JP2018102122A - 回転電気機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターにおいて、コイルエンドの小型化を図る。
【解決手段】界磁巻線(23)を配置する界磁スロット(213a)及び電機子巻線(24)を配置する電機子スロット(213b)が形成された固定子コア(21)を設け、界磁スロット(213a)内に永久磁石(22)を配置する。永久磁石(22)は、外周側及び内周側の両方から直接または前記固定子コア(21)を介して界磁巻線(23)が面している。電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)は、所定の界磁スロット(213a)を跨ぎ且つ跨いでいる界磁スロット(213a)内の永久磁石(22)における軸方向端面上を通過するように構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転電気機械に関するものである。
回転電気機械の一種である電動機の中には、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーター(HEFSM: Hybrid Excitation Flux Switching Motor。以下、HEFSMと略記する場合もある)と呼ばれる形式ものがある。HEFSMでは、固定子に巻線と永久磁石の両方が設けられ、永久磁石の磁束を固定子から回転子に流す運転モードがある(例えば特許文献1を参照)。特許文献1の例では、所定の巻線(界磁巻線)が永久磁石と接して設けられており、その界磁巻線への直流の通電状態を制御することによって永久磁石の磁束の流れを制御するとともに、回転磁界を形成するための巻線(電機子巻線)に交流電力を供給して回転子を回転させている。
特開2013−201869号公報
しかしながら、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターには、界磁巻線と電機子巻線の2種類の巻線があり、それらが複雑に入り組んで配置されるので、コイルエンドが大きくなりがちであるし、場合によっては占積率が小さくなる。とりわけ、永久磁石の内周側と外周側の両方に界磁巻線を設ける場合には、巻線が更に複雑に入り組んで、この問題がより顕著になる。
本発明は前記の問題に着目してなされたものであり、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターにおいて、コイルエンドの小型化を図ることを目的としている。
前記の課題を解決するため、第1の態様は、
直流が供給される界磁巻線(23)と、
交流が供給される電機子巻線(24)と、
前記界磁巻線(23)を配置するスロット(213)である界磁スロット(213a)と、前記電機子巻線(24)を配置するスロット(213)である電機子スロット(213b)とがそれぞれ周方向に並んで複数形成された円環状の固定子コア(21)と、
それぞれの界磁スロット(213a)内、又は前記界磁スロット(213a)の内周側又は外周側に隣接して形成されたスロットである磁石スロット(215)内に収容された永久磁石(22)と、
前記固定子コア(21)と所定のエアギャップ(G)をもって対向した回転子コア(11)とを備え、
それぞれの永久磁石(22)は、前記界磁スロット(213a)内又は前記磁石スロット(215)内において、外周側及び内周側の両方から前記界磁巻線(23)が直接または前記固定子コア(21)を介して面しており、
前記電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)は、所定の前記界磁スロット(213a)を跨ぎ、且つ跨いでいる前記界磁スロット(213a)内の前記永久磁石(22)における軸方向端面上を通過することを特徴とする回転電気機械である。
この構成では、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)が、永久磁石(22)の軸方向端面上を通過する。そのため、この構成では、界磁巻線(23)と電機子巻線(24)とが交叉しないようにできる。
また、第2の態様は、第1の態様において、
前記電機子スロット(213b)の径方向幅(W1)は、前記永久磁石(22)の径方向幅(W2)の2倍以下であることを特徴とする。
この構成では、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)が、永久磁石(22)の軸方向端面上からはみ出さないようにできる。
また、第3の態様は、第1又は第2の態様において、
前記電機子巻線(24)は、セグメントコイルによって形成されていることを特徴とする。
この構成では、占積率を向上させることが可能になる。
また、第4の態様は、第1から第3の態様の何れかにおいて、
前記固定子コア(21)は、前記電機子スロット(213b)よりも外周側に縁部分(212b)を有し、
前記永久磁石(22)の外周側に配置された前記界磁巻線(23o)のコイルエンド(23e)は、前記縁部分(212b)の軸方向端面上を通過し、
前記縁部分(212b)の径方向幅(W3)は、前記永久磁石(22)の外周側に配置された前記界磁巻線(23o)の径方向幅(W4)よりも大きいことを特徴とする。
この構成では、界磁巻線(23o)のコイルエンド(23e)が、固定子コア(21)よりも外周側にはみ出さないようにできる。
また、第5の態様は、第1から第4の態様の何れかにおいて、
前記固定子コア(21)は、前記界磁スロット(213a)と前記電機子スロット(213b)の間に、前記界磁巻線(23)及び前記電機子巻線(24)の少なくとも一方を巻回するティース(211)が形成され、
前記電機子スロット(213b)に面したティース(211)は、該電機子スロット(213b)内に向って突出するツバ部(211c)が形成されており、
前記永久磁石(22)の内周側に配置された前記界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)は、前記ツバ部(211c)の軸方向端面上を通過することを特徴とする。
この構成では、界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)の通過場所として、電機子巻線(24)が通過しない箇所が選択される。
また、第6の態様は、第1から第5の態様の何れかにおいて、
前記永久磁石(22)の内周側に配置された前記界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)は、前記エアギャップ(G)上、及び前記回転子コア(11)の軸方向端面上の少なくとも一方を通過することを特徴とする。
この構成では、界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)の通過場所として、電機子巻線(24)が通過しない箇所が選択される。
また、第7の態様は、第1から第6の態様の何れかにおいて、
前記永久磁石(22)において前記界磁巻線(23)に面する面は、該永久磁石(22)の軸方向端面上を通過する前記電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)の通過方向と平行であることを特徴とする。
この構成では、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)を直線的に構成することが可能になる。
第1の態様によれば、界磁巻線と電機子巻線とが交叉しないようにできるので、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターにおいて、コイルエンドの小型化を図ることが可能になる。
また、第2の態様によれば、より確実に、コイルエンドの小型化を図ることが可能になる。
また、第3の態様によれば、コイルエンドの小型化を図りつつ、占積率を向上させることが可能になる。
また、第4の態様によれば、永久磁石よりも外周側の界磁巻線のコイルエンドが電機子巻線のコイルエンドと干渉しないようにできる。
また、第5の態様や第6の態様によれば、永久磁石よりも内周側の界磁巻線のコイルエンドが電機子巻線のコイルエンドと干渉しないようにできる。
また、第7の態様によれば、電機子巻線のコイルエンドの成形が容易になる。
図1は、実施形態1の電動機の構成を示す断面図である。 図2は、固定子コアを軸方向から見た図である。 図3は、電機子巻線等のコイルエンドの配置を示す。 図4は、実施形態1におけるスロット等の寸法関係を示す。 図5は、実施形態2の固定子コアの平面図である。 図6は、セグメントコイルを構成する部材であるセグメントの一例を示す。 図7は、セグメントを電機子スロットに配置した状態を示す。 図8は、実施形態4の固定子を構成する固定子コアの平面図である。 図9は、固定子コアに対して永久磁石を挿入した状態を示す。 図10は、固定子コアの磁石スロット付近の拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
以下では、本発明の回転電気機械の一例として、電動機の例を説明する。図1は、本発明の実施形態1における電動機(1)の構成を示す断面図である。この電動機(1)は、HEFSMの一例である。電動機(1)は、図1に示すように、所定のエアギャップ(G)をもって互いに対向した回転子(10)と固定子(20)を備え、ケーシング(図示は省略)に収容されている。電動機(1)は、例えば自動車や、空気調和装置の圧縮機などに用いることができ、回転子(10)に設けられた駆動軸(12)によって、自動車のトランスミッションや空気調和装置の圧縮機などを駆動する。
なお、以下の説明で用いる用語のうち、軸方向とは、駆動軸(12)の軸心(P)の方向をいい、径方向とは軸心(P)と直交する方向をいう。また、外周側とは軸心(P)からより遠い側をいい、内周側とは軸心(P)により近い側をいう。
〈回転子〉
