図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置1の構成を示す図であり、図2は、基板処理装置1における基板保持部2および基板対向部4の近傍を示す図である。基板処理装置1は、略円板状の半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)に処理液を供給して基板9を1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。図1および図2では、基板処理装置1における一部の構成の断面(中心軸J1を含む面による断面)を示している。
図1に示すように、基板処理装置1は、制御部10と、基板保持部2と、基板回転機構31と、カップ32と、カップ昇降機構33と、基板対向部4と、対向部回転機構51と、対向部昇降機構52とを備える。制御部10は、基板処理装置1の全体制御を担う。基板保持部2は、上下方向(鉛直方向)を向く中心軸J1を中心とする円板状のベース部21を有する。ベース部21の上面211には、複数のチャックピン22が設けられる。複数のチャックピン22は、中心軸J1を中心とする円周上に配置される。基板保持部2が基板9を保持する際には、図示省略のチャック開閉機構により、図2に示す複数のチャックピン22の把持部221が、基板9の外周部に押し付けられる。これにより、基板9がベース部21において水平状態で保持される。
基板9が基板保持部2により保持された状態では、基板9の中心は、中心軸J1上に位置する。また、ベース部21の上面211は、基板9の下面92と平行であり、両者は隙間を空けて互いに対向する。ベース部21の上面211と基板9の下面92との間には、水平方向に広がる空間が形成される。ベース部21の外径は、基板9の直径よりも大きく、ベース部21には、基板9の外側に広がるベース外周部212が設けられる。ベース外周部212は、ベース部21において基板9と上下方向に重ならない円環状の部位であり、円板状のベース部21における外縁部である。ベース外周部212の外側面213は、ベース部21の外側面である。
図1に示すように、ベース部21の下面の中央には、中心軸J1を中心とするシャフト部311が取り付けられる。基板回転機構31がシャフト部311を回転することにより、基板保持部2と共に基板9が中心軸J1を中心として回転する。シャフト部311およびベース部21は、中空状である。ベース部21の中空部には、後述の下部ノズル73が設けられる。下部ノズル73は、ベース部21およびシャフト部311と非接触状態であり、基板保持部2が回転しても、下部ノズル73は回転しない。基板回転機構31およびシャフト部311の周囲には、中心軸J1を中心とする円筒状のハウジング34が設けられる。
カップ32は、ベース部21およびハウジング34の周囲を囲む略筒状である。カップ32は、カップ上端部321と、カップ傾斜部322と、カップ外筒状部323と、カップ底面部324と、カップ内筒状部325とを有する。カップ上端部321は円環状であり、ベース部21の外径よりも大きい内径を有する。カップ上端部321の内側面は、中心軸J1を中心とする円筒面である。カップ傾斜部322は、カップ上端部321から斜め下外方に広がる環状の部位である。カップ外筒状部323は、カップ傾斜部322の外周部から下方に延びる。カップ底面部324は円環板状であり、その外周部には、カップ外筒状部323の下端が接続される。カップ内筒状部325は、カップ底面部324の内周部から上方に延びる。カップ底面部324には、図示省略の排気口および排液口が設けられる。
カップ昇降機構33は、カップ32を上下方向に昇降させる。後述の処理例では、カップ昇降機構33は、図1に示す下位置と、図2に示す上位置とにカップ32を選択的に配置する。下位置では、カップ上端部321がベース部21の上面211よりも下方に位置する。上位置は下位置よりも上方であり、上位置では、カップ上端部321の一部がベース部21の上面211よりも上方に位置する。カップ昇降機構33では、上位置および下位置とは異なる上下方向の位置にカップ32を配置することも可能である。
基板対向部4は、基板9の上方を遮蔽する遮蔽板であり、基板9の直径よりも大きい略円板状である。基板対向部4は、中央対向部41と、外周対向部42とを有する。中央対向部41は、中心軸J1に垂直な略円板状の部位である。典型的には、中央対向部41の外径は基板9の直径よりも大きい。中央対向部41は、基板9および基板保持部2よりも上方に配置され、基板9の上面91に対して上下方向に隙間を空けて対向する。すなわち、中央対向部41により、基板9の上面91が覆われる。中央対向部41の下面411は、基板9の上面91と平行である。基板対向部4が後述の下位置に配置された図2に示す状態では、中央対向部41の下面411と、基板9の上面91との間には、水平方向に広がる空間が形成される。
