JP2018091809A - 地熱発電用蒸気性状監視装置、地熱発電システム、地熱発電用蒸気性状監視方法、及び、地熱発電システム制御方法 - Google Patents

地熱発電用蒸気性状監視装置、地熱発電システム、地熱発電用蒸気性状監視方法、及び、地熱発電システム制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸気の性状によらずに、蒸気の性状を的確に監視可能な地熱発電用蒸気性状監視装置、地熱発電システム、地熱発電用蒸気性状監視方法、及び、地熱発電システム制御方法を提供する。
【解決手段】地熱発電用蒸気性状監視装置2は、採取蒸気を冷却して生成された蒸気ドレン水に、pH調整剤又は酸化剤を薬剤として添加可能な薬剤添加部34と、薬剤と蒸気ドレン水とを混合させ、混合水を生成可能な混合器36と、混合水における反応を促進させ、反応により生成した硫化水素ガスを混合水から脱気可能な反応促進装置38と、脱気された混合水の性状を分析可能な分析装置40と、脱気された混合水のpH又は還元性硫黄濃度を測定可能な少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサの測定結果に基づいて、薬剤添加部による薬剤の添加量、薬剤の種類及び反応促進装置の運転条件のうち一つ以上を変更するように構成された制御装置44と、を備える。
【選択図】図3

Description

本開示は、地熱発電用蒸気性状監視装置、地熱発電システム、地熱発電用蒸気性状監視方法、及び、地熱発電システム制御方法に関する。
地熱発電は、地球の内部に蓄えられている高熱を利用して生産井より噴出させた地熱蒸気を、発電用の蒸気タービンに導入し、これを駆動して発電するもので、水力、火力及び原子力に次ぐエネルギ源として重要視されている。
地熱発電プラントでは、蒸気の性状が、蒸気タービン等の運転に影響を与える。このため、従来、蒸気の性状を管理するため、蒸気のpH、電気伝導度、TDS(全溶解固形物)濃度及び不凝縮ガス濃度等が分析され、更に、塩素濃度、酸化珪素濃度及び全鉄濃度等も分析されている(特許文献1)。
ここで、生産井から噴出する蒸気には、HSが含まれている。HSが蒸気に含まれている場合、S2−イオンが、塩素濃度やシリカ等の分析妨害物である硫化物を生成する。そこで、特許文献1が開示する地熱発電用蒸気性状監視装置では、蒸気ドレン水に酸化薬剤を供給し、蒸気ドレン水のpHを酸性側とすることによって、蒸気ドレン中に含まれるS2−イオンを除去している。
特開2015−52577号公報
しかしながら、蒸気の性状、例えばHSの濃度等、によっては、蒸気ドレン水からS2−イオンを十分に除去できない虞がある。そしてS2−イオンを十分に除去できなかった場合、分析妨害物である硫化物が生成され、蒸気の性状の分析を的確に行えなくなる虞がある。
上記事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、蒸気の性状によらずに、蒸気の性状を的確に監視可能な地熱発電用蒸気性状監視装置、地熱発電システム、地熱発電用蒸気性状監視方法、及び、地熱発電システム制御方法を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視装置は、
地熱発電用の蒸気から採取された採取蒸気を冷却して蒸気ドレン水を生成可能な冷却器と、
前記蒸気ドレン水に、pH調整剤及び酸化剤のうち一方又は両方を薬剤として添加可能な薬剤添加部と、
前記薬剤と前記蒸気ドレン水とを混合させ、混合水を生成可能な混合器と、
前記混合水における反応を促進させ、前記反応により生成した硫化水素ガスを前記混合水から脱気可能な反応促進装置と、
前記反応促進装置によって脱気された前記混合水の性状を分析可能な分析装置と、
前記反応促進装置によって脱気された前記混合水のpH及び還元性硫黄濃度のうち一方又は両方を測定可能な少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサの測定結果に基づいて、前記薬剤添加部による前記薬剤の添加量、前記薬剤の種類及び前記反応促進装置の運転条件のうち一つ以上を変更するように構成された制御装置と、
を備える。
水溶液中におけるHSの存在形態は、水溶液のpHに応じて変化し、アルカリ性側ではS2−イオンの状態で存在し、酸性側ではHSガスとして存在する。このため、混合水からS2−イオンを除去するには、混合水のpHを酸性側に保ってHSガスの状態で存在させ、HSガスを混合水から脱気すると効率が良い。ただし、蒸気ドレン水の性状によって、pHを酸性にするために必要な薬剤の添加量は異なる。
一方、混合水にpH調整剤又は酸化剤を添加したときに、混合水に含まれているHSの濃度によって、HS濃度が低下するのに要する時間が変化する。このため、還元性硫黄の濃度に応じて反応促進装置の運転条件を変更すれば、HSガスを確実に除去することができる。
そこで、上記構成(1)では、脱気された混合水のpH及び還元性硫黄濃度のうち一方又は両方に基づいて、薬剤の添加量、薬剤の種類及び反応促進装置の運転条件のうち一つ以上を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを効率的又は確実に除去することができる。この結果として、上記構成(1)によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記薬剤添加部は、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加可能であり、
前記少なくとも1つのセンサは、前記混合水のpHを測定可能なpH計と、前記混合水の還元性硫黄濃度を測定可能な濃度計とを含み、
前記制御装置は、前記混合水のpH及び還元性硫黄濃度に基づいて、前記薬剤添加部による前記pH調整剤の添加量及び前記反応促進装置の運転条件を変更するように構成されている。
上記構成(2)によれば、脱気された混合水のpH及び還元性硫黄濃度の両方に基づいて、薬剤の添加量及び反応促進装置の運転条件の両方を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを効率的且つ確実に除去することができる。この結果として、上記構成(2)によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記薬剤添加部は、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加可能であり、
前記少なくとも1つのセンサは、前記混合水のpHを測定可能なpH計であり、
前記制御装置は、前記混合水のpHに基づいて、前記薬剤添加部による前記pH調整剤の添加量を変更するように構成されている。
上記構成(3)によれば、脱気された混合水のpHに基づいて、pH調整剤の添加量を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、簡単な構成にて、混合水からHSを効率的に除去することができる。この結果として、上記構成(3)によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記薬剤添加部は、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加可能であり、
前記センサは、前記混合水の還元性硫黄濃度を測定可能な濃度計であり、
前記制御装置は、前記混合水の還元性硫黄濃度に基づいて、前記反応促進装置の運転条件を変更するように構成されている。
上記構成(4)によれば、脱気された混合水の還元性硫黄濃度に基づいて、反応促進装置の運転条件を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを確実に除去することができる。この結果として、上記構成(4)によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(4)の何れか1つにおいて、
