JP2018100260A - 疎水変性デンドリマーを含む抗菌剤 - Google Patents

疎水変性デンドリマーを含む抗菌剤 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な抗菌性、広い抗菌スペクトル、及びアルカリ条件下での安定性を有するポリマー型抗菌剤の提供。【解決手段】末端にアミノ基を有するデンドリマーの当該末端アミノ基の窒素原子に、下式(1)〜(3)で示される炭化水素基を有する置換基が少なくとも1種付加してなる疎水変性デンドリマーを含むポリマー型抗菌剤。[R1、R3、R5は、各々、C3〜20アルキル基、C3〜20アルケニル基、C6〜20アリール基等]【選択図】なし

Description

本発明は、デンドリマーに特定の炭化水素基を有する置換基を導入した疎水変性デンドリマーを用いた抗菌剤に関する。
近年、清潔志向の高まりや衛生上の観点から、洗浄剤、化粧料、塗料、樹脂、成形品など様々な分野で抗菌剤が使用されている。これらの抗菌剤は、抗菌性能と共に安全性も求められており、ポリマー型の抗菌剤は揮発性がなく、溶出しにくいため、ヒトに対する毒性が低いことから、安全性の高い抗菌剤として注目されてきている。
ポリマー型の抗菌剤は、微生物の細胞膜を破壊して作用すると言われている。このように細胞膜を攻撃対象とする方法は、特定のタンパク質を攻撃対象とする従来の抗菌剤と比較して耐性菌が極めて出現しにくいと考えられている。
近年、ポリマーとして、ユニークな構造および物性を有するデンドリマーが注目を集めている。デンドリマーとは、中心から規則的に分枝した構造を持つ樹状高分子化合物であり、コアと呼ばれる中心部分と、デンドロンと呼ばれる分岐構造を有する側鎖部分から構成される。デンドロン部分の分岐回数を世代(generation)と言い表す。デンドリマーは、高世代のものは一般に球形構造を有し、デンドロンの末端部が球の表面に位置している。分子表面の官能基の性質によりデンドリマーの物性が変化することから、末端部に様々な官能基を導入したデンドリマー化合物が合成されている。
例えば、非特許文献1では、炭素数10、14、18のアルキル基を有する第4級アンモニウム塩を有するタドポール型(tadpole−type)の両親媒性デンドリマー化合物の合成し、その溶液特性を評価している。
さらに、デンドリマー化合物を抗菌剤として用いることも提案されている。非特許文献2では、末端にアミノ基を有するポリアミドアミンの抗菌性について報告されている。また、非特許文献3では、末端部に長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム塩を導入したデンドリマー化合物の抗菌性について報告されている。
Tomokazu Yoshimura et al., Solution Properties of Tadpole-type Cationic Amphiphilic Dendrimers Consisting of an Alkyl Chain, a Quaternary Ammonium, and a Poly(amidoamine) Dendron, Journal of Oleo Science Vol. 62 (2013) No. 4 p. 213-221. Xiaoyan Xue et al., Amino-Terminated Generation 2 Poly(amidoamine) Dendrimer as a Potential Broad-Spectrum, Nonresistance-Inducing Antibacterial Agent, The AAPS Journal, Vol. 15, No. 1, 132-142, January 2013. J. Kawakami et al., Antibacterial Activities of Radial Compounds with Peripheral Quaternary Ammonium Units, Trans. Mater. Res. Soc. Japan, 35(4), 885-887 (2010).
しかしながら、上記非特許文献2記載のデンドリマー化合物を用いたポリマー型抗菌剤は、世代によって抗菌性が異なり、特定の世代では抗菌性が十分でないという問題点を有していた。また、非特許文献3に記載のデンドリマー化合物を用いたポリマー型の抗菌剤は、特定の菌に対する効果は高いものの、ある種の菌に対する効果は低く、抗菌スペクトルが狭いという問題点、及び、第4級アンモニウム塩型であるためにアルカリ条件下で安定性が低いという問題点を有していた。
したがって、本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、十分な抗菌性、広い抗菌スペクトル、及びアルカリ条件下での安定性を有する、ポリマー型の抗菌剤を提供することである。
また、本発明の他の目的は、十分な抗菌性を有し、かつ、溶血性が低いポリマー型の抗菌剤を提供することである。
また、本発明の他の目的は、上記抗菌剤に適した新規なデンドリマー化合物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、末端にアミノ基を有するデンドリマーの当該末端アミノ基に、特定の炭化水素基を有する置換基を導入することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の一形態に係る抗菌剤は、末端にアミノ基を有するデンドリマーの当該末端アミノ基の窒素原子に、下記式(1)〜(3)で表される置換基が少なくとも1種付加してなる疎水変性デンドリマーを含む。
式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;nは、1〜50の整数を表す;
式(2)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)n’−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;n’は、1〜50の整数を表す;
式(3)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)n’’−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;n’’は、1〜50の整数を表す。
また、本発明の他の一形態に係る疎水変性デンドリマーは、エチレンジアミン又はトリアミノエチルアミン由来のコアを有し、末端にアミノ基を有するデンドリマーの当該末端アミノ基の窒素原子に、下記式(1)で表される置換基が少なくとも1種付加してなる:
式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基を表す。
本発明によれば、十分な抗菌性、広い抗菌スペクトル、及びアルカリ条件下での安定性を有するポリマー型の抗菌剤およびこれに適した新規なデンドリマー化合物が提供される。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。しかしながら、本発明はこの実施形態に限定されない。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせた形態もまた、本発明の好ましい形態である。
なお、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作及び物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で測定する。
本発明の一形態に係る抗菌剤は、末端にアミノ基を有するデンドリマーの当該末端アミノ基の窒素原子に、下記式(1)〜(3)で表される置換基が少なくとも1種付加してなる疎水変性デンドリマーを含む。
式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;nは、1〜50の整数を表す;
式(2)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)n’−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;n’は、1〜50の整数を表す;
式(3)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)n’’−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;n’’は、1〜50の整数を表す。
また、本発明の他の一形態に係る疎水変性デンドリマーは、エチレンジアミン又はトリアミノエチルアミン由来のコアを有し、末端にアミノ基を有するデンドリマーの当該末端アミノ基の窒素原子に、下記式(1)で表される置換基が少なくとも1種付加してなる:
式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基を表す。
なお、本形態の抗菌剤は、疎水性デンドリマーのみの形態であってもよいが、後述のように、溶媒や各種添加剤等の疎水変性デンドリマー以外の物質を含んでもよい。抗菌剤における疎水性デンドリマーの含有量は、特に限定されないが、抗菌剤の総量100質量%に対して、0.1質量%以上、100質量%以下であることが好ましい。
