JP2018098018A - リチウムイオン二次電池用負極活物質およびその製造方法並びに負極および電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極活物質およびその製造方法並びに負極および電池 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池用負極活物資として、急速充放電をおこなった場合のサイクル特性が良好であり、かつ、実用可能な程度に大きな電池容量を持つ負極活物質およびその製造方法を提供する。【解決手段】ケイ素と、銅原料と酸化リチウムを粉砕手段中に投入し、粉砕処理をすると同時に混合処理することにより、急速充放電をおこなった場合のサイクル特性が良好であり、かつ、実用可能な程度に大きな電池容量を持つ負極活物質を得ることができる。【選択図】図7

Description

本発明はリチウムイオン二次電池等の二次電池用の負極活物質に関するものであり、特にケイ素、銅、リチウム、酸素を主要な構成元素とする二次電池用負極活物質およびその製造方法、並びに、その負極活物質を用いた二次電池用負極およびその負極を用いた二次電池に関する。
近年、携帯型の電子機器、通信機器等の著しい発展に伴い、経済性と機器の小型化、軽量化の観点から、高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池が強く要望されている。従来、この種のリチウムイオン二次電池の高容量化の方策として、正極および正極活物質の改善、負極および負極活物質の改善等、様々な方法が検討されている。負極および負極活物質の改善として、負極活物質にケイ素(シリコン、Si)またはケイ素化合物を用いる方法が検討されている。ケイ素は現在実用化されている炭素材料の理論容量372mAh/gより遙かに高い理論容量4200mAh/gを示すことから、電池の小型化と高容量化において期待が大きい材料である。また、ケイ素はリチウムと合金化することが可能なため、充放電時のデンドライト発生による内部短絡が起こらない負極材として優れた特長を持っている。
例えば、特開平5−074463号公報(特許文献1)には、単結晶ケイ素を負極活物質の支持体として使用したリチウムイオン二次電池が開示されている。また、負極材に導電性を付与することを目的として、特開2000−243396号公報(特許文献2)には、酸化ケイ素と黒鉛とをメカニカルアロイングした後、炭化処理する技術が、特開2000−215887号公報(特許文献3)には、ケイ素粒子表面を化学蒸着法により炭素層で被覆する技術が、それぞれ開示されている。これらの従来技術の場合、ケイ素粒子表面に炭素層を設けることにより、負極材の導電性を改善することは可能であるが、充放電に伴う大きな体積変化に起因するケイ素負極活物質の低いサイクル特性という課題を解決することはできなかった。
ケイ素はリチウムと合金化した場合、体積が最大4倍程度に膨張する。そのため、充放電サイクルを繰り返すと、ケイ素粒子内に大きな内部歪が生じ、ケイ素粒子が微粉化することによりサイクル特性が低下すると考えられている。ケイ素負極活物質のもつ低いサイクル特性という課題を解決するために、様々な方法が検討されている。特開2004−335271号公報(特許文献4)には、ケイ素とチタン、ニッケル、銅等の金属をボールミルでメカニカルアロイし、負極活物質を得る技術が開示されている。特開2010−244767号公報(特許文献5)には、ケイ素粒子と銅粒子を乾式アトライタで処理して、負極活物質を得る技術が開示されている。特開2012−113945号公報(特許文献6)には、ケイ素の粗粉をビーズミルで破砕し、引き続き導電性基材粉として銅粉を加え、せん断応力を加えることにより凝集体を得る技術が開示されている。しかし、これらの技術を用いても、負極活物質単位質量あたりの電池容量やサイクル特性等の、負極活物質に起因する電池特性の改良は現時点では十分とは言えなかった。特開2015−65146号公報(特許文献7)、特開2016−35825公報(特許文献8)には、ケイ素と酸化銅(2)を粉砕手段に投入し粉砕処理を行うことにより、電池容量やサイクル特性が改善された負極活物質が得られる技術が開示されている。
特開平5−074463号公報 特開2000−243396号公報 特開2000−215887号公報 特開2004−335271号公報 特開2010−244767号公報 特開2012−113945号公報 特開2015−065146号公報 特開2016−035825号公報
