JP2018104356A - 防黴撥水剤組成物および防黴撥水剤エアゾール - Google Patents
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Abstract
【課題】エアゾール用として使用できる、撥水作用に加えて防黴作用を有する防黴撥水組成物および防黴撥水用エアゾールを提供すること。【解決手段】(A)防黴成分、(B)溶剤成分および(C)撥水成分を含有している防黴撥水組成物であって、上記(A)防黴成分がヨウ素系防黴成分を含有している。ヨウ素系防黴成分は種々の溶剤に対する溶解性が高いから、(B)溶剤成分として、フロン以外の溶剤を使用することができる。また、(B)溶剤成分を調整することにより、噴出された防黴撥水組成物の揮発速度を調整し、微粒子化しにくく、付着性が良いエアゾール用として好適な防黴撥水組成物とすることができる。【選択図】 なし
Description
本発明は、エアゾール用の防黴撥水剤組成物および防黴撥水剤エアゾールに関する。
従来、皮革製品、雨具類および衣服などの表面に種々の機能を付与することを目的とする表面処理剤が提案されている。例えば、特許文献1には、水や汚れから保護する撥水(防水)作用に加えて、黴や菌の発生を防止する防黴作用が付与された表面処理剤が提案されている。同文献には、撥水成分としてのフッ素系撥剤と、防黴成分としてのチアベンダゾールとを、S3(1,1,2−トリクロロ−1,1,2−トリフルオロ)エタンとクロロセン(1,1,1、−トリクロロエタン)を50%ずつ含んだ混合溶剤に希釈した、防菌防黴剤組成物が記載されている。
特許文献2には、優れた撥水性を有すると共に、微粒子化しにくく、付着性を良好にすることを目的として、(A)成分:両末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオルガノシロキサンと、(B)成分:金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物と、(C)成分:炭素数8〜14の脂肪族炭化水素と、(D)成分:液化石油ガスと、を含有するエアゾール型撥水剤組成物が提案されている。
特許文献2には、優れた撥水性を有すると共に、微粒子化しにくく、付着性を良好にすることを目的として、(A)成分:両末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオルガノシロキサンと、(B)成分:金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物と、(C)成分:炭素数8〜14の脂肪族炭化水素と、(D)成分:液化石油ガスと、を含有するエアゾール型撥水剤組成物が提案されている。
特許文献1の防菌防黴剤組成物は、防菌防黴剤および撥剤を溶解する混合溶剤がオゾン層破壊の原因物質とされているフロンを含有している。このため、環境保護の観点から、エアゾール型の製品(以下、「エアゾール」ともいう)に使用することができない。
エアゾールは、気化した液化ガスまたは圧縮ガスの圧力により、容器内の原液(組成物)を容器の外に噴出するものであり、噴出の際に原液が微粒子化されて使用者などに吸引されるおそれがある。皮革等の表面を防水処理するために用いられるエアゾール型撥水剤(防水剤)は、一回当たりの使用量が多く、かつ使用時間も長いことから、特に、使用時の安全性に十分な配慮が求められる(「家庭用エアゾール防水スプレー製品等の安全性向上のための自主基準」3頁)。
特許文献2の撥水剤組成物は、吐出された撥水組成物の微粒子化を抑制しつつ付着性を良好にするため、上述した(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を用いている。しかし、同文献に記載されているのは、撥水剤組成物であって防黴作用を有するものではない。
本発明は、エアゾール用として使用することができる、撥水作用に加えて防黴作用を有する防黴撥水組成物および防黴撥水用エアゾールを提供することを目的とする。
エアゾールは、気化した液化ガスまたは圧縮ガスの圧力により、容器内の原液(組成物)を容器の外に噴出するものであり、噴出の際に原液が微粒子化されて使用者などに吸引されるおそれがある。皮革等の表面を防水処理するために用いられるエアゾール型撥水剤(防水剤)は、一回当たりの使用量が多く、かつ使用時間も長いことから、特に、使用時の安全性に十分な配慮が求められる(「家庭用エアゾール防水スプレー製品等の安全性向上のための自主基準」3頁)。
特許文献2の撥水剤組成物は、吐出された撥水組成物の微粒子化を抑制しつつ付着性を良好にするため、上述した(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を用いている。しかし、同文献に記載されているのは、撥水剤組成物であって防黴作用を有するものではない。
本発明は、エアゾール用として使用することができる、撥水作用に加えて防黴作用を有する防黴撥水組成物および防黴撥水用エアゾールを提供することを目的とする。