前記反応促進装置によって脱気された前記混合水の流れを、前記分析装置に繋がる分析用ラインと、前記センサに繋がる監視用ラインとに分岐可能な分岐部を備える。
センサによっては、その測定原理上、自身が有する分析対象と同じ成分を混合水中に流出させてしまうものがあり、センサでの測定によって分析装置による分析に影響が出る虞がある。
この点、上記構成(5)によれば、混合水の流れが、分岐部によって、分析装置に繋がる分析用ラインと、センサに繋がる監視用ラインとに分岐されるので、センサによる測定が、分析装置による分析に影響を及ぼすことはない。この結果として、上記構成(5)によれば、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(5)の何れか1つにおいて、
前記反応促進装置によって脱気された前記混合水の流れを、前記分析装置に供給するか否か切り替え可能な切替部を有し、
前記制御装置は、前記センサによる測定値が規定範囲から外れている場合、前記反応促進装置によって脱気された前記混合水が前記分析装置に供給されないように前記切替部を制御するように構成されている。
上記構成(6)によれば、センサによる測定値が規定範囲から外れている場合、切替部によって、分析装置に混合水が供給されないので、分析装置による分析を停止又は中断することができる。この結果として、上記構成(6)によれば、不的確な分析が行われることが防止され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係る地熱発電システムは、
少なくとも1つの生産井より噴出した蒸気を含む熱水から前記蒸気を分離する汽水分離器と、
前記汽水分離器で分離された前記蒸気を利用して動力を出力可能な蒸気タービンと、
前記蒸気タービンが出力した動力を利用して発電可能な発電機と、
上記構成(1)乃至(6)の何れか1つに記載の地熱発電用蒸気性状監視装置と、
前記分析装置の分析結果に応じて、前記少なくとも1つの生産井の変更、前記汽水分離器の運転条件の変更、前記蒸気タービンに供給される蒸気からのミスト除去条件の変更、及び、前記蒸気タービンの洗浄のうち一つ以上の実施を命令するように構成されている発電システム制御装置と、
を備える。
上記構成(7)によれば、上記構成(1)乃至(6)の何れか1つの地熱発電用蒸気性状監視装置によって蒸気の性状を的確に監視することができる。そして、分析装置の分析結果に応じて、少なくとも1つの生産井の変更、汽水分離器の運転条件の変更、蒸気タービンに供給される蒸気からのミスト除去条件の変更、及び、前記蒸気タービンの洗浄のうち一つ以上が実行されるので、蒸気タービンに供給される蒸気の水質に応じて的確に対策を行うことができる。この結果として、上記構成(7)によれば、地熱発電システムの信頼性を高めることができる。
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視方法は、
地熱発電用の蒸気から採取された採取蒸気を冷却して蒸気ドレン水を生成する冷却工程と、
前記蒸気ドレン水に、pH調整剤及び酸化剤のうち一方又は両方を薬剤として添加する薬剤添加工程と、
前記薬剤と前記蒸気ドレン水とを混合させ、混合水を生成する混合工程と、
前記混合水における反応を促進させ、前記反応により生成した硫化水素ガスを前記混合水から脱気可能な反応促進工程と、
前記反応促進工程にて脱気された前記混合水の性状を分析する分析工程と、
前記反応促進工程にて脱気された前記混合水のpH及び還元性硫黄濃度のうち一方又は両方を測定する測定工程と、
前記測定工程の測定結果に基づいて、前記薬剤添加工程での前記薬剤の添加量、前記薬剤の種類及び前記反応促進工程の実施条件のうち一つ以上を変更する、前処理条件変更工程と、
を備える。
上記構成(8)では、脱気された混合水のpH及び還元性硫黄濃度のうち一方又は両方に基づいて、薬剤の添加量、薬剤の種類及び反応促進工程の実施条件のうち一つ以上を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを効率的又は確実に除去することができる。この結果として、上記構成(8)によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記構成(8)において、
前記薬剤添加工程において、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加し、
前記測定工程において、前記混合水のpH及び還元性硫黄濃度を測定し、
前記前処理条件変更工程において、前記混合水のpH及び還元性硫黄濃度に基づいて、前記薬剤添加工程における前記pH調整剤の添加量及び前記反応促進工程の実施条件を変更する。
上記構成(9)によれば、脱気された混合水のpH及び還元性硫黄濃度の両方に基づいて、薬剤の添加量及び反応促進工程の実施条件の両方を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを効率的且つ確実に除去することができる。この結果として、上記構成(9)によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記構成(8)において、
前記薬剤添加工程において、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加し、
前記測定工程において、前記混合水のpHを測定し、
前記前処理条件変更工程において、前記混合水のpHに基づいて、前記薬剤添加工程における前記pH調整剤の添加量を変更する。
上記構成(10)によれば、脱気された混合水のpHに基づいて、pH調整剤の添加量を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、簡単な構成にて、混合水からHSを効率的に除去することができる。この結果として、上記構成(10)によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記構成(8)において、
前記薬剤添加工程において、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加し、
前記測定工程において、前記混合水の還元性硫黄濃度を測定し、
前記前処理条件変更工程において、前記混合水の還元性硫黄濃度に基づいて、前記反応促進工程の実施条件を変更するように構成されている。
上記構成(11)によれば、脱気された混合水の還元性硫黄濃度に基づいて、反応促進工程の実施条件を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを確実に除去することができる。この結果として、上記構成(11)によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記構成(8)乃至(11)の何れか1つにおいて、
前記反応促進工程によって脱気された前記混合水の流れを、前記分析工程に供される分析用の流れと、前記測定工程に供される監視用の流れとに分岐する分岐工程を備える。
測定工程で用いられるセンサによっては、その測定原理上、自身が有する分析対象と同じ成分を混合水中に流出させてしまうものがあり、センサでの測定によって、分析工程での分析に影響が出る虞がある。
この点上記構成(12)によれば、混合水の流れが、分析用の流れと、監視用の流れとに分岐されるので、測定工程での測定が、分析工程での分析に影響を及ぼすことはない。この結果として、上記構成(12)によれば、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記構成(8)乃至(12)の何れか1つにおいて、