外周対向部42は、中央対向部41から外側に広がる環状の部位である。図2に示すように、外周対向部42は、対向傾斜部421と、対向側壁部422とを有する。対向傾斜部421は、中央対向部41の外周部から斜め下外方に広がる環状の部位である。対向傾斜部421は、ベース外周部212に対して上下方向に隙間を空けて対向する。対向側壁部422は円筒状であり、対向傾斜部421の外周部から下方に延びる。基板対向部4が後述の下位置に配置された図2に示す状態では、中心軸J1を中心とする径方向において、対向側壁部422は、ベース外周部212の外側面213に対して隙間を空けて対向する。対向側壁部422の外側面は、中心軸J1を中心とする円筒面であり、カップ上端部321の内側面に対して径方向に隙間を空けて対向する。
外周対向部42は、中央対向部41の下面411から連続して外側に広がる内周面423を有する。内周面423は、中央対向部41の下面411から斜め下外方に広がる環状の湾曲面424を有する。湾曲面424は、中心軸J1に対する法線の向きが連続的に変化する円弧状の断面形状を有する。詳細には、中央対向部41近傍では、当該法線の向きはほぼ上下方向であり、中央対向部41から外方に離れるに従って水平方向に近づく。内周面423の直径は、対向側壁部422の下端に近づくに従って漸次増大する。対向側壁部422の下端では、内周面423の直径は、ベース部21の外径よりも大きい。
図1に示すように、基板対向部4の上面の中央には、中心軸J1を中心とするシャフト部511が取り付けられる。シャフト部511は、水平に延びる支持アーム521により回転可能に支持される。基板対向部4は、支持アーム521およびシャフト部511により水平な姿勢で支持される。対向部回転機構51がシャフト部511を回転することにより、基板対向部4が中心軸J1を中心として回転する。対向部回転機構51と基板回転機構31とでは、駆動機構が個別に設けられ、対向部回転機構51は、基板回転機構31から独立して基板対向部4を回転させる。シャフト部511および基板対向部4は、中空状である。基板対向部4の中空部には、後述の上部ノズル72が設けられる。上部ノズル72は基板対向部4と非接触状態であり、基板対向部4が回転しても、上部ノズル72は回転しない。
対向部昇降機構52は、支持アーム521を介してシャフト部511および基板対向部4を上下方向に昇降させる。後述の処理例では、対向部昇降機構52は、図1に示す上位置と、図2に示す下位置とに基板対向部4を選択的に配置する。上位置では、対向側壁部422(図2参照)の下端が基板9よりも上方に位置する。下位置は上位置よりも下方であり、下位置では、対向側壁部422の下端がベース部21の上面211よりも下方に位置する。対向部昇降機構52では、下位置および上位置とは異なる上下方向の位置に基板対向部4を配置することも可能である。以下の説明では、基板9に対する処理を行う際に、基板対向部4が一定の下位置に配置されるが、基板9に対する処理の種類毎に基板対向部4の上下方向の位置が変更されてもよい。
図1に示すように、基板処理装置1は、処理液供給部71と、ガス供給部75とをさらに備える。処理液供給部71は、上部ノズル72と、下部ノズル73と、薬液供給部741と、リンス液供給部742と、IPA供給部743とを有する。上部ノズル72は、基板対向部4の中空部内に配置され、上下方向に延びる。上部ノズル72の下端面は、中央対向部41の下面411よりも上方に位置する。上部ノズル72は、2つのインナーチューブを有し、上部ノズル72の下端面において、当該2つのインナーチューブが下方に向かって開口する。上部ノズル72に供給される処理液は、いずれかのインナーチューブを介して下方に吐出される。上部ノズル72は、基板対向部4と共に昇降する。
薬液供給部741およびリンス液供給部742は、それぞれ弁を介して上部ノズル72の一方のインナーチューブに接続される。IPA供給部743は、弁を介して他方のインナーチューブに接続される。薬液供給部741により上部ノズル72を介して基板9の上面91の中央部に薬液が供給される。リンス液供給部742により上部ノズル72を介して上面91の中央部にリンス液が供給される。IPA供給部743により上部ノズル72を介して上面91の中央部にイソプロピルアルコール(IPA)が供給される。
下部ノズル73は、ベース部21の中空部内に配置され、上下方向に延びる。下部ノズル73の上端は、上下方向に関して基板9の下面92とベース部21の上面211との間に位置する。下部ノズル73に供給される処理液は、上端面の中央に設けられた吐出口から上方に吐出される。下部ノズル73は、弁を介してリンス液供給部742に接続される。リンス液供給部742により下部ノズル73を介して基板9の下面92の中央部にリンス液が供給される。
本実施の形態では、薬液供給部741から基板9上に供給される薬液は、フッ酸や水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のエッチング液である。リンス液供給部742から基板9上に供給されるリンス液は、純水(DIW:Deionized Water)である。好ましくは、リンス液は、純水に窒素ガス等の不活性ガスが溶け込んだ不活性ガス溶存水である。基板処理装置1では、上記以外の処理液を供給する処理液供給部が設けられてもよい。