回転子(10)は、回転子コア(11)及び駆動軸(12)を備えている。回転子コア(11)は、軟磁性体によって形成されている。本実施形態の回転子コア(11)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて作成した多数のコア部材を軸方向に積層した積層コアであり、その中心には、図1に示すように駆動軸(12)を挿入する貫通孔(113)が形成されている。また、回転子コア(11)には、外周側に向かって突き出た複数の突部(111)が設けられている。突部(111)は、回転子コア(11)の周方向に等ピッチで並んでいる。つまり、回転子コア(11)は、軸方向から見て、歯車状の形状である。突部(111)は、回転子(10)の固定子(20)に対する相対的位置によりインダクタンスを異なるために設けられたもので、たとえば、凹部外周に薄肉の回転子コアがあって、回転子(10)全体として外周が真円としてもよい。また、突部(111)は必ずしも厳密に等間隔である必要もない。
〈固定子〉
固定子(20)は、固定子コア(21)、永久磁石(22)、界磁巻線(23)、及び電機子巻線(24)を備えている。
固定子コア(21)は、軟磁性体によって円環状に形成されている。この例では、固定子コア(21)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて作成した多数のコア部材を軸方向に積層した積層コアである。図2は、固定子コア(21)を軸方向から見た図である。図2に示すように、固定子コア(21)は、固定子ヨーク(212)と、複数のティース(211)とを備えている。固定子ヨーク(212)は、円環状の形状を有した、固定子コア(21)の外周側に形成された部分である。また、それぞれのティース(211)は、固定子ヨーク(212)の内周面から内周側に向かって突き出た部分である。図2の例では、24個のティース(211)が設けられており、これらのティース(211)は、軸心(P)回りに周方向に所定ピッチで配置されている。それにより、それぞれのティース(211)の間には、空間が形成されることになる。
ティース(211)の間に形成されたこれらの空間は、永久磁石(22)や界磁巻線(23)や電機子巻線(24)が配置されるスロット(213)として機能する。これらスロット(213)には、界磁スロット(213a)と電機子スロット(213b)の2種類があり、何れの種類のスロットも複数設けられている。具体的には、界磁スロット(213a)は、スロット(213)のうちの、周方向において1つ飛ばしで隣り合うスロットである。また、電機子スロット(213b)は、スロット(213)のうち、界磁スロット(213a)を除くスロットである。つまり、界磁スロット(213a)と電機子スロット(213b)とは、周方向に交互に配置されている。この電機子スロット(213b)に面したティース(211)からは、該電機子スロット(213b)内に向って突出する突部(ツバ部(211c)と命名する)が形成されている(図2参照)。なお、以下の説明において、界磁スロット(213a)や電機子スロット(213b)等のように複数個が存在する構成要素において、特定のものに着目する等の場合には、参照符合に枝番を付けることにする(例えば213a-1,213a-2…など)。
−電機子巻線(24)−
電機子巻線(24)は、回転磁界を形成するための巻線である。電機子巻線(24)には、回転磁界を形成するために、交流が供給される。例えば、電機子巻線(24)として三相の電機子巻線を採用した場合には、電機子巻線(24)には三相の交流電流を流すことになる。電機子巻線(24)に流れる交流電流は、インバータ回路などによって制御することができる。
固定子(20)では、電機子巻線(24)は、ティース(211)に巻回されて、電機子スロット(213b)内に配置されている。より具体的には、電機子巻線(24)は、周方向において隣り合う一対の電機子スロット(213b)によって挟まれる一対のティース(211)(以下、一対の電機子ティース(211b)とも呼ぶ)に対して巻回されている。詳しくは、電機子巻線(24)は、径方向に沿う軸を巻回軸として、一対の電機子ティース(211b)に巻回されている。つまり、一対の電機子ティース(211b)を一つのティースとみなして、これに電機子巻線(24)が集中巻で巻回されているのである。これを具体的に図1で見ると、例えば電機子巻線(24-1)は、周方向において隣り合う電機子スロット(213b-1)と電機子スロット(213b-2)によって挟まれている、ティース(211-1)とティース(211-2)とによって構成された一対の電機子ティース(211b)に巻回されている。
同様に、電機子巻線(24-2)は、周方向において隣り合う電機子スロット(213b-1)と電機子スロット(213b-3)によって挟まれている、ティース(211-4)とティース(211-5)とによって構成された一対の電機子ティース(211b)に巻回されている。このようにして、本実施形態では、ひとつの電機子スロット(213b)内に、2つの電機子巻線(24)が収められるのである。
−界磁巻線(23)−
界磁巻線(23)は、永久磁石(22)の磁束を制御するための巻線である。この界磁巻線(23)は、ティース(211)に巻回されて、界磁スロット(213a)に配置されている。この例では、周方向において互いに隣り合う一対の界磁スロット(213a)によって挟まれる一対のティース(211)(以下、一対の界磁ティース(211a)とも呼ぶ)に対して、2つの界磁巻線(23)が巻回されている。詳しくは、2つの界磁巻線(23)のそれぞれは、径方向に沿う軸を巻回軸として、この一対の界磁ティース(211a)に巻回されている。つまり、一対の界磁ティース(211a)を一つのティースとみなして、これに2つの界磁巻線(23)が集中巻で巻回されているのである。このようにして、本実施形態では、ひとつの界磁スロット(213a)内に、2つの界磁巻線(23)が収められることになる。この例では、界磁スロット(213a)内の2つの界磁巻線(23)は、周方向に並んでいる。
これらの界磁巻線(23)は、必要に応じて直流励磁される。そのため、界磁巻線(23)は、電源(30)に接続されている(図1参照)。なお、界磁巻線(23)に直流電力を供給する電源(30)には種々のものを採用できる。例えば電源(30)として、チョッパ回路(降圧チョッパ回路、昇圧チョッパ回路または昇降圧チョッパ回路を含む)を用いることで、界磁巻線(23)に流す直流電流を容易に制御することができる。つまり、界磁巻線(23)に流す直流は、脈動成分を含んでいるものでもかまわない。
−永久磁石(22)−
固定子(20)には、複数の永久磁石(22)が設けられている。この例では、それぞれの永久磁石(22)は、希土類元素を用いたいわゆる希土類磁石である。より具体的には、永久磁石(22)は、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とした磁石(ネオジム-ボロン-鉄系の磁石)であって、必要に応じて重希土類元素(具体的にはジスプロシウム(Dy)或いはテルビウム(Tb))を含む合金、または、重希土類元素を粒界拡散法によって表面付近のみに含ませた焼結磁石を含む希土類磁石である。
この永久磁石(22)は、軸心(P)に直交する方向の断面(図1で見える面)が方形(この例では径方向が長辺となる長方形)であり、その軸方向の長さは、固定子コア(21)の軸方向長さと概ね同じである。つまり、本実施形態の永久磁石(22)は、直方体である。また、これらの永久磁石(22)は、周方向において同じ極性の磁極面が向かい合うように、界磁スロット(213a)内に配置されている(図1を参照)。つまり、永久磁石(22)は、周方向に沿って磁化されており、これらの永久磁石(22)は、周方向の一方側に向かって、交互に異なる極性の磁極面を向けて配置されている。
これらの永久磁石(22)と電機子巻線(24)の関係を見ると、この例では、電機子巻線(24)は、所定の界磁スロット(213a)を跨ぎ、且つ跨いでいる界磁スロット(213a)内の永久磁石(22)における軸方向端面上を通過するようにコイルエンドが配置されている。図3に、電機子巻線(24)等のコイルエンドの配置を示す。例えば、電機子巻線(24-1)に着目すると、図3に示すように、電機子巻線(24-1)は、界磁スロット(213a-1)を跨いでいる。また、電機子巻線(24-1)のコイルエンド(24e)は、界磁スロット(213a-1)内の永久磁石(22-1)における軸方向端面上を通過するように配置されている。
なお、この電機子巻線(24-1)は、その1辺が電機子スロット(213b-1)内に収められており、この電機子スロット(213b-1)内には、もう1つの電機子巻線(24-2)も配置されている。電機子スロット(213b-1)では、電機子巻線(24-1)が内周側に配置され、電機子巻線(24-2)が外周側に配置されている。以下、同様に、本実施形態では、固定子コア(21)の端面に、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)が合計12個並ぶことになる。本実施形態では、このコイルエンド配置を容易に実現するために、固定子コア(21)のスロット(213)等の大きさに工夫を加えてある。
図4に、本実施形態におけるスロット(213)等の寸法関係を示す。この例では、電機子スロット(213b)の径方向幅(W1)は、永久磁石(22)の径方向幅(W2)の2倍以下に設定されている。この設定により、電機子巻線(24)の径方向の幅は、永久磁石(22)の径方向幅(W2)よりも小さくなり、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)を、永久磁石(22)における軸方向端面上のみを確実に通過させることが可能になる。すなわち、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)が、永久磁石(22)の軸方向端面上からはみ出さないようにできる。
また、永久磁石(22)と界磁巻線(23)の関係を見ると、図1に示すように各永久磁石(22)は、界磁スロット(213a)内において、外周側及び内周側の両方から界磁巻線(23)が面している。より詳しくは、一対の界磁ティース(211a)に対して、2つの界磁巻線(23)が設けられており、それらの界磁巻線(23)は、永久磁石(22)の内周側と外周側の両方から永久磁石(22)に接している。永久磁石(22)を挟んで内周側と外周側で互いに対向する界磁巻線(23)同士は、電源(30)からの電流の流入側の端から見た場合に巻回方向が同じである。
