JP2018090429A - セメント混和材 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメント組成物に微細ひび割れを自ら修復する性能(自己修復性)を与えることができるセメント混和材を提供する。【解決手段】セメント組成物に微細ひび割れを自ら修復する性能を与えるためのセメント混和材であって、フライアッシュとアルギニンの組み合わせであるセメント混和材。セメント混和材およびポルトランドセメントを含むセメント組成物。該セメント組成物中、ポルトランドセメント100質量部に対するアルギニンの配合量は、好ましくは4質量部以下であり、ポルトランドセメント100質量部に対するフライアッシュの配合量は、好ましくは10〜120質量部である。【選択図】なし

Description

本発明は、セメント混和材に関する。
圧縮載荷等によってコンクリート構造物(例えば、防波堤、護岸等)に微細ひび割れ(マイクロクラック)が発生する場合がある。この場合、微細ひび割れが拡大しないか等を追跡調査したり、補修が必要な箇所を修繕したりする維持管理の負担が増える。そこで、このような維持管理を省力化する観点から、微細ひび割れを自ら修復する性能(自己修復性)を有するコンクリートを開発して、このようなコンクリートを用いることが検討されている。
例えば、特許文献1には、自己修復セメント系材料のための修復剤として、5μm〜2mmの範囲の被覆厚を有し、(a)細菌、凍結乾燥細菌及び細菌胞子からなる群から選択される細菌材料、及び(b)添加剤、を含む被覆粒子を含む、セメント系材料のための粒子状修復剤が記載されている。
特開2016−34898号公報
本発明の目的は、セメント組成物に微細ひび割れを自ら修復する性能(自己修復性)を与えることができるセメント混和材を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フライアッシュとアルギニンの組み合わせであるセメント混和材によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供するものである。
[1] セメント組成物に微細ひび割れを自ら修復する性能を与えるためのセメント混和材であって、フライアッシュとアルギニンの組み合わせであることを特徴とするセメント混和材。
[2] 前記[1]に記載のセメント混和材およびポルトランドセメントを含むセメント組成物。
[3] 上記ポルトランドセメント100質量部に対する上記アルギニンの配合量が、4質量部以下である前記[2]に記載のセメント組成物。
[4] 上記ポルトランドセメント100質量部に対する上記フライアッシュの配合量が、10〜120質量部である前記[2]又は[3]に記載のセメント組成物。
[5] 前記[2]〜[4]のいずれかに記載のセメント組成物からなる表層を含むことを特徴とする構造体。
本発明のセメント混和材によれば、セメント組成物に微細ひび割れを自ら修復する性能(自己修復性)を与えることができる。本発明のセメント混和材およびポルトランドセメントを含むセメント組成物からなるモルタルやコンクリート(以下、「コンクリート等」ともいう。)は、該コンクリート等に発生する微細ひび割れを自動的に修復することができ、モルタルやコンクリートからなる構造体の維持管理を省力化することができる。
本発明のセメント混和材は、セメント組成物に微細ひび割れを自ら修復する性能を与えるためのセメント混和材であって、フライアッシュとアルギニンの組み合わせである。
「フライアッシュとアルギニンの組み合わせ」とは、フライアッシュとアルギニンの混合物の形態(例えば、セメントへの添加前に、粉状の混合物として用意されていること)で存在する場合、および、フライアッシュとアルギニンが各々単独の形態(例えば、セメントへの添加前に、フライアッシュからなる粉状物と、アルギニンからなる粉状物とに分かれた形態で用意されていること)で存在する場合を包含するものである。
フライアッシュとアルギニンを組み合わせることで、本発明のセメント混和材とポルトランドセメントを含むセメント組成物の自己修復性を向上することができる。
本発明で用いるフライアッシュとしては、特に限定されず、例えば、「JIS A 6201(コンクリート用フライアッシュ)」に規定するフライアッシュI種、II種、III種及びIV種等が挙げられる。
本発明のセメント組成物は、上述したフライアッシュとアルギニンの組み合わせであるセメント混和材およびポルトランドセメントを含むものである。
本発明で用いるポルトランドセメントとしては、特に限定されず、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、及び耐硫酸塩ポルトランドセメント等から選ばれる1種以上が挙げられる。
