JP2018094114A - 発熱シート、紙容器、および紙容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子レンジにて加熱調理を行った場合であっても「接着剤臭」による不快感を与えることがない発熱シートを提供すること。【解決手段】基材層1、アルミニウム箔などに代表される金属の薄膜からなりマイクロ波照射によって発熱する発熱体2、および発熱体2を覆う保護層3、が積層されてなる発熱シート10において、基材層1と発熱体2とを、結晶部分が15%未満であり、非結晶部分が85%以上のPET樹脂によって接着する。【選択図】図1
Description
本発明は電子レンジでの調理などに用いられる発熱シート、これを用いた紙容器、および紙容器の製造方法に関する。
従来より、特許文献1に開示されているように、基材層の一方の面に金属を含みマイクロ波照射により発熱する発熱体を積層した発熱シートが様々な場面で用いられている。例えば、当該発熱シートをカップ形状に成形し、その中にポップコーン原料を入れて販売することで、消費者は家庭の電子レンジを使用してマイクロ波を照射することによりポップコーンを作ることができる。また、半調理の焼きおにぎり、お好み焼き、さらにはピザなどを当該発熱シートにて包装して販売することで、消費者は家庭の電子レンジを使用してマイクロ波を照射することにより、表面に適度な焦げ目がついた焼きおにぎりなどを作ることができる。
上記特許文献1に開示されている発熱シートを含め、従来の発熱シートのほとんどは、基材層と発熱体とを接着剤を用いて接着しているため、電子レンジにてマイクロ波を照射し発熱体が発熱した際に、当該接着剤から独特の「接着剤臭」が発生することがあり、食品の味や風味を損ねることがあった。
本発明はこのような状況においてなされたものであり、基材層と発熱体との接着強度が良好であって、かつ電子レンジにて加熱調理を行った場合であっても「接着剤臭」による不快感を与えることがない発熱シートを提供すること、およびこれを用いた紙容器やその製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本願発明は、基材層、金属を含みマイクロ波照射によって発熱する発熱体、および前記発熱体を覆う保護層、が積層されてなる発熱シートにおいて、前記基材層と前記発熱体とは、下記の式(1)で示される結晶部分が15%未満であり、非結晶部分が85%以上のPET樹脂によって接着されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための別の本願発明は、紙容器であって、前記本願発明の発熱シートが用いられていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための別の本願発明は、紙容器の製造方法であって、前記本願発明の発熱シートを所望の形状に打ち抜き、次いで、前記所望の形状に打ち抜かれた発熱シートにおける所定の部位を接着せしめて容器形状とする、ことを特徴とする。
本願発明の発熱シートによれば、基材層と発熱体とが、接着剤ではなく、特殊なPET樹脂によって接着されているので、当該発熱シートにマイクロ波を照射することで発熱体が発熱した場合であっても、いわゆる「接着剤臭」が発生することがなく、基材層と発熱体との接着強度も良好に保つことができる。また、本発明の紙容器、および紙容器の製造方法によっても、同様の効果を得ることができる。
以下、本願発明の実施形態にかかる発熱シートについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本願発明の実施形態にかかる発熱シートの概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる発熱シート10は、基材層1、金属を含みマイクロ波照射によって発熱する発熱体2、および前記発熱体2を覆う保護層3、が積層されてなり、前記基材層1と前記発熱体2とは、下記の式(1)で示される結晶部分が15%未満であり、非結晶部分が85%以上のPET樹脂4によって接着されていることに特徴を有している。
以下に、発熱シート10を構成する各層について説明する。
(基材層)
