JP2016127610A - 回転電気機械 - Google Patents

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JP2016127610A JP2014263816A JP2014263816A JP2016127610A JP 2016127610 A JP2016127610 A JP 2016127610A JP 2014263816 A JP2014263816 A JP 2014263816A JP 2014263816 A JP2014263816 A JP 2014263816A JP 2016127610 A JP2016127610 A JP 2016127610A
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能成 浅野
小坂 卓
Suguru Kosaka
卓 小坂
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Abstract

【課題】固定子に永久磁石と巻線とが互いに面して配置された構造を有した回転電気機械において、永久磁石の減磁の抑制を図る。
【解決手段】ティース(211)間にスロット(213)が形成された固定子コア(21)を設ける。ティース(211)に巻回されてスロット(213)に収容される巻線(23,24)を設ける。所定のスロット(213)内に、スロット(213)内の巻線(23)に面して永久磁石(22)を設ける。永久磁石(22)と、永久磁石(22)が面する巻線(23)との間には、巻線(23)から永久磁石(22)への伝熱を抑制する伝熱抑制部材(25)を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動機などの回転電気機械に関するものである。
回転電気機械の一種である電動機の中には、固定子に巻線と永久磁石の両方が設けられ、永久磁石の磁束を固定子から回転子に流す構造のものがある(例えば特許文献1を参照)。特許文献1の例では、所定の巻線(界磁巻線)は永久磁石と接して設けられており、その界磁巻線への直流の通電状態を制御することによって永久磁石の磁束の流れを制御するとともに、別の巻線(電機子巻線)に交流電力を供給して回転子を回転させている。
特開2013−201869号公報
しかしながら、特許文献1の例では、永久磁石として、いわゆる希土類磁石(ネオジウム磁石等)が用いられており、永久磁石と接した巻線に通電された際に、その巻線の発熱によって永久磁石が減磁させられる可能性がある。これに対しては、粒界拡散法と呼ばれる方法を用いて、焼結磁石として形成した希土類磁石の粒界に重希土類元素(例えばジスプロシウム(Dy)など)を拡散させることで十分な減磁対策を期待できるが、コストは増大しがちである。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、固定子に永久磁石と巻線とが互いに面して配置された構造を有した回転電気機械において、永久磁石の減磁の抑制を図ることを目的としている。
上記の課題を解決するため、第1の発明は、
円環状の固定子ヨーク(212)の周方向に所定間隔で並んだ複数のティース(211)を有し、これらのティース(211)間にスロット(213)が形成された固定子コア(21)と、
上記固定子コア(21)と所定のエアギャップをもって対向した回転子コア(11)と、
上記ティース(211)に巻回されて上記スロット(213)に収容された巻線(23,24)と、
所定のスロット(213)内に、該スロット(213)内の巻線(23)に面して設けられた永久磁石(22)と、
を備え、
上記永久磁石(22)と該永久磁石(22)が面する上記巻線(23)との間には、該巻線(23)から該永久磁石(22)への伝熱を抑制する伝熱抑制部材(25)が設けられていることを特徴とする。
この構成では、巻線(23)から永久磁石(22)に伝わる熱量が、伝熱抑制部材(25)によって低減される。
また、第2の発明は、第1の発明において、
上記スロット(213)には、該スロット(213)と巻線(23,24)とを電気的に絶縁するためのシート状の絶縁部材(25)が設けられており、
上記伝熱抑制部材(25)は、上記絶縁部材(25)が兼用されていることを特徴とする。
