JP2007053214A - 研磨用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 金属の露出する表面の研磨におけるディッシングまたはエロージョンを抑制する。
【解決手段】 研磨組成物が、(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造、および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤を含む構成とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 研磨組成物が、(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造、および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤を含む構成とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、研磨用組成物に関し、特に、CMP(chemical mechanical polishing)に用いられる研磨用組成物に関する。
エレクトロニクス業界の著しい発展により、半導体素子における回路の集積度は、トランジスター、IC、LSI、超LSIと急激に増大し、進化してきた。また、半導体デバイスのデザインルールの微細化が進んでいる。デバイスの微細化により、デバイス製造プロセスでの焦点深度は浅くなり、パターン形成面に求められる平坦性はますます厳しくなってきている。
微細化されたデバイスの高速化に対応する配線材料として、銅が使用されている。銅はアルミニウムやタングステンより電気抵抗が小さいため、配線の微細化による配線抵抗の増大をカバーすることができる。また、銅が絶縁膜中に拡散するとデバイス特性を低下させるので、銅配線の製造プロセスにおいて、銅の拡散防止のために絶縁膜上にバリアメタル層を設けることが一般的である。バリアメタル層の材料として、たとえばタンタルや窒化タンタル等が用いられる。
配線層や配線間の相互接続に銅を用いる際には、絶縁膜上に配線溝や孔を形成した後、スパッタリング法やメッキ法によって銅膜を形成し、絶縁膜上の不要な銅を化学的機械的研磨法(CMP)によって取り除く。
ここで、最上層に銅膜を形成させたデバイスの平坦化CMPプロセスにおいては、異種材料に対する研磨レートの選択比をプロセスの途中で変化させるために、通常、二段階のステップにより研磨が行われる。この場合、異なる選択比を有する二種類のスラリーを用いてそれぞれのCMP工程を実施する。
ここで、最上層に銅膜を形成させたデバイスの平坦化CMPプロセスにおいては、異種材料に対する研磨レートの選択比をプロセスの途中で変化させるために、通常、二段階のステップにより研磨が行われる。この場合、異なる選択比を有する二種類のスラリーを用いてそれぞれのCMP工程を実施する。
図2(a)〜図2(d)は、二段階ステップによる研磨工程の概略を示す断面図である。
図2(a)において、シリコン基板(不図示)上に設けられた層間絶縁膜201の所定の領域に、たとえば配線溝として凹部が形成されている。凹部の内面を含む層間絶縁膜201の表面全面に、タンタル膜202および銅膜203がこの順に設けられている。タンタル膜202はバリアメタル膜として機能する。また、銅膜203は、タンタル膜202の上面全面に凹部を埋め込むように設けられている。
図2(a)において、シリコン基板(不図示)上に設けられた層間絶縁膜201の所定の領域に、たとえば配線溝として凹部が形成されている。凹部の内面を含む層間絶縁膜201の表面全面に、タンタル膜202および銅膜203がこの順に設けられている。タンタル膜202はバリアメタル膜として機能する。また、銅膜203は、タンタル膜202の上面全面に凹部を埋め込むように設けられている。
CMPの第一ステップでは、凹部の上部に形成された不要な部分の銅膜203を研磨する。このとき、層間絶縁膜201上に形成されたタンタル膜202の表面層まで研磨し、タンタル膜202上の銅膜203を完全に除去した状態で研磨を終了させる(図2(b))。
つづく第二ステップでは、タンタル膜202を完全に除去し、層間絶縁膜201および銅膜203を適量研磨除去して平坦化する。第二ステップでは、凹部の外部に形成されたタンタル膜202を研磨し、層間絶縁膜201が露出したところで研磨を終了する(図2(c)、図2(d))。以上の手順により、凹部に埋設された配線が形成される。
以上の手順において、CMPに用いられる研磨スラリーには、銅膜、バリアメタル膜、絶縁膜などの異種材料に対する研磨レートの選択性が求められる。特に、第二ステップに用いられる研磨用組成物に対しては、絶縁膜平面に対して銅配線の中央部分が窪んだ状態になるディッシング(図2(d))や、高配線密度領域が孤立配線領域よりも過剰に研磨されて窪んだ状態になるエロージョン(図2(c))を抑制することが求められる。
第二ステップにおける研磨用の研磨用組成物として、従来、特許文献1および特許文献2に記載のものがある。特許文献1には、安息香酸、過酸化水素および水を含有し、pHが3以下の金属用研磨液が記載されている。
