JP2018104675A - 高分子化合物、組成物、液状組成物、薄膜、並びにエレクトロルミネッセンス素子用材料、及びエレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

高分子化合物、組成物、液状組成物、薄膜、並びにエレクトロルミネッセンス素子用材料、及びエレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高い三重項エネルギー準位と正孔輸送能とを有し、エレクトロルミネッセンス素子における駆動電圧の上昇を抑制できる高分子化合物の提供。【解決手段】主鎖にカルバゾール構造と側鎖に芳香族三級アミン構造を含む特定の高分子材料。【選択図】なし

Description

本発明は、高分子化合物、組成物、液状組成物、薄膜、並びにエレクトロルミネッセンス素子用材料およびエレクトロルミネッセンス素子に関する。
近年、自発光型の発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子(Organic Electroluminescence Device:有機電界発光素子または有機EL素子)を用いた表示装置および照明機器の開発が活発に行われている。
有機エレクトロルミネッセンス素子の材料としては、発光層やキャリア輸送層に種々の低分子系材料や高分子系材料が用いられている。特に、低分子系材料は、素子の効率・寿命の面で優れていることから、低分子系材料においては、数多くの材料が提案され、実用化がモバイル用途で始まっている。しかし、低分子系材料が用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子の最大の課題は、その製造コストである。その解決策として、高分子系材料のような塗布系材料の開発が望まれている。塗布系の高分子系材料としては、正孔輸送材料用のアリールアミンポリマーが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、近年、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体[Ir(ppy)]のような高い発光効率を示す燐光発光材料を用いた、有機エレクトロルミネッセンス素子の開発が盛んになされている。このような発光材料と組み合わせるキャリア輸送材としては、高い三重項エネルギー準位(2.5eV以上)を有するものが望まれている。
しかし、アリールアミンポリマーのような高分子系材料においては、繰り返し単位として十分に高い三重項エネルギー準位を有していても、繰り返し単位の増加により三重項エネルギー準位は低下する。このため、高分子系材料を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した場合、発光効率が低くなる課題があった。このような高分子量化による三重項エネルギー準位の低下を抑制するために、アリール基への置換基導入による主鎖構造の共役を抑制する構造が開示されている(例えば、特許文献3〜5参照)。
特開2016−084370号公報 特表2016−503087号公報 国際公開第2013/191086号 国際公開第2013/191088号 特開2014−065885号公報
しかしながら、従来の高分子化合物では、三重項エネルギー準位を高くするために主鎖構造の共役を切断すると、正孔輸送能が低下するという課題がある。また、従来の高分子化合物では、三重項エネルギー準位を高くすると、エレクトロルミネッセンス素子において駆動電圧が上昇するという課題がある。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、高い三重項エネルギー準位と正孔輸送能とを有し、エレクトロルミネッセンス素子における駆動電圧の上昇を抑制できる、高分子化合物を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、湿式製膜法(塗布法)での成膜に適した高分子化合物を提供することである。
本発明の別の目的は、このような高分子化合物を含むエレクトロルミネッセンス素子用材料(特に正孔輸送材料)、および該材料を用いたエレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の構成単位を有する高分子化合物が上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、上記諸目的は、下記式(1)で表わされる構成単位を含む高分子化合物によって達成できる。
式(1)中、Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の2価の複素環基を表し;
Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上12以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上12以下の2価の複素環基を表し;
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基を表し;
は、単結合または2価の連結基を表し、前記2価の連結基は、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基、置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基、置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基、または置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基および置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基であり;
およびRは、置換基を表し、それぞれ独立して、重水素原子、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上50以下のアリール基、置換されたもしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換されたもしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基を表し、RおよびRが複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよく;
aおよびbは、それぞれ独立して、0以上3以下の整数である。
本発明の一態様によれば、三重項エネルギー準位および正孔輸送能が高い高分子化合物を提供することができる。また、本発明の一態様によれば、エレクトロルミネッセンス素子において、駆動電圧を低減しかつ耐久性を向上させる、高分子化合物を提供することができる。さらに、本発明の一態様に係る高分子化合物は、エレクトロルミネッセンス素子用材料、エレクトロルミネッセンス素子などに好適に用いることができる。
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す模式図である。 実施例9に係る青色量子ドットの構造を示す断面図である。 実施例9に係る青色量子ドットのUV吸収スペクトルを示すグラフである。 実施例9に係る青色量子ドットの蛍光スペクトルを示すグラフである。
本発明の一態様によると、下記式(1)で表わされる構成単位を含む高分子化合物を提供する。
式(1)中、Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の2価の複素環基を表し;
Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上12以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上12以下の2価の複素環基を表し;
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基を表し;
は、単結合または2価の連結基を表し、前記2価の連結基は、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基、置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基、置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基、または置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基および置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基であり;
およびRは、置換基を表し、それぞれ独立して、重水素原子、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上50以下のアリール基、置換されたもしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換されたもしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基を表し、RおよびRが複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよく;
aおよびbは、それぞれ独立して、0以上3以下の整数である。
本明細書において、上記式(1)で表わされる構成単位を、単に「構成単位(1)」と称する。
本明細書中、芳香族炭化水素基の環炭素数とは、炭素原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)を有する化合物において、環自体を構成する炭素原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば、環を構成する炭素の結合手を終端する水素原子)や、環が置換基によって置換される場合、該置換基に含まれる炭素は環炭素数には含まない。たとえば、フェニル基は、環炭素数が6であり、ビフェニル基は、環炭素数が12であり、フルオレニル基は、環炭素数が13である。
本明細書中、複素環基の環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)を有する化合物において、環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば環を構成する原子の結合手を終端する水素原子)や、環が置換基によって置換される場合、該置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。例えば、カルバゾリル基は、環形成原子数が13である。
本明細書中、「2価」または後述の「(2+n)価」の限定がなされていない場合は、芳香族炭化水素基等の有機基(または原子団)の価数が1であるものとする。
本実施形態の高分子化合物は、構成単位(1)を含む高分子化合物であることを特徴とする。
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造は、現在、蒸着法や湿式法により行われている。このうち、蒸着法は蒸着により多層に積層でき、積層によるエネルギーダイアグラムの最適化が容易である。このため、発光効率や寿命の向上、ならびに低駆動電圧化が可能である。しかしその一方で、低い生産性と低い歩留まりが大きな課題となっている。これに対して、湿式法による電界素子の製造では、印刷プロセスが可能であるので、大面積化、高生産性が期待できる。しかしその一方で、積層可能な材料の設計が大きな課題となっている。従来、積層可能な塗布型の正孔輸送材料は、可溶−不溶化制御技術に基づき開発され、大別して、親・疎水性制御型材料、高分子架橋型材料および低分子架橋型材料の3種がある。現在、積層の総数、材料の純度などの観点から、高分子架橋型材料の開発が主流である。しかし、高分子架橋型材料を正孔輸送材料として用いた場合の電気的特性は、構成単位の光学物性への依存性が高く、重要な特性である正孔移動能および三重項エネルギー準位は、分子量依存性が特に大きい。材料の分子量を増加すると正孔移動度は増加する一方で、三重項エネルギー準位は低下する。また、特許文献3〜5に記載の高分子化合物のように、三重項エネルギー準位を高くすると、正孔輸送能が低下し、駆動電圧が上昇する。このため、本発明者らは、高い三重項エネルギー準位を維持しつつ、正孔輸送能の低下を抑制し、かつ駆動電圧の上昇を抑制する手段について鋭意検討を行った。その結果、高分子化合物が上記式(1)で表される構成単位を含むことにより、高い三重項エネルギー準位と正孔輸送能とを有し、駆動電圧の上昇を抑制できることを見出した。
三重項エネルギー準位を高くすると一重項エネルギー準位も高くなるので、正孔注入・輸送に関連するHOMOレベルが深くなり、駆動電圧が上昇する。これに対して、式(1)で表される構成単位は、トリアリールアミン構造がカルバゾール環の1位から4位のいずれかにArを介して結合することにより、三重項エネルギー準位を維持しつつ、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital、最高被占軌道)レベルが深くなるのを抑制することが可能である。
したがって、本実施形態の高分子化合物は、高い三重項エネルギー準位および正孔輸送能を有し、駆動電圧の上昇を抑制できる。
上記メカニズムは推測によるものであり、本発明は上記メカニズムに何ら拘泥されるものではない。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20℃以上25℃以下)および相対湿度40%RH以上50%RH以下の条件で行う。
<高分子化合物>
(式(1)で表される構成単位)
本実施形態の高分子化合物は、構成単位(1)を含む。
ここで、構成単位(1)は、下記式(1)で示される。本実施形態の高分子化合物は、構成単位(1)1種を含むものであっても、または2種以上の構成単位(1)を含むものであってもよい。
上記式(1)中、Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の2価の複素環基を表す。
本明細書中、2価の芳香族炭化水素基および2価の複素環基において、2つの結合手の位置は、特に限定されない。例えばフェニレン基の場合、2つの結合手は、オルト位、メタ位、およびパラ位のいずれであってもよい。
ここで、芳香族炭化水素は、一つ以上の芳香族環を含む炭素環を有する炭化水素を意味する。すなわち、芳香族炭化水素基は、一つ以上の芳香族環を含む炭素環を有する炭化水素由来の基である。また、芳香族炭化水素基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに縮合していてもよい。また、これら芳香族炭化水素基に存在する1以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい。環炭素数6以上30以下の2価の芳香族炭化水素基としては、以下に制限されないが、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、アセナフチレニレン基、フェナレニレン基、フルオレニレン基、アントラキノリレン基、フェナントリレン基、ビフェニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ペンタセニレン基、テトラフェニレニレン基、ヘキサフェニレン基、ヘキサセニレン基、ルビセニレン基、トリナフチレニレン基、ヘプタフェニレン基、ピラントレニレン基等を挙げることができる。
