JP2018097072A - 押圧パッド、およびそれを利用する定着装置と画像形成装置 - Google Patents

押圧パッド、およびそれを利用する定着装置と画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シートに対する荷重を切り換えても、軸方向におけるニップ圧分布を良好に維持することが可能なベルト式の定着装置を提供する。【解決手段】押圧パッド(311)は定着回転体(32)の外周面との間に定着ベルト(31)を挟んでニップを形成する。このニップにおいて定着ベルトに接触する押圧面(315)は、定着回転体の軸方向(Z軸方向)に対して垂直な平面(VPb、VPe)における輪郭に、ニップの形成時、定着ベルト越しに定着回転体の外周面と最初に接触する基準領域(Pr)と、基準領域からニップの幅方向(Y軸方向)に閾値距離(DTH)だけ離れた境界領域(Pc)とを含む。外力(fP)の除去に従ってニップを解消した押圧パッドでは、定着回転体の軸方向における中央部(401)から端部(402)へ向かうほど、基準領域を基準とする境界領域の位置が定着回転体とは反対側(X軸の負方向)へ移動している。【選択図】図4

Description

本発明は電子写真式の画像形成装置に関し、特に、その定着装置の構造に関する。
レーザープリンター、ファクシミリ機、コピー機等、電子写真式の画像形成装置には定着装置が備えられている。定着装置は、印刷用紙、原稿等のシートにトナー像を定着させるための装置である。特に熱定着を行う機種は定着部材と加圧部材とを含む。各部材はローラーまたはベルト等の回転体である。両部材がいずれもローラーであるもの(たとえば特許文献1参照。)を「ローラー式」と呼び、いずれかがベルトであるもの(たとえば特許文献2−6参照。)を「ベルト式」と呼ぶ。熱定着では定着部材が加熱されると共に、その外周面に加圧部材の外周面が押し付けられてニップが形成され、その状態で両部材が互いに逆方向に回転する。このニップにシートが通紙されることにより、そのシートの表面に熱と圧力とが加えられる。その表面に付着しているトナー粒子は、シートがニップを通過している間に溶融してその表面に浸潤し、シートがニップを抜け出すと冷却されて再び固化する。こうして、トナー像がシートの表面に定着する。
定着装置に一般的な課題としては、トナーの定着むらと紙しわとが知られている。定着部材に加圧部材が押し付けられると各部材は一般に、軸方向に対して垂直にたわむ。これらのたわみに従い、両部材間のニップを通過する際にシートが受ける圧力(以下、「ニップ圧」という。)は軸方向において変動する。この変動が過大である場合、ニップ圧が不足する領域ではトナーが定着しきれずに欠落する結果、トナー像に擦れ等の画質不良が現れかねない。逆に、ニップ圧が過剰な領域では他の領域よりもシートが定着部材と加圧部材とのいずれかに巻き付きやすいので、それらの領域間の境目でシートが変形する結果、紙しわが生じかねない。
このような定着むらと紙しわとを防ぐ工夫としては、たとえば以下に列挙する技術が知られている。ローラー方式では、軸方向におけるニップ圧の変動に起因するシートの速度のばらつきに合わせて、定着ローラーに対して加圧ローラーの加える力が調節される(たとえば特許文献1参照)。これにより、軸方向においてシートの速度が均一化されるので定着むらと紙しわとが抑えられる。ベルト方式では、定着部材に加圧部材が押し付けられることにより、いずれかの部材が含むローラー、または押圧パッドもしくはその保持部材が軸方向に対して垂直にたわむ。このたわみが軸方向における、押圧パッドの硬度の違い(たとえば特許文献2参照。)、保持部材の弾性の違い(たとえば特許文献3参照。)、または押圧パッドの表面の起伏(たとえば特許文献4−6参照。)によって相殺され、または吸収される。その結果、軸方向においてニップ圧が均一化するので定着むらと紙しわとが抑えられる。
特開2009−300472号公報 特開2009−109931号公報 特開2014−199309号公報 特開2013−160910号公報 特開2013−195991号公報 特開2014−178555号公報
近年、SOHO等の小規模オフィスだけでなく一般家庭にも、プリンター、複合機(MFP)の普及が進んでいる。これに伴い、電子写真式の機種に対しても更なる小型化と省電力化とが求められている。これらの要求に応えるには、定着装置はローラー式よりもベルト式が有利であると期待されている。実際、ローラーに比べてベルトは、薄肉であるので小型化が容易であり、熱容量が小さいので消費電力が低減させやすい。
しかし、ベルト式はローラー式とは異なり、薄紙、封筒等、SOHOや家庭で多用される紙種への良好な対応が難しい。これは以下の理由に因る。これらの紙種は普通紙と比べて変形しやすいので、定着装置によって普通紙と同様に加圧されると、紙しわの生じる危険性が高い。したがって、これらの紙種については普通紙よりも荷重を軽減させる工夫が定着装置に求められる。シートに対する荷重の変化は定着部材と加圧部材とのたわみ量を変化させる。一般に、押圧パッドとその保持部材とはローラーよりも軸方向に対して垂直な方向にたわみやすい。特にこの差は定着装置が小型化されるほど大きい。したがって、ベルト式はローラー式と比べ、シートに対する荷重の切り換えに伴う軸方向におけるニップ圧分布の変化が大きい。この変化を押圧パッドの構造によって相殺し、または吸収するという従来の技術ではシートに対する荷重が一定値に想定されているので、荷重の切り換えにかかわらずニップ圧のばらつきに起因する定着むらと紙しわとの危険性を低く抑えることが難しい。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特にシートに対する荷重を切り換えても、軸方向におけるニップ圧分布を良好に維持することが可能なベルト式の定着装置を提供することにある。
本発明の1つの観点における押圧パッドは、トナー像が転写されているシートの表面に熱と圧力とを加えることによりそのトナー像をそのシートの表面に定着させる定着装置に搭載され、定着回転体の外周面との間に定着ベルトを挟んでニップを形成する。この押圧パッドは、ニップにおいて定着ベルトに接触する押圧面を含む。定着回転体と押圧パッドとの一方を他方に押し付ける外力が除去されて押圧パッドがニップを解消した状態で、定着回転体の回転軸に対して垂直な仮想平面により切断された押圧パッドの断面において押圧面が描く輪郭は、外力が加わってニップが形成される際に押圧パッドが定着ベルト越しに定着回転体の外周面と最初に接触する基準領域と、その基準領域からニップの幅方向に閾値距離だけ離れた境界領域とを含む。仮想平面による押圧パッドの断面における基準領域を基準とする境界領域の位置が、定着回転体の軸方向において押圧パッドの中央部から端部へ向かうほど、定着回転体とは反対側へ移動しているように、押圧面が形成されている。
外力が加わって押圧パッドがニップを形成した状態では、外力の強さにも、仮想平面による押圧パッドの断面の位置にもかかわらず、その断面における基準領域はニップに含まれてもよい。閾値距離は、外力の強さが閾値に等しい場合における基準領域からニップの幅方向の端までの距離を表してもよい。
外力が除去されて押圧パッドがニップを解消した状態では、押圧面の輪郭は、定着回転体に向かって突出した滑らかな凸曲線を描いてもよい。この凸曲線は、定着回転体の軸方向において押圧パッドの中央部から端部へ向かうほど平均曲率が高くてもよい。
仮想平面による押圧パッドの断面において基準領域は、定着回転体に向かって突出した凸部の頂点に位置してもよい。外力の方向においてその断面の基準領域から境界領域までの距離は、定着回転体の軸方向において押圧パッドの中央部から端部へ向かうほど大きくてもよい。この凸部は滑らかな凸曲線であっても、段形状であってもよい。
外力が除去されて押圧パッドがニップを解消した状態では、仮想平面による押圧パッドの中央部の断面において、押圧面の輪郭は実質的に直線であってもよく、定着回転体の外周面の一部と形状が実質的に一致してもよく、定着ベルトのうちニップに挟まれていた部分と形状が実質的に一致してもよい。
外力が除去されて押圧パッドがニップを解消した状態では、仮想平面による押圧パッドの中央部の断面から端部の断面までの基準領域が位置する押圧面上の線状領域は、定着回転体の回転軸に対して平行であってもよい。この状態では、仮想平面による押圧パッドの断面の基準領域は、定着回転体の軸方向において押圧パッドの中央部から端部へ向かうほど、定着回転体の回転軸から遠くてもよい。
本発明の1つの観点における定着装置は、トナー像が転写されているシートの表面に熱と圧力とを加えることによりそのトナー像をそのシートの表面に定着させる。この定着装置は、無端の定着ベルトと、回転軸の方向に沿って延びる定着回転体と、この定着回転体の外周面との間に定着ベルトを挟んでニップを形成する上記の押圧パッドと、この押圧パッドを保持する定着回転体の軸方向に長尺の保持部材と、定着ベルトと定着回転体の外周面とのいずれかを加熱する加熱部と、定着回転体の外周面と押圧パッドとの間の押圧力を変更可能な加圧部とを備えている。
