図1は、本発明の一の実施の形態に係る基板処理装置1の構成を示す縦断面図である。基板処理装置1は、半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)を1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、基板保持部31と、基板回転機構33と、カップ部4と、トッププレート5と、対向部材移動機構6と、ノズル71と、ハウジング11とを備える。基板保持部31、基板回転機構33、カップ部4、トッププレート5、対向部材移動機構6およびノズル71は、ハウジング11の内部空間に収容される。
基板保持部31は、水平状態で基板9を保持する。基板保持部31は、保持ベース部311と、複数のチャック312と、複数の係合部313とを備える。基板9は、保持ベース部311の上方に配置される。保持ベース部311は、上下方向を向く中心軸J1を中心とする略円板状の部材である。複数のチャック312は、保持ベース部311の上面の外周部に配置される。複数のチャック312は、中心軸J1を中心とする周方向(以下、単に「周方向」という。)において略等角度間隔に配置される。基板保持部31では、複数のチャック312により、基板9の外縁部が支持される。複数の係合部313は、中心軸J1を中心として略等角度間隔にて、保持ベース部311の上面の外周部に周方向に配置される。複数の係合部313は、複数のチャック312よりも中心軸J1を中心とする径方向(以下、単に「径方向」という。)の外側に配置される。
基板回転機構33は、基板保持部31の下方に配置される。基板回転機構33は、中心軸J1を中心として基板9を基板保持部31と共に回転する。基板回転機構33は、例えば、中心軸J1上に回転軸を有する軸回転型のモータである。基板回転機構33の構造は様々に変更されてよい。例えば、基板回転機構33として、中空モータが利用されてもよい。
カップ部4は、中心軸J1を中心とする環状の部材であり、基板9および基板保持部31の径方向外側に配置される。カップ部4は、基板9および基板保持部31の周囲の全周に亘って配置され、基板9から周囲に向かって飛散する処理液等を受ける。カップ部4は、第1ガード41と、第2ガード42と、ガード移動機構43と、排出ポート44とを備える。
第1ガード41および第2ガード42は、基板9および基板保持部31の周囲を全周に亘って囲む。ガード移動機構43は、第1ガード41を上下方向に移動することにより、基板9からの処理液等を受けるガードを第1ガード41と第2ガード42との間で切り替える。カップ部4の第1ガード41および第2ガード42にて受けられた処理液等は、排出ポート44を介してハウジング11の外部へと排出される。また、第1ガード41内および第2ガード42内のガスも排出ポート44を介してハウジング11の外部へと排出される。
トッププレート5は、略円板状の部材である。トッププレート5は、基板9の上面91に対向する対向部材である。トッププレート5は、また、基板9の上方を遮蔽する遮蔽板でもある。トッププレート5の外径は、基板9の外径、および、保持ベース部311の外径よりも大きい。トッププレート5は、対向部材本体51と、被保持部52と、複数の係合部53と、第1凹凸部55とを備える。対向部材本体51は、対向部材天蓋部511と、対向部材側壁部512とを備える。対向部材天蓋部511は、中心軸J1を中心とする略円環板状の部材であり、基板9の上面91に対向する。対向部材側壁部512は、中心軸J1を中心とする略円筒状の部材であり、対向部材天蓋部511の外周部から下方に広がる。
対向部材天蓋部511の中央部には、対向部材開口54が設けられる。対向部材開口54は、例えば、平面視において略円形である。対向部材開口54の直径は、基板9の直径に比べて十分に小さい。対向部材天蓋部511の下面(すなわち、トッププレート5の下面)は、例えば、径方向外方に向かうに従って下方に向かう傾斜面である。換言すれば、対向部材天蓋部511の下面は、対向部材開口54の外周縁から径方向外方かつ下方に延びる傾斜面である。
複数の係合部53は、中心軸J1を中心として略等角度間隔にて、対向部材天蓋部511の下面の外周部に周方向に配置される。複数の係合部53は、対向部材側壁部512の径方向内側に配置される。
被保持部52は、対向部材本体51の上面に接続される。被保持部52は、対向部材筒部521と、対向部材フランジ部522とを備える。対向部材筒部521は、対向部材本体51の対向部材開口54の周囲から上方に突出する略筒状の部位である。対向部材筒部521は、例えば、中心軸J1を中心とする略円筒状である。対向部材フランジ部522は、対向部材筒部521の上端部から径方向外方に環状に広がる。対向部材フランジ部522は、例えば、中心軸J1を中心とする略円環板状である。対向部材フランジ部522の上面には、円周状の凹部と円周状の凸部とが同心円状に交互に配置される第1凹凸部55が設けられる。第1凹凸部55は、複数の凹部と複数の凸部とを有する。