この構成では、スロット(213)と巻線(23,24)の電気的絶縁に使用する絶縁部材(25)が、巻線(23)から永久磁石(22)に伝わる熱量を低減する。
また、第3の発明は、第2の発明において、
伝熱抑制部材(25)は、上記巻線(23)と上記永久磁石(22)との間において、二重以上に重ねられていることを特徴とする。
この構成では、伝熱抑制部材を二重に重ねることで、永久磁石(22)に伝わる熱量をより小さくできる。
第1の発明によれば、固定子に永久磁石と巻線とが互いに面して配置された構造を有した回転電気機械において、永久磁石の減磁の抑制が可能になる。
また、第2の発明によれば、伝熱抑制部材として、巻線用の絶縁部材が兼用されているので、容易且つ低コストに永久磁石に伝わる熱を低減できる。
また、第3の発明によれば、より確実に永久磁石の減磁の抑制が可能になる。
図1は、実施形態1に係る電動機の構成を示す断面図である。 図2は、界磁スロット付近の拡大図である。 図3は、界磁巻線に電流が流れていない状態における永久磁石の磁石磁束を示す。 図4は、界磁巻線に電流が流れている状態における永久磁石の磁石磁束を示す。 図5は、実施形態1の変形例に係る界磁スロット付近の拡大図である。 図6は、実施形態2に係る電動機の構成を示す断面図である。 図7は、実施形態2に係る界磁スロット付近の拡大図である。 図8は、実施形態2の変形例に係る界磁スロット付近の拡大図である。 図9は、セグメントコイルを構成する部材であるセグメントの一例を示す。 図10は、セグメントを界磁スロットに差し込んだ状態を示す。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る電動機(1)の構成を示す断面図である。電動機(1)は、図1に示すように、回転子(10)と固定子(20)を備え、ケーシング(図示は省略)に収容されている。この電動機(1)は、例えば自動車や、空気調和装置の圧縮機などに用いることができ、回転子(10)に設けられた駆動軸(12)によって、自動車のトランスミッションや空気調和装置の圧縮機などを駆動する。
以下では、電動機(1)の構成を説明する。なお、以下の説明で用いる用語のうち、軸方向とは、駆動軸(12)の軸心(P)の方向をいい、径方向とは軸心(P)と直交する方向をいう。また、外周側とは軸心(P)からより遠い側をいい、内周側とは軸心(P)により近い側をいう。
〈回転子〉
回転子(10)は、回転子コア(11)及び駆動軸(12)を備えている。回転子コア(11)は、軟磁性体によって形成されている。具体的には、回転子コア(11)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて作成した多数のコア部材を軸方向に積層した積層コアである。回転子コア(11)には、図1に示すように、駆動軸(12)を挿入する貫通孔(113)が中心に形成されている。
また、回転子コア(11)には、外周側に向かって突き出た複数の突部(111)が設けられている。突部(111)は、回転子コア(11)の周方向に等ピッチで並んでいる。つまり、回転子コア(11)は、軸方向から見て、歯車状の形状である。
〈固定子〉
固定子(20)は、固定子コア(21)、永久磁石(22)、界磁巻線(23)、及び電機子巻線(24)を備えている。
固定子コア(21)は、軟磁性体によって形成されている。具体的には、固定子コア(21)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて作成した多数のコア部材を軸方向に積層した積層コアである。図1に示すように、固定子コア(21)は、固定子ヨーク(212)と、複数のティース(211)とを備えている。固定子ヨーク(212)は、円環状の形状を有した、固定子コア(21)の外周側に形成された部分である。また、それぞれのティース(211)は、固定子ヨーク(212)の内周面から内周側に向かって突き出た部分である。図1の例では、偶数個のティース(211)が設けられており、これらのティース(211)は、軸心(P)回りに周方に所定ピッチで配置されている。それにより、それぞれのティース(211)の間には、空間が形成されることになる。