本発明者らは、(A)防黴成分として、種々の溶剤に対する溶解性が高いヨウ素系防黴成分を用いることにより、(B)溶剤成分として、オゾン層破壊の原因物質とされているフロン以外の溶剤を用いて、防黴作用を備えた防黴撥水組成物を構成できることを見出した。本発明は、上記の知見に基づいており、上記課題を解決するための手段として以下の構成を備えている。
[1](A)防黴成分、(B)溶剤成分および(C)撥水成分を含有している防黴撥水組成物であって、上記(A)防黴成分がヨウ素系防黴成分を含有することを特徴とするエアゾール用の防黴撥水組成物。
[2]前記ヨウ素系防黴成分が、ヨードスルホニル化合物およびヨウ化不飽和脂肪族化合物からなる群の1種または2種以上である[1]に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
[3]前記ヨウ素系防黴成分が、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸である[1]に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
[4]前記(B)溶剤成分が、主成分として、炭素数6〜7の脂肪族炭化水素を含有する[1]、[2]または[3]に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
[5]前記(B)溶剤成分が、添加成分として、前記炭素数6〜7の脂肪族炭化水素よりも沸点が高い高沸点溶剤をさらに含有する[4]に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
[6]前記(B)溶剤成分が、アルコール系溶剤を含有してない[1]〜[5]のいずれか1項に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
[7][1]〜[6]のいずれか1項に記載の防黴撥水組成物と、噴射剤とを含有している防黴撥水用エアゾール。
[1](A)防黴成分、(B)溶剤成分および(C)撥水成分を含有している防黴撥水組成物であって、上記(A)防黴成分がヨウ素系防黴成分を含有することを特徴とするエアゾール用の防黴撥水組成物。
[2]前記ヨウ素系防黴成分が、ヨードスルホニル化合物およびヨウ化不飽和脂肪族化合物からなる群の1種または2種以上である[1]に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
[3]前記ヨウ素系防黴成分が、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸である[1]に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
[4]前記(B)溶剤成分が、主成分として、炭素数6〜7の脂肪族炭化水素を含有する[1]、[2]または[3]に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
[5]前記(B)溶剤成分が、添加成分として、前記炭素数6〜7の脂肪族炭化水素よりも沸点が高い高沸点溶剤をさらに含有する[4]に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
[6]前記(B)溶剤成分が、アルコール系溶剤を含有してない[1]〜[5]のいずれか1項に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
[7][1]〜[6]のいずれか1項に記載の防黴撥水組成物と、噴射剤とを含有している防黴撥水用エアゾール。
本発明の防黴撥水組成物は、(A)防黴成分として、種々の溶剤に対する溶解性が高いヨウ素系防黴成分を含有しているから、(B)溶剤成分として、フロン以外の溶剤を使用することができる。また、(B)溶剤成分を調整することにより、噴出された防黴撥水組成物にムラが生じることを防いで被処理物に高い撥水性を付与すると共に、微粒子化しにくくかつ付着性が良い防黴撥水組成物とすることができる。
したがって、本発明によれば、エアゾール用として使用できる、撥水作用に加えて防黴作用を有する防黴撥水組成物および防黴撥水用エアゾールを提供することが可能である。
したがって、本発明によれば、エアゾール用として使用できる、撥水作用に加えて防黴作用を有する防黴撥水組成物および防黴撥水用エアゾールを提供することが可能である。
本発明に係る防黴撥水組成物および防黴撥水用エアゾールの実施形態について、以下に説明する。
(エアゾール)
本発明は、容器の噴射ボタンを押してバルブを解放することにより、容器内の噴射剤と原液が吐出されるエアゾール用の防黴撥水組成物として実施することができる。
エアゾールには、混合、塗布等の手間が必要なく、使いたいときにそのまますぐに使える、原液(組成物)が容器内に密封されているから長期間にわたり品質を維持したまま安定に保持できる、望むところに簡単に塗膜を形成できる、必要な量だけ無駄なく使用できる、といった利点がある。一方で、原液中の成分を溶解する溶剤を用いて、噴射ガスとの分散性が良い原液を設計する必要があること等、特有の問題もある。
