JP2018096503A - 旋回ベアリングのシール構造 - Google Patents

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【課題】低コストでシール交換作業が容易な旋回ベアリングのシール構造の提供。【解決手段】ハウジングの側壁部53に対して相対的に旋回する外輪20を有するウォームギヤ旋回ベアリング1のシール構造であって、外輪20に設けられ、アキシャル方向において側壁部53の端面53aに接触する第1シール部材71と、外輪20に設けられ、ラジアル方向において外輪20と対向する側壁部53の対向面53bに接触する第2シール部材72と、を備え、第1シール部材71及び第2シール部材72は、同一形状及び同一寸法のシール部材70から形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、旋回ベアリングのシール構造に関するものである。
固定部材と、当該固定部材に対して相対的に旋回する旋回リングと、を有する旋回ベアリングのシール構造の一例として、下記特許文献1には、軌道輪である内輪および外輪にそれぞれ軌道溝が形成され、これら内外輪の軌道溝間に複数の転動体が設けられ、当該内外輪における軸受内部空間の軸方向の両端をそれぞれ封止する一対の弾性体製のシール体を備えた旋回軸受のシール構造が開示されている。
このシール体は、互いに軸受内部空間の内外方向に並んで位置する複数の別体のシールからなり、これら複数のシールは内外輪のいずれか一方の軌道輪の周面に形成された互いに共通のシール取付け用溝に基部が取り付けられ、当該複数の別体のシールのうち、軸受内部空間の内外方向の最も内側に位置するシールであるグリース用シールは、先端が他方の軌道輪の周面にラジアル接触している。
特開2015−183787号公報
上記従来技術のシール構造は、グリース用シールに、先端が他方の軌道輪の端面にアキシャル接触するダスト用シールを重ねて構成されている。そして、上側のダスト用シールと下側のグリース用シールは、それぞれシール目的が異なるため、形状が異なるものとなっている。このため上記従来技術では、二種類のシールを用意する必要があり、部品点数が増えてコストが高くなり、またシール交換作業に手間がかかるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、低コストでシール交換作業が容易な旋回ベアリングのシール構造の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、固定部材と、前記固定部材に対して相対的に旋回する旋回リングと、を有する旋回ベアリングのシール構造であって、前記固定部材及び前記旋回リングのうちいずれか一方の部材に設けられ、前記旋回リングのアキシャル方向において他方の部材の端面に接触する第1シール部材と、前記一方の部材に設けられ、前記旋回リングのラジアル方向において前記一方の部材と対向する前記他方の部材の対向面に接触する第2シール部材と、を備え、前記第1シール部材及び前記第2シール部材は、同一形状及び同一寸法のシール部材から形成されている、という構成を採用する。
本発明によれば、低コストでシール交換作業が容易な旋回ベアリングのシール構造が得られる。
本発明の実施形態におけるウォームギヤ旋回ベアリングの斜視図である。 本発明の実施形態におけるウォームギヤ旋回ベアリングの分解斜視図である。 図1のA−A断面図である。 図3に示す領域Bの拡大図である。 本発明の実施形態における外輪側シールを形成するシール部材の断面図である。 本発明の実施形態におけるシール部材及び取付溝の形状を変更したときの応力分布及び面圧を示す図である。 本発明の実施形態におけるシール部材及び取付溝の形状を変更したときの応力分布及び面圧を示す図である。 本発明の実施形態におけるシール部材及び取付溝の形状を変更したときの応力分布及び面圧を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明では、本発明の旋回ベアリングの一例として、ウォームギヤにより駆動するウォームギヤ旋回ベアリングを例示する。
