JP2018090764A - 濡れ性向上剤およびこれを含む樹脂組成物、ならびに親水化コーティング剤 - Google Patents

濡れ性向上剤およびこれを含む樹脂組成物、ならびに親水化コーティング剤 Download PDF

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雄太 斉藤
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博樹 青▲柳▼
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Yoshitaka Kanda
義高 神田
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Wataru Kagayama
航 加賀山
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Abstract

【課題】洗浄後も高い親水性が維持される表面を有する塗膜や成形品を形成できる、濡れ性向上剤を提供する。【解決手段】本発明の濡れ性向上剤は、下記式(1)で表されるイオン結合性塩(B)と、親水性基を有する不飽和エチレン性単量体(C)(前記(B)および下記(D)を除く)および界面活性剤(D)(前記(B)を除く)の少なくとも一方と、を含む重合性組成物からなる、濡れ性向上剤である:上記式(1)中、R1は、置換されていてもよい炭素数12〜14の直鎖状または分枝状のアルキル基であり、A1は、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、m1は、A1Oの平均付加モル数で1〜50の数であり、Q1+は、エチレン性不飽和結合を有するアンモニウムイオンである。【選択図】なし

Description

本発明は、濡れ性向上剤、およびこれを含む樹脂組成物、ならびにこれらからなる親水化コーティング剤に関する。
風呂、トイレ、壁紙、窓ガラス、建物の外壁、光学フィルム等に用いられる部材には高い耐汚染性が求められており、これを達成するための方法の一つとして、部材表面を親水化処理する方法が挙げられる。かような処理を施すことにより、部材表面には均一な水膜が形成されるため、その上に汚れが付着しても、水で洗い流すことで汚れを容易に除去することができる。親水化処理としては、酸化チタン等の光触媒性能を有する無機化合物が一般的に用いられるが、透明性が低いほか、(紫外光等の)光照射下でないと高親水性を発揮しないため、実使用環境において十分な耐汚染性が得られず、かつ処理工程が煩雑になるという問題があった。
なお、特許文献1には、特定の構造を有するイオン結合性塩を単独で防曇剤として使用できることが開示されている。
特許第5763832号公報
しかし、特許文献1に記載のイオン結合性塩を基材表面のコーティングに適用した場合、初期の親水性は良好であるものの、洗浄により親水性が低下するという課題があった。
したがって、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、洗浄後も高い親水性が維持される表面を有する塗膜や成形品を形成できる、濡れ性向上剤および樹脂組成物ならびにこれらからなる親水化コーティング剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、以下の構成を有する濡れ性向上剤によって、上記課題を解決できることを知得し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表されるイオン結合性塩(B)(以下、「B成分」とも称する)と、親水性基を有する不飽和エチレン性単量体(C)(前記(B)および下記(D)を除く)(以下、「C成分」とも称する)および界面活性剤(D)(前記(B)を除く)(以下、「D成分」とも称する)の少なくとも一方と、を含む重合性組成物からなる、濡れ性向上剤である。
上記式(1)中、
は、置換されていてもよい炭素数12〜14の直鎖状または分枝状のアルキル基であり、
は、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、
m1は、AOの平均付加モル数で1〜50の数であり、
は、エチレン性不飽和結合を有するアンモニウムイオンである。
本発明の濡れ性向上剤は、洗浄後も高い親水性が維持される(例えば、洗浄後も水に対する接触角が、60°以下、好ましくは40°以下、より好ましくは20°以下、さらにより好ましくは10°以下に維持される)表面を有する塗膜や成形品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみには限定されない。
本明細書において、「塗膜や成形品の表面の親水性が高い」との文言は、「塗膜や成形品の表面の水に対する濡れ性が高い」との文言と同義であり、塗膜または成形品表面の水に対する接触角が、60°以下、好ましくは40°以下、より好ましくは20°以下、さらにより好ましくは10°以下であることをいう。また、「塗膜や成形品の表面親水性が持続する」とは、「洗浄後においても塗膜や成形品の表面の親水性が高い」ということを意味する。
本明細書において、「洗浄」とは、水(例えば、純水、中性洗剤を含有する水溶液等)をスポンジ等に含ませ、これを被洗浄物に繰り返し接触させ、必要に応じて自然乾燥、加温乾燥、減圧乾燥等により上記水を除去することをいう。
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で測定する。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの総称を指す。同様に、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの総称を指す。
<濡れ性向上剤>
本発明に係る濡れ性向上剤は、上記式(1)で表されるイオン結合性塩(B成分)と、親水性基を有する不飽和エチレン性単量体(C成分)および界面活性剤(D成分)の少なくとも一方と、を含む重合性組成物からなる。当該構成を有する濡れ性向上剤を塗膜や成形品に適用することで、洗浄後も高い親水性が維持される表面を有する塗膜や成形品を得ることができる。
疎水性樹脂を主成分とする塗膜や成形品の表面に親水性を付与する方法として、上記特許文献1に記載のイオン結合性塩と、疎水性樹脂の原料化合物(例えば、メタクリル酸ブチル、スチレン等)とを共重合する方法等が挙げられる。しかし、当該方法を用いて塗膜や成形品を作製した場合、洗浄によって親水性が低下してしまうという問題が判明した。本発明者らは、その原因について以下の可能性を推測した。上記特許文献1に記載のイオン結合性塩は親水性が非常に高いため、疎水性樹脂の原料化合物との相溶性に乏しく、両成分のみでは共重合させることが困難である。そのため、両成分はそれぞれ単独で重合するが、イオン結合性塩はバルキーな構造を有するため低重合度に留まる。すなわち、イオン結合性塩のオリゴマー(ダイマー、トリマー等)が疎水性樹脂中に存在した生成物が得られる。かような生成物を用いて塗膜や成形品を作製した場合、イオン結合性塩のオリゴマーは、疎水性樹脂と相溶せず、塗膜や成形品の表面にブリードアウトし、容易に除去されてしまうものと考えられる。
これに対し、本発明に係る濡れ性向上剤は、親水化剤としてB成分と、相溶化剤としてC成分およびD成分の少なくとも一方と、を含む重合性組成物からなる。当該構成を用いて塗膜や成形品を作製した場合、得られた塗膜や成形品は洗浄後も高い親水性を維持することができる。そのメカニズムは定かではないが、以下のように推測される。C成分およびD成分は、それぞれ後述するように、B成分に対する親和性に優れるとともに、上記の疎水性樹脂の原料化合物に対する親和性にも優れる。そのため、B成分と疎水性樹脂の原料化合物との相溶性を高め、両成分の共重合性を向上させることができる。これにより、疎水性樹脂にB成分由来の構成単位が結合した生成物が得られる。かような生成物を用いて塗膜や成形品を作製した場合、疎水性樹脂がアンカーとなり、B成分由来の構成単位が塗膜や成形品の表面にブリードアウトしにくく、洗浄しても除去されにくいものと考えられる。
また、本発明に係る濡れ性向上剤を疎水性樹脂(疎水性樹脂の原料化合物が重合したもの)に後から配合して塗膜や成形品を作製した場合においても、得られた塗膜や成形品は洗浄後も高い親水性を維持することができる。このメカニズムについても定かではないが、以下のように推測される。本発明に係る濡れ性向上剤を疎水性樹脂に配合すると、B成分が相溶化剤であるC成分やD成分に包接された状態で疎水性樹脂中に分散した生成物が得られる。かような生成物を用いて塗膜や成形品を作製した場合、疎水性樹脂とC成分または/およびD成分の相互作用によって、B成分が塗膜や成形品の表面にブリードアウトしにくく、洗浄しても除去されにくいものと考えられる。
なお、本発明は上記メカニズムに何ら制限されるものではない。
[重合性組成物]
本発明の濡れ性向上剤に係る重合性組成物は、親水化剤としてB成分と、相溶化剤としてC成分または/およびD成分とを含む。さらに、塗膜や成形品表面の洗浄後の親水性をより高める観点から、当該重合性組成物は、B成分およびC成分を含むことが好ましく、B成分、C成分およびD成分を含むことがより好ましい。
以下、重合性組成物を構成する各成分について説明する。
(B成分)
本発明の濡れ性向上剤に係る重合性組成物に含まれるB成分は、下記式(1)で表されるイオン結合性塩であり、塗膜や成形品の表面に親水性を付与する。なお、重合性組成物に含まれる成分が、B成分ならびにC成分または/およびD成分に該当する場合、B成分に分類するものとする。