対向部材移動機構6は、対向部材保持部61と、対向部材昇降機構62とを備える。対向部材保持部61は、トッププレート5の被保持部52を保持する。対向部材保持部61は、保持部本体611と、本体支持部612と、フランジ支持部613と、支持部接続部614と、第2凹凸部615とを備える。保持部本体611は、例えば、中心軸J1を中心とする略円板状である。保持部本体611は、トッププレート5の対向部材フランジ部522の上方を覆う。本体支持部612は、略水平に延びる棒状のアームである。本体支持部612の一方の端部は保持部本体611に接続され、他方の端部は対向部材昇降機構62に接続される。
保持部本体611の中央部からはノズル71が下方に突出する。ノズル71は、中心軸J1上に配置される。ノズル71は、中心軸J1を中心とする略円柱状の部材である。ノズル71は、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)により形成される。ノズル71は、対向部材筒部521に非接触状態で挿入される。以下の説明では、ノズル71と対向部材筒部521との間の空間を「ノズル間隙56」と呼ぶ。ノズル間隙56は、中心軸J1を中心とする略円筒状の空間である。ノズル71の周囲には、保持部本体611の下面において円周状の凹部と円周状の凸部とが同心円状に交互に配置される第2凹凸部615が設けられる。第2凹凸部615は、第1凹凸部55と上下方向に対向する。
フランジ支持部613は、例えば、中心軸J1を中心とする略円環板状である。フランジ支持部613は、トッププレート5の対向部材フランジ部522の下方に位置する。フランジ支持部613の内径は、対向部材フランジ部522の外径よりも小さい。フランジ支持部613の外径は、トッププレート5の対向部材フランジ部522の外径よりも大きい。支持部接続部614は、例えば、中心軸J1を中心とする略円筒状である。支持部接続部614は、フランジ支持部613と保持部本体611とを対向部材フランジ部522の周囲にて接続する。対向部材保持部61では、保持部本体611は対向部材フランジ部522の上面と上下方向に対向する保持部上部であり、フランジ支持部613は対向部材フランジ部522の下面と上下方向に対向する保持部下部である。
図1に示す位置にトッププレート5が位置する状態では、フランジ支持部613は、トッププレート5の対向部材フランジ部522の外周部に下側から接して支持する。換言すれば、対向部材フランジ部522が、対向部材移動機構6の対向部材保持部61により保持される。これにより、トッププレート5が、基板9および基板保持部31の上方にて、対向部材保持部61により吊り下げられる。以下の説明では、図1に示すトッププレート5の上下方向の位置を「第1の位置」という。トッププレート5は、第1の位置にて、対向部材移動機構6により保持されて、基板保持部31から上方に離間する。また、トッププレート5が第1の位置に位置する状態では、第2凹凸部615の凸部の下端は、第1凹凸部55の凸部の上端よりも上方に位置する。
フランジ支持部613には、トッププレート5の位置ずれ(すなわち、トッププレート5の移動および回転)を制限する移動制限部616が設けられる。図1に示す例では、移動制限部616は、フランジ支持部613の上面から上方に突出する突起部である。移動制限部616が、対向部材フランジ部522に設けられた孔部に挿入されることにより、トッププレート5の位置ずれが制限される。
対向部材昇降機構62は、トッププレート5を対向部材保持部61と共に上下方向に移動させる。図2は、トッププレート5が図1に示す第1の位置から下降した状態を示す縦断面図である。以下の説明では、図2に示すトッププレート5の上下方向の位置を「第2の位置」という。すなわち、対向部材昇降機構62は、トッププレート5を第1の位置と第2の位置との間で基板保持部31に対して相対的に上下方向に移動する。第2の位置は、第1の位置よりも下方の位置である。換言すれば、第2の位置は、トッププレート5が第1の位置よりも上下方向において基板保持部31に近接する位置である。
トッププレート5が第2の位置に位置する状態では、トッププレート5の複数の係合部53がそれぞれ、基板保持部31の複数の係合部313と係合する。複数の係合部53は、複数の係合部313により下方から支持される。換言すれば、複数の係合部313はトッププレート5を支持する対向部材支持部である。例えば、係合部313は、上下方向に略平行なピンであり、係合部313の上端部が、係合部53の下端部に上向きに形成された凹部に嵌合する。また、トッププレート5の対向部材フランジ部522は、対向部材保持部61のフランジ支持部613から上方に離間する。これにより、トッププレート5は、第2の位置にて、基板保持部31により保持されて対向部材移動機構6から離間する(すなわち、対向部材移動機構6と非接触状態となる。)。
トッププレート5が基板保持部31により保持された状態では、トッププレート5の対向部材側壁部512の下端が、基板保持部31の保持ベース部311の上面よりも下方、または、保持ベース部311の上面と上下方向に関して同じ位置に位置する。トッププレート5が第2の位置に位置する状態で基板回転機構33が駆動されると、トッププレート5は、基板9および基板保持部31と共に回転する。換言すれば、トッププレート5が第2の位置に位置する状態では、トッププレート5は、基板回転機構33により基板9および基板保持部31と共に中心軸J1を中心として回転可能となる。
