図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1は、電池装置10を示す。図中には、正規の設置状態における斜視図が示されている。以下、特に断らない場合、正規の設置状態における上下が図の上下である。図中には、上下方向または高さ方向(HD)である厚さ方向TH、幅方向WD、および奥行方向DDが図示されている。この実施形態では、厚さ方向THは、重力の方向である。幅方向WDと奥行方向DDは、厚さ方向THに直交するサイド方向でもある。
電池装置10は、カバー11と、ベース30とを有する。カバー11と、ベース30とは、電池装置10の外殻を形作っており、電池装置10のハウジングを提供する。カバー11は、樹脂製である。カバー11は、電池装置10の上部の外殻を提供している。ベース30は、電池装置10の下部の外殻を提供している。電池装置10は、乗り物に搭載されている。電池装置10は、乗り物の中に搭載される。乗り物の一例は、車両である。電池装置10は、例えば、車両の座席の下に搭載される。電池装置10は、車両の座席の下への搭載に適した高さを有する。
図2は、カバー11を取り除いた電池装置10を示す。電池装置10は、乗り物の発電電動機(MG)15と協働する。電池装置10は、乗り物の電動システムを提供する。発電電動機15は、内燃機関(EG)16と連結されている。電池装置10は、車両の電気負荷(LD1、LD2)17、18に接続されている。電気負荷17は、バッテリおよびスタータのような大電流が流れる電気負荷である。電気負荷18は、バッテリおよびスタータを除く車両の複数の電気負荷の一部または全部である。
発電電動機15は、内燃機関16によって駆動されることによって、発電機として機能する。発電電動機15によって発電された電力の少なくとも一部は、電池装置10に供給される。この場合、電池装置10は充電される。発電電動機15は、電池装置10から電力を供給される。この場合、発電電動機15は、電動機として機能する。発電電動機15は、内燃機関16とともに動力源として機能する。例えば、発電電動機15は、内燃機関16が供給する動力を上回る動力、または、内燃機関16が供給する動力を補助する動力を供給する。電池装置10の定格電圧は、例えば12Vである。
図3は、電池装置10の分解状態を示す。図3において、電池装置10は、電池ユニット20と、ベース30と、バスバーユニット40と、電気回路50とを備える。ベース30に、電池ユニット20と、バスバーユニット40と、電気回路50とが搭載される。ベース30は、電池ユニット20を受け入れるための凹状の容器部31を有する。ベース30は、電池ユニット20の一部のみを容器部31に収容しており、電池ユニット20の残部(上部)は、ベース30から突出している。電池ユニット20と、バスバーユニット40と、電気回路50とは、組立方向である高さ方向HDに沿ってベース30に装着される。電池ユニット20と、バスバーユニット40と、電気回路50とは、複数のスクリュ、またはボルトなどの締結部材によってベース30に固定される。
電池装置10は、電池ユニット20と電気回路50とを電気的に接続するための接続部材80を有する。電池ユニット20は、主要な端子を有している。主要な端子は、断続的に制御される出力ラインを提供する。主要な端子は、電池ユニット20としてのトータルプラス端子である。接続部材80は、トータルプラス端子と電気回路50とを接続する金属部材である。
この実施形態では、接続部材80は、所定の形状の金属板であるバスバーで提供される。バスバーは、電池装置の製造方法において、金属板を所定の形状に切断し、所定の形状に曲げて形成される。接続部材80は、電池ユニット20に接続される第1バスバー81と、電気回路50に接続される第2バスバー82とを有している。接続部材80は、第1バスバー81と第2バスバー82とを締め付ける固定部材83を有している。固定部材83は、ボルトである。
第1バスバー81は、電池ユニット20のトータルプラス端子に固定手段によって固定されることで、電気的に接続されている。固定手段は、溶接である。固定手段は、はんだ、ボルトによる締め付けなど多様な手段により提供できる。第1バスバー81は、固定部材83を受け入れるための開口部を有している。第2バスバー82は、電気回路50に固定手段によって固定されることで、電気的に接続されている。固定手段は、はんだである。固定手段は、溶接、ボルトによる締め付けなど多様な手段により提供できる。第2バスバー82は、電気回路50に接続するための複数の端子部を有している。第2バスバー82は、固定部材83を受け入れるための開口部を有している。
図2に戻り、電池ユニット20は、複数の電池セル21を収容するケース22を有する。ケース22は、電気絶縁性の樹脂製である。ケース22は、複数の電池セル21を収容する容器の一部である。ケース22は、複数の電池セル21を互いに固定している。さらに、ケース22は、複数の電池セル21をベース30に固定する固定部材でもある。ケース22は、電池ユニット20をベース30に固定するための複数のブラケットを有する。ケース22は、壁の強度を高めるために、および/またはケース22とベース30との間の隙間を小さくするために、複数のリブを有している。
電池ユニット20は、モニタモジュール23を有する。モニタモジュール23は、電気絶縁性の樹脂部材24と、複数の電池セル21に接続されるモニタ接続部材25とを有している。モニタ接続部材25は、樹脂部材24の中にインサート成形によって埋設されている。モニタ接続部材25は、樹脂部材24の中を通って、電池セル21と電気回路50とを接続している。図中には、電気回路50との接続部分に複数のモニタ接続部材25が露出している。
モニタモジュール23は、図に表れない水センサ60を有している。水センサ60は、図に表れない複数の水検出電極を有している。モニタモジュール23は、6面体であるケース22の一面に沿って配置されている。モニタモジュール23は、ケース22の蓋でもある。電池ユニット20の詳細な形状は後述される。
ベース30は、導電性の金属製である。ベース30は、キャリアとも呼ばれる。ベース30は、アルミニウム−ダイカスト製である。ベース30は、高い剛性を有する。ベース30は、電池ユニット20を受け入れる容器部31を有する。ベース30は、複数のステー32a、32b、32cを有する。複数のステー32a、32b、32c、32dは、総称してステー32と呼ばれる。ステー32は、電池装置10を車両に固定するための固定部である。ステー32は、多様な形状を有している。
バスバーユニット40は、電池ユニット20の電力端子から延びる電力経路を提供する。バスバーユニット40は、電気絶縁性の樹脂部材と、電池ユニット20に接続される電力接続部材とを有している。バスバーユニット40は、ベース30の上に固定されている。バスバーユニット40は、電力端子41、41を有する。バスバーユニット40は、少なくとも2つの電力接続部材を有する。ひとつの電力接続部材は、電池ユニット20のひとつの電力端子と、複数の電力端子41、42、43のひとつとの間に設けられ、電気的接続を提供する。外側の電力端子41は発電電動機15に接続されている。内側の電力端子42は、電気負荷17に接続されている。電力端子43は、電気負荷18に接続されている。