なお、以下の説明において、永久磁石(22)の内周側の界磁巻線(23)と該永久磁石(22)の外周側の界磁巻線(23)とを区別する必要がある場合には、内周側の界磁巻線(23)の参照符合に接尾辞として”i”を付けて界磁巻線(23i)と記載し、外周側の界磁巻線(23)の参照符合に接尾辞として”o”を付けて界磁巻線(23o)と記載することにする。また、界磁巻線(23i)や界磁巻線(23o)において特定のものに着目する等の場合には、接尾辞の後に更に枝番を付けることにする(例えば23i-1,23o-1等)。
本実施形態における永久磁石(22)と界磁巻線(23)との配置を具体的に図1で見ると、界磁巻線(23o-1)は、周方向において互いに隣り合う界磁スロット(213a-1)と界磁スロット(213a-2)によって挟まれるティース(211-2)とティース(211-3)によって構成された一対の界磁ティース(211a)に対して巻回されている。この界磁巻線(23o-1)は、永久磁石(22-1)や永久磁石(22-2)よりも外周側に位置している。同様に界磁巻線(23i-1)は、ティース(211-2)とティース(211-3)に対して巻回されている。この界磁巻線(23i-1)は、永久磁石(22-1)や永久磁石(22-2)よりも内周側に位置している。
なお、この例では、永久磁石(22)の外周側の全ての界磁巻線(23o)は、共通の線材(1本の被覆電線)によって形成されている。同様に、永久磁石(22)の内周側でも全ての界磁巻線(23i)が共通の線材によって形成されている。このように複数の界磁巻線(23)を共通の線材で形成するには、一対の界磁ティース(211a)に線材を巻回した後に、その線材を隣接する他の一対の界磁ティース(211a)に、先に巻回した界磁ティース(211a)における巻回方向とは巻回方向を反転して連続的に巻回すればよい。
本実施形態では、界磁巻線(23)に関しても、コイルエンド(23e)の配置のために、固定子コア(21)の大きさ等に工夫を加えてある。固定子コア(21)は、図4等から分かるように、電機子スロット(213b)よりも外周側に縁部分(以下、電機子ヨーク部(212b)と命名する)を有しており、永久磁石(22)の外周側に配置された界磁巻線(23o)は、コイルエンド(23e)が電機子ヨーク部(212b)の軸方向端面上を通過している(図3参照)。電機子ヨーク部(212b)の径方向幅(W3)は、界磁巻線(23o)の径方向幅(W4)(図3参照)よりも大きく形成されている。そのため、界磁巻線(23o)のコイルエンド(23e)は、固定子コア(21)よりも外周側にはみ出すことがないし、電機子スロット(213b)内の電機子巻線(24)と干渉することもない。すなわち、界磁巻線(23o)のコイルエンド(23e)を、電機子ヨーク部(212b)の軸方向端面上のみを通過させることが可能になる。
一方、永久磁石(22)の内周側に配置された界磁巻線(23i)は、そのコイルエンド(23e)が、電機子スロット(213b)内の電機子巻線(24)と干渉しないように、コイルエンド(23e)の通過場所が定められている。具体的には、ツバ部(211c)における軸方向端面上、エアギャップ(G)上、及び回転子コア(11)の軸方向端面上の少なくとも1つをコイルエンド(23e)の通過場所としている。例えば、永久磁石(22)の内周側の界磁巻線(23i)における径方向幅(W5)(図3参照)が、ツバ部(211c)の径方向幅(W6)(図2参照)よりも大きい場合等には、ツバ部(211c)とエアギャップ(G)の両方に跨がって、界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)を通過させることが考えられる。図3には、内周側の界磁巻線(23i)がツバ部(211c)とエアギャップ(G)との両方に跨がっている例を示してある。なお、エアギャップ(G)上や回転子コア(11)の軸方向端面上に界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)を配置できるのは、回転電気機械(1)の製造工程において、回転子コア(11)を固定子コア(21)内にセットした後に、界磁巻線(23i)を巻回する工法を採用した場合が考えられる。
〈本実施形態における効果〉
以上の構成により、本実施形態では、界磁巻線(23)と電機子巻線(24)とが交叉しないようにできる。したがって、本実施形態では、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターにおいて、コイルエンドの小型化を図ることが可能になる。
《発明の実施形態2》
図5は、発明の実施形態2の固定子(20)の平面図である。図5では、固定子(20)の一部分のみを記載している。また、図5では、界磁巻線(23)の記載を省略してある。本実施形態では、図5に示すように、各永久磁石(22)では、界磁巻線(23)に面する互いに平行な面(面(F)と命名する)が2つある。そして、永久磁石(22)を界磁スロット(213a)内に配置した状態で、永久磁石(22)の軸方向端面上を通過する電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)の通過方向と面(F)とが平行になるように、界磁スロット(213a)の形状が定められている。こうすることで、それぞれの電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)を、電機子スロット(213b)間を直線的に結ぶように配置することが可能になる。したがって、この実施形態では、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)の成形が容易になる。また、電機子巻線(24)の変形の度合いを小さくできるので、電機子巻線(24)における応力や絶縁破壊の可能性を低減でき、更には、コイルエンド長を減らすことができる。
なお、図5の例では、界磁スロット(213a)は、永久磁石(22)の傾斜に合わせて、永久磁石(22)の図心(図5における図心)と軸心(P)とを結ぶ線に対して非対称となっている。このように界磁スロット(213a)を非対称形状とすることで、界磁巻線(23)の巻回に必要な、界磁スロット(213a)の面積を確保できる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3では、電機子巻線(24)の他の構成例を説明する。本実施形態では、いわゆるセグメントコイル方式によって電機子巻線(24)が形成されている。図6は、セグメントコイルを構成する部材であるセグメント(24a)の一例を示す。このセグメント(24a)は、平角導線が略U字状に曲げ加工されたものである。そして、本実施形態では、複数のセグメント(24a)が、電機子スロット(213b)に軸方向から差し込まれて電機子ティース(211b)の径方向に並べられ、各セグメント(24a)の端部が適宜配線されることで電機子巻線(24)が形成されている。図7に、複数のセグメント(24a)を電機子スロット(213b)に配置した状態を示す。同図に示すように、この例でも、電機子巻線(24)は、所定の界磁スロット(213a)を跨ぎ、且つ跨いでいる界磁スロット(213a)内の永久磁石(22)における軸方向端面上を通過するようにコイルエンド(24e)が配置されている。なお、図7では、固定子(20)の一部分のみを記載してあり、界磁巻線(23)や回転子(10)の記載を省略してある。この電動機(1)では、セグメントコイル方式を採用したことによって、占積率を向上させることが可能になる。また、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)と、永久磁石(22)に隣接する界磁巻線(23)との干渉を確実に避けることができる。したがって、本実施形態でも、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターにおいて、コイルエンドの小型化を図ることが可能になる。
《発明の実施形態4》
図8は、発明の実施形態4の固定子(20)を構成する固定子コア(21)の平面図である。
固定子コア(21)は、軟磁性体によって円環状に形成されている。この例でも、固定子コア(21)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて作成した多数のコア部材を軸方向に積層した積層コアである。図8は、固定子コア(21)を軸方向から見た図である。図8に示すように、固定子コア(21)は、固定子ヨーク(212)と、複数のティース(211)とを備えている。固定子ヨーク(212)は、円環状の形状を有した、固定子コア(21)の外周側に形成された部分である。また、それぞれのティース(211)は、固定子ヨーク(212)の内周面から内周側に向かって突き出た部分である。図8の例では、24個のティース(211)が設けられており、これらのティース(211)は、軸心(P)回りに周方向に所定ピッチで配置されている。それにより、それぞれのティース(211)の間には、空間が形成されることになる。
ティース(211)の間に形成されたこれらの空間は、界磁巻線(23)や電機子巻線(24)が配置されるスロットとして機能する。これらスロットには、界磁巻線(23)を配置するスロット(内側界磁スロット(220)と命名する)と、電機子巻線(24)を配置するスロット(電機子スロット(213b)と命名する)の2種類があり、何れの種類のスロットも複数設けられている。具体的には、内側界磁スロット(220)は、複数のスロットのうちの、周方向において1つ飛ばしで隣り合うスロットである。また、電機子スロット(213b)は、複数のスロットのうちの、内側界磁スロット(220)を除くスロットである。つまり、内側界磁スロット(220)と電機子スロット(213b)とは、周方向に交互に配置されている。
また、固定子コア(21)には、永久磁石(22)を収容する磁石スロット(215)が複数形成されている。それぞれの磁石スロット(215)は、固定子コア(21)を軸方向に貫通する孔であり、この例では、それぞれの内側界磁スロット(220)の外周側に隣接して磁石スロット(215)が形成されている。ひとつの磁石スロット(215)には、ひとつの永久磁石(22)が収容される。