前記測定工程で得られた測定値が規定範囲から外れている場合、前記分析工程の実施を停止又は中断する。
上記構成(13)によれば、測定工程で得られた測定値が規定範囲から外れている場合、分析工程の実施が停止又は中断されるので、不的確な分析が行われることが防止され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
(14)本発明の一実施形態に係る地熱発電システム制御方法は、
少なくとも1つの生産井より噴出した蒸気を含む熱水から地熱発電用の蒸気を分離する汽水分離工程と、
前記地熱発電用の蒸気を利用して蒸気タービンに動力を出力させる出力工程と、
前記蒸気タービンが出力した動力を利用して発電機に発電させる発電工程と、
上記構成(8)乃至(13)の何れか1つの地熱発電用蒸気性状監視方法と、
前記分析工程の分析結果に応じて、前記少なくとも1つの生産井の変更、前記汽水分離工程の実施条件の変更、前記蒸気タービンに供給される蒸気からのミスト除去条件の変更、及び、前記蒸気タービンの洗浄のうちいずれか一つ以上を実施する、水質対策工程と、
を備える。
上記構成(14)によれば、上記構成(8)乃至(13)の何れか1つの地熱発電用蒸気性状監視方法によって蒸気の性状を的確に監視することができる。そして、分析工程の分析結果に応じて、少なくとも1つの生産井の変更、汽水分離工程の実施条件の変更、蒸気タービンに供給される蒸気からのミスト除去条件の変更、及び、蒸気タービンの洗浄のうち一つ以上が実行されるので、蒸気タービンに供給される蒸気の水質に応じて、的確な対策を行うことができる。この結果として、上記構成(14)によれば、地熱発電システムの信頼性を高めることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、蒸気の性状によらずに、蒸気の性状を的確に監視可能な地熱発電用蒸気性状監視装置、地熱発電システム、地熱発電用蒸気性状監視方法、及び、地熱発電システム制御方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る地熱発電システムの概略的な構成を示す図である。 本発明の他の一実施形態に係る地熱発電システムの概略的な構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視装置の概略的な構成を示す図である。 本発明の他の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視装置の概略的な構成を示す図である。 本発明の他の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視装置の概略的な構成を示す図である。 本発明の他の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視装置の概略的な構成を示す図である。 水溶液のpHとHSの平衡状態との関係を概略的に示すグラフである。 性状の異なる蒸気ドレン水に硫酸を添加したときの滴定曲線を示すグラフである。 反応促進装置における、HS濃度の経時変化を示すグラフである。 図3〜図6の地熱発電用蒸気性状監視装置に適用可能な反応促進装置の概略的な構成を示す図である。 図3〜図6の地熱発電用蒸気性状監視装置に適用可能な他の反応促進装置の概略的な構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る地熱発電システム制御方法の概略的な手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視方法の概略的な手順を示すフローチャートである。 本発明の他の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視方法の概略的な手順を示すフローチャートである。 本発明の他の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視方法の概略的な手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹突起や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る地熱発電システム1aの概略的な構成を示す図である。図2は、本発明の他の一実施形態に係る地熱発電システム1bの概略的な構成を示す図である。図3は、本発明の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視装置2aの概略的な構成を示す図である。図4は、本発明の他の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視装置2bの概略的な構成を示す図である。図5は、本発明の他の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視装置2cの概略的な構成を示す図である。図6は、本発明の他の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視装置2dの概略的な構成を示す図である。
なお、以下の説明では、地熱発電システム1a,1bを一括して地熱発電システム1とも称し、地熱発電用蒸気性状監視装置2a〜2dを一括して地熱発電用蒸気性状監視装置2とも称する。
図1及び図2に示したように、本発明の実施形態に係る地熱発電システム1は、汽水分離器6と、蒸気タービン8と、発電機10と、地熱発電用蒸気性状監視装置2と、発電システム制御装置12とを有している。
汽水分離器6は、少なくとも1つの生産井14より噴出した蒸気を含む熱水から蒸気を分離可能である。例えば、汽水分離器6は旋回式の気液分離器である。生産井14は、例えば地下500m〜4000m下にて発生する高圧熱水の地下滞留層(図示せず)から、天然の高圧熱水(地熱蒸気)を採取するための井戸である。高圧の熱水は、地上までの上昇中に圧力が急低下するため、一部が蒸気へと気化し、地上においては熱水(液体)と蒸気(気体)とが混在した二相流となっている。そして、汽水分離器6は、生産井14に配管によって接続され、生産井14から採取された二相流は、汽水分離器6によって熱水(液体)と蒸気(気体)とに分離される。汽水分離器6によって分離された熱水は、例えば、熱水還元井16に戻され、地下滞留層へと送り戻され、高圧熱水として再利用される。
蒸気タービン8は、例えば軸流タービンであり、汽水分離器6と配管によって接続されている。蒸気タービン8は、汽水分離器6で分離された蒸気を利用して動力を出力可能である。
発電機10は、蒸気タービン8のロータに連結され、蒸気タービン8が出力した動力を利用して発電可能である。
地熱発電用蒸気性状監視装置2は、後述するように、蒸気タービン8に供給される蒸気を採取し、蒸気の性状を分析可能である。
発電システム制御装置12は、例えば、CPU(中央演算処理装置)、メモリ、外部記憶装置、及び、入出力部を有するコンピュータによって構成される。発電システム制御装置12は、地熱発電用蒸気性状監視装置2による分析結果に応じて、生産井14の変更、汽水分離器6の運転条件の変更、蒸気タービン8に供給される蒸気からのミスト除去条件の変更、及び、蒸気タービン8の洗浄のうち一つ以上の実施を命令するように構成されている。
上記構成によれば、後述するように、地熱発電用蒸気性状監視装置2によって蒸気の性状を的確に監視することができる。そして、地熱発電用蒸気性状監視装置2の分析装置の分析結果に応じて、生産井14の変更、汽水分離器6の運転条件の変更、蒸気タービン8に供給される蒸気からのミスト除去条件の変更、及び、蒸気タービン8の洗浄のうち一つ以上が実行されるので、蒸気タービン8に供給される蒸気の水質に応じて的確に対策を行うことができる。この結果として、上記構成によれば、地熱発電システム1の信頼性を高めることができる。
