JP2018100331A - 飽和炭化水素含有量が低減されたパーム油 - Google Patents

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Abstract

【課題】飽和炭化水素含有量が低減されたパーム油及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】パーム果実を加熱する加熱工程、及び加熱したパーム果実を圧搾又は抽出してパーム粗油を得る改良パーム粗油製造工程を含む、改良パーム粗油の製造方法であって、前記パーム果実の加熱が、135℃以下の加熱によって行われる、改良パーム粗油の製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、飽和炭化水素含有量が低減されたパーム油及びその製造方法に関する。
パーム油は、アブラヤシ(パーム椰子、ヤシ科アブラヤシ属)からとれるパーム果実を圧搾又は抽出して得た油であり、カロテンを多く含む油として知られる。パーム果実を圧搾又は抽出したパーム粗油は赤橙色をしているが、精製して水分、ガム質、色素、有臭成分などを取り除くと淡黄色を呈するパーム精製油となり、該パーム精製油は、食用植物油として広く利用される。
パーム油を含む食用油脂には、不純物が含まれないことが好ましく、特に、植物油脂を製造する装置に使用される潤滑油のような健康被害が懸念される鉱物油が混入することは好ましくない。2008年の春、ウクライナ産のヒマワリ油から、1000mg/kgを超える濃度で鉱物油が検出されたことをきっかけに(非特許文献1)、欧州委員会は、ウクライナ産のヒマワリ粗油および精製油における鉱物油に対して、50mg/kgの法的規制の適用を決定した。従って、当然のことながら、パーム油においても鉱物油が含まれないようにすることが望まれる。
Eur.J.Lipid.Sci.Technol.2008,110,979-981
除去が望まれる鉱物油の成分としては、飽和炭化水素(SH)が挙げられる。飽和炭化水素はその由来にかかわらず、人体では消化されない成分なので、その含有量は低いことが望ましい。パーム果実を圧搾又は抽出して得られたパーム粗油には、装置から鉱物油が混入しない条件であっても飽和炭化水素が含まれることがこの度発見された。すなわち、装置由来の潤滑油などの鉱物油が混入する可能性のないラボスケールの実験においても、パーム果実を加熱して圧搾又は抽出して得られたパーム粗油、および該パーム粗油を精製して得られたパーム精製油には、飽和炭化水素が含まれていることから、パーム油(パーム粗油及びパーム精製油)には、パーム油の製造装置からの混入がなくても、飽和炭化水素が含まれていることがこの度発見された。
そこで、本発明の課題は、飽和炭化水素の含有量が低減されたパーム油(パーム粗油及びパーム精製油)およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。そして、飽和炭化水素は、パーム粗油を精製してパーム精製油を得る精製工程ではほとんど増加しないこと、および、飽和炭化水素はパーム果実からパーム粗油を得るための蒸熱殺菌(sterilization)工程での加熱により増加すること、が分った。その結果、蒸熱殺菌工程の加熱温度を調節する(下げる)ことで、パーム粗油及びパーム精製油の飽和炭化水素含有量が低減できることを本発明者らは見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の態様に関するものである。
〔1〕パーム果実から改良パーム粗油を製造する改良パーム粗油の製造方法であって、前記改良パーム粗油の飽和炭化水素の含有量が18ppm以下であり、前記製造方法中に亘って温度が135℃を超えないことを特徴とする、改良パーム粗油の製造方法。
〔2〕パーム果実を加熱する加熱工程、及び加熱したパーム果実を圧搾又は抽出してパーム粗油を得る改良パーム粗油製造工程を含む、改良パーム粗油の製造方法であって、前記パーム果実の加熱が、135℃以下の温度で行われる、改良パーム粗油の製造方法。