電気回路50は、ベース30の上に固定されている。電気回路50は、電池ユニット20の横に広がっている。電気回路50は、電池ユニット20のひとつの一面の横と、電池ユニット20の他の一面の横とにわたって広がっている。電気回路50は、L字型、またはカギ型と呼べる。電池ユニット20は、ほぼ四辺形のベース30のひとつの隅部に配置されている。電気回路50は、ベース30上に電池ユニット20の横に広がるカギ型に渡る範囲を占める。電気回路50は、モニタモジュール23に沿って配置されている。電気回路50のひとつの一部は、電池ユニット20のモニタモジュール23側の横に広がるように配置されている。電気回路50の他の一部は、電池ユニット20の横であって、モニタモジュール23の周囲面の横に広がるように配置されている。このような配置は、電池ユニット20と電気回路50との、関連付けられた有利な配置に貢献する。
電気回路50は、基板51と、複数の電気部品52とを有する。基板51は、いわゆるプリント基板である。基板51は、L字型、またはカギ型と呼べる。基板51は、上述の電気回路50が占める水平範囲にわたって広がっている。基板51は、単一の基板である。基板51の上には、複数の電気部品52が配置されている。基板51は、複数の接続部分を有している。複数の接続部分の一部、または全部は、バスバーユニット40の電力接続部材と電気部品52との接続を提供する。
電気回路50は、複数の電池セル21に接続されている。複数の電気部品52は、制御装置を提供する。制御装置は、電池ユニット20に含まれる複数の電池セル21のそれぞれの電圧を監視する。制御装置は、複数の電池セル21のそれぞれの充電状態、放電状態を監視する。制御装置は、複数の電池セル21のそれぞれの充電状態を適正に制御する。
複数の電気部品52は、ひとつまたは複数のスイッチ部品53を含む。スイッチ部品53は、電気回路50によってオンオフ制御される。スイッチ部品53は、電池ユニット20の出力を断続的に制御する。スイッチ部品53は、電池ユニット20のトータルプラス端子20pから供給される電流を断続する。スイッチ部品53は、基板51の上に実装されている。スイッチ部品53は、トランジスタ、MOS、またはIGBTなどとして広く知られている半導体スイッチである。なお、後述するように、スイッチ部品53は、基板51から離れて支持されていてもよい。また、スイッチ部品53は、電磁的に開閉されるリレーによって提供されてもよい。
接続部材80は、トータルプラス端子とスイッチ部品53とを電気的に接続する。接続部材80は、トータルプラス端子とスイッチ部品53との間の導電部材の少なくとも一部を提供している。接続部材80は、基板51の上において、電池ユニット20の近傍に配置されている。接続部材80は、電池ユニット20に最も近い基板51の縁に配置されている。接続部材80は、電池ユニット20の主要な端子に最も近い基板51の部位において、接続されている。接続部材80のための複数の端子は、電池ユニット20に沿って、基板51の上に配列されている。スイッチ部品53は、接続部材80の近くに配置されている。
座席に水がこぼされる場合に、水に濡れた乗員が座席を利用する場合に、または車両が水に浸かる場合に、電池装置10の中に水が浸入する場合がある。この場合、電池装置10が水を放電経路として放電する場合がある。この実施形態では、電池装置10の中における水を検出する水センサ60と、水を検出した場合に、対策処理を実行する制御装置とを備えている。制御装置は、電池装置10内への浸水を監視する。制御装置は、浸水が検出された場合に、対策処置を実行する。対策処理は、例えば、複数の電気部品52のひとつであるブレーカ素子をオフ状態にすることである。
電気回路50が提供する制御システムは、制御装置(ECU)を提供する。制御装置は、電子制御装置(Electronic Control Unit)である。制御装置は、少なくともひとつの演算処理装置(CPU)と、プログラムとデータとを記憶する記憶媒体としての少なくともひとつのメモリ装置(MMR)とを有する。制御装置は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。制御装置は、ひとつのコンピュータ、またはデータ通信装置によってリンクされた一組のコンピュータ資源によって提供されうる。プログラムは、制御装置によって実行されることによって、制御装置をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される方法を実行するように制御装置を機能させる。
制御システムは、制御装置に入力される情報を示す信号を供給する複数の信号源を入力装置として有する。制御システムは、制御装置が情報をメモリ装置に格納することにより、情報を取得する。制御システムは、制御装置によって挙動が制御される複数の制御対象物を出力装置として有する。制御システムは、メモリ装置に格納された情報を信号に変換して制御対象物に供給することにより制御対象物の挙動を制御する。
制御システムに含まれる制御装置と信号源と制御対象物とは、多様な要素を提供する。それらの要素の少なくとも一部は、機能を実行するためのブロックと呼ぶことができる。別の観点では、それらの要素の少なくとも一部は、構成として解釈されるモジュール、またはセクションと呼ぶことができる。さらに、制御システムに含まれる要素は、意図的な場合にのみ、その機能を実現する手段ともよぶことができる。
制御システムが提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。電気回路50は、インバータおよび/またはコンバータとしての回路と、複数の電池セル21の電圧を観測するモニタ回路とを備えてもよい。この場合、制御装置は別の電気回路容器に収容される。
図4は、電池ユニット20の分解斜視図である。電池ユニット20は、6面体として構成されている。電池ユニット20は、複数の電池セル21を有する。図中には、5個の電池セル21が図示されている。電池セル21は、扁平な直方体である。電池セル21は、6面体である。電池セル21の細い1面には、正極および負極の端子21aが配置されている。電池セル21は、横に面する1面に端子21aを露出させるように横向きに配置されている。複数の電池セル21は、電池セル21の最も広い主面21bを幅方向WDに向けて積層されている。
電池セル21は、最も広い2つの主面21bを有する。電池セル21が膨らむ場合、主面21bが著しく影響を受ける。複数の電池セル21は、それらの複数の主面21bが平行になるように積層されているから、主面21bが面する方向へ膨らむ。図示の例では、複数の電池セル21は、横方向へ膨らむ。電池セル21が膨らむ方向は、幅方向WDである。言い換えると、複数の電池セル21は、それらの積層方向、すなわち幅方向WDへ著しく膨らむ。言い換えると、複数の電池セル21は、ベース30の面に沿って膨らむ。言い換えると、複数の電池セル21は、組立方向と直交する幅方向WDへ膨らむ。
複数の電池セル21は、6面体の前面に開口部を有するケース22内に収容されている。ケース22は、第1ケースであるカップ22aと第2ケースであるキャップ22bとを有する。カップ22aは、ケース22内を複数の電池セル21それぞれのために仕切っている。キャップ22bは、複数の導体26を支持する蓋体である。
電池ユニット20は、複数の電池セル21を接続する複数の導体26を有する。複数の導体26は、複数の電池セル21を直列に接続する。電池ユニット20は、複数のモニタ端子27を有する。モニタ端子27は、電池セル21の少なくとも電圧を検出するために利用される。図示の例では、電池ユニット20は、5つの電池セル21を有する。図中には、複数の導体26が図示されている。図示の例では、6つのモニタ端子27を有する。ひとつの導体26に、ひとつのモニタ端子27が設けられている。6つのモニタ端子27により、5つの電池セル21のそれぞれの状態が監視される。図中には、複数のモニタ端子27が図示されている。