以下、本明細書において、末端にアミノ基を有するデンドリマー(疎水変性前のデンドリマー)を、「原料デンドリマー」又は単に「デンドリマー」とも称する。また、式(1)〜(3)で表される置換基を、一括して「置換基」とも称する。
なお、本明細書において、「デンドリマー」とは、中心から規則的に分枝した構造を持つ樹状高分子化合物を意味し、コアと呼ばれる中心部分と、デンドロンと呼ばれる分岐構造を有する側鎖部分から構成される。そして、デンドロン部分の分岐回数を世代(generation)と称する。
本形態の抗菌剤は、上記構成を有する疎水変性デンドリマーを含むことにより、十分な抗菌性、広い抗菌スペクトル、及びアルカリ条件下での安定性を有する。本形態の抗菌剤が、このような特性を有する理由は定かではないが、本発明者らは以下のように推察している。
本形態の抗菌剤は、デンドリマーの末端アミノ基の窒素原子に、特定の炭化水素基(上記式(1)のR、式(2)のR、又は式(3)のR)を導入してデンドリマーの表面を疎水変性する点に特徴を有する。本形態において疎水変性デンドリマーの作用メカニズムは、Magainin−2のような抗菌ペプチドと同様の作用メカニズムであると考えられる。すなわち、デンドリマーの末端(表面)付近に位置する正に帯電したアミノ基が、負に帯電した微生物の細胞膜と静電的な相互作用で吸着する。そして、疎水性である炭化水素基が細胞膜内に浸透し、炭化水素基が膜に孔を形成するあるいは細胞膜を破壊することによって抗菌作用が発現される。このような抗菌作用は、より柔軟な細胞壁構造を有するグラム陽性菌に効果が高いとされているが、デンドリマーでは特に高世代のものになるほど強固な構造をとるため、リポ多糖等を含むグラム陰性菌の細胞壁に浸透しづらく、効果を発現しづらいことが考えられる。実際に、非特許文献1、2では一部のグラム陰性菌に対する効果が低い結果となっている。一方、本形態において疎水変性デンドリマーは、デンドリマー構造の外側に疎水基を導入しているため、細胞膜へ浸透しやすく、効果を発現しやすい。また、エーテル結合及び水酸基を有する上記式(1)の置換基が導入された疎水変性デンドリマー、または上記式(3)の置換基を導入することによりアミド結合を有する疎水変性デンドリマーは、上記式(2)の置換基(アルキル基)を導入した疎水変性デンドリマーと比較して細胞壁との親和性が高く、より好ましい。また、非特許文献2に記載の第4級アンモニウム塩型の抗菌剤はアルカリ条件下での安定性が低く、アニオン性界面活性剤などのアニオン性化合物の影響を受けやすいが、本形態の第2級または第3級アミン型の抗菌剤ではこのような問題を回避することができる。
なお、上記作用メカニズムは推測であり、本発明は上記作用メカニズムに限定されない。
本明細書において、「抗菌剤」とは抗菌性能を有する剤のことをいう。抗菌性能とは、殺菌(微生物を殺す)性能、静菌(微生物の繁殖を抑える)性能のいずれかの性能を有することをいい、対象となる微生物は、細菌、真菌である。
細菌としては、大腸菌(Escherichia coli)や緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、サルモネラ・コレラスイス(Salmonella choleraesuis)などのサルモネラ菌、モラクセラ・オスロエンシス(Moraxella osloensis)などのモラクセラ菌、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)などのレジオネラ菌等のグラム陰性菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、コリネバクテリウム・キセロシス(Corynebacterium xerosis)、クロストリジウム(Clostridium)属細菌等のグラム陽性菌が挙げられる。真菌としては、マラセチア・フルフル(Malassezia furfur)などのマラセチア菌、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)などのカンジダ菌、ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)などのロドトルラ酵母、サッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)などのパン酵母などの酵母類やアスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)などのコウジカビ、フザリウム(Fusarium)属などの赤カビ、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)などの黒カビなどの真菌類が挙げられる。特に、グラム陰性菌は細胞膜に外膜と内膜を有しており、抗菌性能が発揮され難く、グラム陰性菌に効果のある抗菌剤が好ましい。
本形態において原料デンドリマー(疎水変性前のデンドリマー)は末端にアミノ基を有することを特徴とする。デンドリマーは、公知の手法を適宜参照することにより合成できる。主な合成方法としては、コアとなる化合物にモノマーを逐次結合させて中心部分から順次外側へ枝を延ばしていくダイバージェント(Divergent)法;予め枝状デンドロンを調製し、コアとなる親水性化合物に結合させるコンバージェント(Convergent)法、これらを組み合わせた方法などが挙げられる。
原料デンドリマーのコアの由来となる化合物は、特に制限されないが、例えば、アンモニア、アミノ基含有化合物、ヒドロキシル基含有化合物、カルボキシル基含有化合物等が挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、例えば、アルキルアミン(具体的には、メチルアミン、エチルアミンなど)、アルキレンジアミン(具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,12−ジアミノドデカンなど)、ポリ(アルキレンジアミン)(具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなど)、トリアミノアルキルアミン(トリアミノエチルアミン(トリス(2−アミノエチル)アミンとも称される)、トリアミノプロピルアミン(トリス(3−アミノプロピル)アミンとも称される)など)、シスタミン(NH−CHCH−S−S−CHCH−NH)、脂環族又は芳香族モノ又はポリアミンなどが挙げられる。
ヒドロキシル基含有化合物としては、アルカンポリオール(具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールなど)、糖(具体的には、ショ糖、乳糖、ブドウ糖、キシリトール、エリスリトール、マンニトールなど)、(ポリ)オキシアルキレングリコール(具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの(ポリ)オキシエチレングリコール;ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどの(ポリ)オキシプロピレングリコール;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などの(ポリ)オキシエチレン−(ポリ)オキシプロピレン共重合体など)などが挙げられる。
カルボキシル基含有化合物としては、例えば、モノカルボン酸(具体的には、酢酸など)、ポリカルボン酸(具体的には、マロン酸、コハク酸など)、オキシカルボン酸(具体的には、乳酸など)などが挙げられる。
上記化合物の中でも、アンモニア又はアミノ基含有化合物であることが好ましく、アルキレンジアミン、ポリ(アルキレンジアミン)、又はトリアミノアルキルアミンであることがより好ましく、アルキレンジアミン又はトリアミノアルキルアミンであることがさらに好ましく、エチレンジアミン又はトリアミノエチルアミンであることがさらに好ましい。すなわち、原料デンドリマーのコアは、アンモニア又はアミノ基含有化合物由来であることが好ましく、アルキレンジアミン、ポリ(アルキレンジアミン)、又はトリアミノアルキルアミン由来がより好ましく、アルキレンジアミン又はトリアミノアルキルアミン由来がより好ましく、エチレンジアミン又はトリアミノエチルアミン由来がさらに好ましい。