ケイ素またはケイ素化合物を用いる負極活物質は、その高い理論容量から、電池の小型化と高容量化において期待が大きく、負極活物質単位質量あたりの電池容量とサイクル特性を同時に一定以上の水準にすることが求められていた。特許文献7および8の技術は、電池容量とサイクル特性を同時に一定以上の水準にするこという点では改善されたが、本発明者らが検討した結果、急速充放電をおこなった場合、サイクル特性が大きく損なわれることが分かった。ケイ素を用いた負極活物質を使用した二次電池が広く使用されるためには、急速充放電をおこなった場合のサイクル特性を向上する必要性が高い。本発明で解決しようとする課題は、急速充放電をおこなった場合のサイクル特性が良好であり、かつ、リチウムイオン二次電池用負極活物資として実用可能な程度に大きな電池容量を持つ負極活物質およびその製造方法を提供することである。また、この負極活物質を用いた負極および二次電池、およびこれらの製造方法を提供することである。
本発明者らが鋭意検討した結果、ケイ素と銅原料と酸化リチウム(Li2O)を粉砕手段に投入し粉砕処理を行うと同時に、粉砕物を混合することにより、ケイ素、銅、リチウム、酸素を主要な構成元素とする二次電池用負極活物質得られ、この本発明の二次電池用負極活物質は、急速充放電をおこなった場合でもサイクル特性が良好であり、リチウムイオン二次電池用負極活物資として実用可能な程度に大きな電池容量を持つ負極活物質であることを見出し、本発明を完成するに至った。前記銅原料は、金属銅(すなわち銅(0))、酸化銅(2)のうちの1種まだはこれらの混合物である。なお、酸化銅のあとのカッコ内の数字は、酸化数を表すもので、本来、ローマ数字で表記すべきものである。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下を提供する。すなわち、
ケイ素、銅、リチウムおよび酸素を主要な構成元素とするリチウムイオン二次電池用負極活物質であって、Cu3SiおよびX回折法(XRD)により測定される平均結晶子径(Dx)が50nm以下、好ましくは30nm以下でのケイ素粒子を含み、かつ、モル比で示される元素組成比Cu/(Si+Cu+Li+O)およびO/(Si+Cu+Li+O)が0.02〜0.20であり、モル比で示される元素組成比Li/(Si+Cu+Li+O)が0.02〜0.30、好ましくは0.03〜0.15であり、XRDの測定結果から算出されるピーク強度比(Cu3Si/Si)が0.05から1.0であるリチウムイオン二次電池用負極活物質が提供される。
このリチウムイオン二次電池用負極活物質は、非晶質のケイ素酸化物を含むものであって良く、その場合は、X線光電子分光分析法(XPS)の測定結果から算出される負極活物質のピーク面積比(SiOx/Si(0))が0.06〜0.72であっても良い。
また、このリチウムイオン二次電池用負極活物質は、モル比で示される元素組成比Li/(Si+Cu+Li+O)が0.02〜0.2であっても構わない。
また、本発明においては、前記のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法として、ケイ素と銅原料と酸化リチウムを粉砕手段中に投入し、粉砕する工程を含む、リチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法が提供される。このリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法においては、銅原料として金属銅または酸化銅(2)の何れを用いても良く、粉砕手段にさらに水を投入しても良い。
本発明により得られるリチウムイオン二次電池用負極活物質を用いてリチウムイオン二次電池用負極が、またそのリチウムイオン二次電池用負極を用いてリチウムイオン二次電池を製造することができる。
以上、本発明においては、ケイ素と銅原料と酸化リチウム(Li2O)を粉砕処理すると同時に粉砕物を混合することにより、ケイ素、銅、リチウムおよび酸素を主要な構成元素とするリチウムイオン二次電池用負極活物質が得ることができる。また、粉砕処理をおこなう際に前記物質に水を添加することができる。この二次電池用負極活物質は、急速充放電をおこなった場合でもサイクル特性が良好であり、かつ、リチウムイオン二次電池用負極活物資として実用可能な程度に大きな電池容量を持つ。また、その負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を得ることが出来る。
実施例1の負極活物質のXPS測定結果。 実施例1の負極活物質の走査電子顕微鏡(SEM)写真。 実施例1の負極活物質のXRD測定結果。 実施例2の負極活物質のXRD測定結果。 実施例3の負極活物質のXRD測定結果。 比較例4の負極活物質のXRD測定結果。 実施例1の負極活物質の走査電子顕微鏡写真。 実施例1の負極活物質の走査電子顕微鏡(SEM)写真。 実施例1の負極活物質の透過電子顕微鏡(STEM)写真。 実施例1の負極活物質のEDX測定結果(対象元素:Si)。 実施例1の負極活物質のEDX測定結果(対象元素:Cu)。 評価用電池の充放電サイクル特性測定結果を示す図。
