JPS62166821A

JPS62166821A - 被覆栽培用の複合シ−ト

Info

Publication number: JPS62166821A
Application number: JP61006354A
Authority: JP
Inventors: 斎藤　三衛; 徹古賀
Original assignee: Ube Industries Ltd
Current assignee: Ube Corp
Priority date: 1986-01-17
Filing date: 1986-01-17
Publication date: 1987-07-23

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野コ本発明は、優れた保温性と光線を和らげる性能を有し、
作物の順調な生育を促進する被覆栽培用の複合シートに
関する。

［従来の技術およびその問題点］従来、作物を寒気から護り、順調な生育を促進するため
には、ハウス栽培、トンネルハウス栽培、マルチング栽
培あるいはこれらを組み合わせた栽培方法が採用されて
きた。これら栽培に用いられる被覆材としては、ポリ塩
化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルムあるいはエチ
レン−酢酸ビニル共重合体フィルム等のポリオレフィン
樹脂フィルムが主に使用されてきた。しかし、ポリ塩化
ビニルフィルムは、可塑剤のブリードアウトによるフィ
ルム表面の汚染のため、経時的に光線透過性が低下する
。そのためハウス内の保温効果が徐々に失われてい（と
いう欠点がある。一方、ポリエチレンフィルムあるいは
エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムは、可塑剤を含
まず、長期に渡って光線透過性が維持される。しかし、
本質的にその保温性能はポリ塩化ビニルフィルムに比較
して劣るものである。ポリエチレンフィルムに無機充填
剤を添加して、その保温性能を向上させたフィルムも使
用されている。しかし、ポリ塩化ビニルフィルムと同等
の保温性能となる程度に充填剤を添加したフィルムは、
その成形性あるいは引裂強度などが不良となり聞届であ
る。

作物の生育にとって適当な温度と共に光の照射が不可欠
である。農業用被２神には、出芽から二葉およびその後
の成長に応じた量の光線を過通する性質が要求される。

その中の平行光線と散乱光線との割合が、作物の生育に
大きな影１を与える。

例えば本来夏の作物であるトマト、キュウリ、西瓜など
をはじめ、一般に果菜類に対しては平行光線が好影響を
及ぼす、また、レタスやキャベツのような葉菜類には、
散乱光線が好影響を及ぼす。

特に、水稲の育苗等には散乱光線の方が葉の生育が良好
であり、好ましいとされている。

前記した従来の農業用被覆材は、基本的に平板なフィル
ムである。そのため全光線透過率が良好なものであって
も、透過する光線はほとんどが平行光線であり、葉菜類
に対しては好ましい被覆材料ではない。特に、水稲の育
苗等においては、過大な平行光線の透過により、発芽初
期に芽が立ち枯れてしまったり、葉焼は等の障害が発生
する。

以上述べた如く、充分な保温性能と好適な光線透過性と
を併せ持った農業用被覆材はこれまでなかったのである
。

［問題点を解決するための手段］本発明は、長期に渡って充分な保温性能を維持すること
ができ、また、平行光線と散乱光線が好ましい割合で透
過することのできる被覆栽培用の複合フィルムに関する
。

本発明は、独立空気室を形成する凸状突起を多数有する
二枚の緩衝性シートが重ね合わされた被覆栽培用の複合
フィルムに関する。

本発明の被覆栽培用の複合シートは、独立空気室を形成
する凸状突起を多数有する二枚の緩衝性シートからなる
。以下に図に従って上記緩衝性シートを詳しく説明する
。

第１図において１は緩衝性シート、２は凸状突起である
。

緩衝性シート１には、独立した空気室を形成している凸
状突起２が全面に渡って多数設けられている。

緩衝性シート１の凸状突起２は、角柱状、円柱状、楕円
柱状、半球状等の形状、またはそれらを組み合わせた形
状のものであればよい。特に、円柱状、楕円柱状の空気
室を形成しているものが好適である。凸状突起２の高さ
は１〜２０ｆｌ、好ましくは２〜１８ｍであって、その
底面積は０．１〜１５ｃｎｌ、好ましくは０．２〜Ｌｏ
ａｄであるものが好適である。凸状突起２同士の間隔は
０．１〜２０ｍ、好ましくは１〜１５鶴であって、緩衝
性シート１の全面に渡って略均等に配列されていること
が好ましい。

＠衝性シート１は熱可塑性樹脂で形成される。

熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド
、ポリエステルなどを挙げることができる。

その中でも低密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリエ
チレンが、その良好な成形性あるいは優れたフィルム強
度、耐候性、耐摩耗性により好適に用いられ得る。

熱可塑性樹脂には、一般に熱可塑性樹脂フィルム組成物
に用いられる老化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等を適当
量添加することができる。特に、本発明の被２栽培用の
複合シートでは、紫外線吸収剤の添加によりその耐候性
を向上させることが望ましい。

本発明の、被覆栽培用のシートは、上記の緩衝性シート
が二枚重ね合わされたものである。二枚の緩衝性シート
の重ね合せ形態は、特に固定されるものではない。第２
図はその一例であって、凸状突起が互いに外方を向く形
態で重ね合わされたものである。第２図において■は被
覆栽培用の複合シート、１は緩衝性シート、２は凸状突
起である。二枚の緩衝性シートは、単に重ね合わせるだ
けでもよいし、適当な方法で二枚を接着あるいは熱融着
してもよい。二枚のＧｆＥ性シートの間には空気が存在
し、保温帯を形成している。従って、二枚の緩衝性シー
トを接着あるいは熱融着する場合は、黒炭あるいは線状
に接着あるいは熱融着することが好ましい。