デンドロンの構成単位となるモノマーについても、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸又はそのエステル(具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなど)、ポリアミン(具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミンなどのアルカンジアミン;シクロヘキサンジアミン、ジアミノメチルシクロヘキサンなどの脂環族ジアミン;キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなど)、ポリオール(具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどのアルカンジオール;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール;キシリレンジオールなどの芳香族ジオールなど)、ポリカルボン酸(具体的には、シュウ酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸などの脂肪族ジカルボン酸又はその無水物;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸など)又はその低級アルキルエステル若しくはその無水物、ヒドロキシカルボン酸(具体的には、乳酸、グリコール酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸;ヒドロキシ安息香酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸など)、アミノ酸、ポリイソシアネート(具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなど)が挙げられる。なお、上記において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれか一方又は両方を意味する。
上記コアと、モノマーとを適宜組合せ、アミド結合生成反応、エステル化反応、エステルアミド交換反応、ウレタン化反応などを利用することにより、原料デンドリマーが合成される。
一例として、ダイバージェント法を用いたポリアミドアミンの合成手順について説明する。以下では、エチレンジアミンをコアとして、デンドロンを構成するモノマーとしてアクリル酸メチルおよびエチレンジアミンを使用した合成例について述べる。
まず、溶媒存在下でコアであるエチレンジアミンにアクリル酸メチルをマイケル付加させた後、余剰のアクリル酸メチル及び溶媒を減圧下で除去し、その後溶媒存在下でエチレンジアミンとエステルアミド交換反応させて対応するアミドに変換する。この段階での生成物を第0世代生成物という。使用する溶媒は特に制限されないが、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル等のエーテル類:等から1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。第0世代生成物には4個の第1級アミノ基があるので、これに8分子のアクリル酸メチルを付加させた後エチレンジアミンと反応させると、8個の第1級アミノ基を持つ第1世代の生成物が得られる。このようにして繰り返し反応させていくと、第2世代では16個、第3世代では32個と1世代ごとに末端の第1級アミノ基の数は倍増していくこととなる。本形態においてデンドリマーは、末端にアミノ基を有するため、最後の反応で付加するモノマーはエチレンジアミンとなる。
本形態において、原料デンドリマーの世代数は、特に制限されないが、合成にかかる時間・コストの観点から、第0世代〜第5世代であることが好ましく、第0世代〜第4世代であることがより好ましく、第0世代〜第3世代であることがさらに好ましく、第0世代〜第2世代であることが特に好ましく、第0世代または第1世代であることが最も好ましい。また、後述の実施例で示すように、本形態の抗菌剤は、原料デンドリマーの世代数にかかわらず、優れた抗菌性能を発揮することができる。したがって、原料デンドリマーとして各世代毎に精製された単離物を必ずしも使用する必要はなく、異なる世代のデンドリマーを含む混合物を原料として用いることができる。このように、混合物を原料として使用することで、デンドリマー合成・精製に係るコストを低減することが可能となる。
本形態において原料デンドリマーは、末端にアミノ基を有する点に特徴を有する。当該アミノ基は水素原子を有するものであればよく、第1級アミノ基又は第2級アミノ基のいずれでも構わないが、式(1)〜(3)で表される置換基を導入する際の反応性を向上させる観点から、第1級アミノ基であることが好ましい。
このような原料デンドリマーとしては、ポリアミドアミン構造を有するものであることが好ましく、ポリアミドアミンであることがより好ましい。より詳細には、コアがアンモニア又はアミノ基含有化合物由来であり、デンドロンが(メタ)アクリル酸又はそのエステル由来の構成単位及びアルキレンジアミン由来の構成単位からなるポリアミドアミンであることが好ましく、コアがエチレンジアミン又はトリアミノアルキルアミン由来の構成単位であり、デンドロンが(メタ)アクリル酸及びエチレンジアミン由来の構成単位からなるポリアミドアミンであることがより好ましい。このような構造のポリアミドアミンであれば、合成を行う際に立体障害が問題とならず、十分な速度で反応が進行し、かつ過剰な原料を除去する際に十分な速度で原料を減圧留去できるため好ましい。また、このような構造のポリアミドアミンは、全体として極性が大きく親水的な性質を示し、末端アミノ基の窒素原子に炭化水素を導入した際に疎水性と親水性のバランスが良くなって抗菌性が高くなるため好ましい。
原料デンドリマーは、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いても構わない。市販品としては、シグマ−アルドリッチ製のポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーシリーズなどを使用することができる。
上記式(1)で表される置換基の末端に位置する炭化水素基であるRは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;nは、1〜50の整数を表す。抗菌性のより一層の向上効果などを考慮すると、nは、1〜20であることが好ましい。このような炭化水素基であると、疎水性と親水性のバランスが良く、分子の運動性も低下することなく、細胞壁内への浸透が良くなり、抗菌性能が高くなる。ここで、アルキル基、アルケニル基、または式:−(CHCHO)−Rの置換基中のアルキル基若しくはアルケニル基の炭素数が2以下であると、親水性は向上する(水に溶解しやすくはなる)ものの、十分な抗菌性を発揮できない。逆に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、または式:−(CHCHO)−Rの置換基中のアルキル基、アルケニル基、若しくはアリール基の炭素数が21以上であると、水に溶けにくくなり、水中に存在する微生物に対して十分作用できない。
ここで、炭素数3〜20のアルキル基は、特に制限されず、炭素数3〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基でありうる。具体的には、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、2−エチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などが挙げられる。
炭素数3〜20のアルケニル基は、特に制限されず、炭素数3〜20の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基でありうる。具体的には、プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、イソプロペニル基、ブタ−1−エン−1−イル基、ブタ−2−エン−1−イル基、ブタ−3−エン−1−イル基、2−メチルプロパ−2−エン−1−イル基、1−メチルプロパ−2−エン−1−イル基、ペンタ−1−エン−1−イル基、ペンタ−2−エン−1−イル基、ペンタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、3−メチルブタ−2−エン−1−イル基、3−メチルブタ−3−エン−1−イル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基などが挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基は、特に制限されず、例えば、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−、m−若しくはp−トリル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、ピレニル基などが挙げられる。
これらのうち、炭素数4〜16のアルキル基が好ましく、炭素数4〜12のアルキル基がより好ましく、炭素数4〜10のアルキル基がさらにより好ましく、炭素数4〜8のアルキル基が特に好ましい。Rとしては炭素数4〜16のアルキル基が好ましく、炭素数4〜12のアルキル基がより好ましい。RおよびRの炭素数が16以下であると、親水性や分子の運動性をより向上して、細胞膜内への浸透や抗菌性能をより向上できる。