[負極活物質]
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、原料であるケイ素と銅原料と酸化リチウム(Li2O)とを、公知の粉砕手段中で粉砕処理を行うと同時に、粉砕された原料を混合することにより得られる。粉砕手段への原料投入のタイミングは、使用する原料の大きさに依存し、必ずしも同時に投入することを要さないが、原料物質を同時に投入することが好ましい。前記銅原料は、金属銅(すなわち銅(0))、酸化銅(2)のうちの1種またはこれらの混合物とすることが好ましい。また、前記原料に加えて、水を粉砕手段に投入してもよい。
粉砕、混合処理する前の銅原料についてのX線回折(XRD)パターンでは銅原料の種類に応じて酸化銅(2)または金属銅に対応するピークが観察されるが、各実施例により得られた負極活物質のXRDパターンには、酸化銅(2)または金属銅に対応するピークは認められず、2θが44.8°付近にピークが認められ、これはCu3Siが存在することを示している。また、ケイ素に対応するピークの半値幅が、粉砕処理により増大しており、粉砕処理によりケイ素が微結晶化してケイ素の結晶子径が小さくなっていることが判る。なお、後述する様に、本明細書における2θの値は、X線源としてCu管球を用いた場合の値である。
図1に、後述する実施例1において得られた負極活物質について、X線光電子分光分析法(XPS)により得られた、ケイ素の2pピークのスペクトルを示す。Si2pスペクトル中には金属状態のケイ素(Si(0))に対応するピーク以外に、酸化状態の異なる複数の酸化物に対応するピークが観察され、低級酸化物を含むケイ素の酸化物、すなわちSiOx(ただし0<x<2)が存在していることが判る。すなわち、粉砕処理中、ケイ素は還元剤として作用し、酸化銅(2)、酸化リチウム、水のいずれか1つ以上に含まれる酸素の一部または全部を奪って、ケイ素自体は酸化したものと考えられる。Si(0)、SiOxに対応するピークをピーク分離し、分子をSiOxに対応する各ピークの面積の和、分母をSi(0)に対応するピークの面積としたピーク面積比(SiOx/Si(0))は、0.06〜0.72であることが好ましい。従来技術であるSi(0)と金属銅を粉砕処理して得られる負極活物質と比較すると、特許文献7、8に記載の負極活物質は、サイクル特性が向上している。本発明者らは、このサイクル特性の向上には、負極活物質中にSiOxが存在していることが貢献していると考えている。
特許文献7、8に記載されているケイ素と酸化銅(2)に対してせん断力を加えることにより得られる負極活物質と比較して、本発明の負極活物質が、急速充放電をおこなった場合のサイクル特性が良好である理由は現時点で特定できていないが、本発明者らは、以下のように推定している。本発明の負極活物質は、ケイ素および酸化銅、またはケイ素と金属銅と水とを粉砕して得られた負極活物質に、さらに、それ自身は負極活物質の必須構成元素ではないリチウムを構成元素に有するリチウム化合物を含有することに特徴がある。詳細な機構はわかっていないが、このリチウム化合物を含有することにより、負極活物質中の電子やリチウムイオンの移動度が高くなり、結果として、高速充放電に伴う大きな体積変化に起因するケイ素負極活物質のサイクル特性の劣化が生じにくくなっていると考えられる。
本発明の負極活物質に含まれるCu3Siは、XRDの測定結果から後述する方法で得られるピーク強度比(Cu3Si/Si)が0.05〜1.0の範囲であることが好ましい。ピーク強度比(Cu3Si/Si)が0.05未満の場合には、サイクル特性が十分向上しない場合があり、1.0を超える場合には、負極活物質に含まれる結晶性のSiの割合が少なくなり、初期放電容量が十分得られない場合があり、ピーク強度比(Cu3Si/Si)は、0.05〜0.5の範囲であることが更に好ましく、0.05〜0.3の範囲であることが一層好ましい。本発明の電極活物質の複合体には、処理中に形態が変化しなかった銅原料である酸化銅(2)または金属銅の微粒子が極少量含まれることも考えられるが、その存在自体は特に問題とならない。
ケイ素結晶を微細化すると、ケイ素微結晶の体積変動の絶対値が小さくなるため、リチウムイオンの吸放出に伴うケイ素微結晶の体積変化に基づく電池特性の劣化を抑制する観点から、ケイ素結晶をより微細化することが好ましいと考えられる。
