JP2018090682A - 研磨組成物、研磨方法、及び研磨組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨工程において、高い研磨速度を有し、且つ、欠陥の発生を抑制することが可能な研磨組成物及びこれを用いた研磨方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記のような研磨速度の向上及び欠陥の低減効果が得られる研磨組成物の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】砥粒を含む研磨組成物であって、前記砥粒として中空を有する中空粒子を含み、該中空粒子が前記中空の内部に研磨促進剤を保持しているものであることを特徴とする研磨組成物。【選択図】 図1
Description
本発明は、研磨組成物、研磨方法、及び研磨組成物の製造方法に関する。
半導体集積回路の製造技術の向上に伴い半導体素子の高集積化、高速動作が求められるようになると半導体素子における微細回路の製造工程において要求される半導体基板表面の平坦性はより厳しくなってきており、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)が半導体素子の製造工程に不可欠な技術となっている。
このCMPは、半導体基板の絶縁層上に形成された溝にタングステンや銅、アルミニウムなどの金属材料を埋め込み、溝部分に堆積した金属層を研磨し除去する配線工程等に用いられている(特許文献1参照)。また、近年では半導体メモリ素子等では更なる性能の向上のため、ゲート電極等の素子部分にも金属材料を使用することが検討されおり、この半導体メモリ素子の製造工程においてもCMPが用いられる(特許文献2参照)。
CMPでは、砥粒や試薬を含む研磨組成物を研磨パッド上に供給しつつ、定盤上に貼り付けた研磨パッドに半導体基板を押し当てながら研磨パッドを相対的に運動させる。この際に、試薬による化学的な反応と、砥粒による機械的な研磨効果により半導体基板表面の凹凸を削り、表面を平坦化することができる。尚、研磨組成物中に含まれる砥粒として二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、ダイヤモンド、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化マンガン等の無機粒子が使用されている(特許文献3、4参照)。
CMP工程において重要な特性は研磨工程に由来する研磨欠陥であり、この欠陥は半導体素子の歩留りや信頼性に影響することから、いかにCMP工程における欠陥の発生を抑制するかが課題である。このように、半導体素子の微細化が進むにつれ、より高水準の研磨工程が求められるようになってきた。
しかしながら、半導体素子の微細化が進むにつれ、従来の研磨技術では必要とされる欠陥の特性を充分に満たせなくなってきている。そのため、スクラッチ、ディッシング、及びキーホール等の欠陥に対して更なる特性の向上が可能な研磨技術が必要とされている。
特に、ディッシングはタングステンの埋め込み部分が過研磨されることにより凹みが生じる欠陥であり、キーホールはタングステン埋め込み部のシームと呼ばれるわずかな隙間がエッチングにより拡大することが原因の欠陥である。このような欠陥はCMPの化学的作用によるエッチングが強く、機械的な作用による研磨効果とのバランスが最適でないことが主な原因となり生じるものであると考えられる。
さらに、生産性向上の観点から研磨工程が要する時間を短縮するために、欠陥の発生を抑制しつつ、高い研磨速度を出すことが可能な研磨技術も必要とされている。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、研磨工程において、高い研磨速度を有し、且つ、欠陥の発生を抑制することが可能な研磨組成物及びこれを用いた研磨方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記のような研磨速度の向上及び欠陥の低減効果が得られる研磨組成物の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、砥粒を含む研磨組成物であって、前記砥粒として中空を有する中空粒子を含み、該中空粒子が前記中空の内部に研磨促進剤を保持しているものであることを特徴とする研磨組成物を提供する。
本発明のように、中空内部に研磨促進剤を保持した中空粒子を砥粒として含むことで、被研磨対象物と中空粒子とが接触する部分に研磨促進剤が効果的に作用する。これにより、研磨促進剤による研磨速度の向上作用が効果的に得られ、また、化学的効果よる過剰なエッチングを抑制して、欠陥の発生も抑制することができるものとなる。
このとき、前記中空粒子として、二酸化ケイ素を含むことが好ましい。
中空粒子として二酸化ケイ素を含むことで、高い研磨速度を確実に得ることができる。
またこのとき、前記中空粒子として、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム、チタン、マンガンから選択される少なくとも1種類以上の酸化物と二酸化ケイ素とを含有する複合酸化物を含むことが好ましい。
中空粒子を二酸化ケイ素と上記の酸化物との複合酸化物とすれば、研磨に最適な砥粒の硬度やゼータ電位が得られ、機械的な研磨効果を促進することができる。
