JP2018093344A - アクティブクランプ回路 - Google Patents

アクティブクランプ回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2018093344A
JP2018093344A JP2016234322A JP2016234322A JP2018093344A JP 2018093344 A JP2018093344 A JP 2018093344A JP 2016234322 A JP2016234322 A JP 2016234322A JP 2016234322 A JP2016234322 A JP 2016234322A JP 2018093344 A JP2018093344 A JP 2018093344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
terminal
gate
diode
zener diode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016234322A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6122542B1 (ja
Inventor
晴希 蒲池
Haruki Kamaike
晴希 蒲池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isahaya Electronics Corp
Original Assignee
Isahaya Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isahaya Electronics Corp filed Critical Isahaya Electronics Corp
Priority to JP2016234322A priority Critical patent/JP6122542B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6122542B1 publication Critical patent/JP6122542B1/ja
Publication of JP2018093344A publication Critical patent/JP2018093344A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)
  • Power Conversion In General (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

【課題】ターンオフ時におけるコレクタ電圧の上昇を抑制すると同時にゲート電圧の上がり過ぎを抑制し、パワーMOSFETやIGBTモジュールの素子破壊を防止する。【解決手段】FETQ1のゲート電圧が第2ツェナーダイオードDz2のツェナー電圧Vz2と第2ダイオードD2の順方向電圧Vf2を足した値を超えると、抵抗R1を経由してくる電流は第2ツェナーダイオードへ流れ込みゲート電圧はIGBTのエミッタを基準としてVz2+Vf2までしか上昇できななり、IGBTのゲート・エミッタ間電圧Vgeの上昇も、FETQ1のゲートしきい値をVthとしたとき、一定電圧までで抑制される。そしてゲート電圧の最大定格をVgmとしたとき、下式を満たすようにVz2を設定する(式):Vz2<Vgm+Vth+Vf1(第1ダイオードD1の順方向電圧)−Vf2【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換装置等に使用される大電流タイプの絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下「IGBT」という。)やMOS型電界効果トランジスタ(以下「MOSFET」という。)等に代表される電圧駆動型素子のターンオフ時におけるコレクタ端子又はドレイン端子の電圧上昇を抑えるアクティブクランプ回路に関するものである。
従来は図6に示すように、IGBTのコレクタ・ゲート間にツェナーダイオードDZ1とダイオードD1との直列回路を接続したシンプルなアクティブクランプ回路が一般的に使用されている。
このアクティブクランプ回路では、IGBTをオフ駆動し、負荷に流れていた電流が遮断されると、電源ラインの浮遊インダクタンスにより、サージ電圧がIGBTのコレクタ端子とエミッタ端子の間に発生する。
このサージ電圧がツェナーダイオードDZ1とダイオードD1の順方向電圧の和を超えると、IGBTのコレクタからゲートに電流が流れてIGBTをオンさせて、サージ電圧を所定の電圧に制限しながらIGBTに浮遊インダクタンスのエネルギーを吸収させることができる。
ところが、素子耐圧1200V以上の高耐圧で大電流タイプの素子に対しては、浮遊インダクタンスのエネルギーが大きく、また素子自体の応答速度が遅い傾向にあるため、コレクタ電圧のサージ電圧を制限する効果が現れるまでに、素子のゲート電圧を上昇させ過ぎてしまい、ゲート電圧最大定格を越えて破壊する可能性が高かった。
