JP2018095515A - シリコン原料の融解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン原料の種類又は大きさが相違しても融解時間のばらつきを抑制することができるシリコン原料の融解方法の提供。
【解決手段】カットロッドR1と小片チップR2からなるシリコン原料のうち、再生シリコン原料の割合及びカットロッドR1の割合に対する初期メルト時の融解時間の関係を予め求め、石英製坩堝11に充填されるシリコン原料のうち再生シリコン原料の割合を求め、石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうちカットロッドR1の割合を求め、石英製坩堝11に充填される再生シリコン原料の割合と前記再生シリコン原料の割合及びカットロッドR1の割合に対する初期メルト時の融解時間の関係とから、再生シリコン原料の割合およびカットロッドR1の割合に依らずにシリコン原料の融解時間が一定範囲になるように、石英製坩堝11を加熱するヒータ13の設定温度又はヒータパワーを設定するシリコン原料の融解方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法などによるシリコン単結晶の製造における、シリコン原料の融解方法に関するものである。
チョクラルスキー法(以下、CZ法ともいう。)によりシリコン単結晶を製造する際に、その製造原料として使用される多結晶シリコンを石英製坩堝内で融解する多結晶シリコンの融解方法において、主として石英製坩堝の周囲を加熱するサイドヒータと、主として石英製坩堝の底部を加熱するボトムヒータとを配設し、サイドヒータへの供給電力をボトムヒータへの供給電力よりも大きくした状態で、石英製坩堝内に初期装填された多結晶シリコンを融解し(初期メルト時)、石英製坩堝内に初期装填された多結晶シリコンを融解した後、その石英製坩堝内に上方から新たに多結晶シリコンを追加し融解する際(追加チャージ時)には、石英製坩堝を上昇させると共に、サイドヒータへの供給電力を増大させ、ボトムヒータへの供給電力を0とした状態でその融解を行う多結晶シリコンの融解方法が知られている(特許文献1)。
特開平11−180799号公報
上記従来の融解方法では、初期メルト時から追加チャージ時に移行する際に2つのヒータの加熱力を変更するものの、初期メルト時においては、サイドヒータへの供給電力をボトムヒータへの供給電力よりも大きくした状態で融解する。しかしながら、本発明者が確認したところ、坩堝に初期充填されるシリコン原料の種類又は大きさ(塊の大きさ)によって融解時間に差が生じ、融解時間が短いと、例えば坩堝の内面に損傷を与えるという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、シリコン原料の種類又は大きさが相違しても融解時間のばらつきを抑制することができるシリコン原料の融解方法を提供することである。
第1の観点による本発明は、石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうち再生シリコン原料の割合を求め、前記再生シリコン原料の割合が大きいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを相対的に小さくすることによって上記課題を解決する。
第2の観点による本発明は、石英製坩堝に充填される再生シリコン原料に含まれるドーパント量を再生シリコンの電気抵抗率(以下、単に抵抗率という。)から求め、前記ドーパント量の総和量が大きいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを相対的に小さくすることによって上記課題を解決する。
第3の観点による本発明は、石英製坩堝に充填されるシリコン原料の大きさを求め、前記シリコン原料の大きさが小さいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを相対的に小さくすることによって上記課題を解決する。
第4の観点による本発明は、石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうちカットロッドの割合を求め、前記カットロッドの割合が小さいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度を相対的に小さくすることによって上記課題を解決する。
