JP2018103295A - 工作機械の心押軸用アタッチメント - Google Patents
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すなわち、貫通穴はその第1の直線方向の寸法を雄ネジ部材のネジ頭部の直径よりも長くしてあることである。
すなわち、補正軸部材については、円筒状の補正軸本体部は、フランジ部の内周部が連続する胴部と、装着部材の補正軸部材用装着部内に収容される被収容部とを備えるものとする。そのうえで補正軸部材の被収容部の外周と装着部材の補正軸部材用装着部の内周との間に、第1の直線方向への偏心を可能とするギャップが設けられるようにすることである。
すなわち、補正軸部材のフランジ部は貫通穴に対応する位置に、雄ネジ部材のネジ頭部が陥没する深さのザグリ穴を備えていることである。
たとえば装着部材の心押軸用装着部は、心押軸の外周を包囲する包囲部と、包囲部の先端よりも後側の内周からその内径を小さくするために同心状に突出する内鍔部を備え、内鍔部の内周面は、心押軸の外周面に対して部分的に接する曲面であると共に、装着部材の軸線を心押軸の軸線に対して所定範囲の角度で傾斜可能とする曲面であるものであっても良い。
またフランジ部46は、貫通穴47のうち被収容部44とは反対側の部分を、雄ネジ部材50のネジ頭部52が陥没する深さのザグリ穴48とし、ザグリ穴48が貫通穴47と平行な長孔形状に形成されている。ちなみに4つのうち2つのザグリ穴48,48は互いの長孔の延長方向(第1の直線方向)が同一直線上に位置する状態に形成されており、フランジ部46の外周よりも半径方向外側に向かって貫通している。したがってこの2つのザグリ穴48,48は、アタッチメント20の上下方向を定めるときの目印になる。
(1)まず、アタッチメント20は、雄ネジ部材50を緩く締めて、補正軸部材40が装着部材30に対して緩くネジ止めされた状態とする。従って、装着部材30の雌ネジ穴34から突出する雄ネジ部材50のネジ軸部51が、貫通穴47を貫通する状態となり、ネジ軸部51に対して補正軸部材40が貫通穴47の長手方向に沿って移動可能な状態となる。
(2)装着部材30を心押軸16の先部に挿入して嵌め込む。装着部材30の内径は、心押軸16の先部の外径よりも僅かに大きい程度なので、嵌め込みには手の平で強く押し込むようにすると、装着部材30が心押軸16に対して擦れながら嵌まり込んでいき、装着部材30の段部31が心押軸16の先端に当たる。なお、嵌め込むときには、貫通穴47の長手方向が上下方向となるように配慮する。これによって、装着部材30が心押軸16に対して着脱可能に装着され、補正軸部材40が装着部材30に対して上下方向に偏心可能になる。
(3)補正軸部材40にセンタ18の後部を挿入する。
(4)工作物Wが丸棒である場合、丸棒の一端部を主軸台12のチャック12aに挟む。
(5)丸棒の他端面の中央にセンタ18がくるように、補正軸部材40を上方に移動させて位置を合わせてから、心押台13を前進させ、丸棒の他端面にセンタ18を押し当てる。これによって、主軸の軸線12jに心押台13のセンタ18の軸線18jが一致する。また、センタ18を押し当てることの反力によって、補正軸部材40が装着部材30に強く押し当てられ、装着部材30の段部31が心押軸16の先端に強く押し当てられる。よって、補正軸部材40及び装着部材30が心押軸16に対して固定された状態となり、補正軸部材40と装着部材30との位置関係が仮決めされた状態になる。
(6)仮決めされた状態のうちに、雄ネジ部材50を強固に締め付けて補正軸部材40と装着部材30を強固に一体化する。これによって、アタッチメント20は、心押台13と一体化する。
(7)正確さを期する場合には、ダイヤルゲージ(図示省略)を用いる。旋盤10の一箇所にダイヤルゲージを固定し、ダイヤルゲージの測定子を丸棒に接触させて数値を読む。主軸によって丸棒を回転させ、各回転角における数値を読んで、主軸の軸線12jと、センタ18の軸線18jとが一致している(許容範囲にあること)ことを確認する。以上により、丸棒の取り付けが完了する。