本発明のセメント組成物において、ポルトランドセメント100質量部に対するフライアッシュの配合量は、好ましくは10〜120質量部、より好ましくは20〜100質量部、さらに好ましくは30〜80質量部、特に好ましくは40〜60質量部である。該量が10質量部以上であれば、セメント組成物の自己修復性がより向上する。該量が120質量部以下であれば、セメント組成物の流動性をより良好にすることができる。
本発明のセメント組成物において、ポルトランドセメント100質量部に対するアルギニンの配合量は、好ましくは4質量部以下、より好ましくは1〜3.5質量部である。該量が4質量部以下であれば、セメント組成物の強度(例えば、圧縮強度)の低下の程度が小さくなり、また、材料のコストの過度の増大を防ぐことができる。
本発明のセメント組成物は、水を含むことによって、コンクリート、モルタル、又はペーストとなる。
本発明のセメント組成物は、必要に応じて他の材料を含むことができる。他の材料としては、細骨材や、粗骨材や、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、及び高性能AE減水剤等の各種混和剤(セメント混和剤)や、シリカフューム、及び高炉スラグ微粉末等の各種混和材(セメント混和材;本発明のセメント混和材以外のもの)等が挙げられる。
本発明で用いる細骨材としては、特に限定されず、例えば、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、スラグ細骨材、軽量細骨材、またはこれらの混合物等が挙げられる。
細骨材の配合量は特に限定されず、コンクリート等における一般的な配合量であればよい。例えば、ポルトランドセメント100質量部に対する細骨材の配合量は、好ましくは50〜700質量部、より好ましくは100〜600質量部である。該配合量が上記範囲内であれば、セメント組成物のワーカビリティーや成形のし易さが向上する。
本発明で用いる粗骨材としては、特に限定されず、例えば、川砂利、山砂利、陸砂利、海砂利、砕石、スラグ粗骨材、軽量粗骨材、又はこれらの混合物等が挙げられる。
粗骨材の配合量は特に限定されず、コンクリート等における一般的な配合量であればよい。例えば、ポルトランドセメント100質量部に対する粗骨材の配合量は、好ましくは100〜700質量部、より好ましくは200〜600質量部である。
また、粗骨材を用いる場合、細骨材率は、好ましくは5〜60%、より好ましくは20〜55%、特に好ましくは30〜50%である。粗骨材の配合量や細骨材率が上記範囲内であれば、セメント組成物のワーカビリティーや成形のし易さが向上する。
本発明で用いる水としては、特に限定されず、水道水、スラッジ水等が挙げられる。
水の配合量は特に限定されるものではなく、コンクリート等における一般的な配合量であればよい。例えば、水の配合量は、水とセメントの質量比(水/セメント)の値として、好ましくは0.4〜0.7、より好ましくは0.5〜0.6となる量である。該質量比が0.4以上であれば、セメント組成物の流動性が向上する。該質量比が0.7以下であれば、セメント組成物の強度(例えば、圧縮強度)が向上する。
本発明のセメント組成物は、空気を導入してワーカビリティーを向上する目的で、AE剤を含んでもよい。AE剤の配合量は特に限定されるものではなく、コンクリート等における一般的な配合量であればよい。例えば、モルタル中のAE剤の配合量は、強度(例えば、圧縮強度)の向上等の観点から、該モルタルの空気量が、好ましくは10%以下、より好ましくは5〜9%となる量である。コンクリート中のAE剤の配合量は、強度(例えば、圧縮強度)の向上等の観点から、該コンクリートの空気量が、好ましくは5%以下、より好ましくは2〜4%となる量である。
本発明のセメント組成物は、セメント組成物の流動性や強度(例えば、圧縮強度)を向上する目的で、リグニンスルホン酸系、ナフタレンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系、またはポリカルボン酸系の、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、及び高性能AE減水剤から選ばれる1種以上を含んでいてもよい。
なお、本発明のセメント組成物は流動性に優れていることから、上述した減水剤等の使用量を少なくすることができる。
ポルトランドセメント100質量部に対する、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、及び高性能AE減水剤から選ばれる1種以上の混和剤の配合量(複数の種類の場合、合計量)は、液状の場合の値として、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.05〜1質量部、液状の場合の固形分換算の値、または、粉末等の固体の場合の値として、好ましくは0.001〜1質量部、より好ましくは0.002〜0.5質量部である。