上記式(1)において、Rは、置換されていてもよい炭素数12〜14の直鎖状または分枝状のアルキル基、すなわち、ドデシル基(例えばn−ドデシル基)、トリデシル基(例えばn−トリデシル基)、テトラデシル基(例えばn−テトラデシル基)のいずれかであるが、入手容易性の観点から、ドデシル基またはトリデシル基が好ましく、トリデシル基が特に好ましい。また、本発明の効果を一層向上させる観点から、Rは、置換されていてもよい炭素数12〜14の分枝状のアルキル基であることが好ましい。すなわち、本発明の好ましい一実施形態において、Rは、置換されていてもよい分枝状のトリデシル基である。
が置換されている場合、そのような置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基などのアリール基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基などのアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基などのアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基などのアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基などのアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などのアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基などのジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基などの他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基などが挙げられる。
上記式(1)において、Aは、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基(−CH−CH(CH)−)、n−ブチレン基、1−メチルプロピレン基(−CH−CH−CH(CH)−)、2−メチルプロピレン基(−CH−CH(CH)−CH−)、ジメチルエチレン基(−CH−C(CH−)、エチルエチレン基(−CH−CH(CHCH)−)、等が挙げられる。なお、Aが炭素数3〜4のアルキレン基である場合、分枝状のアルキレン基であることが好ましい。また、Aにおいて、(AO)m1の主鎖を構成する部分の炭素数は2以下であることが好ましい。すなわち、Aは、エチレン基、プロピレン基およびエチルエチレン基からなる群より選択される少なくとも1種を有することが好ましい。かような基を有することで、塗膜の耐水性と表面親水性とを両立することができる。
上記式(1)において、m1は、AOの平均付加モル数であって、1〜50の数である。m1は、粘度低下による作業性向上および親水性の観点から、好ましくは2〜30であり、より好ましくは2〜20である。
前記化学式(1)において、(AO)m1は、オキシエチレン基(−CO−、以下EOとも称する)、オキシプロピレン基(−CO−、以下POとも称する)およびオキシブチレン基(−CO−、以下BOとも称する)からなる群より選択される1種以上の基を有することが好ましい。オキシプロピレン基およびオキシブチレン基は、直鎖状または分枝状のアルキレン基を有することができるが、分枝状のアルキレン基を有することが好ましい。さらに、オキシプロピレン基およびオキシブチレン基は、(AO)m1の主鎖を構成する部分の炭素数は2以下であることが好ましい。中でも、オキシプロピレン基は、下記化学式(P1)または(P2)で示される基の少なくとも一方を有することが好ましく、オキシブチレン基は、下記化学式(B1)または(B2)で示される基の少なくとも一方を有することが好ましい。かような基を有することで、耐水性と表面親水性とを両立する塗膜または成形品を形成することができる。
また、(AO)m1において、オキシブチレン基を含む場合、その割合は、好ましくは3〜90モル%であり、より好ましくは10〜80モル%である。なお、オキシブチレン基が2種以上の構造を有する場合、上記オキシブチレン基の割合は、各構造の割合(モル%)の合計を表す。少なくとも2種のオキシアルキレン基の配列は、ランダム型、ブロック型のいずれでもよいが、親水性の効果的な発揮および合成工程の簡便さの観点から、ブロック型であることが好ましい。なお、ブロック型の場合、配列の順序は問わない。すなわち、例えば、(AO)m1がエチレンオキシド/ブチレンオキシドのブロック共重合体の場合、スルホン酸基にはポリオキシエチレン鎖が連結してもよいし、ポリオキシブチレン鎖が連結してもよい。
(AO)m1は、炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物であり、かようなアルキレンオキシド付加物の構造は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド等のアルキレンオキシドの1種または2種以上により形成される構造である。中でも、エチレンオキシドおよび/または1,2−ブチレンオキシドを含むアルキレンオキシドにより形成される構造であることが好ましい。なお、(AO)m1が2種以上の上記化合物により形成される場合、ランダム付加、ブロック付加のいずれで形成されてもよい。
なお、本明細書によれば、(AO)m1が上記とは異なる構造を含むアルキレンオキシド付加物であるような形態もまた、提供される。当該形態において、具体的には、アルキレンオキシド付加物である(AO)m1が、上述した炭素数2〜4のアルキレンオキシドに代えて、またはこれに加えて、単官能エポキシ化合物に由来するAO構造を有するものであってもよい。かような単官能エポキシ化合物としては、アルコールまたはフェノールがエピクロルヒドリンでエポキシ化されてなる化合物が例示される。この際、アルコールとしては、飽和または不飽和の、直鎖状、分枝状または環状の、炭素数1〜24のアルコールが例示される。
は、エチレン性不飽和結合を有するアンモニウムイオンである。Q は、より好ましくは、N,N−ジメチルモノアクリル酸エチルアンモニウムイオン、N,N−ジメチルモノメタクリル酸エチルアンモニウムイオン、N,N−ジエチルモノアクリル酸エチルアンモニウムイオン、N,N−ジエチルモノメタクリル酸エチルアンモニウムイオン、N,N−ジエチルモノ(2−イソシアノエチル)アンモニウムイオン、N,N−ジエチルモノ(2−シアノプロピル)アンモニウムイオン、N,N−ジエチルモノ(1,2−エポキシプロパン)アンモニウムイオンである。Q は、さらにより好ましくは、N,N−ジメチルモノアクリル酸エチルアンモニウムイオン、N,N−ジメチルモノメタクリル酸エチルアンモニウムイオン、N,N−ジエチルモノアクリル酸エチルアンモニウムイオン、N,N−ジエチルモノメタクリル酸エチルアンモニウムイオンである。Q は、特に好ましくは、N,N−ジメチルモノアクリル酸エチルアンモニウムイオンである。
B成分が有するエチレン性不飽和結合の数は、特に制限されず、用途により任意に選択できるが、好ましくは1つである。
B成分の好ましい例としては、下記式(b1)〜(b13)で表されるイオン結合性塩が挙げられる。
B成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
B成分は、合成品、市販品のいずれを使用してもよい。合成品の場合、B成分の製造方法は、特に制限されず、例えば、アニオン交換法、中和法、酸エステル法などが挙げられる。また、硫酸エステルのアンモニウム塩またはスルホン酸エステルのアンモニウム塩と、窒素含有化合物とを反応させアンモニアを留去してB成分を得る脱アンモニア法なども好適に用いられる。
(C成分)
本発明の濡れ性向上剤に係る重合性組成物に含まれるC成分は、親水性基を有する不飽和エチレン性単量体である。ここで、「不飽和エチレン性単量体」とは、エチレン性不飽和結合を含む官能基を有する単量体をいい、当該官能基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられる。かような基を有すると、疎水性樹脂(あるいはその原料化合物)に対する親和性に優れる。また、親水性基を有すると、上記B成分に対する親和性にも優れる。したがって、C成分が介在することで、B成分および疎水性樹脂(あるいはその原料化合物)の相溶性が向上する。ゆえに、上記メカニズムのとおり、疎水性樹脂中にB成分が分散した生成物、あるいは(B成分と疎水性樹脂の原料化合物との共重合によって)樹脂中にB成分由来の構成単位が組み込まれた生成物を得ることができると考えられる。かような生成物を用いて塗膜や成形品を作製した場合、B成分(B成分由来の構成単位)が塗膜や成形品の表面にブリードアウトしないため、洗浄後の表面も高い親水性を維持することができると考えられる。
また、C成分は、上記のエチレン性不飽和結合を有するため、B成分と共重合しうる。B成分とC成分との共重合物は、それのみでも塗膜や成形品を形成でき、耐水性と表面親水性とを両立しうる。また、疎水性樹脂にかような共重合物を配合して塗膜や成形品を作製した場合、B成分のブリードアウトをさらに抑制でき、洗浄後の表面親水性をさらに高めることができる。