モニタモジュール23は、複数のモニタ接続部材25を有する。モニタ接続部材25は、モニタ端子27を受け入れる。モニタ接続部材25とモニタ端子27とは、電気的に接続されている。モニタモジュール23と水センサ60とは、樹脂部材24を共有することによって、一体的である。モニタモジュール23と水センサ60とは、ひとつの部品として取り扱うことができる。水センサ60は、複数の水検出電極61を有する。
電池ユニット20は、ガスケット部材28を有する。ガスケット部材28は、複数の電池セル21とモニタモジュール23との間に配置される。
電池ユニット20の部品の組立方向は、製品の正規の設置状態では、ケース22に対して横向きである。組立方向は、奥行方向DDである。複数の電池セル21が、複数の端子21aを横に面する面に位置づけるから、複数の電池セル21と電気回路50とを少ない部品で接続できる。複数の電池セル21は、膨らみが著しく表れる複数の主面21bを横向きとして、積層している。このため、複数の電池セル21が膨らむ場合の主たる方向は幅方向WDである。
図中には、第1バスバー81が図示されている。第1バスバー81は、導体26のひとつでもある。複数の電池セル21が複数の導体26によって直列接続されることにより、ひとつの電池セル21のプラス端子が、トータルプラス端子22pとなる。同様に、他のひとつの電池セル21のマイナス端子が、トータルマイナス端子22nとなる。トータルプラス端子22pは、電池ユニット20の主要な端子である。第1バスバー81は、トータルプラス端子22pと接続されている。
図5は、手前斜め上からベース30を見た斜視図である。図6は、反対側から見た斜視図である。ベース30は、板状又は皿状である。ベース30は、浅い皿状、または浅いカップ状と呼べる形状を有している。ベース30の形状は、容器部31において、下に向けて凸状であって、上から凹状である。ベース30は、それを反らせようとする外力に対抗する高い剛性を有する。ベース30は、容器部31を開く横方向、特に幅方向WDへの外力に対抗する高い剛性を有する。ベース30は、複数の電池セル21が著しく膨らむ方向に関して、高い剛性を有する。
容器部31は、側壁31a、31bと、底壁31cと、背壁31dと、前壁31eとを有する。言い換えると、ベース30は、側壁31a、31bと、底壁31cと、背壁31dと、前壁31eとを有する。なお、以下の説明では、電池ユニット20のモニタモジュール23側を前として、説明する。容器部31は、上に向けて開口部を有する開放容器である。
側壁31a、31bは、容器部31の両側に設けられている。側壁31a、31bは、複数の電池セル21の積層方向、すなわち幅方向WDに位置する。側壁31a、31bの内面は、側面33a、33bを提供する。側面33a、33bは、容器部31内に面している。側面33a、33bは、互いに対向している。側面33a、33bは、側壁31a、31bが提供する広い面のうち、一部である。側面33a、33bは、電池ユニット20と微小な隙間を介して対向するか、または電池ユニット20と接触する面である。
側壁31aは、ケース22を固定するための複数のボルト穴34を有する。側壁31bは、ケース22を固定するための複数のボルト穴34を有する。ボルト穴34は、組立方向である高さ方向HDに深さを有する穴と、穴の内面に形成された雌ねじとを有する。両方の側壁31a、31bは、それぞれがボルト穴34を提供するために、複雑な形状を有する。複数のボルト穴34のひとつは、一方の側壁31aにおける主面21bの中央より上に開口する。複数のボルト穴34のひとつは、他方の側壁31bにおける主面21bの中央より上に開口する。側壁31a、31bは、カバー11を固定するための他のボルト穴、電気的な接続のための部品を固定するための他のボルト穴も形成されている。
底壁31cは、容器部31の底に位置している。底壁31cは、ベース30の最も下の壁である。底壁31cは、側壁31aの下端と、側壁31bの下端とを連結している。底壁31cの内面は、底面33cを提供する。底面33cは、容器部31内に面している。底面33cは、ベース30の上面として、上へ向いている。
背壁31dは、容器部31の背後に位置している。背壁31dは、側壁31aと、側壁31bと、底壁31cとを連結している。背壁31dの内面は、背面33dを提供する。背面33dは、容器部31内に面している。背壁31dは、側壁31a、31bの上部を連結している。背壁31dは、側壁31a、31bの間を真っ直ぐに連結している。背壁31dは、側壁31a、31bの間に設けられた梁を提供する。背壁31dは、側壁31a、31bを上広がりに外側に倒す外力に対抗する。
前壁31eは、容器部31の前に位置している。前壁31eは、底壁31cと連結されている。前壁31eは、側壁31aと、側壁31bと、底壁31cとを連結していてもよい。前壁31eの内面は、前面33eを提供する。前面33eは、容器部31内に面している。前壁31eは、底壁31cと放熱壁35との間に形成された階段壁の一部である。前壁31eは、側壁31a、31bの間を連結している。前壁31eは、側壁31a、31bの間に設けられた梁を提供する。前壁31eは、側壁31a、31bを上広がりに外側に倒す外力に対抗する。
図3戻り、放熱壁35の上には、一部の電気部品52が配置される。一部の電気部品52は、放熱を要する部品である。例えば、電気回路50のスイッチ部品53は、放熱壁35の上に配置される。放熱壁35と、電気部品52との間には、絶縁板59が配置される。これにより、電気部品52は、絶縁板59を介して、放熱壁35へ放熱する。放熱壁35は、ベース30の中において、上へ凸状であり、下から凹状である。よって、放熱壁35は、ベース30の下面において、下から凹状の放熱部を提供する。
図7および図8は、ベース30の上に、電池ユニット20と、バスバーユニット40と、接続部材80とを搭載した状態を示す。接続部材80は、バスバーユニット40の一部でもある。バスバーユニット40は、複数の端子41、42、43と、電池ユニット20と電気回路50とを接続する。
バスバーユニット40は、複数のバスバー45、46、47を有する。複数のバスバー45、46、47は、電池ユニット20に沿って延びている部分を有する。複数のバスバー45、46、47は、平行に延びている。複数のバスバー45、46、47は、放熱壁35の両側に分散して配置されている。このような配置は、放熱壁35の上に配置される電気部品52との接続に適した配置を提供する。例えば、スイッチ部品53により断続される比較的大きい電流が流れる経路を短くするために有利である。よって、放熱壁35により複数の電気部品52の放熱を促進しながら、電流経路を短くして、電気回路50の発熱そのものを抑制することができる。図中に表れる複数の端子部分が、基板51と接続される。
接続部材80は、電池ユニット20と放熱壁35との間に配置されている。バスバーユニット40の一部でもある接続部材80は、放熱壁35と隣接している。このため、接続部材80も、電気回路50の発熱を抑制するために貢献する。
図9において、電池ユニット20は、ベース30に搭載されている。ケース22は、複数のボルト71によって、ベース30に固定されている。複数のボルト71は、ボルト穴34に挿入されている。ケース22は、複数のブラケット22c、22d、22e、22fを有する。複数のブラケット22c、22d、22e、22fは、ケース22の側面から外側に突出して形成されている。複数のブラケット22c、22d、22e、22fは、ケース22の樹脂によってケース22と一体的に形成されている。複数のボルト71は、ブラケット22c、22d、22e、22fをベース30に向けて締め付けている。複数のボルト71は、締結部材を提供する。