本発明において得られるリチウムイオン二次電池用負極活物質中に含まれるケイ素微結晶の平均粒子径は、後述するX線回折法(XRD)により測定される平均結晶子径(Dx)で50nm以下が好ましく、より良好なサイクル特性(容量維持率)を得るためには30nm以下であることがさらに好ましい。結晶子径が50nmを超える場合には、サイクル特性が十分向上しない場合があるので、好ましくない。Dxの下限は特に限定されないが、粉砕処理によって1nm未満にすることは困難であり、現実的には1nm以上となる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、ケイ素、銅、リチウム、酸素を主要な構成元素とするものであり、これらの元素のモル比で示される元素組成比Cu/(Si+Cu+Li+O)およびO/(Si+Cu+Li+O)は、サイクル特性と活物質単位質量あたりの容量を同時に高くする観点から、それぞれ0.02〜0.20の範囲内であることが好ましい。これらの元素組成比としては、0.03〜0.15であることがさらに好ましく、0.04〜0.12であることがより好ましい。前記元素組成比が、0.02未満の場合には、サイクル特性が十分向上しない場合があり、前記元素組成比が、0.20を超える場合には、活物質単位質量あたりの電池容量が小さくなる場合があるので好ましくない。本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質のモル比で示される元素組成比Li/(Si+Cu+Li+O)が、0.02〜0.30の範囲内であることが好ましい。前記元素組成比が、0.02未満の場合には、その負極活物質を使用して製造したリチウムイオン二次電池に対して急速充放電をおこなった場合のサイクル特性が十分に向上しない場合がある。前記元素組成比が、0.30を超える場合には、活物質単位質量あたりの電池容量が小さくなる場合があるので好ましくない。元素組成比Li/(Si+Cu+Li+O)は、0.02〜0.2の範囲内であることが更に好ましい。これらの元素組成比の値は、原料の配合比率を変化させることにより制御することができる。尚、本発明では、負極活物質の元素組成比とは、負極活物質に対して充電操作をおこなう前の状態での負極活物質の元素組成比を指す。
本発明の負極活物質に、ケイ素、銅、リチウム、酸素以外の構成元素を含む物質が混入していても、その混入量が一定以下であれば、本発明の効果を奏することが可能である。前記のケイ素、銅、リチウムおよび酸素を主要な構成元素とするリチウムイオン二次電池用負極活物質とは、負極活物質中のケイ素、銅、リチウムおよび酸素の含有量が合計で80質量%以上であることを意味する。前記含有量は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上が更に好ましい。
[出発物質]
ケイ素
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造に用いられる出発物質のケイ素としては、ケイ素からなるものであればその形態は特に問わない。市販のシリコン基板(単結晶、多結晶)、原料用多結晶や非晶質ケイ素を始めとした純ケイ素以外に、ケイ素合金も用いることができる。本発明の負極活物質の製造方法には、粉砕手段による粉砕のステップが含まれるので、出発物質のケイ素の大きさは特に規定するものではないが、作業性の観点から、1mm以下とすることが好ましい。
酸化銅(2)
出発物質の酸化銅(2)としては、市販の酸化銅(2)粉等、いかなるものでも用いることができる。
金属銅
出発物質の金属銅としては、市販の金属銅粉等を用いることができる。なお、金属銅の表面に水酸化銅または酸化銅が生成することもあるが、それらを含めて金属銅と称する。本発明の負極活物質の製造方法には、粉砕手段による粉砕のステップが含まれるので、出発物質の金属銅の大きさは特に規定するものではないが、作業性の観点から、1mm以下の粉状とすることが好ましい。
酸化リチウム
出発原料の酸化リチウム(Li2O)としては、市販の酸化リチウム粉等を用いることができる。

水の純度については、特に規定しないが、不純物低減の観点から、イオン交換水、逆浸透水、蒸留水などの、純度の高い水を用いることが好ましい。粉砕手段に投入する水の量が過剰であると、得られる粉砕処理して得られる負極活物質の元素組成比O/(Si+Cu+Li+O)が大きくなりすぎることがある。具体的には、銅原料として金属銅のみを用いる場合には、ケイ素に対する水の質量比(H2O/Si)は、0.5以下が好ましく、0.2以下が更に好ましい。
[粉砕手段]
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法においては、ケイ素と銅原料と酸化リチウム(Li2O)と場合によっては水とを粉砕すると同時に混合するために、粉砕手段を用いる。粉砕手段としては、振動ミル、ボールミル等の公知の粉砕手段のいずれを用いても構わない。なお、使用する原料の大きさが大幅に異なるときは、最初に大きいほうの原料を粉砕し、その後残りの原料を投入し、粉砕と同時に混合処理しても構わない。粉砕メディアも、特に限定されないが、ジルコニアボール等を用いることができる。粉砕手段に、秤量した出発物質のケイ素と酸化銅(2)、またはケイ素と銅と水とを入れ、撹拌しながら出発物質を粉砕することにより、本発明の負極活物質を得ることができる。なお、出発原料、粉砕メディアとともに撹拌用溶媒を粉砕手段に投入して粉砕することもできる。撹拌用溶媒には非極性の有機溶媒を用いることが出来る。また、粉砕手段でケイ素と酸化銅(2)と酸化リチウム、またはケイ素と銅と酸化リチウムと水を入れる容器は、得られる負極活物質の元素組成比(O/(Si+Cu+Li+O))の制御性を向上するために密封できる構造とすることができる。