(8)主軸を回転させて、丸棒に所定の加工を施す。
(9)アタッチメント20を外す場合には、心押台13を後進させ、装着部材30の後端面を前方に向かって叩いて心押軸16から装着部材30を抜き取る。
(5)丸棒の他端面の中央から所定量偏心した箇所にセンタ18がくるように、補正軸部材40を上方又は下方に移動させて位置を合わせてから、心押台13を前進させ、丸棒の他端面にセンタ18を押し当てる。
(7)正確さを期する場合には、ダイヤルゲージを用いる。旋盤10の一箇所にダイヤルゲージを固定し、ダイヤルゲージの測定子を丸棒に接触させて数値を読む。丸棒を回転させ、各回転角における数値を読んで、主軸台12の軸線12jと、心押台13の軸線17jとの偏心量が所望値である(許容範囲にあること)ことを確認する。また長孔形状である貫通穴47の第1の直線方向(長手方向)の寸法は、雄ネジ部材50のネジ頭部52の直径よりも長く、それゆえ貫通穴47の全部がネジ頭部52によって隠れることとはない。従って貫通穴47とネジ頭部52の関係を目視することにより、装着部材30に対する補正軸部材40の偏心量を確認できる。
またベッド11の上面が摩耗によって新品時に比べていびつに削れてその削れた部分の左右の高さが異なるような状態で低くなり、それによって心押軸16も左右の高さが異なるような状態で低くなった場合に、第二実施形態のアタッチメント20を所望の角度θで傾斜させることによって、その左右の高さのずれを補正することもできる。
心押軸用装着部32はその表面側の後端部に目印36を備えている。この目印36は直線であり、心押軸用装置着部32の貫通方向と平行に延長している。またこの目印36は、貫通穴47の長手方向である第1の直線方向が上下方向を向いている場合に、表面を円筒面とする心押軸用装着部32の最も高い位置か、最も低い位置に配置される。図6では、目印36は最も高い位置に配置されている。またこの目印36に一致させる別の目印16aを、旋盤10の心押軸16の表面(円筒面)の頂部に設けることにより、アタッチメント20の取付位置の調整を容易にすることができる。ちなみに心押軸16に形成された目印16aも直線であり、保持穴17の軸線17jと平行に延長している。
ネジ付き穴64aは、図示の例ではフランジ部46の外周面において調整ネジ62の円周方向の約1/3に螺合する雌ネジ部が形成された穴であって、後端面側に向かって開口している。ネジ付き穴64aは、フランジ部46の外周面から補正軸本体部41の外周面に達するまで延長しており、その延長方向は長孔である貫通穴47の延長方向と平行になっている。
空転穴64bは、図示の例では、装着部材30の外周面において調整ネジ62の円周方向の約2/3を収容する穴であり、長孔である貫通穴47の延長方向を深さ方向とする穴であり、雌ネジ部が付いていない穴である。空転穴64bは装着部材30の外周面から貫通することなく(内周面よりも半径方向外側の位置まで)形成されると共に、先端面側に向かって開口している。
言い換えれば、円筒面の円周方向に関して半分以上と半分未満、より詳しく言えば2/3と1/3となるように、円筒面の穴をその穴の貫通方向に切断したときに、円筒面の2/3に切断された部分を空転穴64bとし、円筒面の1/3に切断された分をネジ付き穴64aとする。
基板部70には板の厚み方向に貫通穴70aが形成されており、この貫通穴70aを経て固定用のネジ72を螺合させる雌ネジ穴30aが装着部材30の外周面(上面)に形成されている。
押さえ部68は、板の厚み方向から視て、U字状となっている。言い換えれば押さえ部68は、厚み方向から視て、調整ネジ62を押さえる一対の押さえ腕部69,69を基板部70から対向する状態で突出したものである。そして一対の押さえ腕部69,69の間が工具を差し込む貫通穴として機能する。