また、複素環は、1個以上のヘテロ原子(例えば、窒素原子(N)、酸素原子(O)、リン原子(P)、硫黄原子(S))を有し、残りの環形成原子が炭素原子(C)から構成される環を意味する。すなわち、複素環基は、1個以上のヘテロ原子(例えば、窒素原子(N)、酸素原子(O)、リン原子(P)、硫黄原子(S))を有し、残りの環形成原子が炭素原子(C)から構成される環由来の基である。また、複素環基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに縮合していてもよい。また、これら複素環基に存在する1以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい。環形成原子数3以上30以下の2価の複素環基としては、以下に制限されないが、ピリジレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリレン基、イソキノリニレン基、ナフチリジニレン基、フタラジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、ピロリレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、インドリレン基、ベンゾイミダゾリレン基、インダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、ベンゾトリアゾリレン基、カルバゾリレン基、フリレン基、チエニレン基、オキサゾリレン基、チアゾリレン基、イソキサゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、チアジアゾリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ベンゾオキサゾリレン基、ベンゾチアゾリレン基、ベンゾイソオキサゾリレン基、ベンゾイソチアゾリレン基、ベンゾオキサジアゾリレン基、ベンゾチアジアゾリレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ピペリジニレン基、ピロリジニレン基、ピペラジニレン基、モルホリレン基、フェナジニレン基、フェノチアジニレン基、フェノキサジニレン基などを挙げることができる。
これらのうち、駆動電圧低減の観点から、Arは、フェニレン基、ビフェニレン基、フルオレニレン基のいずれかであることが好ましく、フェニレン基またはビフェニレン基であることがより好ましい。
Arとしての環炭素数6以上30以下の2価の芳香族炭化水素基または環形成原子数3以上30以下の2価の複素環基が置換基を有する場合、導入される置換基は、特に制限されない。具体的には、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、および複素環基、ならびにこれらの組み合わせなどが挙げられる。なお、2価の芳香族炭化水素基または複素環基が置換基を有する場合、さらに置換された構造がさらに置換される前の基(芳香族炭化水素基もしくは複素環基)と同じになる形態は除外される。例えば、Arがフェニレン基である場合に、該フェニレン基はさらにフェニレン基で置換されることはない(以下同様)。
ここで、上記2価の芳香族炭化水素基または複素環基に導入されてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
また、上記2価の芳香族炭化水素基または複素環基に導入されてもよいアルキル基は、特に制限されないが、炭素数1以上24以下の直鎖または分岐状のアルキル基であり得る。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基などが挙げられる。
上記2価の芳香族炭化水素基または複素環基に導入されてもよいアルコキシ基は、特に制限されないが、炭素数1以上24以下の直鎖または分岐状のアルコキシ基であり得る。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基などが挙げられる。これらのうち、炭素数1以上8以下の直鎖もしくは分岐状のアルコキシ基が好ましい。
上記2価の芳香族炭化水素基または複素環基に導入されてもよい芳香族炭化水素基および複素環基については、それぞれ、上記環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基および環形成原子数3以上30以下の2価の複素環基を1価とする以外は同様の基である。
上記式(1)において、Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上12以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上12以下の2価の複素環基を表す。
上記構成単位(1)において、Arが環炭素数6以上12以下の芳香族炭化水素基または環形成原子数3以上12以下複素環基であることにより、共役サイズが小さくなり、三重項エネルギー準位を高く維持することができる。
環炭素数6以上12以下の2価の芳香族炭化水素基としては、以下に制限されないが、フェニレン基、ビフェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、アセナフチレニレン基、フェナレニレン基等を挙げることができる。
環形成原子数3以上12以下の2価の複素環基としては、以下に制限されないが、ピリジレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリレン基、イソキノリニレン基、ナフチリジニレン基、フタラジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、ピロリレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、インドリレン基、ベンゾイミダゾリレン基、インダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、ベンゾトリアゾリレン基、カルバゾリレン基、フリレン基、チエニレン基、オキサゾリレン基、チアゾリレン基、イソキサゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、チアジアゾリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ベンゾオキサゾリレン基、ベンゾチアゾリレン基、ベンゾイソオキサゾリレン基、ベンゾイソチアゾリレン基、ベンゾオキサジアゾリレン基、ベンゾチアジアゾリレン基、ピペリジニレン基、ピロリジニレン基、ピペラジニレン基、モルホリレン基等を挙げることができる。
これらのうち、発光効率向上の観点から、Arは、フェニレン基およびビフェニレン基のいずれかであることが好ましく、フェニレン基であることがより好ましい。
Arとしての環炭素数6以上12以下の2価の芳香族炭化水素基または環形成原子数3以上12以下の2価の複素環基が置換基を有する場合、導入される置換基は、上記Arにおける置換基と同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。
上記式(1)において、ArおよびArは、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基を表す。ArおよびArは、同一でもまたは相互に異なってもよい。「環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基」および「環形成原子数3以上30以下の複素環基」は、上記Arにおける環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基および環形成原子数3以上30以下の複素環基(2価の基)を1価とする以外は同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。また、環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基または環形成原子数3以上30以下の複素環基が置換基を有する場合、導入される置換基は、上記Arにおける置換基と同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。
ArおよびArは、駆動電圧低減の観点から、ビフェニル基、フルオレニル基およびトリフェニレン基のいずれかであることが好ましく、ビフェニル基またはフルオレニル基であることが好ましい。また、三重項エネルギー準位の観点から、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基およびジベンゾチエニル基のいずれかであることが好ましく、ジベンゾチエニル基またはジベンゾフラニル基であることがより好ましい。
ArまたはArが、置換基を有するフルオレニル基である場合、フルオレニル基は、発光効率向上の観点から、下記のいずれかであることが好ましい。
上記式中、ZおよびZ'は、存在し得る置換基(上記で詳述された置換基)を表し、これらは同一でも異なってもよい。存在し得る置換基としては、溶媒溶解性の観点から、好ましくは炭素数1以上24以下の直鎖または分岐状のアルキル基であり、より好ましくは1以上20以下の直鎖のアルキル基であり、さらに好ましくは1以上8以下の直鎖のアルキル基である。
Ar及びArの具体例を以下に示す。下記において、「*」は、他の構成単位との結合部位である。また、下記において、「Alkyl」は、「無置換又はアルキル基で置換された」ことを意味する。なお、「Alkyl」は、同一のアルキル基でも異なるアルキル基でもよい。
上記式(1)において、Lは、単結合または2価の連結基を表す。ここで、前記2価の連結基は、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基、置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基、置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基、または置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基および置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基である。
において、「環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基」および「環形成原子数3以上30以下の複素環基」は、上記Arにおける環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基および環形成原子数3以上30以下の複素環基と同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。
において、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基、置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基、または置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基および置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基とは、芳香族炭化水素基および複素環基から選択される2個から4個の基が結合してなる2価の基が挙げられる。多重連結基としては、複素環基−芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基−複素環基、芳香族炭化水素基−複素環基−芳香族炭化水素基、複素環基−芳香族炭化水素基−複素環基、芳香族炭化水素基−複素環基−芳香族炭化水素基−複素環基、複素環基−芳香族炭化水素基−複素環基−芳香族炭化水素基等が挙げられる。多重連結基は、好ましくは、前記芳香族炭化水素基と前記複素環基とが1つずつ結合してなる2価の基、つまり複素環基−芳香族炭化水素基、および芳香族炭化水素基−複素環基である。
これらのうち、溶媒溶解性の観点から、Lは、好ましくは単結合、環炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上20以下の複素環基であり、より好ましくは単結合、フェニレン基またはカルバゾリル基であり、さらに好ましくは単結合またはフェニレン基である。
上記式(1)において、RおよびRは、置換基を表し、それぞれ独立して、重水素原子、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上50以下のアリール基、置換されたもしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換されたもしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基を表す。この際、RおよびRは、同一でもまたは相互に異なってもよい。また、Rが複数存在する(すなわち、aが2または3である)場合、Rは互いに同一でも異なってもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。同様にして、Rが複数存在する(すなわち、bが2または3である)場合、Rは、互いに同一でも異なってもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。
ここで、環炭素数6以上50以下のアリール基は、特に制限されず、例えば、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ピラントレニル基などが挙げられる。
炭素数1以上20以下のアルキル基は、特に制限されず、炭素数1以上20以下の直鎖または分岐状のアルキル基であり得る。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基などが挙げられる。
炭素数1以上20以下のアルコキシ基は、特に制限されず、炭素数1以上20以下の直鎖または分岐状のアルコキシ基であり得る。具体的には、メトキシ基、エチキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、tert−ペントキシ基、ネオペントキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、1−イソプロピルプロポキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基、2−メチル−1−イソプロピルプロポキシ基、1−エチル−3−メチルブトキシ基、n−オクチル基オキシ、2−エチルヘキシルオキシ基、3−メチル−1−イソプロピルブトキシ基、2−メチル−1−イソプロポキシ基、1−tert−ブチル−2−メチルプロポキシ基、n−ノニルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、イソデシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、1−メチルデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基などが挙げられる。
環形成原子数3以上30以下の複素環基は、上記Arにおける環形成原子数3以上30以下の複素環基(2価の基)を1価とする以外は同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。
また、RおよびRにおいて、アリール基、アルキル基、アルコキシ基および複素環基が置換基を有する場合、導入される置換基は、上記Arにおける置換基と同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。