また、上記構成によれば、後述するように、地熱発電用蒸気性状監視装置2によって蒸気の性状を連続的若しくは間欠的に自動的に監視し、蒸気タービン8に供給される蒸気の水質に応じて対策を自動的に適時行うことができる。この結果として、上記構成によれば、地熱発電システム1の信頼性を人の手を煩わせること無く高めることができる。
幾つかの実施形態では、図2に示したように、地熱発電システム1bは、複数の生産井14から選択的に高圧熱水を採取可能であり、生産井14に対応して複数の地熱発電用蒸気性状監視装置2が設けられている。発電システム制御装置12は、複数の地熱発電用蒸気性状監視装置2の分析装置の分析結果に応じて、高圧熱水を採取する生産井14を変更可能に構成されている。例えば、発電システム制御装置12は、蒸気中の塩素、シリカ、及び全鉄等の濃度が低くなるよう、高圧熱水を採取する生産井14を変更可能に構成されている。
幾つかの実施形態では、汽水分離器6は旋回式であり、汽水分離器6の運転条件、例えば流量やサイクロンの条件、を変更可能である。発電システム制御装置12は、地熱発電用蒸気性状監視装置2の分析装置の分析結果に応じて、汽水分離器6の運転条件を変更可能に構成されている。汽水分離器6の運転条件を変更することにより、汽水分離器6から送り出される蒸気に含まれるミストを低減することができる。これにより、ミストとともに、塩素、シリカ及び全鉄等が蒸気タービン8に送られることを抑制することができる。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示したように、地熱発電システム1は、汽水分離器6と蒸気タービン8との間に、ミストセパレータ18を有している。ミストセパレータ18では、汽水分離器6において十分に分離できなかった蒸気中のミスト(液体)が除去される。例えば、ミストセパレータ18は、蒸気に水を噴霧することにより、蒸気中のミストを除去可能である。発電システム制御装置12は、地熱発電用蒸気性状監視装置2の分析装置の分析結果に応じて、ミストセパレータ18に供給する水量を制御することにより、蒸気からのミスト除去条件を変更可能に構成されている。ミストを除去することで、ミストに溶解している塩素、シリカ及び全鉄等を除去することができる。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示したように、地熱発電システム1は、蒸気タービン8のタービンノズル(図示せず)を洗浄するための洗浄装置20を有する。洗浄装置20は、タービンノズルに水を噴射することによって、タービンノズルを洗浄可能である。発電システム制御装置12は、地熱発電用蒸気性状監視装置2の分析装置の分析結果に応じて、洗浄装置20を制御することにより、蒸気タービン8を洗浄可能に構成されている。蒸気タービン8を洗浄することで、蒸気タービンに付着している塩素、シリカ及び全鉄等を除去することができる。
幾つかの実施形態では、地熱発電システム1は、復水器22及び冷却塔24を有している。
復水器22は、蒸気タービン8から排出された蒸気を冷却して凝縮させ復水にすることができる。
冷却塔24は、復水器22から送られてきた復水から気化熱を奪うことによって復水を冷却可能であり、冷却後の復水が復水器22に戻される。復水器22は、冷却塔24で冷却された復水を利用して、蒸気を冷却可能である。
幾つかの実施形態では、図1に示したように、地熱発電システム1は、熱水タンク26及びサイレンサ28を有する。汽水分離器6で分離された熱水は、熱水タンク26を介して、熱水還元井16に戻される。一方、サイレンサ28通じて、乾き蒸気を大気開放可能である。
幾つかの実施形態では、復水器22から非凝縮性ガスを抽出する抽気装置29を有する。非凝縮性ガスは、冷却塔24に導かれ、多量の空気で濃度が薄められてから放出される。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示したように、地熱発電システム1は、蒸気貯留部30を有する。汽水分離器6によって熱水から分離された蒸気は、蒸気貯留部30を経由したのち、蒸気タービン8へと送られる。ミストセパレータ18が設けられている場合には、蒸気は、蒸気貯留部30及びミストセパレータ18を経由したのち、蒸気タービン8へと送られる。
図3〜図6に示したように、本発明の実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視装置2は、冷却器(第1冷却器)32、薬剤添加部34、混合器36、反応促進装置38、分析装置40、センサ42、及び、制御装置44を有する。
冷却器32は、地熱発電用の蒸気から採取された採取蒸気を冷却して蒸気ドレン水を生成可能である。例えば、採取蒸気は、汽水分離器6と蒸気タービン8との間を延びる蒸気管46に取り付けられた採取管47によって採取され、冷却器32に供給される。冷却器32は、例えば、冷却水と蒸気との間で熱交換を行う熱交換器である。
薬剤添加部34は、蒸気ドレン水に、pH調整剤及び酸化剤のうち一方又は両方を薬剤として添加可能である。薬剤添加部34は、例えば、薬剤を貯留可能な薬剤タンク48と、薬剤タンク48と蒸気ドレン水の流路との間に設けられた薬剤ポンプ49とを含む。
pH調整剤としては、硫酸を用いることができる。pH調整剤は、混合水のpHを酸性側に変化させ、混合水中のS2−イオンやHSイオンをHSガスへと変化させる機能を有する。なお、pH調整剤としては、硫酸が適しているが、分析装置40による分析やセンサ42による監視に影響を及ぼさなければ、硫酸以外の他の酸等を使用してもよい。
酸化剤としては、過酸化水素水を用いることができる。過酸化水素水は、混合水中のS2−イオンやHSイオンをSO 2−イオンへと変化させる機能を有する。過酸化水素水によれば、S2−イオンを酸化することができるのみならず、硫酸の生成により混合水のpHを低下させることもできる。なお、酸化剤としては、過酸化水素水が適しているが、分析装置40による分析やセンサ42による監視に影響を及ぼさなければ、過酸化水素水以外の酸化剤を使用してもよい。
混合器36は、薬剤と蒸気ドレン水とを混合させ、混合水を生成可能である。混合器36では、薬剤と蒸気ドレン水とが混合されればよく、例えば、自然滞留混合される。
反応促進装置38では、混合水における反応を促進させ、反応により生成した硫化水素ガスを混合水から脱気可能である。
分析装置40は、反応促進装置38によって脱気された混合水(分析試料)の性状を分析可能である。
例えば、分析装置40では、蒸気純度の指標である蒸気中のCl(塩素)、SiO(シリカ)及びT−Fe(全鉄)のうち一つ以上の分析がオンラインで連続測定可能となる。
連続測定には、例えばフローインジェクション分析法(flow injection analysis:FIA法)により行うことができる。このFIA分析法は例えば内径1mm程度の細いチューブ内を連続的に流れる液体(キャリアー溶液)に試料を導入して、別の連続的に流れる(試料と特異的な化学反応する)反応試薬と混合・反応させ、分析するものである。
蒸気中のCl濃度は、イオンクロマトグラフ法、吸光光度分析法、滴定法、イオン電極法により求めることができる。
蒸気中のSiO濃度は、吸光光度分析法により求めることができる。
蒸気中のT−Fe濃度は吸光光度分析法により求めることができる。
管理値は、例えばClの場合には0.5ppm以下、SiOの場合には0.1ppm以下、T−Feの場合には0.1ppm以下である。
少なくとも1つのセンサ42は、反応促進装置38によって脱気された混合水のpH及び還元性硫黄濃度(S2−イオン濃度)のうち一方又は両方を測定可能である。
