JP2018103123A - 防食塗装鋼材及びその製造方法、塗装鋼材の防食方法 - Google Patents
防食塗装鋼材及びその製造方法、塗装鋼材の防食方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018103123A JP2018103123A JP2016253549A JP2016253549A JP2018103123A JP 2018103123 A JP2018103123 A JP 2018103123A JP 2016253549 A JP2016253549 A JP 2016253549A JP 2016253549 A JP2016253549 A JP 2016253549A JP 2018103123 A JP2018103123 A JP 2018103123A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- steel material
- layer
- zinc
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Abstract
Description
前記被覆層は、前記鋼材の表面に形成されている前記第一の層と、前記第一の層上に形成されている第二の層とからなり、
前記第一の層は、粒状の亜鉛と無機系バインダとを含み、
前記第二の層は、マグネシウム、カルシウムの一方又は両方と、亜鉛の水酸化物とを含み、
前記マグネシウムの濃度と前記カルシウムの濃度との合計は0.2質量%以上であり、
前記被覆層の厚さの平均値は10μm以上であり、
前記第一の層の厚さの最小値は5μm以上であり、
前記第二の層の厚さの最小値は1μm以上である
ことを特徴とする防食塗装鋼材。
[2] 前記鋼材が、質量%で、
C:0.001%〜0.20%、
Mn:0.1〜3.0%
を含有し、更に、
Si:3.0%、
Al:2.0%以下
の一方又は両方を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする上記[1]に記載の防食塗装鋼材。
[3] 前記鋼材が、更に、質量%で、
Cr:9.99%以下、
Cu:2.0%以下、
Ni:2.0%以下、
Mo:1.0%以下、
W:1.0%以下、
Sn:0.5%以下、
Sb:0.5%以下、
V:0.2%以下、
Nb:0.08%以下、
Ti:0.1%以下、
Mg:0.01%以下、
Zr:0.05%以下、
B:0.005%以下、
Ca:0.02%以下、
REM:0.02%以下、
Se:0.1%以下、
Hf:0.1%以下、
Sr:0.1%以下
の1種又は2種以上を含有し、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
N:0.03%以下
に制限されたことを特徴とする上記[2]に記載の防食塗装鋼材。
[5] 前記鋼材は、質量%で、
C:0.001%〜0.20%、
Mn:0.1〜3.0%
を含有し、更に、
Si:3.0%以下、
Al:2.0%以下
の一方又は両方を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする[4]に記載の防食塗装鋼材の製造方法。
[6] 前記鋼材が、更に、質量%で、
Cr:9.99%以下、
Cu:2.0%以下、
Ni:2.0%以下、
Mo:1.0%以下、
W:1.0%以下、
Sn:0.5%以下、
Sb:0.5%以下、
V:0.2%以下、
Nb:0.08%以下、
Ti:0.1%以下、
Mg:0.01%以下、
Zr:0.05%以下、
B:0.005%以下、
Ca:0.02%以下、
REM:0.02%以下、
Se:0.1%以下、
Hf:0.1%以下、
Sr:0.1%以下
の1種又は2種以上を含有し、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
N:0.03%以下
に制限されたことを特徴とする上記[5]に記載の防食塗装鋼材の製造方法。
[8] 前記鋼材は、質量%で、
C:0.001%〜0.20%、
Mn:0.1〜3.0%
を含有し、更に、
Si:3.0%以下、
Al:2.0%以下
の一方又は両方を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする上記[7]に記載の塗装鋼材の防食方法。
[9] 前記鋼材が、更に、質量%で、
Cr:9.99%以下、
Cu:2.0%以下、
Ni:2.0%以下、
Mo:1.0%以下、
W:1.0%以下、
Sn:0.5%以下、
Sb:0.5%以下、
V:0.2%以下、
Nb:0.08%以下、
Ti:0.1%以下、
Mg:0.01%以下、
Zr:0.05%以下、
B:0.005%以下、
Ca:0.02%以下、
REM:0.02%以下、
Se:0.1%以下、
Hf:0.1%以下、
Sr:0.1%以下
の1種又は2種以上を含有し、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