図3は、図2中のノズル71近傍の部位を拡大して示す縦断面図である。図2および図3に示すように、トッププレート5が第2の位置に位置する状態では、ノズル71の下端部が、トッププレート5の下面から下方に突出している。換言すれば、ノズル71の下端部は、対向部材開口54から下方に突出している。さらに換言すれば、ノズル71の下端が、ノズル間隙56の下端(すなわち、対向部材筒部521の下端)よりも下方に位置する。
ノズル71の下端部には、ノズル71から径方向外方へと延びるガイド部711が設けられる。ガイド部711は、中心軸J1を中心とする略円環板状の部材である。ガイド部711の外径は、ノズル間隙56の外径よりも小さい。図3に示す例では、ガイド部711は、ノズル71の下端面の外周縁から、径方向外方かつ下方へと延びる。ガイド部711の縦断面は、例えば直線状である。ガイド部711は、対向部材開口54の近傍において、ノズル間隙56の鉛直下方に配置される。
ガイド部711の形状は適宜変更されてよい。例えば、図4に示すように、ガイド部711の縦断面は、ノズル71の下端面の外周縁から径方向外方かつ下方へと延び、下向きに凸である略円弧状であってもよい。
図3に示すように、トッププレート5が第2の位置に位置する状態では、第1凹凸部55と第2凹凸部615とが、互いに非接触状態で上下方向に近接する。第1凹凸部55の凸部は、第2凹凸部615の凹部内に間隙を介して配置され、第2凹凸部615の凸部は第1凹凸部55の凹部内に間隙を介して配置される。換言すれば、第1凹凸部55および第2凹凸部615の一方の凹部内に他方の凸部が間隙を介して配置される。これにより、ノズル71の周囲において、トッププレート5の対向部材フランジ部522と対向部材移動機構6の保持部本体611との間にラビリンス57が形成される。ラビリンス57全体において、第1凹凸部55と第2凹凸部615との間の上下方向の距離および径方向の距離はおよそ一定である。ラビリンス57は、ノズル間隙56に連続する。トッププレート5が回転する際には、第1凹凸部55は回転し、第2凹凸部615は回転しない。
図5は、基板処理装置1におけるガスおよび処理液の供給に係る気液供給部7を示すブロック図である。気液供給部7は、処理液供給機構72と、ガス供給機構73とを備える。処理液供給機構72は、処理液供給源721と、上述のノズル71とを含む。ガス供給機構73は、ガス供給源731と、ノズル71とを含む。換言すれば、処理液供給機構72とガス供給機構73とは、ノズル71を共有する。
処理液供給源721は、処理液を送出する。処理液供給源721から送出された処理液は、ノズル71を介して基板9の上面91に供給される。基板処理装置1では、処理液として、様々な種類の液体が利用される。処理液は、例えば、基板9の薬液処理に用いられる薬液(ポリマー除去液、フッ酸や水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のエッチング液等)であってもよい。処理液は、例えば、基板9のリンス処理(すなわち、洗浄処理)に用いられる純水(DIW:deionized water)や炭酸水等のリンス液であってもよい。処理液は、例えば、基板9上の液体を置換するために供給されるイソプロピルアルコール(IPA)等の置換液であってもよい。
ガス供給源731は、窒素(N2)ガス等の不活性ガスを送出する。ガス供給源731から送出された不活性ガスは、ノズル71を介して、トッププレート5の下面と基板9の上面91との間の空間(以下、「処理空間90」という。)に供給される。また、ガス供給源731からの不活性ガスは、ラビリンス57にも供給される。
図3に示すように、ノズル71の内部には、処理液流路716と、第1ガス流路717と、第2ガス流路718とが設けられる。処理液流路716は、図5に示す処理液供給源721に接続される。第1ガス流路717および第2ガス流路718は、図5に示すガス供給源731に接続される。処理液流路716および第1ガス流路717は、平面視においてノズル71の略中央部に配置される。第2ガス流路718は、平面視においてノズル71の外周部に配置される。
処理液供給源721から処理液流路716に供給された処理液は、ノズル71の下端面に設けられた吐出口716aから略鉛直下方へと吐出される。ノズル71から吐出された処理液は、基板9の中央部へと供給される。基板9の中央部とは、基板9における中心軸J1近傍の領域を指す。基板9の中央部とは、例えば、基板9上において、対向部材開口54と平面視にて重なる領域を意味する。ノズル71から複数種類の処理液が吐出される場合、ノズル71には、当該複数種類の処理液にそれぞれ対応する複数の処理液流路716が設けられ、複数種類の処理液はそれぞれ複数の吐出口716aから吐出されてもよい。
ガス供給源731から第1ガス流路717に供給された不活性ガスは、ノズル71の下端面に設けられた下面噴射口717aから、基板9とトッププレート5との間の処理空間90に供給される。具体的には、第1ガス流路717を流れる不活性ガスは、下面噴射口717aから基板9の中央部に向けて鉛直下方に供給(例えば、噴射)される。