また上記した偏心量調整機構60は偏心量を調整する場合は、雄ネジ部材50を緩く締めてある状態で調整ネジ62を一方向、または他方向に回せばよい。たとえば調整ネジ62を一方向に回せば、ネジ穴64の空転穴64bの内部で調整ネジ62が空転しながらネジ付き穴64aに螺合して、装着部材30に対して下方向に補正軸部材40が移動し、その逆に調整ネジ62を他方向に回せば、装着部材30に対して上方向に補正軸部材40が移動し、偏心量が調整できる。
11ベッド
12主軸台
12aチャック
12j軸線
13心押台
14心押台本体
15挿入穴
16心押軸
16a目印
17保持穴
17j軸線
18センタ
18j軸線
20アタッチメント
30装着部材
30a雌ネジ穴
31段部
32心押軸用装着部
32a包囲部
32b内鍔部
32c内周面
32d雌ネジ孔
33補正軸部材用装着部
34雌ネジ穴
36目印
40補正軸部材
41補正軸本体部
42テーパ面
43胴部
44被収容部
46フランジ部
47貫通穴
48ザグリ穴
50雄ネジ部材
51ネジ軸部
52ネジ頭部
55雄ネジ部材
60偏心量調整機構
62調整ネジ
62a軸部
62b雄ネジ部
62c穴
64ネジ穴
64aネジ付き穴
64b空転穴
66ストッパ
68押さえ部
69押さえ腕部
70基板部
70a貫通穴
72固定用のネジ
W工作物
G1ギャップ
G2隙間
Claims (5)
- 心押軸の先部外周側に着脱可能に装着する筒状の装着部材と、装着部材に対してネジ止め可能であると共にネジ止めの解除状態においては装着部材の貫通方向に対して直交する第1の直線方向に偏心可能に設けられる補正軸部材とを備え、
装着部材は、円筒状であって、その後部を心押軸に対する心押軸用装着部とし、その先部を補正軸部材に対する補正軸部材用装着部とし、補正軸部材用装着部の先端面には雄ネジ部材に螺合可能な雌ネジ穴を備え、
補正軸部材は、円筒状の補正軸本体部と、補正軸本体部の外周部から鍔状に突出するフランジ部を備え、
補正軸本体部は、その内周面がセンタを取り付け可能なテーパ面であり、
フランジ部は、装着部材の先端面にネジ止めするものであって、雄ネジ部材のネジ軸部を通す貫通穴を、雌ネジ穴に対応する位置に備え、貫通穴が第1の直線方向に延長する長孔形状であることを特徴とする工作機械の心押軸用アタッチメント。 - 貫通穴は、その第1の直線方向の寸法を雄ネジ部材のネジ頭部の直径よりも長くしてあることを特徴とする請求項1記載の工作機械の心押軸用アタッチメント。
- 補正軸部材については、円筒状の補正軸本体部は、フランジ部の内周部が連続する胴部と、装着部材の補正軸部材用装着部内に収容される被収容部とを備え、
補正軸部材の被収容部の外周と装着部材の補正軸部材用装着部の内周との間に、第1の直線方向への偏心を可能とするギャップが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械の心押軸用アタッチメント。 - 補正軸部材のフランジ部は貫通穴に対応する位置に、雄ネジ部材のネジ頭部が陥没する深さのザグリ穴を備えていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の工作機械の心押軸用アタッチメント。
- 装着部材の心押軸用装着部は、心押軸の外周面を包囲する包囲部と、包囲部の先端よりも後側の内周からその内径を小さくするために同心状に突出する内鍔部を備え、
内鍔部の内周面は、心押軸の外周面に対して部分的に接する曲面であると共に、装着部材の軸線を心押軸の軸線に対して所定範囲の角度で傾斜可能とする曲面であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の工作機械の心押軸用アタッチメント。
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