JP2018100960A - 計時器用ムーブメントのための部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁場に対する感受性を抑え、かつ、計時器業界において必要とされる磨耗と耐衝撃性に対する要求を満たす高い硬度を達成するようなピボットアーバーを提供する。
【解決手段】計時器用ムーブメントのためのピボットアーバーは、その少なくとも一方の端において、ピボットアーバーの磁場に対する感受性を抑えるように、少なくとも1つのピボット3を有する。非磁性金属材料4は、非磁性の軽金属又はその軽金属の非磁性の合金であり、ピボット3の少なくとも外面は、陽極成長によって得た非磁性金属材料4の陽極酸化層5で被覆されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、計時器用ムーブメント用の部品に関し、特に、機械式計時器用ムーブメントのための非磁性のピボットアーバーに関し、特に、非磁性のバランススタッフ、パレットスタッフ及びエスケープピニオンに関する。
計時器用のピボットアーバーの製造には、硬化可能な鋼の棒体に対して棒体ターニングオペレーションを行って、様々な活性表面(支持面、肩部、ピボットなど)を定め、そして、棒体ターニングされたアーバーに対して少なくとも1つの硬化オペレーションを含む熱処理をして、アーバーの硬度を改善し、粘着力を改善するために一又は複数の焼き戻しオペレーションを行うことを伴う。熱処理オペレーションの後には、アーバーのピボットに対してローリングするオペレーションが行われ、これは、必要な寸法までピボットを研磨することを伴う。ピボットの硬度及び粗さは、ローリングオペレーション時にさらに改善される。
機械式計時器用ムーブメントにおいて伝統的に用いられているピボットアーバー(例えば、バランススタッフ)は、棒体ターニングのために鋼のグレードで作られている。これは、一般的には、それらの機械加工性を改善するために鉛と硫化マンガンを有するマルテンサイトカーボン鋼である。この種の鋼として知られているものに、20APがあり、これは、上記のようなアプリケーションにおいて典型的に用いられている。
この種の材料は、機械加工が容易であるという利点があり、特に、棒体ターニングのために適しており、そして、硬化と焼き戻しの後に、計時器用のピボットアーバーを作るために非常に有利な優れた機械的性質を有する。このような鋼は硬度が高く、これによって、特に、熱処理の後に、非常に良好な耐衝撃性を得ることができる。典型的には、20AP鋼によって作られるアーバーピボットの硬度は、熱処理とローリングの後に700HVを超えることがある。
この種の材料は、上記の計時器用途において満足する機械的性質を与えるが、磁性材料であり、磁場が与えられると腕時計の機構と干渉してしまうことがあるという短所がある。これは特に、強磁性体によって作られたバランスばねと連係するバランススタッフを作るためにこの種の材料が用いられる場合に顕著であるこの現象は当業者に広く知られている。なお、このようなマルテンサイト系鋼は腐食しやすい。
非磁性、すなわち、常磁性、反磁性又は反強磁性、の特徴を有するオーステナイト系ステンレス鋼を用いて前記の短所を克服するための試みがなされてきた。しかし、このようなオーステナイト鋼は、硬化させることができず計時器ピボットアーバーを作るために必要な要件を満たす耐衝撃性を有するような硬度のレベルを達成することができない結晶構造を有する。このようにして得られるアーバーは、衝撃を受けたときに印が付いたり深刻な損傷を受けたりしてしまい、ムーブメントのクロノメトリーに対して良くない影響を与えてしまう。このような鋼の硬度を増加させる1つの手段は冷間加工である。しかし、このような硬化オペレーションは、500HVを超える硬度を達成することができない。結果的に、耐衝撃性が高いピボットを必要とする部品においては、この種の鋼を用いることが少ないままである。
これらの短所を克服することを試みる別のアプローチとして、ダイヤモンド状炭素(DLC)のような材料の硬化層をピボットアーバー上に堆積させるものがある。しかし、この硬化層が剥離してしまい、これによって砕片が発生し、この砕片が計時器用ムーブメントの内側で動き回って計時器用ムーブメントの動作に害を与えてしまうという重大なリスクがあることが観察された。これでは満足することができない。