親水性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ウレア基、カルボニル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、アミド基、エーテル基、シアノ基、ポリオキシエチレン基、チオール基、アルデヒド基、イミド基、イミダゾール基、エステル基、ホスホジエステル基(−O−P(=O)OH−O−)等が挙げられる。中でも、本発明の効果を一層奏する観点から、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ウレア基、ポリオキシエチレン基およびアミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基であることが好ましく、アミド基であることがより好ましい。また、親水性基は塩を形成していてもよい。
C成分における親水性基の個数は、好ましくは3個以下であり、より好ましくは2個以下であり、さらにより好ましくは1個である。かような範囲であれば、B成分に対する親和性と対象樹脂(あるいはその原料化合物)に対する親和性とのバランスが良好となる。
カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する不飽和エチレン性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ビニルアルコール等が挙げられる。
ウレア基を有する不飽和エチレン性単量体の例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルエチレンウレア、(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチレンウレア等が挙げられる。
アミド基を有する不飽和エチレン性単量体の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルアセトアミド等が挙げられる。中でも、本発明の効果を一層奏する観点から、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオキシエチレン基を有する不飽和エチレン性単量体としては、特に制限されないが、オキシエチレン基の平均付加モル数が1〜50である単官能または多官能の(メタ)アクリレートが好ましく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。当該単量体の市販品としては、新中村化学工業株式会社製のNKエステルシリーズ1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G等を使用することができる。
C成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
C成分は、合成品、市販品のいずれを使用してもよい。市販品は、KJケミカルズ株式会社等より入手することができる。
(D成分)
本発明の濡れ性向上剤に係る重合性組成物に含まれるD成分は、界面活性剤である。界面活性剤は両親媒性であるため、親水性の上記B成分に対して親和性に優れるとともに、疎水性の樹脂(あるいはその原料化合物)に対する親和性にも優れる。ゆえに、上記C成分において述べたのと同様に、D成分が介在することで、樹脂中にB成分が分散した生成物、あるいは(B成分と樹脂の原料化合物との共重合によって)樹脂中にB成分由来の構成単位が組み込まれた生成物を得ることができると考えられる。かような生成物を用いて塗膜や成形品を作製した場合、B成分(B成分の構成単位)が塗膜や成形品の表面にブリードアウトしないため、洗浄後の表面も高い親水性を維持することができると考えられる。
なお、重合性組成物に含まれる成分が、C成分およびD成分に該当する場合は、D成分に分類するものとする。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等のいずれであってもよい。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステルまたはその塩、アルケニルリン酸エステルまたはその塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩を有するものや、カチオン部分としてアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アミン塩、第4級アンモニウム塩を有するもの等を挙げることができる。
D成分として用いられる界面活性剤は、反応性基を有していてもよいし、有していなくてもよい。反応性基としては、上記C成分の項で述べたような、エチレン性不飽和結合を含む官能基(例えば、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等)が好ましい。D成分がかような基を有する場合、B成分と共重合しうる。疎水性樹脂にこのような共重合物を配合して塗膜や成形品を作製した場合、B成分のブリードアウトをさらに抑制でき、洗浄後の表面親水性をさらに高めることができる。
D成分としては、例えば、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(日本乳化剤株式会社製ニューコール(登録商標)740−SF等)等の反応性基を有しないアニオン性界面活性剤;ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステルアンモニウム塩(日本乳化剤株式会社製アントックス(登録商標)MS−60)、α−スルホ−ω−(1−(アルコキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)アンモニウム塩(株式会社ADEKA製アデカリアソープ(登録商標)SR−10等)、下記式(2)で表されるイオン結合性塩等の反応性基を有するアニオン性界面活性剤を用いることができる。中でも、膜や成形品の洗浄後の表面親水性が顕著に向上することから、反応性基を有するアニオン性界面活性剤を用いることが好ましく、下記式(2)で表されるイオン結合性塩を用いることがより好ましい。
上記式(2)において、Rは、置換されていてもよい炭素数6〜50のアリール基であり、より好ましくは置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール基であり、さらにより好ましくは置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基である。
炭素数6〜50のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、ピレニル基等が挙げられる。また、存在してもよい置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基等が挙げられる。
上記式(2)において、Aは、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基である。具体的には、上記B成分のAについて定義した基と同様の基が好ましい。
上記式(2)において、Q は、エチレン性不飽和結合を有するアンモニウムイオンである。具体的には、上記B成分のQ について定義した基と同様の基が好ましい。
上記式(2)において、(AO)m2は、上記B成分の(AO)m1と同様の定義であってもよいが、好ましくはオキシエチレン基(−CO−)を有する。
上記式(2)で表されるイオン結合性塩の好ましい例としては、下記式(d1)〜(d6)で表されるイオン結合性塩が挙げられる。
上記式(2)で表されるイオン結合性塩以外にも、D成分の例として、下記式(d7)〜(d8)で表されるイオン結合性塩が好適に使用される。
あるいは、D成分として、反応性基を有するノニオン性界面活性剤を使用してもよく、例えば、下記式(3)で表されるような反応性基を有するノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。かような構造を有するD成分を用いることで(特に上記C成分と併用することで)、塗膜や成形品の洗浄後の表面親水性が顕著に向上する。
上記式(3)中、Rは鎖状または分枝状の炭素数1〜20のアルキル基であり、pはオキシエチレン基の平均付加モル数であり2〜50の数を表す。
炭素数1〜20のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、1−メチル−エチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
上記式(3)で表される反応性界面活性剤の市販品としては、日本乳化剤株式会社製アントックス(登録商標)EMH−20、LMH−20、SMH−20等を使用することができる。
D成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
D成分は、合成品、市販品のいずれを使用してもよい。合成品の場合、上記式(2)で表されるイオン結合性塩の製造方法は、特に制限されず、例えば、アニオン交換法、中和法、酸エステル法などが挙げられる。また、硫酸エステルのアンモニウム塩またはスルホン酸エステルのアンモニウム塩と、窒素含有化合物とを反応させアンモニアを留去してB成分を得る脱アンモニア法なども好適に用いられる。