図中には、接続部材80が表れている。第1バスバー81は、電池ユニット20から、基板51に向けて、奥行方向DDに沿って突出する形状を有する。固定部材83は、厚さ方向THに沿って第1バスバー81を締め付けている。固定部材83は、厚さ方向THに沿って第2バスバー82を締め付けている。第2バスバー82は、締め付け位置から、基板51の下側に回り込み、基板51に向けて延びている。第2バスバー82は、基板51を貫通する複数の端子を有している。
図10は、電池装置10の設置状態を示す。図中では、複数の部材の相対的な関係を示すために、複数の部材の模式的な断面が図示されている。電池装置10は、高さが小さい隙間に配置されている。隙間は、車両の構造物であるシートST1と、床ST2との間にある。隙間は、シートST1と床ST2との間に広く広がっている。シートST1は、下に向けて突出する部分と、上に向けて凹んでいる部分とを有する。床ST2は、上に向けて突出する部分と、下に向けて凹んでいる部分とを有する。このため、隙間は、狭い隙間部分と、広い隙間部分とを有する。
電池装置10は、狭い隙間部分と広い隙間部分との両方にわたって設置されている。隙間の厚さ方向THが、電池装置10の厚さ方向THでもある。電池装置10は、電池ユニット20を車両の後方に配置し、電気回路50を車両の前方に配置するようにして、隙間に設置されている。電池ユニット20が収容されている部分は、電池部分10aと呼ばれる。電気回路50が収容されている部分は、回路部分10bと呼ばれる。回路部分10bは、電池部分10aより薄い。
電池ユニット20は、6面体である。なお、それぞれの面は、凹凸を有している。トータルプラス端子20pが配置された面を端子面20mとする。端子面20mは、第1面、または前面とも呼ばれる。トータルプラス端子20pが設けられている面とは反対側の面を第2面とする。第2面は、背面と呼ばれる。端子面20mと第2面との間に延びる方向は、電池ユニット20の端子方向TMDとも呼ばれる。この実施形態では、端子方向TMDは、奥行方向DDである。
電池ユニット20の残る4面が側面である。電池ユニット20の厚さ方向THにおける2つの面に基いて、それらの面を含む第1仮想平面VP1と、第2仮想平面VP2とを仮想することができる。言い換えると、厚さ方向THにおいて最も離れている電池ユニット20の2つの面は、それらを含む第1仮想平面VP1および第2仮想平面VP2を規定している。電池ユニット20は、側面のひとつを厚さ方向THの第3面としている。第3面は、上面と呼ばれる。第3面を含む第1仮想平面VP1を仮想することができる。電池ユニット20は、側面のひとつを厚さ方向THの第4面としている。第4面は、下面と呼ばれる。第4面を含む第2仮想平面VP2を仮想することができる。
第3面と第4面は、扁平な電池装置10の厚さ方向THと直角な2つの面である。電池装置10の厚さは、第3面と第4面との間隔に基いて設計される。言い換えると、電池装置10の厚さは、第3面と第4面との間隔に依存している。第3面と第4面との間に延びる方向は、電池セル21の主面と平行な主面方向とも呼ばれる。この実施形態では、主面方向は、厚さ方向THである。
電池ユニット20は、残る2面を幅方向WDの第5面および第6面としている。第5面および第6面は、それぞれ、右面および左面である。第5面と第6面との間に延びる方向は、複数の電池セル21が積層された積層方向とも呼ばれる。この実施形態では、積層方向は、幅方向WDである。
スイッチ部品53は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間に配置されている。スイッチ部品53は、トータルプラス端子20pの近傍に配置されている。スイッチ部品53は、放熱壁35と熱的に接続されている。放熱壁35は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間に配置されている。これにより、放熱壁35は、スイッチ部品53の熱を短い距離で放熱することができる。
接続部材80は、電池ユニット20と電気回路50との間に設置されている。接続部材80は、電池ユニット20の端子面20mから、電気回路50に向けて延び出している。接続部材80が延びている範囲を規定するために、第3仮想平面VP3と、第4仮想平面VP4とを仮想することができる。第3仮想平面VP3と、第4仮想平面VP4とは、電池ユニット20の端子面20mおよび第2面と平行である。第3仮想平面VP3と、第4仮想平面VP4との間に、接続部材80は延在している。第3仮想平面VP3と、第4仮想平面VP4とは、端子方向TMD、すなわち奥行方向DDにおける、接続部材80の2つの最大突出位置を規定している。図示の例では、第3仮想平面VP3は、端子方向TMDにおける、第2面に最も近い接続部材80の位置にある。第4仮想平面VP4は、端子方向TMDにおける、電池ユニット20から最も離れている接続部材80の位置にある。
図11は、電池装置10における電池ユニット20と、基板51との位置関係を示す。電池ユニット20は、直方体、または立方体、または先行特許文献1に開示されるような段付きの多面体でもよい。電池ユニット20は、端子面20mが、幅方向WDまたは奥行方向DDに面するように配置されている。基板51は、厚さ方向THに直角である平面を有する。基板51は、端子方向TMDに広がる平面を有する。基板51は、幅方向WDおよび奥行方向DDに広がる平面を有する。
電池装置10は、カバー11とベース30とにより、ハウジングを形成している。ハウジングは、電池ユニット20を収容するための電池部分10aを有する。ハウジングは、電気回路50を収容するための回路部分10bを有する。回路部分10bは、電池部分10aに隣接している。この実施形態では、基板51がL字型である。基板51は、電池ユニット20の端子面と第6面とにわたる。言い換えると、基板51は、幅方向WDおよび奥行方向DDに関して、電池ユニット20と並んでいる。このため、回路部分10bは、電池部分10aの少なくとも2面に隣接している。
電池部分10aは、厚さ方向THに関して、厚さTH10aを有する。回路部分10bは、厚さ方向THに関して、厚さTH10bを有している。図中には、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間の厚さTH20が図示されている。厚さTH20は、電池ユニット20の厚さでもある。
電池部分10aは、カバー11およびベース30の厚さに加えて、電池ユニット20のための空洞を有する。よって、厚さTH10aは、厚さTH20より大きい(TH20<TH10a)。厚さTH10bは、厚さTH10aより小さい(TH10b<TH10a)。回路部分10bは、電池部分10aより薄く形成することができる。これにより、車両の隙間に、電池装置10を配置することができる。
図12は、電池ユニット20、電気回路50、および接続部材80を示す。接続部材80は、矩形の直方体として模式的に図示されている。接続部材80は、ひとつ以上の曲げ部を有するバスバーまたは電線によって提供される。以下の図面においても、接続部材80は同様に図示される場合がある。
電気回路50は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間に位置づけられている。基板51は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間に位置づけられている。スイッチ部品53は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間に位置づけられている。接続部材80は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間に位置づけられている。第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間に、電気回路50の全体と、接続部材80の全体とが配置される。この構成は、電池装置10の厚さを抑制するために貢献する。