第5の観点による本発明は、石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうち再生シリコン原料の割合を求め、石英製坩堝に充填されるシリコン原料の大きさを求め、前記再生シリコン原料の割合が大きいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを相対的に小さくし、前記シリコン原料の大きさが小さいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを相対的に小さくすることによって上記課題を解決する。
第6の観点による本発明は、再生シリコン原料の割合に対する初期メルト時の融解時間の関係を予め求め、石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうち再生シリコン原料の割合を求め、前記石英製坩堝に充填される再生シリコン原料の割合と前記再生シリコン原料の割合に対する初期メルト時の融解時間の関係とから、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを設定することによって上記課題を解決する。
第7の観点による本発明は、カットロッドの割合に対する初期メルト時の融解時間の関係を予め求め、石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうちカットロッドの割合を求め、前記石英製坩堝に充填されるカットロッドの割合と前記カットロッドの割合に対する初期メルト時の融解時間の関係とから、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを設定することによって上記課題を解決する。
第8の観点による本発明は、再生シリコン原料の割合及びカットロッドの割合に対する初期メルト時の融解時間の関係を予め求め、石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうち再生シリコン原料の割合を求め、石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうちカットロッドの割合を求め、前記石英製坩堝に充填される再生シリコン原料の割合と前記再生シリコン原料の割合及びカットロッドの割合に対する初期メルト時の融解時間の関係とから、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを設定することによって上記課題を解決する。
上記第1〜第8の観点による本発明において、前記ヒータの設定温度又はヒータパワーは、許容される値のうち最大範囲に設定することがより好ましい。
石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうち、再生シリコン原料の割合が大きいほど、又は石英製坩堝に充填されるシリコン原料に含まれるドーパント量が大きいほど、融解時間が短くなり、また、石英製坩堝に充填されるシリコン原料の大きさが大きいほど、又は石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうちカットロッドの割合が大きいほど、融解時間が長くなる。本発明は、この知見に基づいて石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度を相対的に大きく又は小さくするので、融解時間のばらつきを抑制することができる。
本発明に係るシリコン原料の融解方法が適用されるシリコン単結晶製造装置の坩堝部分を示す断面図である。 再生シリコン原料の割合に対する初期メルト時の融解時間の一例を示すグラフである。 カットロッドの割合に対する初期メルト時の融解時間の一例を示すグラフである。 シリコン原料の融解時間に対する無転位化率の一例を示すグラフである。 シリコン原料の融解時間に対するピンホール発生率の一例を示すグラフである。 ヒータの設定温度又はヒータパワーと初期メルト時の融解時間の関係の一例を示すグラフである。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るシリコン原料の融解方法が適用されるシリコン単結晶製造装置の坩堝部分を示す断面図である。図1に示すように、本発明に係るシリコン原料の融解方法を具現化するCZ法によるシリコン単結晶の製造装置1は、メインチャンバ(不図示)内に設置され、多結晶シリコンなどのシリコン原料が充填される石英製坩堝11、黒鉛製坩堝12、サイドヒータ13及びボトムヒータ14を備える。