(エアゾール)
本発明は、容器の噴射ボタンを押してバルブを解放することにより、容器内の噴射剤と原液が吐出されるエアゾール用の防黴撥水組成物として実施することができる。
エアゾールには、混合、塗布等の手間が必要なく、使いたいときにそのまますぐに使える、原液(組成物)が容器内に密封されているから長期間にわたり品質を維持したまま安定に保持できる、望むところに簡単に塗膜を形成できる、必要な量だけ無駄なく使用できる、といった利点がある。一方で、原液中の成分を溶解する溶剤を用いて、噴射ガスとの分散性が良い原液を設計する必要があること等、特有の問題もある。
撥水剤(防水剤)をエアゾールとする場合、被処理物の表面に良好な撥水性を均一に付与するためには、原液がむらなく塗布される必要がある。ただし、撥水成分を含む組成物を塗布する際、吐出する組成物を微粒子化すると、当該微粒子が使用者などに吸引されるおそれがある。このため、エアゾールに用いられる撥水組成物は、塗布やハンドスプレーに用いられるものとは異なり、噴霧時における空気中への飛散率が小さいという特性を備えている必要がある。この特性は、噴霧された撥水組成物の粒子径および付着率により評価される。使用者などによる吸引を抑えるために、吐出された組成物の粒子径が大きく、かつ付着率が高いことが好ましい(「家庭用エアゾール防水スプレー製品等の『付着率』安全性確認試験」一般社団法人日本エアゾール協会 防水スプレー連絡会・小委員会)。
(防黴撥水組成物)
本実施形態の防黴撥水組成物は、(A)防黴成分、(B)溶剤成分および(C)撥水成分を含有している。以下、各成分について説明する。
本実施形態の防黴撥水組成物は、(A)防黴成分、(B)溶剤成分および(C)撥水成分を含有している。以下、各成分について説明する。
(A)防黴成分
本実施形態の防黴撥水組成物は、エアゾールに防黴(防菌)効果を付加するための防黴成分を配合している。(A)防黴成分を配合した組成物をエアゾールから吐出するためには、(B)溶剤成分として、(A)防黴成分を溶解できる溶剤を用いる必要がある。ただし、環境保全の観点から、フロンを用いることはできない。また、皮革などの色落ちを抑制する観点から、色落ちの原因となる場合があるアルコール系溶剤を用いることは好ましくない。さらに、上述したように、エアゾール用の防黴撥水組成物は、噴霧時における空気中への飛散率が小さい必要がある。空気中への飛散率は、吐出された防黴撥水組成物の粒子径と付着率によって評価される。粒子径と付着率は、(B)溶剤成分によって調整することができるため、種々の溶剤に対する溶解度が高い(A)防黴成分を用いることが好ましい。
本実施形態の防黴撥水組成物は、エアゾールに防黴(防菌)効果を付加するための防黴成分を配合している。(A)防黴成分を配合した組成物をエアゾールから吐出するためには、(B)溶剤成分として、(A)防黴成分を溶解できる溶剤を用いる必要がある。ただし、環境保全の観点から、フロンを用いることはできない。また、皮革などの色落ちを抑制する観点から、色落ちの原因となる場合があるアルコール系溶剤を用いることは好ましくない。さらに、上述したように、エアゾール用の防黴撥水組成物は、噴霧時における空気中への飛散率が小さい必要がある。空気中への飛散率は、吐出された防黴撥水組成物の粒子径と付着率によって評価される。粒子径と付着率は、(B)溶剤成分によって調整することができるため、種々の溶剤に対する溶解度が高い(A)防黴成分を用いることが好ましい。
本実施形態の防黴撥水組成物は、(A)防黴成分として、ヨウ素系防黴成分を含有している。ヨウ素系防黴成分は、種々の溶剤に対する溶解性が高いから(B)溶剤成分としてフロン以外の種々の溶剤を用いて、また、防黴撥水組成物の粒子径と付着率を調整することができる。また、ヨウ素系防黴成分は、撥水成分と併用した場合に、撥水成分の撥水性を低下させることがない。したがって、撥水作用を備える組成物に防黴を付与する(A)防黴成分として好適である。
ヨウ素系防黴成分としては、ヨードスルホニル化合物およびヨウ化不飽和脂肪族化合物を用いることができる。
ヨードスルホニル化合物としては、ヨードスルホニルベンゼン誘導体が好ましく、ジヨードメチル−p−トリルスルホン、1−ジヨードメチルスルホニル4−クロロベンゼン等が挙げられる。ヨウ化不飽和脂肪族化合物としては、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−エトキシカルボニルオキシ−1−ブロモ−1,2−ジヨード−1−プロペン、2,3,3−トリヨードアリルアルコール等が挙げられる。これらは、一種あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記列挙したもののうち、ヨウ化不飽和脂肪族化合物が好ましく、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸が最も好ましい。