〔3〕パーム果実を加熱する加熱工程、加熱したパーム果実を圧搾又は抽出してパーム粗油を得る改良パーム粗油製造工程、及び得られた改良パーム粗油を白土と接触させる脱色工程を含む、パーム精製油の製造方法であって、前記パーム果実の加熱が、135℃以下の温度で行われる、パーム精製油の製造方法。
〔4〕パーム粗油の製造工程において飽和炭化水素の生成を低減する方法であって、前記パーム粗油の製造工程が、パーム果実を加熱する加熱工程、及び加熱したパーム果実を圧搾又は抽出してパーム粗油を得る改良パーム粗油製造工程を含み、前記パーム果実の加熱が、135℃以下の温度で行われる、飽和炭化水素の生成を低減する方法。
〔5〕飽和炭化水素の含有量が18ppm以下である改良パーム粗油。
〔6〕飽和炭化水素の含有量が18ppm以下であるパーム精製油又は精製パーム系油脂。
〔7〕前記〔1〕に記載のパーム粗油を精製して得られる、前記〔6〕に記載のパーム精製油又は精製パーム系油脂。
〔8〕前記精製が、脱色を含む、前記〔7〕に記載のパーム精製油又は精製パーム系油脂。
〔9〕前記〔6〕〜〔8〕の何れか1項に記載のパーム精製油又は精製パーム系油脂を含む飲食品。
本発明により、飽和炭化水素が低減された改良パーム油(パーム粗油及び/又はパーム精製油)の製造方法、並びにパーム油に含まれる飽和炭化水素を低減する方法を提供できる。
また、本発明により、人体では消化されない飽和炭化水素が低減された、改良パーム粗油、改良パーム精製油、及び精製パーム系油脂を提供できる。
<パーム油>
パーム油とは、アブラヤシ(パーム椰子、ヤシ科アブラヤシ属)からとれるパーム果実を圧搾又は抽出して得た油であり、カロテンを多く含む油として知られる。パーム油は、パーム種子から採取されるパーム核油とは区別される。
パーム油としては、パーム粗油、パーム精製油、及びパーム油精製工程の中間油が挙げられる。パーム粗油とは、アブラヤシを圧搾又は抽出して得た油を言う。当該圧搾又は抽出の際、適宜ガム質を除去してもよい。パーム粗油は赤橙色をしており、レッドパームオイルと呼ばれることもある。パーム粗油を精製して水分、ガム質、色素、有臭成分などを取り除くと淡黄色を呈するパーム精製油となり、該パーム精製油は、食用植物油として広く利用される。なお、本発明で使用される「パーム系油脂」とは、上記パーム油(パーム粗油及び/又はパーム精製油及び/又はパーム油精製工程の中間油)を原料油脂として、分別、水素添加、エステル交換などの加工が1種以上加えられた油脂を意味し、また、「精製パーム系油脂」とは、上記パーム系油脂の加工工程の前後でパーム精製油を製造する際の精製工程を経たものであって、食用に適する程度に精製されたパーム系油脂を言う。例えば、「精製パーム系油脂」は、パーム精製油を原料油脂として、分別、水素添加、及び/又はエステル交換などの加工が加えられた油脂を意味する。
<改良パーム粗油の製造方法>
本発明の改良パーム粗油を得るための改良パーム粗油の製造方法は、少なくともパーム果実を加熱する加熱工程、及び加熱したパーム果実を圧搾又は抽出してパーム粗油を得る改良パーム粗油製造工程を含む。
・パーム果実を加熱する加熱工程
ここで、パーム果実の加熱は、パーム果実を135℃以下で加熱することによって行われてもよい。ここで、加熱温度は、パーム果実を十分に滅菌でき、かつ、果実繊維を柔らかくできる温度であればよいが、例えば、100℃以上であり、好ましくは、105℃以上、より好ましくは、110℃以上、更に好ましくは120℃以上であり、かつ、例えば、135℃以下、好ましくは、130℃以下、より好ましくは128℃以下、更に好ましくは、125℃以下であることが好ましい。加熱の温度が、上記いずれかの下限値と上限値との組み合わせを満たせば好ましいが、例えば、100〜135℃、好ましくは、105〜130℃、より好ましくは110〜128℃であれば、飽和炭化水素が低減された改良パーム油(パーム粗油及び/又はパーム精製油)が得られるので好ましい。また、改良パーム粗油の製造中、上記いずれかの上限値、特に135℃を超えないようにすることが好ましい。