少なくとも1つのセンサは、pHを測定可能なpH計50及び還元性硫黄濃度を測定可能な濃度計52のうち一方又は両方を含む。
濃度計52としては、例えば、硫化物イオン電極、ORP計(酸化還元電位計)又は自動滴定計を用いることができる。
制御装置44は、少なくとも1つのセンサ42の測定結果に基づいて、薬剤添加部34による薬剤の添加量、添加剤の種類及び反応促進装置38の運転条件のうち一つ以上を変更するように構成されている。
反応促進装置38の運転条件としては、混合水の滞留時間、混合水の加熱温度、及び、混合水とガスを接触させて脱気させる場合には窒素ガスや空気等のガスの供給量の調整を例示することができ、制御装置44は、これらのうち一つ以上の調整を行うことができる。
ここで図7は、水溶液のpHとHSの平衡状態との関係を概略的に示すグラフである。図8は、性状の異なる蒸気ドレン水に硫酸を添加したときの滴定曲線を示すグラフである。図9は、反応促進装置38における、HS濃度の経時変化を示すグラフである。
図7に示したように、水溶液中におけるHSの存在形態は、水溶液のpHに応じて変化し、アルカリ性側ではS2−イオンの状態で存在し、酸性側ではHSガスとして存在する。このため、混合水からS2−イオンを除去するには、混合水のpHを酸性側に保ってHSガスの状態で存在させ、HSガスを混合水から脱気すると効率が良い。ただし、図8に示したように、蒸気ドレン水の性状によって、pHを酸性にするために必要な薬剤の添加量は異なる。
一方、図9に示したように、混合水にpH調整剤又は酸化剤を添加したときに、混合水に含まれているHSの濃度によって、HS濃度が低下するのに要する時間が変化する。このため、還元性硫黄の濃度に応じて反応促進装置38の運転条件を変更すれば、HSガスを確実に除去することができる。
そこで、上記構成では、脱気された混合水のpH及び還元性硫黄濃度のうち一方又は両方に基づいて、薬剤の添加量、薬剤の種類及び反応促進装置38の運転条件のうち一つ以上を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを効率的又は確実に除去することができる。この結果として、上記構成によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、図3に示した地熱発電用蒸気性状監視装置2aのように、薬剤添加部34は、薬剤として、pH調整剤を蒸気ドレン水に添加可能であり、少なくとも1つのセンサ42は、混合水のpHを測定可能なpH計50と、混合水の還元性硫黄濃度を測定可能な濃度計52とを含む。
そして、制御装置44は、混合水のpH及び還元性硫黄濃度に基づいて、薬剤添加部34によるpH調整剤の添加量及び反応促進装置38の運転条件を変更するように構成されている。
上記構成によれば、脱気された混合水のpH及び還元性硫黄濃度の両方に基づいて、薬剤の添加量及び反応促進装置38の運転条件の両方を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを効率的且つ確実に除去することができる。この結果として、上記構成によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、地熱発電用蒸気性状監視装置2aの制御装置44は、pH計50によって測定された混合水のpHが4を超えている場合、薬剤の添加量を増量するように構成されている。
幾つかの実施形態では、地熱発電用蒸気性状監視装置2aの制御装置44は、濃度計52によって測定された混合水の還元性硫黄濃度が1ppmを超えている場合、反応促進装置38における混合水の滞留時間を延長するように構成されている。
幾つかの実施形態では、図4に示した地熱発電用蒸気性状監視装置2bのように、薬剤添加部34は、薬剤として、pH調整剤を蒸気ドレン水に添加可能であり、少なくとも1つのセンサ42は、混合水のpHを測定可能なpH計50である。
そして、制御装置44は、混合水のpHに基づいて、薬剤添加部34によるpH調整剤の添加量を変更するように構成されている。
上記構成によれば、脱気された混合水のpHに基づいて、pH調整剤の添加量を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、簡単な構成にて、混合水からHSを効率的に除去することができる。この結果として、上記構成によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、地熱発電用蒸気性状監視装置2bの制御装置44は、pH計50によって測定された混合水のpHが4を超えている場合、薬剤の添加量を増量するように構成されている。
幾つかの実施形態では、図5に示した地熱発電用蒸気性状監視装置2cのように、薬剤添加部34は、薬剤として、pH調整剤を蒸気ドレン水に添加可能であり、センサ42は、混合水の還元性硫黄濃度を測定可能な濃度計52である。
そして、制御装置44は、混合水の還元性硫黄濃度に基づいて、反応促進装置38の運転条件を変更するように構成されている。
上記構成によれば、脱気された混合水の還元性硫黄濃度に基づいて、反応促進装置38の運転条件を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを確実に除去することができる。この結果として、上記構成によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、地熱発電用蒸気性状監視装置2cの制御装置44は、濃度計52によって測定された混合水の還元性硫黄濃度が1ppmを超えている場合、反応促進装置38における混合水の滞留時間を延長するように構成されている。
幾つかの実施形態では、図3〜図5に示したように、地熱発電用蒸気性状監視装置2は、反応促進装置38によって脱気された混合水の流れを、分析装置40に繋がる分析用ライン54と、センサ42に繋がる監視用ライン56とに分岐可能な分岐部58を有している。
センサ42によっては、その測定原理上、自身が有する分析対象と同じ成分を混合水中に流出させてしまうものがあり、センサ42での測定によって分析装置40による分析に影響が出る虞がある。
この点、上記構成によれば、混合水の流れが、分岐部58によって、分析装置40に繋がる分析用ライン54と、センサ42に繋がる監視用ライン56とに分岐されるので、センサ42による測定が、分析装置40による分析に影響を及ぼすことはない。この結果として、上記構成によれば、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、図6に示したように、混合水の流れから、分析用の混合水を取り分けた後に、混合水がセンサ42に供給される。
上記構成によれば、混合水の流れから、分析用の混合水を取り分けた後に、混合水がセンサ42に供給されるので、センサ42による測定が、分析装置40による分析に影響を及ぼすことはない。この結果として、上記構成によれば、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、地熱発電用蒸気性状監視装置2は、反応促進装置38によって脱気された混合水の流れを、分析装置40に供給するか否か切り替え可能な切替部60を有する。切替部60は、例えば電磁開閉弁によって構成される。
そして、制御装置44は、センサ42による測定値が規定範囲から外れている場合、反応促進装置38によって脱気された混合水が分析装置40に供給されないように切替部60を制御するように構成されている。
上記構成によれば、センサ42による測定値が規定範囲から外れている場合、切替部60によって、分析装置40に混合水が供給されないので、分析装置40による分析を停止又は中断することができる。この結果として、上記構成によれば、不的確な分析が行われることが防止され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
