JP2018091176A - 流量制御弁 - Google Patents

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祐輔 犬飼
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Abstract

【課題】吐出口から吐出される流量制御後(絞り後)の潤滑油の油圧の増加を抑制することができる内燃機関の流量制御弁を提供する。【解決手段】摺動部111、供給口112、吐出口113及び導入口114が形成される弁本体110と、摺動位置に応じて吐出口113の開口面積を調節可能であると共に摺動部111を第一油圧室R1と第二油圧室R2とに区画するスプール120と、スプール120を吐出口113の開口面積が大きくなる第一の方向へと付勢するスプリング130と、を具備し、スプール120は、前記第一の方向に向かって第一油圧室R1の油圧を受ける第三拡径面122aと、第三拡径面122aよりも面積が大きくなるように形成され、前記第一の方向と反対の第二の方向に向かって第一油圧室R1の油圧を受ける第二拡径面121bと、前記第二の方向に向かって第二油圧室R2の油圧を受ける第四拡径面122bと、を具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑油の流量を制御する内燃機関の流量制御弁の技術に関する。
従来、潤滑油の流量を制御する内燃機関の流量制御弁の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、潤滑油の供給口及び吐出口が形成されたハウジング内にスプールが摺動可能に配置され、摺動位置に応じて前記供給口の開口面積を調節可能とすることで潤滑油の流量を制御する流量制御弁が記載されている。当該流量制御弁においてスプールは、吐出口から吐出された潤滑油の油圧によって供給口の開口面積が小さくなる第一の方向へ付勢されると共に、スプリングによって供給口の開口面積が大きくなる第二の方向(第一の方向の反対方向)へ付勢されており、これら付勢力の釣り合いによって供給口の開口面積(すなわち潤滑油の流量)が制御される。
特許文献1に記載の技術によれば、供給口から供給される潤滑油の油圧が増大すると、スプールは、吐出口から吐出される潤滑油の油圧によって第一の方向に移動することとなる。これにより、供給口の開口面積を小さくすることができ、ひいては吐出口から吐出される潤滑油の流量を低減することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、スプールが第一の方向へ移動すると、スプリングが収縮し、スプリングのばね荷重は、当該スプリングの収縮に伴って増大する。このばね荷重の増大分によって、スプールは、供給口の開口面積が大きくなる第二の方向に押圧される。その結果、吐出口から吐出される潤滑油の流量が十分に低減されず、当該潤滑油の油圧が増加してしまうという問題があった。
特開2015−209787号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、吐出口から吐出される流量制御後(絞り後)の潤滑油の油圧の増加を抑制することができる内燃機関の流量制御弁を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、油圧室、圧送された潤滑油を前記油圧室へと供給する供給口、前記油圧室の潤滑油を吐出する吐出口、及び前記吐出口から吐出された潤滑油を前記油圧室へと導入する導入口が形成されるハウジングと、前記油圧室に摺動可能に配置され、摺動位置に応じて前記供給口又は前記吐出口の開口面積を調節可能であると共に、前記油圧室を、前記供給口及び前記吐出口が連通される第一油圧室と前記導入口が連通される第二油圧室とに区画するスプールと、前記スプールを、前記供給口又は前記吐出口の開口面積が大きくなる第一の方向へと付勢するスプリングと、を具備し、前記スプールは、前記第一の方向に向かって前記第一油圧室の油圧を受ける第一受圧面と、前記第一受圧面よりも面積が大きくなるように形成され、前記第一の方向と反対の第二の方向に向かって前記第一油圧室の油圧を受ける第二受圧面と、前記第二の方向に向かって前記第二油圧室の油圧を受ける第三受圧面と、を具備するものである。
請求項2においては、前記スプールは、前記供給口を常に全開にすると共に、前記吐出口の開口面積を調節可能に形成されているものである。
請求項3においては、下記の式が成り立つように形成されているものである。
spr1+ΔFspr=P+P(A−A
但し、A:前記第三受圧面の面積
:前記第一受圧面の面積