重ね合わせ形態としては上記の他、凸状突起同士を対向
させて重ね合わせてもよいし、凸状突起が同じ方向を向
く形態で重ね合わせてもよい。

また、二枚の緩衝性シートの凸状突起は、その高さ、低
面積および形状が同じであってもよいし、異なったもの
であってもよい。

さらに、緩衝性シートはナチュラル（熱可塑性樹脂本来
の）色であってもよいし、少なくとも一枚の緩衝性シー
トが、光線を十分透過する程度に着色されていてもよい
。

本発明の被覆栽培用の複合シートは、公知の農業用被覆
材と同様に、ハウス栽培、トンネルハウス栽培、マルチ
ング栽培あるいはこれらを組み合わせた栽培方法に使用
できる。

次に、本発明の被覆栽培用の複合シートとして使用され
る緩衝性シートの製造方法の一例を述べる。

熱可塑性樹脂を、押出し成形法で約１０〜３００μ厚み
のフィルムとし、一枚目のフィルムを、周面に多数の凹
部を有する加熱されたカレンダーロールに巻き掛けて、
加熱状態で凸状突起を全面に多数有するフィルム（エン
ボスフィルム）を成形する。次いで、前記凸状突起を有
するエンボスフィルムの上に二枚目のフィルムを加熱状
態でさらに巻き掛けて、カレンダーロール上で両フィル
ムを熱的に融着して、独立した空気室を形成している凸
状突起を全面に多数有する緩衝性シートを形成する。

本発明の生育方法には、上記二枚のフィルムからなる緩
衝性シートが好適に用いられる。また、上記緩衝性シー
トの凸状突起の面に、さらに三枚目のフィルムを融着あ
るいは貼着した、三層の緩衝性シートも使用できる。

本発明の生育方法に使用される被覆シートは、二枚の緩
衝性シートの全面に略均等に配置されている凸状突起内
の空気および二枚の緩衝性シート間に存在する空気のた
め、極めて優れた断熱性を有し、保温性に優れている。

また、使用される熱可塑性樹脂フィルムは何れも透明性
に優れ、被覆シート全体の光線通過量も作物の成長を促
進するに十分なものである。さらに、平板面と凸状突起
による弧面とが、被覆シート全面に渡ってランダムに存
在するため、平行光線と散乱光線とが適度な割合で透過
し、多くの種類の作物の生育に使用可能である。

本発明の生育方法は、特に水稲の育苗に好適である。水
稲の苗の成長は生育環境の影響を大きく受ける。そのた
め順調に成長した健苗を得るため、作農家は多大な労力
を強いられてきた。恒温槽による保温、育苗箱への遮光
保温のためのシートの被覆、さらに緑化のため散乱光を
照射するシートの被覆など連日重作業を行う必要があっ
た。

本発明の方法によれば、播這後、育苗箱を二枚の緩衝性
シートからなる被覆シートで被覆するのみでよい。それ
だけで十分且つ適度な保温がなされ、また、出芽から二
葉、その後の苗の成長にとって必要十分な平行光線およ
び散乱光線が照射されるため、その後枠；こ作業を必要
とすることなく、青々とした健苗が得られる。そのため
作農家にとって経済的および省力の面で大きな効果があ
る。

以下に、使用例および比較使用例によって、本発明の詳
細な説明する。

Ｃ使用１ダＩコ０、１　ｖｍ厚さのポリ塩化ビニルフィルムによって覆
われたハウス内の地面に、水稲の育苗箱を置き、その育
苗箱を本発明の被覆栽培用の複合シートにより、マルチ
ング栽培の方法で被覆した。冬期に出芽から早苗に成長
するまで試験した。試験期間中の早朝６時３０分の平均
外気温は一１℃であった。ハウス内中央部の平均気温が
ほぼ０℃であった。同時刻の、本発明の被覆栽培用の複
合シートにより覆われた育苗箱上の空間の平均気温は＋
６℃であった。冬期の弱い太陽光の下で青々とした早苗
が成長した。

［比較使用例］内層が０．１　ｔｍ厚さのポリ塩化ビニルフィルム、中
層が発砲ポリエチレンフィルム、外層が０．１ｆｉ厚さ
のアルミニウム粉末含有ポリエチレンフィルムからなる
三層の農業用被ｔｘ　寸によって小トンネルを形成した
。このトンネル内の地面に使用例と同様に育苗箱を１き
、使用例と同時期に試験をした。試験期間中の早朝６時
３０分の平均外気温：よ−１℃であった。トンネル内中
央部の平均気温：よ２．５℃であった。本比較使用例の
農業用被１けは、保温効果が不十分なうえに、光線透過
性も劣る。

そのため、出芽後縁化が遅れ、細長い弱々しい緑化不足
の苗となってしまった。

［発明の効果コ本発明の生育方法によれば、優れた保温効果と適度な光
線照射が同時に得られる。しかも、平行透過光線と散乱
透過光線とが適当な割合で透過照射されるため、主に平
行光線を必要とするトマト、キュウリなどの果菜類およ
び水稲の育苗をはじめとして主に散乱光線を必要とする
レタス、キャベツなどの葉菜類など、多種の作物に通用
してその生育の促進に大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に用いる緩衝性シートの斜視図である。第２図は本発明の被覆栽培用の複合シートの断面図であ
る。Ｉ：被覆栽培用の複合シート

Claims

【特許請求の範囲】

独立空気室を形成する凸状突起を多数有する二枚の緩衝
性シートが重ね合わされた被覆栽培用の複合シート。