また、特許文献2には、(a)酸化ケイ素、(b)ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等の界面活性剤、(c)ベンゾトリアゾール誘導体および(d)乳酸等の酸を含有した研磨用組成物が記載されている。特許文献2によれば、成分(d)について、乳硝酸、塩酸、硫酸、乳酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酪酸およびマロン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の酸は、バリア膜に対する研磨レートを向上させるために含有されるとされている。さらに、成分(d)としては、乳酸が好ましいとされている。
特開2001−139937号公報
特開2004−123921号公報
ところが、本発明者が上記特許文献1および特許文献2に記載の技術について検討したところ、これらの技術を用いてもなお、金属が露出する表面のCMPにおけるディッシングやエロージョンを抑制する点で、改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、金属の露出する表面の研磨におけるディッシングまたはエロージョンを抑制する技術を提供する。
本発明によれば、
(A)分子内に、
(x)ポリオキシエチレン構造、および
(y)不飽和炭化水素構造
を含むアニオン性界面活性剤を含む研磨用組成物が提供される。
(A)分子内に、
(x)ポリオキシエチレン構造、および
(y)不飽和炭化水素構造
を含むアニオン性界面活性剤を含む研磨用組成物が提供される。
この構成によれば、金属が露出する表面を研磨した際のディッシングまたはエロージョンを効果的に抑制できる。
なお、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で変換したものもまた本発明の態様として有効である。
たとえば、本発明によれば、金属が露出する表面の研磨に、
(A)分子内に、
(x)ポリオキシエチレン構造、および
(y)不飽和炭化水素構造
を含むアニオン性界面活性剤を含む研磨用組成物を用いる研磨方法が提供される。
(A)分子内に、
(x)ポリオキシエチレン構造、および
(y)不飽和炭化水素構造
を含むアニオン性界面活性剤を含む研磨用組成物を用いる研磨方法が提供される。
また、本発明によれば、
(A)分子内に、
(x)ポリオキシエチレン構造、および
(y)不飽和炭化水素構造
を含むアニオン性界面活性剤を含む研磨用組成物を用いて金属が露出する表面を研磨する工程を含む半導体装置の製造方法が提供される。
(A)分子内に、
(x)ポリオキシエチレン構造、および
(y)不飽和炭化水素構造
を含むアニオン性界面活性剤を含む研磨用組成物を用いて金属が露出する表面を研磨する工程を含む半導体装置の製造方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、金属の露出する表面の研磨におけるディッシングまたはエロージョンを抑制する技術が実現される。
本発明の研磨用組成物は、
(A)分子内に、
(x)ポリオキシエチレン構造、および
(y)不飽和炭化水素構造
を含むアニオン性界面活性剤を含む。
(A)分子内に、
(x)ポリオキシエチレン構造、および
(y)不飽和炭化水素構造
を含むアニオン性界面活性剤を含む。
本発明の研磨用組成物は、金属の露出する表面の研磨に用いられる。金属の露出する表面として、たとえば銅含有金属が露出する表面、および、銅含有金属と高融点金属もしくは高融点金属化合物とが露出した表面が挙げられる。高融点金属として、たとえばタンタル、タングステン、およびチタンが挙げられる。また、高融点金属化合物として、タンタル、タングステン、またはチタンの窒化物が挙げられる。本発明の研磨用組成物は、たとえば、タンタルまたは窒化タンタルと銅とが露出した表面の研磨に好適に用いられる。
また、本発明の研磨用組成物は、たとえば、半導体デバイス製造時のCMPプロセスに適用される。
また、本発明の研磨用組成物は、たとえば、半導体デバイス製造時のCMPプロセスに適用される。
以下、本発明の研磨用組成物の各成分について詳細に説明する。
(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤は、ディッシングを抑制するとともに、銅膜と絶縁膜の選択性を向上させ、エロージョンを防止する機能を有する。(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤は、単独または他の界面活性剤と組み合わせて用いられる。
(y)不飽和炭化水素構造の炭素数は、研磨用組成物の分散安定性を向上させる観点では、たとえば10以上とすることが好ましい。また、(y)不飽和炭化水素構造の炭素数は、金属膜の過研磨を抑制する観点では、たとえば25以下とすることが好ましい。
また、(y)不飽和炭化水素構造中の炭素間二重結合の数は、研磨レートを向上させる観点ではたとえば1以上とすることが好ましい。また、(y)不飽和炭化水素構造中の炭素間二重結合の数は、研磨レートを安定化する観点では、たとえば3以下とすることが好ましい。
(y)不飽和炭化水素構造を有する基の具体例として、ミリスチン酸由来の基、パルミトレイン酸由来の基、オレイン酸由来の基、リノール酸由来の基、およびリノレン酸由来の基が挙げられ、このうち、オレイン酸由来の基を含むことにより、ディッシングおよびエロージョンをより一層効果的に抑制できる。
(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤として、硫酸エステル塩を用いることができる。硫酸エステル塩を用いることにより、研磨レートをさらに向上させることができる。