上部ノズル72の外側面と、基板対向部4の内側面(すなわち、中空部の側面)との間には、中心軸J1を中心とする筒状のガス流路721が形成される。ガス流路721は、シャフト部511の中空部にも延びており、当該ガス流路721には、弁を介してガス供給部75が接続される。ガス供給部75は、基板対向部4が下位置に配置された状態で、基板保持部2と基板対向部4との間の空間内にガス流路721を介して所定のガス(以下、「充填ガス」という。)を供給する。充填ガスは、例えば不活性ガスであり、本実施の形態では、窒素ガスである。充填ガスは窒素ガス以外であってもよい。後述の処理では、基板対向部4が下位置に配置された図2に示す状態で、基板9の処理が行われるため、下位置に配置された基板対向部4と基板保持部2との間の空間Pを、以下、「処理空間P」という。
図2に示すように、下部ノズル73の上端には、径方向外方に広がる先端環状部731が設けられる。先端環状部731は、中心軸J1に垂直であり、先端環状部731の直径は、ベース部21の内径(中空部の直径)よりも大きい。先端環状部731の下面とベース部21の上面211との間には、微小隙間が形成される。下部ノズル73の外側面と、ベース部21の内側面(すなわち、中空部の側面)との間には、中心軸J1を中心とする筒状の第1流体流路641が形成される。第1流体流路641は、シャフト部311(図1参照)の中空部にも延びている。
基板処理装置1は、図2に示すように、ギャップ幅変更部61と、流体供給部62と、流体回収部63とをさらに備える。流体供給部62および流体回収部63は、第1流体流路641に接続される。流体供給部62は、所定の流体(ギャップ幅変更部61の作動に利用されるため、以下、「作動流体」という。)を第1流体流路641に供給する。本処理例では、作動流体は、ガス供給部75により処理空間P内に供給される充填ガスと同じ種類のガス(窒素ガス)である。流体供給部62による作動流体の供給流量は、図示省略の流量調整弁等により調整可能である。流体回収部63は、例えば減圧ポンプであり、第1流体流路641から作動流体を回収する。ベース部21には、その内側面から外側面213に向かって放射状に延びる複数の第2流体流路642が設けられる。図2では、1つの第2流体流路642のみを示している。各第2流体流路642の一端は、第1流体流路641に接続される。第2流体流路642の他端は、ベース外周部212の外側面213で開口して流路開口643となる。
図3は、基板保持部2のベース外周部212近傍を拡大して示す図である。ギャップ幅変更部61は、膨張収縮部材611を有する。膨張収縮部材611は環状であり、例えば、伸縮性を有するフィルムにより形成される。膨張収縮部材611は、中心軸J1を中心とする周方向の全周に亘ってベース外周部212の外側面213を囲む。複数の第2流体流路642の流路開口643は、膨張収縮部材611により覆われる。膨張収縮部材611の周方向に沿う両エッジ、すなわち、図3の上側のエッジおよび下側のエッジは、一対の環状固定部材612により当該外側面213に固定される。環状固定部材612により、膨張収縮部材611の当該エッジとベース外周部212の外側面213との間から気体や液体が通過することが防止される。このように、膨張収縮部材611と外側面213との間の空間は、複数の流路開口643を除き、密閉されている。複数の流路開口643からの作動流体の噴出により、膨張収縮部材611が径方向外方に膨張する(後述の図5参照)。また、複数の流路開口643からの作動流体の回収により、膨張収縮部材611が収縮し、図3に示す状態となる。
図4は、基板処理装置1における基板9の処理の流れを示す図である。基板処理装置1では、まず、図1に示すように、基板対向部4が上位置に退避し、カップ32が下位置に退避している状態で、外部の搬送機構により基板9がベース部21の複数のチャックピン22上に載置される。続いて、チャック開閉機構により、複数のチャックピン22の把持部221(図2参照)が、基板9の外周部に押し付けられ、基板9が水平状態で保持される。このようにして、基板9が基板処理装置1内に搬入される(ステップS11)。
搬送機構が基板処理装置1の外部へと退避すると、基板回転機構31により所定の液処理速度(例えば、1000rpm)での基板9の回転が開始される。また、対向部昇降機構52により基板対向部4が上位置から下位置へと移動する。これにより、図2に示すように処理空間Pが形成されるとともに、基板9が処理空間P内に配置される。さらに、カップ昇降機構33によりカップ32が下位置から上位置へと移動する。
続いて、ガス供給部75により、ガス流路721を介して処理空間P内への充填ガスの供給が開始される(ステップS12)。処理空間P内への充填ガスの供給により、酸素を含む雰囲気が、後述の連通ギャップGを介して処理空間Pから排出(パージ)される。基板処理装置1では、対向部回転機構51による基板対向部4の回転も開始される。基板対向部4は、基板9と同じ方向にほぼ同じ速度で回転する。