本実施形態にかかる発熱シート10を構成する基材層1については特に限定されることはなく、従来から発熱シート10の基材層1として用いられているものの中から、耐熱性、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度などを考慮しつつ、適宜選択可能である。具体的には、基材層1として各種紙を用いることができ、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙などを用いることができ、また、これらを複数層重ねたものを用いることもできる。また、基材層1として、PET樹脂を用いることもできる。
本実施形態にかかる発熱シート10を構成する基材層1については特に限定されることはなく、従来から発熱シート10の基材層1として用いられているものの中から、耐熱性、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度などを考慮しつつ、適宜選択可能である。具体的には、基材層1として各種紙を用いることができ、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙などを用いることができ、また、これらを複数層重ねたものを用いることもできる。また、基材層1として、PET樹脂を用いることもできる。
このような基材層1の厚さについても特に限定されることはないが、例えば180μm以上400μm以下程度が好ましく、240μm以上330μm以下程度が特に好ましい。基材層1の厚さが180μmよりも薄いと保形性に問題が生じるおそれがあり、一方で400μmよりも厚いと後加工適性が悪くなる可能性がある。
(発熱体)
本実施形態にかかる発熱シート10を構成する発熱体2については、金属を含みマイクロ波照射によって発熱する発熱体2であればよく、特に限定されない。具体的には、例えば、アルミニウム箔などに代表される金属の薄膜や、金属の蒸着薄膜を挙げることができる。なお、金属の蒸着薄膜を発熱体として用いる場合には、以下に説明する保護層3に真空蒸着法などによって金属を積層させることにより発熱体2を形成することとなる。
本実施形態にかかる発熱シート10を構成する発熱体2については、金属を含みマイクロ波照射によって発熱する発熱体2であればよく、特に限定されない。具体的には、例えば、アルミニウム箔などに代表される金属の薄膜や、金属の蒸着薄膜を挙げることができる。なお、金属の蒸着薄膜を発熱体として用いる場合には、以下に説明する保護層3に真空蒸着法などによって金属を積層させることにより発熱体2を形成することとなる。
このような発熱体2に含まれる金属としては、アルミニウムの他、鉄、ニッケル、亜鉛、白金などを挙げることができる。中でもアルミニウムや鉄は使い勝手がよく好ましい。
発熱体2は、金属箔や金属の蒸着薄膜のように金属単体から構成されている。
発熱体2の厚さについても特に限定されることはないが、例えば3nm以上10nm以下程度が好ましく、6nm以上7nm以下程度が特に好ましい。
(保護層)
本実施形態にかかる発熱シート10は、前記発熱体2の表面が保護層3によって覆われている。当該保護層3は、発熱体2を保護することができればよく、特に限定されることはない。
本実施形態にかかる発熱シート10は、前記発熱体2の表面が保護層3によって覆われている。当該保護層3は、発熱体2を保護することができればよく、特に限定されることはない。
保護層3としては、例えば所望の耐熱性を有する樹脂フィルムを用いることができ、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエーテルイミドなどの各種樹脂フィルムを用いることができる。これらの樹脂フィルムについては、無延伸フィルムでもよいが二軸延伸フィルムが耐熱性も高く好ましい。
また、保護層3を構成する樹脂として、本実施形態の発熱シート10において前記基材層1と前記発熱体2とを接着する際に用いられる所定のPET樹脂(詳細は後述する)を流用してもよい。発熱シート10を構成する材料を減らすことにより製造コストの削減をすることができる。
保護層3の厚さについては特に限定されることはないが、コストと加工適性の観点から、例えば、10μm以上20μm以下程度であることが好ましく、12μm以上15μm以下程度であることが好ましい。
(基材層と保護層との接着)