図1は、本発明の実施形態におけるウォームギヤ旋回ベアリング1の斜視図である。図2は、本発明の実施形態におけるウォームギヤ旋回ベアリング1の分解斜視図である。図3は、図1のA−A断面図である。
図1〜図3に示すように、ウォームギヤ旋回ベアリング1は、内輪10(固定部材)と、外輪20(旋回リング)と、複数の転動体30と、ウォーム40と、ハウジング50(固定部材)と、を有する。
本実施形態のウォームギヤ旋回ベアリング1は、図1に示すように、モーター2と接続され、内輪10及びハウジング50に対して、外輪20が回転軸O1周りに回転する構成となっている。なお、以下の説明では、回転軸O1が延びる方向を、アキシャル方向(軸方向)と称する。また、回転軸O1が延びる方向と直交する方向を、ラジアル方向(径方向)と称する。
内輪10は、略円環状に形成されており、図3に示すように、回転軸O1を含む断面が、略矩形とされている。内輪10は、図1〜図3に示すように、第1の転動体転走溝11と、挿通孔12と、取付孔13と、を有する。
第1の転動体転走溝11は、図3に示すように、内輪10の外周面10bに形成されている。第1の転動体転走溝11は、溝中央を基準として、アキシャル方向における一方側に形成された第1溝面11aと、アキシャル方向における他方側に形成された第2溝面11bと、を有する。第1の転動体転走溝11は、内輪10の外周面10bを底辺とし、溝中央に向かって、第1溝面11aと第2溝面11bがそれぞれ45°で傾斜する直角二等辺三角形に形成されている。
挿通孔12は、図2に示すように、内輪10のアキシャル方向における一方の端面10cと、内輪10のアキシャル方向における他方の端面10d(図3参照)と、を貫通して形成されている。挿通孔12には、アキシャル方向においてネジ16が挿通する。ネジ16は、図2に示す、ハウジング50に形成されたネジ孔57に螺合し、内輪10をハウジング50に対して固定する。
取付孔13は、内輪10の一方の端面10cと、内輪10の他方の端面10dと、を貫通して形成されている。取付孔13の径は、図2に示すように、挿通孔12の径よりも大きい。ハウジング50は、取付孔13と対向する取付孔58を有する。取付孔58は、取付孔13と略同じ径を有し、取付孔13と連通する。相手部材(接続対象物)の固定側及び可動側のいずれか一方は、取付孔13,58を介してハウジング50(内輪10)に取り付けられる。
内輪10の内周面10aには、図1に示すように、蓋体14と、給脂部15とが取り付けられている。蓋体14は、内輪10と外輪20との間に転動体30を組み込むための組込口を閉塞するものである。また、給脂部15は、内輪10と外輪20との間に介在する転動体30に潤滑剤を供給する継手であり、図示しない潤滑剤供給装置と接続可能な構成となっている。
外輪20は、内輪10の外周側に配置されている。外輪20は、略円環状に形成されており、図3に示すように、回転軸O1を含む断面が、略矩形とされている。外輪20は、図1〜図3に示すように、第2の転動体転走溝21と、ウォームホイールギヤ22と、取付孔23と、を有する。
第2の転動体転走溝21は、図3に示すように、外輪20の内周面20aに形成されている。第2の転動体転走溝21は、溝中央を基準として、アキシャル方向における一方側に形成された第1溝面21aと、アキシャル方向における他方側に形成された第2溝面21bと、を有する。第2の転動体転走溝21は、外輪20の内周面20aを底辺とし、溝中央に向かって、第1溝面21aと第2溝面21bがそれぞれ45°で傾斜する直角二等辺三角形に形成されている。
取付孔23は、図3に示すように、外輪20のアキシャル方向における一方の端面20cから、外輪20のアキシャル方向における他方の端面20dに向かって所定の深さで形成されている。取付孔23は、図示しないネジ溝が内周壁に形成されたネジ孔である。相手部材(接続対象物)の固定側及び可動側の他方は、取付孔23を介して外輪20に取り付けられる。
ウォームホイールギヤ22は、ウォーム40と噛み合う斜歯である。このウォームホイールギヤ22は、図3に示すように、外輪20の外周面20bと、外輪20の他方の端面20dと、に跨って形成されている。換言すると、ウォームホイールギヤ22は、外輪20の外周面20bと、外輪20の他方の端面20dとの角部に形成されている。