これらの空間は、巻線(後述)が収容されるスロット(213)として機能する。これらスロット(213)には、界磁スロット(213a)と電機子スロット(213b)の2種類があり、何れの種類のスロットも複数設けられている。具体的には、界磁スロット(213a)は、スロット(213)のうちの、周方向において1つ飛ばしで隣り合う一対のスロットである。また、電機子スロット(213b)は、スロット(213)のうち、界磁スロット(213a)を除くスロットである。つまり、界磁スロット(213a)と電機子スロット(213b)とは、周方向に交互に配置されている。
〈巻線〉
固定子(20)の巻線には、界磁巻線(23)と電機子巻線(24)の2種類がある。
−界磁巻線(23)−
界磁巻線(23)は、ティース(211)に巻回されて、界磁スロット(213a)に収容されている。より具体的には、界磁巻線(23)は、周方向において互いに隣り合う一対の界磁スロット(213a)によって挟まれる一対のティース(211)(以下、一対の界磁ティース(211a)とも呼ぶ)に対して巻回されている。詳しくは、界磁巻線(23)は、径方向に沿う軸を巻回軸として、この一対の界磁ティース(211a)に巻回されている。つまり、一対の界磁ティース(211a)を一つのティースとみなして、これに界磁巻線(23)が集中巻で巻回されているのである。これらの界磁巻線(23)は、後述するように、直流励磁される。
−電機子巻線(24)−
電機子巻線(24)は、ティース(211)に巻回されて、電機子スロット(213b)に収容されている。より具体的には、電機子巻線(24)は、周方向において隣り合う一対の電機子スロット(213b)によって挟まれる一対のティース(211)(以下、一対の電機子ティース(211b)とも呼ぶ)に対して巻回されている。詳しくは、電機子巻線(24)は、径方向に沿う軸を巻回軸として、一対の電機子ティース(211b)に巻回されている。つまり、一対の電機子ティース(211b)を一つのティースとみなして、これに電機子巻線(24)が集中巻で巻回されているのである。
−固定子コア(21)と巻線(23,24)の絶縁−
固定子(20)では、固定子コア(21)とそれぞれの巻線(23,24)との電気的絶縁を確保するために、全ての界磁スロット(213a)及び電機子スロット(213b)には、絶縁フィルム(以下、絶縁部材(25)という)が設けられている。この例では、絶縁部材(25)として、薄いシート状の樹脂部材(例えばポリエチレンテレフタレート)を帯状に加工した絶縁フィルムを用いている。図2は、界磁スロット(213a)付近の拡大図である。界磁スロット(213a)では、図2に示すように、絶縁部材(25)、すなわち絶縁フィルムは、界磁巻線(23)を取り囲むように界磁スロット(213a)内に配置されており、界磁巻線(23)は、絶縁部材(25)を介して界磁スロット(213a)の壁面(つまりティース(211)の側面)に面している。
〈永久磁石〉
固定子(20)には、複数の永久磁石(22)が設けられている。それぞれの永久磁石(22)は、希土類元素を用いたいわゆる希土類磁石であり、この例では、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とした焼結磁石である。この永久磁石(22)は、軸心(P)に直交する方向の断面(図1で見える面)が方形(この例では概ね正方形)である。また、永久磁石(22)の軸方向の長さは、固定子コア(21)の軸方向長さと概ね同じである。つまり、本実施形態の永久磁石(22)は、直方体である。
−永久磁石(22)の配置(巻線との関係)−
各永久磁石(22)は、界磁スロット(213a)内にそれぞれ配置されている。つまり、界磁スロット(213a)には、永久磁石(22)と界磁巻線(23)とが配置されることになる。図1に示したように、固定子(20)では、永久磁石(22)が界磁巻線(23)よりも内周側(回転子(10)側)となるように、両者が径方向に隣り合っており、永久磁石(22)の外周側の一面(S)が界磁巻線(23)に面している。
また、永久磁石(22)と電機子巻線(24)の関係を見ると、永久磁石(22)は、径方向に沿って電機子巻線(24)に囲まれている。
また、それぞれの永久磁石(22)は、周方向において同じ極性の磁極面が向かい合うように配置されている。つまり、永久磁石(22)は、周方向に沿って磁化されており、これらの永久磁石(22)は、周方向の一方側に向かって、交互に異なる極性の磁極面を向けて配置されている。
−永久磁石(22)の熱対策−