また、前記研磨促進剤として、過酸化物または鉄(III)塩のうち少なくとも1種類以上を含むことが好ましい。
本発明の研磨組成物がこれらの研磨促進剤を含むことで、被研磨対象物の表面を酸化でき、研磨を効果的に促進するとともに、化学的効果よる過剰なエッチングをより確実に抑制して、特に、ディッシングやキーホール等の欠陥の発生をより抑制することができるものとなる。
また、本発明の研磨組成物は、前記過酸化物として、過硫酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、これらの塩、及び過酸化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を含むことができる。また、本発明の研磨組成物は、前記鉄(III)塩として、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、シュウ酸鉄(III)、トリス(オキサラト)鉄(III)カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)アンモニウム、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム、クエン酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)アンモニウム、水溶性フェロセン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を含むことができる。
本発明の研磨組成物は、より具体的には、これらのような研磨促進剤を含むことができる。
また、本発明の研磨組成物が、さらに、ケイ素、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム、チタン、マンガンから選択される少なくとも1種類以上の中空でない酸化物粒子又は水酸化物粒子を含むものであることが好ましい。
本発明の研磨組成物が、中空粒子に加えて、さらに、上記のような中空を有していない酸化物粒子又は水酸化物粒子を含むことで、研磨をより効果的に促進することができ、研磨速度をより高速化することができる。
また、本発明の研磨組成物が、さらに、分散剤とpH調整剤のうち少なくとも1種類以上を含むことが好ましい。
このような研磨組成物であれば、被研磨物や目的に応じた特性、pHを有するものとなる。
また、上記目的を達成するために、本発明は上記の研磨組成物を用いて半導体基板を研磨することを特徴とする研磨方法を提供する。
上記の研磨組成物を用いれば、欠陥の発生を抑制することができ、さらに、高い研磨速度が得られる。
また、半導体基板が表面に金属層を含むことが好ましい。
本発明は、金属層を含んだ半導体基板の研磨に好適である。
また、前記金属層がタングステン又はタングステン合金からなるものであることが好ましい。
本発明は、金属層としてタングステン又はタングステン合金を含んだ半導体基板の研磨に特に好適である。
また、上記目的を達成するために、本発明は、研磨組成物の製造方法であって、中空を有する中空粒子を製造する粒子製造工程と、該製造した中空粒子の中空の内部に研磨促進剤を保持させる保持工程と、を有し、前記研磨促進剤を中空の内部に保持した中空粒子を砥粒として用いて研磨組成物を製造することを特徴とする研磨組成物の製造方法を提供する。
砥粒として、内部の中空に研磨促進剤を保持する中空粒子を用いて、研磨組成物を製造することで、研磨速度が大きく、欠陥の発生を抑制可能な研磨組成物を得ることができる。
本発明の研磨組成物及びこれを用いた研磨方法では、高い研磨速度を有し、且つ、半導体装置の信頼性低下の原因となる欠陥の発生を抑制することが可能である。また、本発明の研磨組成物の製造方法は、このような欠陥の低減及び研磨速度の向上効果が得られる研磨組成物を得ることができる。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述のように、半導体素子の微細化が進むにつれ、CMP等の研磨におけるスクラッチやディッシング等の欠陥を従来以上に抑制しなければならず、同時に高い研磨速度が必要とされていた。
そこで、本発明者らはこのような課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、内部に研磨促進剤を保持する中空粒子を砥粒として含む研磨組成物であれば、欠陥の発生の低減効果と高研磨速度が得られることに想到し、本発明を完成させた。
以下、本発明について詳細に説明する。まず、本発明の研磨組成物について説明する。本発明の研磨組成物は少なくとも砥粒を含む。砥粒の他には、水、砥粒を分散させる分散剤、pH調整剤などを必要に応じて含んでいてもよい。また、本発明の研磨組成物は、砥粒として、中空を有する中空粒子を含有しており、中空粒子が、その中空の内部に研磨促進剤を保持している。
本発明では、この中空粒子として、二酸化ケイ素を含むことが好ましい。二酸化ケイ素からなる中空粒子を含むことで、高い研磨速度を確実に得ることができる。
また、中空粒子としては、二酸化ケイ素だけではなく、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム、チタン、マンガンから選択される少なくとも1種類以上の酸化物と二酸化ケイ素とを含有する複合酸化物を含んでいてもよい。中空粒子を複合酸化物にすることで、中空粒子の硬度やゼータ電位を制御することができ、研磨条件に合わせた適切な砥粒となる。なお、複合酸化物の金属元素の組成や含有量は特に制限されず、目的に応じて適宜選択できる。