本発明の濡れ性向上剤に係る重合性組成物において、B成分とC成分およびD成分の合計量との質量比は、好ましくは1:0.05〜1:50であり、より好ましくは1:0.1〜1:20であり、さらに好ましくは1:0.2〜1:5であり、さらにより好ましくは1:0.2〜1:2であり、特に好ましくは1:0.2〜1:1である。上記範囲の重合性組成物を疎水性樹脂に適用すれば、B成分(またはB成分由来の構成単位)が疎水性樹脂中で良好に分散され、かつ、疎水性樹脂の耐水性が損なわれない。ゆえに、表面親水性と耐水性とを良好に両立できる。また、上記範囲内にあれば、洗浄後の表面親水性をさらに高めることができる。
本発明の濡れ性向上剤に係る重合性組成物において、C成分とD成分との質量比は、100:0〜0:100であり、本発明の効果を一層奏する観点から、より好ましくは100:0〜30:70であり、さらにより好ましくは90:10〜50:50であり、85:15〜50:50である。
(A成分)
本発明の濡れ性向上剤に係る重合性組成物には、ラジカル重合性化合物(A成分)が含まれてもよい。A成分をさらに含む重合性組成物は、重合前においても濡れ性向上剤として機能する。また、かような重合性組成物を用い、相溶化剤であるC成分または/およびD成分存在下、A成分とB成分とを重合させることで、A成分由来の構成単位と、B成分由来の構成単位とが結合した重合物を得ることができる。当該重合物は、それのみでも耐水性と表面親水性とを両立する塗膜や成形品を形成しうる。また、疎水性樹脂にかような重合物を配合して塗膜や成形品を作製した際、B成分のブリードアウトをさらに抑制でき、ひいては洗浄後の塗膜や成形品表面の親水性をさらに高めることができる。
ラジカル重合性化合物としては、B成分と共重合しうる化合物であれば特に制限されないが、好ましくは不飽和エチレン性単量体(ただし、B成分、C成分およびD成分に該当するものを除く)である。
A成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、脂肪族ビニル化合物、脂環式ビニル化合物、α−オレフィン等を用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の単官能(メタ)アクリル酸エステル、デカンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。A成分として多官能(メタ)アクリル酸エステルを用いることで、重合性組成物のみでも、例えば光硬化によって、耐水性および表面親水性を両立する塗膜や成形品を形成しうる。
芳香族ビニル化合物の例としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等が挙げられる。
脂肪族ビニル化合物の例としては、酢酸ビニル等が挙げられる。
脂環式ビニル化合物の例としては、シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等が挙げられる。
α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブタジエン等が挙げられる。
A成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
A成分は、合成品、市販品のいずれを使用してもよい。
重合性組成物がA成分を含む場合、B成分の含有量は、A成分の含有量100質量部に対して、好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部、さらにより好ましくは2質量部以上10質量部未満である。上記範囲であれば、重合物単独でも塗膜や成形品を作製でき、耐水性と表面親水性とを両立しうる。
重合性組成物がA成分を含む場合、C成分およびD成分の合計含有量は、A成分の含有量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは0.2〜20質量部であり、さらにより好ましくは0.5質量部以上15質量部未満である。上記範囲にあれば、本発明の効果が一層向上する。
(その他の成分)
本発明の濡れ性向上剤に係る重合性組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、溶媒(例えば後述の≪溶媒≫の項に記載しているもの)、重合開始剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤、染料、有機顔料、無機顔料、可塑剤、加工助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、発泡剤、ワックス、結晶核剤、離型剤、加水分解防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、ラジカル捕捉剤、防曇剤、防徽剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤等の他の添加成分を、適宜配合することができる。例えば、重合組成物を対象基材の表面に塗布して硬化させる場合、硬化を促進させるため、重合組成物には重合開始剤を配合することが好ましい。重合開始剤の例としては、以下に例示する熱重合開始剤、光重合開始剤等が挙げられる。
(重合性組成物の製造方法)
重合性組成物の製造方法は、特に制限されず、市販の撹拌装置等を用いて各成分を混合することにより、製造することができる。撹拌の温度、時間、雰囲気も、当業者によって適宜選択されうる。
[重合物]
本発明は、上記重合性組成物の重合物からなる濡れ性向上剤をも提供する。上記重合物は、それ単独で塗膜や成形品を作製することができ、疎水性樹脂(疎水性樹脂の原料化合物が重合したもの)に配合して塗膜や成形品を作製することもできる。これらの場合において、B成分は重合物(濡れ性向上剤)の構成単位として塗膜や成形品に含まれるため、B成分がそのまま塗膜や成形品に含まれている場合に比べて、B成分がブリードアウトしにくい。ゆえに、塗膜や成形品の表面は、洗浄後も高い親水性を維持することができる。
当該重合物は、B成分由来の構成単位と、C成分由来の構成単位または/およびエチレン性不飽和結合を有するD成分由来の構成単位と、必要に応じてA成分由来の構成単位とを含むことが好ましい。さらに、本発明の効果を一層奏する観点から、当該重合物は、C成分由来の構成単位を含むことがより好ましく、C成分由来の構成単位およびエチレン性不飽和結合を有するD成分由来の構成単位の両方を含むことがさらにより好ましい。
以下、上記重合物の物性および製造方法について説明する。
(重合物の物性)
重合物の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは500〜1,000,000であり、より好ましくは1,000〜500,000である。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(標準物質:ポリスチレン)を用いて測定した値である。
本発明の濡れ性向上剤に係る重合物において、B成分由来の構成単位と、C成分由来の構成単位およびD成分由来の構成単位の合計量との質量比は、好ましくは1:0.05〜1:50であり、より好ましくは1:0.1〜1:20であり、さらに好ましくは1:0.2〜1:5であり、さらにより好ましくは1:0.2〜1:2であり、特に好ましくは1:0.2〜1:1である。上記範囲の重合物を疎水性樹脂に配合すれば、B成分由来の構成単位が疎水性樹脂中で良好に分散され、かつ、疎水性樹脂の耐水性が損なわれない。また、上記範囲にあれば、本発明の効果が一層向上する。なお、当該質量比は、重合性組成物におけるB成分とC成分およびD成分(エチレン性不飽和結合を有するものに限る)の合計量との質量比と実質的に同等である。
重合物がA成分由来の構成単位を含む場合、B成分由来の構成単位の含有量は、A成分由来の構成単位の含有量100質量部に対して、好ましくは0.5〜30質量部であり、より好ましくは1〜20質量部であり、さらにより好ましくは2質量部以上10質量部未満である。上記範囲であれば、重合物単独でも塗膜や成形品を作製でき、耐水性と表面親水性とを両立しうる。なお、当該含有量は、重合性組成物におけるA成分の質量に対するB成分の質量の割合と実質的に同等である。
重合物がA成分由来の構成単位を含む場合、C成分由来の構成単位およびD成分由来の構成単位の合計含有量は、A成分由来の構成単位の含有量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは0.2〜20質量部であり、さらにより好ましくは0.5質量部以上15質量部未満である。上記範囲にあれば、本発明の効果が一層向上する。なお、当該含有量は、重合性組成物におけるA成分の質量に対するC成分およびD成分(エチレン性不飽和結合を有するものに限る)の合計質量の割合と実質的に同等である。
(重合物の製造方法)
本発明の濡れ性向上剤に係る重合物は、B成分と、C成分または/およびD成分と、必要に応じてA成分、溶媒、添加剤等を混合し、加熱あるいは光照射(例えば、紫外線照射)等により重合させて得ることができる。重合方法は特に制限されず、高圧ラジカル重合法、中低圧重合法、溶液重合法、スラリー重合法、塊状重合法、乳化重合法、気相重合法等の公知の方法を用いることができる。中でも、繰り返し洗浄後の塗膜または成形品表面の親水性をさらに高める観点から、溶液重合法または乳化重合法が好ましく、溶液重合法がより好ましい。
重合においては、熱重合開始剤、光重合開始剤等の重合開始剤や、チーグラー−ナッタ触媒、メタロセン触媒等の重合触媒を使用することが好ましく、これらは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。重合開始剤の添加量は、全単量体の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部である。