上記式(2)で表される置換基であるRは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)n’−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;n’は、1〜50の整数を表す。抗菌性のより一層の向上効果などを考慮すると、n’は、1〜20であることが好ましい。このような炭化水素基であると、疎水性と親水性のバランスが良く、分子の運動性も低下することなく、細胞壁内への浸透が良くなり、抗菌性能が高くなる。ここで、アルキル基、アルケニル基、または式:−(CHCHO)−Rの置換基中のアルキル基若しくはアルケニル基の炭素数が2以下であると、親水性は向上する(水に溶解しやすくはなる)ものの、十分な抗菌性を発揮できない。逆に、アルキル基、アルケニル基、または式:−(CHCHO)n’−Rの置換基中のアルキル基若しくはアルケニル基の炭素数が21以上であると、水に溶けにくくなり、主に水中に存在する微生物に対して十分作用できない。また、逆に抗菌性が下がり、十分な抗菌性を発揮できない。
上記式(2)中の炭化水素基RおよびRの好ましい形態は、上記式(1)中の炭化水素基RおよびRの好ましい形態と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
上記式(3)で表される置換基の末端に位置する炭化水素基であるRは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)n’’−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;n’’は、1〜50の整数を表す。抗菌性のより一層の向上効果などを考慮すると、n’’は、1〜20であることが好ましい。このような炭化水素基であると、疎水性と親水性のバランスが良く、分子の運動性も低下することなく、細胞壁内への浸透が良くなり、抗菌性能が高くなる。ここで、アルキル基、アルケニル基、または式:−(CHCHO)n’’−Rの置換基中のアルキル基若しくはアルケニル基の炭素数が2以下であると、親水性は向上する(水に溶解しやすくはなる)ものの、十分な抗菌性を発揮できない。逆に、アルキル基、アルケニル基、または式:−(CHCHO)n’’−Rの置換基中のアルキル基若しくはアルケニル基の炭素数が21以上であると、水に溶けにくくなり、水中に存在する微生物に対して十分作用できない。
上記式(3)中の炭化水素基RおよびRの好ましい形態は、上記式(3)中の炭化水素基RおよびRの好ましい形態と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
本形態においては、上記式(1)〜(3)で表される置換基のうち、式(1)で表される置換基であることが好ましい。式(1)で表される置換基は、親水基(式(1)中の−CHCH(OH)CH−部位)と疎水性である炭化水素基(式(1)中のR部位)とのバランスが良好である。また、アミノ基と炭化水素基との間にエーテル基が存在すると、酸素原子を介して炭化水素基が自由に移動できる。このため、炭化水素基が細胞膜表面に容易に接近して、細胞膜をより効率的に破壊でき、優れた抗菌性能を発揮することができる。なお、上記式(1)〜(3)で表される置換基は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本形態において、原料デンドリマーの末端アミノ基の窒素原子に(1)〜(3)で表される置換基が付加する割合は、特に制限されないが、窒素原子の総数に対して10〜70%であることが好ましく、10〜60%であることがより好ましく、20〜50%であることがさらに好ましい。置換基が付加する割合が10%以上であると、炭化水素基の疎水性による細胞膜破壊の効果が十分であり、抗菌性能が高い。また、置換基を導入する割合が70%以下であると、水への溶解性に優れる。なお、原料デンドリマーの末端アミノ基の窒素原子に(1)〜(3)で表される置換基が付加する割合は、下記で説明する仕込み比(GE/末端N)に後述の実施例に記載のグリシジルエーテル(GE)の転化率(%)を掛け合わせることにより算出される。
本形態の抗菌剤の抗菌性能や抗菌性能の持続性、安全性は、原料デンドリマー(疎水変性前のデンドリマー)の数平均分子量(Mn)による。上述の通り、原料デンドリマーは複数の世代の混合物となっていてもよく、原料デンドリマーの数平均分子量(Mn)の下限は特に制限されないが、300以上が好ましく、500以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましい。このような範囲であれば、原料デンドリマーが平均として第0世代以上もしくは第1世代以上の分子量となり、疎水変性した時に良好な抗菌性と低い溶血性を示す。また、当該数平均分子量(Mn)の上限は特に制限されないが、30000以下が好ましく、15000以下がより好ましく、7500以下がさらに好ましい。このような数平均分子量(Mn)であれば、疎水変性した際に良好な抗菌性と低い溶血毒性を示し、また、より高世代のデンドリマーを原料とした場合と比較してコスト面で優位になる。数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトフラフィー(GPC)等によって求められる。
また、原料デンドリマー(疎水変性前のデンドリマー)の重量平均分子量(Mw)の下限は特に制限されないが、上述の数平均分子量(Mn)の場合と同様に、300以上が好ましく、500以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましい。また、当該重量平均分子量(Mw)の上限は特に制限されないが、上述の数平均分子量(Mn)の場合と同様に、30000以下が好ましく、15000以下がより好ましく、7500以下がさらに好ましい。本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、後述の実施例に記載のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって測定された値を採用する。
本形態において疎水変性デンドリマーは、末端にアミノ基を有する原料デンドリマーに、下記式(4)のグリシジルエーテル、下記式(5)のハロゲン化物、又は下記式(6)のカルボン酸を付加反応または脱水反応させることにより得られる。中でも、下記式(4)のグリシジルエーテルはエポキシ樹脂の原料等にも使用され、工業的にも入手しやすく好ましい。
式(4)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;nは、1〜50の整数を表す。式(4)における、RおよびRの好ましい形態は、上記式(1)におけるRおよびRと同じである。
式(5)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)n’−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;n’は、1〜50の整数を表し;Xは、フッ素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、ヨウ素原子(I)を表す。式(5)における、RおよびRの好ましい形態は、上記式(2)におけるRおよびRと同じである。
式(6)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)n’’−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;n’’は、1〜50の整数を表す。式(6)における、RおよびRの好ましい形態は、上記式(3)におけるRおよびRと同じである。
本形態において疎水変性デンドリマーの数平均分子量(Mn)の下限は特に制限されないが、300以上が好ましく、500以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましい。また、当該数平均分子量(Mn)の上限は特に制限されないが、30000以下が好ましく、15000以下がより好ましく、7500以下がさらに好ましい。このような数平均分子量(Mn)であれば、良好な抗菌性と低い溶血毒性を示す。
本形態において疎水変性デンドリマーの重量平均分子量(Mw)の下限は特に制限されないが、300以上が好ましく、500以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましい。また、重量平均分子量(Mw)の上限は特に制限されないが、30000以下が好ましく、15000以下がより好ましく、7500以下がさらに好ましい。
原料デンドリマーの末端アミノ基の個数に対する、式(4)のグリシジルエーテル、式(5)のハロゲン化物、又は式(6)のカルボン酸の反応の仕込み比(R/末端N)のそれぞれの上限は、特に制限されないが、0.7以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.5以下が特に好ましい。なお、仕込み比(R/末端N)の下限は、特に制限されないが、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましい。
ここで、原料デンドリマーと式(4)のグリシジルエーテルとの反応における仕込み比(R/末端N)は、原料デンドリマーの分子量と、原料デンドリマーの1分子あたりの末端アミノ基の個数と、グリシジルエーテルのエポキシ当量とを用いて以下のように表される。
また、原料デンドリマーと式(5)のハロゲン化物又は式(6)のカルボン酸との反応における仕込み比(R/末端N)は、原料デンドリマーの分子量と、原料デンドリマーの1分子あたりの末端アミノ基の個数と、ハロゲン化物又はカルボン酸の分子量とを用いて、それぞれ以下のように表される。