また、上記の通り、中空粒子の中空内部には研磨促進剤が保持されている。このように、中空内部に研磨促進剤を保持した中空粒子を砥粒として含むことで、単に研磨促進剤を研磨組成物に添加しただけで研磨促進剤が砥粒の内部に含まれていない場合と異なり、被研磨対象物と中空粒子とが接触する部分に研磨促進剤がより効果的に作用する。これにより、研磨促進剤による研磨速度の向上作用が効果的に得られ、また、スクラッチ等の欠陥の発生を抑制することができる。さらに、研磨促進剤がより効果的に作用するため、エッチングが過剰となることを防止し、機械的研磨と化学的研磨のバランスが最適化されるため、ディッシングやキーホール等の欠陥を抑制することができる。
中空粒子の中空に保持される研磨促進剤としては、特に限定されることはないが、過酸化物または鉄(III)塩のうち少なくとも1種類以上を用いることができる。過酸化物や鉄(III)塩といった酸化剤を含む研磨促進剤が、被研磨対象物と中空粒子とが接触する部分に作用し、被研磨対象物の表面を酸化して研磨を効果的に促進するとともに、化学的効果による被研磨対象物の過剰なエッチングをより確実に抑制して、特に、ディッシングやキーホール等の欠陥の発生をより抑制することができる。
中空内の過酸化物としては、例えば、過硫酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、これらの塩、及び過酸化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を用いることができる。また、鉄(III)塩としては、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、シュウ酸鉄(III)、トリス(オキサラト)鉄(III)カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)アンモニウム、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム、クエン酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)アンモニウム、水溶性フェロセン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を用いることができる。これらのような、過酸化物または鉄(III)塩を研磨促進剤として用いることで、研磨速度の向上効果及び欠陥の発生の抑制効果をより確実に得ることができる。
研磨促進剤は、特に限定されることはないが、溶液状態で中空に保持されたものとすることができ、また、研磨促進剤の溶液の濃度は、研磨対象物の材質や研磨条件に合わせ適宜選択できる。また、互いに異なる研磨促進剤を保持している中空粒子を混合し、砥粒として用いても良い。
また、中空粒子の平均一次粒子径は、30nm以上200nm以下であることが好ましい。中空粒子の平均一次粒子径が30nm以上であれば極端に研磨速度が遅くなることがなく、また、平均一次粒子径が200nm以下であれば、スクラッチの発生をより抑制することができるものとなる。
なお、中空粒子の平均一次粒子径は透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)或いは走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)により得られる粒子画像を計測し、粒子100個以上の定方向最大径、即ち、フェレ(Feret)径の平均値から計算することができる。もちろん、平均一次粒子径の測定方法はこれに限定されず、他の方法で測定を行うことが可能である。
また、本発明の研磨組成物は、上記のような中空粒子に加えて、中空でない酸化物粒子又は水酸化物粒子を含むものであってもよい。中空粒子に加えて、中空でない酸化物粒子又は水酸化物粒子を含むことで、研磨をより効果的に促進することができ、研磨速度をより高速化することができるものとなる。
中空でない酸化物粒子又は水酸化物粒子としては、特に限定されないが、ケイ素、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム、チタン、マンガンから選択される少なくとも1種類以上の酸化物粒子又は水酸化物粒子を、研磨対象物の材質や必要とする研磨速度や血管のレベルに応じて適宜選択して用いることができる。
また、中空でない酸化物粒子及び水酸化物粒子の平均一次粒子径は、10nm以上100nm以下であることが好ましい。このように、平均一次粒子径が10nm以上であれば研磨速度の向上効果が十分に得られ、また、平均一次粒子径が100nm以下であれば、スクラッチの発生を抑制することができる。また、このような粒子の平均一次粒子径は中空粒子の場合と同様に、SEM或いはTEMから得られた粒子画像からフェレ径の平均値を算出することで求めることができるし、その他の測定方法を用いても良い。
また、本発明の研磨組成物中の中空でない酸化物粒子及び水酸化物粒子の含有量は、必要とする研磨速度や欠陥のレベルに応じ自由に選択できるが、特に、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。これらの粒子の含有量が0.1質量%以上であれば研磨速度の向上に特に有効に作用し、10質量%以下であればスクラッチ等の欠陥の発生をより抑えることができる。