また、欧州特許EP2757423によって、コバルト又はニッケルのオーステナイト合金によって作られ外面が特定の深さまで硬化されたピボットアーバーが知られている。しかし、ピボットアーバーを製造するためにこのような合金を機械加工することが難しいことがわかっている。また、このような合金は比較的高コストである。なぜなら、ニッケルとコバルトが高コストであるためである。
本発明は、磁場に対する感受性を抑え、かつ、計時器業界において必要とされる磨耗と耐衝撃性に対する要求を満たす高い硬度を達成するようなピボットアーバーを提案することによって、前記課題を克服することを目的とする。
また、本発明は、単純かつ経済的に製造することができる非磁性のピボットアーバーを提供することを別の目的とする。
このために、本発明は、計時器用ムーブメントのためのピボットアーバーに関し、当該ピボットアーバーは、その少なくとも一方の端において、当該ピボットアーバーの磁場に対する感受性を抑えるように、非磁性金属材料で作られた少なくとも1つのピボットを有する。
本発明によると、前記非磁性金属材料は、非磁性の軽金属又はその軽金属の非磁性の合金であり、前記ピボットの少なくとも外面は、前記非磁性金属材料の陽極酸化層で被覆されている。
前記陽極酸化層は、陽極酸化によって成長させることによって得られ、優れた接着性及び前記非磁性金属材料よりも非常に高い硬度を有する。
結果的に、本発明に係るピボットアーバーは、磁場に対する低い感受性と、計時器業界で要求される磨耗と衝撃に対する耐性の需要を満たす改善された硬度の利点を同時に享受することができる。
本発明の他の有利な特徴によると、以下の特徴を有する:
− 形成される陽極層は、2μm〜50μm、好ましくは、10μm〜30μmの厚みを有する。
− 形成される陽極層は、好ましくは、硬度が、300HVよりも大きく、さらに好ましくは、400HVよりも大きく、さらに好ましくは、500HVよりも大きい。
また、本発明は、前記ピボットアーバーを有する計時器用ムーブメント、特に、前記アーバーを有するバランススタッフ、パレットスタッフ、及び/又はエスケープピニオンに関する。
最後に、本発明は、以下のステップを有する前記ピボットアーバーを製造する方法に関する。
(a)磁場に対する前記ピボットアーバーの感受性を抑えるように、当該ピボットアーバーの少なくとも一方の端において、非磁性の軽金属又はその軽金属の非磁性の合金である非磁性金属材料で作られた少なくとも1つのピボットを有するピボットアーバーを形成する形成ステップ
(b)前記ピボットの少なくとも外面を陽極酸化処理して、陽極酸化によって前記外面上に前記非磁性金属材料の陽極酸化層を成長させる陽極酸化ステップ
本発明の他の有利な特徴によると、
− 前記陽極層は、前記陽極酸化ステップ(b)において、厚みが2μm〜50μm、好ましくは、10μm〜30μmとなるように形成される。
− 前記陽極酸化ステップ(b)の陽極酸化処理は、伝統的な陽極酸化プロセス又はマイクロアーク酸化プロセスの処理であることができる。
添付図面を参照しながら説明のための例として与える以下の説明を読むことで、他の特徴及び利点が明確になるであろう。
本発明に係るピボットアーバーの側面図である。 本発明に係るバランススタッフピボットの部分断面図である。
本明細書において、用語「非磁性」の材料とは、透磁率が1.01以下である常磁性、反磁性又は反強磁性の材料を意味する。
ある元素の合金とは、その元素を50%重量以上含有する合金のことである。
本発明は、計時器用ムーブメント用の部品に関し、特に、機械式計時器用ムーブメントのための非磁性のピボットアーバーに関する。
以下、非磁性のバランススタッフ1に対する応用例を参照しながら本発明を説明する。もちろん、他のタイプの計時器用ピボットアーバーも思い描くことができる。例えば、計時器用の車セットアーバー、典型的には、エスケープピニオンやパレットスタッフである。この種の部品は、好ましくは、2mm未満の直径を有する本体と、及び数μmの精度で、好ましくは、0.2mm未満の直径を有するピボットとを有する。
図1を参照すると、本発明に係るバランススタッフ1を示しており、これは、好ましくは、棒体ターニング又は他のチップ除去機械加工技術によって形成された、異なる直径の複数の区画を有しており、伝統的な形態で、2つのピボット3を定める2つの端部分の間に配置される支持面2a及び肩部2bを定めている。これらのピボットはそれぞれ、通常、ジュエル又はルビーの内側の開口内にある、ベアリング内で回転するように意図されている。
