JP2018090542A - 可溶化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリグリセリン脂肪酸エステル及びアルキルポリグルコシドを用い、医薬品、化粧品に利用できる可溶化剤であって、多量の油溶性物質が配合されても特殊な乳化機等用いることなく、油溶性物質を水相中に微細分散し透明性の高い可溶化組成物を与えられる可溶化剤の提供。【解決手段】炭素数が6〜22の脂肪酸から選択され脂肪酸と平均重合度が5〜20であるポリグリセリンとをエステル化したるポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とグリコシド結合したアルコールの炭素数が8〜16のアルキル基を有するアルキルポリグルコシド(B)とを必須成分として含有する可溶化剤。さらに必要に応じてアシルアミノ酸(C)及び/又は有機カルボン酸及びその塩(D)を添加することにより透明性が向上する可溶化剤、及びこの可溶化剤を用いる医薬品又は化粧品。【選択図】なし

Description

本発明は、油溶性物質の可溶化剤に関する。より詳細には、医薬品、化粧品において、油溶性物質を容易に可溶化することができる特定のポリグリセリン脂肪酸エステルとアルキルポリグルコシドを必須成分とし、さらに必要に応じてアシルアミノ酸及び/または有機カルボン酸またはその塩を含有することを特徴とする可溶化効果を顕著に向上させることのできる可溶化剤に関する。
可溶化剤は、水に溶解しない油溶性物質を水と界面活性剤存在下において、ミセルや液晶中に安定的に取り込み、見かけ上透明に調製することができる界面活性剤のことである。可溶化剤は、医薬品、化粧品等に幅広く利用されており、得られる組成物は、水相と油相に界面活性剤を加え、撹拌して得られるエマルジョンとは異なり、熱力学的に安定であり経時安定性が高い。
従来の可溶化剤は、主に非イオン性界面活性剤が使用されており、その中でも特にポリオキシエチレン系が使用されてきた。しかし、ポリオキシエチレン系界面活性剤は、エチレングリコールの残存や、それに起因する皮膚刺激性等の問題があることやまた食品添加物として認可されておらず、食品分野での使用は不可能であった。現在、医薬品および化粧品市場においては安全性に優れ、皮膚刺激性が少ない、高親水性の乳化剤及び可溶化剤が望まれている。また水溶性高分子と親水性界面活性剤は相互作用して親油化するため、水溶性高分子を配合する場合の乳化剤及び可溶化剤は高親水性であればあるほど好ましいとされている。
そこで、ポリグリセリン脂肪酸エステルを利用して油溶性物質を可溶化させる方法が種々検討されてきた。例えば、特許文献1には、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸とポリグリセリンラウリン酸エステルとの混合物を用いて油溶性物質を可溶化する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、油溶性物質の極性によっては、油溶性物質を微細に分散する性能(可溶化性能)が極端に悪くなり、十分な透明性を有する安定な可溶化組成物を得ることは困難であった。
特許文献2には、ポリグリセリン脂肪酸エステルとポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを用いて油溶性物質を可溶化する方法が開示されている。しかしながら、この方法も、油溶性物質が多量に配合されている場合、十分な透明性を有する安定な可溶化組成物を得ることは困難であった。
特許文献3には、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルと糖類または糖アルコール類を用いて油溶性物質を可溶化する方法が、また特許文献4には、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステルを用いて油溶性物質を可溶化する方法が開示されている。しかしながら、特許文献3及び4に開示されている方法では、可溶化には超高圧ホモジナイザー等の乳化機を使用して均質化処理を行う必要があり、その応用は操作が非常に煩雑で、実用性に欠けるという問題があった。特許文献5は分子膜精製により低分子化合物を除去したポリグリセリンを用いたポリグリセリン脂肪酸エステルを可溶化剤とする方法を開示しているが、可溶化能は十分とは言い難い。
そこで、前記の方法の問題を解決し、油溶性物質が多量に配合された場合であっても、油溶性成分の極性に可溶化能が左右されず、また、特殊な乳化機を使用する等の煩雑な操作を用いる必要のない、透明性が非常に高い可溶化組成物を得る方法が望まれており、この方法に使用するための可溶化剤の開発が望まれている。
特開平07−204487号公報 特開2008−119568号公報 特公平06−036862号公報 特開平09−168369号公報 特開2010−100574号公報