aは、置換基「R」がカルバゾール環に結合する数を表し、0以上3以下の整数である。aは、好ましくは0以上2以下であり、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である(置換基「R」が存在しない)。
bは、置換基「R」がカルバゾール環に結合する数を表し、0以上3以下の整数である。bは、好ましくは0以上2以下であり、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である(置換基「R」が存在しない)。
本実施形態において、式(1)で表される構成単位は、三重項エネルギー準位および正孔輸送能のさらなる向上ならびに駆動電圧のさらなる低下の観点から、好ましくは下記式(1−1)〜(1−4)で表される構成単位から選択され、より好ましくは下記式(1−1−a)〜(1−1−r)、(1−2−a)〜(1−2−l)、(1−3−a)〜(1−3−l)および(1−4−a)〜(1−4−l)で表される構成単位から選択され、さらに好ましくは下記式(1−1−a)〜(1−1−r)で表される構成単位から選択される。下記において、「Alkyl」は、「無置換又はアルキル基で置換された」ことを意味する。
上記式(1−1−a)〜(1−1−r)において、「Alkyl」は、「アルキル基で置換された」ことを意味する。該アルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。また、「Alkyl」は、同一のアルキル基でも異なるアルキル基でもよい。
本実施形態の高分子化合物における構成単位(1)の組成は、特に制限されない。得られる高分子化合物を用いて形成した層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層)の正孔輸送能のさらなる向上効果などを考慮すると、構成単位(1)は、高分子化合物を構成する全構成単位数に対して、好ましくは40%以上95%以下、より好ましくは40%以上90%以下である。なお、高分子化合物が2種以上の構成単位(1)を含む場合には、上記構成単位(1)の含有量は、構成単位(1)の合計量を意味する。
(式(2)で表される構成単位)
本実施形態の高分子化合物は、さらに下記式(2)で表される構成単位を含んでもよい。本明細書において、下記式(2)で表わされる構成単位を、単に「構成単位(2)」と称する。
構成単位(2)は架橋性基を有しているため、構成単位(2)を有する高分子化合物は、成膜を容易に行うことができる。なお、本実施形態の高分子化合物は、構成単位(2)1種を含むものであっても、または2種以上の構成単位(2)を含むものであってもよい。好ましくは、本実施形態の高分子化合物は、2種以上(より好ましくは2種または3種、特に好ましくは2種)の構成単位(2)を含む。
上記式(2)中、Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の(2+n)価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の(2+n)価の複素環基を表す。ここで、「環炭素数6以上30以下の(2+n)価の芳香族炭化水素基」および「環形成原子数3以上30以下の(2+n)価の複素環基」は、上記式(1)中のArにおける環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基および環形成原子数3以上30以下の複素環基(2価の基)を(2+n)価とする以外は、同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。これらのうち、得られる高分子化合物による成膜容易性、被膜強度のさらなる向上効果などを考慮すると、Arは、フルオレンジイル基またはフェニレン基であることが好ましく、フルオレンジイル基であることがより好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態によると、Arは、フルオレンジイル基またはフェニレン基である。また、本発明のより好ましい形態によると、Arは、フルオレンジイル基である。ここで、Arとしてのフルオレンジイル基は、下記のいずれかを表す。下記において、ZおよびZ'は、式:−L−Qで示される基を表し、これらは同一でも異なってもよい。
これらのうち、フルオレンジイル基は、下記構造を有することが好ましい。
Arの規定において、「芳香族炭化水素基または複素環基に存在し得る置換基」は、上記式(1)中のArにおける置換基と同様の定義であるために、ここでは説明を省略する。
上記式(2)中、Lは、単結合、置換されたもしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキレン基、または置換されたもしくは非置換のフェニレン基を表す。また、nは、1以上の整数である。ここで、Lが複数存在する(nが2以上の整数である)場合、それらは同一でも異なってもよい。
ここで、「炭素数1以上20以下のアルキレン基」は、上記式(1)中のRおよびRにおける炭素数1以上20以下のアルキル基を2価とする以外は、同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。これらのうち、Lは、炭素数1以上8以下の直鎖もしくは分岐状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基であることがより好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。また、Lの規定において、「アルキレン基またはフェニレン基に存在し得る置換基」は、上記式(1)中のArにおける置換基と同様の定義であるために、ここでは説明を省略する。
得られる高分子化合物による成膜容易性、被膜強度のさらなる向上効果などを考慮すると、Lは、単結合または炭素数1以上8以下の直鎖もしくは分岐状のアルキレン基であることが好ましく、単結合または炭素数1以上6以下の直鎖もしくは分岐状のアルキレン基であることがより好ましい。
上記式(2)中、Qは1価の架橋性基を表す。ここで、Qが複数存在する(nが2以上の整数である)場合、それらは同一でも異なってもよい。
架橋性基は、熱や活性エネルギー線による架橋反応を誘導できる基であれば特に制限されないが、得られる高分子化合物による成膜容易性、被膜強度のさらなる向上効果などを考慮すると、下記構造が好ましく挙げられる。すなわち、本発明の好ましい形態によると、上記式(2)中、上記架橋性基Qは、下記架橋性基群から選択される。
上記架橋性基群において、R10〜R16は、それぞれ独立して、水素原子または置換されたもしくは非置換の炭素数1以上10以下のアルキル基を表し、pは、1以上10以下の整数である。
炭素数1以上10以下のアルキル基は、特に制限されないが、炭素数1以上10以下の直鎖または分岐状のアルキル基であり得る。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基などが挙げられる。これらのうち、R10〜R16は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上5以下の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素数1以上3以下の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。また、「アルキル基に存在し得る置換基」は、上記式(1)中のArにおける置換基と同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。
これらのうち、架橋反応性(架橋容易性、成膜容易性)、架橋構造の安定性、電気化学的安定性などを考慮すると、下記構造のベンゾシクロブテン環由来の基(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基)またはビニル基(−CH=CH)が好ましい。また、架橋反応性(架橋容易性)などの観点から、エポキシ基、オキセタン基などの環状エーテル基、ビニルエーテル基が好ましい。
上記式(2)において、nは、1以上の整数であり、Arによって一義的に規定される。すなわち、nは、1以上3以下の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましく、2であることが特に好ましい。
すなわち、構成単位(2)は、下記いずれかの構造を有することが好ましい。
本実施形態の高分子化合物における構成単位(2)の組成は、特に制限されない。得られる高分子化合物による成膜容易性、被膜強度のさらなる向上効果などを考慮すると、構成単位(2)は、高分子化合物を構成する全構成単位数に対して、好ましくは1%以上15%以下、より好ましくは1%以上10%以下である。なお、高分子化合物が2種以上の構成単位(2)を含む場合には、上記構成単位(2)の含有量は、構成単位(2)の合計量を意味する。
(式(3)で表される構成単位)
本実施形態の高分子化合物は、さらに下記式(3)で表される構成単位を含んでもよい。本明細書において、下記式(3)で表わされる構成単位を、単に「構成単位(3)」と称する。
構成単位(3)を有する高分子化合物は、溶媒溶解性に優れる。このため、このような構成単位(3)を有する高分子化合物を用いることにより、塗布法によって成膜を容易に行うことができる。なお、本実施形態の高分子化合物は、構成単位(3)1種を含むものであっても、または2種以上の構成単位(3)を含むものであってもよい。
上記式(3)中、Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の2価の複素環基を表す。ここで、「環炭素数6以上30以下の2価の芳香族炭化水素基」および「環形成原子数3以上30以下の2価の複素環基」は、上記式(1)中のArにおける環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基および環形成原子数3以上30以下の複素環基と同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。
Arは、溶剤溶解性のさらなる向上を考慮すると、フェニレン基またはフルオレニレン基であることが好ましく、フェニレン基であることがより好ましい。
また、Arの規定において、「芳香族炭化水素基または芳香族複素環基に存在し得る置換基」は、上記式(1)中のArにおける置換基と同様の定義であるために、ここでは説明を省略する。これらのうち、得られる高分子化合物の溶媒溶解性のさらなる向上効果などを考慮すると、置換基は、炭素数1以上20以下の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であることが好ましく、炭素数3以上10以下の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であることがより好ましい。
すなわち、構成単位(3)は、下記いずれかの構造を有することが好ましい。なお、下記において、「Alkyl」は、「アルキル基で置換された」ことを意味する。また、「Alkyl」は、同一のアルキル基でも異なるアルキル基でもよい。
本実施形態の高分子化合物における構成単位(3)の組成は、特に制限されない。得られる高分子化合物の溶媒溶解性のさらなる向上効果などを考慮すると、構成単位(3)は、高分子化合物を構成する全構成単位数に対して、好ましくは1%以上50%以下、より好ましくは10%以上50%以下である。なお、高分子化合物が2種以上の構成単位(3)を含む場合には、上記構成単位(3)の含有量は、構成単位(3)の合計量を意味する。
本実施形態の高分子化合物は、構成単位(1)のみで構成されてもよい。また、本実施形態の高分子化合物は、構成単位(1)に加えて、構成単位(2)および/または構成単位(3)から構成され得る(すなわち、構成単位(1)と、構成単位(2)および/または構成単位(3)との、2元または3元共重合体である)が、構成単位(1)、(2)および(3)から構成される(すなわち、構成単位(1)、(2)および(3)の3元共重合体である)ことが好ましい。本実施形態の高分子化合物が3元共重合体である場合、高分子化合物における各構成単位の組成は、高分子化合物を構成する全構成単位数に対して、構成単位(1)は、40%以上95%以下であり、構成単位(2)は、5%以上15%以下であり、構成単位(3)は、5%以上50%以下である。ここで、構成単位(1)〜(3)の合計組成は、100%である。
また、高分子化合物の構造は特に制限されず、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
本実施形態に係る高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は、本発明の目的効果が得られる限りにおいて、特に制限されるものではない。重量平均分子量(Mw)は、例えば、10,000以上500,000以下であることが好ましく、20,000以上350,000以下であることがより好ましい。このような重量平均分子量であれば、高分子化合物を用いて層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層)を形成するための塗布液の粘度を適切に調節して、均一な膜厚の層を形成することが可能である。
また、本実施形態に係る高分子化合物の数平均分子量(Mn)は、本発明の目的効果が得られる限りにおいて、特に制限されるものではない。数平均分子量(Mn)は、例えば、10,000以上500,000以下であることが好ましく、より好ましくは20,000以上200,000以下である。このような数平均分子量であれば、高分子化合物を用いて層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層)を形成するための塗布液の粘度を適切に調節して、均一な膜厚の層を形成することが可能である。また、本実施形態の高分子化合物の多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、例えば、1.5以上5.0以下、好ましくは1.6以上4.5以下である。
ここで、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、特に制限されず、公知の方法を用いてまたは公知の方法を適宜修飾して適用できる。本明細書では、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、下記方法により測定される値を採用するものとする。
(数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)の測定)
高分子化合物の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質として用いて、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー:Gel Permeation Chromatography)により、下記条件で測定する。
・分析装置(GPC):株式会社島津製作所製、Prominence
・カラム:ポリマーラボラトリーズ社製PLgel MIXED−B
・カラム温度:40℃
・流量:1.0mL/min
・試料溶液の注入量:20μL(濃度:約0.05質量%)
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・検出器:UV−VIS検出器(株式会社島津製作所製、SPD−10AV)
・標準試料:ポリスチレン。
本実施形態の高分子化合物の主鎖の末端は、特に制限されず、使用される原料の種類によって適宜規定されるが、通常、水素原子である。