充填ガスの供給が開始から所定時間経過すると、流体供給部62により第1流体流路641への作動流体の供給が開始される(ステップS13)。作動流体は、複数の第2流体流路642を介して膨張収縮部材611とベース外周部212の外側面213との間に流入する。これにより、膨張収縮部材611の内部が加圧され、図5に示すように、膨張収縮部材611が径方向外方に膨張する。
ここで、基板対向部4が下位置に配置された状態で、ベース外周部212と外周対向部42との間に形成されるとともに、処理空間Pを外部と連通させる環状の隙間Gを「連通ギャップG」と呼ぶ。処理空間Pと処理空間Pの外部との間では、連通ギャップGを介して流体の流通が可能である。また、周方向の各位置における連通ギャップGの最小幅GWを「ギャップ幅GW」と呼ぶ。図3では、ギャップ幅GWは、ベース外周部212と外周対向部42との間の幅であり、図5では、膨張収縮部材611と外周対向部42(の対向側壁部422)との間の幅である。本実施の形態では、ギャップ幅GWは、周方向の全周に亘ってほぼ一定である。ギャップ幅GWは、例えば数ミリメートルである。
上記のように膨張収縮部材611が膨張することにより、図3に示す膨張前の状態と比較して、連通ギャップGのギャップ幅GWが周方向の全周に亘って小さくなり、連通ギャップGの空間体積も小さくなる。これにより、膨張前の状態に比べて、外部から処理空間P内への外気の流入量(単位時間当たりの流入量)が低減される。その結果、処理空間P内において充填ガスの濃度が高い状態、すなわち、酸素濃度が低い低酸素雰囲気(および、湿度が低い低湿度雰囲気)が迅速に形成される。また、外気の流入による酸素濃度(および湿度)の上昇が抑制され、充填ガスの濃度が高い状態が維持されやすくなる。
このとき、図2に示す下部ノズル73における先端環状部731の下面とベース部21の上面211との間の隙間は微小であるため、当該隙間から処理空間Pに漏れ出す作動流体の流量は僅かである。また、作動流体は、ガス供給部75により処理空間P内に供給される充填ガスと同じ種類であるため、処理空間Pに漏れ出した作動流体は問題とはならない。なお、先端環状部731の下面とベース部21の上面211との間において、ラビリンスシールが設けられてもよい。
続いて、薬液供給部741による基板9の上面91への薬液の供給が開始される(ステップS14)。薬液供給部741からの薬液は、上部ノズル72から基板9の上面91の中央部に緩やかに、かつ、連続的に供給される。薬液は、基板9の回転により外周部へと広がり、上面91全体が薬液により被覆される。処理空間Pでは、基板9の上面91から飛散する薬液が、図5の外周対向部42の内周面423にて受けられ、湾曲面424により対向側壁部422の下端近傍へと案内される。このとき、薬液が連通ギャップGにて過度に溜まることなく流れることが可能なように、薬液の供給流量に応じて連通ギャップGのギャップ幅GWが設定されている。したがって、薬液は、膨張収縮部材611の近傍を速やかに通過して、カップ32へと排出される(後述のリンス液およびIPAの供給時において同様)。なお、膨張収縮部材611は、耐薬品性を有する。ギャップ幅GWが小さい状態であるため、処理空間Pでは、薬液の供給時においても充填ガスの濃度が高い状態が維持される(後述のリンス液およびIPAの供給時において同様)。薬液の供給開始から所定時間経過すると、薬液供給部741からの薬液の供給が停止される。
薬液の供給が停止されると、リンス液供給部742による基板9へのリンス液の供給が開始される(ステップS15)。リンス液供給部742からのリンス液は、図2の上部ノズル72および下部ノズル73から吐出されて基板9の上面91および下面92の中央部に連続的に供給される。リンス液の供給時にも、基板9は液処理速度にて連続的に回転する。リンス液は、基板9の上面91および下面92の外周部へと広がり、基板9の外周縁から外側へと飛散する。基板9から飛散するリンス液は、薬液の供給時と同様に外周対向部42の内周面423にて受けられ、湾曲面424により対向側壁部422の下端近傍へと案内されて排出される。リンス液の供給開始から所定時間経過すると、リンス液供給部742からのリンス液の供給が停止される。
リンス液の供給が停止されると、IPA供給部743による基板9の上面91へのIPAの供給が開始される(ステップS16)。IPA供給部743からのIPAは、上部ノズル72から吐出されて基板9の上面91の中央部に連続的に供給される。IPAの供給時にも、基板9は液処理速度にて連続的に回転する。IPAは、基板9の上面91の外周部へと広がり、基板9の外周縁から外側へと飛散する。基板9から飛散するIPAは、外周対向部42の内周面423にて受けられ、湾曲面424により対向側壁部422の下端近傍へと案内されて排出される。IPAの供給開始から所定時間経過すると、IPA供給部743からのIPAの供給が停止される。