石英製坩堝11と、この石英製坩堝11を保持するためにその外側に設けられた黒鉛製坩堝12は、ペディスタルと呼ばれる支持軸15の上に載置されている。支持軸15は、中心軸回りに回転駆動されるとともに軸方向に昇降駆動され、これらの駆動により石英製坩堝11及び黒鉛製坩堝12の回転及び昇降が可能とされている。石英製坩堝11は、主にアーク溶融法によって製造される。この方法は、アーク放電によって石英粉を加熱溶融してガラス化し、石英ガラスによる坩堝11を製造するものである。
石英製坩堝11及び黒鉛製坩堝12の周囲には、環状のサイドヒータ13が設けられている。サイドヒータ13は、主に黒鉛製ヒータにより構成される。サイドヒータ13の高さ方向の寸法は、石英製坩堝11及び黒鉛製坩堝12の高さ方向の寸法より大きく設計されている。なお、サイドヒータ13の位置は、メインチャンバに対して固定されているが、上述した支持軸15の昇降駆動により、石英製坩堝11及び黒鉛製坩堝12とサイドヒータ13との高さ方向の相対位置は変更される。
また、石英製坩堝11及び黒鉛製坩堝12の下方には、ボトムヒータ14が設けられている。ボトムヒータ14は、黒鉛製坩堝12の外径とほぼ同じ外径の円盤型の形状とされ、ボトムヒータ14の中心部に支持軸15が貫通され、その位置は支持軸15の昇降駆動に関わらず固定されている。ボトムヒータ14を設けることにより、シリコン原料の融液の中心位置でのシリコン原料の解け残りを防止することができ、特に石英製坩堝11及び黒鉛製坩堝12の直径が大きい場合はその効果が顕著となる。なお、ボトムヒータ14は、必要に応じて設けなくてもよい。
《第1実施形態》
CZ法によりシリコン単結晶を製造する場合、石英製坩堝11に事前に充填(投入)されたシリコン原料の融解は初期メルトと称され、これに対して当該初期メルトによって生成された原料融液にシリコン原料を供給する操作は追加チャージと称される。初期メルトにより、事前に充填されたシリコン原料の隙間がなくなり、石英製坩堝11の融液容量に余裕ができるからである。
初期メルトに際しては、単結晶シリコンの原料である多結晶シリコンの塊を初期充填する。多結晶シリコンの形状としては、棒状のシリコン原料を適宜ロッド状に分断したカットロッド(例えば重量5kg程度のもの)、棒状のシリコン原料を破砕したものでサイズが50mm〜100mm程度のナゲット(チャンク)状としたもの、棒状のシリコン原料を破砕したものでサイズが10〜30mm程度の小片チップ状としたもの、直径数mmの粒状のもの、製品として用いない単結晶シリコンの再生シリコン原料で、カットロッド、ナゲット状、小片チップ状、粒状のものが用いられる。本実施形態では、初期充填においては、上述した各種の形状の何れかの形状とされた純シリコン原料に、同形状とされた再生シリコン原料を混ぜたシリコン原料塊を用いる。なお、このうち、カットロッドは大きさが最大である原料の形態である。そのため、坩堝11に充填されるシリコン原料のうち、カットロッドの割合が大きくなるほど、坩堝11に充填されるシリコン原料の大きさの平均値が大きくなる。すなわち、カットロッドの割合が大きくなるほどシリコン原料の大きさが大きくなる。
図2は、再生シリコン原料の割合(重量%)に対する初期メルト時の融解時間の一例を示すグラフである。本例では、10〜30mm程度の小片チップ状とされた純シリコン原料に、同形状とされた再生シリコン原料を混ぜた場合の、再生シリコン原料の割合(重量%)に対する初期メルト時の融解時間の関係を示すものである。この結果から、純シリコン原料のみを充填して所定の設定温度で融解させた場合の融解時間tに対し、再生シリコン原料の割合を増加させると融解時間が短くなることが知見された。再生シリコン原料は、製品として用いない単結晶シリコン、例えば肩部やテール部のシリコン結晶、有転位化したシリコン結晶であるため、ホウ素やリンなどのドーパントが含まれる。ドーパントが含まれた再生シリコン原料は、ドーパントを含まない多結晶シリコンなどに比べ、抵抗率が低く電流が流れ易いことから、熱伝導率が大きくなるものと推察される。ちなみに、ドーパントの有無以外にも、単結晶と多結晶でも熱伝導率は異なる。すなわち、多結晶シリコン原料の場合は、粒界が存在し等方性のため、熱伝導率は相対的に小さい。逆に単結晶シリコンの場合は、粒界が存在せず等方性があるため、熱伝導率は相対的に大きい。