前記加熱は、スチームブランチング、又は蒸熱殺菌(Sterilization)とも呼ばれる蒸熱であってもよい。蒸熱は、パーム果実(又は果房)に水蒸気(スチーム)を吹き込んで一定期間加熱殺菌するものである。このように水蒸気を吹き込む蒸熱に対し、水蒸気を吹き込まない加熱は、乾熱とも呼ばれる。蒸熱は、具体的には、例えば、収穫された果房を、蒸熱殺菌機(Sterilizer)において、例えば1〜5kg/cm2、好ましくは、約2〜3kg/cm2の飽和蒸気に、約30〜360分、好ましくは、60〜300分、より好ましくは、75〜270分、更に好ましくは90〜180分さらして処理する。加熱又は蒸熱は、果実中のリパーゼを不活性化し、微生物の作用を停止させ、かつ果房のまま加熱又は蒸熱する場合は果房から果実を分離しやすくする働きがある。また、加熱又は蒸熱には、果実繊維を軟らかくする、蛋白質を凝固する、粘質物を分解するなど、搾油を容易にする効果が一般的に知られている。パーム果実の加熱工程は、パーム粗油を製造する工程の中で、加熱温度が最も高くなる工程である。
上述した飽和蒸気自体の温度は、100℃以上であり、好ましくは、110℃以上、より好ましくは120℃以上であり、かつ、例えば、250℃以下、好ましくは、200℃以下、より好ましくは150℃以下である。
パーム果実の加熱温度又は蒸熱の温度は、加熱又は蒸熱されるパーム果実の周囲温度を意味する。例えば、「パーム果実を135℃で加熱」とは、パーム果実の周囲温度が135℃であることを意味する。パーム粗油の飽和炭化水素含有量に影響するのは、パーム果実の加熱温度であり、実製造上は加熱又は蒸熱における加熱温度である。パーム果実の蒸熱の温度は、例えば、100℃以上であり、好ましくは、105℃以上、より好ましくは、110℃以上、更に好ましくは120℃以上であり、かつ、例えば、135℃以下、好ましくは、130℃以下、より好ましくは128℃以下、更に好ましくは、125℃以下である。蒸熱の温度が、上記いずれかの下限値と上限値との組み合わせを満たせば好ましいが、例えば、100〜135℃、好ましくは、105〜130℃、より好ましくは110〜128℃であれば、飽和炭化水素が低減された改良パーム油(パーム粗油及び/又はパーム精製油)が得られるので好ましい。
・パーム果房の脱果(stripping)工程
上記パーム果実の加熱工程の前又は後に、パーム果房からパーム果実を脱果する工程を任意に含んでいてもよい。好ましくは、上記加熱工程の後にパーム果実の脱果を行った方が、果房が加熱によって柔らかくなり、果房から果実を分離しやすいので好ましい。具体的には、脱果は、任意に加熱処理された果房を脱果機(Stripper)に移し、果房茎から果実を分離することによって行われる。好ましい脱果機としては、ロータリードラムタイプを挙げることができ、これは、果房茎から分離された果実だけが通過できる間隙を有する円筒形をなし、例えば、直径1.8〜2.0m、長さ3〜5m程度で、20〜25rpmの回転速度で回転することにより、果実が分離される。
・パーム果実を圧搾又は抽出する工程
加熱されたパーム果実は、次いで圧搾又は抽出処理され、油分が分離される(Oil Extraction)。具体的には、圧搾は、果実がスクリュープレスなどのプレス機にかけられ、油分が分離されることによって行われる。抽出は、ヘキサン、アセトン等の有機溶媒を使用して、または、超臨界二酸化炭素などを使用して、パーム油を抽出し、得られた抽出液から溶媒を除去して油分を得ることによって行われる。
・消化(digestion)処理する工程
上記パーム果実の圧搾工程の前に、加熱されたパーム果実の消化処理を任意に行ってもよい。消化処理は、パーム果実を蒸気加熱しながら撹拌等により潰すことを含む。消化処理により、パーム果実に含まれる果肉と種子(ナッツ)とを分離し、得られた果肉の繊維を破壊し、油を果肉の細胞から溶出させて、圧搾又は抽出を容易にするものである。当該蒸気加熱の温度は、上記パーム果実の加熱時の飽和蒸気自体の温度及び蒸熱の温度と同様であってもよい。しかし、加熱温度は、好ましくは110℃以下、より好ましくは80〜100℃である。例えば、具体的には、蒸気ジャケットを備えた縦型円筒タンクであって、当該タンク内部に多くの撹拌腕を有する攪拌機と、蒸気吸込装置とを備えるタンクを用いる。当該タンク内において、事前に加熱又は蒸熱されたパーム果実をさらに蒸気加熱しながら攪拌して潰し、どろどろの均一含油消化果実とされる。