本発明の課題は、ポリグリセリン脂肪酸エステルとアルキルポリグルコシドを用い、医薬品、化粧品の用途に利用することができる可溶化剤であって、油溶性物質が多量に配合された場合においても、油溶性成分の極性に可溶化能が左右されず、また、特殊な乳化機を使用する等の煩雑な操作を必要としない、透明性が高い可溶化組成物を与えることができる可溶化剤を提供すること、さらにこの可溶化剤を利用した医薬品または化粧品を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、炭素数が6〜22から選択される一種以上の脂肪酸と平均重合度が5〜20であるポリグリセリンとがエステル化したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と、炭素数8〜16のアルキル基を有するアルキルポリグルコシド(B)を必須成分として含有し、さらに必要に応じて炭素数6〜22のアシル基を持つアシルアミノ酸(C)及び/または炭素数2以上の有機カルボン酸またはその塩(D)の混合物が高い可溶化能を発揮する可溶化剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係わる前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)のけん化価が10〜100であるとき、より優れた可溶化効果が得られることを見出した。
さらに、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とアルキルポリグルコシド(B)混合比が、質量比で(A)/(B)=5/95〜95/5の範囲内にあるとき、優れた可溶化効果を発揮する可溶化剤である。また、必要に応じてアシルアミノ酸(C)及び/または有機カルボン酸またはその塩(D)を配合するがその場合、上記混合品に対して、それぞれ5質量%以下で配合することにより優れた可溶化効果を発揮する。
前記の本発明の可溶化剤は、医薬品、化粧品の製造に利用することができる。本発明は、前記の可溶化剤に加えて、さらに、前記の可溶化剤により可溶化された可溶化組成物を含有することを特徴とする医薬品または化粧品も提供するものである。
本発明の可溶化剤を用いることにより、油溶性物質の種類に影響されず、また、特殊な乳化機などを使用することなく、油溶性物質を容易に可溶化することができる。多量に配合されている油溶性物質を、油性成分の極性に影響を受けることなく水相中に微細に分散して透明可溶化することができる。また、本発明の可溶化剤は、医薬品、化粧品などにも広範囲で利用できる。
本発明における透明とは、油溶性物質を可溶化した溶液の透過率が70〜100%の範囲のものであり、好ましくは、80〜100%であり、より好ましくは、90〜100%である。
以下、本発明を実施するための形態をより詳細に説明するが、本発明の範囲はこの実施形態に限定されるものではない。
本発明の可溶化剤を構成するポリグリセリン脂肪酸エステル(A)は、炭素数が6〜22の脂肪酸から選択される一種以上の脂肪酸と平均重合度が5〜20であるポリグリセリンとがエステル化したポリグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とし、アルキルポリグルコシド(B)は、グリコシド結合したアルコールの炭素数が8〜16のアルキル基から選択され、グルコシドの重合度が1〜5であることを特徴とするアルキルポリグルコシドである。さらに、アシルアミノ酸(C)は、アシル基のアルキル基の炭素数が6〜22であることを特徴とし、有機カルボン酸またはその塩(D)は、炭素数が2以上で植物由来であることを特徴とする。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とアルキルポリグルコシド(B)混合比率は特に限定されるものではないが、(A)/(B)=5/95〜95/5の範囲内とすることにより、可溶化性能がより顕著に発揮される。好ましくは(A)/(B)=15/85〜85/15であり、より好ましくは(A)/(B)=30/70〜70/30である。ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)ないしアルキルポリグルコシド(B)のいずれかが欠けた場合では、優れた可溶化性能は得られない。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)中の脂肪酸は、炭素数6〜22の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸から選択される一種または二種以上からなる。炭素数が6〜22の範囲の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸を使用することにより、優れた可溶化性能が得られる。ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)中の脂肪酸を構成する炭素数6〜22の脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等を挙げることができ、中でも、カプリル酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸及びオレイン酸が好適である。なお、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)中の脂肪酸を構成する脂肪酸には、本発明の目的とする効果が達成される範囲で、炭素数が6〜18の範囲の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸以外の脂肪酸が少量含まれていてもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)を構成するポリグリセリンとしては、その平均重合度が5〜20であることが好ましい。より好ましくはポリグリセリンの平均重合度が5〜15であり、さらに好ましくは平均重合度が5〜10である。ここでの平均重合度とは、高速液体クロマトグラフィーにより、分子量既知のポリエチレングリコールを基準として算定したものである。