日常的に接触するものどうしによって発生する磁性のために、バランススタッフ1の感受性を抑えて、バランススタッフ1が組み入れられる計時器の機構に影響を与えることを防ぐことは重要である。
したがって、ピボット3は、磁場に対するピボット3の感受性を有利に抑えるために第1の非磁性金属材料4で作られている。
本発明によると、前記非磁性金属材料4は、非磁性の軽い材料、又は軽金属の非磁性の合金である。
好ましくは、本発明において用いられる非磁性金属材料4は、アルミニウム、チタン、マグネシウム及びそれらの非磁性の合金からなる群から選択される。
特に有利な方法において、前記非磁性金属材料4は、6000系アルミニウム合金(Al Mg Si)、銅を含有する7000系アルミニウム合金(Al Zn Cu)、グレード5のチタン合金(Alを5.5〜6.75%、Vを3.5〜4.5%含有)、Mg−Zrの合金からなる群から選ばれ、これらの様々な合金形成元素の含有率は、非磁性かつ良好な機械加工性を合金に与えるように選択される。これらの合金は、棒体ターニングすることができ、陽極酸化に適しているという性質を有する。
例えば、特に好ましい合金は、アルミニウム合金EN AW 6082であり、アルミニウム合金EN AW 7075、及びアルミニウム合金EN AW 7068である。
組成値は、重量%で与えている。組成値を示していない元素は、残り(バランス元素又は主要元素)であるか、又は組成において1重量%未満の含有率であるような元素のいずれかである。
もちろん、他の非磁性の軽金属の合金も思い描くことができる。ただし、それらの構成物質の含有率が、非磁性かつ良好な機械加工性の両方を与えることを前提とする。
本発明において用いられる非磁性の軽金属の材料は、一般的には、250HV未満、さらには100HV未満の硬度を有する。非磁性であるという利点に加えて、この材料は重量が軽いために慣性が小さくなるという利点がある。
本発明によると、前記ピボット3の少なくとも外面は、陽極酸化によって成長された当該材料5の陽極酸化層によって被覆される。この成長によって得られた酸化層は、ピボットの基材への接着性が優れており、これによって、その後の使用時におけるいずれの剥離をも防ぐこともできる。また、成長によって得られた陽極酸化層は、さらに、計時器業界において必要とされる磨耗と耐衝撃性についての需要を満たす改善された硬度を有する。
このようにして、形成される陽極層5は、好ましいことに、300HVよりも大きい硬度、好ましくは、400HVよりも大きい硬度、さらに好ましくは、500HVよりも大きい硬度を有する。
好ましいことに、形成される陽極層5は、2μm〜50μm、好ましくは、10μm〜30μmの厚みを有することができる。
硬化機能を有していない他の層を陽極層5上に堆積させることができることは明らかである。したがって、例えば、陽極層5上に潤滑層を堆積させることができる。
結果的に、ピボット3の少なくとも外面が硬化される。すなわち、アーバーの残りは、バランススタッフ1の機械的性質を大きく変化させずに、少ししか変わらず又は変わらないようにすることができる。このバランススタッフ1のピボット3の選択的硬化によって、腐食及び疲労に対する耐性が良好でありながら、主要な応力領域において、低い磁場に対する感受性、高い硬度及び高いテナシティのような利点を同時に享受することができる。
また、本発明は、上記のようなバランススタッフを製造する方法に関する。当該本発明の方法は、好ましいことに、以下のステップを有する。
(a)磁場に対するバランススタッフ1の感受性を抑えるように、好ましくは、棒体ターニング又は他のいずれかのチップ除去機械加工技術によって、非磁性の軽金属又はその軽金属の非磁性の合金である非磁性金属材料で作られた少なくとも1つのピボット3を両端に有するバランススタッフ1を形成するステップ
(b)前記ピボット3の少なくとも外面に対して陽極酸化処理をして陽極酸化によって前記金属材料の陽極酸化層を前記外面に成長させて、前記ピボット3の前記外面の少なくとも主要な応力領域において硬化層を形成するステップ
好ましくは、前記ステップ(b)において、陽極酸化層5は、2μm〜50μm、好ましくは、10μm〜30μmの厚みを有するように陽極酸化によって形成される。