前記粉砕処理の際、回転数、振動数、処理時間等の粉砕処理の適切な条件範囲は、原料投入量、装置仕様、粉砕メディア等の条件により変化するので適宜設定すればよい。粉砕メディアを用いて粉砕処理をおこなった場合、粉砕処理後に、ふるい等を用いて粉砕メディアを除去して、本発明の負極活物質を得る。
[リチウムイオン二次電池用負極]
本発明の負極活物質を用いて、公知の方法により、リチウムイオン二次電池用負極を作製することができる。例えば、前記負極活物質に適当なバインダ(結着剤)を混合し、必要に応じて導電性の向上のために適当な導電性粉末を混合する。この混合物にバインダが溶解する溶媒を加え、必要に応じて公知の撹拌機により十分に撹拌してスラリー状にする。この負極活物質を含むスラリーを、ドクターブレードなどを用いて圧延銅箔などの電極基板(集電体)に塗布し、乾燥した後、必要に応じてロール圧延などによって圧密化して、非水電解質二次電池用負極を作製することができる。
[リチウムイオン二次電池]
前述のようにして製造された負極を用いてリチウムイオン二次電池を組立てることが出来るが、他の非水電解質二次電池を作製することも可能である。リチウムイオン二次電池は、基本構造として負極、正極、セパレータおよび非水系の電解質を含んでおり、前述の手順により作製された負極と、公知の正極、セパレータおよび電解質を用いて、リチウムイオン二次電池を組立てることができる。
[評価用電池の製造方法]
本発明により得られるリチウムイオン二次電池負極活物質の性能評価は、以下の手順で行った。
得られた粉末(負極活物質)1.0質量部にアセチレンブラック0.14質量部と宇部興産(株)製ポリイミド樹脂(商標名:U−ワニスA、固形分18質量%)1.56質量部およびN-メチルピロリドン1.28質量部を加え、撹拌してスラリーを得た。このスラリーを50μmのドクターブレードを使用して厚さ10μmの銅箔(負極集電体)に塗布し、窒素雰囲気中、70℃で20分乾燥後、650℃で3時間真空焼成した。焼成後に19.6MPa(200kgf/cm2)で加圧をおこなった後、1.5cm2に打ち抜き、負極成型体とした。
評価用電池は、以下の手順で作製した。正極材料としてLiCoO2を活物質とし、正極集電体には、アルミ箔を用いた単層シート(宝泉(株)製)を用いた。非水電解質溶液には、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびジメチルカーボネートの60:25:15(体積比)混合液に、六フッ化リン酸リチウムを1mol/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用い、セパレータに厚さ50μmのポリエチレン製微多孔質フィルムを用いてコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。得られた評価用電池を用いて、負極成型体の初回充放電効率及びサイクル特性を評価した。
[電池容量、サイクル特性評価方法]
作製した評価用リチウムイオン二次電池は、室温で3時間放置した後、充放電装置((株)北斗電工製)を用い以下の方法で活性化充放電処理を行った。テストセルの電圧が4.2Vに達するまで0.01mA定電流で充電を行い、電圧が4.2Vに達した後は、セル電圧を4.2Vで一定に保つように電流を調整して充電を行い、電流の値が1μAを下回った時点で充電を終了した。充電終了後、放電を0.01mA定電流で行い、セル電圧が1.6Vを下回った時点で放電を終了した。
活性化充放電処理を行った後、充放電装置((株)北斗電工製)を用いテストセルの電圧が4.2Vに達するまで表1に示す充放電レートとなる電流(定電流)で充電を行い、4.2Vに達した後は、セル電圧を4.2Vで一定に保つように電流を調整して充電をおこない、電流値が10μAを下回った時点で充電を終了した。放電は表1に示す充放電レートとなる電流(定電流)で行い、セル電圧が1.6Vを下回った時点で放電を終了し、放電容量を求めた。この充放電および放電容量測定の操作(充放電試験)を30回繰り返し、評価用リチウムイオン二次電池の30サイクルの充放電試験を行った。各サイクルにおける充放電レートの値を表1に示す。