また、エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含む物質の質量を表す値である。エポキシ当量は、化合物の分子量から計算することも可能であるし、秤量した試料をクロロホルムに溶解させ、酢酸と臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加えた後、過塩素酸酢酸標準液を滴下して電位差滴定をすることによっても測定可能であるが、本明細書では、デナコール(登録商標)のカタログ値を採用した。
付加反応または脱水反応は溶媒の存在下であっても、無溶媒下であっても、特に限定されないが、無溶媒反応、水又は有機溶媒を溶媒とした反応が好ましい。より好ましくは有機溶媒を溶媒とした反応である。また、攪拌は、攪拌下、静置下のいずれでもよいが、攪拌下で実施することが好ましい。
付加反応または脱水反応に使用できる溶媒は、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;等から1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
前記溶媒を用いる際の原料濃度は、特に限定されないが、原料デンドリマーと式(4)〜(6)の化合物の合計量が好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。原料濃度が5質量%以上であると、短い時間で反応を終わらせることができるため好ましい。
前記付加反応または脱水反応は、原料デンドリマーと式(4)〜(6)の化合物とを全て一括に仕込んでも良いし、いずれかを初期に仕込み残りを添加(例えば、滴下)しても良いが、原料デンドリマーを初期に仕込み、これに式(4)〜(6)の化合物を添加(例えば、滴下)する方法が好ましい。このように実施することで、反応時の発熱を抑制し、安全かつ副反応を起こさせることなく反応を進行させることができる。
触媒は使用しなくても良いが、必要に応じて反応に悪影響を及ぼさないものであれば適宜使用しても良い。グリシジルエーテルとの反応で使用する場合の触媒としては第3級アミンが好ましい。第3級アミンを触媒として用いることで、酸を触媒に用いた場合に生じうる第4級化を防ぐことができる。カルボン酸との反応では生成する水分などを適宜蒸留・減圧またはゼオライトなどの分子篩で反応平衡物から除去することにより反応が促進できる。
付加反応または脱水反応の反応温度の下限は、特に限定されないが、式(4)のグリシジルエーテルの場合、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましく;式(5)のハロゲン化アルキルの場合、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70以上がさらに好ましく;式(6)のカルボン酸の場合、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、120℃以上がさらに好ましい。反応温度が上記下限値以上であると反応時間を短くすることができる、あるいは、未反応の化合物を低減することができるため好ましい。また反応温度の上限も、特に限定されないが、式(4)のグリシジルエーテルの場合、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましく、80℃以下がさらに好ましく;式(5)のハロゲン化アルキルの場合、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましく;式(6)のカルボン酸の場合、200℃以下が好ましく、190℃以下がより好ましく、180℃以下がさらに好ましい。反応温度が低いと式(4)〜(6)の化合物同士の重合反応や脱水反応、分子内環化反応といった副反応を抑えることができるため好ましい。また、付加反応または脱水反応の反応時間もまた、特に限定されず、反応温度、反応スケールなどによって適宜調節できる。
前記付加反応または脱水反応を実施する際の雰囲気は、得られる誘導体の使用目的に応じて適宜設定すればよいが、得られる誘導体の着色を抑えるためには窒素雰囲気下で反応を行うことが好ましい。なお、反応は、常圧(大気圧)、加圧、減圧のいずれで行ってもよい。
反応溶液中の未反応の式(4)〜(6)で表される化合物の量は5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。未反応の化合物の量が5質量%以下であると、製品に配合した際に予期せぬ副反応が生じるのを防止することができるため好ましい。
本形態の抗菌剤の用途としては、洗濯洗浄剤、柔軟剤、食器洗浄剤、硬質表面用洗浄剤等の洗浄剤用途;シャンプー、リンス、化粧品、制汗剤等の化粧料用途;塗料、木材防腐剤、セメント混和剤、工業用水(製紙工程における抄紙工程水、各種工業用の冷却水や洗浄水)などの工業用途等に用いることができる。
本形態の抗菌剤が、疎水変性デンドリマーを溶媒で希釈した形態である場合、疎水変性デンドリマーの添加量としては、20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。なお、添加量の下限は、小さいほど好ましい(即ち、0重量%超)ため、特に制限されないが、通常、0.1重量%以上あれば十分な効果を奏しうる。
なお、希釈する際に使用する溶媒は、特に制限されず、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;等から1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
本発明の抗菌剤の抗菌性能の評価方法としては、静菌性能を評価する方法と殺菌性能を評価する方法がある。静菌性能を評価する方法としては、最小発育阻止濃度(MIC)を測定する方法がある。MICを測定する方法としては、米国の臨床・検査標準協会(CLSI:Clinical andLaboratory Standards Institute)のM26−Aに準じて測定することができる。MICの値としては、300ppm以下が好ましく、200ppm以下がより好ましく、100ppm以下がさらにより好ましく、80ppm以下が特に好ましい。MICの値が300ppm以下であれば、静菌性能を発揮するために添加する抗菌剤の量が多くなり過ぎないため、好ましい。
上記の抗菌性能に加え、本形態の抗菌剤は、溶血性が低い(低溶血性である)という特性を有する。すなわち、疎水変性前のデンドリマーよりも抗菌性が高く、ポリアルキレンイミンなどの鎖状又は網目状のポリマーの疎水変性物よりも溶血性が低く、抗菌性と溶血性とのバランスに優れる。溶血性能の評価方法としては、赤血球溶液に抗菌剤を添加し、赤血球の50%が溶血する(すなわち、赤血球に含まれるヘモグロビンの50%が放出される)際の抗菌剤の濃度(50%溶血濃度(HC50))を測定する方法が挙げられる。本明細書では、後述の実施例に記載した、羊赤血球を用いて測定した50%溶血濃度(HC50)の値を採用するものとする。HC50の値としては、10質量ppm以上が好ましく、50質量ppm以上がより好ましく、100質量ppm以上がさらに好ましく、200質量ppm以上が特に好ましく、500質量ppm以上が最も好ましい。
すなわち、本形態の抗菌剤は、十分な抗菌性を有し、かつ、溶血性が低いという特性を有する。具体的には、上記50%溶血濃度(HC50)に対する最小発育阻止濃度(MIC)の割合(MIC/HC50)が1未満が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.25未満がさらに好ましく、0.20以下が特に好ましく、0.10未満が最も好ましい。MIC/HC50が1未満であれば、微生物の生育を阻止するのに必要な濃度(MIC)よりも、赤血球の50%が溶血する濃度(HC50)が大きいことを意味することから、MICの値以上、HC50の値未満の濃度で抗菌剤を使用することにより、微生物の生育を阻止しつつ、溶血性の発現を抑えることができる。MIC/HC50の値が小さいほど、抗菌性が高く、かつ、溶血性が低い抗菌剤であることを意味する。
本形態において疎水変性デンドリマーは、十分な抗菌性を有し、かつ、溶血性が低いという特性を有するため、低溶血性であることが求められる使用用途における抗菌剤(低溶血性抗菌剤)として特に好適に使用できる。その使用用途としては、消毒薬や採血器具、カテーテル、冠動脈ステント等の医療器具;血液を用いたバイオセンサー等の用途等に用いることができる。これらの用途に用いる場合、原料に練りこんで形成して使用することや、表面をコーティングして接触面を抗菌化して使用すること、あるいは他の成分と形成してフィルム化し製品に貼り付けて抗菌化するなどの使用法が考えられる。特に、他の樹脂と混合して形成して使用することにより、本形態において疎水変性デンドリマーの流出を防止し、長時間抗菌性を保持することができる。
本発明の抗菌剤は、そのまま使用しても、水で希釈して使用しても良い。本発明の抗菌剤を含む液のpHは、特に制限されず、酸性、中性およびアルカリ性のいずれの条件であっても、良好な抗菌性能を発揮することができる。すなわち、本発明の抗菌剤は、pH2〜14の範囲で使用することができる。