好ましいことに、前記ステップ(b)の陽極酸化処理は、伝統的な陽極酸化プロセス又はマイクロアーク酸化プロセスによる処理である。
伝統的な陽極酸化は、システムに連続的な電流を流すことによって行われる。伝統的な陽極酸化には幾つかのタイプがあり、これらは、例えば、シュウ酸性又は硫酸性の媒体において行われる。シュウ酸性の媒体が好ましい。当業者には、本発明のために適切な厚み及び硬度を有する陽極酸化層を得るために考慮される伝統的な陽極酸化の幾つかのパラメーター、例えば、電解質槽の組成、特に、酸の選択及び濃度、電解質の温度、pH、陽極酸化時の電流密度のような動作条件、が知られている。
アルミニウムのための伝統的な陽極酸化処理は、以下のようにして行うことができる:
処理1:
槽1
2SO4:150±5g/l
Al3+: 20±5g/l
温度: 8±3℃
電流密度:1.5±0.5A/dm2

処理2:
槽2
2SO4:150±10g/l
シュウ酸:50±10g/l
温度: 16±2℃
電流密度:1±0.5A/dm2
チタンのための伝統的な陽極酸化処理は、アルカリ陽極酸化プロセスを用いる標準AMS 2488にしたがって行った。陽極層の厚みは、約3μmであった。
マイクロアーク酸化(MAO)は、伝統的な陽極酸化の原理に基づく電解質表面処理プロセスであるが、伝統的な陽極酸化とは、電力と電解質の性質の両方において異なる。マイクロアーク酸化は、処理時に材料の表面にマイクロプラズマ放電を発生させる。プラズマ電解酸化プロセスは、一般的には、電力密度が1A/cm2よりも低く電圧が200Vよりも高いようにして、低濃度のアルカリ層において行われる。当業者であれば、本発明のために適切な厚み及び硬度の陽極酸化層を得るためのパラメーター、特に、電力に関連するパラメーター、すなわち、電流モード(電流密度、周波数及び波形)、チャージ密度及び電流密度、そして、水ベースの電解質(組成及び濃度)、を知っているであろう。
本発明に係る方法は、アーバーを陽極酸化する前に清浄化するために必要な予備的表面処理ステップを行うことができる。
本発明に係るピボットアーバーは、前記ステップ(b)をピボットのみに対して行って、又は全体を非磁性の軽金属材料で作ることで、本発明にしたがって処理されるピボットを有することができ、このピボットの外面は、前記ステップ(b)をピボットアーバーのすべての表面に対して行うことによって当該材料の陽極酸化層によって全体的に被覆することができる。
また、本発明に係る方法は、前記ステップ(b)の後に、仕上げ処理を行う仕上げ処理ステップ(c)を有することができる。この仕上げ処理は、ピボット3のために望ましい最終的表面状態を得るためのローリング又は研磨オペレーションであることができる。特定のマイクロアーク酸化の場合において、仕上げ処理は、多孔性の表面層を除去するためのラッピング(lapping)オペレーションであることができる。
以下の例は、本発明の範囲を制限せずに本発明を説明するものである。
6082アルミニウムによって作られたバランススタッフを既知の方法で作り、伝統的な陽極酸化処理1を用いて本発明の方法によって処理した:
槽1:
2SO4:150±5g/l
Al3+: 20±5g/l
温度: 8±3℃
電流密度:1.5±0.5A/dm2
伝統的な陽極酸化処理の後、6082アルミニウムバランススタッフを厚み5.8μmの陽極の酸化アルミニウム層で被覆した。コア硬度を119HV0.01にて測定した。陽極酸化層における硬度を695HV0.01にて測定した。良好な腐食及び疲労に対する耐性を有しつつ、主要な応力領域において磁場に対する低い感受性、高い硬度及び高いテナシィティの利点を同時に享受している軽金属(アルミニウム)のバランススタッフを得ることができた。
1 ピボットアーバー
2 区画
2a 支持面
2b 肩部
3 ピボット
4 非磁性金属材料
5 陽極酸化層

Claims (17)

  1. 計時器用ムーブメントのためのピボットアーバー(1)であって、
    当該ピボットアーバー(1)は、その少なくとも一方の端において、当該ピボットアーバー(1)の磁場に対する感受性を抑えるように、非磁性金属材料で作られた少なくとも1つのピボット(3)を有し、
    前記非磁性金属材料(4)は、非磁性の軽金属又はその軽金属の非磁性の合金であり、
    前記ピボット(3)の少なくとも外面は、前記非磁性金属材料の陽極酸化層(5)で被覆されている
    ことを特徴とするピボットアーバー(1)。