N:0.03%以下
に制限されたことを特徴とする上記[8]に記載の塗装鋼材の防食方法。
無機ジンク系塗膜は、鋼材の表面に無機ジンク系塗料を塗布することによって、鋼材の表面の少なくとも一部に形成される。本発明において使用される無機ジンク系塗料は、亜鉛合金の含有を必須とせずに、粒状の亜鉛(亜鉛末)とシリケートなどの無機系バインダを含む無機ジンクリッチプライマーや無機ジンクリッチペイントを利用することができる。前記無機ジンクリッチプライマーとして、JIS K 5552のジンクリッチプライマーが好ましい。また、前記無機ジンクリッチペイントとして、JIS K 5553のジンクリッチペイントが好ましい。そして、鋼材の表面に無機ジンク系塗料を塗布して形成させた塗膜は、水分や酸素が、シリケートのバインダを容易に透過することが可能である。一方、有機系ジンク塗料は、水分が塗膜を透過せず、マグネシウムやカルシウムの効果が発現しないため、本発明から除外する。
無機ジンク系塗膜の厚さの平均値は、10μm以上であることが必要である。厚さが10μm未満の無機ジンク系塗膜を形成しても、亜鉛末の含有量が不足して、十分な防食性能が得られない。好ましくは、前記無機ジンク系塗膜の厚さを15μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは70μm以上とする。前記無機ジンク系塗料組成物含有層の厚さの上限は、乾燥に要する時間などの施工性の観点から、300μm以下が好ましい。より好ましくは150μm以下とする。前記無機ジンク系塗料組成物含有層の厚さは、断面の5箇所をSEMによって観察し、平均値として測定することができる。
無機ジンク系塗料を塗布して鋼材の表面に形成した無機ジンク系塗膜に、Mg化合物、Ca化合物の一方又は両方を溶解させた塩化物水溶液を塗布するか、又は、これらを含有させた塩化物水溶液中に塗装鋼材を浸漬する。その結果、無機ジンク系塗膜は、表面にマグネシウム、カルシウムの一方又は両方を含む腐食生成物が形成された被覆層となる。即ち、被覆層は、鋼材の表面上に形成されている、粒状の亜鉛及び無機系バインダを含む第一の層と、第一の層上に形成されている、マグネシウム、カルシウムの一方又は両方と、亜鉛の水酸化物とを含む第二の層とからなる。
第二の層において、マグネシウム濃度及びカルシウム濃度の合計が0.2質量%以上であると、マグネシウム、カルシウムによる防食性能の向上の効果が得られる。好ましくは、0.5質量%以上とする。第二の層は、マグネシウム濃度が0.0質量%となり、カルシウム濃度が0.2質量%以上となるように形成されていても良い。或いは、カルシウム濃度が0.0質量%となり、マグネシウム濃度が0.2質量%以上となるように第二の層が形成されていても良い。マグネシウム濃度、カルシウム濃度は高いほど好ましいが、マグネシウム、カルシウムを濃化させるには亜鉛末の腐食を促進させることが必要であり、亜鉛末の含有量が相対的に低下するので、耐食性を確保するために、マグネシウム濃度及びカルシウム濃度の合計を2.0質量%以下にすることが好ましい。より好ましくは1.5質量%以下とする。
Cは、鋼材の強度の向上に有効な元素である。強度を維持するため、C量は、0.001%以上とすることが好ましい。C量は、0.005%以上がより好ましく、0.01%以上が更に好ましい。一方、C量が0.20%を超えると、溶接性や靭性が低下することがあるため、上限を0.20%とすることが好ましい。C量は、溶接性を考慮すると、0.15%以下がより好ましく、加工性の点から、0.10%以下が更に好ましい。
Mnは、鋼の組織制御に有効な元素であり、0.1%以上を含有させることが好ましい。また、組織制御を安定的に行うためには、0.5%以上のMnを含有させることがより好ましい。一方、Mn量が3.0%を超えると、延性が低下する場合があるため、上限を3.0%とすることが好ましい。また、圧延などの製造性を考慮すると、Mn量は2.5%以下がより好ましい。
Siは、脱酸剤として作用し、また、強度の向上に有効な元素であるため、含有させてもよい。Si量が3.0%を超えると、延性が低下するため、上限を3.0%とすることが好ましい。また、鋼材の溶接性や靭性を考慮すると、Si量は0.5%以下がより好ましい。Alを脱酸剤として使用する場合はSiを含有させる必要はなく、Si量は0%でもよい。Siを含有させる場合、Si量が0.01%未満では、脱酸が不充分になる場合があるため、下限を0.01%とすることが好ましい。また、脱酸をより安定的に行うためには、Si量は0.05%以上がより好ましい。
Alは、脱酸剤として用いられ、鋼の耐食性を更に向上させるために、必要に応じて含有させてもよい。Al量が2.0%を超えると、鋳片の冷却過程で変態が起きず、フェライト単相組織となって、鋳片割れが生じることがあるため、上限を2.0%とすることが好ましい。Al量は、より好ましくは1.5%以下である。Siを脱酸剤として使用する場合はAlを含有させる必要はなく、Al量は0%でもよい。鋼の耐食性を更に向上させるためには、0.002%以上のAlを含有させることが好ましく、0.01%以上を含有させることがより好ましい。また、Al量は、0.02%以上とすることが更に好ましい。