本実施形態にかかる発熱シート10においては、前記基材層1と発熱体2とが、下記の式(1)で示される結晶部分が15%未満であり、非結晶部分が85%以上のPET樹脂4によって接着されていることに特徴を有している。
本実施形態にかかる発熱シート10においては、前記基材層1と発熱体2とが、下記の式(1)で示される結晶部分が15%未満であり、非結晶部分が85%以上のPET樹脂4によって接着されていることに特徴を有している。
以下、当該PET樹脂について詳細に説明する。
本実施形態にかかる発熱シート10において、前記基材層1と発熱体2との接着に用いられるPET樹脂4は、固有粘度が0.55〜0.7dl/gあれば充分である。したがって、高品質のPET樹脂を使用する必要は無く、価格の安い繊維用のPET樹脂等を使用することができる。
さらに、PET樹脂4の含有水分量は、通常PET樹脂を押出し加工する時に必要な50ppm以下にする必要はなく、空気中での平衡水分量である0.3〜0.5%でよく、事前の乾燥工程を特別設ける必要はない。
PET樹脂4は、鎖延長剤が添加された状態で押出機に投入される。鎖延長剤を用いることにより、低分子量のPET分子鎖を結び付ける際に3次元の網目構造の高分子となり、粘度、溶融張力が増して押出し適性が改良される。この鎖延長剤としては、アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシジル、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル−メタクリル酸グリシジル、エポキシ化大豆油等があるが、少なくとも2個以上の多官能のエポキシ基を有することが好ましい。2個以上の多官能のエポキシ基を有する鎖延長剤としては、BASFジャパン(株)、東亞合成(株)等から販売されており、例えば、BASFジャパン(株)「JONCRYL」、東亞合成(株)「ARUFON」がある。
鎖延長剤の添加量は、通常PET樹脂100重量部に対して0.2〜2.0重量部が好ましく、添加量は鎖延長剤の性能にしたがって適宜増減して添加する。
鎖延長剤の添加方法は、PET樹脂ペレットに流動パラフィンやヒマシ油を0.05〜0.20重量%ヘンシェルミキサー等でまぶした後、鎖延長剤の粉沫を添加しヘンシェルミキサー等で混合付着させることが好ましく、このような添加方法により、鎖延長剤を均一に添加することができる。鎖延長剤の添加量が少なく不均一になり易い場合は、マスターバッチを作製して添加することが好ましい。マスターバッチは、PET樹脂100重量部に鎖延長剤を10〜50重量部加え、押出し機で混練しペレット化して作製する。このマスターバッチペレットを所定量PET樹脂ペレットに、加えブレダー等で混合攪拌すれば均一に添加することができる。
また、PET樹脂4には、必要に応じて金属塩の触媒を添加しても良い。金属塩としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属のステアリン酸塩やラウリン酸塩があるが、最も一般的で好ましいのはステアリン酸カルシウムである。添加量は、PET樹脂100重量部に対して0.05〜1.5重量部であり、PET樹脂でマスターバッチを作製して添加する。
以上のような鎖延長剤及び必要により金属塩の触媒が添加されたPET樹脂4を、ベント孔が2以上ある押出機に投入し、加熱・溶融した状態でベント孔から−750mmHg以上の高真空化で吸引・脱気した後、基材層1上に押出積層する。
投入されたPET樹脂4は、まず、第1ゾーンにおいて、加熱・溶融されて添加された鎖延長剤と混練される。溶融したPET樹脂4は水と熱による加水分解や熱分解で解重合が起こり、低分子のPET鎖やエチレングリコール、アセトアルデヒドが発生していると考えられる。しかし、鎖延長剤が最初から添加されて混練されているので、低分子のPET鎖を結び付けて3次元の高分子量化や、エチレングルコールやアセトアルデヒドの捕捉などの重合反応も起こり始めていると考えられる。すなわち、エポキシ基は開裂して、カルボキシル基(−COOH)、アルデヒド基(−CHO)、水酸基(−OH)等の官能基と結び付き、PET分子鎖を3次元の網目構造の高分子にするとともに、解重合で生じたエチレングリコール、エチレングリコールから発生するアセトアルデヒドをも高分子の一部として捕捉する。また、含有している水分は、280℃における飽和水蒸気圧は65kg/cm2であるので、背圧100kg/cm2以上では液体の状態である。