また、本発明の研磨組成物は、上記中空粒子内部に保持された研磨促進剤とは別に、さらに研磨促進剤を含むものであってもよい。この場合には、研磨促進剤を研磨組成物に直接添加すればよい。そして、この研磨促進剤は特に限定されないが、過酸化物からなる有機又は無機化合物、或いは鉄(III)塩のような酸化剤であることが好ましい。またこれらは中空粒子内部に保持された研磨促進剤と同一であっても良いし、異なっていても良い。
中空粒子に保持された研磨促進剤とは別に研磨組成物に添加する研磨促進剤としては、特に限定されないが、より具体的には、過硫酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、過酸化水素が、鉄(III)塩からなる化合物としては特に限定されないが、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、シュウ酸鉄(III)、トリス(オキサラト)鉄(III)カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)アンモニウム、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム、クエン酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)アンモニウム、水溶性フェロセン誘導体が含まれることが好ましい。またこれらの添加量は必要とする研磨速度に合わせ適宜調整できる。
本発明の研磨組成物が、これらの研磨促進剤をさらに含むことで、半導体基板の表面をより確実に酸化でき、研磨をより効果的に促進することができるものとなる。
また、本発明の研磨組成物は、さらに、分散剤とpH調整剤のうち少なくとも1種類以上を含むことが好ましい。研磨組成物が分散剤を含むことで、砥粒が研磨組成物中で適切に分散して粒径の大きな二次粒子が生じにくくなり、スクラッチなどの欠陥の発生を抑制することができる。また、研磨組成物がpH調整剤を含むことにより、研磨対象物の材質などに応じた適切なpHとなる。
分散剤として、例えば水溶性高分子を添加することができる。水溶性高分子の種類、構造、分子量は特に制限されず従来公知のものを目的に応じ適宜選択できる。また、水溶性高分子の例として、ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアミン、ポリイミンなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
pH調整剤としては、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸などの有機酸、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基、水酸化テトラメチルアンモニウム(Tetramethylammonium hydroxide:TMAH)などの有機塩基を用いることができる。また、本発明における研磨組成物のpHは特に限定されず、研磨対象物の材質及び目的に応じ適宜選択できる。例えば、タングステン又はタングステン合金を含む半導体基板の表面を研磨する場合は、研磨組成物のpHが2以上5以下であることが好ましい。
次に、本発明の研磨組成物の製造方法について説明する。本発明の研磨組成物の製造方法は、中空を有する中空粒子を製造する粒子製造工程と、製造した中空粒子の中空の内部に研磨促進剤を保持させる保持工程と、を有する。そしてこれらの工程によって研磨促進剤を中空の内部に保持した中空粒子を、砥粒として用いて研磨組成物を製造する。
粒子製造工程における中空粒子の製造方法は特に限定されず、目的に応じ適宜選択できるが、例えば、特許第2590428号、特許第4046921号、特許第5685145号や特許第5747329号などに開示されている方法を用いればよい。一例としては、例えば、ポリスチレンなどの有機粒子や炭酸カルシウムなどの無機粒子をテンプレート(コア)として、ゾルゲル法によりテンプレート表面をシリカで被覆することでコアシェル構造の粒子を作製した後に、テンプレート(コア)を熱処理や酸などにより除去することで中空粒子を得ることができる。ゾルゲル法におけるシリカ源としてはアルコキシシランなどを用いることができる。
また、上記の通り本発明の研磨粒子は、中空粒子として、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム、チタン、マンガンから選択される少なくとも1種類以上の酸化物と二酸化ケイ素とを含有する複合酸化物を含むことが好ましい。このような複合酸化物粒子は、例えば、上記の粒子製造工程でのゾルゲル法によるコアの被覆において、シリカ源としてのアルコキシシランと上記ジルコニウム等の元素の金属アルコキシドを反応させたり、ジルコニウム等の元素の金属塩を溶解させた溶液中でアルコキシシランをゾルゲル反応により共沈させたりすることで得ることができる。
次に、保持工程において、中空粒子の中空に研磨促進剤を保持させるが、このとき例えば、特開2011−121813号に開示されている方法により中空に研磨促進剤を保持させてもよい。一例としては、例えば、中空粒子を研磨促進剤を含む溶液に浸漬することで中空粒子内部に研磨促進剤を保持させることができる。そして、研磨促進剤を保持させた中空粒子を遠心分離や濾過により研磨促進剤を含む溶液から回収する。