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステル(A)は、目的とする用途により特に限定されるものではないが、エステル化は、公知の方法で行うことができる。この際のポリグリセリン脂肪酸エステル(A)のけん化価が10〜100の範囲にあるとき、より優れた可溶化能を有する。より好ましくは10〜90であり、さらに好ましくは20〜70である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、日光ケミカルズ製のNIKKOL DECAGLYN 1−OV(ポリグリセリンオレイン酸エステル)、DECAGLYN 1−L(ポリグリセリンラウリン酸エステル)、太陽化学製のサンソフト M−12J(ポリグリセリンラウリン酸エステル)、理研ビタミン製のポエム C−781(ポリグリセリンカプリン酸エステル)等が挙げられる。
アルキルポリグルコシド(B)中のグリコシド結合したアルコールの炭素数は、8〜16のアルキル基から選択される一種または二種以上からなる。炭素数が8〜16の範囲の脂肪族アルコールを使用することにより、優れた可溶化性能が得られる。アルキルポリグルコシド(B)中の脂肪族アルコールを構成する炭素数8〜16の脂肪族アルコールとしては、オクタノール、デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、パルミトレイルアルコール等を挙げることができ、その中でもオクタノール、デカノールがより好ましい。なお、アルキルポリグルコシド(B)中の脂肪族アルコールには、本発明の目的とする効果が達成される範囲で、炭素数が8〜16の範囲の脂肪族アルコール以外の脂肪族アルコールが少量含まれてもよい。本発明におけるアルキルポリグルコシド(B)は、目的とする用途により特に限定されるものではないが、グルコシド化は、公知の方法で行うことができる。アルキルポリグルコシドの市販品としては、例えば、花王製のマイドール10(デシルグルコシド)、マイドール12(ラウリルグルコシド)、日光ケミカルズ製のGreenAPG 0810(カプリリル/カプリルグルコシド)、GreenAPG 1214(ラウリルグルコシド)、セピック製のORAMIX CG110(カプリリル/カプリルグルコシド)等が挙げられる。
アシルアミノ酸(C)中のアシル基は、炭素数6〜22の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸から選択される一種または二種以上からなる。炭素数が6〜22の範囲の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸を使用することにより、優れた可溶化性能が得られる。アシルアミノ酸(C)中の脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸等を挙げることができ、中でも、カプリル酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ウンデシレン酸及びラウリン酸が好ましい。なお、アシルアミノ酸(C)中の脂肪酸を構成する脂肪酸には、本発明の目的とする効果が達成される範囲で、炭素数が6〜22の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸以外の脂肪酸が少量含まれていてもよい。また、アシルアミノ酸(C)中のアミノ酸としては、グリシン、アラニン、グルタミン、サルコシン、アルギニン等を挙げることができ、中でもグリシン、サルコシンが好ましい。アシルアミノ酸(C)の市販品としては、例えば、日光ケミカルズ製のNIKKOL サルコシネート LH(ラウロイルサルコシン)、NIKKOL サルコシネート OH(オレオイルサルコシン)等が挙げられる。
有機カルボン酸またはその塩(D)中の炭素数は、2〜20の範囲のアルキル基から選択される一種または二種以上からなり、これらを使用することにより、優れた可溶化効果が得られる。有機カルボン酸またはその塩(D)としては、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等を挙げることができ、中でもオレイン酸、ステアリン酸がより好ましい。有機カルボン酸塩の塩としては、ナトリウム、カリウム等が好ましく、中でもナトリウムがより好ましい。有機カルボン酸またはその塩(D)の市販品としては、例えば、高級アルコール製のイソステアリン酸EX、日油製のEXTRA OLEIN(tm) 99(オレイン酸)、日光ケミカルズ製のNIKKOL ラウリン酸カリLK−120(ラウリン酸カリウム)、NIKKOL ミリスチン酸カリMK−140(ミリスチン酸カリウム)等が挙げられる。
本発明の可溶化剤は、通常の医薬品及び化粧品に用いられる植物性油、動物性油、炭化水素油、高級アルコール、着色料、精油、香料、脂溶性薬剤、脂溶性ビタミン類、酸化防止剤等の油溶性物質の可溶化に使用できる。また、本発明の可溶化剤により可溶化される油溶性物質は、下記に記載した一種類の油溶性物質のみからなるものでもよいし、二種類以上の油溶性物質からなるものでもよい。