ヨードスルホニル化合物としては、ヨードスルホニルベンゼン誘導体が好ましく、ジヨードメチル−p−トリルスルホン、1−ジヨードメチルスルホニル4−クロロベンゼン等が挙げられる。ヨウ化不飽和脂肪族化合物としては、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−エトキシカルボニルオキシ−1−ブロモ−1,2−ジヨード−1−プロペン、2,3,3−トリヨードアリルアルコール等が挙げられる。これらは、一種あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記列挙したもののうち、ヨウ化不飽和脂肪族化合物が好ましく、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸が最も好ましい。
防黴撥水組成物100質量部中のヨウ素系防黴成分の含有量は、0.05〜3質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましく、0.3〜1.5質量部が更に好ましい。
(B)溶剤成分
(B)溶剤成分は、防黴撥水組成物に配合される、(A)ヨウ素系防黴成分および(C)撥水成分を溶解できる溶剤が用いられる。このような溶剤として、例えば、ナフテン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、報告族炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコールなどが挙げられる。上述したように、防黴撥水組成物中のヨウ素系防黴成分は、例えば、チオベンダゾール等の他の防黴成分よりも、多種類の溶剤に対する溶解度が高い。このため、本実施形態の防黴撥水組成物は、(B)溶剤成分として多種類の溶剤を用いて、機能を調整することができる。
(B)溶剤成分は、防黴撥水組成物に配合される、(A)ヨウ素系防黴成分および(C)撥水成分を溶解できる溶剤が用いられる。このような溶剤として、例えば、ナフテン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、報告族炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコールなどが挙げられる。上述したように、防黴撥水組成物中のヨウ素系防黴成分は、例えば、チオベンダゾール等の他の防黴成分よりも、多種類の溶剤に対する溶解度が高い。このため、本実施形態の防黴撥水組成物は、(B)溶剤成分として多種類の溶剤を用いて、機能を調整することができる。
アルコール系溶剤は、皮革の表面の防水に用いられた場合、皮革の種類や色によっては色落ちの原因となる可能性があることから、(B)溶剤成分100質量部中における含有量が、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、アルコール系溶剤を含有しないことがさらに好ましい。本実施形態において、アルコール系溶剤とは、常温(25℃)において液体である低級アルコールをいい、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。
(B)溶剤成分は、一種であっても二種以上の混合物であってもよい。二種以上の混合物とする場合、(B)溶剤成分中に含まれている成分の中で最も含有質量が大きい成分を「主成分」といい、主成分よりも含有質量が小さい成分を「添加成分」という。
防黴撥水処理を簡便に行うためには、被処理物に塗布された防黴撥水組成物の乾燥時間が短いことが好ましい。乾燥時間は(B)溶剤成分の組成により決まるから、使用性の観点から、沸点の低いものを用いることが好ましい。沸点が低い(B)溶剤成分としては、たとえば、飽和または不飽和のヘキサン、ヘプタン等の炭素数6〜7の脂肪族炭化水素が挙げられる。
防黴撥水処理における使用性の観点から、炭素数6〜7の脂肪族炭化水素を主成分とする(B)溶剤成分を用いることが有効である。しかし、乾燥時間の短縮により、防黴撥水組成物の膜にむらが生じたり、吐出された防黴撥水組成物が微粒子化したりする可能性がある。そこで、この場合、主成分よりも沸点が高い高沸点溶剤を(B)溶剤成分に添加することが好ましい。炭素数6〜7の脂肪族炭化水素と高沸点溶剤とを併用することにより、被処理物の表面に塗布された防黴撥水組成物の均一化による機能性向上や、吐出された防黴撥水組成物の乾燥(気化)速度調整による微粒子化の抑制および付着性の向上が実現できると考えられる。
本実施形態の防黴撥水組成物に(A)防黴成分として配合されているヨウ素系防黴成分は多くの溶剤に溶解可能である。このことは、エアゾール用の防黴撥水組成物の処方設計において有利であるから、使用性や安全性を向上させるために有利といえる。
(B)溶剤成分に含まれる主成分として炭素数6〜7の脂肪族炭化水素を用いる場合、被処理物との馴染みを良好にし、微粒子化を抑制し、かつ付着性を良好にする観点から、添加成分としての高沸点溶剤は、沸点が120〜300℃であることが好ましく、150〜280℃であることがより好ましく、200〜260℃であることがさらに好ましい。なお、高沸点溶剤として、留出温度に幅のある溶剤を用いる場合、留出温度の乾点を沸点とする。
