラの台数制御を実行中に、燃焼指示がなされた制御対象ボイラが燃焼していない場合に、当該ボイラの燃焼状態が異常であるか否かを正確に検知し、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るボイラシステムの概略を示す図である。 第1実施形態のボイラの構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係る制御部4の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る制御部4の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る制御部4の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るボイラシステム1について説明する。図1は、ボイラシステム1の概略を示す図である。
図1に示すように、ボイラシステム1は、複数(5台)のボイラ20を含むボイラ群2と、ボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気集合部としての蒸気ヘッダ6と、蒸気圧測定手段としての蒸気圧センサ7と、台数制御手段としての台数制御装置3と、を備える。
ボイラ群2は、負荷機器としての蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
蒸気ヘッダ6の上流側は、蒸気管11を介してボイラ群2(各ボイラ20)に接続されている。蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で発生させた蒸気を集合させて貯留することにより各ボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給するようになっている。
蒸気圧センサ7は、信号線13を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。蒸気圧センサ7は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(ボイラ群2で発生した蒸気の圧力)を測定し、測定した蒸気圧に係る信号(蒸気圧信号)を、信号線13を介して台数制御装置3に送信する。
ボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気ヘッダ6を介して、蒸気によって運転される蒸気使用設備18に供給可能とされている。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御時においては、この蒸気消費量に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量を制御する。
蒸気使用設備18の需要の増大により要求負荷が増加し、供給蒸気量が不足すれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が減少することになる。一方、蒸気使用設備18の需要の低下により要求負荷が減少し、供給蒸気量が過剰になれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が増加することになる。このため、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号により要求負荷の変動をモニターすることができる。ボイラシステム1は、この蒸気圧に基づいて蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)に応じた目標蒸気量を算出するようになっている。
台数制御装置3は、制御部4と記憶部5とを備える。台数制御装置3は、ボイラ群2の燃焼制御に関して、例えば、記憶部5に記憶される設定条件(ボイラの優先順位等)を変更することができる。なお、設定条件の設定及び変更は、その全部又は一部を手動で行ってもよく、あるいは、その全部又は一部を自動で行ってもよい。
ボイラ20は、複数の段階的な燃焼位置で燃焼可能な段階値制御ボイラ又は連続制御ボイラである。段階値制御ボイラとは、燃焼を選択的にオン/オフしたり、炎の大きさを調整したりすること等により燃焼量を制御して、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。より具体的には、段階値制御ボイラとは、N(≧3)を任意の整数として、N位置制御すなわち、段階値制御ボイラの燃焼量を、燃焼停止状態を含めてN位置に段階的に制御可能なボイラ20である。
なお、5台のボイラ20を段階値制御ボイラとした場合、各ボイラ20においては、それぞれ、各燃焼位置における燃焼量及び燃焼能力(高燃焼状態における燃焼量)は、等しく設定されていてもよく、あるいは、異なって設定されていてもよい。