そして、エチレングリコール、アセトアルデヒド、水を含んだ溶融PET樹脂4は、第1ベント孔まで来ると、−750mmHg以上の高真空下となっているので、エチレングリコール(沸点198℃)、アセトアルデヒド(沸点20℃)、水(沸点100℃)は気体となり、第1ベント孔から吸引・脱気される。また、第1ベント孔から吸引・脱気し切れなかったエチレングリコール、アセトアルデヒド及び水は、第2ベント孔により吸引・脱気される。
第2ゾーンにおいては、解重合も一部起こっていると考えられるが、大部分は鎖延長剤
による重合反応が起こっていると考えられる。
による重合反応が起こっていると考えられる。
第3ゾーンにおいては、殆ど鎖延長剤による重合反応のみが起っており、3次元構造の高分子量化されたPET樹脂4が基材層1に押出し積層される。この時にTダイからのエアーギャップは出来るだけ短く、ロールに挟んで積層する2個のロールとも冷却ロールとするのが好ましく、少なくともPET樹脂4側のロールは冷却ロールとし、PET樹脂をできるだけ速く冷却することが必要である。すなわち、PETの結晶化速度は、約130〜220℃の範囲において速いので、可能な限り結晶化を抑制するには、この温度帯の滞留時間を短くすることが必要であり、急速に冷却することにより、この温度帯を速やかに通過させることができる。その結果、PET樹脂の非結晶部分を85%以上にすることができる。
冷却ロールとしては、少なくともPET樹脂4側のロールは冷却水を通した金属ロールが好ましい。
(製造方法)
本実施形態にかかる発熱シート10の製造方法については特に限定されることはない。例えば、、基材層1上に上記で説明の如く、所定のPET樹脂4を押出積層し、一方で保護層3上にアルミニウムなどの金属を蒸着させることで発熱体2を形成し、ついで、前記PET樹脂4と発熱体2とを重ね合わせた状態でヒートシールすることで、PET樹脂が接着剤として機能し、基材層1と発熱体2とを接着せしめ、発熱シート10を製造してもよい。
本実施形態にかかる発熱シート10の製造方法については特に限定されることはない。例えば、、基材層1上に上記で説明の如く、所定のPET樹脂4を押出積層し、一方で保護層3上にアルミニウムなどの金属を蒸着させることで発熱体2を形成し、ついで、前記PET樹脂4と発熱体2とを重ね合わせた状態でヒートシールすることで、PET樹脂が接着剤として機能し、基材層1と発熱体2とを接着せしめ、発熱シート10を製造してもよい。
(その他の層)
本実施形態にかかる発熱シート10にあっては、上記で説明した各層に加え、種々の層が積層されていてもよい。
本実施形態にかかる発熱シート10にあっては、上記で説明した各層に加え、種々の層が積層されていてもよい。
(紙容器)
本実施形態にかかる紙容器は、その材料として上記で説明した本実施形態にかかる発熱シート10が用いられていればよく、その他については特に限定されることはない。したがって、トレー型容器であってもカップ型容器であってもよい。
本実施形態にかかる紙容器は、その材料として上記で説明した本実施形態にかかる発熱シート10が用いられていればよく、その他については特に限定されることはない。したがって、トレー型容器であってもカップ型容器であってもよい。
(紙容器の製造方法)
本実施形態にかかる紙容器の製造方法にあっても、上記で説明した本実施形態にかかる発熱シート10を所望の形状に打ち抜き、次いで、前記所望の形状に打ち抜かれた発熱シートにおける所定の部位を接着せしめて容器形状とすればよく、その他については特に限定されることはない。
本実施形態にかかる紙容器の製造方法にあっても、上記で説明した本実施形態にかかる発熱シート10を所望の形状に打ち抜き、次いで、前記所望の形状に打ち抜かれた発熱シートにおける所定の部位を接着せしめて容器形状とすればよく、その他については特に限定されることはない。
実施例及び比較例を示して本願発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