例えば、pHの規定範囲は4以下であり、pHが4を超えている場合、分析装置40に混合水が供給されない。また、還元性硫黄濃度の規定範囲は1ppm以下であり、還元性硫黄濃度が1ppmを超えている場合、分析装置40に混合水が供給されない。なお、還元性硫黄濃度が1ppm以下であれば、pHが4を超えていても、分析装置40に混合水を供給して分析を行ってもよい。
図10は、地熱発電用蒸気性状監視装置2a〜2dに適用可能な反応促進装置38aの概略的な構成を示す図である。
図10に示した反応促進装置38aは、加熱用蒸気を利用して混合水を加熱可能な熱交換器である。具体的には、反応促進装置38aは、外筒62と、外筒62内に配置された内筒64とを有する。外筒62は、加熱用蒸気の入口及び出口を有し、外筒62と内筒64との間に区画された空間には、加熱用蒸気の流路が形成されている。内筒64には、混合水の入口、出口及び脱気されたガスの出口が設けられ、混合水の入口、出口、及びガスの出口には、外筒62を貫通してパイプが接続されている。
ガスの出口は、ガス管を介して冷却塔24に導かれ、多量の空気で薄められた後に放出される。
加熱用蒸気としては、採取管65を介して蒸気管46から採取された蒸気を用いることができる。加熱用蒸気の温度は、例えば、130℃〜180℃であり、混合水を沸点近くまで加熱することができる。沸点近くまでとは、例えば、沸点から20℃以内の温度である。
幾つかの実施形態では、反応促進装置38は、電気ヒータによって混合水を加熱するように構成されていてもよい。
幾つかの実施形態では、地熱発電用蒸気性状監視装置2は、図示しないけれども、反応促進装置38aから流出した混合水を、センサ42や分析装置40で分析する前に冷却するための冷却器(第2冷却器)を有している。
図11は、地熱発電用蒸気性状監視装置2a〜2dに適用可能な他の反応促進装置38bの概略的な構成を示す図である。
図11に示した反応促進装置38bは、ガスパージ式の脱気装置である。反応促進装置38bは、混合水の入口および出口を有する脱気槽66と、脱気槽66の底部に配置された散気管68とを有している。脱気槽66内の混合水に、散気管68から、例えば窒素(N)、酸素(O)又は空気等のパージガスの気泡を放出することで、混合水に溶解しているHSガスが、パージガスとともに混合水から排出される。
幾つかの実施形態では、反応促進装置38bの脱気槽66が加熱用蒸気又は電気ヒータによって加熱される。
図12は、本発明の一実施形態に係る地熱発電システム制御方法3の概略的な手順を示すフローチャートである。図13は、本発明の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視方法4aの概略的な手順を示すフローチャートである。図14は、本発明の他の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視方法4bの概略的な手順を示すフローチャートである。図15は、本発明の他の一実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視方法4cの概略的な手順を示すフローチャートである。
なお、以下の説明では、地熱発電用蒸気性状監視方法4a〜4cを一括して地熱発電用蒸気性状監視方法4とも称する。
図12に示した地熱発電システム制御方法3は、以下で説明するように、地熱発電システム1を用いて実施可能であるが、他の地熱発電システムを用いても実施可能である。
図12に示したように、地熱発電システム制御方法3は、汽水分離工程S12、出力工程S14、発電工程S16、地熱発電用蒸気性状監視方法4、及び、水質対策工程S22を含んでいる。
汽水分離工程S12では、少なくとも1つの生産井14より噴出した蒸気を含む熱水から地熱発電用の蒸気を分離する。
出力工程S14では、地熱発電用の蒸気を利用して蒸気タービン8に動力を出力させる。
発電工程S16では、蒸気タービン8が出力した動力を利用して発電機10に発電させる。
一方、地熱発電用蒸気性状監視方法4によって、後述するように、蒸気タービン8に供給される蒸気を採取し、蒸気の性状を分析する。
そして、水質対策工程S22では、地熱発電用蒸気性状監視方法4の分析工程の分析結果に応じて、少なくとも1つの生産井14の変更、汽水分離工程S12の実施条件の変更、蒸気タービン8に供給される蒸気からのミスト除去条件の変更、及び、蒸気タービン8の洗浄のうちいずれか一つ以上を実施する。
上記構成によれば、後述する地熱発電用蒸気性状監視方法4によって蒸気の性状を的確に監視することができる。そして、地熱発電用蒸気性状監視方法4の分析工程の分析結果に応じて、少なくとも1つの生産井14の変更、汽水分離工程S12の実施条件の変更、蒸気タービンに供給される蒸気からのミスト除去条件の変更、及び、蒸気タービンの洗浄のうち一つ以上が実行されるので、蒸気タービンに供給される蒸気の水質に応じて、的確な対策を行うことができる。この結果として、上記構成によれば、地熱発電システムの信頼性を高めることができる。
また、上記構成によれば、後述するように、地熱発電用蒸気性状監視方法4によって蒸気の性状を連続的若しくは間欠的に自動的に監視し、蒸気タービン8に供給される蒸気の水質に応じて対策を自動的に適時行うことができる。この結果として、上記構成によれば、地熱発電システム1の信頼性を人の手を煩わせること無く高めることができる。
幾つかの実施形態では、地熱発電システム制御方法3は、運転条件初期設定工程S10を有する。運転条件初期設定工程S10では、例えば、蒸気を採取する生産井14の初期設定、汽水分離工程S12の実施条件の初期設定、蒸気タービン8に供給される蒸気からのミスト除去条件の初期設定が行われる。
幾つかの実施形態では、地熱発電システム制御方法3は、地熱発電用蒸気性状監視方法4の分析工程によって得られた分析値が、管理値以下であるか否か判定する判定工程S20を有している。判定工程S20の判定結果が否定的なものである場合、水質対策工程S22が実施され、判定工程S20の判定結果が肯定的なものである場合、水質対策工程S22がスキップされる。
管理値は、例えば、Clの場合には0.5ppm以下、SiOの場合には0.1ppm以下、Feの場合には0.1ppm以下である。
図13〜図15に示した本発明の実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視方法4は、以下で説明するように、地熱発電用蒸気性状監視装置2を用いて実施可能であるが、他の地熱発電用蒸気性状監視装置を用いても実施可能である。
図13〜図15に示したように、本発明の実施形態に係る地熱発電用蒸気性状監視方法4は、冷却工程S32、薬剤添加工程S34、混合工程S36、反応促進工程S38、分析工程S48、測定工程S40、及び、前処理条件変更工程S44を有している。
冷却工程S32では、地熱発電用の蒸気から採取された採取蒸気を冷却して蒸気ドレン水を生成する。
薬剤添加工程S34では、蒸気ドレン水に、pH調整剤及び酸化剤のうち一方又は両方を薬剤として添加する。
混合工程S36では、薬剤と蒸気ドレン水とを混合させ、混合水を生成する。
反応促進工程S38では、混合水における反応を促進させ、反応により生成した硫化水素ガスを混合水から脱気する。
分析工程S48では、反応促進工程S38にて脱気された混合水の性状を分析する。
測定工程S40では、反応促進工程S38にて脱気された混合水のpH及び還元性硫黄濃度のうち一方又は両方を測定する。
前処理条件変更工程S44では、測定工程S40の測定結果に基づいて、薬剤添加工程S34での薬剤の添加量、薬剤の種類及び反応促進工程S38の実施条件のうち一つ以上を変更する。