本発明のセメント組成物は、優れた自己修復性を有していることから、微細ひび割れ(数十μm〜数百μmのクラック)が発生した場合において、定期的な維持管理(例えば、微細ひび割れを人為的に修復すること)を行わなくても、時間の経過(例えば、2〜4か月)とともに自動的に微細ひび割れを閉塞させる。このため、水や塩化物等がコンクリート等の内部に浸透することによる、コンクリート等の劣化やコンクリート等の内部の鉄筋の腐食等を防ぎ、コンクリート等の耐久性を向上することができる。
また、低コストで優れた自己修復性を有する構造体を得る観点から、該構造体の表層のみを、本発明のセメント組成物からなるものにしてもよい。この場合、表層の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、3〜30cm(好ましくは5〜20cm)である。
本発明のセメント組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、フライアッシュ、アルギニン、及びポルトランドセメント等の材料を同時に混合して、セメント組成物を調製してもよく、これらの材料を別々に混合して、セメント組成物を調製してもよい。また、各材料を混合する順序は問わない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)ポルトランドセメント:普通ポルトランドセメント
(2)アルギニン:L−アルギニン(単一製品)
(3)フライアッシュ:「JIS A 6201(コンクリート用フライアッシュ)」で規定されたフライアッシュII種、ブレーン比表面積3,240cm/g
(4)細骨材:山砂
(5)粗骨材:砂岩砕石
(6)減水剤:リグニンスルホン酸化合物とポリカルボン酸エーテルの複合体(BASFジャパン社製、商品名「マスターポリヒード 15L」)
(7)AE剤1(フライアッシュ用AE剤):高アルキルカルボン酸系陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の複合体(BASFジャパン社製、商品名「マスターエア 785」
(8)AE剤2:アルキルエーテル系陰イオン界面活性剤(BASFジャパン社製、商品名「マスターエア 101」)
[実施例1]
上記材料を使用し、表1に示す配合に従ってコンクリートを作製した。具体的には、ポルトランドセメント、アルギニン、フライアッシュ、細骨材、および粗骨材をパン型ミキサーに投入して20秒間空練りした後、さらに、減水剤とAE剤1(液状物)とを溶解した水を投入して120秒間混練し、コンクリートを調製した。なお、AE剤1の配合量は、コンクリート中の空気量が表1に示す値となる量である。
[比較例1]
表1に示すとおり、アルギニンを使用しない以外は実施例1と同様にしてコンクリートを調製した。
[参考例1]
表1に示すとおり、フライアッシュを使用せず、AE剤1の代わりにAE剤2を使用する以外は実施例1と同様にしてコンクリートを調製した。
[参考例2]
表1に示すとおり、アルギニンを使用しない以外は参考例1と同様にしてコンクリートを調製した。
[スランプの測定]
実施例1等のコンクリートのスランプを「JIS A 1101(コンクリートのスランプ試験方法)」に準拠して測定した。結果を表1に示す。
表1から、実施例1のコンクリートは、減水剤の量が比較例1に比べて少ないにもかかわらず、比較例1のスランプ(10.0cm)と比べて同等以上のスランプ(11.0cm)を有することがわかる。このことから、フライアッシュとアルギニンの組み合わせは、フライアッシュを単独で用いる場合に比べて、セメント組成物の流動性を高めることがわかる。
Figure 2018090429
[圧縮強度の測定および圧縮強度の増加率の算出]
実施例1等において調製したコンクリートを型枠に打設して、24時間後に脱型を行った。次いで、圧縮強度の測定を行う材齢までは20℃の恒温室中において封緘養生を行うことで、φ100×200mmの供試体を作製した。該供試体の材齢28日および120日における圧縮強度を「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準拠して測定した。
材齢28日および材齢120日における圧縮強度を用いて、次の式によって、圧縮強度の増加率を算出した。
増加率(%)={(材齢120日における圧縮強度−材齢28日における圧縮強度)/(材齢28日における圧縮強度)}×100
結果を表2に示す。
表2から、フライアッシュおよびアルギニンを含むコンクリート(実施例1)の圧縮強度の増加率(26%)は、フライアッシュを含みかつアルギニンを含まないコンクリート(比較例1)の圧縮強度の増加率(21%)よりも大きいことがわかる。
一方、フライアッシュを含まずかつアルギニンを含むコンクリート(参考例1)の圧縮強度の増加率(12%)は、フライアッシュを含まずかつアルギニンを含まないコンクリート(参考例2)の圧縮強度の増加率(13%)と同等である。