Crは、鋼材の耐食性の向上に有効であり、必要に応じて添加してもよい。Cr量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、本発明では、無機ジンク系塗料組成物含有層と鋼材との相互作用によって顕著な耐食性向上効果を得るため、0.1%以上を添加することが好ましい。Cr量は、0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましい。一方、Cr量が9.99%を超えると、鋳片の冷却過程で変態が起きず、フェライト単相組織となって、鋳片割れが生じるため、上限を9.99%とする。また、Cr量は、合金コスト低減のため、8%以下が好ましく、6.5%以下がより好ましい。Cr量は、溶接性等を考慮して、5%以下、4%以下又は3%以下に制限してもよい。
Cuは、鋼の耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて添加してもよい。一方、Cu量が2.0%を超えると、鋼材が脆化することがあるため、上限を2.0%とすることが好ましい。Cu量は、より好ましくは0.5%以下である。Cu量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、鋼の耐食性を安定的に向上させるためには、0.05%以上を添加することが好ましい。また、Cuは、強度を改善するとともに、鋳片割れを防止する元素でもあるため、Cu量は、0.10%以上とすることがより好ましい。
Niは、鋼の耐食性を向上させる元素であり、また、Cuを添加する場合にはNiを同時に添加すると製造性の劣化を防止することができる。一方で、Niは高価な元素であり、上記の効果は2.0%を超えてNiを添加すると飽和することから、上限を2.0%とすることが好ましい。Ni量は、より好ましくは0.5%以下であり、更に好ましくは0.3%以下である。また、Ni量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、上記の効果を安定的に得るためには、0.05%以上を添加することが好ましく、0.10%以上を添加することがより好ましい。
Mo及びWは、鋼の耐食性を向上させる元素であり、必要に応じて添加してもよい。一方、Mo及びWは、1.0%を超えて添加しても効果が飽和するため、上限を1.0%とすることが好ましく、より好ましくは0.5%以下とする。Mo量及びW量は、より好ましくはそれぞれ0.3%以下である。Mo量及びW量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、鋼の耐食性を安定的に向上させるためには、それぞれ0.01%以上を添加することが好ましく、0.03%以上を添加することがより好ましい。
Sn及びSbは、鋼の耐食性を向上させる元素であり、必要に応じて添加してもよい。一方、Sn及びSbは、過剰に添加すると製造性や機械特性を損なう場合があるため、Sn量及びSb量の上限を、それぞれ0.5%とすることが好ましい。Sn量及びSb量は、より好ましくはそれぞれ0.2%以下である。Sn量及びSb量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、鋼の耐食性を安定的に向上させるためには、それぞれ0.01%以上を添加することが好ましく、0.05%以上を添加することがより好ましい。
Vは、機械特性、使用性能、製造安定性を向上させる元素であり、必要に応じて添加してもよい。一方、Vを過剰に添加すると耐発錆性を損なう可能性があるため、V量の上限を0.2%とすることが好ましい。V量は、より好ましくは0.1%以下、更に好ましくは0.05%以下である。V量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、鋼材の諸特性を安定的に向上させるためには、0.005%以上を添加することが好ましく、0.01%以上を添加することがより好ましい。
Nbは、機械特性、使用性能、製造安定性を向上させる元素であり、必要に応じて添加してもよい。一方、Nbを過剰に添加すると耐発錆性を損なう可能性があるため、Nb量の上限を0.08%とすることが好ましい。Nb量は、より好ましくは0.03%以下である。Nb量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、鋼材の諸特性を安定的に向上させるためには、0.002%以上を添加することが好ましく、0.005%以上を添加することがより好ましい。
Tiは、機械特性、使用性能、製造安定性を向上させる元素であり、必要に応じて添加してもよい。一方、Tiを過剰に添加すると耐発錆性を損なう可能性があるため、Ti量の上限を0.1%とすることが好ましい。Ti量は、より好ましくは0.03%以下である。Ti量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、鋼材の諸特性を安定的に向上させるためには、0.005%以上を添加することが好ましく、0.01%以上を添加することがより好ましい。