・清澄(Clarification)処理する工程
圧搾又は抽出されて分離された油分(粗製油)は、清澄処理を任意に行ってもよい。清澄処理は、当該油分から不純物を取り除くために行う。不純物としては、水、繊維質、細胞破壊物等が挙げられる。油分中の油脂以外の不純物は、油分全体に対して50質量%以上になることがあるが、通常は、油分全体に対し、1〜50質量%、10〜40質量%、20〜40質量%程度である。清澄処理では、具体的には、例えば、当該油分に適量の水を添加し、静置タンクに入れて加熱し、油(上層)とスラッジ(下層)に分ける。その後、得られた油は遠心分離機にかけ、清澄した油を得る。上記適量の水の具体的な量は、例えば、清澄処理される油分100質量部に対して10〜100質量部、好ましくは10〜70質量部、より好ましくは、20〜50質量部であり得る。また、上記加熱温度は、例えば、80〜100℃、好ましくは、80〜90℃であり得る。清澄処理は、このように油分を静値タンクに置くほか、静置タンクを使用せずに直接遠心分離することによって行ってもよい。このような清澄処理により、当該油分全体に対する不純物を0.1質量%以下(固形分で)、好ましくは、0.01質量%以下(固形分で)、水分を1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下とすることができる。
・乾燥(drying)処理する工程
清澄した油は、更に乾燥してもよい。乾燥処理は、例えば、油全体に対する水分量が1質量%以下、好ましくは、0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.1質量%程度になるまで、減圧乾燥されることが適当である。乾燥温度は、80〜100℃であってもよい。このように乾燥処理することにより、油の貯蔵中あるいは輸送中の加水分解を防ぐことができる。
<改良パーム粗油>
本発明の改良パーム粗油は、通常のパーム粗油に比べて、飽和炭化水素の含有量が低減されたパーム粗油である。通常のパーム粗油は、パーム果実の加熱が135℃を超える温度で行われる以外、上記改良パーム粗油の製造方法と同様に製造される。通常のパーム粗油は、飽和炭化水素を、一般的に20ppm以上、あるいは25ppm程度又はそれ以上含む。
一方、本発明の改良パーム粗油は、飽和炭化水素の含有量が低減されたものであり、例えば、上記改良パーム粗油の製造方法に記載された方法により得られる。本発明の改良パーム粗油に含まれる飽和炭化水素の含有量は、改良パーム粗油全体を100質量%とした場合、例えば、18ppm以下であり、好ましくは、15ppm以下、より好ましくは12ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、殊更好ましくは9ppm以下であることが適当である。本発明の改良パーム粗油に含まれる飽和炭化水素の含有量は少なければ少ないほどよいので、その下限値は特に定める必要がないが、通常は、0.1ppm以上、0.5ppm以上、1ppm以上、2ppm以上、3ppm以上、4ppm以上又は5ppm以上程度となる。
当該改良パーム粗油に含まれる飽和炭化水素の含有量は、パーム果実を加熱する工程の温度に依存する。例えば、蒸熱による加熱工程において、蒸熱温度が128℃で90〜270分程度蒸熱を行うと、飽和炭化水素の含有量は5〜12ppm程度となる。110〜120℃程度で90分の蒸熱あれば、飽和炭化水素の含有量は5〜9ppm程度となる。従って、より低い温度で長い時間をかけて蒸熱することにより、飽和炭化水素の低減を図ることが可能となる。
ここで、飽和炭化水素(SH)とは、鉱物油に代表されるような炭素数10〜56、好ましくは、炭素数10〜45、より好ましくは炭素数10〜35、さらに好ましくは20〜35程度で、分子量が、例えば、70〜1000程度、好ましくは、100〜800程度、より好ましくは、200〜600程度の直鎖及び/又は分岐鎖及び/又は環状の飽和炭化水素を意味する。