坪量が220g/m2のカップ原紙の一方の面に、上記式(1)で算出される結晶部分が14%、非結晶部分が86%のPET樹脂(以下「HSPET」と記載する場合がある。)を厚さが30μmとなるように押出ラミネートした。次いで、厚さ12μmのPET樹脂の一方の面に、厚さが7nmとなるようにアルミニウムを蒸着せしめた。次いで、前記カップ原紙と前記PET樹脂との間に、厚さが15μmとなるように前記HSPETを押出ラミネートすることで、これらを接着せしめ、実施例1の発熱シートを得た。なお、実施例1の発熱シートの層構成は以下の通りである。
HSPET(30μm)/カップ原紙(220g/m2)/HSPET(15μm)/蒸着アルミニウム(7nm)/PET(12μm)
坪量が220g/m2のカップ原紙の一方の面に、上記式(1)で算出される結晶部分が14%、非結晶部分が86%のPET樹脂(以下「HSPET」と記載する場合がある。)を厚さが30μmとなるように押出ラミネートした。次いで、厚さ12μmのPET樹脂の一方の面に、厚さが7nmとなるようにアルミニウムを蒸着せしめた。次いで、前記カップ原紙と前記PET樹脂との間に、厚さが15μmとなるように前記HSPETを押出ラミネートすることで、これらを接着せしめ、実施例1の発熱シートを得た。なお、実施例1の発熱シートの層構成は以下の通りである。
HSPET(30μm)/カップ原紙(220g/m2)/HSPET(15μm)/蒸着アルミニウム(7nm)/PET(12μm)
(実施例2)
実施例1におけるHSPETに替えて、上記式(1)で算出される結晶部分が10%、非結晶部分が90%のPET樹脂を用いたことを除き、すべて実施例1と同じ条件により実施例2の発熱シートを得た。なお、実施例2の発熱シートの層構成は、実施例1と同じである。
実施例1におけるHSPETに替えて、上記式(1)で算出される結晶部分が10%、非結晶部分が90%のPET樹脂を用いたことを除き、すべて実施例1と同じ条件により実施例2の発熱シートを得た。なお、実施例2の発熱シートの層構成は、実施例1と同じである。
(実施例3)
実施例1におけるHSPETに替えて、上記式(1)で算出される結晶部分が5%、非結晶部分が95%のPET樹脂を用いたことを除き、すべて実施例1と同じ条件により実施例3の発熱シートを得た。なお、実施例3の発熱シートの層構成は、実施例1と同じである。
実施例1におけるHSPETに替えて、上記式(1)で算出される結晶部分が5%、非結晶部分が95%のPET樹脂を用いたことを除き、すべて実施例1と同じ条件により実施例3の発熱シートを得た。なお、実施例3の発熱シートの層構成は、実施例1と同じである。
(実施例4)
実施例1の発熱シートにおけるPET樹脂上に、さらに、上記式(1)で算出される結晶部分が14%、非結晶部分が86%のPET樹脂を用いたことを除き、すべて実施例1と同じ条件により実施例4の発熱シートを得た。なお、実施例4の発熱シートの層構成は以下の通りである。
HSPET(30μm)/カップ原紙(220g/m2)/HSPET(15μm)/蒸着アルミニウム(7nm)/PET(12μm)/HSPET(30μm)
実施例1の発熱シートにおけるPET樹脂上に、さらに、上記式(1)で算出される結晶部分が14%、非結晶部分が86%のPET樹脂を用いたことを除き、すべて実施例1と同じ条件により実施例4の発熱シートを得た。なお、実施例4の発熱シートの層構成は以下の通りである。
HSPET(30μm)/カップ原紙(220g/m2)/HSPET(15μm)/蒸着アルミニウム(7nm)/PET(12μm)/HSPET(30μm)
(実施例5)
実施例2の発熱シートにおけるPET樹脂上に、さらに、上記式(1)で算出される結晶部分が10%、非結晶部分が90%のPET樹脂を厚さが30μmとなるように押出ラミネートすることで、実施例5の発熱シートを得た。なお、実施例5の発熱シートの層構成は、実施例4と同じである。
実施例2の発熱シートにおけるPET樹脂上に、さらに、上記式(1)で算出される結晶部分が10%、非結晶部分が90%のPET樹脂を厚さが30μmとなるように押出ラミネートすることで、実施例5の発熱シートを得た。なお、実施例5の発熱シートの層構成は、実施例4と同じである。
(実施例6)
実施例3の発熱シートにおけるPET樹脂上に、さらに、上記式(1)で算出される結晶部分が5%、非結晶部分が95%のPET樹脂を厚さが30μmとなるように押出ラミネートすることで、実施例5の発熱シートを得た。なお、実施例6の発熱シートの層構成は、実施例4と同じである。
実施例3の発熱シートにおけるPET樹脂上に、さらに、上記式(1)で算出される結晶部分が5%、非結晶部分が95%のPET樹脂を厚さが30μmとなるように押出ラミネートすることで、実施例5の発熱シートを得た。なお、実施例6の発熱シートの層構成は、実施例4と同じである。
(比較例1)
実施例1におけるHSPETに替えて、上記式(1)で算出される結晶部分が20%、非結晶部分が80%のPET樹脂を用いたことを除き、すべて実施例1と同じ条件により比較例1の発熱シートを得た。なお、比較例1の発熱シートの層構成は、実施例1と同じである。
実施例1におけるHSPETに替えて、上記式(1)で算出される結晶部分が20%、非結晶部分が80%のPET樹脂を用いたことを除き、すべて実施例1と同じ条件により比較例1の発熱シートを得た。なお、比較例1の発熱シートの層構成は、実施例1と同じである。
(比較例2)
実施例4におけるHSPETに替えて、上記式(1)で算出される結晶部分が20%、非結晶部分が80%のPET樹脂を用いたことを除き、すべて実施例4と同じ条件により比較例2の発熱シートを得た。なお、比較例2の発熱シートの層構成は、実施例4と同じである。
実施例4におけるHSPETに替えて、上記式(1)で算出される結晶部分が20%、非結晶部分が80%のPET樹脂を用いたことを除き、すべて実施例4と同じ条件により比較例2の発熱シートを得た。なお、比較例2の発熱シートの層構成は、実施例4と同じである。
(比較例3)
坪量が220g/m2のカップ原紙の一方の面に、上記式(1)で算出される結晶部分が14%、非結晶部分が86%のPET樹脂を厚さが30μmとなるように押出ラミネートした。次いで、厚さ12μmのPET樹脂の一方の面に、厚さが7nmとなるようにアルミニウムを蒸着せしめた。次いで、前記カップ原紙と前記PET樹脂とを、接着剤(RU−77T/H−7:ロックペイント社)を用いて接着せしめた。次いで、前記PET樹脂上に、さらに、上記式(1)で算出される結晶部分が14%、非結晶部分が86%のPET樹脂を厚さが30μmとなるように押出ラミネートすることで、比較例3の発熱シートを得た。なお、比較例3の発熱シートの層構成は以下の通りである。
HSPET(30μm)/カップ原紙(220g/m2)/接着剤/蒸着アルミニウム(7nm)/PET(12μm)/HSPET(30μm)
坪量が220g/m2のカップ原紙の一方の面に、上記式(1)で算出される結晶部分が14%、非結晶部分が86%のPET樹脂を厚さが30μmとなるように押出ラミネートした。次いで、厚さ12μmのPET樹脂の一方の面に、厚さが7nmとなるようにアルミニウムを蒸着せしめた。次いで、前記カップ原紙と前記PET樹脂とを、接着剤(RU−77T/H−7:ロックペイント社)を用いて接着せしめた。次いで、前記PET樹脂上に、さらに、上記式(1)で算出される結晶部分が14%、非結晶部分が86%のPET樹脂を厚さが30μmとなるように押出ラミネートすることで、比較例3の発熱シートを得た。なお、比較例3の発熱シートの層構成は以下の通りである。
HSPET(30μm)/カップ原紙(220g/m2)/接着剤/蒸着アルミニウム(7nm)/PET(12μm)/HSPET(30μm)
(箱型容器の作成)
実施例1〜3および比較例1の発熱シートを、カップ原紙を介して発熱体を手前に見た状態で図2(a)に示す形状に打ち抜いた。具体的には、長方形の底板11における前後左右に折り線a〜dを介して前側板12、後側板13、左側板14、右側板15がそれぞれ連設されており、それらの各側板12〜15には両側辺に折り線eを介して三角形状の折込み片12a〜15aがそれぞれ連設され、隣接する折込み片どうしが底板の隅から外方に向けて延びる放射線の折り線fを介して連接されてウェッブコーナー部Wを形成している。そして、後側板13にはその上辺に折り線gを介して蓋板16が連接され、蓋板16には折り線iを介して係止片16aが連接されており、左側板14と右側板15にはその上辺に折り線jを介してフラップ18、19がそれぞれ連設されている。