このようにして得られた研磨促進剤を保持した中空粒子を、所定の溶液中に再分散させることで本発明の研磨組成物を得ることができる。また、研磨促進剤を保持した中空粒子を、従来の研磨組成物に添加することによって本発明の研磨組成物を製造してもよい。
以上のようにして、高研磨速度と欠陥の発生の低減効果が得られる本発明の研磨組成物を製造することができる。
また、本発明の研磨組成物の製造方法は、更に、砥粒として中空でないケイ素、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム、チタン、マンガンから選択される少なくとも1種類以上の酸化物又は水酸化物を添加する工程を含んでも良い。
また、本発明の研磨組成物の製造方法は、さらに、中空に保持されているものとは別に研磨促進剤を添加する工程や、分散剤、pH調整剤等を添加する工程を含んでいても良い。
次に、本発明の研磨組成物を使用した研磨方法について説明する。以下では、半導体基板を片面研磨する場合を例に説明するが、もちろんこれに限定されることはなく、本発明の研磨組成物は両面研磨や面取り部の研磨にも用いることができる。
片面研磨装置は、例えば、図1に示すように、研磨パッド4が貼り付けられた定盤3と、研磨組成物供給機構5と、研磨ヘッド2等から構成された片面研磨装置10とすることができる。このような研磨装置10では、研磨ヘッド2で半導体基板Wを保持し、研磨組成物供給機構5から研磨パッド4上に本発明の研磨組成物1を供給するとともに、定盤3と研磨ヘッド2をそれぞれ回転させて半導体基板Wの表面を研磨パッド4に摺接させることにより研磨を行う。
このとき、半導体基板Wを表面に金属層を含むものとすることができ、更に、金属層がタングステン又はタングステン合金であるものとすることができる。本発明の研磨組成物を用いた本発明の研磨方法は、半導体基板Wの表面の金属層の研磨に好適であり、特にタングステン、タングステン合金から成る金属層の研磨に対し好適に用いられる。
本発明の研磨組成物を用いた研磨方法であれば、研磨速度が大きいことに加え、研磨後の半導体基板の表面のスクラッチやディッシング等の欠陥の発生を抑制できる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の研磨組成物を供給しながら、半導体基板の表面を片面研磨し、その後研磨速度及びスクラッチ及びディッシング、キーホール欠陥を評価した。この片面研磨で使用した研磨組成物は、以下のように製造した。
本発明の研磨組成物を供給しながら、半導体基板の表面を片面研磨し、その後研磨速度及びスクラッチ及びディッシング、キーホール欠陥を評価した。この片面研磨で使用した研磨組成物は、以下のように製造した。
最初に、3Lのエタノールに粒径90nm、密度1.05g/cm3のポリスチレン粒子をテンプレート(コア)として1質量%分散させ、濃度10%のアンモニア水100mLを加えた。この溶液を室温で撹拌しながらシリカ源としてテトラエトキシシラン120mLを少量ずつ滴下した。反応を完全に進めるために40時間撹拌を続けた。
その後、遠心分離により白色沈殿物を回収し、70℃のオーブンで乾燥させた。得られた乾燥粉末を電気炉で500℃、4時間加熱しポリスチレン粒子を除去し、二酸化ケイ素の中空粒子を得た。
得られた中空粒子はTEM観察から球状で平均一次粒子が136nmであり、二酸化ケイ素外殻の厚みが23nmである中空粒子であることが確認された。
次に、得られた中空粒子10gを1質量%の硝酸鉄(III)水溶液に加え、超音波を印加しながら24時間浸漬し、硝酸鉄(III)水溶液を中空粒子内部に保持させた。その後、粒子を濾過により回収した。このようにして、中空に研磨促進剤として硝酸鉄(III)水溶液を保持する中空粒子を得た。
この中空粒子をpHが2.6であり、分散剤として分子量70,000のポリスチレンスルホン酸0.05質量%、研磨促進剤として過酸化水素水1質量%を含む研磨組成物1Lに加えて分散させた。以上のようにして、本発明の研磨組成物を製造した。
(研磨速度の評価)
研磨速度の評価は、直径12インチ(300mm)のシリコン基板上に厚さ約10nmの窒化チタン層を介して厚さ約800nmのタングステン層を堆積したブランケット基板を研磨し、研磨前後のタングステン層の厚さ(膜厚)の変化量を時間(min)で割ることで研磨速度を算出した。膜厚は4探針シート抵抗測定機(ナプソン(株)製 RH−100PV)により測定したシート抵抗率から下記の(式1)により求めた。
ρ=ρs×t …(式1)
(ここで、ρ:比抵抗(定数)、ρs:シート抵抗率、t:膜厚である。)
研磨速度の評価は、直径12インチ(300mm)のシリコン基板上に厚さ約10nmの窒化チタン層を介して厚さ約800nmのタングステン層を堆積したブランケット基板を研磨し、研磨前後のタングステン層の厚さ(膜厚)の変化量を時間(min)で割ることで研磨速度を算出した。膜厚は4探針シート抵抗測定機(ナプソン(株)製 RH−100PV)により測定したシート抵抗率から下記の(式1)により求めた。
ρ=ρs×t …(式1)
(ここで、ρ:比抵抗(定数)、ρs:シート抵抗率、t:膜厚である。)
(スクラッチの発生量の評価)
スクラッチの発生量の評価は、レーザー顕微鏡(オリンパス(株)製 OLS4100)により、研磨後のブランケット基板の表面における基板中心付近の任意の10点と基板外周付近の任意の10点を観察して、スクラッチの個数をカウントし、スクラッチの個数の総数を観察領域の合計面積で割ることで1mm2当たりのスクラッチの個数を算出した。