電池ユニット20の端子面20mを、端子方向TMDに沿って、端子面20mから離れる方向へ投影して規定される投影範囲PRJ20を仮想することができる。電気回路50の少なくとも一部は、投影範囲PRJ20の中に位置づけられている。基板51の少なくとも一部は、投影範囲PRJ20の中に位置づけられている。スイッチ部品53の少なくとも一部(複数のスイッチ部品53のひとつまたは複数、またはひとつのスイッチ部品53の一部)は、投影範囲PRJ20の中に位置づけられている。接続部材80は、投影範囲PRJ20の中に位置づけられている。接続部材80の少なくとも一部が、投影範囲PRJ20の中に位置づけられていてもよい。投影範囲PRJ20の中に、電気回路50の少なくとも一部と、接続部材80の少なくとも一部とが配置される。このような配置は、電池装置10の小型化を可能とする。
スイッチ部品53および接続部材80は、比較的大きい電流が流れるから、トータルプラス端子20pが配置された端子面20mの近くに配置されることが好ましい。基板51が、端子面20mの前に位置することで、トータルプラス端子22pと基板51との短い接続が実現される。基板51の上には、スイッチ部品53が配置されているから、トータルプラス端子22pとスイッチ部品53との短い接続が実現される。この配置は、比較的大きい電流が流れる部品の小型化を可能とする。例えば、接続部材80を短くするために貢献する。例えば、基板51の上における、比較的大きい電流が流れる配線を短くすることを可能とする。
図13は、電池ユニット20、電気回路50、および接続部材80を示す。接続部材80は、端子方向TMDにおける両端は、端子方向TMDに直角な第3仮想平面VP3と、端子方向TMDに直角な第4仮想平面VP4とを規定する。よって、接続部材80は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間にある。電気回路50の少なくとも一部は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間に配置されている。基板51の少なくとも一部は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間に配置されている。
さらに、端子方向TMDにおける端子面20mの外側には、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間に薄い直方体状の第1仮想範囲VS1を仮想することができる。この第1仮想範囲VS1は、端子面20mを底面としている。この第1仮想範囲VS1は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間の距離を高さとしている。電気回路50の少なくとも一部は、第1仮想範囲VS1の中にある。基板51の少なくとも一部は、第1仮想範囲VS1の中にある。
さらに、第1仮想範囲VS1から、幅方向WDの両側へ延長された第2仮想範囲VS2を仮想することができる。この第2仮想範囲VS2は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。電気回路50の少なくとも一部は、第2仮想範囲VS2の中にある。基板51の少なくとも一部は、第2仮想範囲VS2の中にある。
図14は、電池ユニット20に対する基板51の位置を示す。電池ユニット20は、端子面20mにトータルプラス端子20pと、トータルマイナス端子20nとを有している。この場合、基板51は、端子面20mの前方に配置されることが望ましい。すなわち、基板51は、端子面20mの端子方向TMDの外側に配置されることが望ましい。この位置は、電池ユニット20に対する前位置FRと呼ぶことができる。スイッチ部品53も、前位置FRに配置されることが望ましい。ただし、基板51は、電池ユニット20の幅方向WDにおけるサイド位置である右位置SD1、または左位置SD2に配置されてもよい。これらのサイド位置でも、トータルプラス端子20pから短い接続を実現可能である。加えて、基板51は、後位置RRに配置されてもよい。
図15は、電池ユニット20に対する基板51の位置を示す。基板51は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間に配置することができる。基板51は、厚さ方向THにおける電池ユニット20の中間位置MDに配置することが望ましい。ただし、基板51は、電池ユニット20の下部位置LWまたは上部位置HGに配置することができる。いずれの位置においても、基板51は、トータルプラス端子20pに対して近くに配置することができる。
図16は、電池ユニット20に対する基板51の姿勢を示す。先行する図面に図示される基板51は、幅方向WDおよび奥行方向DDに広がる平面状である。基板51は、厚さ方向THに広がる平面を有していてもよい。
図示されるように、基板51は、電池ユニット20の幅方向WDおよび/または奥行方向DDに面する面に対して平行に設けることができる。図示される姿勢でも、電池ユニット20を収容するための部分を薄く形成できる。また、電池ユニット20を収容する部分に加えて、それより薄い部分を形成することができる。
図17は、電池装置10の中における電池ユニット20に対する基板51の位置を示す。電池装置10は、重力方向と交差する厚さ方向THを有している。電池装置10は、厚さ方向THを横としている。電池装置10は、幅方向WDを高さ方向HDとしている。
電池ユニット20の厚さ方向THにおける2面に基いて第1仮想平面VP1と、第2仮想平面VP2とを仮想することができる。電池ユニット20と、電気回路50と、接続部材80とは、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。基板51は、厚さ方向THに直角である平面を有する。基板51は、端子方向TMDに広がる平面を有する。基板51は、幅方向WDおよび奥行方向DDに広がる平面を有する。
電池装置10は、電池部分10aと、回路部分10bとを有する。また、回路部分10bは、電池部分10aより薄く形成することができる。このような配置においても、薄い電池装置10を提供することができる。また、電池ユニット20の厚さより薄い回路部分10bを有する電池装置10を提供することができる。
図18は、電池ユニット20における複数の電池セル21の姿勢を示す。先行する図面に図示される電池セル21は、端子面20mにおいて縦に配置されている。複数の電池セル21は、端子面20mにおいて、横に配置されてもよい。この場合も、端子面20mにトータルプラス端子20pが配置される。なお、トータルプラス端子20pとトータルマイナス端子20nとは、端子面20mの上の任意の位置に配置することができる。
図19は、電池装置10の中における、電池ユニット20の姿勢を示す。先行する図面に図示される電池セル21は、奥行方向DDに端子方向TMDを一致させている。言い換えると、厚さ方向THは、端子方向TMDと直交している。これに代えて、厚さ方向THは、端子方向TMDに一致していてもよい。図中には、電気回路50と接続部材80とが図示されている。なお、基板51は、電池ユニット20の面と平行に広がる平面でもよい。