ガス供給源731から第2ガス流路718に供給された不活性ガスは、ノズル71の外周面に設けられた複数の側面噴射口718aから周囲に供給(例えば、噴射)される。本実施例では、複数の側面噴射口718aの数は6である。複数の側面噴射口718aは周方向に略等角度間隔にて配列される。各側面噴射口718aは、周方向に延びるスリット状の開口である。複数の側面噴射口718aは、第2ガス流路718の下端部から周方向に延びる周状流路718bに、接続流路718cを介して接続されている。接続流路718cは、周状流路718bから径方向外方に向かって、平面視において径方向に略平行に延びる。なお、側面噴射口718aの数は適宜変更されてよい。例えば、ノズル71の外周面に設けられる側面噴射口718aの数は、1であってもよい。この場合、側面噴射口718aは、中心軸J1を中心とする略円環状であることが好ましい。
複数の側面噴射口718aは、対向部材開口54よりも上側に配置され、対向部材筒部521の内周面と径方向に対向する。ガス供給源731から第2ガス流路718に供給された不活性ガスは、複数の側面噴射口718aからノズル間隙56へと供給される。各側面噴射口718aからの不活性ガスは、例えば、ノズル間隙56に向けて径方向外方かつ下方へと噴射される。
複数の側面噴射口718aからノズル間隙56に供給された不活性ガスは、ノズル間隙56内において下方へと流れ、ノズル間隙56の下端である対向部材開口54を介して、略鉛直下方に(すなわち、基板9の中央部に向かって)流出する。上述のように、ノズル間隙56の鉛直下方には(すなわち、基板9の中央部の上方には)ガイド部711が配置されており、ノズル間隙56から流出した不活性ガスは、ガイド部711の上面に沿って径方向外方かつ下方へと導かれる。これにより、第2ガス流路718からノズル間隙56に供給された不活性ガスは、処理空間90内において、基板9の中央部の上方の位置から径方向外方かつ下方に(すなわち、上下方向に対して傾斜した方向に)供給される。
基板処理装置1では、ガイド部711は、ノズル間隙56からの不活性ガスを必ずしも径方向外方かつ下方へと導く必要はなく、側方(すなわち、径方向外方)へと導けばよい。例えば、ガイド部711の上面が、中心軸J1に略垂直な平面であり、ノズル間隙56からの不活性ガスが、ガイド部711により径方向外方に略水平に導かれてもよい。あるいは、ガイド部711の上面が、ノズル71の下端外周縁から径方向外方かつ上方へと延びており、ノズル間隙56からの不活性ガスが、ガイド部711により径方向外方かつ上方へと導かれてもよい。いずれの場合も、第2ガス流路718からノズル間隙56に供給された不活性ガスは、処理空間90内において、基板9の中央部の上方の位置から、上下方向に対して傾斜した方向に供給される。
以下の説明では、ガス供給機構73のうち、基板9の中央部に向けて鉛直下方に不活性ガスを供給する構造を「第1供給部」と呼ぶ。また、ガス供給機構73のうち、当該第1供給部の周囲に配置され、処理空間90において径方向外方に不活性ガスを供給する構造を「第2供給部」と呼ぶ。上述の例では、第1供給部は、第1ガス流路717を含む。また、第2供給部は、第2ガス流路718、ノズル間隙56およびガイド部711を含む。第2供給部は、第1供給部の周囲に配置される。
以下の説明では、第1供給部と第2供給部とを合わせて「ガス供給部」とも呼ぶ。ガス供給部は、中心軸J1の近傍において、基板9の中央部の上方に配置される。換言すれば、ガス供給部は中心軸J1上に配置される。ガス供給機構73では、ガス供給源731から第1供給部に供給される不活性ガスの流量と、ガス供給源731から第2供給部に供給される不活性ガスの流量とが、互いに独立して調節可能である。
次に、基板処理装置1における基板9の処理の流れの一例について、図6を参照しつつ説明する。まず、トッププレート5が図1に示す第1の位置に位置する状態で、基板9がハウジング11内に搬入され、基板保持部31により保持される(ステップS11)。このとき、トッププレート5は対向部材移動機構6の対向部材保持部61により保持されている。
続いて、対向部材昇降機構62により対向部材保持部61が下方へと移動される。これにより、トッププレート5が第1の位置から第2の位置へと下方に移動し、図2に示すように、トッププレート5が基板保持部31により保持される(ステップS12)。また、図2および図3に示すように、トッププレート5と対向部材保持部61との間にラビリンス57が形成される。そして、ガス供給機構73からノズル71およびノズル間隙56を介して処理空間90に不活性ガス(すなわち、処理雰囲気用ガス)の供給が開始される。また、ガス供給機構73からラビリンス57にも不活性ガス(すなわち、シールガス)の供給が開始される。
次に、図2に示す基板回転機構33により、基板保持部31、基板9およびトッププレート5の回転が開始される(ステップS13)。処理空間90およびラビリンス57への不活性ガスの供給は、ステップS13以降も継続される。そして、処理液供給源721からノズル71へと第1処理液が供給され、回転中の基板9の上面91の中央部に供給される(ステップS14)。