硫酸エステル塩として、たとえば、下記一般式(1)または下記一般式(2)で示されるイオンのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、またはトリエタノールアミン塩が挙げられる。
R1−O−(CH2CH2O)n−SO3 - (1)
R1−C6H4−O−(CH2CH2O)n−SO3 - (2)
(ただし、上記一般式(1)および一般式(2)において、R1は、炭素数10以上25以下の直鎖不飽和炭化水素である。また、nは10以上50以下の整数である。)
R1−O−(CH2CH2O)n−SO3 - (1)
R1−C6H4−O−(CH2CH2O)n−SO3 - (2)
(ただし、上記一般式(1)および一般式(2)において、R1は、炭素数10以上25以下の直鎖不飽和炭化水素である。また、nは10以上50以下の整数である。)
上記一般式(1)に示される化合物は、直鎖不飽和炭化水素構造とポリオキシエチレン構造とがエーテル結合した構造である。また、上記一般式(2)に示される化合物は、直鎖不飽和炭化水素構造の末端に芳香環が結合し、当該芳香環とポリオキシエチレン構造とがエーテル結合した構造である。研磨用組成物が直鎖不飽和炭化水素構造を有する界面活性剤を含む構成とすることにより、上記一般式(1)または(2)で示される硫酸エステル塩を用いることにより、ディッシングおよびエロージョンをさらに効果的に抑制することができる。
なお、上記一般式(1)または一般式(2)において、研磨レートを向上させる観点では、nを10以上とすることが好ましく、15以上とすることがさらに好ましい。また、研磨用組成物の分散安定性を向上させる観点では、nを50以下とすることが好ましく、45以下とすることがさらに好ましい。
不飽和炭化水素を有する硫酸エステル塩の具体例としては、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンリノールエーテル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンリノレンエーテル硫酸エステル塩等の上記一般式(1)を満たす硫酸エステル塩;および
ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンリノールフェニルエーテル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンリノレンフェニルエーテル硫酸エステル塩等の上記一般式(2)を満たす硫酸エステル塩;
が挙げられ、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステル塩のように、R1として炭素間二重結合を一つ含む炭化水素を含む化合物が好ましく用いられる。これらの塩は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンリノールエーテル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンリノレンエーテル硫酸エステル塩等の上記一般式(1)を満たす硫酸エステル塩;および
ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンリノールフェニルエーテル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンリノレンフェニルエーテル硫酸エステル塩等の上記一般式(2)を満たす硫酸エステル塩;
が挙げられ、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステル塩のように、R1として炭素間二重結合を一つ含む炭化水素を含む化合物が好ましく用いられる。これらの塩は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤は、アンモニウム塩、トリメチルアミン塩、およびトリエタノールアミン塩等のアミン塩とすることが好ましく、このうち、アンモニウム塩とすることがさらに好ましい。こうした界面活性剤として、たとえばポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム、ポリオキシエチレリノールフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウムが挙げられる。アンモニウム塩またはアミン塩を用いることにより、研磨用組成物中に界面活性剤由来の金属イオンが含まない構成とすることができる。このため、金属イオンによる研磨面の汚染を防止することができる。
(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤の添加量は、研磨面のディッシングおよびエロージョンを効果的に抑制する観点では、研磨用組成物全体中のたとえば0.0001質量%以上とすることが好ましく、0.001質量%以上とすることがさらに好ましい。また、砥粒の研磨阻害および研磨レートへの悪影響をより一層確実に抑制するとともに、研磨時の気泡の発生を抑制し取扱を容易にする観点では、研磨用組成物全体中の(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤の添加量をたとえば1質量%とすることが好ましく、0.5質量%以下とすることがさらに好ましく、0.05質量%以下とすることがより一層好ましい。