転動体30は、図3に示すように、第1の転動体転走溝11と第2の転動体転走溝21との間に複数配置されている。複数の転動体30は、第1の転動体転走溝11及び第2の転動体転走溝21に沿って回転軸O1を中心に環状に転動することにより、内輪10と外輪20とを回転軸O1周りに相対回転可能とさせる。
本実施形態の複数の転動体30は、複数の円筒ころが直交配列されたクロスローラーである。すなわち、複数の転動体30のうちの一つが、例えば、第2溝面11b及び第1溝面21aのそれぞれと接触して転動するとき、その転動体30と周方向で隣り合う転動体30は、第1溝面11a及び第2溝面21bのそれぞれと接触して転動するようになっている。
ウォーム40は、図3に示すように、外輪20に形成されたウォームホイールギヤ22と噛み合うものである。ウォーム40は、図2に示すように、円錐コロ軸受64を介してハウジング50に支持されている。ウォーム40は、モーター2と接続されて回転することで、外輪20を内輪10及びハウジング50に対して回転軸O1周りに回転させる。
ウォーム40は、図3に示すように、その回転中心O2がアキシャル方向において転動体30の中心よりも端面20d側に変位している。具体的に、ウォーム40の回転中心O2は、アキシャル方向において外輪20の端面20dと略同一の位置に位置する。
ハウジング50は、図1〜図3に示すように、曲面部51と、平面部52と、側壁部53と、支持部54と、を有する。
曲面部51は、図2に示すように、略円筒状に形成され、回転軸O1と交差して配置されると共に、内部にウォーム40を収容する構成となっている。曲面部51には、図3に示すように、ラジアル方向において内周面51aと外周面51bとを連通させる給脂孔59が形成されている。給脂孔59は、未使用時に栓部材60によって閉塞されている。
支持部54は、図2に示すように、曲面部51の両端部に設けられ、円錐コロ軸受64を介してウォーム40を支持する構成となっている。
支持部54には、ネジ孔54aが形成されており、ネジ66を介してベアリング押え65が取り付けられる。ベアリング押え65は、支持部54に収容された円錐コロ軸受64をウォーム40の長手方向において押え付けるものである。支持部54とベアリング押え65との間には、Oリング67が配置される。Oリング67は、支持部54とベアリング押え65との間をシールする。
平面部52は、回転軸O1周りに略円環状に形成され、図3に示すように、内輪10の他方の端面10d及び外輪20の他方の端面10dを覆う構成となっている。
側壁部53は、平面部52の外縁部から直角に立設し、外輪20の外周面20bの略全てを覆う構成となっている。詳しくは、外輪20の外周面20bは、図1に示すように、一部が曲面部51及び支持部54によって覆われ、曲面部51及び支持部54によって覆われなかった残部が側壁部53によって覆われている。
図3に示すように、外輪20の内周面20aには、内輪側シール61が取り付けられている。内輪側シール61は、内輪10と外輪20との間をシールする一重シールである。内輪側シール61は、略円環状に形成されており、外輪20の内周面20aに形成された取付溝85に取り付けられている。この内輪側シール61は、内輪10の一方の端面10cに当接している。内輪側シール61は、外輪20が回転するとき、内輪10の一方の端面10cと摺接する。
また、外輪20の外周面20bには、外輪側シール62(本実施形態のシール構造)が取り付けられている。外輪側シール62は、外輪20とハウジング50との間をシールする二重シールである。外輪側シール62は、略円環状に形成されており、外輪20の外周面20bに形成された取付溝80に取り付けられている。この外輪側シール62は、側壁部53の先端に沿って環状に形成されたハウジング50の端面53a(図1参照)に当接する第1シール部材71と、外輪20の外周面20bに対向する側壁部53の対向面53bに当接する第2シール部材72と、を有する。外輪側シール62は、外輪20が回転するとき、端面53a及び対向面53bと摺接する。