また、ボイラ20を段階値制御ボイラに換えて、連続制御ボイラとすることもできる。ここで、連続制御ボイラとは、燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な連続制御ボイラである。例えば、少なくとも、最小燃焼状態S1(例えば、最大燃焼率の20%の燃焼量における燃焼状態)から最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼量が連続的に制御可能とされているボイラである。連続制御ボイラは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼量を調整するようになっている。
連続制御ボイラは、連続制御ボイラの燃焼停止状態S0と最小燃焼状態S1との間の燃焼状態の変更については、連続制御ボイラ(バーナ)の燃焼をオン/オフすることで制御される。そして、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、燃焼量が連続的に制御可能となっている。
なお、燃焼量を連続的に制御するとは、後述のローカル制御部における演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合(例えば、連続制御ボイラの出力(燃焼量)が1%刻みで制御される場合)であっても、事実上連続的に出力を制御可能な場合を含む。
複数のボイラ20には、それぞれ優先順位が設定されている。優先順位は、燃焼指示や燃焼停止指示等を行うボイラ20を選択するために用いられる。優先順位は、例えば整数値を用いて、数値が小さいほど優先順位が高くなるよう設定することができる。優先順位は、通常の場合、制御部4の制御により、所定の時間間隔(例えば、24時間間隔)で変更される。
台数制御装置3は、強制的に優先順位どおりに各ボイラ20を燃焼させるのではなく、負荷変動に伴い、優先順位に従って、優先順位の高いボイラ20を燃焼させ、優先順位の低いボイラ20を燃焼停止させることで、自然に優先順位どおりに燃焼ボイラを入れ替える、最適燃焼移行制御機能を備える。
複数のボイラ20のそれぞれは、信号線16を介して台数制御装置3と電気的に接続され、台数制御装置3の制御により燃焼位置(燃焼状態)が制御される。また、複数のボイラ20のそれぞれは、運転者の操作により又は自動的に台数制御装置3の制御から切り離すことができる。
以上説明したボイラ20は、図1に示すように、燃焼が行われるボイラ本体21と、ボイラ20の燃焼位置又は燃焼状態を制御するローカル制御部22と、を有する。
ローカル制御部22は、各ボイラ20を制御し、要求負荷に応じて燃焼位置又は燃焼状態を変更させることが可能とされている。ローカル制御部22は、台数制御時には、制御部4による台数制御信号に基づいて各ボイラ20を制御し、一方、ローカル制御時には、ボイラ20を直接制御する。
以上のように構成されたボイラシステム1では、ボイラ群2で発生させた蒸気が、蒸気ヘッダ6を介して蒸気使用設備18に供給される。
次に、台数制御装置3の詳細について説明する。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧力信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量、及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20(ローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、制御部4と、記憶部5と、を備える。
制御部4は、信号線16を介して各ボイラ20に各種の指示を行ったり、各ボイラ20から各種のデータを受信したりして、各ボイラ20の燃焼状態や優先順位を制御する。各ボイラ20は、制御部4から燃焼状態の変更指示の信号を受けると、その指示に従って当該ボイラ20を制御する。
制御部4の詳細な構成については後述する。
記憶部5は、制御部4の制御により各ボイラ20に対して行われた指示の内容や、各ボイラ20から受信した燃焼状態、複数のボイラ20の優先順位の設定の情報、優先順位の変更(ローテーション)に関する設定の情報等を記憶する。
また、記憶部5は、各ボイラ20から出力される出力蒸気量、及び各ボイラ20それぞれから出力される出力蒸気量の合計値を記憶する。
次に制御部4の詳細な構成について説明する。図2は、制御部4の機能構成を示すブロック図である。
制御対象ボイラの台数制御を実行中に、燃焼指示をした制御対象ボイラが燃焼していない場合に、当該ボイラの燃焼状態が異常であるか否かを正確に検知するために、制御部4は、図2に示すように、監視部40と、燃焼異常検知部41と、アラーム報知部42と、優先順位繰下部43と、制御対象ボイラ変更部44と、を含んで構成される。
[監視部40]
監視部40は、ボイラ群2に含まれるボイラ20のうち、台数制御の対象となる制御対象ボイラのボイラ状態を常時監視する。より具体的には、ボイラ20が燃焼状態であるか又は非燃焼状態であるかを監視する。
ここで、非燃焼状態とは、連続パイロット状態、待機状態、又はパージ状態(プレパージ状態又はポストパージ状態)を含む。なお、監視部40は、ボイラ20が燃焼できない状態(例えば、運転スイッチがオフの状態、異常停止した状態等)にある場合については、当該ボイラ20を非燃焼状態にあるとはみなさない。