そして、本実施形態では、界磁巻線(23)から永久磁石(22)に伝わる熱を抑制するために、永久磁石(22)と界磁巻線(23)との間には伝熱抑制部材が設けられている。本実施形態では、伝熱抑制部材には、固定子コア(21)と巻線(23,24)との電気的絶縁に使用する絶縁部材(25)が兼用されている。より具体的には、図2に示すように、界磁スロット(213a)の絶縁部材(25)が、永久磁石(22)と界磁巻線(23)との間に介在するように、界磁巻線(23)の周囲を全周に渡って取り囲むように配置され、永久磁石(22)と界磁巻線(23)の間の絶縁部材(25)が、界磁巻線(23)から永久磁石(22)への伝熱を抑制している。
〈電動機(1)の動作(巻線の励磁)〉
図3は、界磁巻線(23)に電流が流れていない状態における永久磁石(22)の磁束(以下、磁石磁束とも呼ぶ)を示す。図3では、軸心(P)に垂直な断面における電動機(1)の一部(駆動軸(12)を中心とした4分の1)を図示してあり、磁石磁束を実線矢印で示してある。図3に示すように、界磁巻線(23)に電流が流れていないときには、磁石磁束の多くは一対の電機子ティース(211b)と固定子ヨーク(212)の一部とを経由して流れる。すなわち、界磁巻線(23)に電流が流れていないときには、固定子コア(21)から回転子コア(11)へと流れる磁束の量は小さい。
また、図4は、界磁巻線(23)に電流が流れている状態における永久磁石(22)の磁石磁束を示す。図4では、軸心(P)に垂直な断面における電動機(1)の一部(駆動軸(12)を中心とした4分の1)を図示してあり、永久磁石(22)の磁石磁束と界磁巻線(23)による磁束(以下、巻線磁束とも呼ぶ)とを、それぞれ実線矢印及び破線矢印で示してある。
図4の例では、磁石磁束が回転子コア(11)を経由するように、界磁巻線(23)に直流電流を流している(図4参照)。具体的には、界磁巻線(23)には、巻線磁束が、固定子ヨーク(212)において、図3に示した磁石磁束と反対方向に流れるように、界磁巻線(23)に電流を流すのである。そうすることで、この例では、磁石磁束は、固定子ヨーク(212)の一部を経由して、永久磁石(22)の隣の電機子巻線(24)を跨いだところにあるティース(211)に流れ、更に該ティース(211)から回転子コア(11)に流れることになる。図4には、界磁巻線(23)に流れる電流の方向が周知の記号(円の内部に黒丸が付された記号と、円の内部に×が付された記号)で示してある。
なお、図4の磁石磁束及び巻線磁束の流れは一例であり、回転子コア(11)の回転位置(突部(111)の位置)によって、磁石磁束および巻線磁束が流れる経路は異なり得る。ただし、回転子コア(11)の回転位置が変わっても、磁石磁束および巻線磁束は回転子コア(11)を経由して流れることとなる。
このように、磁石磁束及び巻線磁束は、回転子コア(11)を経由して流れて、界磁磁束として作用する。したがって、界磁巻線(23)に流れる直流電流を制御することで、界磁磁束の大きさを制御することができる。例えば、低速回転時に界磁磁束の大きさを増大させて、大きなトルクを出力する強め界磁制御を行い、高速回転時に界磁磁束の大きさを低減させて、回転速度を向上する弱め界磁制御を行うことができる。なお、界磁巻線(23)に直流電力を供給する電源には種々のものを採用できる。例えば、チョッパ回路(例えば降圧回路、昇圧回路または昇降圧回路)を用いることで、界磁巻線(23)に流す直流電流を容易に制御することができる。
また、電動機(1)では、電機子巻線(24)に交流電流を流して、回転子(10)へ回転磁界を印加する。例えば、電機子巻線(24)として三相の電機子巻線を採用した場合には、電機子巻線(24)には三相の交流電流を流すことになる。電機子巻線(24)に流れる交流電流は、例えばインバータ回路などによって制御することができる。なお、電機子巻線(24)の磁束は交番磁束であるので、これに起因して渦電流が生じる。また交流電流に生じる高調波成分に起因して、交番磁束にも高調波成分が生じる。この交番磁束の高調波成分も渦電流を生じさせる。
−巻線の熱の伝導−
上記のように、電動機(1)では、界磁巻線(23)に供給する直流を制御することによって界磁磁束の大きさを制御している。そして、界磁巻線(23)に電流が流れている間は、界磁巻線(23)が発熱する。界磁巻線(23)の熱の一部は、絶縁部材(25)を介して固定子コア(21)に伝わり、該固定子コア(21)は、例えば周りの空気や電動機(1)のケーシングに放熱しながら永久磁石(22)に熱を伝える。