電池ユニット20は、端子面20mを上面としている。端子面20mは、第1仮想平面VP1を規定している。端子面20mの反対にある下面は、第2仮想平面VP2を規定している。電池ユニット20は、端子面20mが、厚さ方向THに面するように配置されている。
接続部材80の端子方向TMDにおける両端は、端子方向TMDに直角な第3仮想平面VP3と、端子方向TMDに直角な第4仮想平面VP4とを規定している。接続部材80は、端子面20mの上から、電池ユニット20の幅方向WDまたは奥行方向DDに面する側面へ回り込む形状である。接続部材80は、端子面20mから、トータルプラス端子20pに近い角部を経由して、側面のひとつの上に延びている。トータルプラス端子20pは、端子面20mのうち、ひとつの角部に配置されている。よって、トータルプラス端子20pに近接している2つの辺において、端子面20mは、他の2つの側面と隣接している。スイッチ部品53は、これら2つの側面の上に配置されている。よって、スイッチ部品53は、トータルプラス端子20pと隣接する辺において端子面20mと隣接する2つの側面の幅方向WDまたは奥行方向DDの上に配置されている。スイッチ部品53は、トータルプラス端子20pの近傍に配置されている。接続部材80は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との外側から、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間へ延びている。
図示される場合、第3仮想平面VP3は、端子面20mである上面と下面との間にある。言い換えると、第3仮想平面VP3は、厚さ方向THに対向する2面の間にある。さらに言い換えると、第3仮想平面VP3は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。第4仮想平面VP4は、端子面20mから突出する接続部材80の最大突出部分における平面である。よって、第4仮想平面VP4は、端子面20mより外側に位置している。
電気回路50は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。基板51は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。基板51は、厚さ方向THに直角である平面を有する。ただし、基板51は、端子方向TMDに直角である平面を有する。スイッチ部品53は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。基板51の少なくとも一部は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間にある。スイッチ部品53の少なくとも一部は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間にある。望ましくは、スイッチ部品53のすべてが、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間に配置されている。
以上に述べたように、この実施形態では、薄い電池装置10が提供される。電池ユニット20とスイッチ部品53とは、厚さ方向THに関して電池ユニット20とスイッチ部品53とが重複することがないように配置されている。電池ユニット20とスイッチ部品53とは、幅方向WDおよび/または奥行方向DDに関して電池ユニット20とスイッチ部品53とが並ぶように配置されている。これにより、電池ユニット20を収容するための厚さの中に、スイッチ部品53を収容できる。
しかも、電池ユニット20を収容するための電池部分10aと、スイッチ部品53を収容するための回路部分10bとを形成することができる。回路部分10bは、電池部分10aより薄い。このような形状は、電池装置10のために許された隙間への適合を可能とする。
さらに、スイッチ部品53を含むとともに、複数の電気部品52を搭載した基板51を含む電気回路50を備える場合、電池ユニット20と電気回路50とは、厚さ方向THにおいて重複することなく配置される。電池ユニット20と電気回路50とは、幅方向WDまたは奥行方向DDにおいて並ぶように配置される。これにより、薄い電池装置10が提供される。
また、電気回路50および接続部材80が第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間に配置されることで、電池ユニット20を収容できる厚さの中に、電気回路50および接続部材80を収容できる。しかも、電気回路50を収容するための回路部分10bは、電池ユニット20を収容するための電池部分10aより薄い。このため、電池ユニット20の厚さより薄い部分を有する電池装置10を提供することができる。この結果、多様な隙間への搭載が可能となる。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、電気回路50は、電池ユニット20の厚さ方向THにおける中間位置に配置されている。これに代えて、電気回路50は、電池ユニット20の厚さ方向THにおける下部位置に配置されている。
図20に図示されるように、シートST1が下に向けて大きな凸部を有する。電池装置10は、電気回路50を下部位置に配置することで、シートST1と床ST2との間の隙間への配置を可能としている。電気回路50は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。接続部材80は、バスバー281と、バスバー282とを有している。接続部材80の少なくとも一部は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。この構成により、車両の隙間への適合が可能となる。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、電気回路50は、電池ユニット20の厚さ方向THにおける上部位置に配置されている。
図21に図示されるように、床ST2が大きい凸部を有する。電池装置10は、電気回路50を上部位置に配置することで、シートST1と床ST2との間の隙間への配置を可能としている。電気回路50は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。接続部材80は、バスバー381と、バスバー382とを有している。接続部材80の全体は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。この構成により、車両の隙間への適合が可能となる。放熱壁35の下には、比較的大きい空洞を形成できるから、電気回路50からの放熱が促進される。また、電気回路50を水から保護することができる。
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。先行する実施形態では、トータルプラス端子20pは、電池ユニット20の下部角部に配置されている。これに代えて、トータルプラス端子20pは、電池ユニット20の上部に配置されてもよい。
図22に図示されるように、電池ユニット20は、上部にトータルプラス端子20pを有する。トータルプラス端子20pの位置は、電池ユニット20を回転させて実現できる。接続部材80は、バスバー481と、バスバー482とを有している。接続部材80の全体は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。電気回路50は、電池ユニット20の厚さ方向THにおけるトータルプラス端子20pに近い位置に配置される。このため、電気回路50を上部位置に配置した場合でも、短い接続部材80を採用できる。