:前記第二受圧面の面積
:前記第一油圧室の油圧
:前記第二油圧室の油圧
spr1:前記スプリングの初期状態のばね荷重
ΔFspr:kx(k:前記スプリングのばね定数、x:前記スプールのストローク)
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、吐出口から吐出される流量制御後(絞り後)の潤滑油の油圧の増加を抑制することができる。
請求項2においては、流量制御前(絞り前)の潤滑油の圧力を、第一受圧面及び第二受圧面に直接付与することができるため、スプリングの収縮に伴うばね荷重の増加を相殺し易くすることができる。
請求項3においては、吐出口から吐出される流量制御後(絞り後)の潤滑油の油圧を一定とすることができる。
本発明の一実施形態に係る流量制御弁を具備する潤滑油供給機構を示した側面断面図。 潤滑油供給機構における潤滑油の流れを示した側面断面図。 スプールに付与される力を示した潤滑油供給機構の側面断面図。 スプールが左方へ摺動した状態を示した潤滑油供給機構の側面断面図。 給油圧と吐出油圧との関係を示した図。 (a)給油圧とスプールのストローク(摺動距離)との関係を示した図。(b)給油圧とスプリングのばね荷重との関係を示した図。(c)給油圧と、スプールに付与される第一油圧室の油圧との関係を示した図。 (a)スプールのストロークと、スプールに付与される第一油圧室の油圧及びスプリングのばね荷重の増大分それぞれとの関係を示した図。(b)エンジン回転数と吐出油量との関係を示した図。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態に係る流量制御弁100を具備する潤滑油供給機構1の概略を説明する。
潤滑油供給機構1は、図示せぬエンジンの潤滑部位に潤滑油を供給するためのものである。本実施形態においては、潤滑油供給機構1は、前記エンジンの図示せぬシリンダヘッド(の潤滑部位)に潤滑油を供給するものとする。潤滑油供給機構1は、供給油路10及び流量制御弁100を具備する。
供給油路10は、図示せぬオイルポンプから圧送された潤滑油を流通させ、当該潤滑油を前記シリンダヘッドへ供給するものである。供給油路10の中途部には、後述する流量制御弁100が設けられる。供給油路10は、上流側油路10a及び下流側油路10bを具備する。
上流側油路10aは、供給油路10のうち後述する流量制御弁100よりも上流側の部分である。上流側油路10aの一端は、図示せぬオイルポンプと連通される。上流側油路10aの他端は、流量制御弁100と連通される。
下流側油路10bは、供給油路10のうち後述する流量制御弁100よりも下流側の部分である。下流側油路10bの一端は、流量制御弁100と連通される。下流側油路10bの他端は、前記シリンダヘッドと連通される。
流量制御弁100は、前記シリンダヘッドへ供給される潤滑油の流量を制御するものである。上述の如く、流量制御弁100は、供給油路10の中途部に設けられる。
次に、図1を用いて、本発明の一実施形態に係る流量制御弁100について具体的に説明する。流量制御弁100は、弁本体110、スプール120及びスプリング130を具備する。
弁本体110は、流量制御弁100の外郭を構成するものである。弁本体110は、長手方向を左右方向に向けた中空の略円柱状に形成される。弁本体110は、摺動部111、供給口112、吐出口113、導入口114及び連通油路115を具備する。
摺動部111は、弁本体110の内部に形成された中空の部分である。摺動部111は、側面視円形の断面を有して、左右に延びるように形成される。摺動部111は、第一摺動部111a及び第二摺動部111bにより構成される。
第一摺動部111aは、摺動部111の左部を形成する部分である。第一摺動部111aは、側面視円形の断面を有して、弁本体110の左端部近傍から左右中途部まで延びるように形成される。
第二摺動部111bは、摺動部111の右部を形成する部分である。第二摺動部111bは、側面視円形の断面を有して、弁本体110の左右中途部から右端部近傍まで延びるように形成される。第二摺動部111bは、第一摺動部111aと連通するように形成される。第二摺動部111bは、第一摺動部111aよりも小径に形成される。
供給口112は、上流側油路10aを流通する潤滑油を、摺動部111に供給するためのものである。供給口112は、摺動部111(第二摺動部111bの左端部)と弁本体110の外部とを連通する貫通孔として形成される。供給口112は、上流側油路10aと対向する位置に形成される。