特許文献1(特許第4343897号公報)には、図7に示すアクティブクランプ回路が開示されている(特に、図2及び段落0017〜0018を参照)。
このアクティブクランプ回路は、パワーMOSFET(51)のドレイン端子に定電圧ダイオード(Z1)のカソード端子、ゲート端子に逆阻止ダイオード(D1)のカソード端子が接続され、定電圧ダイオード(Z1)のアノード端子と逆阻止ダイオード(D1)のアノード端子の間には、パワーMOSFET(51)のゲート・ソース間電圧によって制御される半導体スイッチ回路(11)が接続されている。
そして、半導体スイッチ回路(11)は、MOSFET(Q2)とpnp型のトランジスタ(Q1)との多段構成からなり、出力段のトランジスタ(Q1)のエミッタ端子が定電圧ダイオード(Z1)のアノード端子に、コレクタ端子が逆阻止ダイオード(D1)のアノード端子に接続されている。また、トランジスタ(Q1)のベース端子には抵抗(R1)と抵抗(R2)が接続され、抵抗(R1)のもう一端はトランジスタ(Q1)のエミッタ端子に、抵抗(R2)のもう一端はMOSFET(Q2)のドレイン端子に接続され、さらに、MOSFET(Q2)のソース端子はパワーMOSFET(51)のソース端子に、ゲート端子はパワーMOSFET(51)のゲート端子に接続されている。
図8は、図7のゲート駆動回路(31)によって駆動されるパワーMOSFET(51)がオン状態からオフ状態に移るまでの各部の波形の一例を模式的に示したものである。
Vgs(51)、Vds(51)、Id(51)はそれぞれパワーMOSFET(51)のゲート・ソース間電圧、ドレイン・ソース間電圧、ドレイン電流を示しており、If(D1)は逆阻止ダイオード(D1)の順方向電流、Vgs(Q2)はMOSFET(Q2)のゲート・ソース間電圧(=Vgs(51))を示している。
そして、特許文献1の段落0020〜0024には区間A〜Gの状態について次のように説明されている。
区間A:制御回路(41)からのオン指令に基づいてゲートドライバ(21)がパワーMOSFET(51)をオン駆動して、順方向(ドレインからソースの方向)の電流が図示しない直流電源から図示しない直流電源ラインの寄生インダクタンスLdcを経由して流れている状態である。このときMOSFET(Q2)はオン状態であるが、Vds(51)は定電圧ダイオード(Z1)の降伏電圧(オンしきい値電圧)よりも十分小さいので、トランジスタ(Q1)は抵抗(R1)によりオフ状態となる。また、逆阻止ダイオード(D1)は半導体スイッチ回路(11)に電流が流れるのを防止している。
区間B:制御回路(41)からターンオフ指令が出力され、それに従ってゲートドライバ21はオフ駆動をするのでVgs(51)は低下を始めるが、オンしきい値付近の電圧に達するまではスイッチングは起こらない。
区間C:Vgs(51)がオンしきい値付近の電圧に達すると、パワーMOSFET(51)のオン抵抗が急激に上昇するのに伴いVds(51)が上昇し、このときのVgs(51)はミラー効果により減少率が急激に低下してほぼ横ばいの変化となる。
区間D:Vds(51)が直流電源の電圧を越えるとId(51)は減少を始める。そしてVds(51)にはId(51)の減少速度と直流電源ラインの寄生インダクタンスLdcの掛け算により決まるサージ電圧が発生する。
区間E:Vds(51)のサージ電圧が、定電圧ダイオード(Z1)の降伏電圧と逆阻止ダイオード(D1)の順方向電圧とその時点のVgs(51)の和に達したとき、MOSFET(Q2)は依然としてオン状態を保っている。そのため定電圧ダイオード(Z1)の降伏電流がMOSFET(Q2)を介してトランジスタ(Q1)のベースに流れてトランジスタ(Q1)はオンとなり、パワーMOSFET(51)のドレインからゲートにはId(51)の減少率が一定になるようにVgs(51)の減少率を調整するようなIf(D1)が流れて平衡状態となる。その結果、直流電源ラインの寄生インダクタンスLdcによるサージ電圧は、定電圧ダイオード(Z1)の降伏電圧で決まる所定値に制限される。
区間F:Id(51)がゼロとなり、パワーMOSFET(51)のターンオフによって消費される直流電源ラインの寄生インダクタンスのエネルギーが全てパワーMOSFET(51)に吸収されると、パワーMOSFET(51)は完全にオフ状態となる。このとき、Vds(51)は直流電源の電圧に下がり定電圧ダイオード(Z1)の降伏電圧を下回るのでIf(D1)とトランジスタ(Q1)のベース電流はともにゼロとなり、トランジスタ(Q1)は抵抗(R1)によりオフとなる。その後、Vgs(Q2)が低下してオンしきい値を下回るとMOSFET(Q2)もオフ状態となる。
区間G:制御回路(41)からのオフ信号に基づいてゲートドライバ21はゲート抵抗Rgを介してパワーMOSFET(51)のオフ状態を維持している。また、MOSFET(Q2)もゲートドライバ(21)によりオフ状態が維持されるため、トランジスタ(Q1)も同じくオフ状態が維持される。従ってこの区間では、Vds(51)が定電圧ダイオード(Z1)の降伏電圧を超えたとしてもIf(D1)が流れることはないため、パワーMOSFET(51)をオンしてサージ電圧のエネルギーを吸収する動作は行われない。