上記構成では、脱気された混合水のpH及び還元性硫黄濃度のうち一方又は両方に基づいて、薬剤の添加量、薬剤の種類及び反応促進工程S38の実施条件のうち一つ以上を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを効率的又は確実に除去することができる。この結果として、上記構成によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、図13に示した地熱発電用蒸気性状監視方法4aのように、薬剤添加工程S34において、薬剤として、pH調整剤を蒸気ドレン水に添加し、測定工程S40としてのpH測定工程S40aにおいて混合水のpHを測定し、測定工程S40としての還元性硫黄濃度測定工程S40bにおいて還元性硫黄濃度を測定する。そして、前処理条件変更工程S44としての薬剤添加量変更工程S44aにおいて、混合水のpHに基づいて、薬剤添加工程S34におけるpH調整剤の添加量を変更し、前処理条件変更工程S44としての反応促進工程実施条件変更工程S44bにおいて、還元性硫黄濃度に基づいて、反応促進工程S38の実施条件を変更する。
上記構成によれば、脱気された混合水のpH及び還元性硫黄濃度の両方に基づいて、薬剤の添加量及び反応促進工程S38の実施条件の両方を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを効率的且つ確実に除去することができる。この結果として、上記構成によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、図14に示した地熱発電用蒸気性状監視方法4bのように、薬剤添加工程S34において、薬剤として、pH調整剤を蒸気ドレン水に添加し、測定工程S40としてのpH測定工程S40aにおいて、混合水のpHを測定し、前処理条件変更工程S44としての薬剤添加量変更工程S44aにおいて、混合水のpHに基づいて、薬剤添加工程S34におけるpH調整剤の添加量を変更する。
上記構成によれば、脱気された混合水のpHに基づいて、pH調整剤の添加量を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、簡単な構成にて、混合水からHSを効率的に除去することができる。この結果として、上記構成によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、図15に示した地熱発電用蒸気性状監視方法4cのように薬剤添加工程S34において、薬剤として、pH調整剤を蒸気ドレン水に添加し、測定工程S40としての還元性硫黄濃度測定工程S40bにおいて、混合水の還元性硫黄濃度を測定し、前処理条件変更工程S44としての反応促進工程実施条件変更工程S44bにおいて、混合水の還元性硫黄濃度に基づいて、反応促進工程S38の実施条件を変更するように構成されている。
上記構成によれば、脱気された混合水の還元性硫黄濃度に基づいて、反応促進工程S38の実施条件を変更することによって、混合水の性状、即ち、地熱発電用の蒸気の性状にかかわらずに、混合水からHSを確実に除去することができる。この結果として、上記構成によれば、分析の妨害物である硫化物の生成が抑制され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、反応促進工程S38によって脱気された混合水の流れを、分析工程S48に供される分析用の流れと、測定工程S40に供される監視用の流れとに分岐する分岐工程を備える。
測定工程S40で用いられるセンサ42によっては、その測定原理上、自身が有する分析対象と同じ成分を混合水中に流出させてしまうものがあり、センサ42での測定によって、分析工程S48での分析に影響が出る虞がある。
この点上記構成によれば、混合水の流れが、分析用の流れと、監視用の流れとに分岐されるので、測定工程S40での測定が、分析工程S48での分析に影響を及ぼすことはない。この結果として、上記構成によれば、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、図13〜図15に示したように、測定工程S40で得られた測定値が規定範囲から外れている場合、分析工程S48の実施を停止又は中断する。
上記構成によれば、測定工程S40で得られた測定値が規定範囲から外れている場合、分析工程S48の実施が停止又は中断されるので、不的確な分析が行われることが防止され、蒸気の性状を的確に監視することができる。
幾つかの実施形態では、地熱発電用蒸気性状監視方法4a,4bは、pH測定工程S40aで測定された混合水のpHが規定範囲内であるか否か判定する判定工程S42を有する。判定工程S42の判定結果が否定的なものである場合、薬剤添加量変更工程S44aが実施される。
例えば、pHの規定範囲は4以下であり、pHが4を超えている場合、薬剤添加量変更工程S44aが実施される。
幾つかの実施形態では、地熱発電用蒸気性状監視方法4a,4cは、還元性硫黄濃度測定工程S40bで測定された還元性硫黄濃度が規定範囲内であるか否か判定する判定工程S46を有する。
判定工程S46の判定結果が肯定的なものである場合、分析工程S48が実施され、否定的なものである場合、反応促進工程実施条件変更工程S44bが実施され、分析工程S48がスキップされる。
例えば、還元性硫黄濃度の規定値は1ppm以下であり、還元性硫黄濃度が1ppmを超えている場合、反応促進工程実施条件変更工程S44bが実施され、分析工程S48がスキップされる。
なお、地熱発電用蒸気性状監視方法4aの場合、還元性硫黄濃度が1ppm以下であれば、pHが4を超えていても、分析工程S48を行ってもよい。
幾つかの実施形態では、地熱発電用蒸気性状監視方法4は、前処理条件初期設定工程S30を有する。前処理条件初期設定工程S30では、例えば、薬剤の添加量の初期値、薬剤の初期の種類、及び、反応促進工程S38の実施条件の初期条件が設定される。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変更を加えた形態や、これらの形態を組み合わせた形態も含む。
例えば、地熱発電システム1に関連して説明した構成を地熱発電システム制御方法3に適用可能であり、その逆も可能である。
例えば、地熱発電用蒸気性状監視装置2に関連して説明した構成を地熱発電用蒸気性状監視方法4に適用可能であり、その逆も可能である。
例えば、上述した実施形態では、地熱発電用蒸気性状監視装置2及び地熱発電用蒸気性状監視方法4によって、塩素濃度、シリカ濃度及び全鉄濃度を分析したが、分析する成分はこれらに限定されることはなく、これら以外の成分を分析するようにしてもよい。
1,1a,1b 地熱発電システム
2,2a〜2d 地熱発電用蒸気性状監視装置
3 地熱発電システム制御方法
4,4a〜4c 地熱発電用蒸気性状監視方法
6 汽水分離器
8 蒸気タービン
10 発電機
12 発電システム制御装置
14 生産井
16 熱水還元井
18 ミストセパレータ
20 洗浄装置
22 復水器
24 冷却塔
26 熱水タンク
28 サイレンサ
29 抽気装置
30 蒸気貯留部
32 冷却器
34 薬剤添加部
36 混合器
38,38a,38b 反応促進装置
40 分析装置
42 センサ
44 制御装置
46 蒸気管
47 採取管
48 薬剤タンク
49 薬剤ポンプ
50 pH計
52 濃度計
54 分析用ライン
56 監視用ライン
58 分岐部
60 切替部
62 外筒
64 内筒
65 採取管
66 脱気槽
68 散気管

Claims (14)

  1. 地熱発電用の蒸気から採取された採取蒸気を冷却して蒸気ドレン水を生成可能な冷却器と、
    前記蒸気ドレン水に、pH調整剤及び酸化剤のうち一方又は両方を薬剤として添加可能な薬剤添加部と、
    前記薬剤と前記蒸気ドレン水とを混合させ、混合水を生成可能な混合器と、