<パーム精製油及び精製パーム系油脂の製造方法>
上記のようにして得られた改良パーム粗油は、さらに精製工程を経てパーム精製油を得ることができる。精製工程は、例えば、脱ガム工程、アルカリ脱酸工程、水洗工程、脱水乾燥工程、脱色工程、脱臭工程等の各工程を含んでもよい。精製は、物理精製法、アルカリ精製法のどちらであってもよい。なお、これら精製工程では飽和炭化水素の含有量はほとんど変化しない。理論に左右されることはないが、これは、上記改良パーム粗油の製造工程で飽和炭化水素の原因となる物質が十分に除去されていること、及び、精製工程、特に脱色工程において当該原因物質が適宜除去されること、等の理由によると推察される。精製工程は、必要に応じて繰り返し行われてもよい。また、必要に応じて精製工程に、分別、水素添加、エステル交換等の加工工程を組み入れて、改良パーム粗油から精製パーム系油脂を調製してもよい。ここで、パーム系油脂とは、パーム油(パーム粗油及び/又はパーム精製油及び/又はパーム油精製工程の中間油)を原料油脂として、分別、水素添加、エステル交換などの加工が加えられた油脂を意味する。上記加工工程は、精製工程前の段階(パーム粗油を原料として)に行われてもよいし、精製工程の中間(パーム脱色油などを原料として)に行われてもよいし、精製工程後の段階(パーム精製油を原料として)で行われてもよい。パーム系油脂の1つであるパーム分別油としては、例えば、パーム油の1段分別油であるパームオレインおよびパームステアリン、パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)およびパームミッドフラクション、ならびに、パームステアリンの2段分別油であるパームオレイン(ソフトパーム)及びパームステアリン(ハードステアリン)を挙げることができる。
なお、パーム精製油及び精製パーム系油脂の飽和炭化水素の含有量の好ましい範囲は、上記改良パーム粗油に含まれる飽和炭化水素の含有量の好ましい範囲と同様である。
・脱ガム工程
脱ガム工程は、パーム粗油中に含まれる不純物であるガム質を遠心分離等によって除去する工程である。具体的には、パーム粗油に、リン酸、クエン酸等の酸を添加し、例えば、60〜120℃、好ましくは、70〜115℃、より好ましくは80〜110℃で、例えば1〜60分、好ましくは、5〜30分、より好ましくは、8〜20分程度撹拌し、その後遠心分離によって沈殿物を除去してガム質を除去する。酸の添加量は、例えば、濃度が80〜85質量%リン酸の場合、0.01〜0.5質量%、好ましくは、0.05〜0.2質量%であることが適当である。
・アルカリ脱酸工程
パーム粗油は、必要に応じて、アルカリ脱酸してもよい。アルカリ脱酸は、水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加することにより、パーム粗油に含まれる遊離脂肪酸を、石鹸として除去する工程である。具体的には、パーム粗油に4Nの水酸化ナトリウム溶液を、遊離脂肪酸の中和当量に対して20%過剰量で添加し、例えば、80℃〜110℃、好ましくは90℃〜100℃で、例えば、1分〜60分、好ましくは5分〜30分程度攪拌し、その後遠心分離によって沈殿物を除去して石鹸を除去する。アルカリ脱酸油は、10〜20質量%の温水で洗浄することにより、さらに石鹸を洗い流してもよい。
・脱色工程