≪熱重合開始剤≫
熱重合開始剤の例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノオエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメトルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等の有機過酸化物系開始剤;2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドリドクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等のアゾ系開始剤;等が挙げられる。なお、これらの熱重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
≪光重合開始剤≫
光重合開始剤の例としては、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(BASFジャパン株式会社製イルガキュア(登録商標)127)、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;オキシムエステル類;カチオン系光重合開始剤;分子内水素引抜型光重合開始剤;等が挙げられる。なお、これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
≪溶媒≫
溶液重合法において好適に使用される溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよく、水との混合溶媒としてもよい。
≪重合条件≫
重合条件は、特に制限されず、例えば、重合温度は使用する触媒の種類によって適宜設定することができるが、好ましくは50〜120℃である。また、重合時間についても、特に制限されないが、好ましくは1〜10時間である。重合雰囲気についても、特に制限されないが、好ましくは不活性ガス(例えば窒素)雰囲気であることが好ましい。重合方法についても、特に制限されず、例えば、モノマーの一括仕込みによる重合、滴下による重合、パワーフィード重合等が挙げられる。
<樹脂組成物>
本発明は、上記の濡れ性向上剤と、樹脂とを含む樹脂組成物についても提供する。樹脂としては、熱可塑性樹脂または/および熱硬化性樹脂が好ましい。ここで、「樹脂」との語には、モノマー、オリゴマー、プレポリマーおよびポリマーが包含される。ただし、塗膜や成形品の作製に使用する化合物が樹脂および上記A成分の両方に該当する場合は、A成分に分類するものとする。
例えば、樹脂組成物に含まれる樹脂がポリマーである場合、濡れ性向上剤を配合することで、濡れ性向上剤に含まれるB成分(あるいはB成分由来の構成単位)が樹脂ポリマー中に分散した生成物を得ることができる。あるいは、例えば、樹脂組成物に含まれる樹脂がモノマーである場合、濡れ性向上剤を配合した上で樹脂モノマーを重合させることで、濡れ性向上剤に含まれるB成分(あるいはB成分由来の構成単位)が樹脂ポリマー中に分散した生成物を得ることができる。これらの生成物を用いることで、洗浄後も表面親水性が維持される塗膜や成形品を得ることができる。
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂は、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、オレフィン樹脂(環状オレフィン樹脂を含む)、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ハロゲン含有樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂など)、ポリスルホン樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂およびこれらの誘導体樹脂、ゴムまたはエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなど)などが挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。
(メタ)アクリル樹脂としては、単官能(メタ)アクリルモノマーおよびその単独重合体または共重合体、多官能(メタ)アクリルモノマーおよびその単独重合体または共重合体、単官能または多官能(メタ)アクリルモノマーと他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。単官能または多官能(メタ)アクリルモノマーの例としては、上記A成分で列挙したもの等が挙げられる。(メタ)アクリル樹脂の具体例としては、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体(AAS樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)などが挙げられる。
スチレン樹脂の例としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン−N−フェニルマレイミド−アクリロニトリル共重合体、ゴム強化ポリスチレン樹脂(HIPS樹脂)等が挙げられる。
オレフィン樹脂としては、オレフィンモノマーの単独重合体の他、オレフィンモノマーの共重合体、オレフィンモノマーと他の共重合性モノマーとの共重合体が含まれる。オレフィンモノマーの具体例としては、例えば、鎖状オレフィン[エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィンなど]、環状オレフィン[例えば、シクロペンテンなどの炭素数4〜10のシクロアルケン;シクロペンタジエンなどの炭素数4〜10のシクロアルカジエン;ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの炭素数7〜20のビシクロアルケンまたは炭素数7〜20のビシクロアルカジエン;ジヒドロジシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどの炭素数10〜25のトリシクロアルケンまたはトリシクロアルカジエンなど]などが挙げられる。これらのオレフィンモノマーは、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。上記オレフィンモノマーのうち、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの炭素数2〜4のα−オレフィンなどの鎖状オレフィンが好ましい。
前記オレフィンモノマーと共重合可能な他の共重合性モノマーの具体例としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル;(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系モノマー;マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物;カルボン酸のビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)など];ノルボルネン、シクロペンタジエンなどの環状オレフィン;およびブタジエン、イソプレンなどのジエン類などが挙げられる。すなわち、これらの共重合性モノマーは、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。
前記オレフィン樹脂のさらに具体的な例としては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、または線状低密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン(ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンなど)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体などの鎖状オレフィン(特に炭素数2〜4のα−オレフィン)の(共)重合体などが挙げられる。また、オレフィンモノマーと他の共重合性モノマーとの共重合体の具体例としては、例えば、鎖状オレフィン(特に、エチレン、プロピレンなどの炭素数2〜4のα−オレフィン)と脂肪酸ビニルエステルモノマーとの共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体など);鎖状オレフィンと(メタ)アクリルモノマーとの共重合体[鎖状オレフィン(特に炭素数2〜4のα−オレフィン)と(メタ)アクリル酸との共重合体(例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、プロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーなど);鎖状オレフィン(特に炭素数2〜4のα−オレフィン)とアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体(例えば、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体など);など];鎖状オレフィン(特に炭素数2〜4のα−オレフィン)とジエンとの共重合体(例えば、エチレン−ブタジエン共重合体など);エポキシ変性ポリオレフィン(例えば、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体)、カルボキシ変性ポリオレフィン(例えば、エチレン−無水マレイン酸共重合体)、エポキシおよびカルボキシ変性ポリオレフィン(例えば、エチレン−無水マレイン酸−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体)などの変性ポリオレフィン;オレフィンエラストマー(エチレン−プロピレンゴムなど)などが挙げられる。