本発明の抗菌剤を含む液は、アルカリ調整剤をさらに含んでいてもよい。この際、アルカリ調整剤の添加量は、特に制限されないが、アルカリ調整剤を添加した本発明の抗菌剤を含む液のpHが7.1〜14となるような量であることが好ましい。このような範囲であると細胞壁の損傷をより効率的に作用させることができ高い抗菌作用が得られる。
本発明の抗菌剤は、界面活性剤、カルシウムイオン除去剤、洗剤用ビルダー、消泡剤、水溶性塩類、溶剤、防腐剤、酸化防止剤、染料や顔料、酵素などを含んでいても良い。
本発明の抗菌剤は、他の抗菌性化合物を含んでいても良く、例えば、ヨウ素系化合物、トリアゾール系化合物、スルファミド系化合物、ビス第4級アンモニウム塩系化合物、第4級アンモニウム塩系化合物、フタロニトリル系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物、チオカルバメート系化合物、ニトリル系化合物、フタルイミド系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、ピリジン系化合物、ピリチオン系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、トリアジン系化合物、グアニジン系化合物、尿素系化合物、イミダゾール系化合物、イソチアゾベンゾチアゾール系化合物、トリアリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、フェニルウレア系化合物などの有機系抗菌剤や銀、亜鉛、銅などの無機系抗菌剤が挙げられる。
本発明の抗菌剤は、前記の使用用途の他にパーソナルケア製品、家庭用品ケア製品、スキンケア製品などと組み合わせて用いることができ、また塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油またはその他の工業用用途にも用いることができる。
パーソナルケア製品とは、身体の洗浄や身だしなみ、嗜好などを目的として用いられる製品のことである。家庭用品ケア製品とは、家庭で用いられる物品(例えば、繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具、雑貨工業品など)を洗浄したり、消毒したりするために用いられる製品のことである。スキンケア製品とは、肌などの状態を良好に維持したり、保護したりするために用いられる製品のことである。
本発明の抗菌剤を含む好適なパーソナルケア製品としては、以下に限定されないが、例えば、ハンドソープ、手の除菌剤、身体洗浄剤、口腔洗浄剤、練り歯磨き、シャワージェル、シャンプー、コンディショナーなどの毛髪洗浄組成物、整髪剤、制汗剤、ボディローション、防臭剤などの消臭組成物、鼻腔用スプレー、フットケア、膣ケア、膣洗浄剤、ペットケア、およびこれらの組み合わせが挙げられる。さらに他のパーソナルケア製品としては、拭き取り製品、特に顔若しくは手を拭き取るまたは乾燥させるのに好適な拭き取り製品、例えばティッシュ、タオルなどの形態が挙げられる。このような場合、本発明の抗菌剤は、好ましくは前記拭き取り製品に組み込まれ、または含浸される。また、パーソナルケア製品には、婦人用ナプキン、おむつなどの形態、炎症を起こした皮膚、負傷した皮膚、または座瘡に冒された皮膚のため、または術後使用のための、応急消毒剤などの形態も挙げることができる。
本発明の抗菌剤を含む家庭用品ケア製品は、以下に限定されないが、例えば、衣料用洗剤、柔軟剤、硬質表面クリーナー、消臭剤、布地ケア組成物、布地洗浄組成物、食器手洗い用洗剤、自動食器洗い器用洗剤、フロアケア組成物、台所クリーナー、台所消毒剤、浴室クリーナー、浴室消毒剤、およびこれらの組み合わせが挙げられる。他の家庭用品ケア製品としては、家庭用品クリーニング、家庭用品ケアに好適な拭き取り用品またはタオルなどの形態が挙げられる。また、家庭用品ケア製品には、特定の補助成分を含まれていても良い。前記補助成分としては、以下限定されないが、例えば、洗浄性酵素、ビルダー、漂白剤、漂白活性化剤、遷移金属漂白触媒、酸素運搬剤、酵素前駆体、汚れ放出剤、粘土除去、再付着防止剤、ポリマー分散剤、増白剤、ポリマー染料移行阻害剤、キレート剤、消泡剤、アルコキシル化ポリカルボキシレート類、布地用柔軟剤、香料、キャリア、向水性物質、加工助剤、染料、顔料、液体調製用溶媒、固体充填剤、洗浄性界面活性剤、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明の抗菌剤を含む好適なスキンケア製品は、以下に限定されないが、例えば、化粧水、乳液、保湿剤、日焼け止め剤、アンチエイジング剤などが挙げられる。また、スキンケア製品は、特定の補助成分を含んでいても良く、前記補助成分としては、例えば、抗菌及び抗カビ活性物質、界面活性剤、剥離活性物質、抗ニキビ活性物質、抗しわ活性物質、抗皮膚萎縮活性物質、酸化防止剤、ラジカルスカベンジャー、キレート剤、フラボノイド、抗炎症剤、抗セルライト剤、局所麻酔剤、日焼け活性物質、日焼け止め活性物質、コンディショニング剤、増粘剤、粘着性除去剤、賦香剤、皮膚感覚剤、制汗剤、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の抗菌剤は、塗料にも用いることができ、前記塗料としては、例えば、油性塗料、酒精塗料、NAD塗料、電着塗料、粉体塗料、セルロース塗料、合成樹脂塗料、水性塗料、漆系塗料、ゴム系塗料などが挙げられる。好ましくは、合成樹脂塗料、水性塗料に適用される。また、このような塗料は、例えば、建築用途、製紙用途、自動車用途、船舶用途、重防食用途などに用いられる。
本発明の抗菌剤は、インクにも用いることができ、前記インクとしては、油性インク、水性インクなど、特に制限されず、例えば、筆記用インク、印刷インク、複写インク、記標インク、特殊インク(例えば、不消インク、隠顕インクなど)などが挙げられる。好ましくは、これらの水性インクに適用される。
本発明の抗菌剤は、樹脂エマルションにも用いることができ、前記樹脂エマルションとしては、特に制限されず、例えば、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルション、アクリル−スチレン樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルションなどが挙げられる。好ましくは、アクリル樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルションに適用される。
本発明の抗菌剤は、金属加工油剤にも用いることができ、前記金属加工油剤は、金属材料の金属加工に用いられる油剤であって、不水溶性金属加工油剤、水溶性金属加工油剤など、特に制限されず、例えば、切削油剤、研削油剤、作動油剤などが挙げられる。好ましくは、水溶性金属加工油剤に適用される。
本発明の抗菌剤は、その他の工業用用途に用いることができ、例えば、種々の産業用水(例えば、製紙パルプ工場で使用される水、冷却水循環工程で使用される冷却水など)、接着剤(例えば、水性又は親水性接着剤、油性接着剤など)、フィルム材料(例えば、塗工紙、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなど)、プラスチック製品(例えば、ハウジング、ケーシングなどの成形体など)、セメント混和剤、建材(例えば、石膏ボード、プラスター、天井材、繊維壁、各種目地剤、シーラント、壁紙など)などに用いることができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[グリシジルエーテル(GE)の転化率]
グリシジルエーテルの転化率は、反応液中に残存するグリシジルエーテルの量を、検出器にFIDを備えるガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製;GC−2010)を用いて、内部標準法で定量することにより算出した。
[末端アミノ基の個数当たりの置換基の導入量]
原料デンドリマーの末端アミノ基の個数あたりの置換基の導入量(%)は以下の式から算出される。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定方法]
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、HLC−8320GPC EcoSEC(東ソー株式会社製)を用いて以下の条件で行った。
カラム:SHODEX OHpak SB−802.5HQ、SB−803HQ
カラム温度:40℃
溶離液:0.5M酢酸+0.2M硝酸ナトリウム水溶液/アセトニトリル=50/50(体積比)
検出器:RI
検量線:標準ポリエチレングリコール(アジレントテクノロジー(株)社製)。
[エチレンジアミン由来のコアを有する疎水変性ポリアミドアミン(PAMAM)の合成]
(実施例1〜3)
市販のポリアミドアミン(PAMAM)を原料として用いて、下記表1に示されるエチレンジアミン由来のコアを有する疎水変性ポリアミドアミン第1世代〜第3世代(疎水変性PAMAM Gen1〜Gen3)を下記の手順で合成した。なお、原料は以下のものを用いた。