脱色処理工程は、油の脱色を目的とする。具体的には、脱色処理工程は、本発明のパーム粗油を白土、活性炭などから選ばれる吸着剤と接触させることによって行われる。用いられる白土としては、活性白土、中性白土、酸性白土、アルカリ白土が使用可能で、特に活性白土、もしくは酸性白土が好ましい。具体的には、脱色処理工程は、例えば、パーム粗油と白土(パーム粗油に対して0.5〜5質量%、好ましくは2〜3質量%)とを脱色処理槽に入れ、減圧下、90〜150℃(好ましくは、105〜120℃)で1〜40分程度(好ましくは5〜20分程度)、接触させることによって行われる。当該範囲内であれば、白土によるパーム粗油の脱色を十分に行うことができる。また、白土に含まれる水分を除去して、吸着能力を高めるために減圧下で脱色することが好ましい。脱色処理槽としては、例えば、タンク、カラム、ろ過器などを用いることができる。タンクの場合は、攪拌機付のタンクであることが好ましく、パーム粗油と白土とを接触した後、ろ過もしくは遠心分離機等で白土を分離できることが好ましい。ろ過を容易にするために、これらの脱色処理工程が、ろ過助剤等の助剤の存在下で行われていてもよい。ろ過助剤としては、例えば、セライトなどの無機ろ過助剤及びセルロースなどの繊維やその粉砕物などの有機ろ過助剤が挙げられる。また、カラムやろ過器に白土を充填・保持し、パーム粗油を当該カラムやろ過器に通液してもよい。パーム粗油を通液することにより、通液と同時に白土も分離でき、装置もタンクに比べてコンパクトになるので好ましい。ろ過器としては、例えば、単板ろ過器、フィルタープレス、アマフィルター等を用いることが好ましい。タンク、カラム、ろ過器は、ガラス製、プラスチック製もしくは鉄、ステンレスなどの金属製を用いることができるが、耐久性の点から金属製であることが好ましい。脱色処理工程は、脱色の他、パーム粗油に含まれる飽和炭化水素の原因となる物質を除去する働きもあると考えられる。
・脱臭工程
脱臭工程により、本発明のパーム粗油に含まれる有臭成分が除去される。脱臭工程の条件は、通常脱臭工程で使用される条件を使用することができるが、例えば、100〜350℃、好ましくは150〜300℃の高温下、例えば、10分〜120分、好ましくは30分〜90分程度、13.3〜2666Pa(0.1〜20トール)、好ましくは、133〜1333Pa(1〜10トール)の高真空状態で、水蒸気を加えて蒸留する水蒸気蒸留を使用することができる。
・加工工程
パーム油は、さらに分別、水素添加、エステル交換等の加工工程を経て、精製パーム系油脂とすることができる。このようにして得た精製パーム系油脂は加工油脂とも呼ばれる。
分別とは、パーム油を所定の液体油脂と所定の固体油脂に分離することを意味する。具体的には、パーム油に含まれる各種トリグリセリドの融点の違いを利用して、冷却により高融点トリグリセリドの結晶を析出させた後、固液分離する方法が挙げられる。分別方法は、特に限定はなく、ドライ分別(自然分別)、乳化分別(界面活性剤分別)、溶剤分別等の通常の方法により行うことができる。分別方法は、ドライ分別、溶剤分別が好ましい。ドライ分別は、一般的には槽内で攪拌しながら分別原料油脂を冷却し、結晶を析出させた後、圧搾及び/又はろ過することで高融点部(硬質部又は結晶画分とも言う。)と低融点部(軟質部又は液状画分とも言う。)に分けることによって行うことができる。溶剤分別は、アセトン、ヘキサン等の溶剤に分別原料油脂を溶解し、その溶液を冷却し、結晶を析出させた後、ろ過することで高融点部と低融点部に分けることによって行うことができる。
水素添加とは、パーム油に対して水素を還元剤として加えて水素原子を付加する反応を言う。具体的には、白金やニッケルを含む化合物からなる触媒の存在下、目的となるパーム油に水素ガスを付与して還元反応を行う。パーム油の水素添加は主に不飽和結合(主に二重結合)を飽和する(単結合にする)ために行われる。
エステル交換とは、エステルのアルコール部を別のアルコールに交換して、別のエステルに転化する反応である。
具体的には、例えば、触媒として、酵素、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド等を使用し、例えば、50〜135℃、好ましくは60〜130℃、より好ましくは70〜120℃、さらに好ましくは110℃の温度で、10分〜3時間、好ましくは、20分〜2時間、より好ましくは30分〜1時間、500〜50000Pa、好ましくは、1000〜40000Pa、より好ましくは、10000〜30000Paの減圧下で反応を行う。