本実施形態の高分子化合物は、公知の有機合成方法を用いることで合成することが可能である。本実施形態の高分子化合物の具体的な合成方法は、後述する実施例を参照した当業者であれば、容易に理解することが可能である。具体的には、本実施形態の高分子化合物は、下記式(4)で示される1種以上の単量体(1)を用いた重合反応により、または下記式(4)で示される1種以上の単量体(1)ならびに下記式(5)で示される1種以上の単量体(2)および/もしくは下記式(6)で示される1種以上の単量体(3)を用いた共重合反応により製造することができる。なお、高分子化合物の重合に用いられる上記単量体は、公知の合成反応を適宜組み合わせて合成ことができ、その構造も、公知の方法(例えば、NMRやLC−MS等)により確認できる。
上記式(4)〜(6)中、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、L、L、Q、a、bおよびnは、上記式(1)〜(3)におけるのと同様の定義であり;Y〜Yは、それぞれ独立して、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、特に臭素原子)または下記構造の基(構造中、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1以上3以下のアルキル基である)である。
本実施形態の高分子化合物は、構成単位(1)を有する。このため、高い三重項エネルギー準位を有し、かつ低い駆動電圧を有する。また、本実施形態に係る高分子化合物を正孔注入材料または正孔輸送材料(特に正孔輸送材料)として使用する場合には、電流密度を向上できる。さらに、本実施形態の高分子化合物を有機エレクトロルミネッセンス素子に用いる場合には、高い電荷移動度が達成される。このため、特に本実施形態の高分子化合物を正孔輸送材料として使用する場合には、電子に対しての劣化影響を小さくして、素子寿命(駆動寿命)を向上できる。ゆえに、本実施形態に係る高分子化合物を用いる有機エレクトロルミネッセンス素子は発光効率および耐久性に優れる。さらに、本実施形態の高分子化合物は架橋性基を有する構成単位(2)を有するため、塗布膜安定性を向上できる。本実施形態の高分子化合物は構成単位(3)を有する場合には、溶媒溶解性をさらに向上できる。このため、有機エレクトロルミネッセンス素子を積層構造で形成した場合の発光特性および安定性を向上させることができる。
<有機エレクトロルミネッセンス素子用材料>
本実施形態に係る高分子化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として好適に用いられる。本実施形態に係る高分子化合物によれば、高い三重項エネルギー準位(優れた電流効率)、高い電荷移動度、低い駆動電圧および優れた耐久性を有する有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が提供される。また、高分子化合物の高分子主鎖(式(1)の構成単位)は適切なフレキシビリティーを有する。このため、高分子化合物は、溶媒への高い溶解性および高い耐熱性を示すため、湿式(塗布)法により容易に成膜(薄膜化)できる。
したがって、本実施形態では、本実施形態の高分子化合物の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料としての使用が提供される。すなわち、本実施形態では、本実施形態の高分子化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を提供する。本発明の目的(または効果)は、このような本実施形態に係るエレクトロルミネッセンス素子用材料によっても達成できる。なお、本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、本発明に係るエレクトロルミネッセンス素子用材料の一例である。
また、一対の電極と、該電極間に配置され、本実施形態の高分子化合物を含む1層以上の有機層と、を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。本発明の目的(または効果)は、このような本実施形態に係るエレクトロルミネッセンス素子によっても達成できる。上記態様の好ましい形態としては、有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記電極間に配置され、三重項励起子からの発光が可能な発光材料を含む発光層をさらに備える。なお、本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子は、本発明に係るエレクトロルミネッセンス素子の一例である。
さらに、本実施形態は、一対の電極と、該電極間に配置され、本実施形態の高分子化合物を含む1層以上の有機層と、を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、上記有機層のうち少なくとも1層を塗布法により形成する、方法を提供する。また、このような方法により、本実施形態は、上記有機層のうち少なくとも1層が塗布法により形成される、エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、有機溶媒に対する溶解性に優れるため、塗布法(ウェットプロセス)による素子(特に薄膜)の製造に特に好適に用いられる。このため、本実施形態は、本実施形態の高分子化合物と、溶媒または分散媒と、を含有する液状組成物を提供する。このような液状組成物は、本発明に係る液状組成物の一例である。
また、上記のように実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が、塗布法(ウェットプロセス)による素子(特に薄膜)の製造に好適に用いられる観点から、本実施形態は、本実施形態の高分子化合物を含有する薄膜を提供する。このような薄膜は、本発明に係る薄膜の一例である。
また、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、電荷移動度に優れるため、正孔注入材料、正孔輸送材料、および/または発光材料(ホスト)等のいずれの有機膜の形成においても好適に利用され得るが、正孔の輸送性の観点から、正孔注入材料および/または正孔輸送材料として好適に用いられ、正孔輸送材料として特に好適に用いられる。
すなわち、本実施形態は、高分子化合物と、正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料と、を含有する組成物を提供する。ここで、組成物に含まれる発光材料は、特に制限されないが、発光性有機金属錯体化合物を含有し得る。また、このような発光材料は、無機ナノ粒子を含有するものでもよい。
<有機エレクトロルミネッセンス素子>
以下では、図1を参照して、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す模式図である。なお、本明細書において、「有機エレクトロルミネッセンス素子」は「有機EL素子」と省略する場合がある。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL素子100は、基板110と、基板110上に配置された第1電極120と、第1電極120上に配置された正孔注入層130と、正孔注入層130上に配置された正孔輸送層140と、正孔輸送層140上に配置された発光層150と、発光層150上に配置された電子輸送層160と、電子輸送層160上に配置された電子注入層170と、電子注入層170上に配置された第2電極180とを備える。
ここで、本実施形態の高分子化合物は、例えば、第1電極120と第2電極180との間に配置されたいずれかの有機層中に含まれる。具体的には、高分子化合物は、正孔注入層として正孔注入層130または正孔輸送材料として正孔輸送層140または発光層材料(ホスト)として発光層150に含まれることが好ましく、正孔注入層として正孔注入層130にまたは正孔輸送材料として正孔輸送層140に含まれることがより好ましく、正孔輸送材料として正孔輸送層140に含まれることが特に好ましい。
また、本実施形態の高分子化合物を含む有機層は、塗布法(溶液塗布法)によって形成される。具体的には、高分子化合物を含む有機層は、スピンコート(spin coat)法、キャスティング(casting)法、マイクログラビアコート(micro gravure coat)法、グラビアコート(gravure coat)法、バーコート(bar coat)法、ロールコート(roll coat)法、ワイアーバーコード(wire bar coat)法、ディップコート(dip coat)法、スプレーコート(spry coat)法、スクリーン(screen)印刷法、フレキソ(flexographic)印刷法、オフセット(offset)印刷法、インクジェット(ink jet)印刷法等の溶液塗布法を用いて成膜される。
なお、溶液塗布法に使用する溶媒は、高分子化合物を溶解することができるものであれば、どのような溶媒でも使用することができ、使用する高分子化合物の種類によって適宜選択できる。例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メチシレン、プロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジメトキシベンゼン、アニソール、エトキシトルエン、フェノキシトルエン、イソプロピルビフェニル、ジメチルアニソール、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル等が例示できる。また、溶媒の使用量は、特に制限されないが、塗布容易性などを考慮すると、高分子化合物の濃度が、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下程度となるような量である。
なお、高分子化合物を含む有機層以外の層の成膜方法については、特に限定されない。本実施形態の高分子化合物を含む有機層以外の層は、例えば、真空蒸着法にて成膜されてもよく、溶液塗布法にて成膜されてもよい。
基板110は、一般的な有機EL素子で使用される基板を使用することができる。例えば、基板110は、ガラス(glass)基板、シリコン(silicon)基板などの半導体基板、または透明なプラスチック(plastic)基板等であってもよい。
基板110上には、第1電極120が形成される。第1電極120は、具体的には、陽極であり、金属、合金、または導電性化合物等のうち仕事関数が大きいものによって形成される。例えば、第1電極120は、透明性および導電性に優れる酸化インジウムスズ(In−SnO:ITO)、酸化インジウム亜鉛(In−ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等によって透過型電極として形成されてもよい。また、第1電極120は、上記透明導電膜に対して、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などを積層することによって反射型電極として形成されてもよい。
第1電極120上には、正孔注入層130が形成される。正孔注入層130は、第1電極120からの正孔の注入を容易にする層であり、具体的には、約10nm以上約1000nm以下、より具体的には、約10nm以上約100nm以下の厚さにて形成されてもよい。
正孔注入層130は、公知の正孔注入材料にて形成することができる。正孔注入層130を形成する公知の正孔注入材料としては、例えば、トリフェニルアミン含有ポリエーテルケトン(poly(ether ketone)−containg triphenylamine:TPAPEK)、4−イソプロピル−4'−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(4−isopropyl−4'−methyldiphenyliodonium tetrakis(pentafluorophenyl)borate:PPBI)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4'−ジアミン(N,N'−diphenyl−N,N'−bis−[4−(phenyl−m−tolyl−amino)−phenyl]−biphenyl−4,4'−diamine:DNTPD)、銅フタロシアニン(copper phthalocyanine)、4,4',4"−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4',4"−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylamine:m−MTDATA)、N,N'−ジ(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(N,N'−di(1−naphthyl)−N,N'−diphenylbenzidine:NPB)、4,4',4"−トリス(ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4',4"−tris(diphenylamino)triphenylamine:TDATA)、4,4',4"−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4',4"−tris(N,N−2−naphthylphenylamino)triphenylamine:2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(polyaniline/dodecylbenzenesulphonic acid)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)(poly(3,4−ethylenedioxythiophene)/poly(4−styrenesulfonate))、およびポリアニリン/10−カンファースルホン酸(polyaniline/10−camphorsulfonic acid)等を挙げることができる。
正孔注入層130上には、正孔輸送層140が形成される。正孔輸送層140は、正孔を輸送する機能を備えた層であり、例えば、約10nm以上約150nm以下の厚さにて形成されてもよい。正孔輸送層140は、本実施形態の高分子化合物を用いて溶液塗布法によって成膜されることが好ましい。この方法によれば、有機EL素子100の電流効率および駆動寿命を向上させることが可能な高分子化合物を効率的に大面積にて成膜することができる。
ただし、有機EL素子100のいずれかの他の有機層が本実施形態の高分子化合物を含む場合、正孔輸送層140は、公知の正孔輸送材料にて形成されてもよい。公知の正孔輸送材料としては、例えば、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(1,1−bis[(di−4−tolylamino)phenyl]cyclohexane:TAPC)、N−フェニルカルバゾール(N−phenylcarbazole)およびポリビニルカルバゾール(polyvinylcarbazole)などのカルバゾール(carbazole)誘導体、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4'−ジアミン(N,N'−bis(3−methylphenyl)−N,N'−diphenyl−[1,1−biphenyl]−4,4'−diamine:TPD)、4,4',4"−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(4,4',4"−tris(N−carbazolyl)triphenylamine:TCTA)、ならびにN,N'−ジ(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(N,N'−di(1−naphthyl)−N,N'−diphenylbenzidine:NPB)等を挙げることができる。