吐出口113は、供給口112を介して摺動部111に供給された潤滑油を、弁本体110の外部に吐出するためのものである。吐出口113は、摺動部111(第二摺動部111b)と弁本体110の外部とを連通する貫通孔として形成される。吐出口113は、下流側油路10bと対向する位置に形成される。
導入口114は、吐出口113を介して弁本体110の外部に吐出された潤滑油を、摺動部111(第二摺動部111b)に導入するためのものである。導入口114は、吐出口113の右方に、摺動部111(第二摺動部111b)と弁本体110の外部とを連通する貫通孔として形成される。
連通油路115は、吐出口113と導入口114とを弁本体110の外部で連通するものである。連通油路115は、弁本体110の外周面に形成される溝として形成される。連通油路115は、弁本体110の左右中途部から右端部近傍まで延びるように形成される。連通油路115は、左端部近傍(弁本体110の左右中途部)において、吐出口113と連通するように形成される。連通油路115は、右端部近傍(弁本体110の右端部近傍)において、導入口114と連通するように形成される。
なお、図1(及び図2から図4)においては、弁本体110を一体的な部材として図示しているが、実際には、弁本体110は、スプール120等を内部に収容するための開口部を有し、当該開口部を蓋部材で覆うことで構成される。
スプール120は、摺動部111を複数の空間(具体的には、後述する第一油圧室R1及び第二油圧室R2)に区画すると共に、吐出口113の開口面積を絞るためのものである。スプール120は、略円柱状の部材として形成される。スプール120は、長手方向を左右方向に向けて、弁本体110の摺動部111に設けられる。スプール120は、第一摺動部111aの左右中途部から第二摺動部111bの左右中途部まで延びるように形成される。スプール120には、大拡径部121及び小拡径部122が形成される。
大拡径部121は、その径がその他の部分(スプール120の軸部)よりも大きくなるように形成される部分である。大拡径部121は、スプール120の左端部に形成される。大拡径部121は、供給口112よりも左方に位置するように形成される。大拡径部121の径(外径)は、弁本体110の第一摺動部111aの径(内径)と略同一となるように形成される。大拡径部121には、大拡径部121の外側の面(左方を向く面)である第一拡径面121a、及び大拡径部121の内側の面(右方を向く面)である第二拡径面121bが形成される。
小拡径部122は、その径がその他の部分(スプール120の軸部)よりも大きくなるように形成されて、吐出口113の開口面積を絞る部分である。小拡径部122は、スプール120の右端部に、大拡径部121と軸線方向に所定距離だけ離間して形成される。小拡径部122は、大拡径部121よりも小径に形成され(大拡径部121は、小拡径部122よりも大径に形成され)、弁本体110の第二摺動部111bの径(内径)と略同一となるように形成される。小拡径部122には、小拡径部122の内側の面(左方を向く面)である第三拡径面122a、及び小拡径部122の外側の面(右方を向く面)である第四拡径面122bが形成される。
このように構成されたスプール120の大拡径部121が弁本体110の第一摺動部111aに対して左右方向に摺動可能に接すること、及びスプール120の小拡径部122が弁本体110の第二摺動部111bに対して左右方向に摺動可能に接することにより、当該スプール120が弁本体110の摺動部111の内部において左右方向に摺動可能となるように設けられる。また、スプール120が左右方向に摺動することによって、弁本体110の吐出口113の小拡径部122による閉塞具合(絞り具合)が変化する。すなわち、当該吐出口113の開口面積が変更される。
また、スプール120の大拡径部121及び小拡径部122並びに弁本体110の摺動部111(第一摺動部111a及び第二摺動部111b)によって囲まれた部分に、潤滑油が満たされる第一油圧室R1が形成される。また、スプール120の小拡径部122及び弁本体110の第二摺動部111bによって囲まれた部分に、潤滑油が満たされる第二油圧室R2が形成される。
第一油圧室R1には、供給口112及び吐出口113が連通される。第二油圧室R2には、導入口114が連通される。第一油圧室R1と第二油圧室R2とは、スプール120の小拡径部122によって区画されると共に、吐出口113、連通油路115及び導入口114によって連通される。
スプリング130は、スプール120を右方へ付勢するものである。スプリング130としては、圧縮ばねが使用される。スプリング130は、スプール120の大拡径部121と、第一摺動部111aの左端部との間に設けられ、大拡径部121の第一拡径面121aを右方へ付勢する。