また、本実施形態では、界磁巻線(23)を収容するスロットとして、それぞれの磁石スロット(215)の外周側に隣接して外側界磁スロット(221)が形成されている(図8参照)。外側界磁スロット(221)も固定子コア(21)を軸方向に貫通する孔である。外側界磁スロット(221)と磁石スロット(215)との間には、両者を分離する壁面(216)が設けられている。同様に、内側界磁スロット(220)と磁石スロット(215)との間にも、両者を分離する壁面(216)が設けられている。
そして、この固定子コア(21)にも、実施形態1等と同様にして、界磁巻線(23)と電機子巻線(24)とが巻回される。
−電機子巻線(24)−
本実施形態の固定子(20)でも、電機子巻線(24)は、ティース(211)に巻回されて、電機子スロット(213b)内に配置されている。より具体的には、電機子巻線(24)は、周方向において隣り合う一対の電機子スロット(213b)によって挟まれる一対のティース(211)に対して巻回されている。詳しくは、電機子巻線(24)は、径方向に沿う軸を巻回軸として、一対のティース(211)に巻回されている。つまり、一対のティース(211)を一つのティースとみなして、これに電機子巻線(24)が集中巻で巻回されているのである。
−界磁巻線(23)−
界磁巻線(23)は、永久磁石(22)の磁束を制御するための巻線である。この界磁巻線(23)には、永久磁石(22)よりも内周側の内側界磁スロット(220)に配置されるものと、永久磁石(22)よりも外周側の外側界磁スロット(221)に配置されるものがある。例えば、永久磁石(22)よりも内周側の界磁巻線(23)は、ティース(211)に巻回されて、内側界磁スロット(220)に配置されている。この例では、周方向において互いに隣り合う一対の内側界磁スロット(220)によって挟まれる一対のティース(211)に対して、界磁巻線(23)が巻回されている。詳しくは、界磁巻線(23)のそれぞれは、径方向に沿う軸を巻回軸として、この一対のティース(211)に巻回されている。つまり、一対のティース(211)を一つのティースとみなして、これに界磁巻線(23)が集中巻で巻回されているのである。
また、永久磁石(22)の外周側の界磁巻線(23)は、互いに隣接した外側界磁スロット(221)によって挟まれた一対のティース(211)に巻回されている。つまり、一対のティース(211)を一つのティースとみなして、これに界磁巻線(23)が集中巻で巻回されているのである。このようにして、本実施形態では、ひとつの外側界磁スロット(221)内に、2つの界磁巻線(23)が収容されることになる。この例では、外側界磁スロット(221)内の2つの界磁巻線(23)は、周方向に並んでいる。
−永久磁石(22)−
固定子(20)には、複数の永久磁石(22)が設けられている。この例では、それぞれの永久磁石(22)は、実施形態1等と同様の希土類元素を用いたいわゆる希土類磁石である。
この永久磁石(22)は、軸心(P)に直交する方向の断面(図1で見える面)が方形(この例では径方向が長辺となる長方形)であり、その軸方向の長さは、固定子コア(21)の軸方向長さと概ね同じである。つまり、本実施形態の永久磁石(22)は、直方体である。図9に、固定子コア(21)に対して永久磁石(22)を挿入した状態を示す。これらの永久磁石(22)は、周方向において同じ極性の磁極面(22a)が向かい合うように、磁石スロット(215)内に配置されている。つまり、永久磁石(22)は、周方向に沿って磁化されており、これらの永久磁石(22)は、周方向の一方側に向かって、交互に異なる極性の磁極面(22a)を向けて配置されている。
この例でも、永久磁石(22)の上を電機子巻線(24)が通過している(図1を参照)。また、各永久磁石(22)は、内側界磁スロット(220)側の壁面(216)を介して内側界磁スロット(220)内の界磁巻線(23)に面し、外側界磁スロット(221)側の壁面(216)を介して該外側界磁スロット(221)内の界磁巻線(23)に面している(図9を参照)。より詳しくは、一対の界磁ティース(211a)に対して、2つの界磁巻線(23)が設けられており、それらの界磁巻線(23)は、永久磁石(22)の内周側と外周側の両方から、それぞれ壁面(216)を介して永久磁石(22)に面している。すなわち、それぞれの永久磁石(22)は、磁石スロット(215)内において、外周側及び内周側の両方から界磁巻線(23)が固定子コア(21)を介して面している。また、これらの永久磁石(22)と電機子巻線(24)の関係を見ると、この例でも、電機子巻線(24)は、所定の界磁スロット(213a)を跨ぎ、且つ跨いでいる界磁スロット(213a)内の永久磁石(22)における軸方向端面上を通過するようにコイルエンド(24e)が配置されている。
そして、本実施形態では、各永久磁石(22)と磁石スロット(215)の内周面(壁面(216)を含む)との位置関係に特徴がある。図9では、界磁巻線(23)や電機子巻線(24)の記載を省略してある。また、図10は、固定子コア(21)の磁石スロット(215)付近の拡大図である。図9に示すように、この例では、永久磁石(22)の磁極面(22a)と該磁極面(22a)に対向した磁石スロット(215)の面(対向面(217)と命名する)との隙間(W41)は、壁面(216)と永久磁石(22)との隙間(W42)よりも小さく形成されている(すなわち、W41<W42である)。より詳しくは、永久磁石(22)の磁極面(22a)と磁石スロット(215)の対向面(217)とは密着している。すなわち、この例ではW41=0である。一方、壁面(216)と永久磁石(22)との間には、空隙が存在する。すなわち、この例では、W42>0である。
この隙間の関係(W41<W42)を実現するために、本実施形態では、永久磁石(22)の磁極面(22a)が磁石スロット(215)の対向面(217)に密着するように、永久磁石(22)の磁極面(22a)間の距離(W44)は、磁石スロット(215)の径方向の幅(W43)とほぼ等しく形成されている。なお、実際には、永久磁石(22)を磁石スロット(215)に挿入する作業が可能な程度に、W44<W43となるように形成されているが、両者の寸法差は実質的にW44=W43と見なしてよい程度しかない。また、この例では、図9に示すように、磁石スロット(215)内の角部分に曲面部(R)が設けられている。曲面部(R)を設けたことにより、永久磁石(22)を磁石スロット(215)に挿入した際に、磁石スロット(215)内における永久磁石(22)の径方向の位置決めを行うことができるとともに、壁面(216)と永久磁石(22)との間に空隙を形成することが可能になる。
なお、永久磁石(22)の磁極面(22a)と磁石スロット(215)の対向面(217)とを、圧入構造により密着させるようにしてもよい。具体的には、永久磁石(22)の磁極面(22a)間の距離(W44)を磁石スロット(215)の径方向の幅(W43)よりも大きく形成することで、圧入構造を実現できる。
〈本実施形態における効果〉
以上の構成により、本実施形態でも、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターにおいて、コイルエンドの小型化を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、磁石スロット(215)と界磁スロット(220,221)との間に壁面(216)を設けたので、固定子コア(21)の強度を向上させることが可能になる。しかも、永久磁石(22)の磁極面(22a)と磁石スロット(215)の対向面(217)との隙間(W41)が、壁面(216)と永久磁石(22)との隙間(W42)よりも小さく形成されているので、漏れ磁束の増大抑制も可能になる。
また、本実施形態では、壁面(216)と永久磁石(22)との間に空隙が存在するので、界磁巻線(23)から永久磁石(22)への伝熱も減少する。その結果、本実施形態では、巻線の熱に起因する永久磁石(22)の減磁を抑制することが可能になる。
《その他の実施形態》
なお、界磁巻線(23)もセグメントコイル方式によって形成してもよい。
また、固定子(20)におけるティース(211)の数や、回転子(10)の突部(111)の数も例示であり、実施形態で示した例には限定されない。
また、各実施形態の構成は、電動機のみならず、発電機にも適用できる。
また、永久磁石(22)の材料は例示であり、重希土類元素を含まない磁石材料で永久磁石(22)を構成してもよい。
本発明は、回転電気機械として有用である。
1 電動機(回転電気機械)
11 回転子コア
21 固定子コア
22 永久磁石
23 界磁巻線
23e コイルエンド
24 電機子巻線
24e コイルエンド
211 ティース
211c ツバ部
212b 電機子ヨーク部(縁部分)
213a 界磁スロット
213b 電機子スロット
本発明は、回転電気機械に関するものである。
回転電気機械の一種である電動機の中には、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーター(HEFSM: Hybrid Excitation Flux Switching Motor。以下、HEFSMと略記する場合もある)と呼ばれる形式ものがある。HEFSMでは、固定子に巻線と永久磁石の両方が設けられ、永久磁石の磁束を固定子から回転子に流す運転モードがある(例えば特許文献1を参照)。特許文献1の例では、所定の巻線(界磁巻線)が永久磁石と接して設けられており、その界磁巻線への直流の通電状態を制御することによって永久磁石の磁束の流れを制御するとともに、回転磁界を形成するための巻線(電機子巻線)に交流電力を供給して回転子を回転させている。
特開2013−201869号公報
しかしながら、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターには、界磁巻線と電機子巻線の2種類の巻線があり、それらが複雑に入り組んで配置されるので、コイルエンドが大きくなりがちであるし、場合によっては占積率が小さくなる。とりわけ、永久磁石の内周側と外周側の両方に界磁巻線を設ける場合には、巻線が更に複雑に入り組んで、この問題がより顕著になる。