スクラッチの発生量の評価は、レーザー顕微鏡(オリンパス(株)製 OLS4100)により、研磨後のブランケット基板の表面における基板中心付近の任意の10点と基板外周付近の任意の10点を観察して、スクラッチの個数をカウントし、スクラッチの個数の総数を観察領域の合計面積で割ることで1mm2当たりのスクラッチの個数を算出した。
(ディッシング量の評価)
また、上記したものとは別の半導体基板の表面を片面研磨し、ディッシング量を評価した。このとき使用した研磨組成物は、上記で製造した研磨組成物と同様のものとした。研磨対象の半導体基板は、180nm間隔で直径180nm、深さ250nmの円柱状の溝に厚さ約1nmの窒化チタン層を介して厚さ約600nmのタングステン層を堆積し、溝部分を埋めたパターン付き基板とした。そして、研磨後のパターン部分を切り出し、断面を電子顕微鏡により観察し、溝のない非パターン領域とタングステン埋め込み部の最も窪んだ部分との差をディッシング量として評価した。
また、上記したものとは別の半導体基板の表面を片面研磨し、ディッシング量を評価した。このとき使用した研磨組成物は、上記で製造した研磨組成物と同様のものとした。研磨対象の半導体基板は、180nm間隔で直径180nm、深さ250nmの円柱状の溝に厚さ約1nmの窒化チタン層を介して厚さ約600nmのタングステン層を堆積し、溝部分を埋めたパターン付き基板とした。そして、研磨後のパターン部分を切り出し、断面を電子顕微鏡により観察し、溝のない非パターン領域とタングステン埋め込み部の最も窪んだ部分との差をディッシング量として評価した。
(キーホールの評価)
キーホールの評価は、上記パターン付き基板の研磨後の埋め込み部分をSEMにより観察し、キーホールの発生の有無を確認した。
キーホールの評価は、上記パターン付き基板の研磨後の埋め込み部分をSEMにより観察し、キーホールの発生の有無を確認した。
尚、実施例1において、研磨装置はPoli−762(G&P Technology, Inc.製)を、研磨パッドはIC1000(ニッタ・ハース(株)製)を使用した。また、研磨条件は、被研磨基板に加える加重を193g/cm2、定盤回転数を70rpm、研磨ヘッド回転数を70rpm、スラリー(研磨組成物)供給量を100mL/minとして片面研磨を行った。
(実施例2)
実施例2では、中空粒子を二酸化ケイ素と酸化ジルコニウムの複合酸化物からなるものとし、その中空に実施例1と同様に研磨促進剤として硝酸鉄(III)水溶液を保持させた。このような中空粒子は以下のように作製した。まず、3Lのエタノールに粒径90nm、密度1.05g/cm3のポリスチレン粒子をテンプレートとして1質量%を分散させ、濃度10%のアンモニア水100mLを加えた。また、これとは別に、オキシ塩化ジルコニウム八水和物44gを純水50mLに溶解し、ここにエタノール100mLを加えた後、テトラエトキシシラン120mLを加え混合した。この混合溶液を少量ずつ、先に作製したテンプレートを含む溶液に滴下した。以下、実施例1と同様の処理を行い、二酸化ケイ素と酸化ジルコニウムの複合酸化物からなる中空粒子を得た。こうして得られた中空粒子は球状で粒径が144nmであり、外殻厚みが27nmである中空粒子であることが確認された。
実施例2では、中空粒子を二酸化ケイ素と酸化ジルコニウムの複合酸化物からなるものとし、その中空に実施例1と同様に研磨促進剤として硝酸鉄(III)水溶液を保持させた。このような中空粒子は以下のように作製した。まず、3Lのエタノールに粒径90nm、密度1.05g/cm3のポリスチレン粒子をテンプレートとして1質量%を分散させ、濃度10%のアンモニア水100mLを加えた。また、これとは別に、オキシ塩化ジルコニウム八水和物44gを純水50mLに溶解し、ここにエタノール100mLを加えた後、テトラエトキシシラン120mLを加え混合した。この混合溶液を少量ずつ、先に作製したテンプレートを含む溶液に滴下した。以下、実施例1と同様の処理を行い、二酸化ケイ素と酸化ジルコニウムの複合酸化物からなる中空粒子を得た。こうして得られた中空粒子は球状で粒径が144nmであり、外殻厚みが27nmである中空粒子であることが確認された。
このような中空粒子を用いたこと以外、実施例1と同様に研磨組成物を作製し、作製した研磨組成物を用いて、実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、実施例1と同様な方法で研磨速度、スクラッチの発生量、ディッシング量、キーホールの有無を評価した。
(実施例3)
実施例1の研磨組成物に、さらに、1次粒子径が25nmの中空でない酸化アルミニウム粒子を1質量%添加した研磨組成物を使用して実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、研磨速度、スクラッチの発生量、ディッシング量、キーホールの有無を評価した。
実施例1の研磨組成物に、さらに、1次粒子径が25nmの中空でない酸化アルミニウム粒子を1質量%添加した研磨組成物を使用して実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、研磨速度、スクラッチの発生量、ディッシング量、キーホールの有無を評価した。
(比較例1)