[燃焼異常検知部41]
燃焼異常検知部41は、監視部40により監視される燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が所定条件を満たす第1状態になることを検知する。なお、所定条件は予め設定し、記憶部5に記憶するようにしてもよい。
所定条件としては、例えば燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化した場合としてもよい。これは、変化する回数が1回の場合に該当ずる。
例えば、運転開始前の設定値が不適切である等の理由により、台数制御下の制御対象ボイラが突然待機となったような場合が該当する。この場合、燃焼異常検知部41は、監視部40により、燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化した状態(第1状態)を検知する。
また、所定条件としては、燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が、予め設定された所定時間内に予め設定された所定回数となることとしてもよい。
例えば、ボイラ圧力設定ミス又は主蒸気バルブ操作ミスの発生した場合が該当する。この場合、燃焼異常検知部41は、監視部40により監視される燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が所定時間内に所定回数発生した状態(第1状態)を検知する。
ただし、この場合には、例えば、10分に1回の頻度でしか燃焼指示が出ない状況に対し、仮に所定時間を5分に設定した場合、結果的に異常を検出することができない。
このため、所定条件として、燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が、当該ボイラの累計の燃焼時間が予め設定された所定時間内にある場合に、予め設定された所定回数となることとしてもよい。
そうすることで、例えば10分に1回の頻度でしか燃焼指示が出ない状況であっても、ボイラの累計の燃焼時間に基づいて判断することで、異常を検出することが可能となる。以下、燃焼異常検知部41により第1状態を検知した制御対象ボイラを簡単のため「第1状態ボイラ」ともいう。
このようにすることで、燃焼指示のなされたボイラが燃焼していない場合に当該ボイラが燃焼していない経過時間を計測し、単に計測時間が所定時間以上になったときに異常と判定する従来技術と比較して、当該ボイラの燃焼状態が異常であるか否かをより正確に検知することができる。例えば、従来技術の場合、冷態起動時の立ち上がり時間の設定が異なるボイラが混在するボイラシステムにおいて、冷態起動時の立ち上がり時間が所定時間よりも大きいボイラがあった場合に、燃焼指示のなされたボイラがパージ中であるような場合に異常と誤検知される可能性があった。これに対して、燃焼異常検知部41の場合には、燃焼指示のなされたボイラがパージ中であるような場合に異常と誤検知することがない。
[アラーム報知部42]
アラーム報知部42は、燃焼異常検知部41により第1状態を検知した場合、第1状態ボイラに関するアラームを報知する。例えば、アラーム報知部42は、音や光等により報知を行うように構成してもよい。この際、台数制御盤等の表示部にアラームメッセージを出力するようにしてもよい。
[優先順位繰下部43]
優先順位繰下部43は、第1状態ボイラの優先順位を繰り下げる。例えば、優先順位繰下部43は、第1状態ボイラの優先順位をボイラ群2のなかで最下位に繰り下げるようにしてもよい。なお、優先順位繰下げ部43は、第1状態ボイラの優先順位を繰り下げるとともに、第1状態ボイラ以外の優先順位が最下位のボイラ(例えば、待機ボイラ)の優先順位を繰り上げる。
第1状態ボイラの優先順位を繰り下げることで、制御部4の備える最適燃焼移行制御機能により、第1状態ボイラを燃焼停止させ、代わりに優先順位を高く設定したボイラ20を燃焼させることができる。そうすることで、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制することが可能となる。
[制御対象ボイラ変更部44]
制御対象ボイラ変更部44は、第1状態ボイラを台数制御の対象から外す。その代わりに、制御対象ボイラ変更部44は、ボイラ群2に含まれるボイラのうち、台数制御の対象外とされていた予備ボイラを新たに制御対象ボイラとするように変更する。
第1状態ボイラを台数制御の対象から外すことで、当該第1状態ボイラ20の状態を保守員が調査することが可能となる。
[制御部4の処理フロー]
次に、第1実施形態における台数制御装置3(制御部4)による制御の一連の流れについて図3を参照しながら説明する。図3は制御部4の処理内容を示すフローチャート図である。
図3に、台数制御装置3(制御部4)の処理内容を示す。
なお、ボイラ群2に含まれる各ボイラ20は、台数制御装置3(制御部4)により台数制御されているものとする。例えば、3台が燃焼状態にあり、2台が非燃焼状態(予備ボイラ)であるとする。