IPAの供給が停止されると、処理空間P内において、基板9の回転数が液処理速度より大きい乾燥速度(たとえば、1500rpm)まで上げられる。また、対向部回転機構51により、基板対向部4の回転数も乾燥速度まで上げられる。基板9に付着している液体は、基板9の外周縁から振り切られて除去される。このようにして、基板9の乾燥が行われる(ステップS17)。基板9の乾燥処理では、流体供給部62による第1流体流路641への作動流体の供給流量が増大されてもよい。これにより、膨張収縮部材611が径方向外方にさらに大きく膨張し、連通ギャップGのギャップ幅GWがさらに小さくなる。その結果、基板9の回転数が高くなっても、外気の流入が抑制され、処理空間P内において充填ガスの濃度が高い状態が維持される。基板9の乾燥開始から所定時間経過すると、基板9の回転、および、基板対向部4の回転が停止される。
乾燥処理が完了すると、流体供給部62による第1流体流路641への作動流体の供給が停止されるとともに、流体回収部63により、第1流体流路641から作動流体が回収される(ステップS18)。これにより、図5の膨張収縮部材611の内部から作動流体が排出され、膨張収縮部材611の内部が減圧される。その結果、図3のように、膨張収縮部材611が収縮し、連通ギャップGのギャップ幅GWが、周方向の全周に亘って大きくなる。
続いて、図1のガス供給部75による処理空間P内への充填ガスの供給が停止される(ステップS19)。また、対向部昇降機構52により基板対向部4が下位置から上位置へと移動し、カップ昇降機構33によりカップ32が上位置から下位置へと移動する。そして、複数のチャックピン22による基板9の把持が解除され、外部の搬送機構により基板9が基板処理装置1から搬出される(ステップS20)。
以上に説明したように、基板処理装置1では、基板9を保持するベース部21において基板9の外側に広がるベース外周部212が設けられ、基板9の上面91を覆う基板対向部4においてベース外周部212に対向する外周対向部42が設けられる。そして、ギャップ幅変更部61がベース外周部212から外周対向部42に向かって進退することにより、ベース外周部212と外周対向部42との間における連通ギャップGのギャップ幅GWが変更される。これにより、処理空間P内への外気の流入量を容易に変更することができ、処理空間P内の充填ガス濃度のある程度の制御(特に、一定の充填ガス濃度の維持)を行うことができる。また、ギャップ幅変更部61によるギャップ幅GWの変更は、基板9の回転数等に依存することなく行うことが可能であり、所望のタイミングにて処理空間P内への外気の流入量を変更することができる。
基板処理装置1では、ギャップ幅変更部61が、内部への作動流体の供給により膨張し、当該内部の作動流体の回収により収縮する膨張収縮部材611を有する。これにより、外周対向部42に向かって進退するギャップ幅変更部61の構造を簡素化することができる。また、膨張収縮部材611に対する作動流体の供給流量が調整可能であることにより、処理空間P内のガス濃度の制御(すなわち、基板9の周囲の雰囲気制御)をある程度精度よく行うことができる。なお、基板9の処理に支障が生じない場合等には、充填ガスとは異なる種類のガスが作動流体として用いられてもよく、純水等の液体が作動流体として用いられてもよい。
図6は、ギャップ幅変更部の他の例を示す図である。図6のギャップ幅変更部61aは、第1磁石613と、複数の案内部614と、第2磁石651と、磁石移動機構652とを備える。第1磁石613は、中心軸J1を中心とする円環状であり、第1磁石613の内径は、ベース部21の外径よりも僅かに大きい。第1磁石613は、ベース外周部212の外側面213の周囲を囲む。複数の案内部614は、ベース外周部212の外側面213に取り付けられる。複数の案内部614は、周方向に一定の間隔で配置される。第1磁石613は、複数の案内部614により上下方向に移動可能に支持される。
第2磁石651は、中心軸J1を中心とする円環状であり、径方向における第1磁石613の外側に配置される。第2磁石651は、第1磁石613の周囲を囲む。第2磁石651の内径は、基板対向部4の外径よりも大きい。後述するように、第2磁石651が上位置(図6中に二点鎖線にて示す位置)に配置された状態では、第2磁石651と第1磁石613との間に、外周対向部42の一部が配置される。基板対向部4は、非磁性体により形成される。なお、カップ32のカップ上端部321(図1参照)は、径方向において第2磁石651よりも外側に配置され、第2磁石651と干渉しない。