このように構成された流量制御弁100において、図2に示すように、前記オイルポンプによって圧送され上流側油路10aを流通する潤滑油は、供給口112を介して第一油圧室R1内へと供給される。第一油圧室R1内の潤滑油は、吐出口113から吐出されて、下流側油路10bを流通して前記シリンダヘッドへ供給される。
次に、図2から図7を用いて、流量制御弁100によって潤滑油の流量が調整される様子について説明する。
前記エンジンが始動し前記オイルポンプが駆動すると、図2に示すように、上流側油路10aを介して流量制御弁100に潤滑油が供給される。以下では、前記オイルポンプから流量制御弁100へと供給される潤滑油の圧力を給油圧Pと称することとする。前記オイルポンプから供給された潤滑油は、供給口112を介して第一油圧室R1に供給される。このため、第一油圧室R1内の圧力は給油圧Pとなる(図3参照)。
第一油圧室R1に供給された潤滑油は、吐出口113を介して流量制御弁100の下流側に吐出される。以下では、流量制御弁100の下流側へと吐出された潤滑油の油圧を吐出油圧Pと称することとする。吐出口113から吐出された潤滑油は、下流側油路10bを流通すると共に、連通油路115及び導入口114を介して第二油圧室R2に供給される(図2参照)。このため、第二油圧室R2内の圧力は吐出油圧Pとなる(図3参照)。
このとき、第二油圧室R2の吐出油圧Pは、スプール120の小拡径部122を左方へ押圧する。第二油圧室R2の吐出油圧Pを受ける小拡径部122の面(すなわち、第四拡径面122b)の面積(受圧面積)をAとすると、小拡径部122は、第二油圧室R2の吐出油圧Pによって、Pの力で左方へ押圧されている(図3参照)。
また、第一油圧室R1の給油圧Pは、スプール120の小拡径部122を右方へ押圧すると共に、スプール120の大拡径部121を左方へ押圧する。第一油圧室R1の給油圧Pを受ける小拡径部122の面(すなわち、第三拡径面122a)の面積(受圧面積)をAとすると、小拡径部122は、第一油圧室R1の給油圧Pによって、Pの力で右方へ押圧されている。また、第一油圧室R1の給油圧Pを受ける大拡径部121の面(すなわち、第二拡径面121b)の面積(受圧面積)をAとすると、大拡径部121は、第一油圧室R1の給油圧Pによって、Pの力で左方へ押圧されている。
前述の如く、大拡径部121は小拡径部122よりも大径に形成されているので、第二拡径面121bの受圧面積Aは、第三拡径面122aの受圧面積Aよりも大きい。よって、スプール120は、第一油圧室R1の給油圧Pによって、P(A−A)の力で左方へ押圧されている(図3参照)。
つまり、スプール120は、第二油圧室R2の吐出油圧P及び第一油圧室R1の給油圧Pによって、P+P(A−A)の力で左方へ押圧されている。
一方、スプール120は、スプリング130によってばね荷重Fsprで右方へ付勢されている。スプール120は、初期状態(給油圧P及び吐出油圧Pにより押圧されていない状態)においては、スプリング130によってばね荷重Fspr1で右方へ付勢されている(図6(b)参照)。したがって、スプール120は、油圧による左方への押圧力P+P(A−A)が、スプリング130のばね荷重Fspr1による右方への押圧力(Fspr1)を超えるまでは、左方へ摺動せず、吐出口113を全開のまま維持する。
前記エンジンの回転数(エンジン回転数)が上昇すると、前記オイルポンプの回転数が上昇し、第一油圧室R1に供給される潤滑油の量が増加する(すなわち、給油圧Pが増加する)。これに伴って、流量制御弁100の下流側へと供給される潤滑油の量が上昇する(すなわち、吐出油圧Pが増加する)(図5参照)。
さらに給油圧Pが増加し、これに伴って吐出油圧Pが増加すると、ある時点において、油圧による左方への押圧力P+P(A−A)が、スプリング130のばね荷重Fspr1による右方への押圧力(Fspr1)と等しくなる。このときの給油圧Pの値をP1aとする。給油圧PがP1aより大きくなると、油圧による左方への押圧力P+P(A−A)が、スプリング130のばね荷重Fspr1による右方への押圧力(Fspr1)よりも大きくなる。このため、スプール120が左方へと摺動することになり、これにより、吐出口113の開口面積が小さく絞られる(図4参照)。なお、本実施形態においては、スプール120が左方へ摺動し始めるとすぐ、吐出口113の開口面積が小さく絞られるものとする。