(B)溶剤成分100質量部中の高沸点溶剤の含有量は、被処理物との馴染みを良好にし、防黴撥水組成物にエアゾール用として好適な、良好な撥水性および適度な乾燥性を付与する観点から、適宜、調整すればよい。主成分として炭素数6〜7の脂肪族炭化水素を含有する(B)溶剤成分100質量部に高沸点溶剤を添加する場合、(B)溶剤成分の乾燥時間を適度に短くして、使用性を良好にするとともに付着性を良好にする観点から、高沸点溶剤の含有量は、0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、1質量部以上15質量部以下がより好ましく、3質量部以上10質量部以下がさらに好ましい。
(C)撥水成分
本実施形態の防黴撥水組成物に撥水(防水)作用を与えて、皮革や繊維などの表面に撥水性を付与する(C)撥水成分は、公知の成分を用いることができる。(C)撥水成分は、例えば、フッ素樹脂やシリコーン樹脂などを用いることができる。これらは、一種のみで用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の防黴撥水組成物に撥水(防水)作用を与えて、皮革や繊維などの表面に撥水性を付与する(C)撥水成分は、公知の成分を用いることができる。(C)撥水成分は、例えば、フッ素樹脂やシリコーン樹脂などを用いることができる。これらは、一種のみで用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
防黴撥水組成物100質量部中の撥水成分の含有量は、有効成分(不揮発分)として、0.1〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましく、0.5〜3質量部がさらに好ましい。
(防黴撥水用エアゾール)
本発明は、上述した防黴撥水組成物と、噴射剤とを含有している防黴撥水用エアゾールとして実施することができる。防黴撥水用エアゾールを用いる対象としては、皮革製品、雨具類および衣服など挙げられるが、上述した防黴撥水組成物は、種々の溶剤に対する溶解度が高いヨウ素系防黴成分を含有しているため、皮革製品の変色原因となる場合があるアルコール成分を配合することなく構成できる。したがって、本実施形態の防黴撥水用エアゾールは、皮革製品の表面に塗布される、皮革用の防黴撥水処理用エアゾールとして好適である。
本発明は、上述した防黴撥水組成物と、噴射剤とを含有している防黴撥水用エアゾールとして実施することができる。防黴撥水用エアゾールを用いる対象としては、皮革製品、雨具類および衣服など挙げられるが、上述した防黴撥水組成物は、種々の溶剤に対する溶解度が高いヨウ素系防黴成分を含有しているため、皮革製品の変色原因となる場合があるアルコール成分を配合することなく構成できる。したがって、本実施形態の防黴撥水用エアゾールは、皮革製品の表面に塗布される、皮革用の防黴撥水処理用エアゾールとして好適である。
(噴射剤)
防黴撥水組成物と共に充填される噴射剤としては、一般に用いられている、液化ガス、圧縮ガスおよびこれらの混合物等を用いることができる。液化ガスとしては、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテルなどが挙げられ、圧縮ガスとしては、炭酸ガス、窒素、亜酸化窒素、圧縮空気などが挙げられる。また、HFC−152a、HFO−1234ze(E)などを用いることもできる。
防黴撥水組成物と共に充填される噴射剤としては、一般に用いられている、液化ガス、圧縮ガスおよびこれらの混合物等を用いることができる。液化ガスとしては、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテルなどが挙げられ、圧縮ガスとしては、炭酸ガス、窒素、亜酸化窒素、圧縮空気などが挙げられる。また、HFC−152a、HFO−1234ze(E)などを用いることもできる。
噴射剤は、一種のみで用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。防黴撥水組成物と噴射剤との含有量(質量)比(防黴撥水組成物/噴射剤)は、0.1〜9.0であることが好ましく、0.2〜3.0であることがより好ましく、0.4〜1.5であることがさらに好ましい。
(容器)
本実施形態の防黴撥水組成物および噴射剤を充填する容器としては、一般に用いられている耐圧容器を用いることができる。耐圧容器を構成する金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ブリキ、鋼等が挙げられる。
本実施形態の防黴撥水組成物および噴射剤を充填する容器としては、一般に用いられている耐圧容器を用いることができる。耐圧容器を構成する金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ブリキ、鋼等が挙げられる。
(任意成分)