第2磁石651は、磁石移動機構652により上下方向に移動する。具体的には、基板対向部4が下位置に配置された状態において、第2磁石651が対向側壁部422と径方向に対向する上位置と、対向側壁部422よりも下方に位置する下位置との間で移動する。これにより、第1磁石613も、対向側壁部422と径方向に対向する上位置と、対向側壁部422よりも下方に位置する下位置との間で移動する。第1磁石613が上位置に配置された状態では、ベース外周部212と外周対向部42との間に設けられる連通ギャップGのギャップ幅GWが、第1磁石613が下位置に配置された状態よりも小さくなる。これにより、図6のギャップ幅変更部61aにおいても、処理空間P内への外気の流入量を容易に変更することが可能となる。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置1の一部を示す断面図であり、図2に対応する図である。図7の基板処理装置1は、図2の基板処理装置1におけるギャップ幅変更部61に代えて、ギャップ制限部66を備える。他の構成は、図2と同様であり、同じ構成に同じ符号を付す。
ギャップ制限部66は、第1流体流路661と、複数の第2流体流路662と、流体供給部67とを有する。第1流体流路661および第2流体流路662は、図2における第1流体流路641および第2流体流路642と同じ構造である。第1流体流路661は、下部ノズル73の外側面とベース部21の内側面との間に形成される。また、各第2流体流路662は、ベース部21の内側面から外側面213に向かって延びる。第2流体流路662の一端は、第1流体流路661に接続され、他端は、外側面213で開口して噴出口663となる。基板対向部4が下位置に配置された状態では、噴出口663は外周対向部42に対して径方向に隙間を空けて対向する。換言すると、ベース外周部212において、連通ギャップGを形成する、または、連通ギャップGと接する外側面213に噴出口663が設けられる。
流体供給部67は、第1流体流路661に接続される。流体供給部67は、所定の流体(後述するように、連通ギャップGにおける外気等の通過を制限する流体であり、以下、「通過制限流体」という。)を第1流体流路661に供給する。本処理例では、通過制限流体は、ガス供給部75(図1参照)により処理空間P内に供給される充填ガスと同じ種類のガス(窒素ガス)である。流体供給部67による通過制限流体の供給流量は、図示省略の流量調整弁等により調整可能である。
図8は、基板処理装置1における基板9の処理の流れを示す図である。図8では、図4中のステップS13,S18が、異なる内容の処理(ステップS13a,S18a)に変更される。他の処理の内容は、図4を参照して説明した処理例と同じである。
ギャップ制限部66を有する基板処理装置1では、処理空間P内への充填ガスの供給が開始されると(ステップS12)、流体供給部67により第1流体流路661への通過制限流体の供給が開始される(ステップS13a)。通過制限流体は、複数の第2流体流路662の噴出口663から径方向外方に向かって噴出される。ベース外周部212と外周対向部42との間に設けられる連通ギャップGでは、複数の噴出口663からの通過制限流体の噴出により、他の流体の通過が制限される。すなわち、通過制限流体の噴出前の状態に比べて、処理空間P内への外気の流入量が低減される。これにより、処理空間P内において充填ガスの濃度が高い状態が維持されやすくなる。ギャップ制限部66では、通過制限流体の噴出により連通ギャップGに流体シールが形成されていると捉えることも可能である。
なお、図2の基板処理装置1と同様に、下部ノズル73の先端環状部731の下面とベース部21の上面211との間の隙間は微小であるため、当該隙間から処理空間Pに漏れ出す通過制限流体の流量は僅かである。また、通過制限流体は、ガス供給部75により処理空間P内に供給される充填ガスと同じ種類であるため、処理空間Pに漏れ出した通過制限流体は問題とはならない。
続いて、上記処理例と同様に、基板9に対する処理液(薬液、リンス液およびIPA)の供給が順次行われる(ステップS14〜S16)。処理空間Pでは、基板9が、液処理速度にて連続的に回転しており、基板9の外縁から処理液が飛散する。飛散した処理液は、外周対向部42の内周面423にて受けられ、湾曲面424により対向側壁部422の下端近傍へと案内される。このとき、薬液が連通ギャップGにて過度に溜まることなく流れることが可能なように、処理液の供給流量等に応じて通過制限流体の流量が設定されている。処理液は、対向側壁部422の下端からカップ32へと排出される。
処理液の供給が完了すると、処理空間P内において、基板9の回転数が液処理速度より大きい乾燥速度まで上げられ、基板9の乾燥が行われる(ステップS17)。基板9の乾燥処理では、流体供給部67による第1流体流路661への通過制限流体の供給流量が増大されてもよい。これにより、基板9が高速に回転する状態でも、処理空間P内への外気の流入が制限され、処理空間P内において充填ガスの濃度が高い状態が維持される。基板9の乾燥開始から所定時間経過すると、基板9の回転、および、基板対向部4の回転が停止される。
乾燥処理が完了すると、流体供給部67による第1流体流路661への通過制限流体の供給が停止される(ステップS18a)。これにより、複数の噴出口663からの通過制限流体の噴出が停止される。また、ガス供給部75による処理空間P内への充填ガスの供給が停止される(ステップS19)。そして、図4の処理例と同様に、基板9の搬出に係る動作が行われ、基板9に対する処理が完了する(ステップS20)。