正孔輸送層140上には、発光層150が形成される。発光層150は、蛍光、りん光等によって光を発する層であり、真空蒸着法、スピンコーティング法、インクジェット法などを用いて形成される。発光層150は、例えば、約10nm以上約60nm以下の厚さにて形成されてもよい。発光層150の発光材料としては、公知の発光材料を用いることができる。ただし、発光層150に含まれる発光材料は、三重項励起子からの発光(すなわち、りん光発光)が可能な発光材料であることが好ましい。このような場合、有機EL素子100の駆動寿命をさらに向上させることができる。
発光層150は、ホスト材料として、例えば、6,9−ジフェニル−9'−(5'−フェニル−[1,1':3',1"−ターフェニル]−3−イル)3,3'−ビ[9H−カルバゾール]、3,9−ジフェニル−5−(3−(4−フェニル−6−(5'−フェニル−[1,1':3',1"−ターフェニル]−3−イル)−1,3,5,−トリアジン−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール、9,9'−ジフェニル−3,3'−ビ[9H−カルバゾール]、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(tris(8−quinolinato)aluminium:Alq3)、4,4'−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(4,4'−bis(carbazol−9−yl)biphenyl:CBP)、ポリ(n−ビニルカルバゾール)(poly(n−vinyl carbazole):PVK)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(9,10−di(naphthalene)anthracene:ADN)、4,4',4"−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(4,4',4"−tris(N−carbazolyl)triphenylamine:TCTA)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(1,3,5−tris(N−phenyl−benzimidazol−2−yl)benzene:TPBI)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(3−tert−butyl−9,10−di(naphth−2−yl)anthracene:TBADN)、ジスチリルアリーレン(distyrylarylene:DSA)、4,4'−ビス(9−カルバゾール)−2,2'−ジメチル−ビフェニル(4,4'−bis(9−carbazole)2,2'−dimethyl−bipheny:dmCBP)などを含んでもよい。
また、発光層150は、ドーパント材料として、例えば、ペリレン(perylene)およびその誘導体、ルブレン(rubrene)およびその誘導体、クマリン(coumarin)およびその誘導体、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(4−dicyanomethylene−2−(pdimethylaminostyryl)−6−methyl−4H−pyran:DCM)およびその誘導体、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジネート]ピコリネートイリジウム(III)(bis[2−(4,6−difluorophenyl)pyridinate]picolinate iridium(III):FIrpic)、ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(bis(1−phenylisoquinoline)(acetylacetonate)iridium(III):Ir(piq)2(acac))、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(tris(2−phenylpyridine)iridium(III):Ir(ppy)3)、トリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジンイリジウム(III)などイリジウム(Ir)錯体、オスミウム(Os)錯体、白金錯体などを含んでもよい。これらのうち、発光材料が発光性有機金属錯体化合物であることが好ましい。
発光層150上には、電子輸送層160が形成される。電子輸送層160は、電子を輸送する機能を備えた層であり、真空蒸着法、スピンコーティング法、インクジェット法などを用いて形成される。電子輸送層160は、例えば、約15nm以上約50nm以下の厚さにて形成されてもよい。
電子輸送層160は、公知の電子輸送材料にて形成されてもよい。公知の電子輸送材料としては、例えば、(8−キノリノラト)リチウム(Liq)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(tris(8−quinolinato)aluminium:Alq3)、および含窒素芳香環を有する化合物等を挙げることができる。含窒素芳香環を有する化合物の具体例としては、例えば、1,3,5−トリ[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン(1,3,5−tri[(3−pyridyl)−phen−3−yl]benzene)のようなピリジン(pyridine)環を含む化合物、2,4,6−トリス(3'−(ピリジン−3−イル)ビフェニル−3−イル)−1,3,5−トリアジン(2,4,6−tris(3'−(pyridin−3−yl)biphenyl−3−yl)−1,3,5−triazine)のようなトリアジン(triazine)環を含む化合物、2−(4−(N−フェニルベンゾイニダゾリル−1−イル−フェニル)−9,10−ジナフチルアントラセン(2−(4−(N−phenylbenzoimidazolyl−1−yl−phenyl)−9,10−dinaphthylanthracene)のようなイミダゾール(imidazole)環を含む化合物等を挙げることができる。
電子輸送層160上には、電子注入層170が形成される。電子注入層170は、第2電極180からの電子の注入を容易にする機能を備えた層であり、真空蒸着法などを用いて形成される。電子注入層170は、約0.3nm以上約9nm以下の厚さにて形成されてもよい。電子注入層170は、電子注入層170を形成する材料として公知の材料ならば、いずれも使用することができる。例えば、電子注入層170は、(8−キノリノラト)リチウム((8−quinolinato)lithium:Liq)およびフッ化リチウム(LiF)等のリチウム(lithium)化合物、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化セシウム(CsF)、酸化リチウム(LiO)、または酸化バリウム(BaO)等にて形成されてもよい。
電子注入層170上には、第2電極180が形成される。第2電極180は、具体的には、陰極であり、金属、合金、または導電性化合物等のうち仕事関数が小さいものによって形成される。例えば、第2電極180は、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)等の金属、またはアルミニウム−リチウム(Al−Li)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)等の合金で反射型電極として形成されてもよい。また、第2電極180は、上記金属材料の20nm以下の薄膜、酸化インジウムスズ(In−SnO)および酸化インジウム亜鉛(In−ZnO)などの透明導電膜によって透過型電極として形成されてもよい。
以上、本発明に係るエレクトロルミネッセンス素子の一例として、本実施形態に係る有機EL素子100について説明した。本実施形態に係る有機EL素子100は、高分子化合物を含む有機層を有することにより、電流密度および駆動寿命をより向上させることができる。
なお、本実施形態に係る有機EL素子100の積層構造は、上記例示に限定されない。本実施形態に係る有機EL素子100は、他の公知の積層構造にて形成されてもよい。例えば、有機EL素子100は、正孔注入層130、正孔輸送層140、電子輸送層160および電子注入層170のうちの1層以上が省略されてもよく、また、追加で他の層を備えていてもよい。また、有機EL素子100の各層は、それぞれ単層で形成されてもよく、複数層で形成されてもよい。
例えば、有機EL素子100は、励起子または正孔が電子輸送層160に拡散することを防止するために、正孔輸送層140と発光層150との間に正孔阻止層をさらに備えていてもよい。なお、正孔阻止層は、例えば、オキサジアゾール(oxadiazole)誘導体、トリアゾール(triazole)誘導体、または、フェナントロリン(phenanthroline)誘導体等によって形成することができる。
<有機エレクトロルミネッセンス素子以外のエレクトロルミネッセンス素子>
本実施形態に係る高分子化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)以外のエレクトロルミネッセンス素子に適用することができる。本実施形態に係る高分子化合物を適用することが可能な有機EL素子以外のエレクトロルミネッセンス素子としては、特に限定されないが、例えば、量子ドット発光素子または量子点発光素子(例えば、特開2010−199067号公報参照)、有機無機ペロブスカイト発光素子等が挙げられる。
以下、有機EL素子以外のエレクトロルミネッセンス素子の一例として、量子ドット発光素子について説明する。量子ドット発光素子は、有機EL素子100の発光層150の代わりに、量子ドット発光層を形成することにより、作製することができる。
量子ドット発光層は、多数の量子ドットが単一層または複数層に配列されたものである。ここで、量子ドットは、量子拘束効果を持つ所定サイズの粒子をいう。量子ドットの直径は、1nm〜10nm程度である。なお、この量子ドットは、本発明に係る高分子化合物を含有する組成物において、発光材料に含まれる無機ナノ粒子の一例である。
量子ドット発光層に配列される量子ドットは、ウェット化学工程、有機金属化学蒸着工程、分子線エピタキシー工程または他の類似した工程等により合成することができる。中でも、ウェット化学工程は、有機溶媒に前駆体物質を入れて粒子を成長させる方法である。
このウェット化学工程では、結晶が成長する際に、有機溶媒が自然に量子ドット結晶の表面に配位されて、分散剤の役割を果たすことで、結晶の成長が調節される。そのため、ウェット化学工程では、有機金属化学蒸着(MOCVD、Metal Organic Chemical Vapor Deposition)や、分子線エピタキシー(MBE、Molecular Beam Epitaxy)などの気相蒸着法に比べて、容易かつ低コストで、無機ナノ粒子の成長を制御することができる。
量子ドットは、そのサイズを調節することによって、エネルギーバンドギャップを調節できるようになり、量子ドット発光層で多様な波長帯の光を得ることができる。したがって、複数の異なるサイズの量子ドットを使用することで、複数波長の光を出射(または発光)するディスプレイを可能にする。量子ドットのサイズは、カラーディスプレイを構成できるように、赤色、緑色、青色光が出射されるように選択できる。また、量子ドットのサイズは、多様なカラー光が白色光を出射するように組み合わせられる。
このような、量子ドットとしては、II−VI族半導体化合物;III−V族半導体化合物;IV−VI族半導体化合物;IV族元素または化合物;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される半導体物質等を用いることができる。
II−VI族半導体化合物は、特に限定されないが、例えば、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される二元素化合物;CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe及びこれらの混合物からなる群から選択される三元素化合物;及びCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される四元素化合物からなる群から選択される。
III−V族半導体化合物は、特に限定されないが、例えば、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、及びこれらの混合物からなる群から選択される二元素化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、及びこれらの混合物からなる群から選択される三元素化合物;及びGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、及びこれらの混合物からなる群から選択される四元素化合物からなる群から選択される。
IV−VI族半導体化合物は、特に限定されないが、例えば、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される二元素化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される三元素化合物;及びSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される四元素化合物からなる群から選択されることができる。
IV族元素または化合物は、特に限定されないが、例えば、Si、Ge、及びこれらの混合物からなる群から選択される一元素化合物;及びSiC、SiGe、及びこれらの混合物からなる群から選択される二元素化合物からなる群から選択される。
量子ドットは、均質な単一構造またはコア・シェルの二重構造を持つことができる。コア・シェルは相異なる物質を含むことができる。それぞれのコアとシェルとを構成する物質は、相異なる半導体化合物からなり得る。ただし、シェル物質のエネルギーバンドギャップは、コア物質のエネルギーバンドギャップより大きい。
例えば、コア(CdSe)・シェル(ZnS)構造を持つ量子ドットを作製する場合を説明する。まず、界面活性剤として、TOPO(trioctylphosphine oxide)を使用した有機溶媒に、(CHCd(dimethylcadmium)、TOPSe(trioctylphosphine selenide)などのコア(CdSe)の前駆体物質を注入して結晶を生成させる。このとき、結晶が一定のサイズに成長するように高温で一定時間維持した後、シェル(ZnS)の前駆体物質を注入して、既に生成されたコアの表面にシェルを形成させる。これによって、TOPOでキャッピングされたCdSe/ZnSの量子ドットを作製することができる。
このように、本実施形態に係る高分子化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)以外のエレクトロルミネッセンス素子にも好適に用いることができる。
以下、本発明について、さらに詳細な実施例に基づいて説明する。なお、以下において、「%」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験および評価は、下記に従った。
[合成例1]化合物1の合成