ポリエステル樹脂の具体例としては、例えば、ジカルボン酸またはその誘導体およびジオールまたはその誘導体、ヒドロキシカルボン酸またはその誘導体、ならびにラクトンからなる群より選択される少なくとも1種を重縮合してなる重合体または共重合体が挙げられる。
上記ジカルボン酸またはその誘導体としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。上記ジオールまたはその誘導体としては、例えば、炭素数2〜20の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ダイマージオールなど、あるいは分子量200〜100000の長鎖グリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど、芳香族ジオキシ化合物、すなわち4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなど、およびこれらの誘導体などが挙げられる。上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびこれらの誘導体などが挙げられる。上記ラクトンとしてはカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどが挙げられる。また、前記ポリエステル樹脂には、ポリエステルエラストマーも含まれる。
ポリカーボネート樹脂の具体例としては、2価以上のフェノール化合物と、ホスゲンまたはジフェニルカーボネートのような炭酸ジエステル化合物とを反応させて得られる熱可塑性樹脂が挙げられる。
前記2価以上のフェノール化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−イソプロピルフェニル)メタン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1−エチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4−メチル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどのジヒドロキシジアリールアルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのジヒドロキシジアリールシクロアルカン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケトン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのジヒドロキシアリールフルオレン類などが挙げられる。また、上記2価フェノール化合物以外に、ヒドロキノン、レゾルシノール、メチルヒドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレンなどのジヒドロキシナフタレン類などが2価のフェノール化合物として使用できる。
これら2価以上のフェノール化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、共重合成分として、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの直鎖状脂肪族2価カルボン酸を用いても良い。
ポリアミド樹脂の具体例としては、例えば、ポリアミド46、ポリアミド5、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/66、ポリアミド6/11などの脂肪族ポリアミド;ポリ−1,4−ノルボルネンテレフタルアミド、ポリ−1,4−シクロヘキサンテレフタルアミドポリ−1,4−シクロヘキサン−1,4−シクロヘキサンアミドなどの脂環式ポリアミド;ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミドMXDなどの芳香族ポリアミド;これらのポリアミドのうち少なくとも2種の異なったポリアミド形成成分により形成されるコポリアミドなどが挙げられる。なお、前記ポリアミド樹脂には、ポリアミドエラストマーも含まれる。
ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、例えば、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレンエーテル)などの単独重合体、これらの単独重合体をベースとして構成された変性ポリフェニレンエーテル共重合体、ポリフェニレンエーテル単独重合体またはその共重合体にスチレン重合体がグラフトしている変性グラフト共重合体などが挙げられる。
ポリフェニレンスルフィド樹脂の具体例としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリビフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホンなどが挙げられる。
本発明の濡れ性向上剤と混合する熱可塑性樹脂は、合成品を用いてもよいし市販品を用いてもよい。合成品の場合、高圧ラジカル重合法、中低圧重合法、溶液重合法、スラリー重合法、塊状重合法、乳化重合法、気相重合法等の公知の方法を用いて樹脂(樹脂ポリマー)を合成し、樹脂組成物に適用してもよい。その際、上述の熱重合開始剤または光重合開始剤を用いてもよい。
なお、上記熱可塑性樹脂が共重合体である場合の共重合体の形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体のいずれでもよい。
上記熱可塑性樹脂は、好ましくは、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、オレフィン樹脂およびポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であり、より好ましくは(メタ)アクリル樹脂を含む。
[熱硬化性樹脂]
本発明で用いられる熱硬化性樹脂は、特に制限されないが、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。上記熱硬化性樹脂は、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、溶媒、重合開始剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤、染料、有機顔料、無機顔料、可塑剤、加工助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、発泡剤、ワックス、結晶核剤、離型剤、加水分解防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、ラジカル捕捉剤、防曇剤、防徽剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤等の他の添加成分を、適宜配合することができる。例えば、樹脂モノマーを含む樹脂組成物を対象物に塗布して硬化させる場合、硬化を促進させるため、樹脂組成物は重合開始剤を配合することが好ましい。重合開始剤の例としては、上述したような熱重合開始剤および光重合開始剤などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物の形態は、特に制限されず、例えば、固形状、エマルジョン、半透明溶液、透明溶液などいずれの形態でもよいが、環境負荷低減の観点から、エマルジョンであることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上記の濡れ性向上剤、樹脂、および必要に応じて上記の添加剤を、撹拌または溶融混練などにより混合することで製造することができる。溶融混練方法は、特に制限されず、例えば、単軸押出機、二軸押出機、熱ロール、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、または各種ニーダー等の装置を使用する方法を採用することができる。
<濡れ性向上剤およびこれを含む樹脂組成物の用途>
本発明の濡れ性向上剤およびこれを含む樹脂組成物は、親水化コーティング剤として好適に使用できる。具体的には、本発明の濡れ性向上剤または樹脂組成物からなる親水化コーティング剤を成形品の表面に塗布して乾燥または硬化させることで、成形品表面に親水性塗膜が形成される。すなわち、本発明の好ましい一実施形態は、上記親水化コーティング剤の乾燥物または硬化物からなる親水性塗膜である。当該親水性塗膜の表面は濡れ性(親水性)が高く、例えば、水に対する接触角が60°以下、好ましくは40°以下、より好ましくは20°以下、さらにより好ましくは10°以下である。したがって、本発明は、上記重合性組成物またはその重合物を用いた成形品の濡れ性(親水性)向上方法についても提供する。さらに、この高い濡れ性(親水性)は、水(例えば、純水、中性洗剤を含有する水溶液等)で塗膜を洗浄した後においても持続する。したがって、本発明は、上記重合性組成物またはその重合物を用いた成形品表面の濡れ性(親水性)持続方法についても提供するものである。