加圧部が押圧力を除去して押圧パッドがニップを解消した状態における仮想平面による押圧パッドの中央部の断面の境界領域から端部の断面の境界領域までの、その押圧力の方向における距離は、その押圧力が加わって押圧パッドがニップを形成した状態における保持部材のたわみ量に対し、所定の割合以上に設計されていてもよい。定着回転体は逆クラウン形状であってもよい。定着ベルトはフリーベルトであってもよい。保持部材は、コの字形またはL字形の横断面を持つ板状であってもよい。
本発明の1つの観点における画像形成装置は、像担持体上にトナー像を形成する作像部と、そのトナー像をシートに転写する転写部と、上記の定着装置とを備えている。
本発明による上記の定着装置はベルト式であり、定着回転体の外周面との間に定着ベルトを挟んでニップを形成する押圧パッドを備えている。この押圧パッドは、ニップにおいて定着ベルトに接触する押圧面を含む。押圧パッドがニップを解消した状態では、定着回転体の回転軸に対して垂直な仮想平面により切断された押圧パッドの断面において押圧面が描く輪郭は基準領域と境界領域とを含む。基準領域は、押圧パッドがニップを形成する際に定着ベルト越しに定着回転体の外周面と最初に接触する。境界領域は、基準領域からニップの幅方向に閾値距離だけ離れている。仮想平面による押圧パッドの断面における基準領域を基準とする境界領域の位置が、定着回転体の軸方向において押圧パッドの中央部から端部へ向かうほど、定着回転体とは反対側へ移動しているように、押圧面が形成されている。このような形状の押圧面を押圧パッドが含むことにより、この定着装置はシートに対する荷重を切り換えても、軸方向におけるニップ圧分布を良好に維持することができる。
(a)は、本発明の実施形態による画像形成装置の外観を示す斜視図である。(b)は、(a)の示す直線b−bに沿った画像形成装置の模式的な断面図である。 (a)は、図1の(b)が示す定着装置の含む定着ベルトと加圧ローラーとの分解図であり、(b)は、(a)が示す直線b−bに沿った横断面図である。 (a)は、図2が示す保持部材、押圧パッド、および加圧ローラーの模式的な上面図である。(b)は、保持部材の長手方向の座標Zと保持部材から加圧ローラーの芯金までの距離ΔXとの間の関係を示すグラフである。(c)は、押圧パッドが均質な直方体であり、かつ押圧面がYZ平面に平行な平面であると想定した場合に保持部材の長手方向に現れるはずの保持部材と加圧ローラーの外周面との間のニップ圧分布を示すグラフである。 (a)は、押圧面の全体が見渡せる視点からの押圧パッドの外観を示す斜視図である。(b)、(c)、(d)、(e)は、(a)が示す押圧パッドを長手方向(図ではZ軸方向)に対して垂直な仮想平面で切断した場合を示す横断面図である。 (a)は、図4の(a)の示す押圧面における等高線を示す斜視図である。(b)は、ニップの幅方向(Y軸方向)に対して垂直な仮想平面において押圧面が描く輪郭を示す縦断面図である。(c)は、加圧ローラーの回転軸の方向(Z軸方向)における実際のニップ圧分布を示すグラフである。 (a)は、ある条件αを満たす押圧面の第1変形例を含む押圧パッドの斜視図である。(b)、(c)は、この押圧パッドを長手方向(図ではZ軸方向)に対して垂直な仮想平面で切断した場合を示す横断面図である。 (a)は、ある条件αを満たす押圧面の第2変形例を含む押圧パッドの斜視図である。(b)、(c)は、この押圧パッドを長手方向(Z軸方向)に対して垂直な仮想平面で切断した場合を示す横断面図である。 (a)は、押圧面の第3変形例を含む押圧パッドの斜視図であり、(b)、(c)、(d)は、この押圧パッドを長手方向(Z軸方向)に対して垂直な仮想平面で切断した場合を示す横断面図である。(e)は、この押圧パッドの長手方向における中央部が加圧ローラーの外周面と形成するニップを示す定着ベルトと加圧ローラーとの横断面図である。 (a)は、押圧面の第4変形例を含む押圧パッドの斜視図であり、(b)、(c)、(d)は、この押圧パッドを長手方向(Z軸方向)に対して垂直な仮想平面で切断した場合を示す横断面図である。(e)は、この押圧パッドの長手方向における中央部が加圧ローラーの外周面と形成するニップを示す定着ベルトと加圧ローラーとの横断面図である。 (a)は、押圧面の第5変形例を含む押圧パッドと加圧ローラーとの側面図である。(b)は、この押圧パッドと加圧ローラーの変形例との側面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置の外観]
図1の(a)は、本発明の実施形態による画像形成装置100の外観を示す斜視図である。この画像形成装置100はプリンターである。その筐体の上面には排紙トレイ41が設けられ、その奥に開いた排紙口42から排紙されたシートを収容する。排紙トレイ41の前方には操作パネル51が埋め込まれている。プリンター100の底部には給紙カセット11が引き出し可能に取り付けられている。
[画像形成装置の内部構造]
図1の(b)は、図1の(a)の示す直線b−bに沿ったプリンター100の模式的な断面図である。プリンター100はカラー対応の電子写真式であり、給送部10、作像部20、定着装置30、および排紙部40を含む。
給送部10はまずピックアップローラー12を用い、給紙カセット11に収容されたシートの束からシートSH1を1枚ずつ分離する。給送部10は次にタイミングローラー13を用い、分離したシートを作像部20へ、その動作にタイミングを合わせて送出する。「シート」とは、紙製もしくは樹脂製の薄膜状もしくは薄板状の材料、物品、または印刷物をいう。給紙カセット11に収容可能なシートの種類、すなわち紙種はたとえば、普通紙、上質紙、カラー用紙、または塗工紙であり、サイズはたとえば、A3、A4、A5、またはB4である。さらに、シートの姿勢は縦置きと横置きとのいずれにも設定可能である。
作像部20はたとえば中間体転写方式による印刷エンジンであり、タンデム配置の感光体ユニット20Y、20M、20C、20K、中間転写ベルト21、1次転写ローラー22Y、22M、22C、22K、および2次転写ローラー23を含む。中間転写ベルト21は従動プーリー21Lと駆動プーリー21Rとの間に回転可能に掛け渡されている。これらのプーリー21L、21Rの間の空間には4つの感光体ユニット20Y、…と4本の1次転写ローラー22Y、…とが1つずつ対を成すように配置され、中間転写ベルト21を間に挟んで対向している。2次転写ローラー23は中間転写ベルト21を間に挟んで駆動プーリー21Rとニップを形成している。このニップには、タイミングローラー13から送出されたシートSH2が通紙される。
各感光体ユニット20Y、…では感光体ドラム24Y、24M、24C、24Kが、対向する1次転写ローラー22Y、…との間に中間転写ベルト21を挟み、ニップを形成している。各感光体ユニット20Y、…は、中間転写ベルト21が(図1の(b)では反時計方向に)回転する間、その同じ表面部分が1次転写ローラー22Y、…と感光体ドラム24Y、…との間のニップを通過する際にその表面部分に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)のうち異なる1色のトナー像を形成する。これにより、その表面部分にはこれら4色のトナー像が重ねられて1つのカラートナー像が形成される。このカラートナー像が駆動プーリー21Rと2次転写ローラー23との間のニップを通過するタイミングに合わせて、そのニップへシートSH2がタイミングローラー13から通紙される。これによりそのニップではカラートナー像が中間転写ベルト21からシートSH2へ転写される。
定着装置30は、作像部20から送出されたシートSH3にトナー像を熱定着させる。具体的には、定着装置30は定着ベルト31と加圧ローラー32とを回転させながら、それらの間のニップにシートSH3を通紙する。このとき、定着ベルト31はそのシートSH3の表面を加熱し、加圧ローラー32は同じ表面を加圧して定着ベルト31へ押し付ける。定着ベルト31からの熱と加圧ローラー32からの圧力とにより、トナー像がそのシートSH3の表面に定着する。定着装置30は更に定着ベルト31と加圧ローラー32との回転により、そのシートSH3を排紙部40へ送り出す。
排紙部40は、トナー像が定着したシートSH3を排紙口42から排紙トレイ41へ排紙する。具体的には、排紙部40は、排紙口42の内側に配置された排紙ローラー43を用いて、定着装置30の上部から排紙口42へ移動してきたシートSH3を排紙口42の外へ送出して排紙トレイ41に載せる。
[定着装置の構造]
図2の(a)は、図1の(b)が示す定着装置30の含む定着ベルト31と加圧ローラー32との分解図であり、(b)は、(a)が示す直線b−bに沿った横断面図である。定着装置30は、定着ベルト31、押圧パッド311、保持部材312、加熱部313、キャップ314、加圧ローラー32、および加圧部33を含む。
定着ベルト31と加圧ローラー32とは回転軸が互いに平行に配置され、外周面が互いに接触している。この接触部すなわちニップNPは、両方31、32の回転軸を含む仮想的な平面に対して垂直な方向(図2ではY軸方向)に、たとえば数mmの幅で拡がっている。このニップNPに、作像部20から送り出されたシートSH2が挟み込まれる。