以上に説明したように、図7の基板処理装置1では、基板9を保持するベース部21において基板9の外側に広がるベース外周部212が設けられ、基板9の上面91を覆う基板対向部4においてベース外周部212に対向する外周対向部42が設けられる。そして、ギャップ制限部66により、ベース外周部212と外周対向部42との間に設けられる連通ギャップGに向けて通過制限流体が噴出される。これにより、処理空間P内への外気の流入量を容易に低減することができ、処理空間Pにおいて充填ガスの雰囲気を維持することができる。基板処理装置1では、通過制限流体の噴出の有無により、処理空間P内への外気の流入量が容易に変更されていると捉えることもできる。
ギャップ制限部66は、ベース外周部212において、連通ギャップGを形成する外側面213に通過制限流体の噴出口663を有する。これにより、通過制限流体を連通ギャップGに確実に供給することができる。また、ギャップ制限部66から噴出される通過制限流体の流量が調整可能であることにより、処理空間P内のガス濃度の制御をある程度精度よく行うことができる。なお、基板9の処理に支障が生じない場合等には、充填ガスとは異なる種類のガスが通過制限流体として用いられてもよく、純水やIPA等の液体が通過制限流体として用いられてもよい。
図9は、ギャップ制限部の他の例を示す図である。図9のギャップ制限部66aは、複数のノズル68と、流体供給部67とを有する。図9では、1つのノズル68のみを描いている。複数のノズル68は、周方向に一定の間隔で配置される。各ノズル68は、カップ外筒状部323の内側面に固定部材682を介して固定される。各ノズル68の噴出口681は、対向側壁部422の下端の近傍に配置される。流体供給部67は、複数のノズル68に接続される。
基板対向部4が下位置に配置された状態において、複数のノズル68から連通ギャップGに向けて通過制限流体が直接噴出される。これにより、連通ギャップGにおいて他の流体の通過が制限される。このように、図9のギャップ制限部66aにおいても、通過制限流体の噴出の有無により、処理空間P内への外気の流入量を容易に変更することが可能となる。
上記基板処理装置1では様々な変形が可能である。
図3のギャップ幅変更部61において、膨張収縮部材611が周方向の一部のみに設けられてもよく、図6のギャップ幅変更部61aにおいて、第1磁石613が周方向の一部のみに設けられてもよい。この場合も、処理空間P内への外気の流入量をある程度変更することが可能である。すなわち、ギャップ幅変更部61,61aは、連通ギャップGにおける周方向の少なくとも一部のギャップ幅を変更すればよい。もちろん、複数の膨張収縮部材611または複数の第1磁石613が周方向に配置されてもよい。一方、処理空間P内への外気の流入量を大きく変更するという観点では、ギャップ幅変更部61,61aが、全周に亘って連通ギャップGのギャップ幅を変更することが好ましい。
図7のギャップ制限部66において、1つの噴出口663のみが設けられてもよく、図9のギャップ制限部66aにおいて、1つのノズル68のみが設けられてもよい。この場合も、処理空間P内への外気の流入量をある程度変更することが可能である。すなわち、ギャップ制限部66,66aは、連通ギャップGにおける周方向の少なくとも一部に向けて通過制限流体を直接的に噴出すればよい。一方、処理空間P内への外気の流入量を大きく変更するという観点では、およそ全周に亘って連通ギャップGに向けて通過制限流体が噴出可能なように、複数の噴出口663または複数のノズル68が周方向に配置されることが好ましい。
図10および図11に示すように、ギャップ幅変更部61の膨張収縮部材611が、基板対向部4に設けられてもよい。この場合、例えば、上部ノズル72の外側面と基板対向部4の内側面との間に形成されるガス流路721(図2参照)が第1流体流路とされ、流体供給部62および流体回収部63が当該第1流体流路に接続される。なお、充填ガスの流路は、上部ノズル72等に設けられる。また、基板対向部4には、その内側面から外側面に向かって延びる複数の第2流体流路642aが設けられる。各第2流体流路642aの一端は、上記第1流体流路に接続される。第2流体流路642aの他端は、外周対向部42の下端面で開口して流路開口643aとなる。外周対向部42の下端面には、膨張収縮部材611が設けられ、複数の流路開口643aが膨張収縮部材611により覆われる。
流体供給部62により第1流体流路への作動流体の供給が開始されることにより、図10および図11中に二点鎖線にて示すように、膨張収縮部材611がベース外周部212の上面211に向かって膨張し、外周対向部42とベース外周部212との間における連通ギャップGのギャップ幅が小さくなる。流体回収部63により、第1流体流路から作動流体が回収されることにより、膨張収縮部材611が収縮し、ギャップ幅が大きくなる。