親水性を向上させる対象となる成形品の材質としては、特に制限されないが、例えば、プラスチック(例えばPET等)、ガラス等が挙げられる。また、成形品の形状としても、特に制限されないが、例えば、フィルム、繊維、シート、テープ等が挙げられる。
塗布方法としては、公知の塗布方法を適宜使用することができ、例えば、スピン塗布、ロール塗布、グラビア塗布、リバース塗布、スプレー塗布、エアーナイフ塗布、カーテン塗布、ロールブラッシュ、含浸、バーコーターによる塗布などの方法を用いることができる。
乾燥条件は、成形品の耐熱性や親水化コーティング剤に含まれる溶媒の沸点等に応じて適宜調節できる。乾燥温度は、特に制限されないが、例えば、50〜180℃、80〜150℃、または110〜130℃である。乾燥時間も、特に制限されないが、例えば、0.5〜120分、1〜60分、または1〜10分である。乾燥雰囲気も、特に制限されないが、例えば、大気、不活性ガス(例えば窒素)、真空である。
硬化方法は、光硬化または熱硬化のいずれであってもよいが、短時間硬化および成形品へのダメージ低減の観点から、光硬化であることが好ましい。すなわち、本発明の好ましい実施形態に係る親水化コーティング剤は、光硬化性樹脂を含む。光硬化性樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂が好ましく、上記A成分において例示したような多官能(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、特にトリメチロールプロパントリアクリレートが好ましい。
光硬化の場合、紫外線を発生する光源を用いることが好ましく、水銀ランプ(例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ)、メタルハライドランプなどを用いることができる。紫外線の照射条件は、特に制限されないが、積算光量は100〜1000mJ/cmが好ましく、200〜500mJ/cmがより好ましい。熱硬化の場合、上述の乾燥と同じ条件で実施してもよい。すなわち、乾燥および熱硬化は同時に進行してもよい。
上記の親水性塗膜を形成するにあたり、乾燥および硬化の両方を実施してもよい。例えば、予備乾燥により親水化コーティング剤に含まれる溶媒を除去した後、光硬化を実施してもよい。
形成される親水性塗膜の膜厚は、ドライ膜厚として、好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは5〜20μmであり、さらにより好ましくは10〜15μmである。かような範囲であれば、成形品本来の性質(硬度、可撓性等)を損ねることなく、成形品表面の親水性を高めることができる。
親水性塗膜中、B成分またはB成分由来の構成単位の含有量は、樹脂100質量%に対して、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%であり、さらにより好ましくは1質量%以上10質量%未満である。かような範囲であれば、塗膜の耐水性と表面親水性とを両立することができる。なお、当該含有量は、樹脂(例えば、A成分を含む樹脂の原料化合物)の合計仕込み量に対するB成分の仕込み量の割合と実質的に同等である。
本発明の濡れ性向上剤の他の用途としては、例えば、親水性を持たせる成形品の製造原料に混合することができる。成形品の材質としては、特に制限されないが、例えば、プラスチック、ガラス等が挙げられる。また、成形品の形状としても、特に制限されないが、例えば、フィルム、繊維、シート、テープ等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の他の用途としては、例えば、塗料、接着剤、粘着剤、繊維助剤、建材フィルム、ハードコート等の保護フィルム、家電製品の筐体、製紙用途(表面コート剤など)、土木用途(コンクリート混和剤など)等が挙げられる。本発明の樹脂組成物からなる成形品を作製し、当該成形品をこれらの用途に適用してもよい。当該成形品の表面は濡れ性(親水性)が高く、例えば、水に対する接触角が60°以下、好ましくは40°以下、より好ましくは20°以下、さらにより好ましくは10°以下である。加えて、この高い濡れ性(親水性)は、水(例えば、純水、中性洗剤を含有する水溶液等)で成形品を洗浄した後においても持続する。
成形品は、射出成形、押出成形、トランスファー成形、インフレーション法、圧縮成形などの公知の方法により製造することができる。これらの方法は、得られる成形品の形状に応じて適宜選択することができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は25℃で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。
<イオン結合性塩の合成>
(合成例1)[2M−AA][130305−S]の合成
トリデカノール(分枝状)200.4質量部に、水酸化カリウム2質量部を添加し、170℃まで昇温した後、1,2−ブチレンオキシド216.3質量部を1.0MPa以下の条件にて圧入し、10時間反応させた。その後さらに、エチレンオキシド220.3質量部を1.0MPa以下の条件にて圧入し、10時間反応させ、ポリオキシブチレン/ポリオキシエチレントリデシルエーテル639質量部を得た。得られたポリオキシブチレン/ポリオキシエチレントリデシルエーテル637質量部を110℃まで昇温し、スルファミン酸97.1質量部を加え、3時間反応させた。反応後、未反応のスルファミン酸を濾別し、ポリオキシブチレン/ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩([C1327−O−(BO)−(EO)−SO ][NH ])734.1質量部を得た。
次に、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート(略称:2M−AA)143.2質量部に、上記で合成したポリオキシブチレン/ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(略称:130305−SF)を734.1質量部添加した後、50℃で1時間反応させた。反応後、目的とするイオン結合性塩(略称:[2M−AA][130305−S]、上記式(b10)で表される化合物)を860.1質量部得た。
(合成例2)[2M−AA][1305−S]の合成
130305−Sの代わりに、従来公知の方法によりトリデカノール(分枝状)を用いて合成したポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸エステル塩(略称:1305−SF)517.4質量部を用いたことを除いては合成例1と同様にして、目的とするイオン結合性塩(略称:[2M−AA][1305−S]、上記式(b1)で表される化合物)を643.6質量部得た。
(合成例3)[2M−MA][707−S]の合成
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(略称:2M−MA)157.2質量部に、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の30%水溶液(日本乳化剤株式会社製、商品名:ニューコール707−SF、略称:N−707−SF)から水を減圧留去して得られたポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(略称:707−SF)を920.1質量部添加した後、1時間反応させた。反応後、目的とするイオン結合性塩(略称:[2M−MA][707−S]、上記式(d3)で表される化合物)を1060.3質量部得た。
<試験片の作製>
[溶液重合系]
(実施例1)
冷却管、窒素導入管、温度計、テフロン(登録商標)半月撹拌翼を備えたコルベンに、トルエン100質量部、A成分としてメタクリル酸メチル(MMA)65質量部およびアクリル酸n−ブチル(BA)35質量部、C成分としてアクリル酸(AA)2質量部、B成分として[2M−AA][130305−S]5質量部を仕込み、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1質量部を添加し、90℃で4時間溶液重合を行った。得られた溶液をガラス板上に膜厚75μmで塗布後、110℃の乾燥機にて10分間乾燥し、膜厚約15μmの親水性塗膜を有する試験片を得た。
(実施例2)
B成分として[2M−AA][130305−S]5質量部の代わりに[2M−AA][1305−S]5質量部を用いたことを除いては実施例1と同様にして、試験片を得た。
(実施例3)
C成分としてアクリル酸(AA)2質量部の代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)2質量部を用いたことを除いては実施例1と同様にして、試験片を得た。
(実施例4)
C成分としてアクリル酸(AA)2質量部の代わりにジメチルアクリルアミド(DMAA)2質量部を用いたことを除いては実施例1と同様にして、試験片を得た。
(実施例5)
D成分として[2M−MA][707−S]2質量部をさらに追加して溶液重合を行ったことを除いては実施例1と同様にして、試験片を得た。
(実施例6)
C成分であるアクリル酸(AA)を使用せずに溶液重合を行ったことを除いては実施例5と同様にして、試験片を得た。