また、金属膜の研磨レートを充分に確保する観点では、(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤のHLB(hydrophile−lipophile−balance:親水親油バランス)をたとえば7以上とすることが好ましい。また、研磨用組成物の分散安定性を確保する観点では、(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤のHLBをたとえば10以下とすることが好ましい。このようにすれば、(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤にくわえて後述する(B)有機酸および(C)無機粒子を含む組成においても、成分の凝集を抑制し、研磨用組成物の分散安定性がより一層良好となる。
また、金属膜の腐食を抑制する観点では、研磨用組成物のpHをたとえば1以上とすることが好ましい。また、金属膜の研磨レートを充分に確保する観点では、研磨用組成物のpHがたとえば3以下であることが好ましい。
本発明の研磨用組成物は、さらに、
(B)有機酸、
(C)無機粒子、
(D)防腐剤
(E)過酸化水素、
(F)水、
のうち一または二以上の成分を含んでもよく、たとえば上記(A)〜(F)のすべての成分を含んでもよい。
(B)有機酸、
(C)無機粒子、
(D)防腐剤
(E)過酸化水素、
(F)水、
のうち一または二以上の成分を含んでもよく、たとえば上記(A)〜(F)のすべての成分を含んでもよい。
(B)有機酸としては、たとえばカルボン酸が用いられる。カルボン酸は、分子内に芳香環を有していてもよいし、有さなくてもよい。分子内に芳香環を有するカルボン酸を用いることにより、ディッシングおよびエロージョンをより一層効果的に抑制できる。
分子内に芳香環を有するカルボン酸として、具体的には、
安息香酸、メチル安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメット酸、ピロリメット酸等の芳香環に一または二以上のカルボキシル基が結合した化合物;および
サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸等の水酸基または炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基を含む化合物;
が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記化合物のうち、金属露出面のディッシングおよびエロージョンを効果的に抑制する観点では、安息香酸、サリチル酸、またはマンデル酸を用いることが好ましく、マンデル酸を用いることがさらに好ましい。また、高誘電率金属含有膜と銅含有金属膜との研磨レート比を高める観点では、マンデル酸またはトロパ酸を用いることが好ましい。
分子内に芳香環を有するカルボン酸として、具体的には、
安息香酸、メチル安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメット酸、ピロリメット酸等の芳香環に一または二以上のカルボキシル基が結合した化合物;および
サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸等の水酸基または炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基を含む化合物;
が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記化合物のうち、金属露出面のディッシングおよびエロージョンを効果的に抑制する観点では、安息香酸、サリチル酸、またはマンデル酸を用いることが好ましく、マンデル酸を用いることがさらに好ましい。また、高誘電率金属含有膜と銅含有金属膜との研磨レート比を高める観点では、マンデル酸またはトロパ酸を用いることが好ましい。
また、(B)有機酸として、マンデル酸等の上述した芳香環を有する化合物以外にも、たとえば、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルタル酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、乳酸、および酢酸が挙げられる。
以上のうち、シュウ酸およびマロン酸等の、二つのカルボキシル基を構成する炭素原子同士が直接または炭化水素構造を介して結合しているカルボン酸や、マンデル酸等の、芳香環に隣接する炭素原子にカルボキシル基と水酸基またはヒドロキシアルキル基とが結合したヒドロキシフェニルモノカルボン酸が好ましく、さらに好ましくはマンデル酸である。
これらの有機酸は単独で用いてもよいし、異なる2種類以上の有機酸を組み合わせてもよい。組み合わせや比率などは特に限定されるものではない。
以上のうち、シュウ酸およびマロン酸等の、二つのカルボキシル基を構成する炭素原子同士が直接または炭化水素構造を介して結合しているカルボン酸や、マンデル酸等の、芳香環に隣接する炭素原子にカルボキシル基と水酸基またはヒドロキシアルキル基とが結合したヒドロキシフェニルモノカルボン酸が好ましく、さらに好ましくはマンデル酸である。
これらの有機酸は単独で用いてもよいし、異なる2種類以上の有機酸を組み合わせてもよい。組み合わせや比率などは特に限定されるものではない。
研磨用組成物中の(B)有機酸の添加量は、研磨レートをより適切にする観点では、たとえば0.001質量%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.01質量%以上である。また、研磨レートの制御を容易なものとし、過研磨や銅膜の表面腐食の発生を抑制する観点では、研磨用組成物中の(B)有機酸の添加量をたとえば10重量%以下とすることが好ましく、5重量%以下とすることがさらに好ましい。