また、図3に示すように、内輪10とハウジング50の平面部52との間には、Oリング63が配置されている。Oリング63は、内輪10とハウジング50の平面部52との間からの異物の侵入を阻止する。Oリング63は、略円環状に形成されており、内輪10の他方の端面10dと、平面部52の側壁部53の内面52aとに当接している。
続いて、図4及び図5を追加参照しつつ、外輪側シール62の構成について詳しく説明する。
図4は、図3に示す領域Bの拡大図である。図5は、本発明の実施形態における外輪側シール62を形成するシール部材70の断面図である。
外輪側シール62は、図4に示すように、外輪20(一方の部材)に設けられ、アキシャル方向において側壁部53(他方の部材)の端面53aに接触する第1シール部材71と、外輪20に設けられ、ラジアル方向において外輪20と対向するハウジング50の対向面53bに接触する第2シール部材72と、を備える。第1シール部材71は、外部からの塵埃の侵入を防止するダスト用シールである。また、第2シール部材72は、内部からの潤滑剤(グリース)の漏れを防止するグリース用シールである。
第1シール部材71及び第2シール部材72は、同一形状及び同一寸法のシール部材70から形成されている。シール部材70は、弾性変形可能な円環状の弾性体である。なお、図4に示す第1シール部材71は、第2シール部材72よりも内径及び外径が大きいが、これはシール部材70をラジアル方向に拡張するように弾性変形させて取付溝80に係合させているためである。
シール部材70は、図5に示すように、先端部70aと、基端部70bと、を有する。基端部70bは、断面視略矩形状を有し、円環状のシール部材70の内周側を形成している。基端部70bの上面には、突起73が一体で形成されている。突起73は、断面視半円形状に形成されている。なお、突起73の断面形状は、三角形状、台形状や波形状等であってもよく、角が無い形状であることが好ましい。
突起73は、シール部材70の形状に沿って円環状に形成されている。この突起73は、ラジアル方向において間隔をあけて複数形成されている。本実施形態では、同心で径の異なる複数の突起73がラジアル方向に等間隔で3つ形成されている。一方、突起73が設けられる側と反対側の基端部70bの下面は、平面状(フラット)に形成されている。
先端部70aは、円環状のシール部材70の外周側を形成している。先端部70aは、基端部70bから先端に向かって徐々に薄くなる先細り形状を有している。この先端部70aの先端は、丸みを帯びており、本実施形態では、断面視半円形状に形成されている。先端部70aと基端部70bとの間には、屈曲部70cが形成されている。これにより、先端部70aは、基端部70bに対して斜め下方に傾斜し、その先端は、基端部70bの下面よりも下方に位置している。
図4に示すように、外輪20は、第1シール部材71及び第2シール部材72の基端部70bを一体的に挟持して取り付けるための取付溝80を有する。取付溝80は、外輪20の外周面20bに所定幅で開口している。取付溝80の幅は、第1シール部材71及び第2シール部材72の基端部70bを重ねたときの合計の厚みよりも僅かに小さい。すなわち、第1シール部材71及び第2シール部材72の基端部70bは、その厚み方向に圧縮された状態で取付溝80に取り付けられている。
取付溝80は、第1シール部材71及び第2シール部材72の基端部70bがラジアル方向においてその弾性力(復元力)により突き当てられる突当面81を有する。突当面81には、段差82が形成されている。第1シール部材71の基端部70bが突き当てられる第1突当面81aは、第2シール部材72の基端部70bが突き当てられる第2突当面81bよりもラジアル方向において外側に配置される。すなわち、第2突当面81bは、外輪20の外周面20bに対し、第1突当面81aよりも深い位置に形成されている。