砥粒を実施例1〜3のような中空粒子ではなく、1次粒子径が140nmの中空でないコロイダルシリカに変更したこと以外は組成が同様の研磨組成物を作製した。但し、研磨促進剤としての硝酸鉄(III)は、実施例1〜3のように中空粒子に保持させるのではなく、濃度が0.05質量%となるよう研磨組成物に直接添加した。よって、比較例1の研磨組成物には、過酸化水素水1質量%と硝酸鉄(III)0.05質量%が研磨促進剤として含まれていた。この研磨組成物を使用し実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、研磨速度、スクラッチの発生量、ディッシング量、キーホールの有無を評価した。
砥粒を実施例1〜3のような中空粒子ではなく、1次粒子径が140nmの中空でないコロイダルシリカに変更したこと以外は組成が同様の研磨組成物を作製した。但し、研磨促進剤としての硝酸鉄(III)は、実施例1〜3のように中空粒子に保持させるのではなく、濃度が0.05質量%となるよう研磨組成物に直接添加した。よって、比較例1の研磨組成物には、過酸化水素水1質量%と硝酸鉄(III)0.05質量%が研磨促進剤として含まれていた。この研磨組成物を使用し実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、研磨速度、スクラッチの発生量、ディッシング量、キーホールの有無を評価した。
(比較例2)
使用する中空粒子に研磨促進剤を保持させる工程を除くことで得られた、中空に研磨促進剤を保持していない中空粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様な条件で研磨組成物を製造した。但し、研磨促進剤としての硝酸鉄(III)は、実施例1〜3のように中空粒子に保持させるのではなく、濃度が0.05質量%となるよう研磨組成物に直接添加した。よって、比較例2の研磨組成物には、過酸化水素水1質量%と硝酸鉄(III)0.05質量%が研磨促進剤として含まれていた。この研磨組成物を使用し実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、研磨速度、スクラッチの発生量、ディッシング量、キーホールの有無を評価した。
使用する中空粒子に研磨促進剤を保持させる工程を除くことで得られた、中空に研磨促進剤を保持していない中空粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様な条件で研磨組成物を製造した。但し、研磨促進剤としての硝酸鉄(III)は、実施例1〜3のように中空粒子に保持させるのではなく、濃度が0.05質量%となるよう研磨組成物に直接添加した。よって、比較例2の研磨組成物には、過酸化水素水1質量%と硝酸鉄(III)0.05質量%が研磨促進剤として含まれていた。この研磨組成物を使用し実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、研磨速度、スクラッチの発生量、ディッシング量、キーホールの有無を評価した。
(比較例3)
使用する中空粒子に研磨促進剤を保持させる工程を除くことで得られた、中空に研磨促進剤を保持していない中空粒子を用いたこと以外は、実施例3と同様な条件で研磨組成物を製造した。但し、研磨促進剤としての硝酸鉄(III)は、実施例1〜3のように中空粒子に保持させるのではなく、濃度が0.05質量%となるよう研磨組成物に直接添加した。よって、比較例3の研磨組成物には、過酸化水素水1質量%と硝酸鉄(III)0.05質量%が研磨促進剤として含まれていた。この研磨組成物を使用し実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、研磨速度、スクラッチの発生量、ディッシング量、キーホールの有無を評価した。
使用する中空粒子に研磨促進剤を保持させる工程を除くことで得られた、中空に研磨促進剤を保持していない中空粒子を用いたこと以外は、実施例3と同様な条件で研磨組成物を製造した。但し、研磨促進剤としての硝酸鉄(III)は、実施例1〜3のように中空粒子に保持させるのではなく、濃度が0.05質量%となるよう研磨組成物に直接添加した。よって、比較例3の研磨組成物には、過酸化水素水1質量%と硝酸鉄(III)0.05質量%が研磨促進剤として含まれていた。この研磨組成物を使用し実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、研磨速度、スクラッチの発生量、ディッシング量、キーホールの有無を評価した。
(比較例4)
砥粒を中空粒子ではなく、1次粒子径が140nmの中空でないコロイダルシリカに変更し、硝酸鉄(III)を添加しなかったこと以外は組成が実施例1と同様の研磨組成物を作製した。この研磨組成物を使用し実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、研磨速度、スクラッチの発生量、ディッシング量、キーホールの有無を評価した。
砥粒を中空粒子ではなく、1次粒子径が140nmの中空でないコロイダルシリカに変更し、硝酸鉄(III)を添加しなかったこと以外は組成が実施例1と同様の研磨組成物を作製した。この研磨組成物を使用し実施例1と同様な条件で2種類の半導体基板の片面研磨を行い、研磨速度、スクラッチの発生量、ディッシング量、キーホールの有無を評価した。
表1に実施例1〜3、比較例1〜4の評価結果をまとめたもの示す。