ノズル71から基板9の中央部に供給された第1処理液は、基板9の回転により、基板9の中央部から径方向外方へと拡がり、基板9の上面91全体に付与される。第1処理液は、基板9の外縁から径方向外方へと飛散し、カップ部4の第1ガード41により受けられる。図2に示す第1ガード41の上下方向の位置は、基板9からの処理液を受ける位置であり、以下の説明では「受液位置」という。第1処理液が基板9に対して所定時間付与されることにより、第1処理液による基板9の処理が終了する。
第1処理液は、ポリマー除去液やエッチング液等の薬液であり、ステップS14において、基板9に対する薬液処理が行われる。基板9の薬液処理は、処理空間90が不活性ガス雰囲気(すなわち、低酸素雰囲気)である状態にて行われる。ガス供給機構73から処理空間90に供給された不活性ガスは、処理空間90内にて径方向外方へと流れ、カップ部4の排出ポート44から外部へと排出される。
基板9の薬液処理が行われている間、第1ガス流路717(図3参照)を介して処理空間90の中央部(すなわち、処理空間90の径方向中央部)に供給される不活性ガスの流量は、例えば、第2ガス流路718およびノズル間隙56を介して処理空間90に供給される不活性ガスの流量よりも多い。換言すれば、処理液供給機構72から基板9に薬液が供給される際に、第1供給部からの不活性ガスの供給流量が、第2供給部からの不活性ガスの供給流量よりも多い。
なお、第1処理液の供給(ステップS14)は、基板9の回転開始(ステップS13)よりも前に行われてもよい。この場合、静止状態の基板9の上面91全体に第1処理液がパドルされ(すなわち、液盛りされ)、第1処理液によるパドル処理が行われる。
第1処理液による基板9の処理が終了すると、ノズル71からの第1処理液の供給が停止される。そして、ガード移動機構43により第1ガード41が下方に移動され、図7に示すように、上述の受液位置よりも下方の待避位置へと位置する。これにより、基板9からの処理液を受けるガードが、第1ガード41から第2ガード42に切り替えられる。すなわち、ガード移動機構43は、第1ガード41を受液位置と待避位置との間で上下方向に移動することにより、基板9からの処理液を受けるガードを第1ガード41と第2ガード42との間で切り替えるガード切替機構である。
続いて、処理液供給源721からノズル71へと第2処理液が供給され、回転中の基板9の上面91の中央部に供給される(ステップS15)。ノズル71から基板9の中央部に供給された第2処理液は、基板9の回転により、基板9の中央部から径方向外方へと拡がり、基板9の上面91全体に付与される。第2処理液は、基板9の外縁から径方向外方へと飛散し、カップ部4の第2ガード42により受けられる。第2処理液が基板9に対して所定時間付与されることにより、第2処理液による基板9の処理が終了する。
第2処理液は、純水や炭酸水等のリンス液であり、ステップS15において、基板9に対するリンス処理が行われる。基板9のリンス処理も、薬液処理と同様に、処理空間90が不活性ガス雰囲気(すなわち、低酸素雰囲気)である状態にて行われる。ガス供給機構73から処理空間90に供給された不活性ガスは、処理空間90内にて径方向外方へと流れ、カップ部4の排出ポート44から外部へと排出される。
基板9のリンス処理が行われている間、第1ガス流路717を介して処理空間90の中央部に供給される不活性ガスの流量は、例えば、第2ガス流路718およびノズル間隙56を介して処理空間90に供給される不活性ガスの流量よりも多い。換言すれば、処理液供給機構72から基板9にリンス液が供給される際に、第1供給部からの不活性ガスの供給流量が、第2供給部からの不活性ガスの供給流量よりも多い。
第2処理液による基板9の処理が終了すると、ノズル71からの第2処理液の供給が停止される。そして、ガス供給機構73において不活性ガスの流量が調節され、第1ガス流路717から処理空間90の中央部に供給される不活性ガスの流量が減少する。また、第2ガス流路718およびノズル間隙56を介して処理空間90に供給される不活性ガスの流量が増大する。
続いて、処理液供給源721からノズル71へと第3処理液が供給され、回転中の基板9の上面91の中央部に供給される(ステップS16)。第3処理液は、IPA等の置換液である。ノズル71から基板9の中央部に供給された第3処理液は、基板9の回転により径方向外方へと拡がる。これにより、基板9の上面91上に残留している第2処理液(すなわち、リンス液)が第3処理液により置換され、基板9の上面91全体が第3処理液により被覆される。すなわち、ステップS16では、第3処理液による第2処理液の置換処理が行われる。
当該置換処理も、薬液処理およびリンス処理と同様に、処理空間90が不活性ガス雰囲気(すなわち、低酸素雰囲気)である状態にて行われる。ガス供給機構73から処理空間90に供給された不活性ガスは、処理空間90内にて径方向外方へと流れ、カップ部4の排出ポート44から外部へと排出される。また、第2処理液および第3処理液は、基板9の外縁から径方向外方へと飛散し、カップ部4の第2ガード42により受けられる。第3処理液が基板9に対して所定時間付与されることにより、第3処理液による基板9の処理が終了する。