Mgは、機械特性、使用性能、製造安定性を向上させる元素であり、必要に応じて添加してもよい。一方、Mgを過剰に添加すると耐発錆性を損なう可能性があるため、Mg量の上限を0.01%とすることが好ましい。Mg量は、より好ましくは0.002%以下である。Mg量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、鋼材の諸特性を安定的に向上させるためには、0.0001%以上を添加することが好ましく、0.0005%以上を添加することがより好ましい。
Zrは、機械特性、使用性能、製造安定性を向上させる元素であり、必要に応じて添加してもよい。一方、Zrを過剰に添加すると耐発錆性を損なう可能性があるため、Zr量の上限を0.05%とすることが好ましい。Zr量は、より好ましくは0.02%以下である。Zr量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、鋼材の諸特性を安定的に向上させるためには、0.003%以上を添加することが好ましく、0.005%以上を添加することがより好ましい。
Bは、機械特性、使用性能、製造安定性を向上させる元素であり、必要に応じて添加してもよい。一方、Bを過剰に添加すると耐発錆性を損なう可能性があるため、B量の上限を0.005%とすることが好ましい。B量は、より好ましくは0.002%以下である。B量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、鋼材の諸特性を安定的に向上させるためには、0.0002%以上を添加することが好ましく、0.0005%以上を添加することがより好ましい。
Caは、機械特性、使用性能、製造安定性を向上させる元素であり、必要に応じて添加してもよい。一方、Caを過剰に添加すると耐発錆性を損なう可能性があるため、Ca量の上限を0.02%とすることが好ましい。Ca量は、より好ましくは0.003%以下である。Ca量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、鋼材の諸特性を安定的に向上させるためには、0.0002%以上を添加することが好ましく、0.0005%以上を添加することがより好ましい。
REMは、機械特性、使用性能、製造安定性を向上させる元素であり、必要に応じて添加してもよい。REMは、希土類金属(Rare Earth Metals)を表しており、原子番号57のLaから原子番号71までの、いわゆるランタノイド元素に対応する。本実施形態では、REMに属する一種類の元素の単体や化合物を添加してもよいし、複数種類のREMを含有する混合物を添加してもよい。このような混合物としては、Ce、La、Nd等を主成分とするミッシュメタルを挙げることができる。
Se、Hf及びSrは、耐食性向上に有効な元素であり、必要に応じて添加してもよい。一方、Se、Hf及びSrを過剰に添加すると製造性や機械特性を損なう場合があるため、Se、Hf及びSrの含有量の上限を、それぞれ0.1%とすることが好ましく、より好ましくは0.05%以下とする。Se、Hf及びSrの含有量の下限は特に規定するものではなく、0%でもよいが、鋼材の耐食性を安定的に向上させるためには、それぞれ0.0002%以上を添加することが好ましく、0.0005%以上を添加することがより好ましい。
P量は、0.03%を超えると、靭性や延性が低下する場合があるため、上限を0.03%に制限することが好ましい。より好ましいP量の上限は、0.01%である。一方、P量を0.001%未満に低減すると製造コストが上昇するため、P量は0.001%以上が好ましい。
S量は、0.01%を超えると、靭性や延性が低下したり、熱間加工性を損なったりする場合があるため、上限を0.01%に制限することが好ましい。より好ましいS量の上限は、0.003%である。一方、S量を0.0001%未満に低減すると製造コストが上昇するため、S量は0.0001%以上が好ましい。
N量は、0.03%を超えると、靭性や延性が低下する場合があるため、上限を0.03%に制限することが好ましい。より好ましいN量の上限は、0.01%であり、更に好ましくは0.006%とする。一方、N量を0.001%未満に低減すると製造コストが上昇するため、N量は0.001%以上が好ましい。
鋼材の表面上には、粒状の亜鉛を含む前記無機ジンク系塗料が、乾燥後の塗膜の厚さが10μm以上になるように塗布される。好ましくは塗膜の厚さを25μm以上とし、より好ましくは50μm以上とする。塗膜は厚いほど耐食性が向上するため、厚さの上限は規定しないが、作業性の観点から200μm以下が好ましい。より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下とする。尚、無機ジンク系塗料の乾燥方法は、特に限定されず、室温下で放置することにより前記無機ジンク系塗料を乾燥しても良い。また、無機ジンク系塗料を塗布する前に、鋼材の表面に、密着性の向上を目的とするショットブラスト処理を施してもよい。ショットブラスト処理は、ISO 8501−1の除せい度がSa2.5(JIS Z 0313のSa2 1/2)以上になるように施すことが好ましい。