本実施形態の防黴撥水組成物は、上述した成分以外に、エアゾールに一般に用いられている成分を含有してもよい。このような成分としては、水;クエン酸およびクエン酸ナトリウム等のpH調整剤;フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウムおよびパラベンなどの防腐剤;香料;などが挙げられる。これら成分の含有量は、本実施形態の防黴撥水組成物の特性に悪い影響を与えない範囲とすればよい。
本実施形態の防黴撥水組成物は、上述した成分以外に、エアゾールに一般に用いられている成分を含有してもよい。このような成分としては、水;クエン酸およびクエン酸ナトリウム等のpH調整剤;フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウムおよびパラベンなどの防腐剤;香料;などが挙げられる。これら成分の含有量は、本実施形態の防黴撥水組成物の特性に悪い影響を与えない範囲とすればよい。
以上説明した実施形態に関する記載は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するためのものではない。したがって、実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例では、「%」は「質量%」を示す。
<原料>
(A)防黴成分
A1:メチル−べンゾイミダゾール−2−イルカルバマート(イミダゾール系)
A2:2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン(ピリジン系)
A3:テブコナゾール(アゾール系)
A4:ビス(2−ピリジンチオ−1−オキシド)亜鉛(ピリチオン系)
A5:3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸
(B)溶剤成分
イソプロピルアルコール(アルコール系溶剤)
イソヘキサン(2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2−2ジメチルブタンおよび2,3−ジメチルブタンの混合物)
n−ヘキサン
n−ヘプタン
アイソパーM(商品名、エクソン製、沸点254℃、イソパラフィン系炭化水素、添加成分、高沸点溶剤)
(C)撥水成分
フッ素系撥水剤
<原料>
(A)防黴成分
A1:メチル−べンゾイミダゾール−2−イルカルバマート(イミダゾール系)
A2:2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン(ピリジン系)
A3:テブコナゾール(アゾール系)
A4:ビス(2−ピリジンチオ−1−オキシド)亜鉛(ピリチオン系)
A5:3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸
(B)溶剤成分
イソプロピルアルコール(アルコール系溶剤)
イソヘキサン(2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2−2ジメチルブタンおよび2,3−ジメチルブタンの混合物)
n−ヘキサン
n−ヘプタン
アイソパーM(商品名、エクソン製、沸点254℃、イソパラフィン系炭化水素、添加成分、高沸点溶剤)
(C)撥水成分
フッ素系撥水剤
<(B)溶剤成分への(A)防黴成分の溶解性>
上記原料を用いて、(B)溶剤成分に対する(A)防黴成分の溶解性について検討した。
室温(25℃)条件下において、(A)防黴成分1gを(B)溶剤成分100gに添加し、目視により溶解性を評価した。その結果を、以下の表1に示す。
上記原料を用いて、(B)溶剤成分に対する(A)防黴成分の溶解性について検討した。
室温(25℃)条件下において、(A)防黴成分1gを(B)溶剤成分100gに添加し、目視により溶解性を評価した。その結果を、以下の表1に示す。
表1に示すように、(B)溶剤成分としてイソプロピルアルコールを用いた場合、5種類の(A)防黴成分のうち、4種類(A1〜A3およびA5)が溶解した。対して、(B)溶剤成分としてn−ヘキサンを用いた場合、(A)防黴成分のうち溶解したのはA5の防黴成分:3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸(ヨウ素系)のみであった。アルコール系溶剤であるイソプロピルアルコールのみに溶解する(A)防黴成分が多い中で、A5:3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸は、脂肪族炭化水素であるn−ヘキサンおよびn−ヘプタンに溶解した。このように、種々の溶剤に対して高い溶解性を備えるA5:3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸は、エアゾール用の撥水組成物の(A)防黴成分として有用である。
<実施例1、2>
塗布ムラの防止や乾燥速度を調整するための高沸点溶剤(添加成分)として、アイソパーMを(B)溶剤成分に配合した防黴撥水組成物として、表2に示す実施例1、2を調製した。
高沸点溶剤(添加成分)であるアイソパーMを含む(B)溶剤成分は、上述したn−ヘキサンおよびn−ヘプタン同様、A5:3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸および(C)フッ素系撥水剤を溶解した。