定着ベルト31は、たとえば長さ数十cm、直径数mm−数十mm、厚さ数百μm−数mmの細長い円筒形状の無端ベルトであり、たとえば内周側から順に、基層、弾性層、および離型層を含む。基層は、ポリイミド(PI)等の高強度の耐熱性樹脂フィルム、またはステンレス鋼(SUS)、ニッケル等の金属箔から成り、定着ベルト31を円筒形状に保つ。弾性層は、基層の外側を覆うシリコーンゴム等、高弾性の耐熱性樹脂フィルムから成り、その柔らかさにより定着ベルト31の外周面をシートSH2の表面の微細な凹凸に合わせて変形させる。これにより、トナー像の光沢が均一化する。離型層は、弾性層の外側を覆うポリテトラフルオロエチレン(PFA)等のフッ素樹脂フィルムから成り、高温高圧のニップNP内で溶融したトナーがシートSH2の表面から定着ベルト31の外周面へ転移する現象(オフセット)を防止する。定着ベルト31は更に非張架ベルト(フリーベルト)であり、すなわちプーリー等の回転体には張架されていない。
押圧パッド311、保持部材312、および加熱部313は定着ベルト31の内側の中空部に設置されている。押圧パッド311は定着ベルト31の軸方向(図2ではZ軸方向)に細長い板状部材であり、たとえば、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の耐熱性樹脂から成る。押圧パッド311は、加圧ローラー32の外周面との間に定着ベルト31を挟んでニップNPを形成する。このニップNPでは押圧パッド311の片側の板面315が定着ベルト31に接触する。この板面315を以下、「押圧面」と呼ぶ。保持部材312は定着ベルト31の軸方向(Z軸方向)に長尺の板状部材であり、たとえば電気亜鉛メッキ鋼(SECC)、SUS、アルミニウム等の金属から成る溝形鋼板(横断面が「コ」の字形状である鋼板)である。保持部材312は、板面が押圧パッド311の押圧面とは反対側の板面に接着され、長手方向の両端部が定着装置30を囲むフレーム(図2は示していない。)に固定されている。これにより、保持部材312は押圧パッド311をフレームに対して同じ位置に保持する。加熱部313は、たとえば定着ベルト31の軸方向(Z軸方向)に細長い棒状のハロゲンヒーターであり、発光に伴う熱放射で定着ベルト31を内側から加熱してその温度をたとえば百数十℃−数百℃に維持する。キャップ314は定着ベルト31よりも外径の大きい円板部材であり、たとえばPI等の耐熱性樹脂から成る。キャップ314は内側の板面に円環形状の突出部316を含む。この突出部316は、突出方向に対して垂直な断面の外径が定着ベルト31の内径に実質的に等しく、その一部が切り欠かれている。キャップ314は定着ベルト31の両端の開口部を塞ぐ。このとき、その開口部の内側に突出部316が配置され、その切り欠き317の中に押圧パッド311が位置付けられる。その結果、定着ベルト31は押圧パッド311とキャップ314とにより、自身の内周面を突出部316の外周面に沿って摺動させながら自身の中心軸のまわりに回転可能であるように支持される。
加圧ローラー32は、芯金321、弾性体層322、および離型層323を含む。芯金321はたとえば長さ数十cm、直径数mm−数十mmの細長い円筒部材であり、たとえば、アルミニウム、鉄、SUS等の金属から成る。芯金321は長手方向の両端部で軸受(図2は示していない。)により、自身の中心軸のまわりに回転可能に支持されている。これらの軸受は定着装置30のフレームにより、芯金321の中心軸を定着ベルト31の回転軸へ接近させる方向(図2ではX軸の負方向)に摺動可能に支持されている。図2は示していないが、芯金321の両端部は更にギア等のトルク伝達機構を通してモーターに接続されている。このモーターはたとえばブラシレス直流(BLDC)モーターである。このモーターからのトルクを受けて加圧ローラー32は駆動ローラーとして回転し、ニップNPで接触する定着ベルト31を従動回転させる。弾性体層322は、芯金321の外側を覆うシリコーンゴム等、高弾性の耐熱性樹脂から成る。離型層323は、弾性体層322の外側を覆うPFA等のフッ素樹脂フィルムである。
加圧部33は、たとえばバネ331に加え、そのバネ331の弾性力を制御するソレノイド、モーター等のアクチュエーター(図2は示していない。)を含む。これらを利用して加圧部33は芯金321の両端部に対し、芯金321の中心軸から定着ベルト31の回転軸へ向かって(X軸の負方向に)押圧力fPを加える。この押圧力fPにより加圧ローラー32の外周面はニップNPに位置する部分が、定着ベルト31を間に挟んで押圧パッド311の押圧面315に、たとえば106Paのオーダーの圧力で押し付けられる。加圧ローラー32、特に弾性体層322と比べれば押圧パッド311は弾性が無視可能な程度に小さいので、加圧ローラー32の外周面はニップNPでは実質上、平らに窪む。加圧ローラー32のこの圧力と変形とにより、ニップNPに挟まれたシートSH2の部分には十分な熱量が定着ベルト31から伝わるので、その部分に付着したトナーが、むらを残すことなくシートSH2の表面に定着する。
加圧部33は特に押圧力fPを少なくとも2段階に変更可能である。高荷重の押圧力fPはたとえば数百Nであり、シートSH2が普通紙である場合に利用される。低荷重の押圧力fPはたとえば数十N−百数十Nであり、シートSH2が、薄紙、封筒等、普通紙よりも折れやすい紙種である場合に利用される。押圧力fPが低荷重である場合は高荷重である場合に対し、ニップNPの幅(図2ではY軸方向の長さ)が数分の1倍に短縮する。この短縮に伴う加熱面積の減少に応じて加圧ローラー32の回転が減速され、または加熱部313がハロゲンヒーターの発熱量を増大させる。これにより、押圧力fPの強さにかかわらず、ニップNPを通過するシートSH2にはトナーの定着に必要な熱量が確実に供給される。
[保持部材と加圧ローラーとのたわみに起因するニップ圧の変動]
図3の(a)は、保持部材312、押圧パッド311、および加圧ローラー32の模式的な上面図である。加圧部33の押圧力fPにより加圧ローラー32は、定着ベルト31越しに押圧パッド311へ押し付けられる。このとき、保持部材312は長手方向(Z軸方向)の両端(図では座標Z=Z0、Z1の両点)が定着装置30のフレームに固定されているので、両端から中央へ向かうにつれて加圧ローラー32の外周面から遠ざかるように、すなわち中心部(図では座標Z=Zcとその近傍)が押圧力fPの方向(図ではX軸の負方向)に膨らむようにたわむ。このときのたわみ量は、典型的には数μm−十数μmであり、たとえば保持部材312を両端支持梁とみなすことにより計算可能である。
図3の(a)は示していないが、加圧ローラー32の芯金321も、押圧パッド311から受ける押圧力fPの反作用により、長手方向(Z軸方向)の両端部Z=Z0、Z1から中央部Z=Zcへ向かうにつれて押圧パッド311から遠ざかるようにたわむ。このときのたわみ量は一般に、保持部材312のたわみ量よりも十分に小さい。
図3の(b)は、保持部材312の長手方向の座標Zと保持部材312から加圧ローラー32の芯金321までの距離ΔXとの間の関係を示すグラフである。破線のグラフは、加圧部33の押圧力fPが低荷重fLであるときを示し、実線のグラフは、その押圧力fPが高荷重fH>fLであるときを示す。これらのグラフが示すとおり、保持部材312の両端部Z=Z0、Z1よりも中央部Z=Zcは芯金321までの距離ΔXが大きい。各端部Z=Z0、Z1と中央部Z=Zcとの間でのこの距離ΔXの差により保持部材312のたわみ量(より正確には、芯金321に対する保持部材312のたわみ量であり、芯金321自体のたわみ量も含む。)は評価される。押圧力fPが低荷重fLであるときは保持部材312のたわみ量DFLが小さく、高荷重fHであるときはたわみ量DFHが大きい:DFL<DFH。
図3の(c)は、仮に押圧パッド311が均質な直方体であり、かつ押圧面315がYZ平面に平行な平面であれば保持部材312の長手方向に現れるはずの保持部材312と加圧ローラー32の外周面との間のニップ圧分布を示すグラフである。破線のグラフは、加圧部33の押圧力fPが低荷重fLであるときを示し、実線のグラフは、その押圧力fPが高荷重fHであるときを示す。これらのグラフが示すとおり、保持部材312の中央部Z=Zcでは保持部材312のたわみにより加圧ローラー32から遠ざかる方向の応力が作用するので、両端部Z=Z0、Z1よりもニップ圧が低減する。各端部Z=Z0、Z1と中央部Z=Zcとの間でのニップ圧の差は、押圧力fPが低荷重fLであるときは小さい値ΔPLであり、高荷重fHであるときは大きい値ΔPHである:ΔPL<ΔPH。
押圧パッド311が図3の(c)で想定されている均質な直方体という簡単な構造のままでは、特に加圧部33の押圧力fPが高荷重fHである際に、ニップ圧の大きな差ΔPHに起因する定着むらと紙しわとの危険性が無視できない。この危険性を解消させるだけであれば、たとえば押圧面315の中央部Z=Zcを両端部Z=Z0、Z1よりも盛り上げて加圧ローラー32に接近させればよい(たとえば特許文献4−6参照)。この盛り上がりが中央部Z=Zcにおいて保持部材312のたわみに伴う加圧ローラー32との距離ΔXの増大を相殺し、両端部Z=Z0、Z1よりもニップ圧を差ΔPHだけ高めるからである。しかし、この工夫だけでは、押圧力fPが低荷重fLである際に中央部Z=Zcでは両端部Z=Z0、Z1よりもニップ圧が高くなる(∵ΔPL<ΔPH)ので、定着むらまたは紙しわの新たな原因になりかねない。
[押圧面の3次元形状]