(実施例7)
C成分としてアクリル酸(AA)2質量部の代わりに新中村化学工業株式会社製NKエステル9G 1質量部を用いたことを除いては実施例1と同様にして、試験片を得た。
(実施例8)
D成分として[2M−MA][707−S]2質量部の代わりに日本乳化剤株式会社製アントックス(登録商標)LMH−20 2質量部を用いたことを除いては実施例6と同様にして、試験片を得た。
(実施例9)
D成分として[2M−MA][707−S]2質量部の代わりに日本乳化剤株式会社製アントックス(登録商標)LMH−20 2質量部を使用したことを除いては実施例5と同様にして、試験片を得た。
(実施例10)
D成分として[2M−MA][707−S]2質量部の代わりに株式会社ADEKA製アデカリアソープ(登録商標)SR−10 2質量部を使用したことを除いては実施例5と同様にして、試験片を得た。
(実施例11)
D成分として[2M−MA][707−S]2質量部の代わりに日本乳化剤株式会社製アントックス(登録商標)MS−60 2質量部を使用したことを除いては実施例5と同様にして、試験片を得た。
(実施例12)
D成分として[2M−MA][707−S]2質量部の代わりに日本乳化剤株式会社製ニューコール(登録商標)740−SF 2質量部を使用したことを除いては実施例5と同様にして、試験片を得た。
(実施例13)
B成分である[2M−AA][130305−S]の配合量を2質量部に変更したことを除いては実施例5と同様にして、試験片を得た。
(比較例1)
C成分であるアクリル酸(AA)を使用せずに溶液重合を行ったことを除いては実施例1と同様にして、試験片を得た。
[UV重合系]
(実施例14)
A成分としてトリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製NKエステルA−TMPT)90質量部、B成分として[2M−AA][130305−S]5質量部、D成分として[2M−MA][707−S]2質量部、メチルエチルケトン100質量部を仕込み、重合開始剤としてBASFジャパン株式会社製イルガキュア(登録商標)127 3質量部を添加して溶液を調製した。得られた溶液をPET板上にウェット膜厚75μmとなるようバーコーターにより塗布し、70℃の乾燥機にて1分間乾燥した後、照射光源として紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製、ECS−4011GX、水銀ランプ)を用いて積算光量500mJ/cmで重合を行い、ドライ膜厚15μmの塗膜を有する試験片を得た。
(実施例15)
C成分として新中村化学工業株式会社製NKエステル9G 2質量部を溶液にさらに追加したことを除いては実施例14と同様にして、試験片を得た。
(実施例16)
C成分として新中村化学工業株式会社製NKエステル1G 2質量部を溶液にさらに追加したことを除いては実施例14と同様にして、試験片を得た。
(実施例17)
C成分としてメタクリロイルオキシエチルエチレンウレア(MEEU)10質量部を溶液にさらに追加したことを除いては実施例14と同様にして、試験片を得た。
(実施例18)
C成分としてジメチルアクリルアミド(KJケミカル株式会社製DMAA)10質量部を溶液にさらに追加したことを除いては実施例14と同様にして、試験片を得た。
(実施例19)
B成分である[2M−AA][130305−S]の配合量を2質量部に変更し、かつ、D成分として[2M−MA][707−S]2質量部の代わりにC成分としてアクリル酸(AA)2質量部を使用したことを除いては実施例14と同様にして、試験片を得た。
<親水性塗膜の評価>
[接触角測定]
上記実施例で得られた試験片について、水の接触角を測定した。接触角計を用い、乾燥状態(25℃/50%RH)で、液体として純水を使用して約1μLの液滴を針先に作り、これを試験片の表面に接触させて試験片上に液滴を作った。試験片と液体とが接する点における、液体表面に対する接線と試験片表面がなす角で、液体を含む側の角度を接触角とした。
[洗浄方法(耐久性試験)]
水1Lに市販の家庭用中性洗剤5滴(約100mg)を加えた洗浄水をスポンジに湿らせ、このスポンジで試験片を10回擦り、水道水に次いでイオン交換水の順ですすぎ、水滴を拭き取った後に、ガラス板の場合は110℃で10分間、PET板の場合は70℃で1分間乾燥させた。この工程を繰り返し行い、試験片の接触角を測定した。
表2および表3に示すように、B成分と、C成分または/およびD成分を用いて作製された塗膜(実施例1〜19)は、1回洗浄前後で接触角が10°以下であり、洗浄後も高い表面親水性が維持された。
溶液重合法を用いて塗膜を作製した場合、C成分を用いて作製された塗膜(実施例1〜5、7、9〜13)は洗浄回数3回後においても接触角が10°以下であり、特にC成分とD成分とを併用して作製された塗膜(実施例5、9〜13)は洗浄回数6回後においても10°以下であり、塗膜表面の親水性の持続効果が顕著に優れていた。当該効果は、D成分として反応性基を有する界面活性剤を用いることで、さらに向上した。一方、C成分およびD成分を用いずに作製された塗膜(比較例1)は、洗浄前の接触角は10°以下であり親水性が良好であるものの、洗浄1回後において接触角が66°まで上昇し、塗膜表面の親水性が顕著に低下した。
また、UV重合により塗膜を作製した場合においても、C成分とD成分とを併用して作製された塗膜(実施例15〜18)は、いずれか一方の成分のみを使用して作製された塗膜(実施例14、19)に比べて、繰り返し洗浄しても接触角の上昇が良好に抑制され、塗膜表面の親水性の持続効果が顕著に優れていた。
上記の結果から、本発明に係るB成分と、C成分または/およびD成分と、を含む重合性組成物からなる濡れ性向上剤は、洗浄後も高い親水性が維持される(洗浄後も水に対する接触角が60°以下、40°以下、20°以下、または10°以下である)表面を有する塗膜を形成できることが実証された。

Claims (16)

  1. 下記式(1)で表されるイオン結合性塩(B)と、親水性基を有する不飽和エチレン性単量体(C)(前記(B)および下記(D)を除く)および界面活性剤(D)(前記(B)を除く)の少なくとも一方と、を含む重合性組成物からなる、濡れ性向上剤:
    上記式(1)中、
    は、置換されていてもよい炭素数12〜14の直鎖状または分枝状のアルキル基であり、
    は、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、
    m1は、AOの平均付加モル数で1〜50の数であり、
    は、エチレン性不飽和結合を有するアンモニウムイオンである。
  2. 前記重合性組成物がラジカル重合性化合物(A)(前記(B)、(C)および(D)を除く)をさらに含む、請求項1に記載の濡れ性向上剤。
  3. 前記(D)が、下記式(2)で表されるイオン結合性塩を含む、請求項1または2に記載の濡れ性向上剤:
    上記式(2)中、
    は、置換されていてもよい炭素数6〜50のアリール基であり、
    は、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、
    m2は、AOの平均付加モル数で1〜50の数であり、
    は、エチレン性不飽和結合を有するアンモニウムイオンである。
  4. 前記親水性基は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ウレア基、ポリオキシエチレン基およびアミド基からなる群より選択される少なくとも1種の基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の濡れ性向上剤。
  5. 前記重合性組成物における前記(B)と前記(C)および前記(D)の合計量との質量比が、1:0.05〜1:50である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の濡れ性向上剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合性組成物の重合物からなる、濡れ性向上剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の濡れ性向上剤からなる、親水化コーティング剤。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の濡れ性向上剤と、樹脂と、を含む樹脂組成物。
  9. 請求項8に記載の樹脂組成物からなる、親水化コーティング剤。
  10. 請求項7または9に記載の親水化コーティング剤の乾燥物または硬化物からなる、親水性塗膜。
  11. 表面の水に対する接触角が40°以下である、請求項10に記載の親水性塗膜。
  12. 成形品と、前記成形品の表面に配置された請求項10または11に記載の親水性塗膜と、を有する、親水性表面を有する成形品。
  13. 請求項7または9に記載の親水化コーティング剤を成形品の表面に塗布して乾燥または硬化させることにより、前記成形品の表面に親水性塗膜を形成する工程を含む、親水性表面を有する成形品の製造方法。
  14. 前記親水性塗膜の水に対する接触角が40°以下である、請求項13に記載の成形品の製造方法。
  15. 請求項8に記載の樹脂組成物からなる、成形品。
  16. 前記成形品表面の水に対する接触角が40°以下である、請求項15に記載の成形品。
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