また、第1シール部材71の突起73と、第2シール部材72の突起73は、ラジアル方向において交互に配置されている。第2シール部材72の上面には、第1シール部材71が重ねて配置されており、第2シール部材72は、取付溝80の開口部83において第1シール部材71を支持する突起73aを有する。突起73aは、第2シール部材72の基端部70bに形成された3つの突起73のうち、最も先端部70a寄りに配置された突起73である。
続いて、上記構成のウォームギヤ旋回ベアリング1の外輪側シール62における作用について図6〜図8を参照して説明する。
図6〜図8は、本発明の実施形態におけるシール部材70及び取付溝80の形状を変更したときの応力分布及び面圧を示す図である。なお、図6〜図8は、FEM(Finite Element Method)解析による応力分布を示している。
図6(a)に示すシール部材70Aは、突起73を備えていない。また、シール部材70Aの下面は、フラットに形成されており、屈曲部70cを有していない。また、このシール部材70Aが取り付けられる取付溝80Aの突当面81には、段差82が設けられていない。このような構成でシール部材70Aを重ねて取付溝80Aに取り付けた場合、図6(a)に示すように、シール部材70Aの基端部70bに大きな圧縮応力が作用していることが分かる。なお、この構成で、第1シール部材71の先端部70aが、側壁部53の端面53aに接触する面圧をP10とする。また、この構成で、第2シール部材72の先端部70aが、側壁部53の対向面53bに接触する面圧をP20とする。
図6(b)に示すシール部材70Bは、図6(a)に示す構成と異なり、2つの突起73を備えている。また、シール部材70Bには、屈曲部70c(図5参照)が形成されている。このような構成でシール部材70Bを重ねて取付溝80Bに取り付けた場合、図6(b)に示すように、シール部材70Bの基端部70bにおける圧縮応力が、図6(a)に示す圧縮応力と比較して小さくなっていることが分かる。すなわち、突起73があることによって、シール部材70Bが取付溝80Bに挿入し易くなることが分かる。また、この構成で、第1シール部材71の先端部70aが、側壁部53の端面53aに接触する面圧をP11とすると、P11はP10よりも大きくなる。また、この構成で、第2シール部材72の先端部70aが、側壁部53の対向面53bに接触する面圧をP21とすると、P21はP20よりも僅か小さくなるがほぼ変わらない。
図7に示すシール部材70Cは、図6(b)に示す構成と同じである。また、このシール部材70Cが取り付けられる取付溝80Cの突当面81には、段差82が設けられており、第1シール部材71の突起73と、第2シール部材72の突起73が、ラジアル方向において交互に配置されている。この場合、図7に示すように、シール部材70Cの突起73に作用する局所的な圧縮応力が、図6(b)に示す圧縮応力と比較して小さくなっていることが分かる。すなわち、第1シール部材71の突起73と第2シール部材72の突起73が交互に配置されることによって、シール部材70Cが取付溝80Cにより挿入し易くなることが分かる。しかしながら、この構成で、第1シール部材71の先端部70aが、側壁部53の端面53aに接触する面圧をP12とすると、P12はP11よりも大幅に小さくなっている。これは段差82を設けることにより、第1シール部材71が、第2シール部材72の突起73によって支えられる位置から側壁部53の端面53aに接触するまでの距離が長くなったためである。なお、この構成で、第2シール部材72の先端部70aが、側壁部53の対向面53bに接触する面圧をP22とすると、P22はP21よりも僅かに大きくなる。
図8(a)に示すシール部材70Dは、図7に示す構成と異なり、3つの突起73を備えている。なお、このシール部材70Dが取り付けられる取付溝80Dの突当面81には、段差82が設けられていない。この構成で、第1シール部材71の先端部70aが、側壁部53の端面53aに接触する面圧をP13とする。また、この構成で、第2シール部材72の先端部70aが、側壁部53の対向面53bに接触する面圧をP23とする。