ところで、図8にはVgs(51)が区間Eにおいて漸減するように描かれ、定電圧ダイオード(Z1)の降伏電流がMOSFET(Q2)を介してトランジスタ(Q1)のベースに流れてトランジスタ(Q1)はオンとなり、パワーMOSFET(51)のドレインからゲートにはId(51)の減少率が一定になるようにVgs(51)の減少率を調整するようなIf(D1)が流れて平衡状態となると説明されている。
しかし、パワーMOSFET(51)が高耐圧で大電流タイプである場合には、Vds(51)のサージ電圧が発生してからパワーMOSFET(51) がサージ電圧のエネルギーを自己消費してドレイン電圧の上昇を抑制する効果が現れるまでの反応遅れがあるために、短時間ではあるがゲート電圧が上昇し過ぎることがある。
なお、このような現象は、図6に示すアクティブクランプ回路を備えたIGBTでも同様に発生する。
そして、一般的なパワーMOSFETやIGBTモジュールでは、ゲート電圧の最大定格は20〜30Vであり、特に製品化されているIGBTモジュールでは20Vまでしか保証されていないものがほとんどであるため、図6、7に示すアクティブクランプ回路を備えたIGBT等では、ターンオフ時におけるゲート電圧の上がり過ぎによる素子破壊が発生する可能性が高いという問題があった。
特許第4343897号公報
本発明は、パワーMOSFETやIGBTモジュール等に代表される電圧駆動型素子のターンオフ時におけるドレイン端子又はコレクタ端子の電圧上昇を抑えるアクティブクランプ回路動作に係り、アクティブクランプ回路が動作した際に上記素子のゲート電圧の上がり過ぎによる素子破壊防止を課題としてなされたものである。
請求項1に係る発明は、電圧駆動型素子のターンオフ時におけるコレクタ端子又はドレイン端子の電圧上昇を抑えるアクティブクランプ回路であって、
前記電圧駆動型素子のコレクタ端子又はドレイン端子とNチャネル型MOSFETのドレイン端子が一方向タイプ又は双方向タイプの第1ツェナーダイオードを介して接続され、前記電圧駆動型素子のゲート端子に駆動回路の正側出力端子が接続されるとともに、第1ダイオードのカソード端子が接続され、前記電圧駆動型素子のエミッタ端子又はソース端子に駆動回路の負側出力端子が接続され、
前記Nチャネル型MOSFETのゲート端子とドレイン端子が第1抵抗を介して接続され、前記第1ダイオードのアノード端子に前記Nチャネル型MOSFETのソース端子が接続され、
前記電圧駆動型素子のエミッタ端子又はソース端子と前記Nチャネル型MOSFETのゲート端子が一方向タイプの第2ツェナーダイオード及び第2ダイオードを介して接続されており、
前記電圧駆動型素子のゲート端子と前記正側出力端子との間にゲート抵抗が接続されているか、前記電圧駆動型素子のエミッタ端子又はソース端子と前記負側出力端子との間にエミッタ抵抗が接続されていることを特徴とするアクティブクランプ回路である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のアクティブクランプ回路において、前記Nチャネル型MOSFETのゲート端子とソース端子がコンデンサを介して接続されているか、前記Nチャネル型MOSFETのゲート端子と前記第2ツェナーダイオード又は前記第2ダイオードが第2抵抗を介して接続されているか、前記Nチャネル型MOSFETのソース端子と前記第2ツェナーダイオード又は前記第2ダイオードが第3抵抗を介して接続されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のアクティブクランプ回路において、前記第1ツェナーダイオード又は前記第2ツェナーダイオードは、複数のツェナーダイオードを直列接続したものであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のアクティブクランプ回路において、前記第2ツェナーダイオード及び前記第2ダイオードに代えて、双方向タイプのツェナーダイオードとしたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、比較的シンプルな構成で、アクティブクランプ回路動作によって、電圧駆動型素子のターンオフ時におけるドレイン電圧、もしくはコレクタ電圧の上昇を抑制し、その際に電圧駆動型素子のゲート電圧の上がり過ぎも抑制し、素子の破壊を防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明のアクティブクランプ回路による効果に加え、Nチャネル型MOSFETの発振を防止することができ、アクティブクランプ回路動作の安定性を高めることができる。
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は2に係る発明のアクティブクランプ回路による効果に加え、ツェナー電圧の小さなツェナーダイオードしか調達できない場合でも、所望のアクティブクランプ回路を製作することができる。
請求項4に係る発明によれば、請求項1〜3のいずれかに係る発明のアクティブクランプ回路による効果に加え、双方向タイプのツェナーダイオードを用いることにより素子数を減らすことができる。