第5実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。先行する実施形態では、電池ユニット20の投影範囲PRJ20に電気回路50の少なくとも一部が配置されている。これに代えて、電気回路50は、投影範囲PRJ20の外に配置されてもよい。
図23は、電池装置10内の部品の平面的な配置を示す。図24は、図23のF24−F24線における断面を示す。図中では、部品の配置を示すために、模式的な断面が示されている。
図示されるように、電気回路50は、電池ユニット20のサイドに配置されている。接続部材80は、単一のバスバー581を有する。バスバー581は、板状である。バスバー581は、トータルプラス端子20pに接続された部位と、基板51に接続された部位とを有する。
電気回路50および接続部材80は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。接続部材80は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4とを規定する。基板51の少なくとも一部は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間にある。言い換えると、基板51は、端子面20mより前へ突出している。これにより、板状のバスバー581が採用可能となる。この実施形態によると、薄い電池装置10が提供される。この実施形態によると、電池ユニット20を収容するための部分と、その部分より薄い部分とを有する電池装置10が提供される。
第6実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。先行する実施形態では、接続部材80は、端子面20mから突出している。これに代えて、接続部材80は、端子面20mから側面へ回り込んでもよい。
図25は、電池装置10内の部品の平面的な配置を示す。図26は、図25のF26−F26線における断面を示す。図中では、部品の配置を示すために、模式的な断面が示されている。
図示されるように、電気回路50は、電池ユニット20のサイドに配置されている。接続部材80は、バスバー681とバスバー682とを有する。バスバー681、682は、ひとつ以上の曲げ部を有する。
電気回路50は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。接続部材80は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4とを規定する。基板51の少なくとも一部は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間にある。この実施形態によると、薄い電池装置10が提供される。また、電池ユニット20を収容するための部分と、その部分より薄い部分とを有する電池装置10を提供可能である。
第7実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、トータルプラス端子20pが電池ユニット20の上部に配置される。
図27は、電池装置10内の部品の平面的な配置を示す。図28は、図27のF28−F28線における断面を示す。図中では、部品の配置を示すために、模式的な断面が示されている。
図示されるように、トータルプラス端子20pが電池ユニット20の上部に配置される。電気回路50は、電池装置10の中の上部に配置される。接続部材80は、バスバー781とバスバー782とを有する。
電気回路50は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。基板51の少なくとも一部は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間にある。この実施形態によると、搭載場所に応じて薄い回路部分10bを提供できる。回路部分10bは、高さ方向HDにおける上部に配置されるから、水から電気回路50を保護することができる。また、回路部分10bの下側に提供される空洞により、電気回路50からの放熱を促進することができる。
第8実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。先行する実施形態では、基板51は、幅方向WDおよび奥行方向DDに広がる平面である。これに代えて、基板51は、電池ユニット20のいずれかの面と平行でもよい。
図29は、電池装置10内の部品の平面的な配置を示す。図30は、図29のF30−F30線における断面を示す。図中では、部品の配置を示すために、模式的な断面が示されている。
図示されるように、基板51は、電池ユニット20の端子面29mと平行に配置されている。接続部材80は、バスバー881とバスバー882とを有する。バスバー881、882は、ひとつ以上の曲げ部を有する。
電気回路50は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。接続部材80は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4とを規定する。電気回路50の少なくとも一部は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間にある。基板51は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間にある。スイッチ部品53の少なくとも一部は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間にある。この実施形態によると、薄い電池装置10が提供される。
第9実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。先行する実施形態では、電池ユニット20の端子面20mは、幅方向WDまたは奥行方向DDを指向している。これに代えて、電池ユニット20は、端子面20mを厚さ方向THへ指向させて配置してもよい。言い換えると、トータルプラス端子20pが電池ユニット20の厚さ方向THに面する面に配置される。
図31は、電池装置10内の部品の平面的な配置を示す。図32は、図31のF32−F32線における断面を示す。図中では、部品の配置を示すために、模式的な断面が示されている。
図示されるように、電池ユニット20は、端子面20mを厚さ方向THに指向させている。端子面20mは、重力方向の上方向を指向している。端子面20mは、下方向を指向していてもよい。接続部材80は、バスバー981とバスバー982とを有する。バスバー981、982は、ひとつ以上の曲げ部を有する。接続部材80は、端子面20mの上から、電池ユニット20の側方へ回り込んでいる。
電気回路50は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間にある。接続部材80は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4とを規定する。電気回路50は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間にある。この実施形態によると、電池ユニット20を収容するための部分と、その部分より薄い部分とを有する電池装置10が提供される。薄い部分は、電気回路50を収容するために利用することができる。
第10実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、基板51が電池ユニット20の側面と平行に配置される。