具体的には、実施例1、2および比較例1、2では、1回目から5回目の充放電試験の定電流値が充放電レート0.05Cとなるような定電流値で充放電試験を行い、6回目以降30回目まではそれぞれ表1に示す充放電レート0.05Cとなるような定電流値で充放電試験を行った。最終の30回目の充放電レート0.05Cは、1回目から5回目の充放電試験の充放電レートと同じである。実施例3および4では、1回目から30回目まで全て、充放電試験の定電流値が充放電レート1.0Cとなるような定電流値で充放電試験を実施した。
[負極活物質の元素組成比測定方法]
得られた負極活物質中のLi含有量は、以下の方法で求めた。負極活物質をフッ化水素酸と硝酸の混酸水溶液で溶解して負極活物質溶解液を得て、その負極活物質溶解液をICP−AES法(ICP発光分光分析法)で負極活物質溶解液のLi濃度を測定した。前記Li濃度と負極活物質溶解液の質量から、負極活物質中に含有されているLiの質量(A)を求めた。混酸水溶液で溶解した負極活物質の質量(B)として、(A)/(B)を負極活物質中のLi含有率とし、この値を負極活物質の元素組成質量比(Li/(Si+Cu+Li+O))とした。
得られた負極活物質のSi、Cu、Oの元素組成比は、走査型電子顕微鏡(Hitachi SU−8000)および電子顕微鏡用エネルギー分散型X線分析システム(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製NORAN System 7、NSS312E)を用いて、以下の方法で測定した。測定領域を200μm×200μmとし、加速電圧10kVで、試料の異なる10箇所について、Si、Cu、Oの元素組成質量比を測定し、得られた10個の測定値の平均値から元素組成質量比(Si/(Si+Cu+O)、O/(Si+Cu+O)、Cu/(Si+Cu+O))を計算した。これらの元素組成質量比の値に、(1−(Li/(Si+Cu+Li+O))の値を掛けた数値をそれぞれ、負極活物質の元素組成質量比(Si/(Si+Cu+Li+O)、O/(Si+Cu+Li+O)、Cu/(Si+Cu+Li+O))とした。これら4つの負極活物質の元素組成質量比から、モル比で示される元素組成比(Si/(Si+Cu+Li+O)、O/(Si+Cu+Li+O)、Cu/(Si+Cu+Li+O))を計算した。
[負極活物質のX線回折評価方法]
得られた負極活物質について、X線回折装置(株式会社リガク製、RINT−2000)によりCu線源(40kV/20mA)の条件で測定して、X線回折(XRD)の評価をおこない、X線回折パターンを得た。
XRDの測定結果からSiの平均結晶子径(Dx)を算出する場合には、X線回折パターンから得られたSi相の(111)面の半値幅βを用いて、Scherrerの式 D=(K・λ)/(β・cosθ)を用いて結晶子径(Dx)を算出した。なお、Scherrerの式において、Dは結晶子径(nm)、λは測定X線波長(nm)、βは結晶子による回折幅の広がり(半値幅、ラジアン)、θは回折角のブラッグ角、KはScherrer定数を示し、この式中の測定X線波長λを0.154nm、Scherrer定数Kを0.9とした。
XRDの測定結果から、分子をCu3Siに対応するピーク高さ、分母をSiに対応するピーク高さとしたピーク強度比(Cu3Si/Si)を以下の方法で算出した。Cu3に対応するピーク高さは、2θが44.8°付近にピークがあるCu3Siに対応するピークと2θが47.4°付近にピークがあるSiに対応するピークをピーク分離し、ピーク分離の結果得られた2θが44.8°付近にピークがあるプロファイルのピーク高さをCu3Siに対応するピーク高さとし、
2θが28.4°付近にピークがあるピークの高さをSiに対応するピーク高さとして、これらのピーク高さからピーク強度比(Cu3Si/Si)を算出した。
[負極活物質のX線光電子分光分析評価方法]
負極活物質のX線光電子分光分析評評価は、X線源としてモノクロメーターにより単色化されたAlKα線を用い、測定領域φ0.62mm、光電子の取り出し角度45°の条件で測定を行った。測定前に、試料表面をシリコン基板が100nmの深さでエッチングされる条件でArスパッタエッチングをおこなった。Si2pスペクトル中には金属状態のケイ素(Si(0))に対応するピーク以外に、高結合エネルギー側にシフトした複数のピークが観察された。この高結合エネルギー側にシフトした複数のピークは酸化状態の異なる複数の酸化物(低級酸化物を含むケイ素の酸化物、すなわちSiOx(ただし0<x<2))に対応するピークと判断される。Si(0)、SiOxに対応するピークをピーク分離し、分子をSiOxに対応する各ピークの面積の和、分母をSi(0)に対応するピークの面積としたピーク面積比(SiOx/Si(O))を算出した。
[実施例1]