  2. 当該ピボットアーバーは、非磁性金属材料で作られており、
    前記非磁性金属材料は、当該ピボットアーバーの磁場に対する感受性を抑えるように、非磁性の軽金属又はその軽金属の非磁性の合金であり、
    当該ピボットアーバーの外面は、前記非磁性金属材料の陽極酸化層で被覆されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のピボットアーバー(1)。
  3. 前記非磁性金属材料(4)は、アルミニウム、チタン、マグネシウム及びそれらの非磁性の合金からなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のピボットアーバー(1)。
  4. 前記非磁性金属材料(4)は、硬度が250HV未満である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のピボットアーバー(1)。
  5. 前記陽極酸化層(5)は、厚みが2μm〜50μmである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピボットアーバー(1)。
  6. 前記陽極酸化層(5)は、厚みが10μm〜30μmである
    ことを特徴とする請求項5に記載のピボットアーバー(1)。
  7. 前記陽極酸化層(5)は、硬度が300HVよりも大きい
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のピボットアーバー(1)。
  8. 前記陽極酸化層(5)は、硬度が400HVよりも大きい
    ことを特徴とする請求項7に記載のピボットアーバー(1)。
  9. 前記陽極酸化層(5)は、硬度が500HVよりも大きい
    ことを特徴とする請求項8に記載のピボットアーバー(1)。
  10. 前記非磁性金属材料(4)は、6000系アルミニウム合金、銅を含有する7000系アルミニウム合金、グレード5のチタン合金、及びMg−Zr合金からなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のピボットアーバー(1)。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のピボットアーバー(1)を有する
    ことを特徴とする計時器用ムーブメント。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載のピボットアーバーを有するバランススタッフ(1)、パレットスタッフ及び/又はエスケープピニオンを有する
    ことを特徴とする計時器用ムーブメント。
  13. 計時器用ムーブメントためのピボットアーバー(1)を製造する方法であって、
    (a)磁場に対する前記ピボットアーバーの感受性を抑えるように、当該ピボットアーバー(1)の少なくとも一方の端において、非磁性の軽金属又はその軽金属の非磁性の合金である非磁性金属材料(4)で作られた少なくとも1つのピボット(3)を有するピボットアーバー(1)を形成する形成ステップと、
    (b)前記ピボット(3)の少なくとも外面を陽極酸化処理して、陽極酸化によって前記外面上に前記非磁性金属材料(5)の陽極酸化層を成長させる陽極酸化ステップと
    を有することを特徴とする方法。
  14. 前記陽極酸化層(5)は、厚みが2μm〜50μmである
    ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記陽極酸化層(5)は、厚みが10μm〜30μmである
    ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記陽極酸化ステップ(b)の陽極酸化処理は、伝統的な陽極酸化処理又はマイクロアーク酸化処理である
    ことを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 当該方法は、さらに、前記陽極酸化ステップ(b)の後に、仕上げ処理を行う仕上げ処理ステップ(c)を有する
    ことを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の方法。
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