スプール120が左方へと摺動すると、これに伴ってスプリング130が圧縮される。スプール120の左方への摺動距離(以下、ストロークxという)が大きくなるに従い、スプリング130のばね荷重Fsprは増大する。圧縮に伴うばね荷重Fsprの増分をΔFsprとすると、ΔFsprは、ΔFspr=kx(k:スプリング130のばね定数)で表すことができる。この式で示されるように、ΔFsprは、スプール120のストロークxが大きくなるに従い増大する。よって、給油圧PがP1aを超えた範囲においては、給油圧Pが大きくなるに従い、スプリング130のばね荷重Fspr(Fspr1+ΔFspr、すなわち、スプール120を右方へ付勢する力)が大きくなる(図6(b)参照)。
ここで、前述の如く、スプール120は、第一油圧室R1の給油圧Pによって、P(A−A)の力で左方へ押圧されている。この押圧力P(A−A)は、給油圧Pが大きくなるに従い増大する(図6(c)参照)。したがって、この左方への押圧力P(A−A)は、スプリング130の右方への付勢力(ばね荷重)の増分ΔFsprを相殺する役割を果たすことができる(図7(a)参照)。
給油圧PがP1aを超えた場合において、スプール120に付与される力の関係は、Fspr1+ΔFspr=P+P(A−A)で表すことができる。ここで、右辺のP(A−A)が左辺のΔFsprを相殺する役割を果たすことができるため、スプール120に付与される力の関係は、Fspr1=Pで概ね表すことができる。したがって、吐出口113の絞り開始後においては、吐出油圧Pを概ね一定とすることができる(図5参照)。このため、エンジン回転数が上昇しても、流量制御弁100の下流側に供給される潤滑油の流量(吐出油量)を概ね一定とすることができ、ひいては吐出油量の低減量を大きくすることができる(図7(b)参照)。なお、図7(b)においては、流量制御弁100を使用していないときのエンジン回転数と吐出油量との関係を二点鎖線で示している。
このように、本実施形態に係る流量制御弁100においては、第一油圧室R1の潤滑油の圧力(給油圧P)を受ける2つの面の受圧面積に差を設ける(具体的には、スプリング130の付勢方向に抗する方向の力を受ける面の受圧面積を相対的に大きくする)ことにより、ばね荷重Fsprの増分ΔFsprによってスプール120が吐出口113の開口面積を大きくする方向に押圧されるのを抑制することができる。これにより、吐出口113の絞り後において、吐出油圧P(吐出油量)の増加を抑制するように制御することができる。
また、スプール120は、供給口112ではなく吐出口113の開口面積を絞っているので、給油圧Pが、第二拡径面121b及び第三拡径面122aに直接付与される。よって、スプール120に対して、給油圧Pに比例する左方への力(P(A−A))を生じさせることができる(図6(c)参照)。また、スプリング130のばね荷重の増分ΔFsprもまた、給油圧Pに比例するものである(図6(b)参照)。したがって、給油圧Pが増大したときに、P(A−A)がΔFsprを相殺し易くすることができる。
以上の如く、本実施形態に係る流量制御弁100は、摺動部111(油圧室)、圧送された潤滑油を前記摺動部111へと供給する供給口112、前記摺動部111の潤滑油を吐出する吐出口113、及び前記吐出口113から吐出された潤滑油を前記摺動部111へと導入する導入口114が形成される弁本体110(ハウジング)と、前記摺動部111に摺動可能に配置され、摺動位置に応じて前記供給口112又は前記吐出口113の開口面積を調節可能であると共に、前記摺動部111を、前記供給口112及び前記吐出口113が連通される第一油圧室R1と前記導入口114が連通される第二油圧室R2とに区画するスプール120と、前記スプール120を、前記供給口112又は前記吐出口113の開口面積が大きくなる第一の方向(右方)へと付勢するスプリング130と、を具備し、前記スプール120は、前記第一の方向に向かって前記第一油圧室R1の油圧を受ける第三拡径面122a(第一受圧面)と、前記第三拡径面122aよりも面積が大きくなるように形成され、前記第一の方向と反対の第二の方向(左方)に向かって前記第一油圧室R1の油圧を受ける第二拡径面121b(第二受圧面)と、前記第二の方向に向かって前記第二油圧室R2の油圧を受ける第四拡径面122b(第三受圧面)と、を具備するものである。
このように構成することにより、吐出口113から吐出される流量制御後(絞り後)の潤滑油の油圧(吐出油圧P)の増加を抑制することができる。
また、前記スプール120は、前記供給口112を常に全開にすると共に、前記吐出口113の開口面積を調節可能に形成されているものである。
このように構成することにより、流量制御前(絞り前)の潤滑油の圧力(給油圧P)を、第三拡径面122a及び第二拡径面121bに直接付与することができるため、スプリング130の収縮に伴うばね荷重の増分ΔFsprを相殺し易くすることができる。
また、本実施形態に係る流量制御弁100は、下記の式が成り立つように形成されているものである。