平均粒径が5μmである粒状Si(高純度化学研究所製、純度99.9%)1.806gと、粒状Cu(高純度化学研究所製、純度99.9質量%、平均粒径5μm)0.214gと、酸化リチウム粉(販売元和光純薬工業、販売元コード127−06062)0.194gと、直径15mmのジルコニアボール7個を粉砕ポット(ステンレス製、容量45cm3)に入れ密封した。この粉砕ポットを遊星ボールミル(Fritsch社製、Pulverisette−7)にセットし、回転速度600rpmの条件で、3時間粉砕処理を実施した。粉砕ポットの内容物から、ジルコニアボールを分離し、負極活物質を得た。粉砕処理をした原料の量(仕込み量)から計算した元素組成比、得られた負極活物質のXRDのSi(111)ピークの半値幅および結晶子径、ピーク強度比(Cu3Si/Si)を表2に示し、XPS測定結果を図1に、走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図2に、XRD測定結果を図3(a)にそれぞれ示す。なお、図2のSEM写真において、下部右側に示す縦の白線11本全体で示す幅が5μmである。
実施例1で得られた負極活物質のXPSスペクトル中のSi2pピーク(図1)は、酸化数0〜4に対応する5つのピークに分離することができた。このことは、得られた負極活物質には酸化数の異なるSi酸化物が存在していることを示している。なお、ここで実施例2〜4で得られた負極活物質についてのXPS測定結果は図示しないが、同様のスペクトルが得られている。実施例1〜4で得られた負極活物質のピーク面積比(SiOx/Si(0))は、いずれも0.1〜0.6の範囲内であった。
実施例1により得られた負極活物質のXRDパターン(図3(a))には、2θが44.8°付近にピークが認められ、当該負極活物質中にCu3Siが存在することが判る。なお、後述する実施例2〜4で得られた負極活物質のXRDパターン(図3(b)〜(d))においても、θが44.8°付近にピークが観察され、本発明により得られる負極活物質中がCu3Siを含むことが判る。
前述した負極活物質の元素組成比測定方法により計算した実施例1〜4で得られた負極活物質のモル比で示される元素組成比の値は、各元素とも表1に記載の原料配合量から算出した元素組成比の0.9倍から1.1倍の範囲内であり、請求項1および請求項5に規定する各元素の元素組成比の範囲内であった。
得られた負極活物質の圧紛体を作製し、その圧粉体を集束イオンビーム(FIB)加工装置を用いて切断し、その圧粉体切断面について調べた。圧粉体切断面を走査型電子顕微鏡で観察した走査型電子顕微鏡写真を図4に示す。また、圧粉体切断面を透過電子顕微鏡の走査モード(STEM)で観察したSTEM写真を図5に示す。また、圧粉体切断面をSTEM−EDXで測定した結果を図6に示す。ここで、図4のSEM写真において、下部右側に示す縦の白線11本全体で示す幅が500nmであり、図5(b)のそれは10nmである。図5(a)および図6(a)、(b)については、図中に縮尺を示してある。
図5(b)は、STEM−EDX測定で、Siが多く存在する部分を高倍率で撮影したSTEM写真である。金属状態のSiは良好な結晶性を示すが、このSTEM写真には、間隔が3.1nm程度の縞模様が認められる領域が点在し、その縞模様が認められる領域以外の領域では、規則的な模様が観察されなかった。このことは、実施例1で得られた負極活物質中には、結晶性のよい金属状態のSiが点在するとともに、同時に結晶格子の乱れた非晶質なSiも存在していることが考えられる。
得られた負極活物質を用い、前述の手順で評価用電池を作製し、負極活物質の性能を評価した。充放電試験の結果を表2および図7に示す。表2では、1サイクル目の充放電における放電容量を初期放電容量とし、この初期放電容量に対する25サイクル目の放電容量の比率を25サイクル目容量維持率(%)として、この初期放電容量に対する30サイクル目の放電容量の比率を30サイクル目容量維持率(%)として示した。ここで、充放電容量は、負極活物質の単位質量あたりの容量を示す。なお、表1には、実施例2〜4および比較例1および2についての結果も併せて示す。図7では、実施例1〜4および比較例1、2についての各サイクル数と各サイクル数における放電容量の関係を示した。
図7の結果から、本実施例により得られた負極活物質は、急速充放電を多数回繰り返しても、高い充放電容量(容量維持率)を示すことが判る。
[実施例2]
負極活物質製造の際、粒状Siおよび酸化リチウム粉、CuO粉(株式会社レアメタリック製、純度99.9質量%、平均粒径1μm)を用い、それらの量を表2に記載の値に変更した以外は、実施例1と同様にして、負極活物質およびそれを用いた電池を作製し、評価をおこなった。粉砕処理をした原料の量(仕込み量)から計算した元素組成比、得られた負極活物質のXRDのSi(111)ピークの半値幅および結晶子径、ピーク強度比(Cu3Si/Si)を表2に、充放電試験の結果を図7に合せて示す。
[実施例3、4]