図8(b)に示すシール部材70は、図8(a)に示す構成と同じである。そして、このシール部材70が取り付けられる取付溝80の突当面81には、段差82が設けられており、第2シール部材72は、取付溝80の開口部83に配置されて第1シール部材71を支持する突起73aを有する。すなわち、図8(b)に示す構成は、上述した本実施形態に係る構成と同じものである。この構成で、第1シール部材71の先端部70aが、側壁部53の端面53aに接触する面圧をP14とすると、P14はP13よりも大きくなる。これは、第1シール部材71が、第2シール部材72の突起73aによって支えられ、当該支えられた位置から側壁部53の端面53aに接触するまでの距離が短くなったためである。なお、この構成で、第2シール部材72の先端部70aが、側壁部53の対向面53bに接触する面圧をP24とすると、P24はP23よりも僅かに大きくなる。
上述のような本実施形態のウォームギヤ旋回ベアリング1のシール構造によれば、図4に示すように、アキシャル方向においてハウジング50の側壁部53の端面53aに接触する第1シール部材71と、外輪20に設けられ、ラジアル方向において外輪20と対向する側壁部53の対向面53bに接触する第2シール部材72と、を備え、第1シール部材71及び第2シール部材72は、同一形状及び同一寸法のシール部材70から形成されている。すなわち、同一の構成のシール部材70を一対で使用し、それぞれをダスト用シール、グリース用シールの役割としている。したがって、この構成によれば、一種類のシール部材70を用意すれば足り、金型費及び管理費が抑えられ、また部品点数が減って低コストとなると共に、シール交換作業が容易になる。
また、本実施形態のウォームギヤ旋回ベアリング1のシール構造においては、外輪20が、第1シール部材71及び第2シール部材72の基端部70bを一体的に挟持して取り付けるための取付溝80を有し、取付溝80は、第1シール部材71の基端部70bがラジアル方向において突き当てられる第1突当面81aと、第1突当面81aよりも深い位置で第2シール部材72の基端部70bがラジアル方向において突き当てられる第2突当面81bと、を有する。この構成によれば、第2シール部材72が取付溝80の深い位置に配置されるため、外輪20が回転し、第2シール部材72が対向面53bと摺接する際に、第2シール部材72が取付溝80から引きずり出されて脱落することを防止することができる。また、第2シール部材72の取付溝80からの突出量が小さくなるため、図3に示すウォーム40を収容する曲面部51の内周面51aのエッジに、第2シール部材72が接触しないようにすることができる。
また、本実施形態のウォームギヤ旋回ベアリング1のシール構造においては、基端部70bの上面に、円環状の突起73が形成されている。この構成によれば、シール部材70と取付溝80との接触面積が減るため、図7(a)と図7(b)に示す応力分布の比較から明らかなように、シール部材70を取付溝80に容易に挿入することができる。
さらに、第1シール部材71の突起73と、第2シール部材72の突起73を、ラジアル方向において交互に配置することで、図6(b)と図7に示す応力分布の比較から明らかなように、突起73に作用する局所的な圧縮応力が低減されるため、シール部材70を取付溝80に、より容易に挿入することができる。
また、本実施形態のウォームギヤ旋回ベアリング1のシール構造においては、第2シール部材72は、取付溝80の開口部83に配置されて第1シール部材71を支持する突起73aを有する。この構成によれば、第1シール部材71が、第2シール部材72の突起73aによって支えられる位置から側壁部53の端面53aに接触するまでの距離が短くなるため、図7及び図8(a)と図8(b)に示す面圧の比較から明らかなように、第1シール部材71の先端部70aが、側壁部53の端面53aに接触する面圧を大きくし、シール性を高めることができる。