好ましいアルカリ金属及びアルカリ土類金属は、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等を挙げることができる。好ましい触媒はナトリウムメチラートである。
本発明のパーム精製油及び精製パーム系油脂は、飽和炭化水素の含有量が本発明のパーム粗油と同じレベルで低く、食用としての安全性が高い。本発明のパーム精製油及び精製パーム系油脂は、従来パーム精製油及び精製パーム系油脂が使用されるあらゆる飲食品に使用できる。好ましい飲食品としては、例えば、食用油、マーガリン、ショートニング、マヨネーズなどの調味料、パン、菓子、チョコレート、調整粉乳などの乳幼児用の飲食品及び即席麺等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。しかし、本発明は以下の実施例の内容に限定されない。
<飽和炭化水素含有量測定>
飽和炭化水素含有量は、以下の方法に従って測定した。
(1)200mgの油脂サンプルに3ppmの内部標準物質(Bicyclohexyl)を加え、1mLのヘキサンで溶解させる。
(2)ヘキサンでコンディショニングした2gシリカ固相抽出カラムに(1)の試料を入れて吸着させる。
(3)ヘキサンで飽和炭化水素を溶出させる。最初の1mLを捨て、その後の3mLを回収し、飽和炭化水素画分とする。
(4)飽和炭化水素画分を300μL程度に濃縮し、ガスクロマトグラフィー(オンカラムインジェクション)にて測定する。
(5)ガスクロマトグラフィー測定条件
1.カラム
プレカラム:不活性化ヒューズドシリカカラム、長さ10m、内径0.53mm
分析カラム:100%ジメチルポリシロキサン、長さ15m、内径0.32mm、膜厚0.1μm
2.注入
キャリアガス:ヘリウム
注入量:40μL
注入口温度条件:60℃(4分保持)→20℃/分昇温→380℃(15.5分保持)
圧力条件:60kPa(4分保持)→70kPa/分昇圧→130kPa(30.5分保持)
カラム流量:3.55mL/分
3.オーブン
温度:50℃(4分保持)→20℃/分昇温→380℃(15分保持)
4.FID検出器
温度:380℃
(6)上記ガスクロマトグラフィー測定にて得られたクロマトグラムを用い、内部標準物質の面積と飽和炭化水素の面積(ベースラインから盛り上がるハンプの面積)を比較することで、飽和炭化水素含有量を換算する。
[試験1]
パーム果房から強制的に脱果したパーム果実を、110℃、120℃、128℃、150℃、および180℃の周囲温度としたオーブン内で、それぞれ90分間加熱した。加熱後のパーム果実より、油をヘキサンで抽出し、抽出液からヘキサンを溜去してパーム粗油を得た。次いで、得られたパーム粗油に含まれている飽和炭化水素(SH)含有量(パーム粗油全体を100質量%とする)の分析を行った。また、未加熱のパーム果実から同様に油脂をヘキサンで抽出し、飽和炭化水素(SH)含有量の分析を行った(なお、SHがすべて直鎖SHと仮定した場合、得られたSHの分子量は、炭素数10〜56の場合に142〜786、炭素数20〜35の場合に282〜492であった。)。結果を表1に示す。
表1
Figure 2018100331
上記表1の結果から、パーム果実の加熱温度が高いほど、飽和炭化水素(SH)の生成量が多くなることが理解できる。なお、比較例1は加熱していないので、工業的には圧搾又は抽出が困難であり、また、該油脂は、殺菌が十分に行われておらず、食用には適していない。
[試験2]
パーム果房から強制的に脱果したパーム果実を、128℃の周囲温度としたオートクレーブ内で乾熱条件および蒸気圧2kg/cm2の蒸熱条件で加熱した。加熱開始後、それぞれ90分、180分、および270分のタイミングでパーム果実を取り出した。加熱後のパーム果実より、油脂をヘキサンで抽出し、抽出液からヘキサンを溜去してパーム粗油を得た。次いで、得られたパーム粗油に含まれている飽和炭化水素(SH)含有量(パーム粗油全体を100質量%とする)の分析を行った。結果を表2に示す。
表2
Figure 2018100331
表2の結果から、飽和炭化水素の生成は、加熱方法が、乾熱、蒸熱にかかわらず、加熱温度に依存することがわかった。また、該結果から、パーム果実の加熱時間が長くなると、飽和炭化水素(SH)含有量が減少することが理解できる。