本発明の実施形態による押圧パッド311は、加圧部33が押圧力fPを除去したことに従って加圧ローラー32とのニップを解消した状態では、押圧面315が以下に述べる3次元形状を持つ。これにより、押圧パッド311がニップを形成した場合、押圧力fPが低荷重fLと高荷重fHとのいずれであるかにかかわらず、保持部材312のたわみに起因するニップ圧の変動が押圧面315の起伏に伴うニップ圧の変動で相殺される。
図4の(a)は、押圧面315の全体が見渡せる視点からの押圧パッド311の外観を示す斜視図である。図4の(a)では、押圧面315の起伏の大きさ(典型的には数μm−十数μmである。)が各辺の長さ(典型的なオーダーは1mm以上である。)に対して誇張されている。押圧面315の3次元形状は、和琴の弦が張られた面(龍甲)に似た形状に加工されている。特に、押圧パッド311の長手方向(図ではZ軸方向)における中央部401が平らである一方、両端部402がかまぼこ形である。
図4の(b)、(c)、(d)、(e)は、図4の(a)が示す押圧パッド311を長手方向(図ではZ軸方向)に対して垂直な仮想平面VPb、VPc、VPd、VPeのそれぞれで切断した場合を示す横断面図である。図4の(b)が示すように、押圧パッド311の端部402を切断する仮想平面VPbにおいて押圧面315の輪郭(仮想平面VPbと押圧面315との交線)は、加圧部33の押圧力fPとは逆方向(図ではX軸の正方向)に、すなわち加圧ローラー32に向かって突出した滑らかな凸曲線、たとえば円弧を描く。図4の(c)、(d)が示すように、押圧パッド311の両端部402と中央部401との中間を切断する仮想平面VPc、VPdにおいても押圧面315の輪郭は同様な凸曲線を描く。ただし、仮想平面の位置が押圧パッド311の中央部401に近いほど凸曲線の平均曲率は低く、すなわち直線に近い。図4の(e)が示すように、押圧パッド311の中央部401を切断する仮想平面VPeでは押圧面315の輪郭は、押圧力fPの方向(図ではX軸方向)に対して垂直に、すなわちニップの幅方向(図ではY軸方向)に伸びる直線に等しい。
−押圧面上の基準領域−
各仮想平面VPb、…、VPeにおける押圧面315の輪郭の中で、ニップが形成される際に加圧ローラー32の外周面と定着ベルト31越しに最初に接触する点状領域Prを以下、「基準点」と呼ぶ。すなわち、その輪郭の中で基準点Prは加圧ローラー32の外周面に最も近い。
図5の(a)は、図4の(a)の示す押圧面315における等高線CNTを示す斜視図である。各等高線CNTは、押圧力fPの方向における位置(図ではX座標)が等しい領域、すなわちその方向(X軸方向)に対して垂直な仮想平面と押圧面315との交線を表す。これらの等高線CNTから明らかなとおり、いずれの仮想平面VPb、…、VPeにおいても、押圧面315の輪郭の中で基準点Prは加圧ローラー32の回転軸からの距離が最も小さい。したがって、基準点Prは加圧ローラー32の外周面にも最も近いので、ニップが形成される際、定着ベルト31越しに加圧ローラー32の外周面と最初に接触する。
図5の(b)は、ニップの幅方向(Y軸方向)に対して垂直な仮想平面において押圧面315が描く輪郭を示す縦断面図である。実線Crは、仮想平面が定着ベルト31と加圧ローラー32との両方の回転軸を含む場合における押圧面315の輪郭を示す。この輪郭Crは、加圧ローラー32の回転軸が押圧力fPの方向(X軸の負方向)に沿って射影される押圧面315上の線状領域に等しく、基準点Prをすべて含む。この輪郭Crを、以下、「基準線」と呼ぶ。図5の(b)が示す例では、基準線Crは押圧パッド311の長手方向(Z軸方向)に対して平行な直線を成す。すなわち、いずれの基準点Prも加圧ローラー32の外周面から等距離に位置する。この場合、押圧力fPの強さにかかわらず、基準線Crの全体がニップに必ず含まれる。
押圧力fPの上昇につれて、ニップに含まれる押圧面315の範囲は基準線Crを中心にそこから幅方向(Y軸方向)に拡がる。図5の(a)が示す斑点模様の領域501は、押圧力fPが低荷重fLである場合にニップに含まれる押圧面315の範囲を示す。この領域501は、ニップの幅方向(Y軸方向)において基準線Crの両側に実質的に等距離(ニップ幅NWLの半値)ずつ拡がっている。押圧力fPが高荷重fHである場合は押圧面315の全体がニップに含まれる。すなわち、ニップ幅は押圧面315の全幅NWHと実質的に等しい。
押圧パッド311は加圧ローラー32の外周面よりも弾性が無視可能に低い、すなわち変形が無視できるほど硬いので、ニップは押圧面315と形状が実質的に一致する。特に基準線Crとその近傍とでは、図4の(a)、(e)、および図5の(a)、(b)から理解されるように、ニップが実質的に平面を成す。基準線Crは押圧力fPの強さにかかわらず常にニップに含まれるので、基準線Crの近傍に拡がるニップの平面形状も押圧力fPの強さには依存しない。さらに、押圧パッド311の長手方向における中央部401では、図4の(e)が示すように、押圧力fPの強さに応じたニップ幅NWL、NWHの違いにかかわらず、ニップが幅方向(Y軸方向)に対して平行な平面状に拡がる。
−押圧面上の境界領域−
図4は更に、各仮想平面VPb、…、VPeにおける押圧面315の輪郭が含む境界点Pcを示す。「境界点」Pcとは、同じ輪郭内の基準点Prからニップの幅方向(Y軸方向)に閾値距離DTHだけ離れた点状領域をいう。「閾値距離」DTHは、加圧部33の押圧力fPの強さが閾値fTHに等しい場合における基準線Crからニップの幅方向(Y軸方向)の端までの距離、すなわちその場合におけるニップ幅の半値を表す。閾値fTHは低荷重fLと高荷重fHとの中間に設定されるので、閾値距離DTHの2倍は低荷重fL下でのニップ幅NWLよりも大きく、高荷重fH下でのニップ幅NWHよりも小さい:NWL<2×DTH<NWH。したがって、図5の(a)が示す破線Ccのように、境界点Pcの全体で構成される押圧面315上の線状領域(以下、「境界線」と呼ぶ。)は、低荷重fL下のニップに含まれる押圧面315の領域501よりも外側に位置する。押圧面315のうち境界線Ccとそれよりも外側の領域とは、加圧部33の押圧力fPが低荷重fLである場合にはニップには含まれないが、高荷重fHである場合には含まれる。
図5の(b)が示す破線Ccは、ニップの幅方向(Y軸方向)に対して垂直な仮想平面が押圧面315上の基準線Crからニップの幅方向(Y軸方向)に閾値距離DTHだけ離れている場合にその平面内で押圧面315が描く輪郭、すなわち境界線を示す。押圧パッド311の長手方向(Z軸方向)における中央部401から両端部402へ近づくにつれて、境界線Ccは加圧ローラー32から押圧力fPの方向(X軸の負方向)へ遠のくように湾曲し、長手方向(Z軸方向)に対して垂直な仮想平面に沿った押圧面315の平均曲率は低下している。したがって、押圧パッド311の中央部401を切断する仮想平面VPe(図4の(e)参照。)と比べて端部402を切断する仮想平面VPb(図4の(b)参照。)では、基準点Prは実質的に同じ位置である一方、境界点Pcは加圧ローラー32とは反対側(X軸の負方向)へ変位している。すなわち、基準点Prを基準とする境界点Pcの位置が加圧ローラー32とは反対側(X軸の負方向)へ移動している。好ましくは、各端部402における基準点Prから境界点Pcまでの押圧力fPの方向(X軸方向)に沿った距離(X座標の差)HPは、押圧力fPが高荷重fHである際に生じる加圧ローラー32の回転軸に対する保持部材312のたわみ量DFH(図3の(b)参照。)の半値以上に設計される:HP≧DFH/2。
押圧パッド311は加圧ローラー32の外周面よりも硬いので、ニップは実質上押圧面315と形状が一致する。したがって、図4の(a)が示す各仮想平面VPb、…、VPeでは、図4の(b)、…、(e)が示す押圧面315の輪郭に沿ってニップが拡がる。これらの輪郭から理解されるように、押圧力fPが低荷重fLである場合にはニップ幅NWLが十分に狭いので、ニップは両端部402でも中央部401と実質的に同じ平面上に拡がる。その結果、ニップは両端部402では中央部401と、押圧力fPの方向における位置(X座標)が基準線Crと等しい面積の割合が実質的に等しい。一方、押圧力fPが高荷重fHである場合にはニップ幅NWHが押圧面315の全幅に達するので、ニップは両端部402では中央部401とは異なり、幅方向の両縁が中心よりも押圧力fPの方向(X軸の負方向)へ逃げるように湾曲する。その結果、ニップは両端部402では中央部401と比べ、押圧力fPの方向における位置(X座標)が基準線Crよりも加圧ローラー32から遠い面積の割合が高い。押圧力fPの強さに応じたニップのこのような変形は、加圧ローラー32の回転軸の方向(Z軸方向)におけるニップ圧分布に次のように影響する。
図5の(c)は、加圧ローラー32の回転軸の方向(Z軸方向)における実際のニップ圧分布を示すグラフである。破線のグラフは加圧部33の押圧力fPが低荷重fLである場合を示し、実線のグラフはその押圧力fPが高荷重fHである場合を示す。さらに、二点鎖線のグラフは、押圧面315の全体が平面であると想定した場合におけるニップ圧分布(図3の(c)参照。)を示す。