塗布ムラの防止や乾燥速度を調整するための高沸点溶剤(添加成分)として、アイソパーMを(B)溶剤成分に配合した防黴撥水組成物として、表2に示す実施例1、2を調製した。
<防黴剤配合による撥水性への影響>
防黴剤の配合が撥水性に及ぼす影響を調べるために、以下の表に示す実施例3の防黴撥水組成物および、実施例3の防黴撥水組成物から(A)防黴成分を除いた、比較例1の撥水組成物を作製した。
防黴剤の配合が撥水性に及ぼす影響を調べるために、以下の表に示す実施例3の防黴撥水組成物および、実施例3の防黴撥水組成物から(A)防黴成分を除いた、比較例1の撥水組成物を作製した。
実施例3の防黴撥水組成物と噴射剤としてのLPGとを70:30の容量比でエアゾール缶(耐圧容器)に充填した。同様にして、防黴剤を含有しない比較例1の撥水組成物とLPGとをエアゾール缶に充填した。
試験片(5cm×5cmの布帛、綿100%)に、防黴撥水組成物(実施例3)および撥水組成物(比較例1)が均等に付着するように、3秒間まんべんなく吹き付けた後、室温で1日乾燥させて、撥水処理を施した。
上記のようにして撥水処理が施された各試験片の表面の5か所にマイクロピペットを用いてそれぞれ100μlの水滴を滴下した。滴下後、1分間経過時点、60分間経過時点および120分間経過時点における水滴の状態を評価した。
試験片(5cm×5cmの布帛、綿100%)に、防黴撥水組成物(実施例3)および撥水組成物(比較例1)が均等に付着するように、3秒間まんべんなく吹き付けた後、室温で1日乾燥させて、撥水処理を施した。
上記のようにして撥水処理が施された各試験片の表面の5か所にマイクロピペットを用いてそれぞれ100μlの水滴を滴下した。滴下後、1分間経過時点、60分間経過時点および120分間経過時点における水滴の状態を評価した。
図1、2および3は、滴下後1分間経過時点、60分間経過時点および120分間経過時点における試験片上の水滴の状態を示す図面代用写真であり、図1〜3のそれぞれにおいて、(a)が実施例3の試験片の状態を示しており、(b)が比較例1の試験片の状態を示している。
図1〜3に示すように、実施例3の防黴撥水組成物を用いて表面を処理した試験片は、比較例1の撥水組成物を用いて表面処理した試験片同様、5つの水滴のいずれにも浸透が認められなかった。このように、(A)防黴成分としてA5:3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸が配合された防黴撥水組成物(実施例1)は、(A)防黴成分が配合されていない撥水組成物(比較例1)と同等の撥水効果を維持していた。
図1〜3に示すように、実施例3の防黴撥水組成物を用いて表面を処理した試験片は、比較例1の撥水組成物を用いて表面処理した試験片同様、5つの水滴のいずれにも浸透が認められなかった。このように、(A)防黴成分としてA5:3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸が配合された防黴撥水組成物(実施例1)は、(A)防黴成分が配合されていない撥水組成物(比較例1)と同等の撥水効果を維持していた。
<実施例4、5、6>
下記の表4に記載の防黴撥水組成物を作製し、それぞれの防黴撥水組成物と噴射剤LPGとを70:30の容量比でエアゾールスプレー容器に充填した。実施例6の撥水組成物は、LPGの代わりに炭酸ガス(CO2)を噴射剤として用いて0.5MPaに加圧したエアゾール製剤、および窒素ガス(N2)を噴射剤として用い用いて0.5MPaに加圧したエアゾール製剤を作製した。
下記の表4に記載の防黴撥水組成物を作製し、それぞれの防黴撥水組成物と噴射剤LPGとを70:30の容量比でエアゾールスプレー容器に充填した。実施例6の撥水組成物は、LPGの代わりに炭酸ガス(CO2)を噴射剤として用いて0.5MPaに加圧したエアゾール製剤、および窒素ガス(N2)を噴射剤として用い用いて0.5MPaに加圧したエアゾール製剤を作製した。
<微粒子化の評価方法>
25℃の恒温槽に30分以上浸漬した後、エアゾールスプレー容器を取り出し、レーザ光散乱方式粒度分布測定装置(LDSA−3500A(日機装製))のレンズから30cmの距離になる位置に載置した。その状態で、レーザを垂直に通過するように防黴撥水組成物を噴射し、ロジン−ラムラー式に基づいて粒度分布を測定し、防黴撥水組成物の平均粒子径および、粒子径が10μm以下の粒子の割合を求めた。
25℃の恒温槽に30分以上浸漬した後、エアゾールスプレー容器を取り出し、レーザ光散乱方式粒度分布測定装置(LDSA−3500A(日機装製))のレンズから30cmの距離になる位置に載置した。その状態で、レーザを垂直に通過するように防黴撥水組成物を噴射し、ロジン−ラムラー式に基づいて粒度分布を測定し、防黴撥水組成物の平均粒子径および、粒子径が10μm以下の粒子の割合を求めた。
<付着率の評価方法>
25℃の恒温槽に30分以上浸漬したエアゾールスプレー容器から撥水組成物を噴出し、以下の方法により付着率(%)を測定した。