実施例1におけるアクティブクランプ回路の構成を示す図。 ターンオフ時の実施例1の回路における各部の波形の一例を示すグラフ。 ターンオフ時の図6に示す回路における各部の波形の一例を示すグラフ。 ゲート駆動回路を6つ用いて3相モータを制御する装置の等価回路。 実施例1に係るアクティブクランプ回路の変形例の一例を示す図。 従来技術におけるアクティブクランプ回路を示す図。 特許文献1におけるアクティブクランプ回路を示す図。 ターンオフ時の図7に示す回路における各部の波形の一例を示すグラフ。
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
図1は、実施例1におけるアクティブクランプ回路の構成を示す図である。
実施例1のアクティブクランプ回路は、IGBTのコレクタ端子に第1ツェナーダイオードDz1のカソード端子が接続され、IGBTのゲート端子にゲート抵抗を介して駆動回路の正側出力端子及び第1ダイオードD1のカソード端子が接続され、IGBTのエミッタ端子に駆動回路の負側出力端子及び第2ダイオードD2のカソード端子が接続されている。
さらに、第1ツェナーダイオードDz1のアノード端子にNチャネル型MOSFET(以下「FET」という。)Q1のドレイン端子が接続され、第1ダイオードD1のアノード端子にFETQ1のソース端子が接続され、FETQ1のゲート端子とソース端子がコンデンサC1を介して接続され、第2ダイオードD2のアノード端子に第2ツェナーダイオードDz2のアノード端子が接続され、FETQ1のゲート端子とドレイン端子が抵抗R1を介して接続されるとともに、FETQ1のゲート端子と第2ツェナーダイオードDz2のカソード端子が接続されている。
図2は、直流電源電圧2400V、コレクタ電流3000Aにおいて、IGBTをターンオフする際の図1に示す回路における各部の波形の一例を示すグラフであり、図3は、直流電源電圧2300V、コレクタ電流1600Aにおいて、IGBTをターンオフする際の図6に示す回路における各部の波形の一例を示すグラフである。
なお、図2、3におけるIGBTのコレクタ・エミッタ間電圧Vce、ゲート・エミッタ間電圧Vge及びコレクタ電流Icは、それぞれ図8におけるドレイン・ソース間電圧Vds(51)、ゲート・ソース間電圧Vgs(51)及びドレイン電流Id(51)に対応している。
そして、図2、3においても図8と同様、波形の状態別に区間A〜Gに分けてある。
次に、図2、3における区間A〜Gの状態について説明する。
区間A:駆動回路がIGBTをオン駆動して、順方向(コレクタからエミッタの方向)の電流が図示しない直流電源から図示しない主回路配線を経由して流れている状態である。
区間B:駆動回路がオフ出力してIGBTのゲート電圧が低下していくが、ゲートしきい値を下回るまではスイッチングは起こらない。
区間C:Vgeがゲートしきい値を下回ると、IGBTの抵抗が急激に上昇するのに伴いVceが上昇する。
区間D:Vceが直流電源電圧Vdcを越えるとIcは急激に減少し、主回路配線にある浮遊インダクタンスLsによりLs×dIc/dtで計算される起電力Vsが発生する。そして、Vceはさらに上昇する。
なお、図4はゲート駆動回路を6つ用いて3相モータを制御する装置について、主回路配線に存在する浮遊インダクタンスLs等を考慮して作成した等価回路である。
区間E:直流電源電圧Vdcに起電力Vsを足した値が第1ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧Vz1を超えるとツェナー電流Iz1が流れ始め、抵抗R1を経由してFETQ1のゲートへ充電されるので、FETQ1のゲート電圧が上昇する。
そのため、ツェナー電圧Vz1は必ず式(1)を満たすように設定しておく必要がある。
式(1):Vdc<Vz1<IGBTのコレクタ・エミッタ間電圧の最大定格値
また、FETQ1のゲート電圧がしきい値を超えると、ツェナー電流Iz1の大半はFETQ1のドレイン電流として流れ、IGBTのゲートへ充電されるので、IGBTのゲート電圧が上昇する。
IGBTのゲート電圧が上昇することにより、コレクタ電流の減少率dIc/dtが小さくなり、その結果起電力Vsが抑制されるのでVceは減少に転じ、IGBTの最大定格を超えることがない。
区間F:Icがゼロとなり、主回路配線にある浮遊インダクタンスLsのエネルギーが全てIGBTに吸収されると、IGBTは完全にオフ状態となる。
区間G:IGBTのオフ状態が維持されている状態である。
図2の波形と図3の波形で最も異なる箇所は区間EにおけるIGBTのゲート電圧上昇過程におけるゲート電圧のピーク値である。
図3ではアクティブクランプ回路に格別の対策が施されておらず、浮遊インダクタンスLsで発生した起電力VsをIGBTが自己消費して、コレクタ電圧の上昇を抑制する効果が現れるまでにはある程度(数百nsec)の時間を要するため、短時間とはいえゲート電圧のピーク値は47Vに達し、ほとんどのIGBTモジュールにおけるゲート電圧の最大定格である20Vをはるかに超えている。
これに対し、図2では実施例1に係るアクティブクランプ回路の独特の構成により、コレクタ電流3000Aにおけるターンオフでもゲート電圧のピーク値は15.5Vであり、20V以下となっている。