Claims (9)
- 鋼材と、被覆層とを有し、
前記被覆層は、前記鋼材の表面に形成されている第一の層と、前記第一の層上に形成されている第二の層とからなり
前記第一の層は、粒状の亜鉛と無機系バインダを含み、
前記第二の層は、マグネシウム、カルシウムの一方又は両方と、亜鉛の水酸化物とを含み、前記マグネシウムの濃度と前記カルシウムの濃度との合計は0.2質量%以上あり、
前記被覆層の厚さの平均値は10μm以上であり、
前記第一の層の厚さの最小値は5μm以上であり、
前記第二の層の厚さの最小値は1μm以上である
ことを特徴とする防食塗装鋼材。 - 前記鋼材が、質量%で、
C:0.001%〜0.20%、
Mn:0.1〜3.0%
を含有し、更に、
Si:3.0%以下、
Al:2.0%以下
の一方又は両方を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の防食塗装鋼材。 - 前記鋼材が、更に、質量%で、
Cr:9.99%以下、
Cu:2.0%以下、
Ni:2.0%以下、
Mo:1.0%以下、
W:1.0%以下、
Sn:0.5%以下、
Sb:0.5%以下、
V:0.2%以下、
Nb:0.08%以下、
Ti:0.1%以下、
Mg:0.01%以下、
Zr:0.05%以下、
B:0.005%以下、
Ca:0.02%以下、
REM:0.02%以下、
Se:0.1%以下、
Hf:0.1%以下、
Sr:0.1%以下
の1種又は2種以上を含有し、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
N:0.03%以下
に制限されたことを特徴とする請求項2に記載の防食塗装鋼材。 - 鋼材の表面上に、粒状の亜鉛と無機系バインダとを含む無機ジンク系塗料を塗布して厚さが10μm以上の無機ジンク系塗膜を前記鋼材の表面の少なくとも一部に形成し、前記無機ジンク系塗膜の表面に、水溶性のMg化合物、水溶性のCa化合物の一方又は両方を、それぞれ、Mg換算濃度及びCa換算濃度の合計で0.3質量%以上含む塩化物水溶液を塗布するか、又は、前記無機ジンク系塗膜を表面に形成した鋼材を前記塩化物水溶液中に浸漬し、その後、乾燥させることを特徴とする防食塗装鋼材の製造方法。
- 前記鋼材は、質量%で、
C:0.001%〜0.20%、
Mn:0.1〜3.0%
を含有し、更に、
Si:3.0%、
Al:2.0%以下
の一方又は両方を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項4に記載の防食塗装鋼材の製造方法。 - 前記鋼材が、更に、質量%で、
Cr:9.99%以下、
Cu:2.0%以下、
Ni:2.0%以下、
Mo:1.0%以下、
W:1.0%以下、
Sn:0.5%以下、
Sb:0.5%以下、
V:0.2%以下、
Nb:0.08%以下、
Ti:0.1%以下、
Mg:0.01%以下、
Zr:0.05%以下、
B:0.005%以下、
Ca:0.02%以下、
REM:0.02%以下、
Se:0.1%以下、
Hf:0.1%以下、
Sr:0.1%以下
の1種又は2種以上を含有し、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
N:0.03%以下
に制限されたことを特徴とする請求項5に記載の防食塗装鋼材の製造方法。 - 鋼材の表面に、粒状の亜鉛と無機系バインダとを含む無機ジンク系塗料を塗布して厚さが10μm以上の無機ジンク系塗膜を前記鋼材の表面の少なくとも一部に形成し、前記無機ジンク系塗膜の表面に、水溶性のMg化合物、水溶性のCa化合物の一方又は両方を、それぞれ、Mg換算濃度及びCa換算濃度の合計で0.3質量%以上含む塩化物水溶液を塗布するか、又は、前記無機ジンク系塗膜を表面に形成した鋼材を前記塩化物水溶液中に浸漬させ、その後、乾燥させることを特徴とする塗装鋼材の防食方法。
- 前記鋼材は、質量%で、
C:0.001%〜0.20%、
Mn:0.1〜3.0%
を含有し、更に、
Si:3.0%以下、
Al:2.0%以下
の一方又は両方を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項7に記載の塗装鋼材の防食方法。 - 前記鋼材が、更に、質量%で、
Cr:9.99%以下、
Cu:2.0%以下、
Ni:2.0%以下、
Mo:1.0%以下、
W:1.0%以下、
Sn:0.5%以下、
Sb:0.5%以下、
V:0.2%以下、
Nb:0.08%以下、
Ti:0.1%以下、
Mg:0.01%以下、
Zr:0.05%以下、
B:0.005%以下、
Ca:0.02%以下、
REM:0.02%以下、
Se:0.1%以下、
Hf:0.1%以下、
Sr:0.1%以下