図3を参照しながらブロー報知ボイラに係る処理フローについて説明する。
ステップST1において、制御部4(監視部40)は、各ボイラ20が燃焼状態であるか又は非燃焼状態であるかを監視する。
ステップST2において、制御部4(燃焼異常検知部41)は、燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が第1状態となったか否かを検知する。燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が第1状態となったことを検知した場合(Yes)、ステップST3に移る。第1状態となったボイラ20を(第1状態ボイラ)を検知しない場合(No)、ステップST1に戻る。
ステップST3において、制御部4(アラーム報知部42)は、第1状態ボイラに関するアラームを報知する。
ステップST4において、制御部4(優先順位繰下部43)は、第1状態ボイラの燃焼優先順位をボイラ群2のなかで最下位に繰り下げる。
ステップST5において、第1状態ボイラが非燃焼状態となることで、ヘッダ圧力値が下がり、制御部4の備える最適燃焼移行制御機能により、優先順位の高いボイラ20を燃焼させ、その後ヘッダ圧力値が上がると第1状態ボイラを燃焼停止させる。ステップST1に戻る。
このように、第1状態ボイラの優先順位を最下位に繰り下げることにより、最適燃焼移行制御機能により、第1状態ボイラを燃焼停止させ、代わりに優先順位の高いボイラ20を燃焼させることができる。そうすることで、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制することが可能となる。
なお、台数制御装置4(制御部40)の処理フローは、上記に限定されない。
<変形例1>
図3に記載したフローにおいて、ステップST4及びステップST5を図4に示すように置き換えることができる。
ステップST4において、制御部4(制御対象ボイラ変更部44)は、第1状態ボイラを台数制御の対象から外すとともに、台数制御の対象外とされていた予備ボイラを新たに制御対象ボイラに変更する。
ステップST5において、新たに制御対象ボイラとされたボイラ20を燃焼させる。ステップST1に戻る。
このように、第1状態ボイラ台数制御の対象から外すとともに、台数制御の対象外とされていた予備ボイラを新たに制御対象ボイラに変更することができる。そうすることで、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制することが可能となる。
<変形例2>
図3に記載したフローにおいて、ステップST4とステップST5の間に、新たなステップST4´を挿入するとともに、ステップST5を図5に示すように置き換えることができる。
ステップST4´において、制御部4(制御対象ボイラ変更部44)は、第1状態ボイラを台数制御の対象から外すとともに、台数制御の対象外である予備ボイラを新たに制御対象ボイラに変更する。
ステップST5において、新たに制御対象ボイラとされたボイラ20を燃焼させる。ステップST1に戻る。
変形例2は、第1状態ボイラの優先順位を最下位に繰り下げるとともに、台数制御対象から外すものである。このように、第1状態ボイラ台数制御の対象から外すとともに、台数制御の対象外である予備ボイラを新たに制御対象ボイラに変更することができる。そうすることで、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制することが可能となる。
なお、変形例2において、第1状態ボイラを台数制御の対象から外した後に、当該ボイラの優先順位を繰下げるようにしてもよい。
以上説明した第1実施形態のボイラシステム1によれば、以下のような効果を奏する。
第1実施形態のボイラシステム1に係る台数制御装置3(制御部4)は、ボイラ群2に含まれるボイラ20のうち、台数制御の対象となる制御対象ボイラのボイラ状態を監視する監視部40と、監視部40により監視される燃焼指示済みの制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が所定条件を満たす第1状態になることを検知する燃焼異常検知部41と、燃焼異常検知部41により第1状態を検知した場合、制御対象ボイラに関するアラームを報知するアラーム報知部42と、を含む。
これにより、例えば燃焼指示がなされた制御対象ボイラが指示に反して燃焼していないことを正確に検知することで、運転開始前の設定値が不適切であったり、ボイラ圧力設定ミス、ボイラの水位が低水位でとまっている場合、主蒸気バルブ操作ミス(ボイラ主蒸気バルブ開け忘れ)、蒸気ヘッダと各ボイラをつなぐ枝管に設けた逆止弁の固着、又は各ボイラに設けた圧力スイッチもしくはセンサの不具合や指示ずれ等に起因するようなボイラ20の燃焼状態の異常を正確に検知することができる。そうすることで、運転員又は保守員が早々に問題発生を気づくことができる。
第1実施形態のボイラシステム1に係る台数制御装置3(制御部4)は、さらに第1状態ボイラの優先順位を繰り下げる優先順位繰下部42を備える。