当該置換処理が行われている間、第1ガス流路717を介して処理空間90の中央部に供給される不活性ガスの流量は、例えば、第2ガス流路718およびノズル間隙56を介して処理空間90に供給される不活性ガスの流量よりも少ない。換言すれば、処理液供給機構72から基板9に置換液が供給される際に、第1供給部からの不活性ガスの供給流量は、第2供給部からの不活性ガスの供給流量よりも少ない。置換処理の際の第1供給部からの不活性ガスの流量は、例えば、ゼロであってもよい。
第3処理液による基板9の処理が終了すると、ノズル71からの第3処理液の供給が停止される。そして、ガス供給機構73において不活性ガスの流量が調節され、第1ガス流路717から処理空間90の中央部に供給される不活性ガスの流量が増大する。また、第2ガス流路718およびノズル間隙56を介して処理空間90に供給される不活性ガスの流量も増大する。さらに、基板回転機構33による基板9の回転速度が増大する。これにより、基板9の上面91上の第3処理液が径方向外方へと移動して基板9の外縁から径方向外方へと飛散し、カップ部4の第2ガード42により受けられる。基板9の回転が所定の時間だけ継続されることにより、基板9の上面91上から第3処理液等の液体を除去する乾燥処理が行われる(ステップS17)。
基板9の乾燥処理が終了すると、基板回転機構33による基板保持部31、基板9およびトッププレート5の回転が停止される(ステップS18)。また、ガス供給機構73から処理空間90およびラビリンス57への不活性ガスの供給が停止される。次に、対向部材昇降機構62により対向部材保持部61が上方に移動することにより、トッププレート5が、第2の位置から図1に示す第1の位置へと上方に移動する(ステップS19)。トッププレート5は、基板保持部31から上方に離間して対向部材保持部61により保持される。その後、基板9がハウジング11から搬出される(ステップS20)。基板処理装置1では、複数の基板9に対して、上述のステップS11〜S20が順次行われ、複数の基板9が順次処理される。
以上に説明したように、基板処理装置1は、基板保持部31と、基板回転機構33と、対向部材であるトッププレート5と、処理液供給機構72と、ガス供給部とを備える。基板保持部31は、水平状態で基板9を保持する。基板回転機構33は、上下方向を向く中心軸J1を中心として、基板保持部31を回転する。トッププレート5は、基板9よりも外径が大きい円板状である。トッププレート5は、基板9の上面91に対向して中心軸J1を中心として回転する。処理液供給機構72は、基板9の上面91に処理液を供給する。ガス供給部は、基板9の中央部の上方に配置される。ガス供給部は、トッププレート5の下面と基板9の上面91との間の空間である処理空間90に不活性ガスを供給する。ガス供給部は、第1供給部と、第2供給部とを備える。第1供給部は、基板9の中央部に向けて鉛直下方に不活性ガスを供給する。第2供給部は、第1供給部の周囲に配置され、径方向外方に不活性ガスを供給する。
基板処理装置1では、第2供給部から鉛直下方に不活性ガスが供給される場合に比べて、第1供給部から処理空間90の中央部に供給された不活性ガスの径方向外方への移動が、第2供給部から供給される不活性ガスの気流により阻害されることを抑制することができる。したがって、処理空間90の中央部における雰囲気の滞留を抑制することができる。その結果、当該雰囲気に含まれている可能性がある処理液のミスト等によりパーティクルが発生することを、防止または抑制することができる。
また、基板処理装置1では、第2供給部から鉛直下方に不活性ガスが供給される場合に比べて、基板9の中央部における処理液の温度が、不活性ガスの気流の影響により所望の温度よりも低下することを抑制することができる。さらに、基板9の中央部における処理液の液膜形状が、不活性ガスの気流の影響により所望の形状から変化する(すなわち、液膜が乱れる)ことも抑制することができる。換言すれば、基板9の中央部において、不活性ガスの気流の影響による処理液の温度変化、および、処理液の液膜の形状変化を抑制することができる。
上述のように、第2供給部は、基板9の中央部の上方に配置されるガイド部711を備える。ガイド部711は、基板9の中央部に向かって鉛直下方に流れる不活性ガスを、径方向外方へと導く。これにより、ガス供給部において、径方向外方への不活性ガスの供給を、簡素な構造で実現することができる。その結果、基板処理装置1の構造を簡素化することができる。
上述の基板9の処理では、処理液供給機構72から基板9に薬液が供給される際に、第1供給部からの不活性ガスの供給流量が、第2供給部からの不活性ガスの供給流量よりも多い。これにより、第1供給部から処理空間90の中央部に供給される不活性ガスが、径方向外方にさらに拡がりやすくなる。したがって、処理空間90の中央部における雰囲気の滞留を、さらに抑制することができる。その結果、薬液のミスト等によるパーティクルの発生を、防止または抑制することができる。