の1種又は2種以上を含有し、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
N:0.03%以下
に制限されたことを特徴とする請求項8に記載の塗装鋼材の防食方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016253549A JP6874363B2 (ja) | 2016-12-27 | 2016-12-27 | 防食塗装鋼材及びその製造方法、塗装鋼材の防食方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016253549A JP6874363B2 (ja) | 2016-12-27 | 2016-12-27 | 防食塗装鋼材及びその製造方法、塗装鋼材の防食方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018103123A true JP2018103123A (ja) | 2018-07-05 |
JP6874363B2 JP6874363B2 (ja) | 2021-05-19 |
Family
ID=62786026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016253549A Active JP6874363B2 (ja) | 2016-12-27 | 2016-12-27 | 防食塗装鋼材及びその製造方法、塗装鋼材の防食方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6874363B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020158853A (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 日本製鉄株式会社 | 鋼材およびその製造方法 |
JP2021025065A (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-22 | 日本製鉄株式会社 | チェーンロッカーおよびチェーンロッカー用鋼板 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0285384A (ja) * | 1988-09-22 | 1990-03-26 | Nisshin Steel Co Ltd | ステンレス鋼の隙間腐蝕防止方法 |
JP2004501233A (ja) * | 2000-05-11 | 2004-01-15 | ダウ・コ−ニング・コ−ポレ−ション | 塗料組成物 |
JP2009136785A (ja) * | 2007-12-06 | 2009-06-25 | Neos Co Ltd | 亜鉛金属表面の耐食性皮膜形成方法 |
JP2010215731A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Nisshin Steel Co Ltd | 鋼材補修用固形塗料および耐食性鋼材 |
JP2012091428A (ja) * | 2010-10-28 | 2012-05-17 | Jfe Steel Corp | 塗装耐食性に優れた船舶用鋼材 |
JP2015048495A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | ユケン工業株式会社 | 防錆処理剤、防錆処理部材、および、防錆処理方法 |
-
2016
- 2016-12-27 JP JP2016253549A patent/JP6874363B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0285384A (ja) * | 1988-09-22 | 1990-03-26 | Nisshin Steel Co Ltd | ステンレス鋼の隙間腐蝕防止方法 |
JP2004501233A (ja) * | 2000-05-11 | 2004-01-15 | ダウ・コ−ニング・コ−ポレ−ション | 塗料組成物 |
JP2009136785A (ja) * | 2007-12-06 | 2009-06-25 | Neos Co Ltd | 亜鉛金属表面の耐食性皮膜形成方法 |
JP2010215731A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Nisshin Steel Co Ltd | 鋼材補修用固形塗料および耐食性鋼材 |
JP2012091428A (ja) * | 2010-10-28 | 2012-05-17 | Jfe Steel Corp | 塗装耐食性に優れた船舶用鋼材 |