アルゴン雰囲気下、300mLフラスコ中に、1,4−ジヘキシル−2,5−ジブロモベンゼン(8.08g、20.0mmol)、ビス(ピナコレートジボロン)(12.19g、48.0mmol)、PdCl(dppf)(0.98g、1.2mmol)、酢酸カリウム(11.78g、120.0mmol)、および脱水1,4−ジオキサン(100mL)を混合し、加熱還流下で6時間撹拌した。
反応終了後、室温まで冷却し、トルエンおよび水を加えて分液し、水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムおよび活性炭を加え、撹拌した後、セライト(Celite:登録商標)でろ過した。ろ液を濃縮し、粗生成物を得た(11.94g)。ヘキサンで再結晶し、メタノールで結晶を洗浄した。得られた結晶を減圧乾燥させることにより、4.23gの白色針状結晶(化合物1)を得た(収率42%)。得られた化合物1の構造は、核磁気共鳴装置(H−NMR)によって同定した。
[合成例2]化合物2の合成
アルゴン雰囲気下、500mLの4つ口フラスコ中で、2,7−ジブロモフルオレン(22.7g、70.0mmol)、5−ブロモ−1−ペンテン(21.9g、147.0mmol)、水酸化カリウム(16.7g、297.6mmol)、ヨウ化カリウム(1.2g、7.2mmol)およびジメチルスルホキシド(DMSO)(170mL)を混合し、80℃にて4時間加熱撹拌した。
反応終了後、室温まで冷却し、水(300mL)およびトルエン(300mL)を加えて分液した後、得られた有機層を飽和食塩水(300ml)で5回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶にて精製することにより、24.1gの白色固体(化合物2)を得た(収率75%)。得られた化合物2の構造は、核磁気共鳴装置(H−NMR)によって同定した。
[合成例3]化合物3の合成
下記方法に従って、下記構造を有する化合物3を合成した。
詳細には、アルゴン雰囲気下において反応容器中に、化合物3−1(5.0g、9.1mmol)、クロロホルム(24ml)を加え、氷浴で0℃に冷却後、BFEtO(7.0ml)を滴下漏斗より滴下した。1時間攪拌後、さらにBFEtO(7.0ml)を加えて1時間攪拌し、室温で5時間攪拌した。水(100ml)を加えて攪拌した後、分液ロートへ移し、クロロホルム(50ml)で3回抽出した。得られた有機層は硫酸ナトリウムで乾燥後、溶液を濃縮し、クロロホルム(30ml)を加えた。加熱還流しながらメタノール(300ml)を加えて結晶化を行い、得られた結晶を濾過した。この結晶をクロロホルム(20ml)に加えて加熱し、メタノール(200ml)を加えて室温で2時間攪拌した。生じた結晶を濾過して乾燥し、化合物3を得た(2.0g、収率41%)。得られた化合物3の構造は、核磁気共鳴装置(H−NMR)によって同定した。
[合成例4]化合物6の合成
[合成例4−1]化合物4の合成
アルゴン雰囲気下、2−アミノ−N−[(1,1'−ビフェニル)−4−イル]−N−(4−ブロモフェニル)−9,9−ジメチルフルオレン(10.0g、19.36mmol)、ビス(ピナコレートジボロン)(7.38g、29.04mmol)、および酢酸カリウム(5.70g、58.09mmol)に脱水1,4−ジオキサン195mLを加えて30分間撹拌した。その後、ビス[(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.22g、0.27mmol)を加えて3時間加熱還流撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、セライト(Celite:登録商標)を通してろ過を行い、ろ液を濃縮した。濃縮残渣に対してメタノールを装入して洗浄を行い、9.08gの固体(化合物4)を得た(収率79%)。
[合成例4−2]化合物5の合成
アルゴン雰囲気下、3−ブロモ−6−ヨードカルバゾール(5.20g、14.0mmol)、上記化合物4(8.00g、14.2mmol)およびPd[PPh(0.161g、0.14mmol)に1,4−ジオキサン200mLおよび2M NaCO水溶液100mL(14.0mmol)を加え、6時間加熱還流撹拌した。反応終了後、試料を分液ロートに移しトルエンにて抽出した。有機層をMgSOで乾燥後、ろ過、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、5.56gの白色固体(化合物5)を得た(収率58%)。
[合成例4−3]化合物6の合成
アルゴン雰囲気下、m−ヨードブロモベンゼン(1.41g、5.0mmol)、上記化合物5(3.00g、4.4mmol)、ヨウ化銅(0.045g、0.24mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(0.58g、6.1mmol)に脱水1,4−ジオキサン20mLを加え、室温にて30分間撹拌した。その後、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン(0.124g、1.09mmol)を加えて、8時間加熱還流撹拌した。
反応終了後、室温に冷却し、セライト(Celite:登録商標)を通してろ過を行い、ろ液を濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2.59gの淡黄色固体(化合物6)を得た(収率70%)。
[合成例5]化合物7の合成
化合物6の合成において、m−ヨードブロモベンゼンの代わりにp−ヨードブロモベンゼン(2.00g、7.07mmol)を用いた以外は同様に反応を行ったところ、2.28gの淡黄色固体(化合物7)を得た(収率62%)。
[合成例6]化合物12の合成
[合成例6−1]化合物8の合成
アルゴン雰囲気下、N−フェニル−4−ビフェニルアミン(2.00g、8.1mmol)、2−ブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン(3.99g、8.5mmol)、Pd(dba) 0.036g(0.04mmol)、P(tBu)・HBF 0.023g(0.08mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド1.05g(10.96mmol)に、無水キシレン20mLを加えて8時間加熱撹拌した。
反応終了後、室温に冷却し、セライト(Celite:登録商標)を通してろ過を行い、ろ液を濃縮した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2.56gの白色固体(化合物8)を得た(収率50%)。
[合成例6−2]化合物9の合成
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、上記化合物8(2.00g、3.1mmol)およびジメチルホルムアミド(DMF)(40mL)を入れ、氷水で冷却した。DMF(20mL)に溶解したN−ブロモスクシンイミド(0.62g、3.5mmol)を滴下し、2時間撹拌した。トルエン(150mL)を加え、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、1.65gの固体(化合物9)を得た(収率75%)。
[合成例6−3]化合物10の合成
化合物4の合成において、2−アミノ−N−[(1,1'−ビフェニル)−4−イル]−N−(4−ブロモフェニル)−9,9−ジメチルフルオレンの代わりに上記化合物9(1.50g、2.1mmol)を用いた以外は同様の反応を行ったところ、0.73gの固体(化合物10)を得た(収率46%)。
[合成例6−4]化合物11の合成
化合物5の合成において、化合物4の代わりに上記化合物10(0.70g、0.92mmol)を用いた以外は同様の反応を行ったところ、0.46gの固体(化合物11)を得た(収率58%)。
[合成例6−5]化合物12の合成
アルゴン雰囲気下、4−ブロモ−4'−ヨードビフェニル(0.19g、0.55mmol)、上記化合物11(0.46g、0.52mmol)、ヨウ化銅(0.0053g、0.028mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(0.069g、0.72mmol)に脱水1,4−ジオキサン20mLを加え、室温にて30分間撹拌した。その後、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン(0.014g、0.128mmol)を加えて、8時間加熱還流撹拌した。
反応終了後、室温に冷却し、セライト(Celite:登録商標)を通してろ過を行い、ろ液を濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、0.44gの淡黄色固体(化合物12)を得た(収率77%)。
[合成例7]化合物17の合成
[合成例7−1]化合物13の合成
アルゴン雰囲気下、反応容器中に、N−(4−ビフェニルイル)−2−ビフェニルアミン(東京化成株式会社製)(6.26g、19.49mmol)、1−ブロモ―4−ヨードベンゼン(6.06g、21.44mmol)、ヨウ化銅(I)(0.19g、0.97mmol)、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン(0.49g、4.29mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(3.75g、38.97mmol)、ジオキサン(60ml)を加え、90℃で6時間攪拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライト(Celite:登録商標)を用いて、不純物をろ別した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、6.68gの固体(化合物13)を得た(収率72%)。
[合成例7−2]化合物14の合成
化合物4の合成において、2−アミノ−N−[(1,1'−ビフェニル)−4−イル]−N−(4−ブロモフェニル)−9,9−ジメチルフルオレンの代わりに上記化合物13(1.90g、4.0mmol)を用いた以外は同様の反応を行ったところ、1.17gの固体(化合物14)を得た(収率56%)。
[合成例7−3]化合物15の合成
2−ブロモカルバゾール5.16g(21mmol)の氷酢酸(600mL)溶液にN−ヨードこはく酸イミド(NIS)4.5g(20mmol)を少量ずつ添加した。室温で12時間撹拌した後、反応混合物を水1200mLに滴下し、析出物をろ取した。この濾物を水で洗浄した後、酢酸エチル200mLに溶解させた。この溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、MgSO4を加えて乾燥させた。溶液を濾過、濃縮し、5.85gの固体(化合物15)を得た(収率75%)。
[合成例7−4]化合物16の合成
アルゴン雰囲気下、上記化合物15(5.20g、14.0mmol)、上記化合物14(9.11g、14.2mmol)およびPd[PPh3]4(0.161g、0.14mmol)に1,4−ジオキサン200mLおよび2M Na2CO3水溶液100mL(14.0mmol)を加え、6時間加熱還流撹拌した。反応終了後、試料を分液ロートに移しトルエンにて抽出した。有機層をMgSO4で乾燥後、ろ過、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4.94gの白色固体(化合物16)を得た(収率55%)。
[合成例7−5]化合物17の合成
化合物7の合成において、化合物5の代わりに化合物16(2.50g、3.89mmol)を用いた以外は同様に反応を行ったところ、2.10gの淡黄色固体(化合物17)を得た(収率68%)。
[合成例8]化合物22の合成
[合成例8−1]化合物18の合成
アルゴン雰囲気下、2−アミノビフェニル(1.69g、10.0mmol)、4−(4−ブロモフェニル)ジベンゾフラン(東京化成株式会社製(3.23g、10.0mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(1.92g、20.0mmol)に脱水トルエン50mlを加えて撹拌した。酢酸パラジウム(45mg、0.2mmol)、トリ-t-ブチルホスフィン(40mg、0.2mmol)を加えて、80℃で8時間反応した。反応終了後、室温まで冷却し、反応混合物をセライト/シリカゲルを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2.51gの固体(化合物18)を得た(収率61%)。
[合成例8−2]化合物19の合成
化合物13の合成において、N−(4−ビフェニルイル)−2−ビフェニルアミン(東京化成株式会社製)の代わりに化合物18(2.00g、4.86mmol)を用いた以外は同様に反応を行ったところ、1.65gの淡黄色固体(化合物19)を得た(収率60%)。
[合成例8−3]化合物20の合成
化合物14の合成において、化合物13の代わりに上記化合物19(2.26g、4.0mmol)を用いた以外は同様の反応を行ったところ、1.37gの固体(化合物20)を得た(収率56%)。
[合成例8−4]化合物21の合成
アルゴン雰囲気下、上記化合物20(1.22g、2.0mmol)、2,7−ジブロモカルバゾール(東京化成株式会社製)(0.81g、2.5mmol)およびPd[PPh3]4(0.023g、0.02mmol)に1,4−ジオキサン30mLおよび2M Na2CO3水溶液14mL(0.02mmol)を加え、6時間加熱還流撹拌した。反応終了後、試料を分液ロートに移しトルエンにて抽出した。有機層をMgSO4で乾燥後、ろ過、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、0.41gの白色固体(化合物21)を得た(収率28%)。
[合成例8−5]化合物22の合成
化合物17の合成において、化合物16の代わりに化合物21(1.00g、1.36mmol)を用いた以外は同様に反応を行ったところ、0.71gの淡黄色固体(化合物22)を得た(収率59%)。
[実施例1]高分子化合物A−1の合成
上記合成例1で合成した化合物1、上記合成例2で合成した化合物2、上記合成例3で合成した化合物3および上記合成例4で合成した化合物6を用いて、下記構成単位(A)および構成単位(B)を下記組成にて有する高分子化合物A−1を合成した。
詳細には、アルゴン雰囲気下、4つ口フラスコに、化合物1(1.49g、3.0mmol)、化合物2(0.138g、0.30mmol)、化合物3(0.159g、0.30mmol)、化合物6(2.01g、2.40mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(20.25mg)、トルエン(45mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.42g)を加え、7時間還流した。次に、フェニルボロン酸(23.30mg、0.57mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(10.12mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.42g)を加え、7時間加熱還流した。その後、水層を除き、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(5.40g、23.97mmol)およびイオン交換水(50mL)を加え85℃で2時間撹拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下して高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥することによって、固体を得た。この固体をトルエンに溶解して、シリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をろ別・乾燥して、高分子化合物A−1を得た。
このようにして得られた高分子化合物A−1は、単量体の仕込み比から、下記組成(化合物1由来の構成単位:化合物6由来の構成単位:化合物3由来の構成単位:化合物2由来の構成単位=50:40:5:5(モル比))にて、(A)の構成単位と(B)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物であると推定される。また、この高分子化合物A−1の重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で見積もったところ、Mw=200,000、Mw/Mn=4.0であった。
[実施例2]高分子化合物A−2の合成
上記合成例1で合成した化合物1、上記合成例2で合成した化合物2、上記合成例3で合成した化合物3および上記合成例6で合成した化合物12を用いて、下記構成単位(A)および構成単位(B)を下記組成にて有する高分子化合物A−2を合成した。
詳細には、アルゴン雰囲気下、4つ口フラスコに、化合物1(1.49g、3.0mmol)、化合物2(0.138g、0.30mmol)、化合物3(0.159g、0.30mmol)、化合物12(2.66g、2,40mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(20.25mg)、トルエン(45mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.42g)を加え、7時間還流した。次に、フェニルボロン酸(23.30mg、0.57mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(10.12mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.42g)を加え、7時間加熱還流した。その後、水層を除き、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(5.40g、23.97mmol)およびイオン交換水(50mL)を加え85℃で2時間撹拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下して高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥することによって、固体を得た。この固体をトルエンに溶解して、シリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をろ別・乾燥して、高分子化合物A−2を得た。
このようにして得られた高分子化合物A−2は、単量体の仕込み比から、下記組成(化合物1由来の構成単位:化合物12由来の構成単位:化合物3由来の構成単位:化合物2由来の構成単位=50:40:5:5(モル比))にて、(A)の構成単位と(B)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物であると推定される。また、この高分子化合物A−2の重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で見積もったところ、Mw=110,000、Mw/Mn=3.1であった。
[実施例3]高分子化合物A−3の合成
上記合成例1で合成した化合物1および上記合成例4で合成した化合物6を用いて、下記構成単位(A)および構成単位(B)を下記組成にて有する高分子化合物A−3を合成した。
詳細には、アルゴン雰囲気下、4つ口フラスコに、化合物1(0.998g、2.0mmol)、化合物6(1.68g、2.0mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(20.25mg)、トルエン(30mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.61g)を加え、4時間還流した。次に、フェニルボロン酸(23.30mg、0.57mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(10.12mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.42g)を加え、7時間加熱還流した。その後、水層を除き、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(5.40g、23.97mmol)およびイオン交換水(40mL)を加え85℃で2時間撹拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下して高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥することによって、固体を得た。この固体をトルエンに溶解して、シリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をろ別・乾燥して、高分子化合物A−3を得た。
このようにして得られた高分子化合物A−3は、単量体の仕込み比から、下記組成(化合物1由来の構成単位:化合物6由来の構成単位=50:50(モル比))にて、(A)の構成単位と(B)の構成単位とが交互に重合した高分子化合物であると推定される。また、この高分子化合物A−3の重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で見積もったところ、Mw=34,000、Mw/Mn=1.5であった。
[実施例4]高分子化合物A−4の合成
上記合成例1で合成した化合物1および上記合成例5で合成した化合物7を用いて、下記構成単位(A)および構成単位(B)を下記組成にて有する高分子化合物A−4を合成した。
詳細には、アルゴン雰囲気下、4つ口フラスコに、化合物1(0.998g、2.0mmol)、化合物7(1.68g、2.0mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(20.25mg)、トルエン(30mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.61g)を加え、4時間還流した。次に、フェニルボロン酸(23.30mg、0.57mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(10.12mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.42g)を加え、7時間加熱還流した。その後、水層を除き、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(5.40g、23.97mmol)およびイオン交換水(40mL)を加え85℃で2時間撹拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下して高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥することによって、固体を得た。この固体をトルエンに溶解して、シリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をろ別・乾燥して、高分子化合物A−4を得た。
このようにして得られた高分子化合物A−4は、単量体の仕込み比から、下記組成(化合物1由来の構成単位:化合物6由来の構成単位=50:50(モル比))にて、(A)の構成単位と(B)の構成単位とが交互に重合した高分子化合物であると推定される。また、この高分子化合物A−4の重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で見積もったところ、Mw=42,000、Mw/Mn=2.1であった。
[実施例5]高分子化合物A−5の合成
2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(東京化成株式会社製)および上記合成例7で合成した化合物17を用いて、下記構成単位(A)および構成単位(B)を下記組成にて有する高分子化合物A−5を合成した。
詳細には、アルゴン雰囲気下、4つ口フラスコに、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(東京化成株式会社製)(1.285g、2.0mmol)、化合物17(1.59g、2.0mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(20.25mg)、トルエン(30mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.61g)を加え、4時間還流した。次に、フェニルボロン酸(23.30mg、0.57mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(10.12mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.42g)を加え、7時間加熱還流した。その後、水層を除き、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(5.40g、23.97mmol)およびイオン交換水(40mL)を加え85℃で2時間撹拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下して高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥することによって、固体を得た。この固体をトルエンに溶解して、シリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をろ別・乾燥して、高分子化合物A−5を得た。
このようにして得られた高分子化合物A−5は、単量体の仕込み比から、下記組成(2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン由来の構成単位:化合物17由来の構成単位=50:50(モル比))にて、(A)の構成単位と(B)の構成単位とが交互に重合した高分子化合物であると推定される。また、この高分子化合物A−4の重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で見積もったところ、Mw=61,000、Mw/Mn=2.5であった。
[実施例6]高分子化合物A−6の合成
2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(東京化成株式会社製)および上記合成例8で合成した化合物22を用いて、下記構成単位(A)および構成単位(B)を下記組成にて有する高分子化合物A−6を合成した。
詳細には、アルゴン雰囲気下、4つ口フラスコに、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(東京化成株式会社製)(1.285g、2.0mmol)、化合物22(1.77g、2.0mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(20.25mg)、トルエン(30mL)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.61g)を加え、4時間還流した。次に、フェニルボロン酸(23.30mg、0.57mmol)、酢酸パラジウム(2.15mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(10.12mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.42g)を加え、7時間加熱還流した。その後、水層を除き、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(5.40g、23.97mmol)およびイオン交換水(40mL)を加え85℃で2時間撹拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3質量%酢酸水溶液、水で順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下して高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥することによって、固体を得た。この固体をトルエンに溶解して、シリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。得られた液体をメタノールに滴下し、析出した固体をろ別・乾燥して、高分子化合物A−6を得た。
このようにして得られた高分子化合物A−6は、単量体の仕込み比から、下記組成(2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン由来の構成単位:化合物22由来の構成単位=50:50(モル比))にて、(A)の構成単位と(B)の構成単位とが交互に重合した高分子化合物であると推定される。また、この高分子化合物A−4の重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で見積もったところ、Mw=52,000、Mw/Mn=2.6であった。
上記実施例1、実施例2にて得られた高分子化合物A−1、A−2、および下記構成単位を有するポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4'−(N−(4−sec−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)](TFB)(Luminescence Technology Corp.製)(比較例1)について下記方法に従って、三重項エネルギー準位(eV)を測定した。その結果を下記表1に示す。
[三重項エネルギー準位の測定]
各化合物を、3.2質量%濃度となるようにトルエンに溶解させ、コート液を調製した。このコート液を、スピンコートにより1600rpmの回転速度で塗布し、ホットプレート上で、250℃で60分間乾燥し、約70nmの厚さ(乾燥膜厚)の膜(サンプル)を得た。このサンプルを77K(−196℃)に冷却して、フォトルミネッセンス(PL)スペクトルを測定した。このPLスペクトルの最も短波側のピーク値から、三重項エネルギー準位(eV)を算出した。その結果を下記表1に示す。
表1の結果から、本実施例1、2の高分子化合物A−1、A−2は、従来使用されるTFBに比して、三重項エネルギー準位が有意に高いことを示している。
[実施例7]有機エレクトロルミネッセンス素子Device−1の作製
あらかじめ第1電極(陽極)として、ストライプ(stripe)状の酸化インジウムスズ(ITO)が膜厚150nmにて成膜されたITO付きガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(poly(3,4−ethylene dioxythiophene)/poly(4−styrene sulfonate):PEDOT/PSS)(Sigma−Aldrich製)を乾燥膜厚が30nmになるようにスピンコート法にて塗布し、正孔注入層を形成した。
次に、実施例1で合成した高分子化合物A−1(正孔輸送材料A−1)をキシレン(溶媒)に1質量%濃度で溶解して正孔輸送層形成用塗布液を調製した。上記で形成した正孔注入層上に、この正孔輸送層形成用塗布を厚さ(乾燥膜厚)が30nmになるようにスピンコート法にて塗布し、230℃で1時間加熱して、厚さ(乾燥膜厚)30nmの正孔輸送層を正孔注入層上に形成した。
