JP2018105102A - 建具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 戸枠1と、戸2と、機能枠3とを備え、戸2は、一方側に溝状の係合部4を長手方向に有し、機能枠3は、一方側に被係合部5を長手方向に有し、他方側の端部に固定具6を有し、被係合部5が係合部4と係合して見込方向に位置決めされるとともに、被係合部5が係合部4内で長手方向に位置決めしてあり、固定具6は、戸枠1と戸2の見込面間の隙間に挿入し、戸2の見込面58にねじ止めしてある。
【選択図】 図1
Description
このような構造であると、屋外側から網戸付格子の縦枠と扉本体の縦框との隙間にバール等を差し込んで屋外側に向けて力を加えると、格子固定金具や長孔が変形ないし破損して係止が外れるおそれがあり、また、障子が開いている状態だと屋外側から手を差し込んでねじを外されるおそれもあるため、網戸付格子が屋外側から不正に取り外されるおそれがあった。
上框30の金属形材30aは、図3に示すように、室外側が開放しており、室内側壁の下端を室外向きに突出させ、その先端に引戸14の吊り戸車7が係合するレール32が設けてある。上框30の室外側には、引戸14を戸本体21内に組み込んだ後に、機能枠3の一部である上框補助材33が取付けられる。上框補助材33の下縁は、樹脂形材30bの下縁と同じ高さになっている。下框31の金属形材31aも、室外側が開放しており、上面に引戸14の下端部に設けた溝34に係合するガイドローラー35が取付けてある。下框31の室外側には、引戸14を戸本体21内に組み込んだ後に、機能枠3の一部である下框補助材36が取付けられる。下框補助材36の上縁は、樹脂形材31bの上縁と同じ高さになっている。
戸先框17には、図1,4に示すように、上下二つの錠15,15と、戸2の開閉操作を行うためのハンドル37を備えている。吊元框16には、室内側に引戸14用の施錠装置38が設けてある。
図3に示すように、引戸14の上框39の下縁は、戸本体21の上框30及び上框補助材33の下縁と同じ高さになっており、引戸14の下框40の上縁は、戸本体21の下框31及び下框補助材36の上縁と同じ高さになっている。したがって、引戸14の上框39と下框40は、室外側及び室内側から見て、戸本体21の上框30と下框31に完全に隠れている。
引戸14の戸先框18が戸本体21の吊元框16に隠れていたとすると、引戸14を閉鎖した状態から戸先框18の見付寸法分だけスライドしてからでないと換気用開口部25が形成されず、引戸14の全スライド量に対して戸先框18の見付寸法分だけ換気用開口部25の幅が狭くなってしまう。例えば、引戸14の全スライド量が100mmで戸先框18の見付寸法が50mmであったとすると、換気用開口部25の幅は50mmにしかならない。本建具は、引戸14の戸先框18が室外側及び室内側から見てほぼ全体が露出していることで、引戸14を閉鎖した状態からスライドさせるとすぐに換気用開口部25が形成され、引戸14の全スライド量のほぼ全部を換気用開口部25とすることができる。これにより、引戸14の全スライド量が小さい場合でも換気用開口部25を可能な限り広くすることができ、換気の効率が良い。戸先框18以外の三方の框(上框39、下框40、戸尻框19)は、戸本体21の框30,31や戸袋部42で隠れているため、断熱性、意匠性が良い。
換気用開口部25の幅Dは、換気が十分可能な寸法であって、人間が頭を入れたり腕を深く差し入れたりするのが困難な寸法に設定してある。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく住宅の性能に関する評価の方法の基準を定めた平成13年国土交通省告示第1347号において、転落防止のための手すりの手すり子の間隔を内法寸法で110mm以下とすることが定められており、本建具の換気用開口部25の幅Dは、これにならって110mm以下としている。換気用開口部25の幅Dを110mm以下とすることで、万が一にも換気用開口部25から侵入されることはなく、また事前に不正侵入を思い留まらせる効果がある。具体的には、本建具の換気用開口部25の幅Dは100mmとしてあり、上記基準よりもさらに厳しくしてある。
さらに本建具は、戸袋部42を構成する室内側の樹脂形材45が戸先框17の室内側面よりも室内側に突出していることで、樹脂形材45が障壁となって室外からサムターン47の位置を視認することができず、また、換気用開口部25から針金などを差し入れてサムターン47を操作することも困難であり、防犯性がより一層向上する。