本発明は前記の問題に着目してなされたものであり、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターにおいて、コイルエンドの小型化を図ることを目的としている。
前記の課題を解決するため、第1の態様は、
直流が供給される界磁巻線(23)と、
交流が供給される電機子巻線(24)と、
前記界磁巻線(23)を配置するスロット(213)である界磁スロット(213a)と、前記電機子巻線(24)を配置するスロット(213)である電機子スロット(213b)とがそれぞれ周方向に並んで複数形成された円環状の固定子コア(21)と、
それぞれの界磁スロット(213a)内、又は前記界磁スロット(213a)の内周側又は外周側に隣接して形成されたスロットである磁石スロット(215)内に収容された永久磁石(22)と、
前記固定子コア(21)と所定のエアギャップ(G)をもって対向した回転子コア(11)とを備え、
それぞれの永久磁石(22)は、前記界磁スロット(213a)内又は前記磁石スロット(215)内において、外周側及び内周側の両方から前記界磁巻線(23)が直接または前記固定子コア(21)を介して面しており、
周方向において互いに隣り合う一対の前記界磁スロット(213a)によって挟まれる一対のティース(211)に対して、前記界磁巻線(23)が巻回されており、
前記電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)は、所定の前記界磁スロット(213a)を跨ぎ、且つ跨いでいる前記界磁スロット(213a)内の前記永久磁石(22)における軸方向端面上を通過することを特徴とする回転電気機械である。
この構成では、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)が、永久磁石(22)の軸方向端面上を通過する。そのため、この構成では、界磁巻線(23)と電機子巻線(24)とが交叉しないようにできる。
また、第2の態様は、第1の態様において、
前記電機子スロット(213b)の径方向幅(W1)は、前記永久磁石(22)の径方向幅(W2)の2倍以下であることを特徴とする。
この構成では、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)が、永久磁石(22)の軸方向端面上からはみ出さないようにできる。
また、第3の態様は、第1又は第2の態様において、
前記電機子巻線(24)は、セグメントコイルによって形成されていることを特徴とする。
この構成では、占積率を向上させることが可能になる。
また、第4の態様は、第1から第3の態様の何れかにおいて、
前記固定子コア(21)は、前記電機子スロット(213b)よりも外周側に縁部分(212b)を有し、
前記永久磁石(22)の外周側に配置された前記界磁巻線(23o)のコイルエンド(23e)は、前記縁部分(212b)の軸方向端面上を通過し、
前記縁部分(212b)の径方向幅(W3)は、前記永久磁石(22)の外周側に配置された前記界磁巻線(23o)の径方向幅(W4)よりも大きいことを特徴とする。
この構成では、界磁巻線(23o)のコイルエンド(23e)が、固定子コア(21)よりも外周側にはみ出さないようにできる。
また、第5の態様は、第1から第4の態様の何れかにおいて、
前記固定子コア(21)は、前記界磁スロット(213a)と前記電機子スロット(213b)の間に、前記界磁巻線(23)及び前記電機子巻線(24)の少なくとも一方を巻回するティース(211)が形成され、
前記電機子スロット(213b)に面したティース(211)は、該電機子スロット(213b)内に向って突出するツバ部(211c)が形成されており、
前記永久磁石(22)の内周側に配置された前記界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)は、前記ツバ部(211c)の軸方向端面上を通過することを特徴とする。
この構成では、界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)の通過場所として、電機子巻線(24)が通過しない箇所が選択される。
また、第6の態様は、第1から第5の態様の何れかにおいて、
前記永久磁石(22)の内周側に配置された前記界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)は、前記エアギャップ(G)上、及び前記回転子コア(11)の軸方向端面上の少なくとも一方を通過することを特徴とする。
この構成では、界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)の通過場所として、電機子巻線(24)が通過しない箇所が選択される。
また、第7の態様は、第1から第6の態様の何れかにおいて、
前記永久磁石(22)において前記界磁巻線(23)に面する面は、該永久磁石(22)の軸方向端面上を通過する前記電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)の通過方向と平行であることを特徴とする。
この構成では、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)を直線的に構成することが可能になる。
第1の態様によれば、界磁巻線と電機子巻線とが交叉しないようにできるので、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターにおいて、コイルエンドの小型化を図ることが可能になる。
また、第2の態様によれば、より確実に、コイルエンドの小型化を図ることが可能になる。
また、第3の態様によれば、コイルエンドの小型化を図りつつ、占積率を向上させることが可能になる。
また、第4の態様によれば、永久磁石よりも外周側の界磁巻線のコイルエンドが電機子巻線のコイルエンドと干渉しないようにできる。
また、第5の態様や第6の態様によれば、永久磁石よりも内周側の界磁巻線のコイルエンドが電機子巻線のコイルエンドと干渉しないようにできる。
また、第7の態様によれば、電機子巻線のコイルエンドの成形が容易になる。
図1は、実施形態1の電動機の構成を示す断面図である。 図2は、固定子コアを軸方向から見た図である。 図3は、電機子巻線等のコイルエンドの配置を示す。 図4は、実施形態1におけるスロット等の寸法関係を示す。 図5は、実施形態2の固定子コアの平面図である。 図6は、セグメントコイルを構成する部材であるセグメントの一例を示す。 図7は、セグメントを電機子スロットに配置した状態を示す。 図8は、実施形態4の固定子を構成する固定子コアの平面図である。 図9は、固定子コアに対して永久磁石を挿入した状態を示す。 図10は、固定子コアの磁石スロット付近の拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
以下では、本発明の回転電気機械の一例として、電動機の例を説明する。図1は、本発明の実施形態1における電動機(1)の構成を示す断面図である。この電動機(1)は、HEFSMの一例である。電動機(1)は、図1に示すように、所定のエアギャップ(G)をもって互いに対向した回転子(10)と固定子(20)を備え、ケーシング(図示は省略)に収容されている。電動機(1)は、例えば自動車や、空気調和装置の圧縮機などに用いることができ、回転子(10)に設けられた駆動軸(12)によって、自動車のトランスミッションや空気調和装置の圧縮機などを駆動する。
なお、以下の説明で用いる用語のうち、軸方向とは、駆動軸(12)の軸心(P)の方向をいい、径方向とは軸心(P)と直交する方向をいう。また、外周側とは軸心(P)からより遠い側をいい、内周側とは軸心(P)により近い側をいう。
〈回転子〉
回転子(10)は、回転子コア(11)及び駆動軸(12)を備えている。回転子コア(11)は、軟磁性体によって形成されている。本実施形態の回転子コア(11)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて作成した多数のコア部材を軸方向に積層した積層コアであり、その中心には、図1に示すように駆動軸(12)を挿入する貫通孔(113)が形成されている。また、回転子コア(11)には、外周側に向かって突き出た複数の突部(111)が設けられている。突部(111)は、回転子コア(11)の周方向に等ピッチで並んでいる。つまり、回転子コア(11)は、軸方向から見て、歯車状の形状である。突部(111)は、回転子(10)の固定子(20)に対する相対的位置によりインダクタンスを異なるために設けられたもので、たとえば、凹部外周に薄肉の回転子コアがあって、回転子(10)全体として外周が真円としてもよい。また、突部(111)は必ずしも厳密に等間隔である必要もない。
〈固定子〉
固定子(20)は、固定子コア(21)、永久磁石(22)、界磁巻線(23)、及び電機子巻線(24)を備えている。
固定子コア(21)は、軟磁性体によって円環状に形成されている。この例では、固定子コア(21)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて作成した多数のコア部材を軸方向に積層した積層コアである。図2は、固定子コア(21)を軸方向から見た図である。図2に示すように、固定子コア(21)は、固定子ヨーク(212)と、複数のティース(211)とを備えている。固定子ヨーク(212)は、円環状の形状を有した、固定子コア(21)の外周側に形成された部分である。また、それぞれのティース(211)は、固定子ヨーク(212)の内周面から内周側に向かって突き出た部分である。図2の例では、24個のティース(211)が設けられており、これらのティース(211)は、軸心(P)回りに周方向に所定ピッチで配置されている。それにより、それぞれのティース(211)の間には、空間が形成されることになる。