これにより、制御部4の備える最適燃焼移行制御機能により、燃焼異常検知部41により検知した第1状態ボイラを燃焼停止させ、優先順位の高いボイラ20を燃焼させることができる。こうすることで、第1状態ボイラを燃焼させにくくすることができ、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制することができる。
第1実施形態のボイラシステム1に係る台数制御装置3(制御部4)は、さらに、第1状態ボイラを台数制御の対象から外すとともに、ボイラ群2に含まれるボイラのうち、台数制御の対象外とされていた予備ボイラを新たに制御対象ボイラとするように変更する制御対象ボイラ変更部44を備える。
これにより、ヘッダ圧力が不安定になることを抑制することができるとともに、燃焼異常検知部41により検知された第1状態ボイラ20の状態を運転員、保守員等が調査することが可能となる。
以上、本発明のボイラシステムの好ましい第1実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
第1実施形態では、本発明を、5台のボイラ20からなるボイラ群2を備えるボイラシステム1に適用したが、これに限らない。すなわち、本発明を、6台以上のボイラ20からなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよく、また、2台から4台のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよい。
第1実施形態において、ボイラ20を連続制御ボイラとした場合、すべて同一のボイラ容量とすることに限らない。すなわち、連続制御ボイラ毎にその最小燃焼量、単位蒸気量、最大燃焼量としての燃焼能力が異なる場合にも適用可能である。
第1実施形態において、ボイラ20を段階値制御ボイラとした場合、任意のN位置の燃焼位置を有することとしてもよい。
また、段階値制御ボイラにより構成する場合、段階値ボイラ毎に、ボイラ容量、燃焼位置の段階数N、及び各燃焼位置における燃焼率等を異なるものとしてもよい。
1 ボイラシステム
2 ボイラ群
3 台数制御装置
4 制御部
40 監視部
41 異常検知部
42 アラーム報知部
43 優先順位繰下部
44 制御対象ボイラ変更部
5 記憶部
6 蒸気ヘッダ(蒸気集合部)
7 蒸気圧センサ(蒸気圧測定手段)
18 蒸気使用設備(負荷機器)
20 ボイラ

Claims (7)

  1. 複数のボイラからなるボイラ群と、
    前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、
    を備えるボイラシステムであって、
    前記制御部は、
    前記ボイラ群に含まれるボイラのうち、台数制御の対象となる制御対象ボイラのボイラ状態を監視する監視部と、
    前記監視部により監視される燃焼指示済みの前記制御対象ボイラのボイラ状態が燃焼状態から非燃焼状態に変化する回数が所定条件を満たす第1状態を検知する燃焼異常検知部と、
    前記燃焼異常検知部により前記第1状態を検知した場合、前記制御対象ボイラに関するアラームを報知するアラーム報知部と、
    を備える、ボイラシステム。
  2. 前記制御部は、さらに
    前記燃焼異常検知部により前記第1状態を検知した前記制御対象ボイラの優先順位を繰り下げる優先順位繰下部を備える、請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記制御部は、さらに
    前記燃焼異常検知部により前記第1状態を検知した前記制御対象ボイラを台数制御の対象から外すとともに、前記ボイラ群に含まれるボイラのうち、台数制御の対象外とされた予備ボイラを新たに制御対象ボイラとする制御対象ボイラ変更部を備える、請求項1又は請求項2に記載のボイラシステム。
  4. 前記所定条件は、
    前記回数が少なくとも1回である、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のボイラシステム。
  5. 前記所定条件は、
    前記回数が、予め設定された所定時間内に予め設定された所定回数となる、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のボイラシステム。
  6. 前記所定条件は、
    前記回数が、前記ボイラの累計の燃焼時間が予め設定された所定時間内にある場合に、予め設定された所定回数となる、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のボイラシステム。
  7. 前記ボイラは、段階値制御ボイラ又は連続制御ボイラであって、
    非燃焼状態は、少なくとも連続パイロット状態、待機状態、又はパージ状態を含む、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のボイラシステム。
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