実施例1のアクティブクランプ回路がゲート電圧のピーク値を抑制する動作について説明する。
区間Eにおけるゲート電圧の上昇過程において、FETQ1のゲート電圧は常にソース電圧より高くIGBTのゲート電圧は常にFETQ1のソース電圧より第1ダイオードD1の順方向電圧Vf1分低いという関係にあるが、FETQ1のゲート電圧が第2ツェナーダイオードDz2のツェナー電圧Vz2と第2ダイオードD2の順方向電圧Vf2を足した値を超えると、抵抗R1を経由してくる電流は第2ツェナーダイオードDz2へ流れ込むようになり、FETQ1のゲート電圧はIGBTのエミッタを基準にしてVz2+Vf2の電圧までしか上昇できないことになる。
その結果、IGBTのゲート・エミッタ間電圧Vgeの上昇も、FETQ1のゲートしきい値をVthとしたとき、式(2)による一定電圧までで抑制されることになる。
式(2):Vge=Vz2+Vf2−(Vth+Vf1)
そして、IGBTのゲート電圧の最大定格をVgmとしたとき、式(3)を満たすようにVz2を設定しておけば、VgeがVgmを超えることによるIGBTの破壊を防止できる。
式(3):Vz2<Vgm+Vth+Vf1−Vf2
実施例1の変形例を列記する。
(1)実施例1ではIGBTを用いていたが、MOSFETモジュール等を用いても良い。
要するに、実施例1のアクティブクランプ回路は、比較的耐圧の高い電圧駆動型素子(素子耐圧が1200V以上)に対して好適に適用できるものである。
(2)実施例1のアクティブクランプ回路では、FETQ1のゲート端子とソース端子がコンデンサを介して接続されていたが、コンデンサは必ずしも必要ではない。
(3)実施例1ではIGBTのコレクタ側における電圧とFETQ1のドレイン側における電圧との差がツェナー電圧Vz1を超えるとツェナー電流Iz1が流れ始める第1ツェナーダイオードDz1を用いていたが、両側の電圧の差が所定のツェナー電圧を超えるとツェナー電流が流れ始める双方向タイプのツェナーダイオードを用いても良い。
図5は実施例1に係るアクティブクランプ回路の変形例の一例を示すが、この変形例では第1ツェナーダイオードDz1に代えて、双方向タイプの第3ツェナーダイオードDz3を用いている。
(4)実施例1ではFETQ1のゲート端子とIGBTのエミッタ端子及び駆動回路の負側出力端子との間に、FETQ1のゲート側における電圧とIGBTのエミッタ側における電圧との差がツェナー電圧Vz2と第2ダイオードD2の順方向電圧Vf2を足した値を超えるとツェナー電流が流れ始める第2ツェナーダイオードDz2及び第2ダイオードD2を接続したが、第2ツェナーダイオードDz2と第2ダイオードD2の並びは入れ替えることもできる。
また、図5に示すように、第2ツェナーダイオードDz2及び第2ダイオードD2に代えて、双方向タイプの第4ツェナーダイオードDz4を用いても良い。
(5)実施例1では第1ツェナーダイオードDz1及び第2ツェナーダイオードDz2は1つだけ用いていたが、複数のツェナーダイオードを直列接続したものを用いても良い。
(6)実施例1ではFETQ1のゲート端子と第2ツェナーダイオードDz2のカソード端子は直接接続されていたが、抵抗を介して接続しても良い。
なお、図5に示す変形例では、FETQ1のゲート端子と第2ツェナーダイオードDz2との間に抵抗R2を、FETQ1のソース端子と第2ツェナーダイオードDz2との間に抵抗R3を接続している。
(7)実施例1では駆動回路の正側出力端子とIGBTのゲート端子との間にゲート抵抗を接続したが、図5に示すように、駆動回路の負側出力端子とIGBTのエミッタ端子との間にエミッタ抵抗を接続しても良く、エミッタ抵抗のみを接続しゲート抵抗を省いても良い。
IGBT 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
MOSFET MOS型電界効果トランジスタ
Dz1 第1ツェナーダイオード Dz2 第2ツェナーダイオード
Dz3 第3ツェナーダイオード Dz4 第4ツェナーダイオード
D1 第1ダイオード D2 第2ダイオード
Q1 Nチャネル型MOSFET(FET)
C1 コンデンサ R1,R2,R3 抵抗
Vce IGBTのコレクタ・エミッタ間電圧 Vge IGBTのゲート・エミッタ間電圧
Ic IGBTのコレクタ電流 Vdc 直流電源電圧
Ls 主回路配線にある浮遊インダクタンス Vs 起電力
Vz1 第1ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧
Vz2 第2ツェナーダイオードDz2のツェナー電圧
Iz1 第1ツェナーダイオードDz1のツェナー電流
Vf1 第1ダイオードD1の順方向電圧 Vf2 第2ダイオードD2の順方向電圧
Vth FETQ1のゲートしきい値 Vgm IGBTのゲート電圧の最大定格
Vds(51) パワーMOSFET(51)のドレイン・ソース間電圧
Vgs(51) パワーMOSFET(51)のゲート・ソース間電圧
Id(51) パワーMOSFET(51)のドレイン電流
If(D1) 逆阻止ダイオード(D1)の順方向電流
Vgs(Q2) MOSFET(Q2)のゲート・ソース間電圧