(C)無機粒子として、具体的には、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、およびコロイダルアルミナが挙げられる。このうちフュームドシリカ、コロイダルシリカが好ましく、さらに好ましくはコロイダルシリカである。これらの無機粒子は単独で用いてもよいし、異なる二種以上を組み合わせて用いてもよい。組み合わせや比率などは特に限定されるものではない。
(C)無機粒子の会合比は、たとえば1.5以下とする。また、(C)無機粒子の平均粒径は、たとえば10nm以上、好ましくは15nm以上とする。こうすることにより、バリア膜の研磨レートがさらに大きくなり、研磨用途としてより適切になる。また、(C)無機粒子の平均粒径は、たとえば50nm以下、好ましくは35nm以下とする。こうすれば、小さいと粒子の分散性が向上するため、研磨面の表面平坦化機能をより一層向上させることができる。
研磨用組成物全体中の(C)無機粒子の濃度は、研磨レートをより適切にする観点では、たとえば0.1質量%以上とすることが好ましく、0.5質量%以上とすることがさらに好ましい。また、研磨用組成物全体中の(C)無機粒子の濃度は、研磨レートの制御を容易にしてディッシング、エロージョンの発生を抑制する観点では、たとえば5質量%とすることが好ましく、3質量%以下とすることがさらに好ましい。
(D)防腐剤としては、たとえばベンゾトリアゾールもしくはその誘導体が好適に用いられる。研磨用組成物全体中の(D)防腐剤の濃度は、銅膜の研磨レートを制御しやすくする観点では、たとえば0.1質量%以上とすることが好ましく、0.5質量%以上とすることがさらに好ましい。また、銅膜の研磨レートを向上させる観点では、研磨用組成物全体中の(D)防腐剤の濃度をたとえば10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがさらに好ましい。
(E)過酸化水素は、本発明の研磨用組成物において酸化剤として機能する。(E)過酸化水素を含む組成とすることにより、銅膜に対して酸化作用を発揮し、イオン化を促進することによって銅膜の研磨レートを高めることができる。
研磨用組成物全体中の(E)過酸化水素の濃度は、研磨レートをさらに適切にする観点では、たとえば0.01質量%以上とすることが好ましく、0.1質量%以上とすることがさらに好ましい。また、銅の表面荒れやディッシングを抑制する観点では、研磨用組成物全体中の(E)過酸化水素の濃度をたとえば10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがさらに好ましい。
本発明の研磨用組成物の媒体として、たとえば(F)水が用いられる。(F)水は、研磨面の汚染を防止する観点では、イオン性不純物や金属イオンを極力減らしたものであることが好ましい。さらに具体的には、イオン交換樹脂で不純物イオンを除去し、フィルターを通して懸濁物を除去したもの、または、蒸留水等が好適に用いられる。
本発明の研磨剤組成物の具体例として、
(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤
(B)有機酸、
(C)無機粒子、
(D)ベンゾトリアゾール、
(E)過酸化水素、
(F)水、
を必須成分として含み、研磨用組成物全体に対する上記各成分の濃度を、
(A)0.001質量%以上0.5質量%以下、
(B)0.01質量%以上5質量%以下、
(C)0.5質量%以上3質量%以下、
(D)0.1質量%以上5質量%以下、
(E)0.5質量%以上5質量%以下、および
(F)残部
とした構成が挙げられる。
(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤
(B)有機酸、
(C)無機粒子、
(D)ベンゾトリアゾール、
(E)過酸化水素、
(F)水、
を必須成分として含み、研磨用組成物全体に対する上記各成分の濃度を、
(A)0.001質量%以上0.5質量%以下、
(B)0.01質量%以上5質量%以下、
(C)0.5質量%以上3質量%以下、
(D)0.1質量%以上5質量%以下、
(E)0.5質量%以上5質量%以下、および
(F)残部
とした構成が挙げられる。
さらに、上述した成分以外にも、本発明の研磨用組成物に種々の研磨助剤を配合してもよい。
このような研磨助剤の例としては、分散剤、防錆剤、消泡剤、pH調整剤、防かび剤等が挙げられる。これらはスラリーの分散貯蔵安定性、研磨レートの向上の目的で加えられる。
分散剤としては、たとえばポリビニルアルコールなどの水溶性高分子が挙げられる。ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子などを添加することにより、スラリーの分散性を向上させることができる。
pH調整剤としては、たとえばアンモニアなどの塩基性化合物や酢酸、塩酸、硝酸等の酸が挙げられる。
消泡剤としては、たとえば流動パラフィン、ジメチルシリコーンオイル、ステアリン酸グリセリド混合物、ソルビタンモノパルミチエート等が挙げられる。
このような研磨助剤の例としては、分散剤、防錆剤、消泡剤、pH調整剤、防かび剤等が挙げられる。これらはスラリーの分散貯蔵安定性、研磨レートの向上の目的で加えられる。