したがって、まず事前に図2に示す再生シリコン原料の割合(重量%)に対する初期メルト時の融解時間の関係および、図6に示すサイドヒータ13やボトムヒータ14の設定温度又はヒータパワーに対する初期メルト時の融解時間の関係を取得しておく。図6は初期メルト時の融解時間とヒータ13,14の設定温度又はヒータパワーとの関係の一例を示すグラフである。そして、初期メルトに際しては、石英製坩堝11に充填されるシリコン原料のうち再生シリコン原料の割合を求め、予め取得しておいた図2及び図6に示す関係式にしたがって、再生シリコン原料の使用による融解時間の変化を相殺して再生シリコン原料の割合に依らずに融解時間が一定範囲になるように、サイドヒータ13やボトムヒータ14の設定温度又はヒータパワーを変更する。たとえば、実際の設定温度又はヒータパワーをP、再生シリコン原料の使用量が0kgの際の設定温度又はヒータパワーをP、再生シリコン原料の割合(使用比率)をα、再生シリコン原料の割合(使用量)に関する係数をkとした場合、P=P−kαで求められる設定温度又はヒータパワーPに設定する。ここで、k1の値は、図2および図6に示す直線の傾きをそれぞれ−ksおよび−kpと表すと、k1=−ks/−kpの関係がある。
これにより、再生シリコン原料の割合が変わっても融解時間のばらつきを抑制することができる。すなわち、再生シリコン原料の割合に依らずに融解時間を一定範囲にすることができる。その結果、初期メルト時におけるシリコン原料と石英製坩堝11の内面との擦れにより発生する石英製坩堝11のキズが少なくなる。そして、石英製坩堝11の内面のキズに起因した、シリコン単結晶のピンホールの発生が減少し、無転位化率も向上する。さらに、融解時間のバラツキが少なくなるため、ブリッジ(シリコン原料の融液より上の石英製坩堝11の壁面の両側にシリコン原料塊が跨る現象)、石英製坩堝11へのシリコン原料の付着、これらに起因した石英製坩堝11の変形を抑えることができる。
なお、ピンホールとは、エアポケットとも称される、球状の結晶空洞欠陥であり、その多くはサイズが300〜500μmのものであるが、150μm以下の非常に小さなものや1mm以上の非常に大きなものもある。ピンホール発生率とは、1本の単結晶から得られた全ウエーハ枚数のうち、ピンホールが検出されたウエーハの枚数の割合、すなわち、ピンホール発生率(%)=ピンホールが検出されたウエーハ枚数/単結晶から得られた全ウエーハ枚数×100で求められる。また、無転位化率(%)は、(無転位のシリコン単結晶の重量/シリコン原料の総重量)×100で求められる。
図4は、シリコン原料の融解時間に対する無転位化率の一例を示すグラフ、図5は、シリコン原料の融解時間に対するピンホールの発生率の一例を示すグラフである。図4及び図5の横軸の融解時間は、所定の基準値を0とした相対値で示し、図4の縦軸の無転位化率は、所定の基準値を0とした相対値で示している。この結果によれば、シリコン原料の融解時間が所定の基準値よりも短くなると、無転位化率が低くなり、ピンホール発生率が高くなることが理解される。すなわち、再生シリコン原料の割合が多くなってドーパント量が多くなると、シリコン原料が過度に早く融解し、その結果、石英製坩堝11の内面にキズが付くことが多くなって、ピンホール発生率が高くなったり、無転位化率が低下したりすることと一致する。
一方において、シリコン原料を過度に時間をかけて融解することは、ピンホール発生率の上昇や無転位化率の低下を抑制できるが、融解工程の時間が長くなるため、単結晶製造の生産性が低下する。そのため、再生シリコン原料の割合が変わることによる融解時間のばらつきを抑制しつつ(再生シリコン原料の割合に依らずに融解時間を一定範囲にしつつ)、適正な融解時間の範囲内とする必要がある。このため、シリコン原料の融解時間は、図4及び図5の融解時間の基準値から右側の範囲(ここが上記一定範囲)のうち基準値に極力近い時間(最小範囲ともいう)に設定することで、ピンホール発生率の上昇又は無転位化率の低下を抑制しつつ、シリコン原料の融解工程を可能な限り短くし、高い生産性を実現する最適融解時間とすることが、より好ましい。すなわち、ピンホール発生率の上昇又は無転位化率の低下を抑制可能なヒータの設定温度又はヒータパワーのうちの最大範囲(最大値を含むこれに近似する範囲)に設定することがより好ましい。こうすることで、使用する原料の種類や大きさに依らずに、シリコン原料を融解するのに必要な時間を最適範囲内(上記一定範囲のうち、例えば、基準値〜+1時間の範囲内)に制御することができる。