JP2015048495A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | ユケン工業株式会社 | 防錆処理剤、防錆処理部材、および、防錆処理方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020158853A (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 日本製鉄株式会社 | 鋼材およびその製造方法 |
JP7256373B2 (ja) | 2019-03-27 | 2023-04-12 | 日本製鉄株式会社 | 鋼材およびその製造方法 |
JP2021025065A (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-22 | 日本製鉄株式会社 | チェーンロッカーおよびチェーンロッカー用鋼板 |
JP7352071B2 (ja) | 2019-07-31 | 2023-09-28 | 日本製鉄株式会社 | チェーンロッカーおよびチェーンロッカー用鋼板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6874363B2 (ja) | 2021-05-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4014907B2 (ja) | 耐食性に優れたステンレス鋼製の自動車用燃料タンクおよび給油管 | |
JP6368730B2 (ja) | 溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板とその製造方法 | |
JP6653026B2 (ja) | 鋼板表面処理用溶液組成物、それを用いて表面処理された亜鉛系めっき鋼板、及びその製造方法 | |
JP6515282B2 (ja) | 酸性環境用耐食鋼材及び防食方法 | |
JP5691350B2 (ja) | 耐候性に優れた構造用鋼材および鋼構造物 | |
TWI737066B (zh) | 熔融Al-Zn-Mg-Si-Sr鍍覆鋼板及其製造方法 | |
JP6556163B2 (ja) | 耐候性に優れた構造用鋼材 | |
KR20230147754A (ko) | 용융 Al-Zn-Mg-Si-Sr 도금 강판 및 그 제조 방법 | |
JP5196074B2 (ja) | 切断端面耐食性及び加工部耐食性に優れた溶融アルミニウム合金めっき鋼材とその製造方法 | |
JP2021508779A (ja) | 耐食性及び表面平滑性に優れた亜鉛合金めっき鋼材及びその製造方法 | |
WO2012115280A1 (ja) | 耐候性に優れた構造用鋼材 | |
JP2016199778A (ja) | 鋼材およびその鋼材の製造方法 | |
CN105051239B (zh) | 热浸镀Al-Zn系钢板及其制造方法 | |
JP5891892B2 (ja) | 高塩分環境下で耐候性に優れたさび層付き鋼材 | |
JP6743524B2 (ja) | 防食塗装鋼材及びその製造方法、塗装鋼材の防食方法 | |
JP2009120947A (ja) | 耐食性と溶接性に優れる亜鉛系合金めっき鋼材及び耐食性に優れる塗装鋼材 | |
JP2018103123A (ja) | 防食塗装鋼材及びその製造方法、塗装鋼材の防食方法 | |
JP6206112B2 (ja) | Sn系めっき鋼板及び水系処理液 | |
JP2012214871A (ja) | 耐食性に優れたさび層付き鋼材 | |
JP4455712B2 (ja) | 耐大気腐食性を有する被覆鋼 | |
JP6432607B2 (ja) | 耐候性に優れた構造用鋼材 | |
KR100790269B1 (ko) | 아연도금 철선 및 강선용 백청 방지제의 조성물 및 상기방지제를 이용하여 아연도금 철선 및 강선을 제조하는 방법 | |
JP3790398B2 (ja) | 加工部断面耐食性に優れた被覆鋼 | |
AU2021418839A1 (en) | Plated steel material | |
JP2007023309A (ja) | 耐食性に優れた溶融亜鉛合金めっき鋼板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190805 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200818 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201014 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210323 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210405 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6874363 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |