JP2018093772A - 植物栽培方法および植物栽培システム - Google Patents

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隆俊 四十宮
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大介 後藤
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Abstract

【課題】反射シートにより反射した近赤外光を有効活用した植物栽培方法を提供する。【解決手段】太陽光を利用するハウス40において、ハウス内で栽培する植物20、および、ハウス内の床面にある水封保温材30の間に、可視光反射性および近赤外光反射性を有する反射シート10を配置し、植物を栽培する、植物栽培方法。太陽光を利用するハウスと、ハウス内で栽培する植物と、ハウス内の床面にある水封保温材と、植物および水封保温材の間に位置し、可視光反射性および近赤外光反射性を有する反射シートと、を有する植物栽培システム。【選択図】図1

Description

本開示は、植物栽培方法および植物栽培システムに関する。
野菜等の栽培方法として、ハウスでの人工栽培が知られている。例えば、特許文献1には、太陽光を利用するハウスにおいて補光装置を用いて植物を栽培する方法であって、栽培用ベンチ及び/又は補光装置は相対的位置関係が変化するように移動し、1又はそれ以上の栽培用ベンチの片側面又は両側面から栽培植物に対して補光装置により光を照射し、栽培植物の特定の生育段階において各栽培用ベンチの栽培植物に対して補光装置により照射を行なうことを特徴とする植物栽培方法が開示されている。この技術は、高い栽培効率を維持したまま発光ダイオード等の補光装置を設置するコストを低減でき、単位面積当たりの収量を増大させることを目的としている。
また、特許文献2には、生地が黒いフィルムの上層に、経時的に消失する材料からなる白色部材層を被覆したことを特徴とする農業用温度コントロールシートが開示されている。この技術は、夏冬で張り替える必要のない農業用シートを提供することを目的としている。なお、特許文献3には、保温用熱源を必要とする畜産、養殖設備等の外壁、屋根覆いシートとして兼用し得る太陽熱利用集熱シートが開示されている。一方、特許文献4には、主として野菜等のトンネル栽培において、地温気温を維持するために使用される水封保温材が開示されている。
特開2011−188788号公報 特開平10−84793号公報 実開昭62−36371号公報 実公昭61−44586号公報
太陽光を利用するハウスにおいては、例えばハウス内の床面に届く太陽光を、反射シートによって反射させ、その反射光を植物に照射することで植物の成長を促進させる。反射シートにより反射した光のうち、可視光は植物の成長(例えば光合成)に大きく寄与するが、近赤外光は植物の成長に大きく寄与しない。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、反射シートにより反射した近赤外光を有効活用した植物栽培方法を提供することを主目的とする。
本開示においては、太陽光を利用するハウスにおいて、上記ハウス内で栽培する植物、および、上記ハウス内の床面にある水封保温材の間に、可視光反射性および近赤外光反射性を有する反射シートを配置し、上記植物を栽培する、植物栽培方法を提供する。
また、本開示においては、太陽光を利用するハウスと、上記ハウス内で栽培する植物と、上記ハウス内の床面にある水封保温材と、上記植物および上記水封保温材の間に位置し、可視光反射性および近赤外光反射性を有する反射シートと、を有する植物栽培システムを提供する。
本開示の植物栽培方法は、反射シートにより反射した近赤外光を有効活用できるという効果を奏する。
本開示の植物栽培方法を例示する模式図である。 本開示の植物栽培方法を例示する模式図である。 本開示の植物栽培方法を例示する模式図である。 本開示における反射シートを例示する概略断面図である。 本開示における反射シートの製造方法を例示する概略断面図である。 本開示における水封保温材を例示する概略斜視図である。 実施例1で作製した反射シートに対する反射率測定の結果である。
以下、本開示の植物栽培方法および植物栽培システムについて、詳細に説明する。なお、本開示においては、「シート」および「フィルム」を同義として用いる場合がある。
A.植物栽培方法
図1は、本開示の植物栽培方法を例示する模式図である。例えば図1に示すように、本開示の植物栽培方法では、太陽光を利用するハウス40において、ハウス40内で栽培する植物20、および、ハウス40内の床面にある水封保温材30の間に、可視光反射性および近赤外光反射性を有する反射シート10を配置し、植物20を栽培する。また、図1では、土壌(畝)21で植物20を栽培している。一方、例えば図2に示すように、栽培ベンチ22に載置された培地23で植物20を栽培してもよい。
また、図1および図2では、拡散反射性を有する反射シート10を示している。太陽光Lが反射シート10に照射されると、拡散反射が生じる。反射シート10により反射した光のうち、可視光は植物20の成長に寄与し、近赤外光は水封保温材30の温度上昇に寄与する。なお、図1および図2では、植物20の片側に、反射シート10および水封保温材30を配置しているが、植物20の両側に、反射シート10および水封保温材30を配置してもよい。
このように、本開示によれば、植物および水封保温材の間に、可視光反射性および近赤外光反射性を有する反射シートを有するため、反射シートにより反射した可視光を植物に照射しつつ、反射シートにより反射した近赤外光を水封保温材に照射できる。そのため、反射シートにより反射した近赤外光を有効活用できる。具体的には、近赤外光を水封保温材の温度上昇に寄与させることができる。これにより、例えば暖房費用の低減を図ることができる。また、本開示においては、反射シートを用いることで、発光ダイオード等の補光装置を設置するコストを低減できる。
本開示においては、植物および水封保温材の間に、反射シートを配置することを一つの特徴とする。反射シートの配置方法は、特に限定されないが、上述した図1および図2に例示されるように、反射シート10の植物20側の端部が、水封保温材30側の端部よりも高い位置にあることが好ましい。反射した近赤外光を水封保温材に効率良く照射できるからである。図1においては、反射シート10を、畝の側面に沿って配置することで、反射シート10の植物20側の端部をより高くしている。一方、図2においては、反射シート10を、栽培ベンチ22に固定することで、反射シート10の植物20側の端部をより高くしている。なお、図示しないが、培地23の容器等に反射シート10を固定してもよい。
ここで、図3に示すように、反射シート10の鉛直方向における高さ(最も高い位置と最も低い位置との差)をHとする。Hの値は、0であってもよく、0よりも大きくてもよい。後者の場合、Hの値は、例えば20cm以上であり、30cm以上であってもよい。Hの値が小さすぎると、反射した近赤外光を水封保温材に効率良く照射できない可能性があるからである。一方、Hの値は、例えば40cm以下である。Hの値が大きすぎると、反射した可視光を植物に効率良く照射できない可能性があるからである。
また、図3に示すように、反射シート10の端部と植物20の根元との水平方向における距離をDとし、反射シート10の端部と水封保温材30の端部との水平方向における距離をDとする。Dの値は、0であってもよく、0よりも大きくてもよい。後者の場合、Dの値は、例えば10cm以下であり、5cm以下であってもよい。Dの値が大きすぎると、反射した可視光を植物に効率良く照射できない可能性があるからである。一方、Dの値は、0であってもよく、0よりも大きくてもよい。後者の場合、Dの値は、例えば10cm以下であり、5cm以下であってもよい。Dの値が大きすぎると、反射した近赤外光を水封保温材に効率良く照射できない可能性があるからである。なお、本開示においては、水封保温材30および床面の間に反射シート10を配置してもよい。
本開示の植物栽培方法について、構成ごとに説明する。
1.反射シート
本開示における反射シートは、可視光反射性および近赤外光反射性を有するシートである。「可視光反射性を有する」とは、可視光反射率(波長380nm以上780nm以下における平均可視光反射率)が70%以上であることをいう。反射シートの可視光反射率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。一方、「近赤外光反射性を有する」とは、近赤外光反射率(波長780nm以上2100nm以下における平均近赤外光反射率)が60%以上であることをいう。反射シートの近赤外光反射率は、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
反射シートとしては、例えば、金属板、樹脂フィルムを金属板に張り合わせたシート、樹脂シート、不織布等が挙げられる。中でも、反射シートは、樹脂シートを少なくとも有することが好ましい。さらに、上記樹脂シートは、多孔質樹脂シートであることが好ましい。多孔質樹脂シートは拡散反射性が高いからである。また、旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社製のタイベック(登録商標)シリーズや、酸化チタンを添加した多層フィルム等も反射シートとして使用できる。
上述したように、反射シートは、樹脂シートを少なくとも有することが好ましい。さらに、上記樹脂シートは、多孔質樹脂シートであることが好ましい。一方、反射シートは、樹脂シートのみを有していてもよく、樹脂シートに加えて、他のシートをさらに有していてもよい。他のシートとしては、例えば、補強シートが挙げられる。また、反射シートは、樹脂シートおよび補強シートの間に接着層を有していてもよく、樹脂シートおよび補強シートが直接接触(例えば熱融着)していてもよい。このような反射シートとしては、例えば、図4(a)のように、樹脂シート1および補強シート2をこの順に有する反射シート10、および、図4(b)のように、樹脂シート1、接着層3および補強シート2をこの順に有する反射シート10が挙げられる。以下、樹脂シートを有する反射シートについて、詳細に説明する。
(1)樹脂シート
樹脂シートは、少なくとも樹脂成分を含有し、必要に応じて、充填材、および、各種添加剤を含有していてもよい。
(i)樹脂成分
樹脂シートは、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フッ化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、飽和エステル系樹脂等が挙げられ、中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。耐熱性、耐水性、耐薬品性、コスト面が優れるからである。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、オレフィンの単独重合体、2種類以上のオレフィンの共重合体、1種類以上のオレフィンと、オレフィンと重合可能な1種類以上の重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。上記オレフィン(モノマー単位)としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等が挙げられる。また、共重合体は、2元系でも3元系でも4元系でもよい。また、共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、中でも、ポリプロピレン系樹脂等が好ましい。ポリプロピレン系樹脂の一例としては、プロピレン単独重合体が挙げられる。プロピレン単独重合体は、アイソタクティックまたはシンジオタクティックな立体規則性を有することが好ましい。ポリプロピレン系樹脂の他の例としては、プロピレンと、他のαオレフィンとの共重合体が挙げられる。他のαオレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1の少なくとも一種等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンをモノマー単位の主成分とすることが好ましい。
一方、ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂は、直鎖状ポリエチレンであってもよい。ポリエチレン系樹脂は、エチレンをモノマー単位の主成分とすることが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂として、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を用いてもよい。
また、上述したように、熱可塑性樹脂として、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フッ化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、エステル系樹脂等を用いることができる。アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、エチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。スチレン系樹脂としては、例えば、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。フッ化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。アミド系樹脂としては、例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等が挙げられる。エステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプリブチレンテレフタレート等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂として、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、熱可塑性エラストマー等を用いてもよい。
樹脂シートは、1種類の樹脂を含有していてもよく、2種類以上の樹脂を含有していてもよい。2種類以上の樹脂を用いる場合、ポリオレフィン系樹脂を主成分とすることが好ましく、ポリプロピレン系樹脂を主成分とすることがより好ましい。また、樹脂シートにおける樹脂の含有量は、例えば、45質量%以上であり、55質量%以上であってもよい。一方、樹脂シートにおける樹脂の含有量は、例えば、99質量%以下であり、98質量%以下であってもよい。
(ii)充填材
樹脂シートは、充填材を含有していてもよい。例えば、充填材を含有するシートに対して延伸処理を行うことで、シートの内部に空隙が生じ、多孔質樹脂シートが得られる。充填材としては、例えば、無機系充填材および有機系充填材が挙げられる。
無機系充填材としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、焼成クレイ、タルク、酸化珪素、珪藻土、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等が挙げられる。また、無機系充填材は脂肪酸で表面処理されていてもよい。中でも、無機系充填材は、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレイまたはタルクであることが好ましい。安価で成形性がよいからである。
無機系充填材の平均粒子径は、例えば、0.01μm以上15μm以下であり、0.01μm以上8μm以下であってもよい。なお、平均粒子径とは、体積基準で測定した粒径分布の統計的平均値として定義され、例えば、株式会社堀場製作所製LA−920によって測定された値をいう。
有機系充填材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、メラミン、ポリエチレンサルファイト、ポリイミド、ポリエチルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイト、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。また、有機系充填材として、環状オレフィンの単独重合体、環状オレフィンとエチレンとの共重合体であり、融点が120℃以上300℃以下であるかガラス転移温度が120℃以上280℃以下である材料を用いることもできる。
樹脂シートにおける充填材の含有量は、例えば、1質量%以上65質量%以下であり、2質量%以上55質量%以下であることが好ましい。
(iii)他の添加材
樹脂シートは、必要に応じて、界面活性材、滑材、帯電防止材等の各種添加材を含有していてもよい。界面活性材の添加により、例えば結露を防ぐことができる。界面活性材としては、例えば、非イオン性界面活性材、陰イオン性界面活性材、両イオン性界面活性材等が挙げられる。非イオン性界面活性材としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロックポリマー等が挙げられる。陰イオン性界面活性材としては、例えば、スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の塩が挙げられる。なお、上記塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
また、滑材としては、例えば、流動パラフィン、合成パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の脂肪族炭化水素、直鎖アルコールのステアリン酸エステル、高級脂肪酸アマイド等が挙げられる。また、帯電防止材としては、例えば、アルキルジエタノールアミン、ヒドロキシアルキルモノエタノールアミン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルスルホン酸ソーダ、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、過塩素酸テトラアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。なお、添加材の含有量は、特に限定されず、添加材の種類に応じて適宜選択する。
(iv)樹脂シート
樹脂シートは、内部に空隙を有する多孔質樹脂シートであることが好ましい。多孔質樹脂シートの空隙率は、特に限定されないが、例えば、35%以上60%以下であり、40%以上58%以下であることが好ましい。空隙率が低すぎると、光反射性が低くなる可能性がある。空隙率が高すぎると、シート強度が弱くなる可能性がある。
ここで、空隙率とは、樹脂シート中に占める空隙の割合を示しており、下記式から算出できる。
各層の密度=積層した各層のm当たりの質量/積層した各層の厚み
空隙率=(1−各層の密度/空隙を形成しない樹脂シートの密度)×100
空隙の平均径は、例えば、1μm以上50μm以下であり、2μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましい。なお、空隙の最大径(L)とそれに直角な方向の最大の径(M)を測定して平均したもの[(L+M)/2]を空隙の径とする。少なくともn個(nは1以上の整数であり、100以上の整数であることが好ましい)の空隙の径を測定し、その平均値を、空隙の平均径とする。試料の断面観察には、例えば、(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡S−2400を用いることができる。
多孔質樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、例えば30μm以上90μm以下であり、40μm以上80μm以下であることが好ましい。また、多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多孔質樹脂シートが多層構造である場合、各層に含まれる樹脂成分は、同一であってもよく、異なっていてもよい。多層構造の多孔質樹脂シートの一例としては、内層と、上記内層の両面に位置する2つの外層とを有し、2つの外層に含まれる樹脂成分が同一であり、外層に含まれる樹脂成分と内層に含まれる樹脂成分とが異なる多孔質樹脂シートが挙げられる。
多孔質樹脂シートは、可視光反射率が高いことが好ましい。多孔質樹脂シートの可視光反射率(波長380nm以上780nm以下における平均反射率)は、例えば、70%以上であり、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、多孔質樹脂シートは、近赤外光反射率が高いことが好ましい。多孔質樹脂シートの近赤外光反射率(波長780nm以上2100nm以下における平均反射率)は、例えば、60%以上であり、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
多孔質樹脂シートの平滑性は高いことが好ましい。具体的に、多孔質樹脂シート表面の算術平均高さSaは、例えば、1μm以下であり、0.7μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。また、多孔質樹脂シートの防汚性は高いことが好ましい。具体的に、多孔質樹脂シート表面の汚染等級(JIS−L−1919)は、3以上であることが好ましく、3.5以上であることがより好ましい。
多孔質樹脂シートは、透湿性、通気性および遮水性の少なくとも一つを有することが好ましい。なお、透湿性とは、気体としての水すなわち水蒸気を通過させる性質をいい、通気性とは、二酸化炭素をはじめとする気体を通過させる性質をいい、遮水性とは、液体としての水を通過させない性質をいう。多孔質樹脂シートの透湿度は、例えば、600g/m・day以上であり、700g/m・day以上であることが好ましく、800g/m・day以上であることがより好ましい。
多孔質樹脂シートの耐水圧は、例えば、10kPa以上であり、20kPa以上であることが好ましい。また、多孔質樹脂シートの不透明度は、例えば、70%以上100%以下であることが好ましい。なお、多孔質樹脂シートの不透明度は、JIS−Z−8722に準拠するものとする。また、多孔質樹脂シートの密度は、例えば、0.50g/cm以上0.90g/cm以下であり、0.50g/cm以上0.70g/cm以下であることが好ましい。
多孔質樹脂シートの製造方法は、所望の多孔質樹脂シートが得られる方法であれば特に限定されず、公知の製造方法を採用することができる。また、多孔質樹脂シートは、延伸処理されたものであることが好ましい。
(2)補強シート
反射シートは、樹脂シートの一方の面側に、樹脂シートを補強する補強シートを有していてもよい。
補強シートは、樹脂を含有することが好ましい。上記樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよいが、前者が好ましい。なお、樹脂については、上述した樹脂シートに用いられる樹脂と同様である。特に、補強シートに含まれる樹脂は、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。耐熱性、耐水性、耐薬品性、コスト面が優れるからである。また、ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン系樹脂であってもよく、ポリプロピレン系樹脂であってもよい。
また、補強シートおよび樹脂シートの両方が、樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂シートであることが好ましい。例えば、後述する接着層を設けた場合、ポリオレフィン系樹脂は接着材に対する接着性が共通するため、強固に接着した反射シートが得られるからである。また、熱や水分などによる膨張や収縮の程度が近いため、反りが発生し難く接着が剥がれ難いからである。その結果、耐久性が高い反射シートとなる。また、ポリオレフィン系樹脂を用いるため、耐水性が高い反射シートとなる。
また、補強シートがポリエチレン系樹脂を主成分として含有し、樹脂シートがポリプロピレン系樹脂を主成分として含有することが好ましい。反射シートの加工性が向上するからである。具体的には、ポリプロピレン系樹脂は比較的硬い樹脂であるため、加工が難しい。これに対して、ポリエチレン系樹脂は比較的柔らかい樹脂であるため、ポリプロピレン系樹脂およびポリエチレン系樹脂を組み合わせることで、反射シートの加工性が向上する。
補強シートは、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。補強シートの厚みは、特に限定されないが、例えば10μm以上150μm以下であり、20μm以上100μm以下であることが好ましい。なお、補強シートが多層構造である場合、補強シートを構成する各層の厚みが、上述した範囲内であることが好ましい。また、反射シートは、最表面に補強シートを有していてもよく、内部に補強シートを有していてもよい。
補強シートは、樹脂シートよりも高い透湿性を有していてもよい。補強シートの透湿度は、例えば、樹脂シートの透湿度の8倍以上であることが好ましい。補強シートの透湿度は、例えば、5000g/m・day以上であり、6000g/m・day以上であることが好ましい。反射シートは、樹脂シートおよび補強シートの間に他の層を有していてもよく、他の層を有さず接触(例えば熱融着)していてもよい。他の層としては、例えば接着層が挙げられる。接着層の厚みは、例えば10μm以下である。
(3)反射シート
反射シートは、光反射層を有していてもよく、有していなくてもよい。光反射層は、例えば、白色粉末および樹脂成分を含有する。白色粉末としては、例えば、アナターゼ型またはルチル型の酸化チタン、これらの表面をAl、Si等の金属酸化物で処理した酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。樹脂成分としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。また、ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクタムポリウレタン等が挙げられる。光反射層の場所は、特に限定されず、反射シートの最表面であってもよく、内部であってもよい。また、光反射層は、樹脂シートを基準として、補強シートとは反対側に設けられていることが好ましい。光反射層の厚みは、例えば、0.5μm以上4μm以下である。
反射シートの厚みは、特に限定されないが、例えば50μm以上200μm以下であり、80μm以上150μm以下であることが好ましい。反射シートの透湿度は、例えば、10g/m・day以上であってもよく、20g/m・day以上であってもよい。反射シートは、一方の表面から他方の表面を貫通する貫通孔を複数有していてもよい。貫通孔の割合は、例えば、1万個/m以上100万個/m以下であり、10万個/m以上70万個/m以下であることが好ましい。多孔質樹脂シートが貫通孔を有する場合、貫通孔において通水性を有し、貫通孔以外の部分において、透湿性、通気性および遮水性を有することが好ましい。
また、反射シートの製造方法は、特に限定されない。図5は、本開示における反射シートの製造方法を例示する概略断面図である。具体的には、ドライラミネート法による反射シートの製造方法を示している。図5においては、樹脂シート1の表面に、接着材および溶媒を含有する接着材組成物3xを塗工する(図5(a))。次に、接着材組成物3xを乾燥することで溶媒を除去し、接着層3を形成する(図5(b))。次に、樹脂シート1および補強シート2を、接着層3を介して積層する(図5(c))。これにより、樹脂シート1、接着層3および補強シート2をこの順に有する反射シート10が得られる(図5(d))。
樹脂シートおよび補強シートを接合する方法としては、例えば、樹脂シートおよび補強シートを熱融着する方法、樹脂シートおよび補強シートを、接着層を介して積層する方法が挙げられる。接着層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、接着材および溶媒を含有する接着材組成物を塗布し、乾燥する方法が挙げられる。接着材としては、例えば、ポリエーテル系接着材、ポリエステル系接着材、ポリウレタン系接着材、ビニル系接着材、(メタ)アクリル系接着材、ポリアミド系接着材、エポキシ系接着材、ゴム系接着材等が挙げられる。接着材は、一液硬化型であってもよく、二液硬化型であってもよい。一方、接着層は、例えばポリエチレン系樹脂等の樹脂を押出コーティングすることにより形成してもよい。
2.水封保温材
本開示における水封保温材は、植物の近傍に配置され、保温効果を有する部材である。また、水封保温材は、少なくとも水を含む液体を内部に有する部材である。水封保温材は、柔軟性を有する袋構造を有することが好ましい。特に、水封保温材は、プラスチックチューブ構造を有することが好ましい。
図6は、本開示における水封保温材を例示する概略斜視図であり、液体を封入する前の水封保温材を示している。なお、図6における水封保温材30は、長手方向の一部を切欠省略している。図6に示す水封保温材30は、柔軟性を有するプラスチックチューブを有し、このチューブは、透明層31aと、着色吸熱層31bとを有する。また、透明層31aおよび着色吸熱層31bは、溶接部32では互いに接触しており、蓮通部32aでは互いに離れている。また、水収容部33から液体を供給し、密封することが可能である。
上記プラスチックチューブは、例えば、共押出二重インフレーシヨン成形により得ることができる。例えば、二台の押出機により、一方に顔料ブレンド樹脂材料、他方に透明樹脂材料を供給して共押出し、透明層および着色吸熱層が連接した共押出しフィルムチューブを形成し、さらに、他の押出機により透明フィルムチユーブを押出し積層することにより、プラスチックチューブ構造を得ることができる。この製造方法には、着色工程および成形工程が同時にできるという利点、二重のチユーブが得られるので強靭で高い水圧に耐えられるという利点がある。
上記プラスチックチユーブにおける着色吸熱層は、チユーブの全外表面積の35%以上65%以下であることが好ましい。また、着色吸熱層の色は、黒、紫、赤等の熱線吸収率の高い色が好ましい。また、着色吸熱層の可視光透過率は、透明層の可視光透過率の70%以下であることが好ましい。
上記プラスチックチユーブの材料は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリプロピレン、ナイロン等の熱可塑性樹脂、天然ゴム、合成ゴム等が挙げられる。また、上記プラスチックチユーブの厚みは、例えば、70μm以上100μm以下であり、上記プラスチックチユーブの折径は、例えば300mm以上400mm以下である。また、液体封入後の水封保温材の高さは、例えば50mm以上70mm以下である。また、プラスチックチユーブが、透明層および着色吸熱層を有する場合、着色吸熱層を地下側、透明層を地上側に配置することで、近赤外光のエネルギーを効率良く内部に蓄えることができる。
3.植物
本開示における植物は、特に限定されず、長日植物(長日に反応して花芽形成を調節する植物)であってもよく、短日植物(短日に反応して花芽形成を調節する植物)であってもよく、中性植物(光周期に反応しない植物)であってもよい。具体的には、花き園芸植物、果菜類、果樹類及び穀物類が挙げられ、例えば、ファレノプシス、シンピジウム、デンドロジウムをはじめとするラン類、サボテン類、バラ、カーネーション、ガーベラ、カスミソウ、ユリ、スターチス等の切り花用途の花き類、及び、パンジー、プリムラ、ベコニア、ペチュニア、シクラメン等の鉢花用途の花き類;トマト、キュウリ、メロン、イチゴ、ピーマン等の果菜類;ナシ、リンゴ、ブドウ等の果樹類;及びトウモロコシ、コムギ等の穀物類が挙げられる。
本開示においては、植物を土壌で栽培してもよく、培地で栽培してもよい。なお、典型的には、前者は土耕栽培に該当し、後者は水耕栽培に該当する。また、後者の場合、図2に示すように、培地23は、栽培ベンチ22に載置されていてもよい。栽培ベンチとしては、例えば、特開平6−141699号公報や特開平7−327495号公報に記載されている骨組み材やパイプ材を組み立てた構成のもの、特開2008−125412号公報に記載されている箱型の形状等の任意の構成のものを使用することができる。また、栽培ベンチの材質としては、アルミ等の金属、樹脂、木材等が挙げられる。
栽培ベンチに植物を載置するために、植物栽培用ポット、植物栽培用バッグ、植物栽培用ベッド等の栽培用具を用いてもよい。また、栽培ベンチの上で水耕栽培(湛液型水耕栽培、NFT型水耕栽培)を行ってもよく、栽培ベンチの上にロックウールマットを敷きその上にロックウールポットを置いてロックウール栽培を行ってもよい。また、ロックウールの代わりに使用後の廃棄がしやすいココピートを培地に利用したココバッグ栽培でもよい。また、栽培ベンチの養液を供給する配管などを設けてもよい。栽培ベンチは、固定型であってもよく、移動可能型であってもよい。また、栽培ベンチは吊り下げ式であってもよい。吊り下げ式である場合、隣り合う栽培ベンチの間隔の変更が容易である、防草シートの張り替えが容易である等の利点がある。
4.ハウス
本開示におけるハウスは、太陽光を利用するハウスである。ハウスは、例えば、骨材および被覆材を有する。骨材としては、例えば、鋼材等の金属材が挙げられる。被覆材としては、例えば、ガラス、樹脂が挙げられる。上記樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂が挙げられる。
ハウスは、いわゆるオランダ型ハウスであってもよい。オランダ型ハウスでは、例えば、温度、湿度および二酸化炭素を制御することで、低コスト化および高収益化を図ることができる。そのため、ハウス内には、温度、湿度および二酸化炭素の各種センサおよび制御サーバー、遮光シート等が設けられていてもよい。
B.植物栽培システム
本開示の植物栽培システムは、太陽光を利用するハウスと、上記ハウス内で栽培する植物と、上記ハウス内の床面にある水封保温材と、上記植物および上記水封保温材の間に位置し、可視光反射性および近赤外光反射性を有する反射シートと、を有する。具体例としては、図1に示すように、太陽光を利用するハウス40と、ハウス40内で栽培する植物20と、ハウス40内の床面にある水封保温材30と、植物20および水封保温材30の間に位置し、可視光反射性および近赤外光反射性を有する反射シート10と、を有する植物栽培システム100が挙げられる。
本開示によれば、植物および水封保温材の間に、可視光反射性および近赤外光反射性を有する反射シートを有するため、反射シートにより反射した可視光を植物に照射しつつ、反射シートにより反射した近赤外光を水封保温材に照射できる。そのため、反射シートにより反射した近赤外光を有効活用できる。植物、水封保温材、反射シート、ハウス、および、その他の事項については、上記「A.植物栽培方法」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本開示の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(多孔質樹脂シートの作製)
多孔質樹脂シートの内層を構成する樹脂組成物として、プロピレン単独重合体(日本ポリケム(株)製、商品名「ノバテックPP:MA−8」、融点164℃)を65.5質量%、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)製、商品名「ノバテックHD:HJ580」、融点134℃、密度0.960g/cm)を6.5質量%、および、平均粒子径が1.5μmの炭酸カルシウム粉末を28質量%よりなる樹脂組成物を、押出機を用いて無延伸シートを得た。次いで、この無延伸シートを縦方向に4倍延伸して、一軸延伸シートを得た。
一方、多孔質樹脂シートの外層を構成する樹脂組成物として、上記と同様の材料にて、プロピレン単独重合体を51.5質量%、高密度ポリエチレンを3.5質量%、平均粒子径が1.5μmの炭酸カルシウム粉末を42質量%、平均粒子径が0.8μmの酸化チタン粉末を3質量%よりなる樹脂組成物を、別の押出機を用いて溶融混練し、上記の一軸延伸シートの表面の両側にダイより押し出し、外層、内層、外層の層構成を有する積層シートを得た。
次いで、この積層シートを横方向に7倍延伸し耳部をスリットすることにより、厚みが70μmであり、外層(15μm)、内層(40μm)、外層(15μm)の層構成を有し、微細な空隙を含有する多孔質樹脂シートを得た。得られた多孔質樹脂シートの空隙率は55%であり、不透明度は93%であった。
(反射シートの作製)
補強シートとして、L−LDPEフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、厚み30μm、TUX TC−S、三井化学東セロ社製)を用意し、ドライラミネート法にて、補強シートおよび多孔質樹脂シートを接合した。具体的には、ポリエーテル系接着材としてタケラックA−969V(ポリオール成分)およびタケネートA−5(イソシアネート成分)を使用した。ポリエーテル系接着材を、乾燥温度70℃、2g/mの条件で塗布し、接合した。このようにして、反射シートを得た。
得られた反射シートに対して、反射率測定、平滑性評価および防汚性評価を行った。可視光反射率測定では、紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所UV−3600)および積分球付属装置(ISR−3100)を用いて、入射角8°で反射率(全反射率)を測定した。なお、標準板として、米国ラブスフェア社製スペクトラロン(テフロン(登録商標)製)を用いた。また、測定面は、反射シートの多孔質樹脂シート側の面とした。その結果を図7に示す。図7に示すように、波長380nm以上780nm以下での平均可視光反射率は95%以上であり、植物の育成に必要な可視光を十分に反射することが確認された。また、波長780nm以上2100nm以下での平均近赤外光反射率は85%以上であった。また、波長380nm以下での紫外線反射率が低いため、例えば蜂等による受粉を妨げないという利点もある。一方、平滑性評価では、多孔質樹脂シート側の表面の算出平均高さSaを求めた。その結果、Saは0.3μmであった。また、防汚性評価では、JIS−L−1919に基づいて、汚染等級を評価した。その結果、汚染等級は3.5であった。
(暖房効果の確認)
水封保温材として、タキイ種苗「ホットマルチ#30」(300mm幅)を用意した。一方、ハウスの内部に畝を作製し、畝の側面に得られた反射シートを配置し、さらに、所定の間隔を設けて通路に水封保温材を配置した。なお、図3に示すH、DおよびDを、それぞれ、20cm、5cm、10cmとした。この状態で、晴天時の日中に8時間静置し、水封保温材の水温を測定したところ、外気温よりも3℃高かった。このように、植物および水封保温材に間に反射シートを配置することで、暖房効果が得られた。
10…反射シート
20…植物
30…水封保温材
40…ハウス
100…植物栽培システム

Claims (9)

  1. 太陽光を利用するハウスにおいて、前記ハウス内で栽培する植物、および、前記ハウス内の床面にある水封保温材の間に、可視光反射性および近赤外光反射性を有する反射シートを配置し、前記植物を栽培する、植物栽培方法。
  2. 前記反射シートの前記植物側の端部が、前記水封保温材側の端部よりも高い位置にある、請求項1に記載の植物栽培方法。
  3. 前記植物を、土壌で栽培する、請求項1または請求項2に記載の植物栽培方法。
  4. 前記植物を、栽培ベンチに載置された培地で栽培する、請求項1または請求項2に記載の植物栽培方法。
  5. 前記反射シートは、可視光反射率が90%以上である、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の植物栽培方法。
  6. 前記反射シートは、近赤外光反射率が80%以上である、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の植物栽培方法。
  7. 前記反射シートが、熱可塑性樹脂を含有する多孔質樹脂シートを有する、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の植物栽培方法。
  8. 前記多孔質樹脂シートにおける前記熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、
    前記多孔質樹脂シートの空隙率が35%以上60%以下であり、前記多孔質樹脂シートの厚みが30μm以上90μm以下である、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の植物栽培方法。
  9. 太陽光を利用するハウスと、前記ハウス内で栽培する植物と、前記ハウス内の床面にある水封保温材と、前記植物および前記水封保温材の間に位置し、可視光反射性および近赤外光反射性を有する反射シートと、を有する植物栽培システム。
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