Claims (4)

  1. 電圧駆動型素子のターンオフ時におけるコレクタ端子又はドレイン端子の電圧上昇を抑えるアクティブクランプ回路であって、
    前記電圧駆動型素子のコレクタ端子又はドレイン端子とNチャネル型MOSFETのドレイン端子が一方向タイプ又は双方向タイプの第1ツェナーダイオードを介して接続され、
    前記電圧駆動型素子のゲート端子に駆動回路の正側出力端子が接続されるとともに、第1ダイオードのカソード端子が接続され、
    前記電圧駆動型素子のエミッタ端子又はソース端子に駆動回路の負側出力端子が接続され、
    前記Nチャネル型MOSFETのゲート端子とドレイン端子が第1抵抗を介して接続され、
    前記第1ダイオードのアノード端子に前記Nチャネル型MOSFETのソース端子が接続され、
    前記電圧駆動型素子のエミッタ端子又はソース端子と前記Nチャネル型MOSFETのゲート端子が一方向タイプの第2ツェナーダイオード及び第2ダイオードを介して接続されており、
    前記電圧駆動型素子のゲート端子と前記正側出力端子との間にゲート抵抗が接続されているか、
    前記電圧駆動型素子のエミッタ端子又はソース端子と前記負側出力端子との間にエミッタ抵抗が接続されている
    ことを特徴とするアクティブクランプ回路。
  2. 前記Nチャネル型MOSFETのゲート端子とソース端子がコンデンサを介して接続されているか、
    前記Nチャネル型MOSFETのゲート端子と前記第2ツェナーダイオード又は前記第2ダイオードが第2抵抗を介して接続されているか、
    前記Nチャネル型MOSFETのソース端子と前記第2ツェナーダイオード又は前記第2ダイオードが第3抵抗を介して接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のアクティブクランプ回路。
  3. 前記第1ツェナーダイオード又は前記第2ツェナーダイオードは、複数のツェナーダイオードを直列接続したものである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアクティブクランプ回路。
  4. 前記第2ツェナーダイオード及び前記第2ダイオードに代えて、双方向タイプのツェナーダイオードとした
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクティブクランプ回路。
JP2016234322A 2016-12-01 2016-12-01 アクティブクランプ回路 Active JP6122542B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016234322A JP6122542B1 (ja) 2016-12-01 2016-12-01 アクティブクランプ回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016234322A JP6122542B1 (ja) 2016-12-01 2016-12-01 アクティブクランプ回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6122542B1 JP6122542B1 (ja) 2017-04-26
JP2018093344A true JP2018093344A (ja) 2018-06-14