このように、界磁巻線(23)の熱は、絶縁部材(25)によって固定子コア(21)への伝熱量が抑えられ、且つ固定子コア(21)において放熱させられるので、固定子コア(21)経由の熱による永久磁石(22)の減磁作用は緩和されていると考えられる。
一方、永久磁石(22)と界磁巻線(23)とが面した部分では、絶縁部材(25)を介して界磁巻線(23)の熱が永久磁石(22)に伝わる。すなわち、面(S)から永久磁石(22)に入る熱が絶縁部材(25)によって低減されるのである。
特に永久磁石が希土類磁石である場合、熱による保磁力の低下が増大するため、本発明の効果が増す。さらに、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とした磁石においては、保磁力の低下度合いが大きいためさらに有効である。
〈本実施形態における効果〉
以上のように本実施形態では、界磁巻線(23)の熱による永久磁石(22)の減磁の抑制が可能になる。そのため、重希土類元素による永久磁石(22)の減磁対策を省略したり、永久磁石(22)に導入する重希土類元素の量を低減したりすることが可能になる。それにより、本実施形態では、電動機(回転電気機械)のコスト低減が可能になる。
《実施形態1の変形例》
図5は、実施形態1の変形例に係る界磁スロット(213a)付近の拡大図である。同図に示すように、この変形例では、界磁スロット(213a)の絶縁部材(25)は、界磁巻線(23)と永久磁石(22)との間において二重に重ねられている。より具体的には、帯状に形成した絶縁部材(25)を、界磁スロット(213a)の内周面に沿って嵌め込み、その後、界磁巻線(23)をティース(211)に巻回し、次いで、絶縁部材(25)の一端と他端とが永久磁石(22)の面(S)に対応する箇所において二重に重ね合わせている。このように、絶縁部材(25)、すなわち伝熱抑制部材を二重に重ねることによって、面(S)から永久磁石(22)に入る熱量をより小さくでき、より確実に永久磁石(22)の減磁の抑制が可能になる。
《発明の実施形態2》
図6は、本発明の実施形態2に係る電動機(1)の構成を示す断面図である。この例では、永久磁石(22)と界磁巻線(23)の位置関係が、実施形態1の例とは異なっている。本実施形態では、界磁巻線(23)が永久磁石(22)よりも内周側(回転子(10)側)となるように、両者が径方向に隣り合っており、永久磁石(22)の内周側の面(S)が界磁巻線(23)に面している。
本実施形態でも、熱による永久磁石(22)の減磁を抑制するために、永久磁石(22)と界磁巻線(23)との間には伝熱抑制部材が設けられている。そして本実施形態でも、伝熱抑制部材には、固定子コア(21)と巻線(23,24)との電気的絶縁に使用する絶縁部材(25)が兼用されている。図7は、実施形態2に係る界磁スロット(213a)付近の拡大図である。図7に示すように、本実施形態では、界磁スロット(213a)の絶縁部材(25)は、永久磁石(22)と界磁巻線(23)との間に介在するように、界磁巻線(23)の周囲を取り囲んでいる。つまり、永久磁石(22)と界磁巻線(23)の間の絶縁部材(25)が、界磁巻線(23)から永久磁石(22)への伝熱を抑制している。
本実施形態でも、界磁巻線(23)の熱は、固定子コア(21)を介して永久磁石(22)に伝わる。この場合、界磁巻線(23)の熱は、絶縁部材(25)によって固定子コア(21)への伝熱量が抑えられ、且つ固定子コア(21)において放熱させられるので、固定子コア(21)経由の熱による永久磁石(22)の減磁作用は緩和されていると考えられる。
一方、永久磁石(22)と界磁巻線(23)とが面した部分では、絶縁部材(25)を介して界磁巻線(23)の熱が永久磁石(22)に伝わる。すなわち、面(S)から永久磁石(22)に入る熱が絶縁部材(25)によって低減されるのである。したがって、本実施形態においても、界磁巻線(23)の熱による永久磁石(22)の減磁の抑制が可能になる。すなわち、本実施形態においても実施形態1と同様の効果を得ることが可能になる。
《実施形態2の変形例》