これらのグラフが示すとおり、押圧力fPが低荷重fLである場合は押圧面315の全体が平面であると想定した場合とニップ圧分布が実質的に変わらず、特に、各端部Z=Z0、Z1と中央部Z=Zcとの間でのニップ圧の差ΔPLが実質的に等しい。これは、図5の(a)が示すニップに含まれる押圧面315の領域501が実質的に平面であることに因る。逆に、この意味で平面とみなせる押圧面315内の最大の範囲を表すように境界線Ccは設定される。加圧部33の押圧力fPの強さが閾値fTHよりも低ければニップは境界線Ccよりも内側にしか拡がらないので、押圧面315の全体が平面であると想定した場合とニップ圧分布が実質的に等しい。
押圧力fPが高荷重fHである場合は押圧面315の全体が平面であると想定した場合と比べ、中央部Z=Zcではニップ圧分布が実質的に変わらないが、両端部Z=Z0、Z1ではニップ圧が低減する。これにより、各端部Z=Z0、Z1と中央部Z=Zcとの間でのニップ圧の差は、押圧面315の全体が平面である場合の値ΔPHよりも小さく抑えられ、特に押圧力fPが低荷重f1であるときの値ΔPLと実質的に等しい。これは次の理由に因る。ニップは境界線Ccを越えて押圧面315の全幅に拡がっているので、両端部Z=Z0、Z1では中央部Z=Zcと比べて幅方向の湾曲が大きく(図4の(b)、(e)参照)、押圧力fPの方向における位置(X座標)が基準線Crよりも加圧ローラー32から遠い面積の割合が高い。その結果、両端部Z=Z0、Z1は中央部Z=Zcよりも、押圧面315の湾曲に起因するニップ圧の降下量が大きい。特に両端部Z=Z0、Z1でのこの降下量は、中央部Z=Zcにおける保持部材312のたわみに起因するニップ圧の降下量と同程度であるので、両端部Z=Z0、Z1でのニップ圧が中央部Z=Zcでの値に接近する。
[実施形態の利点]
本発明の実施形態によるMFP100では上記のとおり定着装置30がフリーベルトニップ方式であり、押圧パッド311が押圧面315により、加圧ローラー32の外周面との間に定着ベルト31を挟んでニップを形成する。押圧パッド311がこのニップを解消した状態では押圧面315は、図4、図5の示すような3次元形状を成す。特に、押圧パッド311の中央部401を切断する仮想平面VPe(図4の(e)参照。)と比べて端部402を切断する仮想平面VPb(図4の(b)参照。)では、基準領域Pr、Crを基準とする境界領域Pc、Ccの位置が加圧ローラー32とは反対側(X軸の負方向)へ移動している(図5の(b)参照)。
押圧力fPが低荷重f1である場合、ニップは境界領域Ccの内側にしか拡がらないので、その全体が実質的に平面である。この場合、押圧力fPによる保持部材312のたわみは小さいので、ニップの長手方向(Z軸方向)におけるニップ圧のばらつきは十分に小さい。押圧力fPが高荷重f2である場合、ニップは境界領域Ccを越えて押圧面315の全幅に拡がる。したがって、ニップの長手方向(Z軸方向)における両端部Z=Z0、Z1では中央部Z=Zcとは異なり、押圧力fPの方向における位置(X座標)が基準線Crよりも加圧ローラー32から遠い面積の割合が高い。その結果、両端部Z=Z0、Z1は中央部Z=Zcよりも、幅方向の湾曲に伴うニップ圧の降下量が大きい。両端部Z=Z0、Z1と中央部Z=Zcとの間でのこの降下量の差がそれらの間での保持部材312のたわみに起因するニップ圧の差を相殺するので、長手方向(Z軸方向)におけるニップ圧のばらつきが、押圧力fPの強さにかかわらず小さく抑えられる。
このように、押圧面315の3次元形状により、定着装置30がシートに対する荷重を切り換えても、定着ベルト31と加圧ローラー32との共通の軸方向(Z軸方向)におけるニップ圧分布が良好に維持される。特にニップ圧のばらつきに起因する定着むらと紙しわとの危険性が、シートに対する荷重の強さにかかわらず、低く抑えられる。それ故、プリンター100は、特に紙種が、普通紙、封筒、薄紙のいずれであるかにかかわらず、高画質と高速性とに対する信頼性を十分に高く維持することができる。
[変形例]
(A)本発明の上記の実施形態による画像形成装置100は電子写真式のカラープリンターである。本発明の実施形態による画像形成装置はその他に、モノクロプリンター、コピー機、FAX等のいずれの単機能機であっても、複合機(MFP)であってもよい。
(B)図2が示す定着装置30のフリーベルトニップ構造では、加熱部材がベルト31であり、加圧部材がローラー32である。逆に、加熱部材がローラーであり、加圧部材がベルトであってもよい。この場合、加圧部33は加圧ローラー32の芯金321に代えて押圧パッドに対して押圧力fPを加える。その押圧力fPの反作用として定着ローラーから受ける力により押圧パッドの保持部材はたわみ、そのたわみに起因するニップ圧のばらつきを押圧パッドの押圧面の起伏に伴うニップ圧の変動が相殺する。
定着ベルトはフリーベルト31に代えて、押圧パッド311と他のプーリーとの間に張架されたベルトであってもよい。この場合、加熱部33はそのプーリーの内部または周囲に設置されてもよい。
(C)図2が示す定着装置30の構造では、保持部材312が定着ベルト31の軸方向(Z軸方向)に長尺の溝形鋼板である。保持部材はその他に、山形鋼(横断面が「L」字形状である鋼板)であってもよい。一般に、溝形鋼よりも山形鋼はたわみやすいが、押圧パッド311との接触面積を一定に維持したままで保持部材312の重量を軽減することが容易である。本発明による押圧パッド311は保持部材312のたわみに起因するニップ圧のばらつきを、押圧力fPの強さにかかわらず小さく抑えられるので、保持部材を山形鋼で構成することにより定着装置30を更に小型化することが可能である。
(D)図2が示す加熱部313はハロゲンヒーターである。加熱部33はその他に、セラミックヒーター、カーボンヒーター、または誘導加熱装置(IH)であってもよい。
(E)図4、図5の示す押圧面315は全体が滑らかな曲面である。しかし、滑らかさは押圧面にとって特に重要ではない。図4、図5の示す押圧面315の形状と同様に次の条件αが満たされてさえいれば、段、突起、溝等のいわゆる微分不可能な部分が押圧面に含まれてもよい。条件α:加圧部33が押圧力fPを除去したことに従って押圧パッド311が加圧ローラー32とのニップを解消した場合、押圧パッド311の中央部401と比べて端部402では、基準領域Pr、Crを基準とする境界領域Pc、Ccの位置が加圧ローラー32とは反対側(X軸の負方向)へ移動している。
−第1変形例−
図6の(a)は、条件αを満たす押圧面の第1変形例615を含む押圧パッド311の斜視図である。図6の(a)では図4の(a)と同様、押圧面615の起伏の大きさが各辺の長さに対して誇張されている。押圧面615は、押圧パッド311の長手方向(図ではZ軸方向)における中央部401では平らであり、そこから両端部402に向かうほど押圧力fPの方向(図ではX軸の負方向)へ滑らかに変位している。押圧面615は更に各端部402に凸部601を1つずつ含む。凸部601は、ニップの幅方向(図ではY軸方向)における押圧面615の中心部から押圧力fPとは逆方向(図ではX軸の正方向)に、すなわち加圧ローラー32に向かって突出した突起である。凸部601は、ニップの幅方向(Y軸方向)における押圧面615の中心線に沿って伸びる峰Crを含む。この峰Crは押圧面615の中で加圧ローラー32の回転軸に最も近く、基準線Crを成す。図6の(a)が示す例においても、基準線Crは押圧パッド311の長手方向(Z軸方向)に対して平行な直線である。すなわち、基準線Cr上のいずれの点も加圧ローラー32の外周面から等距離に位置する。したがって、押圧力fPの強さにかかわらず、基準線Crの全体がニップに必ず含まれる。
図6の(b)、(c)は、押圧パッド311を長手方向(図ではZ軸方向)に対して垂直な仮想平面VPb、VPcのそれぞれで切断した場合を示す横断面図である。図6の(b)が示すように、押圧パッド311の端部402を通る仮想平面VPbでは押圧面615の輪郭は、ニップの幅方向(Y軸方向)の両縁には幅方向に対して平行な直線部分61bを含み、中心には凸部601の描く、押圧力fPとは逆方向(X軸の正方向)に突出した滑らかな凸曲線62bを含む。図6の(c)が示すように、押圧パッド311の端部402と中央部401との中間を切断する仮想平面VPcにおいても、押圧面615の輪郭は、ニップの幅方向(Y軸方向)の両縁に直線部分61cを含み、中心に凸曲線62cを含む。仮想平面の位置が押圧パッド311の中央部401に近いほど、直線部分61b、61cは加圧ローラー32の回転軸に近く、凸曲線62b、62cの幅は狭い。押圧パッド311の中央部401を切断する仮想平面では押圧面615の輪郭は、図4の(e)が示すものと同様、ニップの幅方向(Y軸方向)に伸びる直線に等しい。