分散剤としては、たとえばポリビニルアルコールなどの水溶性高分子が挙げられる。ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子などを添加することにより、スラリーの分散性を向上させることができる。
pH調整剤としては、たとえばアンモニアなどの塩基性化合物や酢酸、塩酸、硝酸等の酸が挙げられる。
消泡剤としては、たとえば流動パラフィン、ジメチルシリコーンオイル、ステアリン酸グリセリド混合物、ソルビタンモノパルミチエート等が挙げられる。
本発明の研磨用組成物は、各成分を媒体に混合、溶解、分散させることにより製造される。
具体的には、上記(A)〜(F)の各成分をすべて含有する場合、(A)〜(E)の各成分を(F)水に混合、溶解、分散させる。(E)過酸化水素は、研磨直前に上記混合液に添加し、混合することが好ましいが、予め混合しておくことも可能である。
各成分の混合は、任意の装置を用いて行うことができる。混合の際には、たとえば、翼式回転攪拌機、超音波分散機、ビーズミル分散機、ニーダー、ボールミルなどが適用可能である。
具体的には、上記(A)〜(F)の各成分をすべて含有する場合、(A)〜(E)の各成分を(F)水に混合、溶解、分散させる。(E)過酸化水素は、研磨直前に上記混合液に添加し、混合することが好ましいが、予め混合しておくことも可能である。
各成分の混合は、任意の装置を用いて行うことができる。混合の際には、たとえば、翼式回転攪拌機、超音波分散機、ビーズミル分散機、ニーダー、ボールミルなどが適用可能である。
本発明の研磨用組成物によれば、分子内に不飽和アルキル基を有するアニオン性界面活性剤を含むため、ディッシングを抑制するとともに、銅膜と絶縁膜の選択性を向上させ、エロージョンを防止する効果がある。
よって、本発明の研磨用組成物を用いれば、たとえば、銅含有金属膜とタンタル等の高融点金属を含む導電膜とが露出した表面を研磨する際に、ディッシングおよびエロージョンを抑制することができる。このため、たとえば銅膜とタンタル膜とを含む半導体デバイスのCMP加工プロセスにおける研磨面の平坦性を向上させることができる。具体的には、銅膜およびタンタル化合物を有する半導体デバイスを研磨する際の銅とタンタル化合物の研磨選択比を充分に確保できる。また、銅に対するタンタル化合物の選択比を高めた際に、配線溝や孔の銅膜が削られ過ぎたり、銅膜表面の平滑性が損なわれたりすることを抑制できる。よって、本発明の研磨用組成物を用いることにより、半導体デバイスを高い歩留まりで安定的に製造することができる。
よって、本発明の研磨用組成物を用いれば、たとえば、銅含有金属膜とタンタル等の高融点金属を含む導電膜とが露出した表面を研磨する際に、ディッシングおよびエロージョンを抑制することができる。このため、たとえば銅膜とタンタル膜とを含む半導体デバイスのCMP加工プロセスにおける研磨面の平坦性を向上させることができる。具体的には、銅膜およびタンタル化合物を有する半導体デバイスを研磨する際の銅とタンタル化合物の研磨選択比を充分に確保できる。また、銅に対するタンタル化合物の選択比を高めた際に、配線溝や孔の銅膜が削られ過ぎたり、銅膜表面の平滑性が損なわれたりすることを抑制できる。よって、本発明の研磨用組成物を用いることにより、半導体デバイスを高い歩留まりで安定的に製造することができる。
本発明の研磨用組成物は、たとえば金属が露出する表面の研磨に、(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤を含む研磨用組成物を用いる研磨方法に適用可能である。
また、本発明の研磨用組成物は、(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤を含む研磨用組成物を用いて金属が露出する表面を研磨する工程を含む半導体装置の製造方法に適用可能である。
以下、本発明の研磨用組成物を用いた研磨方法について、シリコン基板の上部に銅配線を形成する場合を例に図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
また、本発明の研磨用組成物は、(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤を含む研磨用組成物を用いて金属が露出する表面を研磨する工程を含む半導体装置の製造方法に適用可能である。
以下、本発明の研磨用組成物を用いた研磨方法について、シリコン基板の上部に銅配線を形成する場合を例に図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1(a)〜図1(c)は、本発明の研磨用組成物を用いた研磨工程の一例を示す断面図である。
図1(a)は、シリコン基板(不図示)上に、層間絶縁膜101、タンタル膜102および銅膜103がこの順に積層されている。層間絶縁膜101には、配線溝となる凹部が形成されている。タンタル膜102は、凹部の内部を含む層間絶縁膜101の上面全面に形成されている。銅膜103は、タンタル膜102上に凹部を埋め込むように形成されている。
図1(a)は、シリコン基板(不図示)上に、層間絶縁膜101、タンタル膜102および銅膜103がこの順に積層されている。層間絶縁膜101には、配線溝となる凹部が形成されている。タンタル膜102は、凹部の内部を含む層間絶縁膜101の上面全面に形成されている。銅膜103は、タンタル膜102上に凹部を埋め込むように形成されている。
図1(a)に示した構造体において、凹部の外部に形成されたタンタル膜102および銅膜103を二段階CMPにより除去することにより、凹部内に埋設された配線が形成される。