Family

ID=58666566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016234322A Active JP6122542B1 (ja) 2016-12-01 2016-12-01 アクティブクランプ回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6122542B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230043943A1 (en) * 2021-08-09 2023-02-09 Stmicroelectronics S.R.L. Electronic circuit testing methods and systems

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108710076B (zh) * 2018-05-24 2020-06-30 南京南大光电工程研究院有限公司 动态导通阻抗自动化提取电路及自动化提取方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005223399A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Nec Electronics Corp 半導体集積回路
JP2007166734A (ja) * 2005-12-12 2007-06-28 Mitsubishi Electric Corp 電力変換装置
JP2009261020A (ja) * 2009-08-10 2009-11-05 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置
WO2016157813A1 (ja) * 2015-04-03 2016-10-06 株式会社デンソー 負荷駆動装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005223399A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Nec Electronics Corp 半導体集積回路
JP2007166734A (ja) * 2005-12-12 2007-06-28 Mitsubishi Electric Corp 電力変換装置
JP2009261020A (ja) * 2009-08-10 2009-11-05 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置
WO2016157813A1 (ja) * 2015-04-03 2016-10-06 株式会社デンソー 負荷駆動装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230043943A1 (en) * 2021-08-09 2023-02-09 Stmicroelectronics S.R.L. Electronic circuit testing methods and systems
EP4134688A3 (en) * 2021-08-09 2023-03-01 STMicroelectronics S.r.l. Electronic circuit testing methods and systems
US11979143B2 (en) * 2021-08-09 2024-05-07 Stmicroelectronics S.R.L. Electronic circuit testing methods and systems

Also Published As

Publication number Publication date
JP6122542B1 (ja) 2017-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10063224B2 (en) Driver circuit and semiconductor module having same
JP6362996B2 (ja) 半導体駆動装置ならびにそれを用いた電力変換装置
KR101541632B1 (ko) 반도체 스위치 소자의 구동 장치
JP4343897B2 (ja) 電力変換装置
US8773172B2 (en) Driver circuit with tight control of gate voltage
KR20130011812A (ko) Igbt 구동 방법
CN105281729B (zh) 用于控制功率半导体开关的方法和电路
WO2019207977A1 (ja) ゲート駆動回路およびゲート駆動方法
CN109217858B (zh) 晶体管装置的过电压保护
JP2009011013A (ja) 電力変換装置
JP2010130557A (ja) ゲート駆動装置
US10620650B2 (en) Semiconductor device
KR101329610B1 (ko) 반도체장치
JP5630484B2 (ja) 半導体装置
JP6122542B1 (ja) アクティブクランプ回路
JP6725328B2 (ja) ゲート駆動回路
JP2019221088A (ja) 電力用半導体駆動装置及び電力変換装置
JP2018074676A (ja) ゲート駆動回路
JP2017163681A (ja) 電圧駆動形半導体スイッチ素子の駆動回路
JP6847641B2 (ja) ゲート駆動回路
JP2014222991A (ja) インバータ制御装置
JP5541349B2 (ja) 半導体装置
JP2018098849A (ja) パワーモジュール
JP2009060709A (ja) ゲート駆動回路
US11923832B1 (en) Gate driver circuit with a limiting function to maintain control voltage under a rated limit

Legal Events

Date Code Title Description
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170321

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170331

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6122542

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250