また、比較例1〜3として、疎水変性前のポリアミドアミン第1世代〜第3世代(PAMAM Gen1〜Gen3)をそのまま用いた。
ポリアミドアミン(PAMAM)
・PAMAM−Gen 1(第1世代) 20wt%メタノール溶液(表面基:8×アミン(−NH)、Mn=1048(GPC測定値)、シグマ−アルドリッチ製)
・PAMAM−Gen 2(第2世代) 20wt%メタノール溶液(表面基:16×アミン(−NH)、Mn=1673(GPC測定値)、シグマ−アルドリッチ製)
・PAMAM−Gen 3(第3世代) 20wt%メタノール溶液(表面基:32×アミン(−NH)、Mn=2626(GPC測定値)、シグマ−アルドリッチ製)
グリシジルエーテル(GE)
・2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−121;ナガセケムテックス(株)製、エポキシ当量187)
50mL容試験管に、下記表1に示される世代及び量のポリアミドアミン(PAMAM)を仕込み、温度計、還流冷却器、攪拌装置を備えた自動合成装置に備えつけ、攪拌しながら下記表1に示される種類及び量のグリシジルエーテル(GE)を添加した。この混合物を60℃に昇温して5時間反応させ、疎水変性PAMAM Gen1〜Gen3を得た。ガスクロマトグラフィーで未反応のグリシジルエーテルを分析し、また、ポリアミドアミンの末端アミノ基の個数に対する置換基の導入量を算出して、下記表1に「置換基の導入量(%)」として示す。
なお本実験において、原料ポリアミドアミンの溶媒であるメタノールは反応に影響を及ぼさないことを事前に確認している。
<抗菌性能の評価>
[最小発育阻止濃度(MIC)]
実施例1〜3および比較例1〜3のポリアミドアミンをそれぞれ抗菌剤として含む水溶液をミューラーヒントン培地中で2倍ずつ順次希釈していき、抗菌剤含有培地の希釈系列を調製した。その後、各濃度の抗菌剤を含有する培地をポリスチレン製96穴プレートに50μLずつ添加した。次に、18時間ミューラーヒントン寒天培地上で生育させた、大腸菌(Escherichia coli、NBRC−3972)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus、NBRC−12732)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa、NBRC−13275)のコロニーをそれぞれバターフィールド緩衝液に懸濁し、10×10個/mL程度の菌液を調製した。調製した菌液をミューラーヒントン培地中で10×10個/mL程度まで希釈し、上記で調製した希釈系列に対して50μLずつ添加した。35℃にて20時間静置後、菌が生育していない培地中の最小の抗菌剤濃度(質量ppm)を最小発育阻止濃度(MIC)として決定した。菌の生育の有無は、目視にて濁度が上昇しているかによって判断した。
結果を下記表1に示す。
上記表1の結果より、実施例1〜3の本発明に係る疎水変性PAMAM Gen1〜Gen3は、比較例1〜3の疎水変性前のPAMAM Gen1〜Gen3と比較して、大腸菌、黄色ブドウ球菌、及び緑膿菌のいずれに対しても、高い抗菌性能を有することが示された。
また、第1世代〜第3世代のポリアミドアミンいずれについても、特定の炭化水素基を有する置換基で疎水変性することにより、同程度の高い抗菌性能が示された。このことから、合成コストが低い、第0世代のような世代数の小さいデンドリマーを用いた場合であっても、高い抗菌性能を有する疎水変性デンドリマーが得られる可能性があることが分かった。
また、上記結果より、異なる世代のデンドリマーを含む混合物を原料として用いた場合であっても、本発明に係る疎水変性を行うことにより、抗菌性能に優れた疎水変性デンドリマーを得られることが示された。一般にデンドリマーは、反応を完全に進行させた後、精製を行って次の段階の反応を行うためコストが高い。特に、立体障害によって反応が阻害されるため、高世代のデンドリマーほどコストが高くなる。しかしながら、本発明によれば、異なる世代のデンドリマーを含んでいても、疎水変性を行うことにより、良好な抗菌性能が得られるため、反応や精製を完全に行う必要がなく、コスト面で有利となる。
<低溶血性の評価>
[50%溶血濃度(HC50)]
羊全血10ml(羊無菌保持血液、ジャパン・ラム(有)製)を遠沈管に取り、2000rpm、10分間遠心した。遠心後、ピペッターで上澄みをできるだけ除去し、残った沈殿の赤血球を1ml取ってトリスバッファー(10mM Tris−HCl 150mM NaCl水溶液、pH7.3)を9ml添加した。これを5回程度ゆっくりと転倒混和し、再度2000rpm、10分間遠心した。ここで上澄みを8ml丁寧に除去し、トリスバッファー8mlを添加して赤血球ストック溶液とした。このストック溶液を10倍希釈して希釈系列を作製し、赤血球数をカウントして7.5×10個/mlとなるように調製して赤血球溶液とした。次に、実施例1〜3の抗菌ポリマー(疎水変性PAMAM Gen1〜Gen3)をトリスバッファーで2倍ずつ順次希釈していき、抗菌ポリマー希釈系列を調製した。この抗菌ポリマー希釈系列を50μlずつ、ポリスチレン製96穴プレートに添加した。続けて、先ほど調製した赤血球溶液を50μlずつ、抗菌ポリマー希釈系列の入った96穴プレートに添加し、37℃で250rpmで1時間振盪した。その後、1000rpm、5分間遠心し、上澄み液40μlを新しい96穴プレートに取得し、トリスバッファー60μlで希釈して、415nmにおける吸光度を測定した。ここで、ネガティブコントロールとしてトリスバッファー、ポジティブコントロールとして1%トリトン−X溶液を使用して同様に実施し、50%溶血する際の415nmにおける吸光度を計算し、この吸光度を超えた最小の抗菌ポリマー濃度を50%溶血濃度(HC50)とした。
なお、参考例1として、下記で調製したポリエチレンイミン誘導体を合成し、抗菌剤として使用した。
[ポリエチレンイミン誘導体の合成]
(参考例1)
下記表2に示されるポリエチレンイミン誘導体を下記の手順で合成した。なお、原料は以下のものを用いた。
[ポリエチレンイミン誘導体の合成]
(参考製造例1)
下記表2に示されるポリエチレンイミン誘導体を下記の手順で合成した。なお、原料は以下のものを用いた。
ポリエチレンイミン(PEI)
・エポミン(登録商標)SP−018(数平均分子量:1800[カタログ値]、重量平均分子量:1276)((株)日本触媒製)。なお、上記エポミン(登録商標)の数平均分子量[カタログ値]は、沸点上昇法によって測定された値である。
グリシジルエーテル(GE)
・2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−121;ナガセケムテックス(株)製、エポキシ当量187)。
温度計、還流冷却器、攪拌装置を備えた500mLの四つ口フラスコに、下記表2に示される種類及び量のポリエチレンイミン(PEI)を仕込み、攪拌しながら下記表2に示される種類及び量のグリシジルエーテル(GE)を滴下した。この混合物を55℃に昇温して8時間反応させ、ポリエチレンイミン誘導体を得た。ガスクロマトグラフィーで未反応のグリシジルエーテルを分析し、グリシジルエーテルの転化率を算出して、下記表2に「GE転化率(%)」として示す。
[窒素原子あたりの置換基の導入量]
上記で得られたポリエチレンイミン誘導体について、ポリエチレンイミンの窒素原子あたりの置換基の導入量を下記式に基づいて算出し、下記表2に「置換基の導入量(モル%)」として示す。
なお、上記式において、ポリエチレンイミンのアミン価は、メタノール溶液中で、0.5mol/Lのp−トルエンスルホン酸標準溶液を用いた電位差滴定により算出した。
結果を下記表2に示す。
上記表2の結果より、実施例1〜3の本発明に係る抗菌剤(疎水変性PAMAM Gen1〜Gen3)は、参考例1の抗菌剤(ポリエチレンイミン誘導体)と比較して、溶血性が低いことが示された。本発明に係る抗菌剤が溶血性が低い理由としては、参考例1の抗菌剤が水溶液中で自由に分散した構造をとることができるのに対し、本発明に係る抗菌剤はある程度強固な構造を保持しており、赤血球に対して部分的にしか接触できず、赤血球を破壊するためには多数の分子が必要となるためと考えられる。
[エチレンジアミン由来のコアを有する疎水変性ポリアミドアミン(PAMAM)の合成]
(実施例4)
市販のポリアミドアミンに代えて、下記の手順でポリアミドアミンを合成し、これを用いてエチレンジアミン由来のコアを有する疎水変性ポリアミドアミン第0世代(疎水変性PAMAM Gen0)を合成した。
(1)ポリアミドアミン前駆体(PAMAM−Gen(−0.5))の合成
50ml試験管に無水エチレンジアミン(東京化成工業製)1.00g(16.6mmol)およびメタノール(和光純薬工業製)6.00gを仕込み、温度を25℃に設定し保温した。次に、サンプル瓶にアクリル酸メチル(東京化成工業製)5.87g(68.2mmol)仕込み、メトキノン0.0059g(アクリル酸メチルの0.1質量%)を溶解させた。この、アクリル酸メチル/メトキノン溶液を、エチレンジアミン/メタノール溶液に内温が27℃を超えないように15分かけて冷却しながら滴下した。25℃に維持しながら、適宜サンプリングを実施し、GCおよびHPLC分析を行った。6時間反応後は約18時間4℃の低温室に保管し、翌日25℃でさらに6時間反応させてPAMAM−Gen(−0.5)を得た。