換気用開口部25は、戸2の上框30から下框31までの間全体が開口するため、幅が狭くても十分な換気が行え、重力換気も効率よく行える。本建具は、戸袋部42の見付寸法Bを引戸14の見付寸法Aと比べて小さくしたことで、戸全体に占める断熱性に優れたガラスパネル41の面積の割合を大きくでき、上げ下げ窓のような召合せ部も無いため、断熱性能を向上することができ、また、採光性にも優れる。さらに、引戸14が一部しか開かないことで、小雨程度なら引戸14を開けたままでも雨が入りにくく、採光・断熱・止水の3つをバランス良く向上させられ、建具としての性能が総合的に優れている。
機能枠3は、図1に示すように、戸先側の縦枠44の外周側面に一対の突条よりなる被係合部5が長手方向に沿って設けてある。戸2は、戸先框17の吊元側に隣接して設けた金属形材43に、吊元側が開口した溝状の係合部4を長手方向に沿って有しており、機能枠3の被係合部5が前記溝状の係合部4に係合して見込方向に位置決めされている。また、機能枠3の被係合部5には、図7−2(c)に示すように、上部と下部の2箇所に切欠き51が設けてあり、戸2の溝状の係合部4内には、図1に示すように、前記切欠き51に対応した高さ位置にブロック状の落ち止め部材52が取付けてある。そして、機能枠3の被係合部5を戸2の係合部4に吊元側から係合すると、図11に示すように、切欠き51に落ち止め部材52が係合して、被係合部5が係合部4内で上下方向に位置決めされる。金属形材43の上下端部には、図11に示すように、端部キャップ79が取付けてあり、端部キャップ79が溝状の係合部4の上下の小口を塞いでいるので、切欠き51と落ち止め部材52が無かったとしても、端部キャップ79により被係合部5が係合部4内で上下方向に位置決めされる。
また、図1に示すように、戸2の吊元側の機能枠3の縦枠48にも、外周側面に戸先側に向けて鉤状に曲がった形状の被係合部53が設けてあり、この被係合部53が戸2の吊元框16に設けた係合部54に吊元側から係合している。
また本建具は、図1に示すように、引戸14の戸先框18と機能枠3の戸先側の縦枠44とに引き寄せ部材62a,62bが設けてあり、これにより引戸14を閉めたときに、室内タイトライン22a,22b,22c,22dを維持したまま、引戸14が室外側に引き寄せられて室外タイトライン23a,23b,23c,23dに圧着するようにしている。
さらに、引戸14の戸尻框19の室内側面にも鉤状の係合片64aが長手方向に沿って設けてあり、室内側の戸袋部42を構成する樹脂形材45には鉤状の係合片64bが長手方向に沿って設けてあり、これらの係合片64a,64bにより、引戸14の戸尻框19と戸袋部42との間に、引戸14閉鎖時に係合する係合部65が構成されている。
また、戸本体21の戸先框17の外周側見込面には鉤状の係合片66aが長手方向に沿って設けてあり、戸枠1の戸先側の縦枠28aの内周側面には鉤状の係合片66bが長手方向に沿って設けてあり、これらの係合片66a,66bにより、戸枠1と戸2との間に、戸2閉鎖時に係合する係合部67が構成されている。
次に、図7−2(c)と図8(a)に示すように、機能枠3の被係合部5を戸本体21の係合部4に吊元側から係合させる。このとき、機能枠3の戸先側の被係合部5に設けた切欠き51が戸本体21の係合部4内に設けた落ち止め部材52が係合することで、機能枠3が上下方向に位置決めされる。また、機能枠3の戸先側の縦枠44の室内側に設けたタイト材61bの上端が上框補助材33に設けたタイト材61cに、下端が下框補助材36に設けたタイト材61dにそれぞれ当接する。
その後、図8(b)と図9に示すように、戸2を開けた状態で機能枠3の吊元側の縦枠48に設けた孔57に固定具6の見付片55を挿入し、固定具6の見込片56を戸1の吊元側の見込面58にねじ59で固定する。
本建具は、戸2を開いた状態で固定具6を機能枠3に係脱自在であり、戸2を閉めると固定具6の戸2へのねじ止め部が戸枠1と戸2の間に隠れるので、戸2を開けた状態にすれば機能枠3の着脱が容易に行え、戸2を閉めた状態では機能枠3が不正に取り外されるのを確実に防止できる。
固定具6は、機能枠3に設けた孔57に他方側から差し込んであるので、機能枠3の他方側の縁の位置が誤差等で多少異なっても、孔57への固定具6の差し込み長さが変わるだけで、問題なく固定できる。また、固定具6が機能枠3と別体であることで、運搬がしやすい。
機能枠3は、一方側と他方側が上枠77と下枠78よりも長辺の縦枠44,48になっており、撓みが生じやすい長辺側(縦枠44,48)のみで戸2に取付いており、短辺側(上枠77及び下枠78)を戸2に固定する必要がないので、機能枠3を取付けるための部品を削減でき、機能枠3の取付けが簡単に、しかも強固に行える。