各仮想平面VPb、VPcでは、押圧面615の基準点Prが凸曲線62b、62cの頂点に位置する一方、境界点Pcが直線部分61b、61cに位置する。したがって、低荷重fL下のニップは、図6の(a)が破線Ccで示す境界線の内側にしか拡がらず、特に端部401では実質上、凸部601しか含まない。一方、高荷重fH下のニップは押圧面615の全体に拡がり、特に端部401では凸曲線62bに加えてその両側の直線部分61bを含む。基準線Crと境界線Ccとはいずれも、ニップの幅方向(Y軸方向)に対して垂直な仮想平面内では、図5の(b)が示すものと同様な形状である。すなわち、基準線Crは、押圧パッド311の長手方向(Z軸方向)に対して平行な直線であり、境界線Ccは、押圧パッド311の中央部401から両端部402へ近づくにつれて加圧ローラー32から押圧力fPの方向(X軸の負方向)へ遠のくように湾曲した滑らかな曲線である。さらに、中央部401から両端部402へ近づくにつれて押圧面615の直線部分61b、61cに対する凸曲線62b、62cの高さ、すなわち境界点Pcから基準点Prまでの押圧力fPの方向(X軸方向)に沿った距離(X座標の差)は増大する。したがって、押圧パッド311の中央部401を切断する仮想平面VPe(図4の(e)参照。)と比べて端部402を切断する仮想平面VPb(図6の(b)参照。)では、基準点Prを基準とする境界点Pcの位置(基準点Prを原点とした場合における境界点PcのX座標)が加圧ローラー32とは反対側(X軸の負方向)へ移動している。好ましくは、各端部402では、境界点Pcから基準点Prまでの押圧力fPの方向に沿った距離(X座標の差)HP、すなわち直線部分61bに対する凸曲線62bの頂点の高さは、押圧力fPが高荷重fHである際に生じる加圧ローラー32の回転軸に対する保持部材312のたわみ量DFH(図3の(b)参照。)の半値以上に設計される:HP≧DFH/2。
押圧パッド311は加圧ローラー32の外周面に比べれば弾性変形が無視できるので、ニップは押圧面615と形状が実質的に一致する。押圧力fPが低荷重fLである場合はニップ幅NWLが十分に狭いので、ニップは両端部402では凸部601しか含まない。その結果、中央部401と同様に両端部402でも、押圧力fPの方向における位置(X座標)が基準線Crよりも加圧ローラー32から遠い面積の割合は無視できるので、押圧面の全体が平面であると想定した場合とニップ圧分布は実質的に変わらない(図5の(c)参照)。一方、押圧力fPが高荷重fHである場合にはニップ幅NWHが押圧面715の全幅に達するので、ニップは両端部402では中央部401とは異なり、幅方向の両縁が中心よりも押圧力fPの方向(X軸の負方向)へ逃げるように湾曲する。その結果、両端部402は中央部401とは異なり、押圧力fPの方向における位置(X座標)が基準線Crよりも加圧ローラー32から遠い面積の割合は無視できない。それ故、押圧面の全体が平面であると想定した場合よりも両端部Z=Z0、Z1のニップ圧が低減し、中央部Z=Zcとの間でのニップ圧の差が小さく抑えられる(図5の(c)参照)。
−第2変形例−
図7の(a)は、条件αを満たす押圧面の第2変形例715を含む押圧パッド311の斜視図である。図7の(a)でも図4の(a)と同様、押圧面715の起伏の大きさが各辺の長さに対して誇張されている。押圧面の第2変形例715は第1変形例615とは、滑らかな曲面形状の凸部601に代えて段形状の凸部701を含む点でのみ異なる。この凸部701は、ニップの幅方向(Y軸方向)における押圧面715の中心部から押圧力fPとは逆方向(X軸の正方向)に突出した突起である。凸部701の頂上は押圧力fPの方向(X軸方向)に対して垂直な平面であり、基準線Crを含む。すなわち、凸部701の頂上のいずれの点も加圧ローラー32の外周面から等距離に位置する。したがって、押圧力fPの強さにかかわらず、基準線Crの全体がニップに必ず含まれる。
図7の(b)、(c)は、押圧パッド311を長手方向(Z軸方向)に対して垂直な仮想平面VPb、VPcのそれぞれで切断した場合を示す横断面図である。図7の(b)が示すように、押圧パッド311の端部402を切断する仮想平面VPbでは押圧面715の輪郭は、ニップの幅方向(Y軸方向)の両縁に幅方向に対して平行な直線部分71bを含み、中心に凸部701の描く矩形部分72bを含む。図7の(c)が示すように、押圧パッド311の端部402と中央部401との中間を切断する仮想平面VPcにおいても押圧面715の輪郭は、ニップの幅方向(Y軸方向)の両縁に直線部分71cを含み、中心に矩形部分72cを含む。仮想平面が押圧パッド311の中央部401に近いほど、直線部分71b、71cは加圧ローラー32の回転軸に近い。押圧パッド311の中央部401を切断する仮想平面VPeでは押圧面715の輪郭は、図4の(e)が示すものと同様、ニップの幅方向(Y軸方向)に伸びる直線に等しい。
各仮想平面VPb、VPcでは、押圧面715の基準点Prが矩形部分72b、72cの中心に位置する一方、境界点Pcが直線部分71b、71cに位置する。したがって、低荷重fL下のニップは、図7の(a)が破線Ccで示す境界線の内側にしか拡がらず、特に端部401では実質上、凸部701しか含まない。一方、高荷重fH下のニップは押圧面715の全体に拡がり、特に端部401では矩形部分72bに加えてその両側の直線部分71bを含む。基準線Crと境界線Ccとはいずれも、ニップの幅方向(Y軸方向)に対して垂直な仮想平面内では図5の(b)が示すものと同様な形状である。特に、押圧パッド311の中央部401を切断する仮想平面VPe(図4の(e)参照。)と比べて端部402を切断する仮想平面VPb(図7の(b)参照。)では、基準点Prを基準とする境界点Pcの位置が加圧ローラー32とは反対側(X軸の負方向)へ移動している。好ましくは、各端部402では、基準点Prから境界点Pcまでの押圧力fPの方向(X軸方向)に沿った距離(X座標の差)HP、すなわち直線部分71bに対する矩形部分72bの高さは、押圧力fPが高荷重fHである際に生じる加圧ローラー32の回転軸に対する保持部材312のたわみ量DFH(図3の(b)参照。)の半値以上に設計される:HP≧DFH/2。
押圧力fPが低荷重fLである場合にはニップ幅NWLが十分に狭いので、ニップは両端部402では凸部701しか含まない。その結果、ニップは両端部402では中央部401と実質的に同じ平面上に拡がるので、押圧面の全体が平面であると想定した場合とニップ圧分布は実質的に変わらない(図5の(c)参照)。一方、押圧力fPが高荷重fHである場合にはニップ幅NWHが押圧面715の全幅に達するので、ニップは両端部402では中央部401とは異なり、幅方向の両縁が中心よりも押圧力fPの方向(X軸の負方向)へ逃げるように湾曲する。その結果、両端部402は中央部401とは異なり、押圧力fPの方向における位置(X座標)が基準線Crよりも加圧ローラー32から遠い面積の割合は無視できない。それ故、押圧面の全体が平面であると想定した場合よりも、両端部Z=Z0、Z1のニップ圧が低減し、中央部Z=Zcとの間でのニップ圧の差が小さく抑えられる(図5の(c)参照)。
(F)図4の(e)が示す押圧面315は、押圧パッド311の中央部401を切断する仮想平面VPeにおける輪郭が実質的に、ニップの幅方向(Y軸方向)に対して平行な直線である。この輪郭はその他に曲線であってもよく、たとえば、加圧ローラー32の外周面の一部、または定着ベルト31のうちニップに挟まれる部分と実質的に一致する形状であってもよい。
−加圧ローラーの外周面と形状が一致する場合−
図8の(a)は、押圧面の第3変形例815を含む押圧パッド311の斜視図であり、図8の(b)、(c)、(d)は、この押圧パッド311を長手方向(Z軸方向)に対して垂直な仮想平面VPb、VPc、VPdのそれぞれで切断した横断面図である。図8では図4と同様、押圧面815の起伏の大きさが各辺の長さに対して誇張されている。図8の(a)、…、(d)が示すように、押圧面815は押圧パッド311の横断面における輪郭が円弧状に窪んでいる。特に押圧パッド311の長手方向(図ではZ軸方向)における中央部401では窪みが加圧ローラー32の外周面の一部と実質的に同じ形状を持つ。すなわち、この窪みがニップの幅方向(Y軸方向)に沿って描く円弧の半径は加圧ローラー32の外径に等しい。さらに、窪みが描く円弧は、図8の(b)、(c)、(d)が示すように、押圧パッド311の長手方向(Z軸方向)に沿って中央部401から両端部402へ向かうにつれて半径が増大して直線に近づいている。これにより、ニップの幅方向(Y軸方向)における両縁が押圧力fPの方向(X軸の負方向)へ変位する。
各円弧上の基準点Pr、すなわちニップの形成時、この円弧の中で加圧ローラー32の外周面と定着ベルト31越しに最初に接触する領域は、押圧力fPの方向における位置が加圧ローラー32の回転軸から最も遠い(図ではX座標が最も負側の)部分、すなわちその方向における窪みの最深部に位置する。図8の(a)が示す例においても基準線Crは押圧パッド311の長手方向(Z軸方向)に対して平行な直線である。すなわち基準線Cr上のいずれの点も加圧ローラー32の外周面から等距離に位置する。したがって、押圧力fPの強さにかかわらず、基準線Crの全体がニップに必ず含まれる。
各円弧上の境界点Pcはその円弧の半径が大きいほど、押圧力fPの方向における位置(X座標)が加圧ローラー32から遠い。したがって、境界線Ccは、押圧パッド311の中央部401から両端部402へ近づくにつれて加圧ローラー32から押圧力fPの方向(X軸の負方向)へ遠のくように湾曲している。その結果、図8の(b)、(c)、(d)が示すように、中央部401から両端部402へ近づくにつれて、基準点Prを基準とする境界点Pcの位置(基準点Prを原点とした場合における境界点PcのX座標)が加圧ローラー32とは反対側(X軸の負方向)へ移動している。