まず、第一ステップでは、図1(b)に示すように、タンタル膜102の上部に形成された銅膜103をCMPにより研磨し、除去する。第一ステップで用いられる研磨剤としては、タンタルの研磨レートに対する銅の研磨レートが大きい研磨剤が用いられる。
まず、第一ステップでは、図1(b)に示すように、タンタル膜102の上部に形成された銅膜103をCMPにより研磨し、除去する。第一ステップで用いられる研磨剤としては、タンタルの研磨レートに対する銅の研磨レートが大きい研磨剤が用いられる。
つづいて、第二ステップでは、図1(c)に示すように、凹部の外部に形成されたタンタル膜102および銅膜103をCMPにより除去し、層間絶縁膜101の表面を露出させる。このとき、凹部の内部に選択的にタンタル膜102および銅膜103が残存し、これらが積層してなる配線が得られる。
第二ステップにおいて、本発明の研磨用組成物を用いることにより、図2(c)および図2(d)を参照して前述したディッシングおよびエロージョンを効果的に抑制することができるため、図1(c)に示したように、研磨面の平坦性を向上させることができる。
本発明の研磨用組成物をCMPの第二ステップに適用することにより、銅膜、タンタル膜を含む半導体デバイスのCMP加工プロセスにおいて、ディッシングおよびエロージョンを抑制することができるため、銅配線を有する半導体デバイスを高い歩留まりで安定的に製造することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、以上においては、本発明の研磨用組成物を銅配線の製造工程で用いる場合を例に説明したが、本発明の研磨用組成物は、半導体、各種メモリーハードディスク用基板等の研磨に適用可能である。
本発明を実験例で具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実験例1>
界面活性剤A:0.005質量%
シュウ酸:0.06質量%
無機粒子:1.25質量%
ベンゾトリアゾール:3質量%、および
過酸化水素:1質量%
の各濃度になるように、0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に上記各成分を加えて混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて実施例1の研磨用組成物を得た(表1)。
界面活性剤A:0.005質量%
シュウ酸:0.06質量%
無機粒子:1.25質量%
ベンゾトリアゾール:3質量%、および
過酸化水素:1質量%
の各濃度になるように、0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に上記各成分を加えて混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて実施例1の研磨用組成物を得た(表1)。
<研磨性評価>
被研磨物として、8インチのシリコンウェーハ上に、150nmのタンタル(Ta)および1500nmの銅を順次製膜したものを準備した。タンタルの製膜にはスパッタリング法を用いた。また、銅の製膜には電解メッキ法を用いた。得られた被研磨物の銅およびタンタル面を研磨した。
被研磨物として、8インチのシリコンウェーハ上に、150nmのタンタル(Ta)および1500nmの銅を順次製膜したものを準備した。タンタルの製膜にはスパッタリング法を用いた。また、銅の製膜には電解メッキ法を用いた。得られた被研磨物の銅およびタンタル面を研磨した。
研磨には、定盤径600mmの片面研磨機を用いた。研磨機の定盤にはロデール社製(米国)のポリウレタン製研磨パッドIC−1000/Suba400を用いた。研磨パッドを専用の両面テープで張り付け、研磨用組成物(スラリー)を流しながら1分間銅およびタンタル膜を研磨した。研磨条件としては加重を300g/cm2、定盤の回転数を80rpm、ウェーハ回転数80rpm、研磨用組成物の流量を200ml/minとした。
研磨後、ウェーハを洗浄、乾燥し、減少した膜厚を求めることにより研磨レート(10-1nm/min)を求めた。タンタルの研磨レートに対する銅の研磨レートの比を選択比とした。また光学顕微鏡で研磨面を観察して研磨状態を調べ以下のランク分けをした。
◎:良好、
○:一部にやや平滑不足があるが使用可能、
△:平滑性良好なるも一部腐食、
×:腐食発生
◎:良好、
○:一部にやや平滑不足があるが使用可能、
△:平滑性良好なるも一部腐食、
×:腐食発生
ディッシングの評価(nm)は、オーバーポリッシュ60秒後の配線金属部分幅=10μm、絶縁膜部分=10μmのパターン部分を蝕針式表面粗さ計を用いて測定することにより行った。また、エロージョンの評価(nm)は、オーバーポリッシュ60秒後の配線金属部分幅=100μm、絶縁膜部分=1μmのパターン部分を蝕針式表面粗さ計を用いて測定することにより行った。
<実験例2〜9>
界面活性剤A、界面活性剤B、界面活性剤C、シュウ酸、無機粒子、ベンゾトリアゾール、および過酸化水素が表1に示された濃度になるように0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて実験例1と同様に研磨用組成物を調製し、実験例1と同様に研磨性評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、表1中の「測定不可」は、Ta膜の研磨量が少なく、ディッシングまたはエロージョンの測定が不可能であったことを指す。