例えば、オリーブ油、ホホバ油、サフラワー油、ヒマワリ油、コーン油、マカデミアンナッツ油等の植物性油、牛脂、EPA油、DHA油等の動物性油、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン等の炭化水素油類、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコールが挙げられる。着色料としては、β−カロチン、アナトー色素、パプリカ色素、カカオ色素、リボフラビン、クルクミン、クロロフィル、ウコン色素等が挙げられ、精油及び香料としては、ペパーミント油、オレンジ油、レモン油、ジンジャー油、ローズマリー油、ローズ油、ラベンダー油、リナロール、リモネン、シトラール、ピネン、シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオール、シンナミックアルデヒド、カンフェン、メントール等が挙げられる。
脂溶性ビタミン類及び脂溶性薬剤として、ビタミンA,ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、およびこれらの誘導体、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アルコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、β−カロチン、ユビキノン−10、サリチル酸メチル、エリスロマイシン、キサンタマイシン等が挙げられる。酸化防止剤としては、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、カテキン等が挙げられる。
本発明の可溶化剤は、脂溶性医薬剤や難水溶性医薬剤等の可溶化に使用することができる。本発明の可溶化剤を含有する医薬品としては、特に限定されるものではないが、例えば、カプセル、軟膏、乳化型基剤、ゲル状基剤等が挙げられる。
本発明の可溶化剤を含有する化粧品としては、特に限定されるものではないが、例えば、ボディシャンプー、へアシャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアオイルジェル、化粧水、香水、フレグランス、ヘアオイル等が挙げられる。
本発明の可溶化剤の医薬品および化粧品に対する配合量については、特に限定するものではないが一般的には化粧品、医薬品に対して0.1〜10.0%の範囲で添加される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
可溶化剤の調製方法
表1に記載の本発明品に係る原料成分を含有した可溶化剤を調製した。調製方法としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とアルキルポリグリコシド(B)を30〜60℃の湯浴中で5/95〜95/5の割合(質量%)で混合した。さらに、アシルアミノ酸(C)と有機カルボン酸またはその塩(D)を任意の割合で混合し本発明品1−1〜1−8とした。比較品1−1〜1−2として、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)をポリグリセリンラウリン酸エステルおよびアルキルポリグルコシド(B)をカプリリル/カプリルグルコシドのみを用いた。
Figure 2018090542
可溶化能評価
1.実験の概要
本発明品の可溶化剤を用いて、油溶性物質に対する可溶化能の評価を実施した。
2.実験方法
表1に記載した本発明品の可溶化剤1−1〜1−8と油溶性物質としてリモネン、混合香料のAQUA PULSE(高砂香料製)、DEEP FORCE(高砂香料製)、INTENSE PEACE(高砂香料製)を用いて下記の処方1を調製し、各可溶化剤の可溶化能を評価した。さらに比較品として表1に記載した比較品の1−1〜1−2および1−3を用いて下記の処方1を調製し、可溶化能を評価した。評価方法は、目視による透明度の確認および透過率を紫外・可視分光光度計(日本分光株式会社、V−600)を用いて測定した。
処方1
油性物質 0.1(質量%)
各本発明品/比較品 1.0〜0.5
グリセリン 5.0
クエン酸ナトリウム 適量
防腐剤 微量
精製水 残部
調製方法:配合原料を室温で混合し、マグネチックスターラーにて撹拌を行い調製した。
3.結果
実験結果を表2に示す。本発明品である可溶化剤を用いることで、目視により透明度が非常に高いことや、透過率測定においても約90%以上の透過率があることが認められた。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルもしくは、アルキルポリグルコシド単独による油溶性物質の可溶化能よりも本発明品は優れた可溶化能を有していることが認められた。
Figure 2018090542
評価基準
完全に透明になった:◎
透明度が高いがくすみが見られた:○
白濁しているが光の透過が肉眼で確認できた:△
乳化物となった:×
油層の分離が確認された:××
以下に、本発明品である可溶化剤を含有した医薬品および化粧品の処方例を示す。配合量は質量%である。実施例3〜11は、いずれも実施例1〜2の評価方法により優れた可溶化能が認められた。
抗炎症剤
A相
サリチル酸メチル 2.0(質量%)
本発明品1−5 5.0
エトキシジグリコール 5.0
エタノール 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.8
B相
精製水 残部
調製方法:室温で、均一に混合したA相に徐々にB相を乳化機で攪拌しながら加えて、5分攪拌を続けて調製する。
結果:透過率は97.2%であった。
フレグランス
A相
香料 0.1(質量%)
発明品1−1 0.5
グリセリン 5.0
B相
クエン酸ナトリウム 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