各円弧のうち境界点Pcよりも内側では加圧ローラー32の回転軸からの距離の差が十分に小さい。加圧ローラー32の外周面に比べれば押圧パッド311は弾性変形が無視できるのでニップは押圧面815と形状が実質的に一致し、低荷重fL下のニップは境界線Ccの内側にしか拡がらない。したがって、中央部401と同様に両端部402でも、加圧ローラー32の回転軸からの距離が基準線Crよりも遠い面積の割合は無視できる。その結果、押圧面の全体が加圧ローラー32の外周面と同じ形状である場合と比べてニップ圧分布は実質的に変わらない。一方、高荷重fH下のニップは押圧面815の全幅に達するので、両端部402では中央部401とは異なり、幅方向の両縁が中心よりも押圧力fPの方向(X軸の負方向)へ逃げるように反る。その結果、両端部402は中央部401とは異なり、加圧ローラー32の回転軸からの距離が基準線Crよりも遠い面積の割合は無視できない。それ故、押圧面の全体が加圧ローラー32の外周面と同じ形状である場合よりも、両端部402のニップ圧が低減し、中央部401との間でのニップ圧の差が小さく抑えられる。
図8の(e)は、押圧パッド311の長手方向における中央部401が加圧ローラー32の外周面と形成するニップNQを示す定着ベルト31と加圧ローラー32との横断面図である。中央部401では押圧面815が加圧ローラー32の外周面と同じ形状を持つので、図2の(b)が示す平らなニップNPを示す場合とは異なり、加圧ローラー32の外周面はニップNQにおける変形が小さい。したがって、ニップNQにおけるシートの搬送速度が推測しやすいので、搬送制御の高精度化が容易である。また、シートがニップNQから離脱する際の移動方向が定着ベルト31側よりも加圧ローラー32側に寄っているので、シートを定着ベルト31から分離させることが容易である。
−定着ベルトの輪郭と形状が一致する場合−
図9の(a)は、押圧面の第4変形例915を含む押圧パッド311の斜視図であり、図9の(b)、(c)、(d)は、この押圧パッド311を長手方向(Z軸方向)に対して垂直な仮想平面VPb、VPc、VPdのそれぞれで切断した場合を示す横断面図である。図9では図4と同様、押圧面915の起伏の大きさが各辺の長さに対して誇張されている。図9の(a)、…、(d)が示すように、押圧面915は押圧パッド311の横断面における輪郭が円弧状に膨らんでいる。特に押圧パッド311の長手方向(図ではZ軸方向)における中央部401では膨らみが、定着ベルト31のうちニップに挟まれる部分と実質的に同じ形状を持つ。すなわち、この膨らみがニップの幅方向(Y軸方向)に沿って描く円弧の半径は定着ベルト31の内径に等しい。さらに、膨らみが描く円弧は、図9の(b)、(c)、(d)が示すように、押圧パッド311の長手方向(Z軸方向)に沿って中央部401から両端部402へ向かうにつれて半径が減少する。これにより、ニップの幅方向(Y軸方向)における両縁が押圧力fPの方向(X軸の負方向)へ変位する。
各円弧上の基準点Pr、すなわちニップの形成時、この円弧の中で加圧ローラー32の外周面と定着ベルト31越しに最初に接触する領域は、押圧力fPの方向(X軸方向)において加圧ローラー32の回転軸に最も近い部分、すなわちその方向における膨らみの頂点に位置する。図9の(a)が示す例においても基準線Crは、押圧パッド311の長手方向(Z軸方向)に対して平行な直線である。すなわち、基準線Cr上のいずれの点も加圧ローラー32の外周面から等距離に位置する。したがって、押圧力fPの強さにかかわらず、基準線Crの全体がニップに必ず含まれる。
各円弧上の境界点Pcはその円弧の半径が小さいほど、押圧力fPの方向(X軸方向)における加圧ローラー32の回転軸からの距離が大きい。したがって、境界線Ccは、押圧パッド311の中央部401から両端部402へ近づくにつれて加圧ローラー32から押圧力fPの方向(X軸の負方向)へ遠のくように湾曲している。その結果、図9の(b)、(c)、(d)が示すように、中央部401から両端部402へ近づくにつれて、基準点Prを基準とする境界点Pcの位置が(基準点Prを原点とした場合における境界点PcのX座標)が加圧ローラー32とは反対側(X軸の負方向)へ移動している。
各円弧のうち境界点Pcよりも内側では定着ベルト31の回転軸からの距離の差が十分に小さい。加圧ローラー32の外周面に比べれば押圧パッド311は弾性変形が無視できるのでニップは押圧面915と形状が実質的に一致し、低荷重fL下のニップは境界線Ccの内側にしか拡がらない。したがって、中央部401と同様に両端部402でも、定着ベルト31の回転軸からの距離が基準線Crよりも近い面積の割合は無視できる。その結果、押圧面の全体が定着ベルト31と同じ形状である場合と比べてニップ圧分布は実質的に変わらない。一方、高荷重fH下のニップは押圧面915の全幅に達するので、両端部402では中央部401とは異なり、幅方向の両縁が押圧力fPの方向(X軸の負方向)へ更に大きく逃げる。その結果、両端部402は中央部401とは異なり、定着ベルト31の回転軸からの距離が基準線Crよりも近い面積の割合は無視できない。それ故、押圧面の全体が定着ベルト31と同じ形状である場合よりも、両端部402のニップ圧が低減し、中央部401との間でのニップ圧の差が小さく抑えられる。
図9の(e)は、押圧パッド311の長手方向における中央部401が加圧ローラー32の外周面と形成するニップNRを示す定着ベルト31と加圧ローラー32との横断面図である。中央部401では押圧面915が、定着ベルト31のうちニップNRに挟まれた部分と同じ形状を持つので、図2の(b)が示す平らなニップNPの場合とは異なり、定着ベルト31はニップNRでの変形が小さい。したがって、ニップNRを通過する際に定着ベルト31の受けるストレスが低減するので、定着ベルト31の耐久性が向上する。
(G)図4、図6、図7、図8、図9が示す押圧面315、615、715、815、915はいずれも、押圧パッド311の中央部401を切断する仮想平面における輪郭が滑らかである。この輪郭はその他に、段、突起、溝等のいわゆる微分不可能な部分を含んでいてもよい。たとえば、図6、図7の示す押圧面615、715の凸部601、701が押圧パッド311の長手方向(図ではZ軸方向)における両端部402から中央部401まで延長されてもよい。すなわち、中央部401から基準線Crとその近傍とが加圧ローラー32へ向かって突出していてもよい。これにより、中央部401では、押圧力fPの強さにかかわらず、基準線Crとその近傍とにおけるニップ圧が他の領域における値よりも高い。特に、押圧パッド311と加圧ローラー32との間のニップへ封筒が通紙される場合、押圧力fPが低荷重f1に抑えられても、押圧面の中央部401と基準線Crとの交差領域ではニップ圧が十分に高く維持される。その結果、その封筒の表側の紙と裏側の紙との間にずれが生じにくいので、紙しわ等の不具合が防止され、印刷品質が向上する。
(H)図5の(c)が示すように、押圧パッド311の長手方向(Z軸方向)におけるニップ圧のばらつきは、押圧力fPが高荷重fHであるときも低荷重f1であるときと同程度に小さい。この場合、押圧面315の両端部Z=Z0、Z1では中央部Z=Zcよりもニップ圧が有意に高く維持されてもよい。これにより、両端部Z=Z0、Z1では中央部Z=Zcよりも加圧ローラー32の外周面が大きく圧縮されて弾性力が増大するので、その外周面の接線速度が上昇する。その結果、ニップを通過するシートに対して加圧ローラー32の外周面が及ぼす摩擦力には、中央部Z=Zcから両端部Z=Z0、Z1へ向かう成分が現れる。これらの成分はシートを拡げるように作用するので、そのシート(特にその後端の中央部)のしわが防止される。
(I)図4等が示す押圧面315等はいずれも基準線Crが直線である。基準線はその他に、加圧ローラー32の軸方向に対して湾曲または屈曲していてもよい。
図10の(a)は、押圧面の第5変形例A15を含む押圧パッド311が加圧ローラー32とのニップを解消した状態における側面図である。図10の(a)では図4と同様、押圧面A15の起伏の大きさが各辺の長さに対して誇張されている。押圧面A15は、図4の示す押圧面315を加圧ローラー32の軸方向(Z軸方向)に対して湾曲させたような3次元形状を持つ。これにより、押圧面A15の3次元形状は、図4の示すものよりも更に、和琴の弦が張られた面(龍甲)に似ている。押圧面A15の中で加圧ローラー32に最も近い領域に基準線Csは位置する。この基準線Csは図4の示すものCrとは異なり直線ではなく、加圧ローラー32の軸方向(Z軸方向)に沿って中央部A01から両端部A02へ近づくにつれて加圧ローラー32から遠のく(X軸の負方向へ変位する)ように湾曲している。境界線Ccも同様に湾曲しているが、その度合いは基準線Csよりも大きい。したがって、基準線Crを基準とする境界線Ccの位置は、中央部401と比べて両端部402では、加圧ローラー32とは反対側(X軸の負方向)へ移動している。