また、上述の基板9の処理では、処理液供給機構72から基板9にリンス液が供給される際に、第1供給部からの不活性ガスの供給流量が、第2供給部からの不活性ガスの供給流量よりも多い。これにより、第1供給部から処理空間90の中央部に供給される不活性ガスが、径方向外方にさらに拡がりやすくなる。したがって、処理空間90の中央部における雰囲気の滞留を、さらに抑制することができる。その結果、リンス液により除去された薬液のミスト等によるパーティクルの発生を、防止または抑制することができる。
上述の基板9の処理では、処理液供給機構72から基板9に置換液が供給される際に、第1供給部からの不活性ガスの供給流量が、第2供給部からの不活性ガスの供給流量よりも少ない。これにより、基板9の中央部において、不活性ガスの気流の影響による置換液の温度変化、および、置換液の液膜の形状変化を、より一層抑制することができる。
なお、基板処理装置1では、処理液供給機構72から基板9に薬液が供給される際に、第1供給部からの不活性ガスの供給流量が、第2供給部からの不活性ガスの供給流量よりも少なくされてもよい。これにより、基板9の中央部において、不活性ガスの気流の影響による薬液の温度変化、および、薬液の液膜の形状変化を、より一層抑制することができる。また、基板処理装置1では、処理液供給機構72から基板9にリンス液が供給される際に、第1供給部からの不活性ガスの供給流量が、第2供給部からの不活性ガスの供給流量よりも少なくされてもよい。これにより、基板9の中央部において、不活性ガスの気流の影響によるリンス液の温度変化、および、リンス液の液膜の形状変化を、より一層抑制することができる。
換言すれば、基板処理装置1では、第1供給部からの不活性ガスの供給流量が、第2供給部からの不活性ガスの供給流量よりも少なくされることにより、基板9の中央部において、不活性ガスの気流の影響による処理液の温度変化、および、処理液の液膜の形状変化を、より一層抑制することができる。
上述の基板9の処理では、ステップS14における第1供給部からの不活性ガスの供給流量が、ステップS16における第1供給部からの不活性ガスの供給量よりも多い。換言すれば、処理液供給機構72から基板9に薬液が供給される際における第1供給部からの不活性ガスの供給流量が、リンス液が存在する基板9上に処理液供給機構72から置換液が供給されて基板9上に置換液の液膜が形成される際における第1供給部からの不活性ガスの供給流量よりも多い。これにより、処理空間90の中央部において、薬液のミスト等を含む雰囲気の滞留を好適に抑制することができるとともに、基板9の中央部における置換液の温度変化、および、置換液の液膜の形状変化を好適に抑制することができる。
上述のように、基板処理装置1では、ガイド部711の上面が径方向外方かつ上方へと延び、ノズル間隙56からの不活性ガスが、ガイド部711により径方向外方かつ上方へと導かれてもよい。この場合、ノズル間隙56からの不活性ガスは、トッププレート5の下面に向かって供給される。トッププレート5の下面に供給された不活性ガスは、トッププレート5の回転による遠心力によっても径方向外方へと移動する。このように、基板処理装置1では、第2供給部からトッププレート5の下面に向かって不活性ガスが供給されることにより、第2供給部からの不活性ガスを径方向外方に容易に拡げることができる。
次に、図8および図9を参照しつつ、基板処理装置1における他の好ましいノズル71aについて説明する。図8は、図3と同様に、ノズル71a近傍の部位を拡大して示す縦断面図である。図9は、ノズル71aの側面噴射口718aを含む横断面図である。
ノズル71aの下端部は、図3に示すノズル71と同様に、トッププレート5の下面から下方に突出している。ノズル71aの複数の側面噴射口718aは、ノズル71aの下端部の外周面に配置される。複数の側面噴射口418aは、ノズル間隙56の下端である対向部材開口54よりも下方に位置する。複数の側面噴射口718aは周方向に略等角度間隔にて配列される。複数の側面噴射口718aはそれぞれ、第2ガス流路718の下端部から周方向に延びる周状流路718bに、接続流路718cを介して接続されている。なお、側面噴射口718aの数は適宜変更されてよい。例えば、ノズル71の外周面に設けられる側面噴射口718aの数は、1であってもよい。この場合、側面噴射口718aは、中心軸J1を中心とする略円環状であることが好ましい。
ノズル71aが設けられる基板処理装置1では、ガス供給機構73の第2供給部が、トッププレート5の下面よりも下方にて径方向外方を向く供給口である側面噴射口718aから、側方(すなわち、径方向外方)に向けて不活性ガスを供給する。これにより、上記と同様に、第2供給部から鉛直下方に不活性ガスが供給される場合に比べて、処理空間90の中央部における雰囲気の滞留を抑制することができる。また、基板9の中央部において、不活性ガスの気流の影響による処理液の温度変化、および、処理液の液膜の形状変化を抑制することができる。さらに、ガス供給部において、径方向外方への不活性ガスの供給を、簡素な構造で実現することができる。
なお、図8に示す例では、側面噴射口718aから略水平に不活性ガスが噴射されるが、不活性ガスの噴射方向は適宜変更されてよい。例えば、不活性ガスは、側面噴射口718aから径方向外方かつ下向きに噴射されてもよく、側面噴射口718aから径方向外方かつ上向きに噴射されてよい。