表1の結果から、加熱(乾熱又は蒸熱)工程において、飽和炭化水素の生成を抑制するためにパーム果実の加熱温度を低くすると、圧搾又は抽出の効率を維持するために加熱時間を長くする必要があると考えられるが、表2の結果から、加熱時間を長くしても、飽和炭化水素(SH)含有量が増加することはないことがわかった。
[試験3]
パーム果房から強制的に脱果したパーム果実を、110℃の周囲温度としたオーブン内で90分間加熱した。加熱後のパーム果実より、油脂をヘキサンで抽出した。抽出液からヘキサンを溜去してパーム粗油を得た。得られたパーム粗油を、表3に示す精製条件1又は2にて精製し、パーム精製油を得た。一連の脱ガム前、脱色後、脱臭後にそれぞれ得られる油の飽和炭化水素(SH)含有量(パーム粗油全体を100質量%とする)の分析を行った。結果を表4に示す。
表3
Figure 2018100331
表4
Figure 2018100331
脱色により、パーム油中の飽和炭化水素(SH)含有量はさらに低減できることが理解できる。
[試験4]
試験3の精製条件1で得られたパーム精製油を常法に従ってエステル交換、精製し、精製エステル交換パーム油を得た。すなわち、当該パーム精製油に対して、0.1質量%のナトリウムメチラートを添加した。得られたナトリウムメチラート含有パーム精製油を、13.3kPa(100トール)の減圧下、110℃で、0.5時間攪拌することにより、エステル交換反応を行った。反応終了後、反応生成物から、ナトリウムメチラートを水洗により除去した。得られたエステル交換パーム油に対して、上記試験3の精製条件1に従う脱色および脱臭処理(脱ガム処理を除く)を行うことにより、精製パーム系油脂の1つである精製エステル交換パーム油を得た。
得られた精製エステル交換パーム油の飽和炭化水素含有量は7ppm(炭素数20〜35のみ検出)であった。
結論、パーム粗油を得るための加熱温度を低くすることで、飽和炭化水素含有量が低いパーム粗油が得られた。また、当該パーム粗油を精製すること、特に脱色工程を経ることで、飽和炭化水素含有量がより低いパーム精製油が得られた。

Claims (9)

  1. パーム果実から改良パーム粗油を製造する改良パーム粗油の製造方法であって、前記改良パーム粗油の飽和炭化水素の含有量が18ppm以下であり、前記製造方法中に亘って温度が135℃を超えないことを特徴とする、改良パーム粗油の製造方法。
  2. パーム果実を加熱する加熱工程、及び加熱したパーム果実を圧搾又は抽出してパーム粗油を得る改良パーム粗油製造工程を含む、改良パーム粗油の製造方法であって、前記パーム果実の加熱が、135℃以下の温度で行われる、改良パーム粗油の製造方法。
  3. パーム果実を加熱する加熱工程、加熱したパーム果実を圧搾又は抽出してパーム粗油を得る改良パーム粗油製造工程、及び得られた改良パーム粗油を白土と接触させる脱色工程を含む、パーム精製油の製造方法であって、前記パーム果実の加熱が、135℃以下の温度で行われる、パーム精製油の製造方法。
  4. パーム粗油の製造工程において飽和炭化水素の生成を低減する方法であって、前記パーム粗油の製造工程が、パーム果実を加熱する加熱工程、及び加熱したパーム果実を圧搾又は抽出してパーム粗油を得る改良パーム粗油製造工程を含み、前記パーム果実の加熱が、135℃以下の温度で行われる、飽和炭化水素の生成を低減する方法。
  5. 飽和炭化水素の含有量が18ppm以下である改良パーム粗油。
  6. 飽和炭化水素の含有量が18ppm以下であるパーム精製油又は精製パーム系油脂。
  7. 請求項1に記載のパーム粗油を精製して得られる、請求項6に記載のパーム精製油又は精製パーム系油脂。
  8. 前記精製が、脱色を含む、請求項7に記載のパーム精製油又は精製パーム系油脂。
  9. 請求項6〜8の何れか1項に記載のパーム精製油又は精製パーム系油脂を含む飲食品。
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