また、本実施形態のウォームギヤ旋回ベアリング1のシール構造においては、図3に示すように、第1シール部材71及び第2シール部材72は、外輪20とハウジング50との間をシールする外輪側シール62を形成している。すなわち、外輪側シール62は、ウォームギヤ旋回ベアリング1の外側に配置され、防塵、防水、グリース漏れを防止する必要があるのに対し、内輪側シール61は、ウォームギヤ旋回ベアリング1の内側に配置されて相手部材(接続対象物)によって覆われるため、一重のシールで足りる。このように、本実施形態では、外輪側シール62を二重のシールとし、内輪側シール61は一枚減らして一重のシールとすることで、部品点数が減り、シール交換作業も容易になる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、外輪20に第1シール部材71及び第2シール部材72が設けられ、側壁部53の端面53a及び対向面53bに接触する構成について説明したが、側壁部53に第1シール部材71及び第2シール部材72が設けられ、外輪20の端面20c及び外周面20b(対向面)に接触する構成を採用してもよい。
また、例えば、上記実施形態では、外輪側シール62に本発明に係るシール構造を適用したが、内輪側シール61に本発明に係るシール構造を適用してもよい。また、内輪側シール61及び外輪側シール62に本発明に係るシール構造を適用してもよい。
また、例えば、上記実施形態では、転動体30は、円筒コロである構成を例示したが、転動体30は、他の形状の転動体、例えばボール型や樽型であってもよい。
1…ウォームギヤ旋回ベアリング(旋回ベアリング)、10…内輪(固定部材)、20…外輪(旋回リング,一方の部材)、50…ハウジング(固定部材,他方の部材)、53…側壁部、53a…端面、53b…対向面、62…外輪側シール(シール構造)、70,70A,70B,70C,70D…シール部材、70a…先端部、70b…基端部、71…第1シール部材、72…第2シール部材、73,73a…突起、80,80A,80B,80C,80D…取付溝、81a…第1突当面、81b…第2突当面、83…開口部

Claims (6)

  1. 固定部材と、前記固定部材に対して相対的に旋回する旋回リングと、を有する旋回ベアリングのシール構造であって、
    前記固定部材及び前記旋回リングのうちいずれか一方の部材に設けられ、前記旋回リングのアキシャル方向において他方の部材の端面に接触する第1シール部材と、
    前記一方の部材に設けられ、前記旋回リングのラジアル方向において前記一方の部材と対向する前記他方の部材の対向面に接触する第2シール部材と、を備え、
    前記第1シール部材及び前記第2シール部材は、同一形状及び同一寸法のシール部材から形成されている、ことを特徴とする旋回ベアリングのシール構造。
  2. 前記一方の部材は、前記第1シール部材及び前記第2シール部材の基端部を一体的に挟持して取り付けるための取付溝を有し、
    前記取付溝は、前記第1シール部材の基端部が前記ラジアル方向において突き当てられる第1突当面と、前記第1突当面よりも深い位置で前記第2シール部材の基端部が前記ラジアル方向において突き当てられる第2突当面と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の旋回ベアリングのシール構造。
  3. 前記基端部の上面には、円環状の突起が形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の旋回ベアリングのシール構造。
  4. 前記突起は、前記ラジアル方向において間隔をあけて複数形成されており、
    前記第1シール部材の前記突起と、前記第2シール部材の前記突起は、前記ラジアル方向において交互に配置されている、ことを特徴とする請求項3に記載の旋回ベアリングのシール構造。
  5. 前記第2シール部材は、前記取付溝の開口部に配置されて前記第1シール部材を支持する前記突起を有する、ことを特徴とする請求項3または4に記載の旋回ベアリングのシール構造。
  6. 前記固定部材は、前記旋回リングの内側に配置された内輪と、前記旋回リングの外側を囲うハウジングと、を有し、
    前記第1シール部材及び前記第2シール部材は、少なくとも前記旋回リングと前記ハウジングとの間をシールする、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の旋回ベアリングのシール構造。
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