なお、上述した実施形態では、初期メルトに際し、石英製坩堝11に充填されるシリコン原料のうち再生シリコン原料の割合を求めたが、再生シリコン原料の割合は、これに含まれるドーパント量に相関する。したがってこれに代えて、石英製坩堝11に充填される再生シリコン原料に含まれるドーパント量を、再生シリコンの抵抗率から求め、ドーパント量の総和量が大きいほど、石英製坩堝11を加熱するヒータ13の設定温度あるいは又はヒータパワーを相対的に小さくしてもよい。
《第2実施形態》
上述したとおり、初期メルトに際しては、単結晶シリコンの原料である多結晶シリコンの塊を初期充填する。多結晶シリコンの形状としては、棒状のシリコン原料を適宜ロッド状に分断したカットロッド(例えば重量5kg程度のもの)、棒状のシリコン原料を破砕したものでサイズが50mm〜100mm程度のナゲット(チャンク)状としたもの、棒状のシリコン原料を破砕したものでサイズが10〜30mm程度の小片チップ状としたもの、直径数mmの粒状のもの、製品として用いない単結晶シリコンの再生シリコン原料で、カットロッド、ナゲット状、小片チップ状、粒状のものが用いられるが、本実施形態では、初期充填においては、上述した純シリコン原料の形状が異なるシリコン原料塊、例えば図1に示すようにカットロッドR1と小片チップR2とを用いる。
図3は、カットロッドの割合(重量%)に対する初期メルト時の融解時間の一例を示すグラフである。本例では、5kg程度の純シリコン原料のカットロッドと、10〜30mm程度の小片チップ状とされた純シリコン原料とを充填した場合の、カットロッドの割合(重量%)に対する初期メルト時の融解時間の関係を示すものである。この結果から、カットロッドの割合を減少させると融解時間が短くなることが知見された。カットロッドは小片チップに比べて表面積が小さいため、熱伝導が低下するためと推察される。
したがって、まず事前に図3に示すカットロッドの割合(重量%)に対する初期メルト時の融解時間の関係および、図6に示すサイドヒータ13やボトムヒータ14の設定温度又はヒータパワーに対する初期メルト時の融解時間の関係を取得しておく。そして、初期メルトに際しては、石英製坩堝11に充填されるシリコン原料のうちカットロッドの割合を求め、予め取得しておいた図3及び図6に示す関係式にしたがって、カットロッドの使用による融解時間の変化を相殺してカットロッド割合に依らずに融解時間が一定範囲になるように、サイドヒータ13やボトムヒータ14の設定温度又はヒータパワーを変更する。たとえば、実際の設定温度又はヒータパワーをP、カットロッドの使用量が35kgの際の設定温度又はヒータパワーをP、カットロッドの割合(使用比率)をβ、カットロッドの割合(使用量)に関する係数をkとした場合、P=P+kβで求められる設定温度又はヒータパワーPに設定する。ここで、k2の値は、図3および図6に示す直線の傾きをそれぞれkcおよび−kpと表すと、k2=kc/kpの関係がある。
これにより、カットロッドの割合が変わっても融解時間のばらつきを抑制することができる。すなわち、カットロッドの割合に依らずに融解時間を一定範囲にすることができる。その結果、初期メルト時におけるシリコン原料と石英製坩堝11の内面との擦れにより発生する石英製坩堝11のキズが少なくなる。そして、石英製坩堝11の内面のキズに起因した、シリコン単結晶のピンホールの発生が減少し、無転位化率も向上する。さらに、融解時間のバラツキが少なくなるため、ブリッジ(シリコン原料の融液より上の石英製坩堝11の壁面の両側にシリコン原料塊が跨る現象)、石英製坩堝11へのシリコン原料の付着、これらに起因した石英製坩堝11の変形を抑えることができる。
上述したとおり、図4及び図5の結果によれば、シリコン原料の融解時間が所定の基準値よりも短くなると、無転位化率が低くなり、ピンホール発生率が高くなることが理解される。すなわち、カットロッドの割合についても、カットロッドの割合が小さくなると、シリコン原料が過度に早く融解し、その結果、石英製坩堝11の内面にキズが付くことが多くなって、ピンホール発生率が高くなったり、無転位化率が低下したりすることと一致する。