ティース(211)の間に形成されたこれらの空間は、永久磁石(22)や界磁巻線(23)や電機子巻線(24)が配置されるスロット(213)として機能する。これらスロット(213)には、界磁スロット(213a)と電機子スロット(213b)の2種類があり、何れの種類のスロットも複数設けられている。具体的には、界磁スロット(213a)は、スロット(213)のうちの、周方向において1つ飛ばしで隣り合うスロットである。また、電機子スロット(213b)は、スロット(213)のうち、界磁スロット(213a)を除くスロットである。つまり、界磁スロット(213a)と電機子スロット(213b)とは、周方向に交互に配置されている。この電機子スロット(213b)に面したティース(211)からは、該電機子スロット(213b)内に向って突出する突部(ツバ部(211c)と命名する)が形成されている(図2参照)。なお、以下の説明において、界磁スロット(213a)や電機子スロット(213b)等のように複数個が存在する構成要素において、特定のものに着目する等の場合には、参照符合に枝番を付けることにする(例えば213a-1,213a-2…など)。
−電機子巻線(24)−
電機子巻線(24)は、回転磁界を形成するための巻線である。電機子巻線(24)には、回転磁界を形成するために、交流が供給される。例えば、電機子巻線(24)として三相の電機子巻線を採用した場合には、電機子巻線(24)には三相の交流電流を流すことになる。電機子巻線(24)に流れる交流電流は、インバータ回路などによって制御することができる。
固定子(20)では、電機子巻線(24)は、ティース(211)に巻回されて、電機子スロット(213b)内に配置されている。より具体的には、電機子巻線(24)は、周方向において隣り合う一対の電機子スロット(213b)によって挟まれる一対のティース(211)(以下、一対の電機子ティース(211b)とも呼ぶ)に対して巻回されている。詳しくは、電機子巻線(24)は、径方向に沿う軸を巻回軸として、一対の電機子ティース(211b)に巻回されている。つまり、一対の電機子ティース(211b)を一つのティースとみなして、これに電機子巻線(24)が集中巻で巻回されているのである。これを具体的に図1で見ると、例えば電機子巻線(24-1)は、周方向において隣り合う電機子スロット(213b-1)と電機子スロット(213b-2)によって挟まれている、ティース(211-1)とティース(211-2)とによって構成された一対の電機子ティース(211b)に巻回されている。
同様に、電機子巻線(24-2)は、周方向において隣り合う電機子スロット(213b-1)と電機子スロット(213b-3)によって挟まれている、ティース(211-4)とティース(211-5)とによって構成された一対の電機子ティース(211b)に巻回されている。このようにして、本実施形態では、ひとつの電機子スロット(213b)内に、2つの電機子巻線(24)が収められるのである。
−界磁巻線(23)−
界磁巻線(23)は、永久磁石(22)の磁束を制御するための巻線である。この界磁巻線(23)は、ティース(211)に巻回されて、界磁スロット(213a)に配置されている。この例では、周方向において互いに隣り合う一対の界磁スロット(213a)によって挟まれる一対のティース(211)(以下、一対の界磁ティース(211a)とも呼ぶ)に対して、2つの界磁巻線(23)が巻回されている。詳しくは、2つの界磁巻線(23)のそれぞれは、径方向に沿う軸を巻回軸として、この一対の界磁ティース(211a)に巻回されている。つまり、一対の界磁ティース(211a)を一つのティースとみなして、これに2つの界磁巻線(23)が集中巻で巻回されているのである。このようにして、本実施形態では、ひとつの界磁スロット(213a)内に、2つの界磁巻線(23)が収められることになる。この例では、界磁スロット(213a)内の2つの界磁巻線(23)は、周方向に並んでいる。
これらの界磁巻線(23)は、必要に応じて直流励磁される。そのため、界磁巻線(23)は、電源(30)に接続されている(図1参照)。なお、界磁巻線(23)に直流電力を供給する電源(30)には種々のものを採用できる。例えば電源(30)として、チョッパ回路(降圧チョッパ回路、昇圧チョッパ回路または昇降圧チョッパ回路を含む)を用いることで、界磁巻線(23)に流す直流電流を容易に制御することができる。つまり、界磁巻線(23)に流す直流は、脈動成分を含んでいるものでもかまわない。
−永久磁石(22)−
固定子(20)には、複数の永久磁石(22)が設けられている。この例では、それぞれの永久磁石(22)は、希土類元素を用いたいわゆる希土類磁石である。より具体的には、永久磁石(22)は、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とした磁石(ネオジム-ボロン-鉄系の磁石)であって、必要に応じて重希土類元素(具体的にはジスプロシウム(Dy)或いはテルビウム(Tb))を含む合金、または、重希土類元素を粒界拡散法によって表面付近のみに含ませた焼結磁石を含む希土類磁石である。
この永久磁石(22)は、軸心(P)に直交する方向の断面(図1で見える面)が方形(この例では径方向が長辺となる長方形)であり、その軸方向の長さは、固定子コア(21)の軸方向長さと概ね同じである。つまり、本実施形態の永久磁石(22)は、直方体である。また、これらの永久磁石(22)は、周方向において同じ極性の磁極面が向かい合うように、界磁スロット(213a)内に配置されている(図1を参照)。つまり、永久磁石(22)は、周方向に沿って磁化されており、これらの永久磁石(22)は、周方向の一方側に向かって、交互に異なる極性の磁極面を向けて配置されている。
これらの永久磁石(22)と電機子巻線(24)の関係を見ると、この例では、電機子巻線(24)は、所定の界磁スロット(213a)を跨ぎ、且つ跨いでいる界磁スロット(213a)内の永久磁石(22)における軸方向端面上を通過するようにコイルエンドが配置されている。図3に、電機子巻線(24)等のコイルエンドの配置を示す。例えば、電機子巻線(24-1)に着目すると、図3に示すように、電機子巻線(24-1)は、界磁スロット(213a-1)を跨いでいる。また、電機子巻線(24-1)のコイルエンド(24e)は、界磁スロット(213a-1)内の永久磁石(22-1)における軸方向端面上を通過するように配置されている。
なお、この電機子巻線(24-1)は、その1辺が電機子スロット(213b-1)内に収められており、この電機子スロット(213b-1)内には、もう1つの電機子巻線(24-2)も配置されている。電機子スロット(213b-1)では、電機子巻線(24-1)が内周側に配置され、電機子巻線(24-2)が外周側に配置されている。以下、同様に、本実施形態では、固定子コア(21)の端面に、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)が合計12個並ぶことになる。本実施形態では、このコイルエンド配置を容易に実現するために、固定子コア(21)のスロット(213)等の大きさに工夫を加えてある。
図4に、本実施形態におけるスロット(213)等の寸法関係を示す。この例では、電機子スロット(213b)の径方向幅(W1)は、永久磁石(22)の径方向幅(W2)の2倍以下に設定されている。この設定により、電機子巻線(24)の径方向の幅は、永久磁石(22)の径方向幅(W2)よりも小さくなり、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)を、永久磁石(22)における軸方向端面上のみを確実に通過させることが可能になる。すなわち、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)が、永久磁石(22)の軸方向端面上からはみ出さないようにできる。
また、永久磁石(22)と界磁巻線(23)の関係を見ると、図1に示すように各永久磁石(22)は、界磁スロット(213a)内において、外周側及び内周側の両方から界磁巻線(23)が面している。より詳しくは、一対の界磁ティース(211a)に対して、2つの界磁巻線(23)が設けられており、それらの界磁巻線(23)は、永久磁石(22)の内周側と外周側の両方から永久磁石(22)に接している。永久磁石(22)を挟んで内周側と外周側で互いに対向する界磁巻線(23)同士は、電源(30)からの電流の流入側の端から見た場合に巻回方向が同じである。
なお、以下の説明において、永久磁石(22)の内周側の界磁巻線(23)と該永久磁石(22)の外周側の界磁巻線(23)とを区別する必要がある場合には、内周側の界磁巻線(23)の参照符合に接尾辞として”i”を付けて界磁巻線(23i)と記載し、外周側の界磁巻線(23)の参照符合に接尾辞として”o”を付けて界磁巻線(23o)と記載することにする。また、界磁巻線(23i)や界磁巻線(23o)において特定のものに着目する等の場合には、接尾辞の後に更に枝番を付けることにする(例えば23i-1,23o-1等)。
本実施形態における永久磁石(22)と界磁巻線(23)との配置を具体的に図1で見ると、界磁巻線(23o-1)は、周方向において互いに隣り合う界磁スロット(213a-1)と界磁スロット(213a-2)によって挟まれるティース(211-2)とティース(211-3)によって構成された一対の界磁ティース(211a)に対して巻回されている。この界磁巻線(23o-1)は、永久磁石(22-1)や永久磁石(22-2)よりも外周側に位置している。同様に界磁巻線(23i-1)は、ティース(211-2)とティース(211-3)に対して巻回されている。この界磁巻線(23i-1)は、永久磁石(22-1)や永久磁石(22-2)よりも内周側に位置している。
なお、この例では、永久磁石(22)の外周側の全ての界磁巻線(23o)は、共通の線材(1本の被覆電線)によって形成されている。同様に、永久磁石(22)の内周側でも全ての界磁巻線(23i)が共通の線材によって形成されている。このように複数の界磁巻線(23)を共通の線材で形成するには、一対の界磁ティース(211a)に線材を巻回した後に、その線材を隣接する他の一対の界磁ティース(211a)に、先に巻回した界磁ティース(211a)における巻回方向とは巻回方向を反転して連続的に巻回すればよい。