実施例1〜3および比較例1の発熱シートを、カップ原紙を介して発熱体を手前に見た状態で図2(a)に示す形状に打ち抜いた。具体的には、長方形の底板11における前後左右に折り線a〜dを介して前側板12、後側板13、左側板14、右側板15がそれぞれ連設されており、それらの各側板12〜15には両側辺に折り線eを介して三角形状の折込み片12a〜15aがそれぞれ連設され、隣接する折込み片どうしが底板の隅から外方に向けて延びる放射線の折り線fを介して連接されてウェッブコーナー部Wを形成している。そして、後側板13にはその上辺に折り線gを介して蓋板16が連接され、蓋板16には折り線iを介して係止片16aが連接されており、左側板14と右側板15にはその上辺に折り線jを介してフラップ18、19がそれぞれ連設されている。
そして、底板11に対して各側板12〜15を起立させるとともに、それと同時に折込み片12a〜15aを外側に引き出して折り込むことでウェッブコーナー部Wを形成し、このウェッブコーナー部Wを折り込んだ状態で左側板14と右側板15の外側に貼り合わせることで、図2(b)に示す箱型容器を形成した。
(カップ型容器の作成)
実施例4〜6および比較例2〜3の発熱シートを、図3(a)および(b)に示す形状に打ち抜き、図3(a)に示す形状の発熱シートを、カップ原紙を介して発熱体が内側になるようにカップ成型機の金型に巻き付け胴貼り合わせ部分のPET面を230℃で炙り、圧着させて筒状にした。ついで底貼りのPET面を250℃で炙り、図3(b)に示す形状の発熱シートを、カップ原紙を介して発熱体を手前に見た状態で破線を山折りにし、コの字に絞った状態で図3(a)の下端部を内側に折返して圧着させることで、実施例4〜6および比較例2〜3の発熱シートを用いたカップ型容器を作成した。
実施例4〜6および比較例2〜3の発熱シートを、図3(a)および(b)に示す形状に打ち抜き、図3(a)に示す形状の発熱シートを、カップ原紙を介して発熱体が内側になるようにカップ成型機の金型に巻き付け胴貼り合わせ部分のPET面を230℃で炙り、圧着させて筒状にした。ついで底貼りのPET面を250℃で炙り、図3(b)に示す形状の発熱シートを、カップ原紙を介して発熱体を手前に見た状態で破線を山折りにし、コの字に絞った状態で図3(a)の下端部を内側に折返して圧着させることで、実施例4〜6および比較例2〜3の発熱シートを用いたカップ型容器を作成した。
(剥離試験)
前記実施例1〜3および比較例1の発熱シートを用いた箱型容器、および前記実施例4〜6および比較例2の発熱シートを用いたカップ型容器について、剥離試験を行った。剥離試験は、それぞれの容器の表側と裏側にカッターナイフでごく浅く×印のキズを入れ、×印の交点をきっかけとしてカッターナイフで層間剥離を試み、カップ原紙の部分で剥離した場合を○、その他の部分で剥離した場合を×とした。
前記実施例1〜3および比較例1の発熱シートを用いた箱型容器、および前記実施例4〜6および比較例2の発熱シートを用いたカップ型容器について、剥離試験を行った。剥離試験は、それぞれの容器の表側と裏側にカッターナイフでごく浅く×印のキズを入れ、×印の交点をきっかけとしてカッターナイフで層間剥離を試み、カップ原紙の部分で剥離した場合を○、その他の部分で剥離した場合を×とした。
(破壊試験)
前記実施例1〜3および比較例1の発熱シートを用いた箱型容器、および前記実施例4〜6および比較例2の発熱シートを用いたカップ型容器について、破壊試験を行った。破壊試験は、前記実施例1〜3および比較例1の発熱シートを用いた箱型容器については、四隅を折り込み、ヒートシールで接着されている部分を手で強制的に剥がし、カップ原紙の部分で剥離した場合を○、その他の部分で剥離した場合を×とした。また、前記実施例4〜6および比較例2の発熱シートを用いたカップ型容器については、ヒートシールで接着されている胴貼り部分、および胴部と底部の接着部分を手で強制的に剥がし、カップ原紙の部分で剥離した場合を○、その他の部分で剥離した場合を×とした。
前記実施例1〜3および比較例1の発熱シートを用いた箱型容器、および前記実施例4〜6および比較例2の発熱シートを用いたカップ型容器について、破壊試験を行った。破壊試験は、前記実施例1〜3および比較例1の発熱シートを用いた箱型容器については、四隅を折り込み、ヒートシールで接着されている部分を手で強制的に剥がし、カップ原紙の部分で剥離した場合を○、その他の部分で剥離した場合を×とした。また、前記実施例4〜6および比較例2の発熱シートを用いたカップ型容器については、ヒートシールで接着されている胴貼り部分、および胴部と底部の接着部分を手で強制的に剥がし、カップ原紙の部分で剥離した場合を○、その他の部分で剥離した場合を×とした。