負極活物質製造の際、粒状Si、粒状Cu、酸化リチウム粉の量を表2に記載の値に変更したことと、電池容量、サイクル特性評価方法における電流値を表1の実施例3、4として記載した値としたこと以外は、実施例1と同様にして、負極活物質およびそれを用いた電池を作製し、評価をおこなった。粉砕処理をした原料の量(仕込み量)から計算した元素組成比、得られた負極活物質のXRDのSi(111)ピークの半値幅および結晶子径、ピーク強度比(Cu3Si/Si)を表2に、充放電試験の結果を図7に合せて示す。
[比較例1]
負極活物質製造の際、粒状Si、CuO粉(株式会社レアメタリック製、純度99.9質量%、平均粒径1μm)を用いて、それらの量を表2に記載の値に変更した以外は、実施例1と同様にして、負極活物質及びそれを用いた電池を作製し、評価をおこなった。
[比較例2]
負極活物質製造の際、粒状Siを用い、その量を表2に記載の値に変更した以外は、実施例1と同様にして、負極活物質及びそれを用いた電池を作製し、評価をおこなった。
比較例1および2についての粉砕処理をした原料の量(仕込み量)から計算した元素組成比、得られた負極活物質のXRDのSi(111)ピークの半値幅および結晶子径、ピーク強度比(Cu3Si/Si)を表2に、充放電試験の結果を図7に合せて示す。
上述の様に、本発明の製造方法により得られた負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、急速充放電をおこなった後でも高い充放電容量(容量維持率)を示し、優れた性能を示した。実施例3、4の結果は、本発明の製造方法により得られた負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、高い電流値で充放電を30回おこなった後でも高い充放電容量(容量維持率)を示した。

Claims (13)

  1. ケイ素、銅、リチウムおよび酸素を主要な構成元素とするリチウムイオン二次電池用負極活物質であって、Cu3SiおよびX回折法(XRD)により測定される平均結晶子径(Dx)が50nm以下のケイ素粒子を含み、かつ、モル比で示される元素組成比Cu/(Si+Cu+Li+O)およびO/(Si+Cu+Li+O)が0.02〜0.20であり、モル比で示される元素組成比Li/(Si+Cu+Li+O)が0.02〜0.30であり、XRDの測定結果から算出されるピーク強度比(Cu3Si/Si)が0.05から1.0であるリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  2. 非晶質のケイ素酸化物を含む、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  3. X線光電子分光分析法(XPS)の測定結果から算出される負極活物質のピーク面積比(SiOx/Si(0))が0.06〜0.72である請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  4. モル比で示される元素組成比Cu/(Si+Cu+Li+O)およびO/(Si+Cu+Li+O)が0.03〜0.15である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  5. モル比で示される元素組成比Li/(Si+Cu+Li+O)が0.02〜0.2である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  6. X線回折法により測定される平均結晶子径(Dx)が30nm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の、リチウムイオン二次電池用負極活物質。
  7. ケイ素と銅原料と酸化リチウムを粉砕手段中に投入し、粉砕する工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  8. 前記銅原料が金属銅である請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  9. 前記銅原料が酸化銅(2)である請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  10. 粉砕手段にさらに水を投入することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を用いることを特徴とする、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質と負極集電体を有する、リチウムイオン二次電池用負極。
  13. 請求項12に記載のリチウムイオン二次電池用負極、正極、セパレータおよび非水系電解液を有する、リチウムイオン二次電池。
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