本実施形態では、界磁巻線(23)に関しても、コイルエンド(23e)の配置のために、固定子コア(21)の大きさ等に工夫を加えてある。固定子コア(21)は、図4等から分かるように、電機子スロット(213b)よりも外周側に縁部分(以下、電機子ヨーク部(212b)と命名する)を有しており、永久磁石(22)の外周側に配置された界磁巻線(23o)は、コイルエンド(23e)が電機子ヨーク部(212b)の軸方向端面上を通過している(図3参照)。電機子ヨーク部(212b)の径方向幅(W3)は、界磁巻線(23o)の径方向幅(W4)(図3参照)よりも大きく形成されている。そのため、界磁巻線(23o)のコイルエンド(23e)は、固定子コア(21)よりも外周側にはみ出すことがないし、電機子スロット(213b)内の電機子巻線(24)と干渉することもない。すなわち、界磁巻線(23o)のコイルエンド(23e)を、電機子ヨーク部(212b)の軸方向端面上のみを通過させることが可能になる。
一方、永久磁石(22)の内周側に配置された界磁巻線(23i)は、そのコイルエンド(23e)が、電機子スロット(213b)内の電機子巻線(24)と干渉しないように、コイルエンド(23e)の通過場所が定められている。具体的には、ツバ部(211c)における軸方向端面上、エアギャップ(G)上、及び回転子コア(11)の軸方向端面上の少なくとも1つをコイルエンド(23e)の通過場所としている。例えば、永久磁石(22)の内周側の界磁巻線(23i)における径方向幅(W5)(図3参照)が、ツバ部(211c)の径方向幅(W6)(図2参照)よりも大きい場合等には、ツバ部(211c)とエアギャップ(G)の両方に跨がって、界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)を通過させることが考えられる。図3には、内周側の界磁巻線(23i)がツバ部(211c)とエアギャップ(G)との両方に跨がっている例を示してある。なお、エアギャップ(G)上や回転子コア(11)の軸方向端面上に界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)を配置できるのは、回転電気機械(1)の製造工程において、回転子コア(11)を固定子コア(21)内にセットした後に、界磁巻線(23i)を巻回する工法を採用した場合が考えられる。
〈本実施形態における効果〉
以上の構成により、本実施形態では、界磁巻線(23)と電機子巻線(24)とが交叉しないようにできる。したがって、本実施形態では、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターにおいて、コイルエンドの小型化を図ることが可能になる。
《発明の実施形態2》
図5は、発明の実施形態2の固定子(20)の平面図である。図5では、固定子(20)の一部分のみを記載している。また、図5では、界磁巻線(23)の記載を省略してある。本実施形態では、図5に示すように、各永久磁石(22)では、界磁巻線(23)に面する互いに平行な面(面(F)と命名する)が2つある。そして、永久磁石(22)を界磁スロット(213a)内に配置した状態で、永久磁石(22)の軸方向端面上を通過する電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)の通過方向と面(F)とが平行になるように、界磁スロット(213a)の形状が定められている。こうすることで、それぞれの電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)を、電機子スロット(213b)間を直線的に結ぶように配置することが可能になる。したがって、この実施形態では、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)の成形が容易になる。また、電機子巻線(24)の変形の度合いを小さくできるので、電機子巻線(24)における応力や絶縁破壊の可能性を低減でき、更には、コイルエンド長を減らすことができる。
なお、図5の例では、界磁スロット(213a)は、永久磁石(22)の傾斜に合わせて、永久磁石(22)の図心(図5における図心)と軸心(P)とを結ぶ線に対して非対称となっている。このように界磁スロット(213a)を非対称形状とすることで、界磁巻線(23)の巻回に必要な、界磁スロット(213a)の面積を確保できる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3では、電機子巻線(24)の他の構成例を説明する。本実施形態では、いわゆるセグメントコイル方式によって電機子巻線(24)が形成されている。図6は、セグメントコイルを構成する部材であるセグメント(24a)の一例を示す。このセグメント(24a)は、平角導線が略U字状に曲げ加工されたものである。そして、本実施形態では、複数のセグメント(24a)が、電機子スロット(213b)に軸方向から差し込まれて電機子ティース(211b)の径方向に並べられ、各セグメント(24a)の端部が適宜配線されることで電機子巻線(24)が形成されている。図7に、複数のセグメント(24a)を電機子スロット(213b)に配置した状態を示す。同図に示すように、この例でも、電機子巻線(24)は、所定の界磁スロット(213a)を跨ぎ、且つ跨いでいる界磁スロット(213a)内の永久磁石(22)における軸方向端面上を通過するようにコイルエンド(24e)が配置されている。なお、図7では、固定子(20)の一部分のみを記載してあり、界磁巻線(23)や回転子(10)の記載を省略してある。この電動機(1)では、セグメントコイル方式を採用したことによって、占積率を向上させることが可能になる。また、電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)と、永久磁石(22)に隣接する界磁巻線(23)との干渉を確実に避けることができる。したがって、本実施形態でも、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターにおいて、コイルエンドの小型化を図ることが可能になる。
《発明の実施形態4》
図8は、発明の実施形態4の固定子(20)を構成する固定子コア(21)の平面図である。
固定子コア(21)は、軟磁性体によって円環状に形成されている。この例でも、固定子コア(21)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて作成した多数のコア部材を軸方向に積層した積層コアである。図8は、固定子コア(21)を軸方向から見た図である。図8に示すように、固定子コア(21)は、固定子ヨーク(212)と、複数のティース(211)とを備えている。固定子ヨーク(212)は、円環状の形状を有した、固定子コア(21)の外周側に形成された部分である。また、それぞれのティース(211)は、固定子ヨーク(212)の内周面から内周側に向かって突き出た部分である。図8の例では、24個のティース(211)が設けられており、これらのティース(211)は、軸心(P)回りに周方向に所定ピッチで配置されている。それにより、それぞれのティース(211)の間には、空間が形成されることになる。
ティース(211)の間に形成されたこれらの空間は、界磁巻線(23)や電機子巻線(24)が配置されるスロットとして機能する。これらスロットには、界磁巻線(23)を配置するスロット(内側界磁スロット(220)と命名する)と、電機子巻線(24)を配置するスロット(電機子スロット(213b)と命名する)の2種類があり、何れの種類のスロットも複数設けられている。具体的には、内側界磁スロット(220)は、複数のスロットのうちの、周方向において1つ飛ばしで隣り合うスロットである。また、電機子スロット(213b)は、複数のスロットのうちの、内側界磁スロット(220)を除くスロットである。つまり、内側界磁スロット(220)と電機子スロット(213b)とは、周方向に交互に配置されている。
また、固定子コア(21)には、永久磁石(22)を収容する磁石スロット(215)が複数形成されている。それぞれの磁石スロット(215)は、固定子コア(21)を軸方向に貫通する孔であり、この例では、それぞれの内側界磁スロット(220)の外周側に隣接して磁石スロット(215)が形成されている。ひとつの磁石スロット(215)には、ひとつの永久磁石(22)が収容される。
また、本実施形態では、界磁巻線(23)を収容するスロットとして、それぞれの磁石スロット(215)の外周側に隣接して外側界磁スロット(221)が形成されている(図8参照)。外側界磁スロット(221)も固定子コア(21)を軸方向に貫通する孔である。外側界磁スロット(221)と磁石スロット(215)との間には、両者を分離する壁面(216)が設けられている。同様に、内側界磁スロット(220)と磁石スロット(215)との間にも、両者を分離する壁面(216)が設けられている。
そして、この固定子コア(21)にも、実施形態1等と同様にして、界磁巻線(23)と電機子巻線(24)とが巻回される。
−電機子巻線(24)−
本実施形態の固定子(20)でも、電機子巻線(24)は、ティース(211)に巻回されて、電機子スロット(213b)内に配置されている。より具体的には、電機子巻線(24)は、周方向において隣り合う一対の電機子スロット(213b)によって挟まれる一対のティース(211)に対して巻回されている。詳しくは、電機子巻線(24)は、径方向に沿う軸を巻回軸として、一対のティース(211)に巻回されている。つまり、一対のティース(211)を一つのティースとみなして、これに電機子巻線(24)が集中巻で巻回されているのである。
−界磁巻線(23)−
界磁巻線(23)は、永久磁石(22)の磁束を制御するための巻線である。この界磁巻線(23)には、永久磁石(22)よりも内周側の内側界磁スロット(220)に配置されるものと、永久磁石(22)よりも外周側の外側界磁スロット(221)に配置されるものがある。例えば、永久磁石(22)よりも内周側の界磁巻線(23)は、ティース(211)に巻回されて、内側界磁スロット(220)に配置されている。この例では、周方向において互いに隣り合う一対の内側界磁スロット(220)によって挟まれる一対のティース(211)に対して、界磁巻線(23)が巻回されている。詳しくは、界磁巻線(23)のそれぞれは、径方向に沿う軸を巻回軸として、この一対のティース(211)に巻回されている。つまり、一対のティース(211)を一つのティースとみなして、これに界磁巻線(23)が集中巻で巻回されているのである。