(2)PAMAM−Gen(−0.5)の付加数検討
ガスクロマトグラフィー(GC)による、PAMAM−Gen(−0.5)の、エチレンジアミンに対するアクリル酸メチルの付加数検討は、GC−2010(島津製作所製)を用いて以下の条件で行った。
カラム:CP−Sil 8 CB for Amines(アジレント・テクノロジーズ製)
インジェクション温度:280℃
検出器温度:350℃
内部標準物質:アニソール。
また、液体クロマトグラフィー(LC)による、PAMAM−Gen(−0.5)の、エチレンジアミンに対するアクリル酸メチルの付加数検討は、島津製作所製LCワークステーションプロミネンスを用いて以下の条件で行った。
カラム:Symmetry C18(ウォーターズ製)
溶離液A:0.1質量%トリフルオロ酢酸溶液
溶離液B:アセトニトリル
グラジエント条件:溶離液B0%→50%リニアグラジエント
流速:1ml/min。
上記GC分析およびLC分析の結果より、得られたポリアミドアミン前駆体(PAMAM−Gen(−0.5))は4付加体80%、3付加体15%程度の混合物であることを確認した。これを精製せずに次の工程に用いた。
(3)ポリアミドアミン第0世代(PAMAM−Gen0)の合成
上記で合成したPAMAM−Gen(−0.5)を用いてPAMAM−Gen0を合成した。まず、50ml試験管にPAMAM−Gen(−0.5)/メタノール溶液を5.62g(PAMAM−Gen(−0.5)として3.00g)仕込み、温度を25℃に設定した。次に、無水エチレンジアミンを4.66g(77.5mmol)、内温が27℃を超えないようにして滴下した。その後、適宜サンプリングを行い、6時間反応させた。反応後は4℃の低温室で一晩(約18時間)保管し、その後25℃でさらに6時間反応させてPAMAM−Gen0を得た。得られた反応物を分析したところ、一晩静置して反応させることにより、約70%が目的の4置換体となっていることが判明した。その後、エバポレーターでバブリング処理を行うことにより、エチレンジアミンの残部を留去した。GC分析の結果、エチレンジアミンが8.04質量%残存していた。
(4)疎水変性ポリアミドアミン第0世代(疎水変性PAMAM−Gen0)の合成
上記で得られたPAMAM−Gen0混合物を1.36g(内、エチレンジアミン残存量は0.11g)取って50ml試験管に仕込み、溶媒としてメタノールを3.00g加えたのち、原料デンドリマーの末端アミノ基の個数あたりの置換基の導入量が20%となるように、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを1.91g加え、55℃で6時間反応させた。反応物中のエチレンジアミンと2−エチルヘキシルグリシジルエーテルとをGCで定量したところ、微量しか検出されなかった。
[トリアミノエチルアミン由来のコアを有する疎水変性ポリアミドアミン第0世代(疎水変性PAMAM−Gen0)の合成]
(実施例5)
下記の手順でトリアミノエチルアミン由来のコアを有するポリアミドアミンを合成し、これを用いて疎水変性ポリアミドアミン第0世代(疎水変性PAMAM Gen0)を合成した。
メトキノン0.0054gを溶解させたアクリル酸メチル5.39g(62.57mmol)に対し、トリアミノエチルアミン(和光純薬工業製)を1.50g(10.26mmol)とメタノール1.50gの混合液を27℃を超えないようにしてゆっくりと滴下し、25℃に24時間保温して反応させた。反応後に、LC分析によりトリアミノエチルアミン残量がなくなっていることを確認した。
次に、得られた反応液の全量を用い、エチレンジアミン11.10g(184.63mmol)をゆっくりと滴下し、25℃に24時間保温して反応させた。その後、エバポレーターでバブリング処理を行うことにより、エチレンジアミンの残部を留去した。GC分析の結果、エチレンジアミンが11.65質量%残存していた。
この反応物5.01g(内、エチレンジアミン残存量は0.58g)に対し、溶媒としてメタノールを9.28g加えたのち、原料デンドリマーの末端アミノ基の個数あたりの置換基の導入量が20%となるように、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを9.07g加え、55℃で6時間反応させた。反応物中のエチレンジアミンと2−エチルヘキシルグリシジルエーテルをGCで定量したところ、微量しか検出されなかった。
[疎水変性エチレンジアミンの合成]
(比較例2)
ポリアミドアミンデンドリマーに代えて、エチレンジアミンを疎水変性させた疎水変性エチレンジアミンを下記の手順で合成した。
エチレンジアミン0.50gに対してメタノールを5.00g加えたのち、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル6.21g(33.33mmol)を混合し、自動合成装置内で55℃に昇温して6時間反応させ、疎水変性エチレンジアミンを得た。反応物中のエチレンジアミンと2−エチルヘキシルグリシジルエーテルとをGCで定量したところ、微量しか検出されなかった。
<抗菌性能の評価>
[最小発育阻止濃度(MIC)]
実施例4〜5および比較例2で得た化合物について、上記と同様にして最小発育阻止濃度(MIC)を求めた。
結果を下記表3に示す。
上記表3の結果より、実施例4〜5の疎水変性デンドリマーは、比較例1の疎水変性エチレンジアミンと比較して、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌のいずれに対しても、高い抗菌性能を有した。上記の通り、実施例4〜5には未反応のエチレンジアミンが含まれていることから、反応後には2−エチルヘキシルグリシジルエーテルで疎水変性されたエチレンジアミンも含まれていると考えられる。しかしながら、比較例2の結果より疎水変性エチレンジアミンの抗菌性は著しく低いため、PAMAM−Gen0の疎水化物が抗菌性を示したことが分かる。
上記実施例1〜3の市販のポリアミドアミン(PAMAM)第1世代〜第3世代を原料として用いた場合と比較して、実施例4〜5のポリアミドアミンの世代数がより小さく(第0世代)、未反応の原料や副生物(疎水変性エチレンジアミン等)も含まれているが、良好な抗菌性能が得られたことから、コスト面で有利となる。
本発明の疎水変性デンドリマーを用いた抗菌剤は、洗濯洗浄剤、柔軟剤、食器洗浄剤、硬質表面用洗浄剤等の洗浄剤用途;シャンプー、リンス、化粧品、制汗剤等のパーソナルケア用途;塗料、木材防腐剤、セメント混和剤、工業用水(製紙工程における抄紙工程水、各種工業用の冷却水や洗浄水)などの工業用途等に用いることができる。

Claims (6)

  1. 末端にアミノ基を有するデンドリマーの当該末端アミノ基の窒素原子に、下記式(1)〜(3)で表される置換基が少なくとも1種付加してなる疎水変性デンドリマーを含む、抗菌剤:
    式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;nは、1〜50の整数を表す;
    式(2)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)n’−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;n’は、1〜50の整数を表す;
    式(3)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHCHO)n’’−Rを表し、この際、Rは、炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し;n’’は、1〜50の整数を表す。
  2. 前記デンドリマーのコアがアンモニア又はアミノ基含有化合物である、請求項1に記載の抗菌剤。
  3. 前記疎水変性デンドリマーの重量平均分子量が300〜30000である、請求項1又は2に記載の抗菌剤。
  4. 前記疎水変性デンドリマーは、前記デンドリマーの末端アミノ基の窒素原子に、前記式(1)〜(3)で表される置換基が、前記窒素原子の総数に対して10〜70%の割合で付加してなるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗菌剤。
  5. エチレンジアミン又はトリアミノエチルアミン由来のコアを有し、末端にアミノ基を有するデンドリマーの当該末端アミノ基の窒素原子に、下記式(1)で表される置換基が少なくとも1種付加してなる疎水変性デンドリマー:
    式(1)中、Rは、炭素数3〜20のアルキル基を表す。
  6. 前記デンドリマーは、第0世代又は第1世代である、請求項5に記載の疎水変性デンドリマー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020241338A1 (ja) * 2019-05-29 2020-12-03 株式会社Adeka 電解めっき液用添加剤、電解めっき液、電解めっき方法及び新規化合物

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