一方において、シリコン原料を過度に時間をかけて融解することは、ピンホール発生率の上昇や無転位化率の低下を抑制できるが、融解工程の時間が長くなるため、単結晶製造の生産性が低下する。そのため、カットロッドの割合が変わることによる融解時間のばらつきを抑制しつつ(カットロッドの割合に依らずに融解時間を一定範囲にしつつ)、適正な融解時間の範囲内とする必要がある。シリコン原料の融解時間は、図4及び図5の融解時間の基準値から右側の範囲(ここが上記一定範囲)のうち基準値に極力近い時間(最小範囲ともいう)に設定することで、ピンホール発生率の上昇又は無転位化率の低下を抑制しつつ、シリコン原料の融解工程を可能な限り短くし、高い生産性を実現する最適融解時間とすることが、より好ましい。すなわち、ピンホール発生率の上昇又は無転位化率の低下を抑制可能なヒータの設定温度又はヒータパワーのうちの最大範囲(最大値を含むこれに近似する範囲)に設定することがより好ましい。こうすることで、使用する原料の種類や大きさに依らずに、シリコン原料を融解するのに必要な時間を最適範囲内(上記一定範囲のうち、例えば、基準値〜+1時間の範囲内)に制御することができる。
《第3実施形態》
本発明は、第1実施形態に示した再生シリコン原料の割合と、第2実施形態に示したカットロッドの割合の2点から、ヒータ13の設定温度又はヒータパワーを設定してもよい。例えば、実際の設定温度又はヒータパワーをP、再生シリコン原料の使用量が0kg且つカットロッドの使用量が35kgの際の設定温度又はヒータパワーをP、再生シリコン原料の割合(使用比率)をα、再生シリコン原料の割合(使用量)に関する係数をk、カットロッドの割合(使用比率)をβ、カットロッドの割合(使用量)に関する係数をkとした場合、P=P−kα+kβで求められる設定温度又はヒータパワーPに設定する。
これにより、再生シリコン原料の割合及びカットロッドの割合が変わっても融解時間のばらつきを抑制することができる。すなわち、再生シリコン原料の割合及びカットロッドの割合に依らずに融解時間を一定範囲にすることができる。その結果、初期メルト時におけるシリコン原料と石英製坩堝11の内面との擦れにより発生する石英製坩堝11のキズが少なくなる。そして、石英製坩堝11の内面のキズに起因した、シリコン単結晶のピンホールの発生が減少し、無転位化率も向上する。さらに、融解時間のバラツキが少なくなるため、ブリッジ(シリコン原料の融液より上の石英製坩堝11の壁面の両側にシリコン原料塊が跨る現象)、石英製坩堝11へのシリコン原料の付着、これらに起因した石英製坩堝11の変形を抑えることができる。
本実施形態においても、シリコン原料を過度に時間をかけて融解することは、ピンホール発生率の上昇や無転位化率の低下を抑制できるが、融解工程の時間が長くなるため、単結晶製造の生産性が低下する。そのため、再生シリコン原料の割合及びカットロッドの割合が変わることによる融解時間のばらつきを抑制しつつ(再生シリコン原料の割合及びカットロッドの割合に依らずに融解時間を一定範囲にしつつ)、適正な融解時間の範囲内とする必要がある。シリコン原料の融解時間は、図4及び図5の融解時間の基準値から右側の範囲(ここが上記一定範囲)のうち基準値に極力近い時間(最小範囲ともいう)に設定することで、ピンホール発生率の上昇又は無転位化率の低下を抑制しつつ、シリコン原料の融解工程を可能な限り短くし、高い生産性を実現する最適融解時間とすることが、より好ましい。すなわち、ピンホール発生率の上昇又は無転位化率の低下を抑制可能なヒータの設定温度又はヒータパワーのうちの最大範囲(最大値を含むこれに近似する範囲)に設定することがより好ましい。こうすることで、使用する原料の種類や大きさに依らずに、シリコン原料を融解するのに必要な時間を最適範囲内(上記一定範囲のうち、例えば、基準値〜+1時間の範囲内)に制御することができる。
1…シリコン単結晶製造装置
11…石英製坩堝
12…黒鉛製坩堝
13…サイドヒータ
14…ボトムヒータ
15…支持軸
R1…カットロッド(棒状原料)
R2…小片チップ状原料

Claims (9)

  1. 石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうち再生シリコン原料の割合を求め、
    再生シリコン原料の割合に依らずにシリコン原料の融解時間が一定範囲になるように、
    前記再生シリコン原料の割合が大きいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを相対的に小さくするシリコン原料の融解方法。
  2. 石英製坩堝に充填される再生シリコン原料に含まれるドーパント量を再生シリコンの電気抵抗率から求め、