調製方法:室温で、均一に混合したA相に徐々にB相をマグネチックスターラーで攪拌しながら加えて、5分攪拌を続けて調製する。
結果:透過率は99.7%であった。
フレグランス
A相
香料 0.1(質量%)
発明品1−3 0.75
グリセリン 5.0
B相
クエン酸ナトリウム 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
調製方法:室温で、均一に混合したA相に徐々にB相をマグネチックスターラーで攪拌しながら加えて、5分攪拌を続けて調製する。
結果:透過率は98.5%であった。
フレグランス
A相
香料 0.1(質量%)
発明品1−4 1.0
グリセリン 5.0
B相
クエン酸ナトリウム 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
調製方法:室温で、均一に混合したA相に徐々にB相をマグネチックスターラーで攪拌しながら加えて、5分攪拌を続けて調製する。
結果:透過率は91.8%であった。
フレグランス
A相
香料 0.1(質量%)
発明品1−5 0.75
グリセリン 5.0
B相
クエン酸ナトリウム 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
調製方法:室温で、均一に混合したA相に徐々にB相をマグネチックスターラーで攪拌しながら加えて、5分攪拌を続けて調製する。
結果:透過率は99.5%であった。
フレグランス
A相
香料 0.1(質量%)
発明品1−6 0.5
グリセリン 5.0
B相
クエン酸ナトリウム 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
調製方法:室温で、均一に混合したA相に徐々にB相をマグネチックスターラーで攪拌しながら加えて、5分攪拌を続けて調製する。
結果:透過率は99.8%であった。
フレグランス
A相
香料 0.1(質量%)
発明品1−7 0.5
グリセリン 5.0
B相
クエン酸ナトリウム 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
調製方法:室温で、均一に混合したA相に徐々にB相をマグネチックスターラーで攪拌しながら加えて、5分攪拌を続けて調製する。
結果:透過率は89.1%であった。
化粧水
A相
テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル 0.5(質量%)
本発明品1−3 5.0
水 10.0
B相
ヒドロキシプロリン 0.2
1,3−ブチレングリコール 0.3
ポリエチレングリコール 4.0
ペンチレングリコール 2.5
クエン酸 微量
クエン酸ナトリウム 適量
防腐剤 適量
水 残部
調製方法:80℃で均一に混合したA相を徐々にB相にマグネチックスターラーで攪拌しながら加えて、30分攪拌を続けて調製する。
結果:透過率は90.5%であった。
ヘアジェルオイル
A相
スクワラン 80.0(質量%)

本発明品1−5 5.0
グリセリン 10.0
防腐剤 適量
水 残部
調製方法:80℃で均一に混合したB相に少しずつA相を撹拌しながら加え、調製した。
結果:透過率は92.5%であった。
本発明品の可溶化剤を使用することで、透明性に優れた医薬品または化粧品を提供することができる。

Claims (8)

  1. 炭素数が6〜22の脂肪酸から選択される1種以上の脂肪酸と、平均重合度が5〜20であるポリグリセリンとをエステル化したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と炭素数が8〜16のアルキル基を有するアルキルポリグルコシド(B)を含有することを特徴とする可溶化剤。
  2. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とアルキルポリグルコシド(B)に、さらにアシルアミノ酸(C)を添加することを特徴とする請求項1に記載の可溶化剤。
  3. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とアルキルポリグルコシド(B)に、さらに有機カルボン酸またはその塩(D)を添加することを特徴とする請求項1に記載の可溶化剤。
  4. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とアルキルポリグルコシド(B)に、さらにアシルアミノ酸(C)と有機カルボン酸またはその塩(D)を添加することを特徴とする請求項1に記載の可溶化剤。
  5. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)のけん化価が10〜100であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の可溶化剤。
  6. 前記アシルアミノ酸(C)は、アシル基のアルキル基の炭素数が6〜22であることを特徴とする請求項2、請求項4〜5のいずれか1項に記載の可溶化剤。
  7. 前記有機カルボン酸またはその塩(D)は、アルキル基の炭素数が2〜20であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の可溶化剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の可溶化剤を含有することを特徴とする医薬品または化粧品。
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