また、永久磁石(22)の外周側の界磁巻線(23)は、互いに隣接した外側界磁スロット(221)によって挟まれた一対のティース(211)に巻回されている。つまり、一対のティース(211)を一つのティースとみなして、これに界磁巻線(23)が集中巻で巻回されているのである。このようにして、本実施形態では、ひとつの外側界磁スロット(221)内に、2つの界磁巻線(23)が収容されることになる。この例では、外側界磁スロット(221)内の2つの界磁巻線(23)は、周方向に並んでいる。
−永久磁石(22)−
固定子(20)には、複数の永久磁石(22)が設けられている。この例では、それぞれの永久磁石(22)は、実施形態1等と同様の希土類元素を用いたいわゆる希土類磁石である。
この永久磁石(22)は、軸心(P)に直交する方向の断面(図1で見える面)が方形(この例では径方向が長辺となる長方形)であり、その軸方向の長さは、固定子コア(21)の軸方向長さと概ね同じである。つまり、本実施形態の永久磁石(22)は、直方体である。図9に、固定子コア(21)に対して永久磁石(22)を挿入した状態を示す。これらの永久磁石(22)は、周方向において同じ極性の磁極面(22a)が向かい合うように、磁石スロット(215)内に配置されている。つまり、永久磁石(22)は、周方向に沿って磁化されており、これらの永久磁石(22)は、周方向の一方側に向かって、交互に異なる極性の磁極面(22a)を向けて配置されている。
この例でも、永久磁石(22)の上を電機子巻線(24)が通過している(図1を参照)。また、各永久磁石(22)は、内側界磁スロット(220)側の壁面(216)を介して内側界磁スロット(220)内の界磁巻線(23)に面し、外側界磁スロット(221)側の壁面(216)を介して該外側界磁スロット(221)内の界磁巻線(23)に面している(図9を参照)。より詳しくは、一対の界磁ティース(211a)に対して、2つの界磁巻線(23)が設けられており、それらの界磁巻線(23)は、永久磁石(22)の内周側と外周側の両方から、それぞれ壁面(216)を介して永久磁石(22)に面している。すなわち、それぞれの永久磁石(22)は、磁石スロット(215)内において、外周側及び内周側の両方から界磁巻線(23)が固定子コア(21)を介して面している。また、これらの永久磁石(22)と電機子巻線(24)の関係を見ると、この例でも、電機子巻線(24)は、所定の界磁スロット(213a)を跨ぎ、且つ跨いでいる界磁スロット(213a)内の永久磁石(22)における軸方向端面上を通過するようにコイルエンド(24e)が配置されている。
そして、本実施形態では、各永久磁石(22)と磁石スロット(215)の内周面(壁面(216)を含む)との位置関係に特徴がある。図9では、界磁巻線(23)や電機子巻線(24)の記載を省略してある。また、図10は、固定子コア(21)の磁石スロット(215)付近の拡大図である。図9に示すように、この例では、永久磁石(22)の磁極面(22a)と該磁極面(22a)に対向した磁石スロット(215)の面(対向面(217)と命名する)との隙間(W41)は、壁面(216)と永久磁石(22)との隙間(W42)よりも小さく形成されている(すなわち、W41<W42である)。より詳しくは、永久磁石(22)の磁極面(22a)と磁石スロット(215)の対向面(217)とは密着している。すなわち、この例ではW41=0である。一方、壁面(216)と永久磁石(22)との間には、空隙が存在する。すなわち、この例では、W42>0である。
この隙間の関係(W41<W42)を実現するために、本実施形態では、永久磁石(22)の磁極面(22a)が磁石スロット(215)の対向面(217)に密着するように、永久磁石(22)の磁極面(22a)間の距離(W44)は、磁石スロット(215)の径方向の幅(W43)とほぼ等しく形成されている。なお、実際には、永久磁石(22)を磁石スロット(215)に挿入する作業が可能な程度に、W44<W43となるように形成されているが、両者の寸法差は実質的にW44=W43と見なしてよい程度しかない。また、この例では、図9に示すように、磁石スロット(215)内の角部分に曲面部(R)が設けられている。曲面部(R)を設けたことにより、永久磁石(22)を磁石スロット(215)に挿入した際に、磁石スロット(215)内における永久磁石(22)の径方向の位置決めを行うことができるとともに、壁面(216)と永久磁石(22)との間に空隙を形成することが可能になる。
なお、永久磁石(22)の磁極面(22a)と磁石スロット(215)の対向面(217)とを、圧入構造により密着させるようにしてもよい。具体的には、永久磁石(22)の磁極面(22a)間の距離(W44)を磁石スロット(215)の径方向の幅(W43)よりも大きく形成することで、圧入構造を実現できる。
〈本実施形態における効果〉
以上の構成により、本実施形態でも、ハイブリッド界磁フラックススイッチングモーターにおいて、コイルエンドの小型化を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、磁石スロット(215)と界磁スロット(220,221)との間に壁面(216)を設けたので、固定子コア(21)の強度を向上させることが可能になる。しかも、永久磁石(22)の磁極面(22a)と磁石スロット(215)の対向面(217)との隙間(W41)が、壁面(216)と永久磁石(22)との隙間(W42)よりも小さく形成されているので、漏れ磁束の増大抑制も可能になる。
また、本実施形態では、壁面(216)と永久磁石(22)との間に空隙が存在するので、界磁巻線(23)から永久磁石(22)への伝熱も減少する。その結果、本実施形態では、巻線の熱に起因する永久磁石(22)の減磁を抑制することが可能になる。
《その他の実施形態》
なお、界磁巻線(23)もセグメントコイル方式によって形成してもよい。
また、固定子(20)におけるティース(211)の数や、回転子(10)の突部(111)の数も例示であり、実施形態で示した例には限定されない。
また、各実施形態の構成は、電動機のみならず、発電機にも適用できる。
また、永久磁石(22)の材料は例示であり、重希土類元素を含まない磁石材料で永久磁石(22)を構成してもよい。
本発明は、回転電気機械として有用である。
1 電動機(回転電気機械)
11 回転子コア
21 固定子コア
22 永久磁石
23 界磁巻線
23e コイルエンド
24 電機子巻線
24e コイルエンド
211 ティース
211c ツバ部
212b 電機子ヨーク部(縁部分)
213a 界磁スロット
213b 電機子スロット

Claims (7)

  1. 直流が供給される界磁巻線(23)と、
    交流が供給される電機子巻線(24)と、
    前記界磁巻線(23)を配置するスロット(213)である界磁スロット(213a)と、前記電機子巻線(24)を配置するスロット(213)である電機子スロット(213b)とがそれぞれ周方向に並んで複数形成された円環状の固定子コア(21)と、
    それぞれの界磁スロット(213a)内、又は前記界磁スロット(213a)の内周側又は外周側に隣接して形成されたスロットである磁石スロット(215)内に収容された永久磁石(22)と、
    前記固定子コア(21)と所定のエアギャップ(G)をもって対向した回転子コア(11)とを備え、
    それぞれの永久磁石(22)は、前記界磁スロット(213a)内又は前記磁石スロット(215)内において、外周側及び内周側の両方から前記界磁巻線(23)が直接または前記固定子コア(21)を介して面しており、
    前記電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)は、所定の前記界磁スロット(213a)を跨ぎ、且つ跨いでいる前記界磁スロット(213a)内の前記永久磁石(22)における軸方向端面上を通過することを特徴とする回転電気機械。
  2. 請求項1において、
    前記電機子スロット(213b)の径方向幅(W1)は、前記永久磁石(22)の径方向幅(W2)の2倍以下であることを特徴とする回転電気機械。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記電機子巻線(24)は、セグメントコイルによって形成されていることを特徴とする回転電気機械。
  4. 請求項1から請求項3の何れかにおいて、
    前記固定子コア(21)は、前記電機子スロット(213b)よりも外周側に縁部分(212b)を有し、
    前記永久磁石(22)の外周側に配置された前記界磁巻線(23o)のコイルエンド(23e)は、前記縁部分(212b)の軸方向端面上を通過し、
    前記縁部分(212b)の径方向幅(W3)は、前記永久磁石(22)の外周側に配置された前記界磁巻線(23o)の径方向幅(W4)よりも大きいことを特徴とする回転電気機械。
  5. 請求項1から請求項4の何れかにおいて、
    前記固定子コア(21)は、前記界磁スロット(213a)と前記電機子スロット(213b)の間に、前記界磁巻線(23)及び前記電機子巻線(24)の少なくとも一方を巻回するティース(211)が形成され、
    前記電機子スロット(213b)に面したティース(211)は、該電機子スロット(213b)内に向って突出するツバ部(211c)が形成されており、
    前記永久磁石(22)の内周側に配置された前記界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)は、前記ツバ部(211c)の軸方向端面上を通過することを特徴とする回転電気機械。
  6. 請求項1から請求項5の何れかにおいて、
    前記永久磁石(22)の内周側に配置された前記界磁巻線(23i)のコイルエンド(23e)は、前記エアギャップ(G)上、及び前記回転子コア(11)の軸方向端面上の少なくとも一方を通過することを特徴とする回転電気機械。
  7. 請求項1から請求項6の何れかにおいて、
    前記永久磁石(22)において前記界磁巻線(23)に面する面は、該永久磁石(22)の軸方向端面上を通過する前記電機子巻線(24)のコイルエンド(24e)の通過方向と平行であることを特徴とする回転電気機械。
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