界面活性剤A、界面活性剤B、界面活性剤C、シュウ酸、無機粒子、ベンゾトリアゾール、および過酸化水素が表1に示された濃度になるように0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて実験例1と同様に研磨用組成物を調製し、実験例1と同様に研磨性評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、表1中の「測定不可」は、Ta膜の研磨量が少なく、ディッシングまたはエロージョンの測定が不可能であったことを指す。
表1中で使われた各成分の詳細は以下の通りである。
界面活性剤A:ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製:ハイテノール08E、HLB7〜10未満)
界面活性剤B:ポリオキシエチレンリノールエーテル硫酸アンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製:ハイテノールLA−10、HLB7〜10未満)
界面活性剤C:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製:ハイテノールLA−12、HLB10〜13未満)
シュウ酸:試薬を用いた。
無機粒子:コロイダルシリカPL−2L(扶桑化学工業株式会社製)
ベンゾトリアゾール:試薬を用いた。
過酸化水素:30%過酸化水素水を使用した。
界面活性剤A:ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製:ハイテノール08E、HLB7〜10未満)
界面活性剤B:ポリオキシエチレンリノールエーテル硫酸アンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製:ハイテノールLA−10、HLB7〜10未満)
界面活性剤C:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製:ハイテノールLA−12、HLB10〜13未満)
シュウ酸:試薬を用いた。
無機粒子:コロイダルシリカPL−2L(扶桑化学工業株式会社製)
ベンゾトリアゾール:試薬を用いた。
過酸化水素:30%過酸化水素水を使用した。
なお、実験例1〜実験例6の研磨用組成物のpHは、2.5程度であった。
また、実験例1において、界面活性剤として、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩に代えて非イオン性界面活性剤(ノイゲンET−129、第一工業製薬株式会社製、HLB10〜13未満)を用いた研磨用組成物を調製したところ、無機粒子として用いたコロイダルシリカの凝集および沈降が生じ、研磨用スラリーとして用いることが困難であった。
また、実験例1において、界面活性剤として、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩に代えて非イオン性界面活性剤(ノイゲンET−129、第一工業製薬株式会社製、HLB10〜13未満)を用いた研磨用組成物を調製したところ、無機粒子として用いたコロイダルシリカの凝集および沈降が生じ、研磨用スラリーとして用いることが困難であった。
また、タンタルに代えて窒化タンタルを成膜した被研磨物を用いた場合にも、研磨特性にタンタルの場合と同様の傾向が認められた。
101 層間絶縁膜
102 タンタル膜
103 銅膜
102 タンタル膜
103 銅膜
Claims (7)
- (A)分子内に、
(x)ポリオキシエチレン構造、および
(y)不飽和炭化水素構造
を含むアニオン性界面活性剤を含む研磨用組成物。 - 請求項1に記載の研磨用組成物において、金属が露出した表面の研磨に用いられる研磨用組成物。
- 請求項1または2に記載の研磨用組成物において、前記(y)不飽和炭化水素構造の炭素数が10以上25以下である研磨用組成物。
- 請求項1乃至3いずれかに記載の研磨用組成物において、
前記(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤が、下記一般式(1)で示されるイオンのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、またはトリエタノールアミン塩を含む研磨用組成物。
R1−O−(CH2CH2O)n−SO3 - (1)
(ただし、上記一般式(1)において、R1は、炭素数10以上25以下の直鎖不飽和炭化水素である。また、nは10以上50以下の整数である。) - 請求項1乃至4いずれかに記載の研磨用組成物において、
前記(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウムまたはポリオキシエチレンリノールエーテル硫酸エステルアンモニウムを含む研磨用組成物。 - 請求項1乃至5いずれかに記載の研磨用組成物において、前記(A)分子内に、(x)ポリオキシエチレン構造および(y)不飽和炭化水素構造を含むアニオン性界面活性剤のHLBが、7以上10以下である研磨用組成物。
- 請求項1乃至6いずれかに記載の研磨用組成物において、pHが3以下である研磨用組成物。
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- 2005-08-17 JP JP2005236946A patent/JP2007053214A/ja active Pending
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