    再生シリコン原料に含まれるドーパント量に依らずにシリコン原料の融解時間が一定範囲になるように、
    前記ドーパント量の総和量が大きいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを相対的に小さくするシリコン原料の融解方法。
  3. 石英製坩堝に充填されるシリコン原料の大きさを求め、
    シリコン原料の大きさに依らずにシリコン原料の融解時間が一定範囲になるように、
    前記シリコン原料の大きさが小さいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを相対的に小さくするシリコン原料の融解方法。
  4. 石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうちカットロッドの割合を求め、
    カットロッドの割合に依らずにシリコン原料の融解時間が一定範囲になるように、
    前記カットロッドの割合が小さいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを相対的に小さくするシリコン原料の融解方法。
  5. 石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうち再生シリコン原料の割合を求め、
    石英製坩堝に充填されるシリコン原料の大きさを求め、
    再生シリコン原料の割合およびシリコン原料の大きさに依らずにシリコン原料の融解時間が一定範囲になるように、
    前記再生シリコン原料の割合が大きいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを相対的に小さくし、
    前記シリコン原料の大きさが小さいほど、前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを相対的に小さくするシリコン原料の融解方法。
  6. 再生シリコン原料の割合に対する初期メルト時の融解時間の関係を予め求め、
    石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうち再生シリコン原料の割合を求め、
    前記石英製坩堝に充填される再生シリコン原料の割合と前記再生シリコン原料の割合に対する初期メルト時の融解時間の関係とから、
    再生シリコン原料の割合に依らずにシリコン原料の融解時間が一定範囲になるように、
    前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを設定するシリコン原料の融解方法。
  7. カットロッドの割合に対する初期メルト時の融解時間の関係を予め求め、
    石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうちカットロッドの割合を求め、
    前記石英製坩堝に充填されるカットロッドの割合と前記カットロッドの割合に対する初期メルト時の融解時間の関係とから、
    カットロッドの割合に依らずにシリコン原料の融解時間が一定範囲になるように、
    前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを設定するシリコン原料の融解方法。
  8. 再生シリコン原料の割合及びカットロッドの割合に対する初期メルト時の融解時間の関係を予め求め、
    石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうち再生シリコン原料の割合を求め、
    石英製坩堝に充填されるシリコン原料のうちカットロッドの割合を求め、
    前記石英製坩堝に充填される再生シリコン原料の割合と前記再生シリコン原料の割合及びカットロッドの割合に対する初期メルト時の融解時間の関係とから、
    再生シリコン原料の割合およびカットロッドの割合に依らずにシリコン原料の融解時間が一定範囲になるように、
    前記石英製坩堝を加熱するヒータの設定温度又はヒータパワーを設定するシリコン原料の融解方法。
  9. 前記ヒータの設定温度又はヒータパワーは、前記融解時間が前記一定範囲のうち最小範囲になるように設定する請求項1〜8のいずれか一項に記載のシリコン原料の融解方法。
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