ノズル71aでは、図10に示すように、各側面噴射口718aと周状流路718bとを接続する接続流路718cが、径方向に対して傾斜していてもよい。図10に示す例では、接続流路718cは、径方向に対して反時計回り方向に傾斜している。接続流路718cの径方向に対する傾斜方向は、トッププレート5の回転方向と同じである。したがって、平面視において、第2供給部から処理空間90への不活性ガスの供給方向は、径方向に対してトッププレート5の回転方向前方に向かって傾斜する。これにより、第2供給部からの不活性ガスを、トッププレート5の回転により径方向外方に容易に拡げることができる。
図11は、ガイド部711が設けられるノズル71の平面図である。図11に示す例では、ガイド部711の上面に、径方向に対して傾斜する方向に延びる複数のリブ712が設けられる。リブ712は、上下方向に対して略平行な平板状である。複数のリブ712の径方向に対する傾斜方向は、トッププレート5の回転方向と同じである。したがって、平面視において、第2供給部から処理空間90への不活性ガスの供給方向は、径方向に対してトッププレート5の回転方向前方に向かって傾斜する。これにより、第2供給部からの不活性ガスを、トッププレート5の回転により径方向外方に容易に拡げることができる。
上述の基板処理装置1では、様々な変更が可能である。
例えば、ノズル71の第2供給部は、必ずしもノズル間隙56を介して処理空間90に不活性ガスを供給する必要はなく、第2ガス流路718から処理空間90へとガイド部711に沿って不活性ガスが供給されてもよい。ガス供給機構73では、第1供給部と第2供給部とは、必ずしも同じノズル71,71aに設けられる必要はなく、異なるノズルに設けられてもよい。また、処理液供給機構72の処理液流路716も、第1供給部および第2供給部とは異なるノズルに設けられてもよい。
トッププレート5の構造は適宜変更されてよい。例えば、対向部材天蓋部511の下面は、中心軸J1に対して略垂直であってもよい。また、対向部材本体51から対向部材側壁部512が省略されてもよい。
例えば、図12に示すように、対向部材天蓋部511の内周部に縦テーパ面511aが設けられてもよい。縦テーパ面511aは、対向部材天蓋部511の下面のうち縦テーパ面511aよりも径方向外側の領域と同様に、径方向外方に向かうに従って下方に向かう傾斜面である。縦テーパ面511aと水平面との成す角度は、対向部材天蓋部511の下面のうち縦テーパ面511aよりも径方向外側の領域と水平面との成す角度よりも大きい。縦テーパ面511aは、対向部材筒部521の下端部(すなわち、対向部材開口54が設けられる位置)に位置するとも捉えられる。トッププレート5が回転する際には、トッププレート5の一部である縦テーパ面511aも共に回転する。
好ましくは、縦テーパ面511aは、第2ガス流路718の複数の側面噴射口718aと径方向に対向する。換言すれば、縦テーパ面511aは、第2ガス流路718の複数の側面噴射口718aと、上下方向の略同じ位置に位置することが好ましい。複数の側面噴射口718aから供給(例えば、噴射)された不活性ガスは、縦テーパ面511aに沿って径方向外方かつ下方へと導かれ、基板9の外周部に向かって迅速に拡散される。その結果、処理空間90の中央部における雰囲気の滞留を抑制することができる。
トッププレート5は、必ずしも基板保持部31と共に回転する必要はない。例えば、トッププレート5は、基板保持部31から離間して基板9の上方に配置され、基板回転機構33とは独立して設けられた他の回転機構により回転されてもよい。また、基板9の処理が行われる際に、トッププレート5は必ずしも回転されなくてもよい。
基基板処理装置1では、基板9の処理は上述の例には限定されず、様々な処理液を利用して様々な処理が基板9に対して行われてよい。例えば、処理液供給機構72から供給される薬液により、上述のエッチング処理以外の化学反応を利用した様々な処理(基板上の酸化膜の除去、または、現像液による現像等)が行われてよい。
基板処理装置1では、基板9に体する各処理において、第1供給部からの不活性ガスの供給流量と、第2供給部からの不活性ガスの供給流量との大小関係は、適宜変更されてよい。例えば、第1供給部からの不活性ガスの供給流量と、第2供給部からの不活性ガスの供給流量とは同じであってもよい。基板9に対して複数の処理が行われる場合、当該複数の処理間における第1供給部からの不活性ガスの供給流量の大小関係は、適宜変更されてよい。また、当該複数の処理間における第2供給部からの不活性ガスの供給流量の大小関係も、適宜変更されてよい。
基板処理装置1では、半導体基板以外に、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、FED(field emission display)等の表示装置に使用されるガラス基板の処理に利用されてもよい。あるいは、基板処理装置1は、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板および太陽電池用基板等の処理に利用されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。