表1からわかるように、実施例1〜3では、十分に大きな研磨速度が得られ、ディッシング量が少なく、キーホールの発生はなく、かつ、スクラッチの個数も低減できた。また、実施例2のように中空粒子を複合酸化物とすると実施例1に比べてさらに大きな研磨速度が得られた。また、実施例3のように中空粒子に加え、さらに、中空でない金属の酸化物粒子を含む場合に、特に大きな研磨速度が得られ、また、中空でない金属の酸化物粒子の添加によって砥粒の含有量が増加したにもかかわらず欠陥の発生も十分に抑制できていた。
一方、中空でないコロイダルシリカを砥粒として用いた比較例1では、実施例1〜3と同量の研磨促進剤を含むにも関わらず、ディッシング量が増加し、キーホールも観察され、スクラッチの個数も増加してしまった。また、比較例2、3のように、中空粒子の中空内部には研磨促進剤を保持させず、研磨組成物に研磨促進剤を直接添加した場合、ディッシング量が実施例1〜3よりも増加し、キーホールも発生してしまっていた。特に、比較例3のように、中空でない酸化アルミニウム粒子をさらに添加した場合に、ディッシング量及びスクラッチの個数が大幅に増加してしまった。また、比較例4のように、研磨促進剤としての硝酸鉄(III)を添加せず、他の実施例、比較例よりも研磨促進剤の量を減らした場合、研磨速度が低下し、また、スクラッチの個数も増加してしまった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…研磨組成物、 2…研磨ヘッド、 3…定盤、
4…研磨パッド、 5…研磨組成物供給機構、
10…片面研磨装置、
W…半導体基板。
4…研磨パッド、 5…研磨組成物供給機構、
10…片面研磨装置、
W…半導体基板。
Claims (12)
- 砥粒を含む研磨組成物であって、
前記砥粒として中空を有する中空粒子を含み、該中空粒子が前記中空の内部に研磨促進剤を保持しているものであることを特徴とする研磨組成物。 - 前記中空粒子として、二酸化ケイ素を含むことを特徴とする請求項1に記載の研磨組成物。
- 前記中空粒子として、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム、チタン、マンガンから選択される少なくとも1種類以上の酸化物と二酸化ケイ素とを含有する複合酸化物を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研磨組成物。
- 前記研磨促進剤として、過酸化物または鉄(III)塩のうち少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の研磨組成物。
- 前記過酸化物として、過硫酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、これらの塩、及び過酸化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする請求項4に記載の研磨組成物。
- 前記鉄(III)塩として、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、シュウ酸鉄(III)、トリス(オキサラト)鉄(III)カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)アンモニウム、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム、クエン酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)アンモニウム、水溶性フェロセン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の研磨組成物。
- さらに、ケイ素、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム、チタン、マンガンから選択される少なくとも1種類以上の中空でない酸化物粒子又は水酸化物粒子を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の研磨組成物。
- さらに、分散剤とpH調整剤のうち少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の研磨組成物。
- 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の研磨組成物を用いて半導体基板の表面を研磨することを特徴とする研磨方法。
- 前記半導体基板が表面に金属層を含むことを特徴とする請求項9に記載の研磨方法。
- 前記金属層がタングステン又はタングステン合金からなるものであることを特徴とする請求項10に記載の研磨方法。
- 研磨組成物の製造方法であって、
中空を有する中空粒子を製造する粒子製造工程と、
該製造した中空粒子の中空の内部に研磨促進剤を保持させる保持工程と、を有し、
前記研磨促進剤を中空の内部に保持した中空粒子を砥粒として用いて研磨組成物を製造することを特徴とする研磨組成物の製造方法。
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-
2016
- 2016-12-01 JP JP2016234008A patent/JP2018090682A/ja active Pending
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