図8は、実施形態2の変形例に係る界磁スロット(213a)付近の拡大図である。同図に示すように、界磁スロット(213a)の絶縁部材(25)は、界磁巻線(23)と永久磁石(22)との間において二重に重ねられている。より具体的には、帯状に形成した絶縁部材(25)を、界磁スロット(213a)の内周面に沿って嵌め込み、永久磁石(22)の面(S)(ここでは内周側を向いた面)において絶縁部材(25)の一端と他端とが二重に重ね合わせられている。そのため、本変形例では、絶縁部材(25)は、図8に示すように、界磁スロット(213a)の内周側の開口を塞ぎつつ、界磁巻線(23)の周囲を全周に渡って取り囲むことになる。つまり、図8のように絶縁部材(25)を界磁スロット(213a)にセットすると、一本の導線を集中巻方式で巻回することによって界磁巻線(23)を形成するが困難になる。
そこで、本変形例では、いわゆるセグメントコイル方式によって界磁巻線(23)を形成している。図9は、セグメントコイルを構成する部材であるセグメント(23a)の一例を示す。このセグメント(23a)は、平角導線をU字状に曲げ加工したものである。そして、本変形例では、複数のセグメント(23a)を、界磁スロット(213a)に軸方向から差し込んで界磁ティース(211a)の径方向に沿って並べ、各セグメント(23a)の端部を適宜配線することで界磁巻線(23)を形成している(図8参照)。図10は、セグメント(23a)を界磁スロット(213a)に差し込んだ状態を示す。なお、図8では、それぞれのセグメント(23a)を二点鎖線で示してある。
以上のように、界磁巻線(23)が永久磁石(22)よりも内周側(回転子(10)側)となるように、両者を界磁スロット(213a)内に収めた場合にも、絶縁部材(25)、すなわち伝熱抑制部材を容易に二重に重ねることができる。そして、伝熱抑制部材を二重に重ねることで、面(S)から永久磁石(22)に入る熱量をより小さくでき、より確実に永久磁石(22)の減磁の抑制が可能になる。
《その他の実施形態》
なお、伝熱抑制部材は、三重以上に重ねてもよい。
また、伝熱抑制部材は、絶縁部材(25)と兼用しなくてもよい。例えば、伝熱抑制部材を板状の樹脂で形成し、それを界磁巻線(23)と永久磁石(22)の間に入れるようにしてもよい。
また、絶縁部材(25)に別の部材(例えば板状の樹脂)を更に重ね合わせたものを、伝熱抑制部材として界磁巻線(23)と永久磁石(22)との間に入れるようにしてもよい。
また、回転子コア(11)は、圧粉で形成してもよい。同様に、固定子コア(21)も圧粉で形成してもよい。
また、固定子(20)のティース(211)の数や、回転子(10)の突部(111)の数も例示であり、上記の実施形態の例には限定されない。
また、上記の各実施形態の構成は、電動機のみならず、発電機にも適用できる。
本発明は、電動機などの回転電気機械として有用である。
1 電動機(回転電気機械)
11 回転子コア
21 固定子コア
22 永久磁石
23 界磁巻線(巻線)
24 電機子巻線(巻線)
25 絶縁部材(伝熱抑制部材)
211 ティース
212 固定子ヨーク
213 スロット

Claims (3)

  1. 円環状の固定子ヨーク(212)の周方向に所定間隔で並んだ複数のティース(211)を有し、これらのティース(211)間にスロット(213)が形成された固定子コア(21)と、
    上記固定子コア(21)と所定のエアギャップをもって対向した回転子コア(11)と、
    上記ティース(211)に巻回されて上記スロット(213)に収容された巻線(23,24)と、
    所定のスロット(213)内に、該スロット(213)内の巻線(23)に面して設けられた永久磁石(22)と、
    を備え、
    上記永久磁石(22)と該永久磁石(22)が面する上記巻線(23)との間には、該巻線(23)から該永久磁石(22)への伝熱を抑制する伝熱抑制部材(25)が設けられていることを特徴とする回転電気機械。
  2. 請求項1において、
    上記スロット(213)には、該スロット(213)と巻線(23,24)とを電気的に絶縁するためのシート状の絶縁部材(25)が設けられており、
    上記伝熱抑制部材(25)は、上記絶縁部材(25)が兼用されていることを特徴とする回転電気機械。
  3. 請求項2において、
    伝熱抑制部材(25)は、上記巻線(23)と上記永久磁石(22)との間において、二重以上に重ねられていることを特徴とする回転電気機械。
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