spr1+ΔFspr=P+P(A−A
但し、A:前記第四拡径面122b(第三受圧面)の面積
:前記第三拡径面122a(第一受圧面)の面積
:前記第二拡径面121b(第二受圧面)の面積
:前記第一油圧室R1の油圧
:前記第二油圧室R2の油圧
spr1:前記スプリング130の初期状態のばね荷重
ΔFspr:kx(k:前記スプリング130のばね定数、x:前記スプール120のストローク)
このように構成することにより、吐出口から吐出される流量制御後(絞り後)の潤滑油の油圧(吐出油圧P)を一定とすることができる。
なお、弁本体110は、ハウジングの実施の一形態である。
また、摺動部111は、油圧室の実施の一形態である。
また、第二拡径面121bは、第二受圧面の一形態である。
また、第三拡径面122aは、第一受圧面の一形態である。
また、第四拡径面122bは、第三受圧面の一形態である。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、スプリング130は、スプール120の第一拡径面121aを付勢するものとしたが、スプリング130がスプール120を付勢する箇所はこれに限定されるものではなく、任意の箇所とすることができる。
また、本実施形態においては、流量制御弁100に連通油路115が形成されるものとしたが、供給油路10(下流側油路10b)が分岐して吐出口113及び導入口114それぞれと連通するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、スプール120の摺動位置に応じて吐出口113を絞るものとしたが、これに限定されるものではなく、供給口112及び吐出口113を両方絞るものであってもよい。或いは、第一油圧室R1の油圧が第二油圧室R2の油圧より大きくなるように形成されているものであれば、供給口112を絞るものであってもよい。具体的には、吐出口113が供給口112に比べて開口面積が小さくなるように形成され、スプール120の摺動位置に応じて供給口112を絞るように形成されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、流量制御弁100は、シリンダヘッドの潤滑部位に潤滑油を供給するものとしたが、これに限定されるものではなく、内燃機関の任意の場所に潤滑油を供給するものとすることができる。
100 流量制御弁
110 弁本体
111 摺動部
112 供給口
113 吐出口
114 導入口
120 スプール
121b 第二拡径面
122a 第三拡径面
122b 第四拡径面
130 スプリング
R1 第一油圧室
R2 第二油圧室

Claims (3)

  1. 油圧室、圧送された潤滑油を前記油圧室へと供給する供給口、前記油圧室の潤滑油を吐出する吐出口、及び前記吐出口から吐出された潤滑油を前記油圧室へと導入する導入口が形成されるハウジングと、
    前記油圧室に摺動可能に配置され、摺動位置に応じて前記供給口又は前記吐出口の開口面積を調節可能であると共に、前記油圧室を、前記供給口及び前記吐出口が連通される第一油圧室と前記導入口が連通される第二油圧室とに区画するスプールと、
    前記スプールを、前記供給口又は前記吐出口の開口面積が大きくなる第一の方向へと付勢するスプリングと、
    を具備し、
    前記スプールは、
    前記第一の方向に向かって前記第一油圧室の油圧を受ける第一受圧面と、
    前記第一受圧面よりも面積が大きくなるように形成され、前記第一の方向と反対の第二の方向に向かって前記第一油圧室の油圧を受ける第二受圧面と、
    前記第二の方向に向かって前記第二油圧室の油圧を受ける第三受圧面と、
    を具備する、
    内燃機関の流量制御弁。
  2. 前記スプールは、
    前記供給口を常に全開にすると共に、前記吐出口の開口面積を調節可能に形成されている、
    請求項1に記載の流量制御弁。
  3. 下記の式が成り立つように形成されている、
    請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の流量制御弁。
    spr1+ΔFspr=P+P(A−A
    但し、A:前記第三受圧面の面積
    :前記第一受圧面の面積
    :前記第二受圧面の面積
    :前記第一油圧室の油圧
    :前記第二油圧室の油圧
    spr1:前記スプリングの初期状態のばね荷重
    ΔFspr:kx(k:前記スプリングのばね定数、x:前記スプールのストローク)
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