(1)付着紙としてのろ紙(300mm×300mmの正方形)を垂直なパネルに、中心が一致するように固定し、重量を測定した(噴射前パネル重量=P1:g)。
(2)予め重量(噴射前試料重量=W1:g)を測定した試料を、ノズルの噴射方向がパネルの中心に一致し、かつ距離が200mmとなるように配置した。
(3)パネルに向けて5秒間噴射し、噴射直後(噴射後10秒以内)における、付着紙(ろ紙)が固定されたパネルの重量(噴射直後パネル重量=P2:g)を測定した。
(4)噴射直後の試料の重量(噴射前試料重量=W2:g)を測定した。
次式によって付着率(%)を求めた。
付着率(%)=[(P2−P1)/(W1−W2)]×100
25℃の恒温槽に30分以上浸漬したエアゾールスプレー容器から撥水組成物を噴出し、以下の方法により付着率(%)を測定した。
(1)付着紙としてのろ紙(300mm×300mmの正方形)を垂直なパネルに、中心が一致するように固定し、重量を測定した(噴射前パネル重量=P1:g)。
(2)予め重量(噴射前試料重量=W1:g)を測定した試料を、ノズルの噴射方向がパネルの中心に一致し、かつ距離が200mmとなるように配置した。
(3)パネルに向けて5秒間噴射し、噴射直後(噴射後10秒以内)における、付着紙(ろ紙)が固定されたパネルの重量(噴射直後パネル重量=P2:g)を測定した。
(4)噴射直後の試料の重量(噴射前試料重量=W2:g)を測定した。
次式によって付着率(%)を求めた。
付着率(%)=[(P2−P1)/(W1−W2)]×100
表5および表6に示すように、実施例4〜6の撥水組成物いずれも、10μm以下の粒子を含まない付着率が良好なエアゾール製剤であった。
<黴抵抗性試験>
下記の表7に記載の防黴撥水組成物(実施例7)および撥水組成物(比較例1)を作製し、各組成物と噴射剤LPGとを70:30の容量比でエアゾールスプレー容器に充填してエアゾール製剤とした。それぞれのエアゾール製剤について、JIS Z 2911−2010の規格に従った黴抵抗性試験を行った。
下記の表7に記載の防黴撥水組成物(実施例7)および撥水組成物(比較例1)を作製し、各組成物と噴射剤LPGとを70:30の容量比でエアゾールスプレー容器に充填してエアゾール製剤とした。それぞれのエアゾール製剤について、JIS Z 2911−2010の規格に従った黴抵抗性試験を行った。
図4は、実施例7の防黴撥水組成物の4週間後における黴抵抗性試験結果(n=3)を示す図面代用写真であり、図5は、比較例1の撥水組成物の4週間後における黴抵抗性試験結果(n=3)を示す図面代用写真である。
図4に示すように、実施例7の防黴撥水組成物は、黴抵抗性試験(4週間)後において、試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められず、十分な防黴性を有するものであった。
図4に示すように、実施例7の防黴撥水組成物は、黴抵抗性試験(4週間)後において、試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められず、十分な防黴性を有するものであった。
本発明は、撥水作用に加えて防黴作用を有する防黴撥水組成物および防黴撥水用エアゾールとして利用することができる。
Claims (7)
- (A)防黴成分、(B)溶剤成分および(C)撥水成分を含有している防黴撥水組成物であって、上記(A)防黴成分がヨウ素系防黴成分を含有することを特徴とするエアゾール用の防黴撥水組成物。
- 前記ヨウ素系防黴成分が、ヨードスルホニル化合物およびヨウ化不飽和脂肪族化合物からなる群のうち、1種または2種以上である請求項1に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
- 前記ヨウ素系防黴成分が、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸である請求項1に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
- 前記(B)溶剤成分が、主成分として、炭素数6〜7の脂肪族炭化水素を含有する請求項1、2または3に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
- 前記(B)溶剤成分が、添加成分として、前記炭素数6〜7の脂肪族炭化水素よりも沸点が高い高沸点溶剤をさらに含有する請求項4に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
- 前記(B)溶剤成分が、アルコール系溶剤を含有してない請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアゾール用の防黴撥水組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の防黴撥水組成物と、噴射剤とを含有している防黴撥水用エアゾール。
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