(臭い試験)
前記実施例4および比較例3の発熱シートを用いたカップ型容器について、臭い試験を行った。臭い試験は、前記実施例4および比較例3の発熱シートを用いたカップ型容器に水を注ぎ、500Wで60秒加熱し、沸騰したお湯をある程度冷ました後、10人の被験者に試飲してもらった。そして、接着剤のにおいが強いと感じたカップ型容器を選んでもらい、選択されたものに○を付けた。
前記実施例4および比較例3の発熱シートを用いたカップ型容器について、臭い試験を行った。臭い試験は、前記実施例4および比較例3の発熱シートを用いたカップ型容器に水を注ぎ、500Wで60秒加熱し、沸騰したお湯をある程度冷ました後、10人の被験者に試飲してもらった。そして、接着剤のにおいが強いと感じたカップ型容器を選んでもらい、選択されたものに○を付けた。
(剥離試験および破壊試験の結果)
剥離試験および破壊試験の結果を以下の表1に示す。
剥離試験および破壊試験の結果を以下の表1に示す。
上記の結果より本発明の実施例によれば、箱型、カップ型に拘わらず、基材層と発熱体との接着強度を維持することが可能であることが分かった。
(臭い試験の結果)
臭い試験の結果を以下の表1に示す。
臭い試験の結果を以下の表1に示す。
上記の結果より、本発明の実施例にかかる発熱シートによれば、加熱後において、いわゆる「接着剤臭」が発生することを効果的に抑制することができることが分かった。
1…基材層
2…発熱体
3…保護層
4…PET樹脂
10…発熱シート
2…発熱体
3…保護層
4…PET樹脂
10…発熱シート
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016241931A JP2018094114A (ja) | 2016-12-14 | 2016-12-14 | 発熱シート、紙容器、および紙容器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016241931A JP2018094114A (ja) | 2016-12-14 | 2016-12-14 | 発熱シート、紙容器、および紙容器の製造方法 |
Publications (1)
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JP2018094114A true JP2018094114A (ja) | 2018-06-21 |
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Family Applications (1)
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JP2016241931A Pending JP2018094114A (ja) | 2016-12-14 | 2016-12-14 | 発熱シート、紙容器、および紙容器の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018094114A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102091073B1 (ko) * | 2019-06-12 | 2020-03-19 | 고영광 | 인덕션 및 전자레인지 겸용 용기 |
KR20200001047U (ko) * | 2018-11-15 | 2020-05-25 | (주)이루미소프트 | 조리 용기 |
WO2022131219A1 (ja) * | 2020-12-15 | 2022-06-23 | 東洋紡株式会社 | ポリエステル樹脂 |
-
2016
- 2016-12-14 JP JP2016241931A patent/JP2018094114A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20200001047U (ko) * | 2018-11-15 | 2020-05-25 | (주)이루미소프트 | 조리 용기 |
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