また、図6のギャップ幅変更部61aにおいて、対向側壁部422の内周面を上下方向に一定の直径とし、当該内周面上において円環状の第1磁石613をベース外周部212に近接した下位置と、ベース外周部212から上方に離間した上位置とに選択的に配置することにより、ギャップ幅が変更されてもよい。以上のように、基板処理装置1では、ギャップ幅変更部61,61aが、ベース外周部212および外周対向部42の一方から他方に向かって進退することにより、連通ギャップGのギャップ幅を変更することが可能である。
また、図10および図11において、膨張収縮部材611を省略し、複数の流路開口643aをギャップ制限部66における噴出口として用いることにより、通過制限流体が当該噴出口から連通ギャップGに向けて噴出されてもよい。このように、外周対向部42において連通ギャップGを形成する面に通過制限流体の噴出口を設ける場合も、通過制限流体を連通ギャップGに確実に供給することができる。
さらに、図9のギャップ制限部66aにおけるノズル68が、ベース部21の上面211に設けられ、当該ノズル68から、連通ギャップGに向けて通過制限流体が直接噴出されてもよい。以上のように、ギャップ制限部66,66aでは、様々な方向から連通ギャップGに向けて通過制限流体が噴出されてよい。なお、図10に示すように、対向側壁部422がベース外周部212と上下方向に対向する場合も、図11のように、対向側壁部422を省略する場合に比べて、処理空間P内への外気の流入量を抑制することが可能である。
基板対向部4は、基板回転機構31により基板保持部2と共に回転してもよい。例えば、図12に示す基板処理装置1aは、基板対向部4の中央対向部41の上面に接続する略筒状の被保持部44を備える。被保持部44は、筒状部441と、フランジ部442とを有する。筒状部441は、中央対向部41の中空部の周囲から上方に突出する。フランジ部442は、筒状部441の上端部から径方向外方に環状に広がる。
基板処理装置1aは、対向部昇降機構52aと、対向部保持部522とを備える。対向部保持部522は、保持部本体523と、本体支持部524と、フランジ支持部525と、支持部接続部526とを有する。保持部本体523は、略円板状であり、被保持部44のフランジ部442の上方を覆う。フランジ支持部525は、略円環板状であり、フランジ部442の下方に位置する。フランジ支持部525の内径は、フランジ部442の外径よりも小さい。支持部接続部526は、略円筒状であり、フランジ支持部525と保持部本体523とをフランジ部442の周囲にて接続する。本体支持部524は、略水平に延びる棒状のアームであり、支持部接続部526に接続される。
外周対向部42の下面には、複数の係合部412が周方向に配列して設けられる。各係合部412は、下端部に上向きに形成された凹部を有する。ベース外周部212の上面には、複数のピン214が周方向に配列して設けられる。図12に示す状態では、被保持部44のフランジ部442が、フランジ支持部525により保持される。これにより、基板対向部4が、基板9および基板保持部2の上方にて、対向部保持部522により吊り下げられる。図13に示すように、対向部昇降機構52aが対向部保持部522を下降すると、基板対向部4が基板保持部2に近接した下位置に配置される。このとき、外周対向部42の複数の係合部412が、ベース外周部212の複数のピン214と係合する。また、被保持部44のフランジ部442が、対向部保持部522のフランジ支持部525から上方に離間する。これにより、基板対向部4が、基板保持部2により保持され、基板回転機構31により基板保持部2と共に回転可能となる。
基板処理装置1aでは、図2と同様のギャップ幅変更部61が設けられ、ギャップ幅変更部61により、ベース外周部212と外周対向部42との間における連通ギャップのギャップ幅が変更される。これにより、処理空間P内への外気の流入量を容易に変更することができる。基板処理装置1aでは、図6のギャップ幅変更部61a、図7のギャップ制限部66、および、図9のギャップ制限部66aが設けられてもよい。
上記実施の形態では、処理空間Pからの処理液の排出を行うため、連通ギャップGのギャップ幅が0よりも大きくされるが、処理液を利用しない処理等では、ギャップ幅変更部61,61aによりギャップ幅が0とされてもよい。特に、基板保持部2と基板対向部4とが連結した状態で回転する基板処理装置1aでは、ギャップ幅変更部61と外周対向部42とが摺動しないため、ギャップ幅を容易に0とすることができる。
ギャップ幅変更部61,61aによる連通ギャップGのギャップ幅の変更、および、ギャップ制限部66,66aによる連通ギャップGに対する通過制限流体の噴出は、基板9の回転を伴わない処理において行われてもよい。
基板処理装置1,1aにおいて処理される基板は半導体基板には限定されず、ガラス基板や他の基板であってもよい。また、基板の形状に合わせて、板状のベース部21の形状が適宜変更されてよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。