さらに、上記で形成した正孔輸送層上に、ホスト(host)材料として下記構造を有する化合物h−1(6,9−ジフェニル−9'−(5'−フェニル−[1,1':3',1"−ターフェニル]−3−イル)3,3'−ビ[9H−カルバゾール])および化合物h−2(3,9−ジフェニル−5−(3−(4−フェニル−6−(5'−フェニル−[1,1':3',1"−ターフェニル]−3−イル)−1,3,5,−トリアジン−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール)、ドーパント(dopant)材料としてトリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジンイリジウム(III)(tris(2−(3−p−xylyl)phenyl)pyridine iridium(III))を含むトルエン溶液を調製した。この際、化合物h−1の濃度を0.49g/ml、化合物h−2の濃度を0.05g/mlとなるようにトルエン溶液を調製した。また、ドーパント材料の含有量は、ドープ量が発光層の総質量に対して10質量%となるように調整した。正孔輸送層上に、上記にて調製したトルエン溶液を乾燥膜厚が30nmになるようにスピンコート法で塗布し、発光層を正孔輸送層上に形成した。
次に、上記で形成した発光層上に、(8−キノリノラト)リチウム(Liq)およびKLET−03(ケミプロ化成株式会社製)を真空蒸着装置にて共蒸着して、膜厚50nmの電子輸送層を発光層上に形成した。また、上記で形成した電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を真空蒸着装置にて蒸着して、膜厚1nmの電子注入層を電子輸送層上に形成した。さらに、上記で形成した電子注入層上に、アルミニウム(Al)を真空蒸着装置にて蒸着し、膜厚100nmの第2電極(陰極)を電子注入層上に形成した。以上の製造方法によって有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)Device−1を作製した。
[実施例8]有機エレクトロルミネッセンス素子Device−2の作製
実施例7において、高分子化合物A−1(正孔輸送材料A−1)の代わりに、実施例2で合成した高分子化合物A−2(正孔輸送材料A−2)を用いて正孔輸送層を形成した以外は、実施例7と同様の方法によって、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)Device−2を作製した。
[比較例2]有機エレクトロルミネッセンス素子Device−3の作製
実施例7において、高分子化合物A−1(正孔輸送材料A−1)の代わりに、下記構成単位を有するポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4'−(N−(4−sec−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)](TFB)(Luminescence Technology Corp.製)を用いて正孔輸送層を形成した以外は、実施例7と同様の方法によって、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)Device−3を作製した。
上記実施例7、8にて作製された有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)Device−1、Device−2および比較例2にて作製された有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)Device−3について下記方法に従って、駆動電圧および耐久性(駆動寿命)を以下の方法にて評価した。その結果を下記表2に示す。
[駆動電圧および耐久性(駆動寿命)の評価]
まず、直流定電圧電源(KEYENCE製、ソースメータ(source meter))を用いて、各有機EL素子に対して電圧を加えると、ある一定の電圧で電流が流れ始め、有機EL素子が発光する。この際の電圧を駆動電圧(単位:V)とした。有機EL素子の発光を輝度測定装置(Topcom製、SR−3)にて測定しつつ、徐々に電流を増加させ、輝度が6000cd/mになったところで電流を一定にし、放置した。
ここで、輝度測定装置で測定した輝度の値が徐々に変動(低下)し、初期輝度の95%になるまでの時間(時間)を「駆動寿命(時間)」とした。
上記表2から、実施例7、8(実施例1、2の高分子化合物A−1、A−2を正孔輸送材料として用いてなる有機EL素子Device−1〜Device−2)は、従来の正孔輸送材料(TFB)を用いてなる比較例2(有機EL素子Device−3)に比して、駆動電圧および耐久性(駆動寿命)共に優れることが分かる。したがって、本実施形態の高分子化合物は、エレクトロルミネッセンス素子(特に正孔輸送材料)などに好適に使用できると考察される。
また、実施例1〜6の高分子化合物A−1〜A−6を用いる場合には、塗布法により正孔輸送材料を形成できるため、大量生産の観点から好ましい。
[実施例9]量子ドット発光素子(Device−4)の作製
あらかじめ第1電極(陽極)として、ITOがパターニングされているITO付きガラス基板を、中性洗剤、脱イオン水、水およびイソプロピールアルコールを用いて順次洗浄した後、UV−オゾン処理を行った。ITO付きガラス基板上に、PEDOT/PSS(Sigma−Aldrich製)を、厚さ(乾燥膜厚)が30nmになるように、スピンコート法により塗布した後、乾燥させた。その結果、厚さ(乾燥膜厚)30nmの正孔注入層がITO付きガラス基板上に形成された。
次に、この正孔注入層上に、実施例1で合成した高分子化合物A−1(正孔輸送材料A−1)の1.0質量%のトルエン溶液を、厚さ(乾燥膜厚)が25nmになるように、スピンコート法により塗布した。その後、150℃で30分間熱処理して、正孔輸送層が正孔注入層上に形成した。次に、この正孔輸送層の上に、正孔輸送層を溶解させないシクロヘキサン中に、ZnTeSe/ZnSe/ZnS(コア/シェル/シェル)の青色量子ドット(図2参照)を1.0質量%となるように分散させた。この分散液を、厚さ(乾燥膜厚)が25nmになるように、スピンコート法により塗布した後、乾燥させた。その結果、厚さ(乾燥膜厚)25nmの量子ドット発光層が正孔輸送層上に形成された。なお、青色量子ドットは、分散液中における発光波長中心が458nm、半値幅が29nmであった(図3、図4参照)。
この量子ドット発光層を完全に乾燥させた後、その上にリチウムキノレート(Liq)及び電子輸送材料TPBI(Sigma−Aldrich製)を、真空蒸着装置を用いて共蒸着させた。その結果、厚さが36nmの電子輸送層が量子ドット発光層上に形成された。この電子輸送層上にLiqを、真空蒸着装置を用いて蒸着させ、厚さ0.5nmの電子注入層を形成した。この電子注入層上に、アルミニウムを、真空蒸着装置を用いて蒸着させ、厚さ100nmの第2電極(陰極)を形成し、量子ドット発光素子(Device−4)を得た。
[実施例10]量子ドット発光素子(Device−5)の作製
実施例9において、高分子化合物A−1(正孔輸送材料A−1)の代わりに、実施例4で合成した高分子化合物A−4(正孔輸送材料A−4)を用いて正孔輸送層を形成した以外は、実施例9と同様の方法によって、量子ドット発光素子(Device−5)を得た。
[比較例3]量子ドット発光素子(Device−7)の作製
実施例9において、高分子化合物A−1(正孔輸送材料A−1)の代わりに、TFB(Luminescence Technology Corp.製)を用いて正孔輸送層を形成した以外は、実施例9と同様の方法によって、量子ドット発光素子を得た。
上記の実施例9、10で得られた量子ドット発光素子(Device−4、Device−5)及び比較例3で得られた量子ドット発光素子(Device−6)の駆動電圧、発光効率EQE、色度、及び発光波長を、以下の方法により評価した。その結果を下記表3に示す。
[駆動電圧、発光効率EQE、色度図及び発光波長の評価方法]
まず、直流定電圧電源(KEYENCE製、ソースメータ(source meter))を用いて、各量子ドット発光素子に対して電圧を加えると、ある一定の電圧で電流が流れ始め、量子ドット発光素子が発光する。この際の電圧を駆動電圧(単位:V)とした。量子ドット発光素子の発光を、輝度測定装置(Topcom製、SR−3)を用いて測定しつつ、徐々に電流を増加させ、輝度が100cd/mになったところで電流を一定にし、放置した。
色度は輝度測定装置を用いて測定した。発光効率EQEは、輝度測定装置で測定した分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行ったと仮定して算出した。
実施例9の量子ドット発光素子(Device−4)及び実施例10の量子ドット発光素子(Device−5)に、電圧を変えて印加した場合の電気発光スペクトルは、いずれも発光波長の中心が454nmであり、半値幅が29nmであった。したがって、本実施形態の高分子化合物は、量子ドット発光素子にも好適に使用できると考察される。
以上、本発明について実施形態および実施例を挙げて説明したが、本発明は特定の実施形態、実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
100 有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)
110 基板
120 第1電極
130 正孔注入層
140 正孔輸送層
150 発光層
160 電子輸送層
170 電子注入層
180 第2電極

Claims (14)

  1. 下記式(1)で表わされる構成単位を含む、高分子化合物:

    式(1)中、Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の2価の複素環基を表し;
    Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上12以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上12以下の2価の複素環基を表し;
    ArおよびArは、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基を表し;
    は、単結合または2価の連結基を表し、前記2価の連結基は、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基、置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基、置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基、または置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の芳香族炭化水素基および置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基から選ばれる2個から4個の基が結合してなる多重連結基であり;
    およびRは、置換基を表し、それぞれ独立して、重水素原子、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上50以下のアリール基、置換されたもしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換されたもしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の複素環基を表し、RおよびRが複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよく;
    aおよびbは、それぞれ独立して、0以上3以下の整数である。
  2. 前記式(1)で表される構成単位が下記式(1−1)〜(1−4)で表される構成単位から選択される、請求項1に記載の高分子化合物。
  3. さらに下記式(2)で表される構成単位を含む、請求項1または2に記載の高分子化合物:

    式(2)中、Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の(2+n)価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の(2+n)価の複素環基を表し;
    は、単結合、置換されたもしくは非置換の炭素数1以上20以下のアルキレン基、または置換されたもしくは非置換のフェニレン基を表し、Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なってもよく;
    Qは1価の架橋性基を表し、Qが複数存在する場合、それらは同一でも異なってもよく;
    nは、1以上の整数である。
  4. 前記架橋性基Qが、下記架橋性基群から選択される、請求項3に記載の高分子化合物:

    前記架橋性基群において、R10〜R16は、それぞれ独立して、水素原子または置換されたもしくは非置換の炭素数1以上10以下のアルキル基を表し、pは、1以上10以下の整数である。
  5. さらに下記式(3)で表される構成単位を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子化合物:

    式(3)中、Arは、置換されたもしくは非置換の環炭素数6以上30以下の2価の芳香族炭化水素基、または置換されたもしくは非置換の環形成原子数3以上30以下の2価の複素環基を表す。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子化合物と、正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料とを含有する、組成物。
  7. 前記発光材料が、発光性有機金属錯体化合物を含有する、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記発光材料が、無機ナノ粒子を含有する、請求項6に記載の組成物。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子化合物と、溶媒または分散媒と、を含有する、液状組成物。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子化合物を含有する、薄膜。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子化合物を含む、エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  12. 一対の電極と、前記一対の電極間に配置され、請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子化合物を含む1層以上の有機層と、を備える、エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記一対の電極間に配置され、三重項励起子からの発光が可能な発光材料を含む発光層をさらに備える、請求項12に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記有機層のうち少なくとも1層は、塗布法により形成される、請求項12または13に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
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