特に本建具は、機能枠3を戸2の吊元側から戸2と係合し、戸2の吊元側の見込面58に固定具6をねじ止めしており、戸2の吊元側は蝶番24で縦枠28bに固定されているので変形しづらいため、固定具6のねじ59を外すことが一層困難であるから、防犯性が向上する。
傾斜面13a,13bは、内ハウジング10と調整具12の何れか一方にだけ設けてもよいが、内ハウジング10と調整具12の両方に傾斜面13a,13bを設け、傾斜面13a,13b同士が当接するようにしたことで、より確実に調整力を面で伝達することができ、安定した調整を行うことができる。
外ハウジング8に見込片73を有し、調整具12の内ハウジング10と反対側の面(上面)が外ハウジング8の見込片73に当接していることで、調整具12に加わる引戸14の荷重を調整ねじ11に負担させることを回避でき、見込片73で引戸14の荷重を負担できるので、安定して引戸14を支持できると共に、調整ねじ11の破損や変形を防止できる。
さらに本吊り戸車7は、車輪9がレール32から外れるのを防ぐ外れ止め69を備え、外れ止め69を固定するねじ74が調整ねじ11と同じ外ハウジング8の室外側の見付面71に設けてあるので、外れ止め69の調整も室外側から行うことができ、都合がよい。
内ハウジング10には、車輪9の左右両側に調整具12と当接する傾斜面13aが設けてあることで、内ハウジング10が両側から安定して支持されるため、調整状態を安定して維持できると共に、引戸14の円滑な開閉を実現できる。
本建具は、引戸14が戸本体21内に組み込まれており、引戸14の全スライド量も100mm程度と小さいため、引戸14の側方から戸車7の車輪9の高さ調整を行うことが困難であるが、この吊り戸車7を採用したことで、戸車7の車輪9の高さ調整が室外側から行えるので、引戸14の設置状況如何にかかわらず車輪9の高さ調整が容易に行える。
本建具は、引戸14の室内側と戸本体21の間にも引戸14閉鎖時に係合する係合部65を有するので、防犯性がさらに向上する。また、このように係合部20,65を設けることで、引戸14のがたつきを抑える効果や、雨水の浸入を防ぐ効果もある。
さらに本建具は、戸2の戸先框17と縦枠28aとの間に、戸2閉鎖時に係合する係合部67が設けてあるので、室外側から戸先框17と縦枠28aの間に針金等を差し込まれて錠15が不正に解錠されることも防止できる。
本建具は、引戸14を室外タイトライン23a,23b,23c,23dと室内タイトライン22a,22b,22c,22dとで室内外から挟み込むことにより、水密性を向上できると共に、引戸14のがたつきを防止する効果がある。
本建具は、機能枠3及び戸本体21と引戸14との間に引き寄せ部材62a,62bを有し、引戸14を閉鎖したときに、室内タイトラン22a,22b,22c,22dを維持したまま、引戸14を室外側に引き寄せて室外タイトライン23a,23b,23c,23dに圧着させるので、水密性がさらに向上している。
本実施形態の建具も、第1実施形態と同様に、機能枠3の一方側(戸先側)をバール等で戸2から外すことが困難であり、機能枠3の他方側(吊元側)の端部には固定具6を有し、固定具6は、戸枠1と戸2の見込面間の隙間に挿入し、戸2の見込面58にねじ止めしてあるため、戸2を閉めた状態では固定具6のねじ59を外すことができないため、機能枠3が不正に取り外されるのを確実に防止できる。
2 戸
3 機能枠
4 係合部
5 被係合部
6 固定具
7 吊り戸車(戸車)
8 外ハウジング
9 車輪
10 内ハウジング
11 調整ねじ
12 調整具
13a,13b 傾斜面
14 引戸
15 錠
16 吊元框(戸の縦框)
17 戸先框(戸の縦框)
18 引戸の戸先框
19 引戸の戸尻框
20 係合部
21 戸本体(引戸枠)
22a,22b,22c,22d 室内タイトライン
23a,23b,23c,23d 室外タイトライン
Claims (2)
- 戸枠と、戸と、機能枠とを備え、戸は、一方側に溝状の係合部を長手方向に有し、機能枠は、一方側に被係合部を長手方向に有し、他方側の端部に固定具を有し、被係合部が係合部と係合して見込方向に位置決めされるとともに、被係合部が係合部内で長手方向に位置決めしてあり、固定具は、戸枠と戸の見込面間の隙間に挿入し、戸の見込面にねじ止めしてあることを特徴とする建具。
- 戸枠と、戸と、機能枠とを備え、戸は、一方側に被係合部を長手方向に有し、機能枠は、一方側に溝状の係合部を長手方向に有し、他方側の端部に固定具を有し、被係合部が係合部と係合して見込方向に位置決めされるとともに、被係合部が係合部内で長手方向に位置決めしてあり、固定具は、戸枠と戸の見込面間の隙間に挿入し、戸の見込面にねじ止めしてあることを特徴とする建具。
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