    前記混合水における反応を促進させ、前記反応により生成した硫化水素ガスを前記混合水から脱気可能な反応促進装置と、
    前記反応促進装置によって脱気された前記混合水の性状を分析可能な分析装置と、
    前記反応促進装置によって脱気された前記混合水のpH及び還元性硫黄濃度のうち一方又は両方を測定可能な少なくとも1つのセンサと、
    前記少なくとも1つのセンサの測定結果に基づいて、前記薬剤添加部による前記薬剤の添加量、前記薬剤の種類及び前記反応促進装置の運転条件のうち一つ以上を変更するように構成された制御装置と、
    を備えることを特徴とする地熱発電用蒸気性状監視装置。
  2. 前記薬剤添加部は、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加可能であり、
    前記少なくとも1つのセンサは、前記混合水のpHを測定可能なpH計と、前記混合水の還元性硫黄濃度を測定可能な濃度計とを含み、
    前記制御装置は、前記混合水のpH及び還元性硫黄濃度に基づいて、前記薬剤添加部による前記pH調整剤の添加量及び前記反応促進装置の運転条件を変更するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の地熱発電用蒸気性状監視装置。
  3. 前記薬剤添加部は、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加可能であり、
    前記少なくとも1つのセンサは、前記混合水のpHを測定可能なpH計であり、
    前記制御装置は、前記混合水のpHに基づいて、前記薬剤添加部による前記pH調整剤の添加量を変更するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の地熱発電用蒸気性状監視装置。
  4. 前記薬剤添加部は、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加可能であり、
    前記センサは、前記混合水の還元性硫黄濃度を測定可能な濃度計であり、
    前記制御装置は、前記混合水の還元性硫黄濃度に基づいて、前記反応促進装置の運転条件を変更するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の地熱発電用蒸気性状監視装置。
  5. 前記反応促進装置によって脱気された前記混合水の流れを、前記分析装置に繋がる分析用ラインと、前記センサに繋がる監視用ラインとに分岐可能な分岐部を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の地熱発電用蒸気性状監視装置。
  6. 前記反応促進装置によって脱気された前記混合水の流れを、前記分析装置に供給するか否か切り替え可能な切替部を有し、
    前記制御装置は、前記センサによる測定値が規定範囲から外れている場合、前記反応促進装置によって脱気された前記混合水が前記分析装置に供給されないように前記切替部を制御するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の地熱発電用蒸気性状監視装置。
  7. 少なくとも1つの生産井より噴出した蒸気を含む熱水から前記蒸気を分離する汽水分離器と、
    前記汽水分離器で分離された前記蒸気を利用して動力を出力可能な蒸気タービンと、
    前記蒸気タービンが出力した動力を利用して発電可能な発電機と、
    請求項1乃至6の何れか1項に記載の地熱発電用蒸気性状監視装置と、
    前記分析装置の分析結果に応じて、前記少なくとも1つの生産井の変更、前記汽水分離器の運転条件の変更、前記蒸気タービンに供給される蒸気からのミスト除去条件の変更、及び、前記蒸気タービンの洗浄のうち一つ以上の実施を命令するように構成されている発電システム制御装置と、
    を備えることを特徴とする地熱発電システム。
  8. 地熱発電用の蒸気から採取された採取蒸気を冷却して蒸気ドレン水を生成する冷却工程と、
    前記蒸気ドレン水に、pH調整剤及び酸化剤のうち一方又は両方を薬剤として添加する薬剤添加工程と、
    前記薬剤と前記蒸気ドレン水とを混合させ、混合水を生成する混合工程と、
    前記混合水における反応を促進させ、前記反応により生成した硫化水素ガスを前記混合水から脱気可能な反応促進工程と、
    前記反応促進工程にて脱気された前記混合水の性状を分析する分析工程と、
    前記反応促進工程にて脱気された前記混合水のpH及び還元性硫黄濃度のうち一方又は両方を測定する測定工程と、
    前記測定工程の測定結果に基づいて、前記薬剤添加工程での前記薬剤の添加量、前記薬剤の種類及び前記反応促進工程の実施条件のうち一つ以上を変更する、前処理条件変更工程と、
    を備えることを特徴とする地熱発電用蒸気性状監視方法。
  9. 前記薬剤添加工程において、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加し、
    前記測定工程において、前記混合水のpH及び還元性硫黄濃度を測定し、
    前記前処理条件変更工程において、前記混合水のpH及び還元性硫黄濃度に基づいて、前記薬剤添加工程における前記pH調整剤の添加量及び前記反応促進工程の実施条件を変更する
    ことを特徴とする請求項8に記載の地熱発電用蒸気性状監視方法。
  10. 前記薬剤添加工程において、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加し、
    前記測定工程において、前記混合水のpHを測定し、
    前記前処理条件変更工程において、前記混合水のpHに基づいて、前記薬剤添加工程における前記pH調整剤の添加量を変更する
    ことを特徴とする請求項8に記載の地熱発電用蒸気性状監視方法。
  11. 前記薬剤添加工程において、前記薬剤として、前記pH調整剤を前記蒸気ドレン水に添加し、
    前記測定工程において、前記混合水の還元性硫黄濃度を測定し、
    前記前処理条件変更工程において、前記混合水の還元性硫黄濃度に基づいて、前記反応促進工程の実施条件を変更するように構成されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の地熱発電用蒸気性状監視方法。
  12. 前記反応促進工程によって脱気された前記混合水の流れを、前記分析工程に供される分析用の流れと、前記測定工程に供される監視用の流れとに分岐する分岐工程を備える
    ことを特徴とする請求項8乃至11の何れか1項に記載の地熱発電用蒸気性状監視方法。
  13. 前記測定工程で得られた測定値が規定範囲から外れている場合、前記分析工程の実施を停止又は中断する
    ことを特徴とする請求項8乃至12の何れか1項に記載の地熱発電用蒸気性状監視方法。
  14. 少なくとも1つの生産井より噴出した蒸気を含む熱水から地熱発電用の蒸気を分離する汽水分離工程と、
    前記地熱発電用の蒸気を利用して蒸気タービンに動力を出力させる出力工程と、
    前記蒸気タービンが出力した動力を利用して発電機に発電させる発電工程と、
    請求項8乃至13の何れか1項に記載の地熱発電用蒸気性状監視方法と、
    前記分析工程の分析結果に応じて、前記少なくとも1つの生産井の変更、前記汽水分離工程の実施条件の変更、前記蒸気タービンに供給される蒸気からのミスト除去条件の変更、及び、前記蒸気タービンの洗浄のうちいずれか一つ以上を実施する、水質対策工程と、
    を備える
    ことを特徴とする地熱発電システム制御方法。
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