図33は、電池装置10内の部品の平面的な配置を示す。図34は、図33のF34−F34線における断面を示す。図中では、部品の配置を示すために、模式的な断面が示されている。
図示されるように、接続部材80は、バスバーA81を有する。バスバーA81は、ひとつ以上の曲げ部を有する。接続部材80は、端子面20mの上から、トータルプラス端子20pに近い角部を通って、電池ユニット20の側方へ延びている。この実施形態によると、薄い電池装置10が提供される。
第11実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、接続部材80がバスバーによって提供される。これに代えて、多様な電気的な接続部材により接続部材80を提供することができる。この実施形態では、接続部材80の一部に電線B81が利用される。
図35は、電池装置10の模式的断面を示す。図中では、部品の配置を示すために、模式的な断面が示されている。接続部材80は、電線B81を有する。電線B81は、例えば、大電流を流すことができる多芯導線によって提供される。電線B81の両端には、端子との接続に適した溶接端子、または圧着端子を設けることができる。例えば、トータルプラス端子20pと電線B81とは、溶接によって接続できる。なお、電気的な接続は、溶接、締め付けなど多様な接続構造によって提供される。接続部材80は、基板51に固定されたバスバーB82と、固定部材B83とを有する。バスバーB82は、金属製のナット部材でもある。このように、多様な部材をバスバーと呼ぶことができる。バスバーB82および固定部材B83は、電線B81と基板51との接続のために利用される。
この実施形態でも、電気回路50は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間に配置される。しかも、電気回路50は、第3仮想平面VP3と第4仮想平面VP4との間に配置される。接続部材80の少なくとも一部は、第1仮想平面VP1と第2仮想平面VP2との間に配置される。この実施形態でも、先行する実施形態と同様の効果が得られる。
第12実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、スイッチ部品53が基板51の上に搭載されている。これに代えて、スイッチ部品53は、基板51から離れていてもよい。
図36は、電池装置10の模式的断面を示す。基板51は、電気回路50の一部を搭載している。例えば、基板51は、モニタ端子27と接続されている。この場合、基板51には、複数の電池セル21の少なくとも電圧を監視するモニタ回路が搭載されている。基板51は、スイッチ部品53を制御するための制御回路を搭載することができる。
スイッチ部品53は、スイッチモジュール54と呼ばれる素子によって提供されている。スイッチモジュール54は、スイッチ部品53を収容する。スイッチモジュール54は、スイッチ部品53によって断続される電流を流すための少なくとも2つの電力端子を有している。電力端子は、電池ユニット20に向けて延びている。電力端子は、接続部材80としてのバスバーC81と接続されている。また、スイッチモジュール54は、スイッチ部品53を制御するための制御端子を有している。制御端子は、スイッチモジュール54から基板51に向けて延びている。制御端子は、基板51に接続されている。制御端子は、制御回路に接続されている。
比較的発熱が大きいスイッチ部品53が基板51から離れるから、電気回路50は熱的な利点を得ることができる。また、スイッチモジュール54を利用することで、大きい電流を制御しやすい。また、スイッチ部品53は、半導体スイッチ素子に代えて、リレーのような電気部品によって提供されてもよい。この実施形態によると、スイッチ部品53に起因する熱的な影響を抑制しながら、薄い電池装置10が提供される。
第13実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、L字型の基板51が用いられる。これに代えて、基板51を複数の基板D54、D55によって提供してもよい。
図37は、電池装置10の斜視図を示す。電池装置10は、電気回路50を有している。電気回路50は、スイッチ部品53を含む大電流のための回路と、スイッチ部品53の制御回路とを有する。電気回路50は、第1基板D54と、第2基板D55とを有する。第1基板D54は、スイッチ部品53を搭載している。第1基板D54は、電池ユニット20の電流が流れる回路を有する。例えば、車両に用いられる12ボルトにおいて、数百アンペアの電流を流すことができる。第2基板D55は、スイッチ部品53のための制御回路を搭載している。例えば、半導体の制御回路としての5ボルトにおいて、数ミリアンペアの電流を流すことができる。第1基板D54と第2基板D55との間には、複数のリード線D56が設けられる。複数のリード線D56と第1基板D54との間、および複数のリード線D56と第2基板D55との間は、はんだ、またはコネクタによって接続することができる。
この実施形態によると、スイッチ部品53を搭載した基板を電池ユニット20の端子面20mの近くに配置することができる。このため、比較的大きい電流が流れる経路を短くすることができる。また、スイッチ部品53などは発熱が大きいから、発熱が大きい部品を第1基板D54に集中させることができる。
第14実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、電池装置10の中に、電気回路50が配置されている。これに代えて、電池装置10の外部の電気回路90を利用してもよい。
図38は、電池装置10の斜視図を示す。電池装置10は、電気回路50を有している。電気回路50は、スイッチ部品53を搭載した基板51を含む。さらに、この実施形態の電池システムは、別体の電気回路E90を備える。電気回路E90は、電池装置10とは、別のハウジングの中に収容されている。電気回路E90は、例えば、電子制御装置である。電気回路50と、電気回路E90との間は、複数のリード線E91によって接続されている。複数のリード線E91と基板51との間、および複数のリード線E91と電気回路E90との間は、はんだ、またはコネクタによって接続することができる。
この実施形態では、少なくともスイッチ部品53が電気回路50に含まれる。スイッチ部品53は、基板51の上に搭載されている。電気回路E90は、少なくともスイッチ部品53のための制御回路を含む。この実施形態によると、スイッチ部品53を搭載した基板を電池ユニット20の端子面20mの近くに配置することができる。このため、比較的大きい電流が流れる経路を短くすることができる。また、制御回路が別体の電気回路E90として構成されるから、車両の上での多様な配置が可能である。また、電気回路E90の交換などのメンテナンスが容易となる。
他の実施形態
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記実施形態では、半導体スイッチ素子によりスイッチ部品53を提供した。これらの場合、電池ユニット20の入出力電流が半導体スイッチによって断続されている。これに代えて、いくつかの実施形態で述べたように、電磁リレーを採用してもよい。電池ユニット20の入出力電流が電磁リレーにより断続されることになる。
上記実施形態では、電気回路50は、複数のスイッチ部品53を備える。これに代えて、電気回路50は、単一のスイッチ部品53を備えていてもよい。また、電気回路50は、複数のスイッチ部品53を回路パッケージの中に収容したスイッチアレイを備えていてもよい。スイッチアレイは、基板51の上に搭載されていてもよいし、基板51から離れて支持されていてもよい。