加圧ローラー32の外周面は円筒形状であり、特に軸方向に対して平行である。したがって、軸方向に対して湾曲した基準線Csは図4の示す直線状のものCrとは異なり、ニップの形成時、中央部A01が両端部A02よりも先に加圧ローラー32の外周面と、定着ベルト31越しに接触する。低荷重f1の押圧力fPが十分に強ければ、中央部A01に遅れて両端部A02も加圧ローラー32の外周面と、定着ベルト31越しに接触する。この遅れに伴い、加圧ローラー32の外周面のうち中央部A01と定着ベルト31越しに接触する部分は両端部A02と接触する部分よりも大きく圧縮されて弾性力が増大するので、その弾性力によるニップ圧への寄与が増大する。中央部A01と両端部A02との間でのこの寄与の差が保持部材312のたわみに起因するニップ圧の差ΔPLを相殺するように、基準線Csの湾曲量は設計される。その結果、低荷重f1下におけるニップ圧のばらつきも更に小さく抑えられる。
図10の(b)は、図10の(a)の示す押圧パッド311が加圧ローラーの変形例302とのニップを解消した状態における押圧パッド311と加圧ローラー302との側面図である。図10の(b)では図10の(a)と同様、押圧面A15の起伏の大きさが各辺の長さに対して誇張されている。この加圧ローラー302の外周面は、円筒形状に代えて逆クラウン形(フレア形、または鼓形ともいう。)である。すなわち、加圧ローラー32の回転軸を含む縦断面における外周面の輪郭は、加圧ローラー32の軸方向(Z軸方向)に沿って中央部A31から両端部A32へ近づくにつれて押圧パッド311へ接近する(X軸の負方向へ変位する)ように湾曲している。この輪郭は特に、押圧面A15の基準線Csと形状が一致する。これにより、押圧力fPの強さにかかわらず、基準線Csの全体が常にニップに含まれる。加圧ローラー32の外周面は逆クラウン形であるので、中央部A31よりも両端部A32は半径が大きく、接線速度が高い。その結果、ニップを通過するシートに対して加圧ローラー32の外周面が及ぼす摩擦力には、軸方向における中央から外側へ向かう成分が現れる。これらの成分はシートを拡げるように作用するので、そのシート(特にその後端の中央部)のしわが防止される。
本発明は、電子写真式の画像形成装置におけるベルト式定着装置の構造に関し、上記のとおり、押圧パッドの押圧面は、基準領域を基準とする境界領域の位置が長手方向において中央部から端部へ向かうほど定着回転体とは反対側へ移動しているように形成される。このように、本発明は明らかに産業上利用可能である。
100 画像形成装置
10 給送部
20 作像部
30 定着装置
31 定着ベルト
311 押圧パッド
312 保持部材
313 加熱部
314 キャップ
315 押圧パッドの板面
316 キャップの突出部
317 キャップの切り欠き
32 加圧ローラー
321 芯金
322 弾性層
323 離型層
33 加圧部
331 バネ
401 押圧パッドの長手方向における中央部
402 押圧パッドの長手方向における端部
Pr 押圧面上の基準点
Cr 押圧面上の基準線
Pc 押圧面上の境界点
Cc 押圧面上の境界線

Claims (17)

  1. トナー像が転写されているシートの表面に熱と圧力とを加えることにより当該トナー像を当該シートの表面に定着させる定着装置に搭載され、定着回転体の外周面との間に定着ベルトを挟んでニップを形成する押圧パッドであって、
    前記ニップにおいて前記定着ベルトに接触する押圧面を含み、
    前記定着回転体と前記押圧パッドとの一方を他方に押し付ける外力が除去されて前記押圧パッドが前記ニップを解消した状態で、前記定着回転体の回転軸に対して垂直な仮想平面により切断された前記押圧パッドの断面において前記押圧面が描く輪郭は、前記外力が加わって前記ニップが形成される際に前記押圧パッドが前記定着ベルト越しに前記定着回転体の外周面と最初に接触する基準領域と、当該基準領域から前記ニップの幅方向に閾値距離だけ離れた境界領域とを含み、
    前記仮想平面による前記押圧パッドの断面における基準領域を基準とする境界領域の位置が、前記定着回転体の軸方向において前記押圧パッドの中央部から端部へ向かうほど、前記定着回転体とは反対側へ移動しているように、前記押圧面が形成されている
    ことを特徴とする押圧パッド。
  2. 前記外力が加わって前記押圧パッドが前記ニップを形成した状態では、前記外力の強さにも、前記仮想平面による前記押圧パッドの断面の位置にもかかわらず、当該断面における基準領域は前記ニップに含まれ、
    前記閾値距離は、前記外力の強さが閾値に等しい場合における基準領域から前記ニップの幅方向の端までの距離を表す
    ことを特徴とする請求項1に記載の押圧パッド。
  3. 前記外力が除去されて前記押圧パッドが前記ニップを解消した状態では、前記押圧面の輪郭は、前記定着回転体に向かって突出した滑らかな凸曲線を描き、
    当該凸曲線は、前記定着回転体の軸方向において前記押圧パッドの中央部から端部へ向かうほど平均曲率が高い
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の押圧パッド。
  4. 前記仮想平面による前記押圧パッドの断面において基準領域は、前記定着回転体に向かって突出した凸部の頂点に位置し、
    前記外力の方向において当該断面の基準領域から境界領域までの距離は、前記定着回転体の軸方向において前記押圧パッドの中央部から端部へ向かうほど大きい
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の押圧パッド。
  5. 前記凸部は滑らかな凸曲線であることを特徴とする請求項4に記載の押圧パッド。
  6. 前記凸部は段形状であることを特徴とする請求項4に記載の押圧パッド。
  7. 前記外力が除去されて前記押圧パッドが前記ニップを解消した状態では、前記仮想平面による前記押圧パッドの中央部の断面において、前記押圧面の輪郭は実質的に直線であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の押圧パッド。
  8. 前記外力が除去されて前記押圧パッドが前記ニップを解消した状態では、前記仮想平面による前記押圧パッドの中央部の断面において、前記押圧面の輪郭は前記定着回転体の外周面の一部と形状が実質的に一致することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の押圧パッド。
  9. 前記外力が除去されて前記押圧パッドが前記ニップを解消した状態では、前記仮想平面による前記押圧パッドの中央部の断面において、前記押圧面の輪郭は前記定着ベルトのうち前記ニップに挟まれていた部分と形状が実質的に一致することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の押圧パッド。
  10. 前記外力が除去されて前記押圧パッドが前記ニップを解消した状態では、前記仮想平面による前記押圧パッドの中央部の断面から端部の断面までの基準領域が位置する前記押圧面上の線状領域は、前記定着回転体の回転軸に対して平行であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の押圧パッド。
  11. 前記外力が除去されて前記押圧パッドが前記ニップを解消した状態では、前記仮想平面による前記押圧パッドの断面の基準領域は、前記定着回転体の軸方向において前記押圧パッドの中央部から端部へ向かうほど、前記定着回転体の回転軸から遠いことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の押圧パッド。
  12. トナー像が転写されているシートの表面に熱と圧力とを加えることにより当該トナー像を当該シートの表面に定着させる定着装置であって、
    無端の定着ベルトと、
    回転軸の方向に沿って延びる定着回転体と、
    前記定着回転体の外周面との間に前記定着ベルトを挟んでニップを形成する請求項1から請求項11までのいずれかに記載の押圧パッドと、
    前記押圧パッドを保持する前記定着回転体の軸方向に長尺の保持部材と、
    前記定着ベルトと前記定着回転体の外周面とのいずれかを加熱する加熱部と、
    前記定着回転体の外周面と前記押圧パッドとの間の押圧力を変更可能な加圧部と
    を備えた定着装置。
  13. 前記加圧部が押圧力を除去して前記押圧パッドが前記ニップを解消した状態における前記仮想平面による前記押圧パッドの中央部の断面の境界領域から端部の断面の境界領域までの、当該押圧力の方向における距離は、当該押圧力が加わって前記押圧パッドが前記ニップを形成した状態における前記保持部材のたわみ量に対し、所定の割合以上に設計されていることを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記定着回転体は逆クラウン形状であることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の定着装置。
  15. 前記定着ベルトはフリーベルトであることを特徴とする請求項12から請求項14までのいずれかに記載の定着装置。
  16. 前記保持部材は、コの字形またはL字形の横断面を持つ板状であることを特徴とする請求項12から請求項15までのいずれかに記載の定着装置。
  17. 像担持体上にトナー像を形成する作像部と、
    当該トナー像をシートに転写する転写部と、
    請求項12から請求項16までのいずれかに記載の定着装置と、
    を備えた画像形成装置。
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