これらのことから、フライアッシュを含む場合には、フライアッシュを含まない場合と異なり、材齢が28日〜材齢120日の間の圧縮強度の増加率(長期強度発現性)が、アルギニンによって増加するという傾向が見られることがわかる。
Figure 2018090429
[圧縮強度の変化率の算出]
材齢28日まで封緘養生を行った上記供試体に対して、「JIS A 1107(コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法)」に準拠して圧縮載荷を行った後、速やかに除荷を行った。その後、自己修復を促進する目的で、供試体を40℃の温水に1カ月間浸漬した。封緘養生後の供試体(圧縮載荷を行う前の供試体)の圧縮強度および浸漬後の供試体の圧縮強度を測定し、封緘養生後の供試体の圧縮強度の測定値(100%)に対する浸漬後の供試体の圧縮強度の測定値の変化率を算出した。
変化率(%)={(浸漬後の供試体の圧縮強度)/(封緘養生後の供試体の圧縮強度)}×100
結果を表3に示す。
表3から、実施例1のコンクリートの圧縮強度の変化率(117%)は、比較例1の変化率(112%)、参考例1〜2の変化率(86〜97%)よりも大きく、自己修復性に優れていることがわかる。
Figure 2018090429
[相対動弾性係数の算出]
自己修復性を評価する指標として、相対動弾性係数を算出した。なお、相対動弾性係数が大きいほど、自己修復性に優れていると評価することができる。
具体的には、上述の圧縮強度の変化率の算出と同様にして、圧縮載荷から1カ月間の浸漬までのサイクルを2回繰り返した供試体に関して、1回目の圧縮載荷を行う前(材齢28日まで封緘養生を行った直後;表4中、「初期状態」と示す。)、1回目の圧縮載荷及び除荷を行った後(表4中、「圧縮載荷(1回目)」と示す。)、1回目の浸漬を行った後(1サイクル後)、2回目の圧縮載荷及び除荷を行った後(表4中、「圧縮載荷(2回目)」と示す。)、2回目の浸漬を行った後(2サイクル後)の、各々の時点における、上記供試体の超音波伝播速度を測定した。
超音波伝播速度は、周波数10,000Hzの超音波に対して、供試体の軸方向における超音波伝播時間を測定することで求めた。
得られた超音波伝播速度を用いて、下式(1)により相対動弾性係数(P)を算出した。
P=v/v ×100(%) (1)
(式(1)中、vは測定した供試体の超音波伝播速度(mm/s)、vは圧縮載荷を行う前の供試体の超音波伝播速度(mm/s)を示す。)
結果を表4に示す。
表4から、2サイクル後の相対動弾性係数の値を見ると、実施例1の値(110%)は、比較例1の値(107%)や、参考例1〜2の値(102〜104%)よりも大きいことがわかる。このことから、実施例1のコンクリートは、比較例1および参考例1〜2のコンクリートに比べて自己修復性に優れていることがわかる。
Figure 2018090429
[透水速度および透水速度の減少率の算出]
上述の「圧縮強度の変化率の算出」で説明した方法と同様にして圧縮載荷および除荷を行った供試体(「自己修復前の供試体」ともいう。)、および、上述の「圧縮強度の変化率の算出」で説明した方法と同様にして圧縮載荷および除荷を行った後、40℃の温水に3カ月間浸漬させて自己修復を促進した供試体(「自己修復後の供試体」ともいう。)について、各々の供試体の略中央部分から50mm幅のスライス片を切出した後、該スライス片について透水試験を実施し、透水速度を算出した。
透水試験は、「JIS A 6909(建築用仕上塗材)」に準拠して行った。
具体的には、上記スライス片のひび割れが発生している表面部分に、口径が75mmである漏斗を、シーリング材を用いて止め付けた。次いで、該漏斗に、該漏斗の300mmの目盛りの高さまで水を入れて、該漏斗の目盛りを参照して、5mlの水がスライス片を通過するのに要する時間(透水に要した時間)を測定し、得られた値を用いて、下記式(2)により透水速度(Q)を算出した。
Q=w/t(ml/s) (2)
(式(2)中、wは、透水量(5ml)、tは、透水に要した時間(秒)を示す。)
得られた透水速度を用いて、下記式(3)により透水速度の減少率(R)を算出した。
R={(Q−Q)/(Q)}×100(%) (3)
(式(3)中、Qは自己修復前の供試体における透水速度(ml/s)、Qは自己修復後の供試体における透水速度(ml/s)を示す。)
結果を表5に示す。
Figure 2018090429
[実施例2]
表6に示すとおり、粗骨材及び減水剤を使用しない以外は、実施例1のコンクリートと同様にしてモルタルを調製し、材齢が91日であるφ50×100mmの供試体を作製した。
[比較例2]
表6に示すとおり、アルギニンを使用しない以外は実施例2と同様にしてモルタルを調製した。
[参考例3]
表6に示すとおり、フライアッシュを使用せず、AE剤1の代わりにAE剤2を使用する以外は実施例2と同様にしてモルタルを調製した。
[参考例4]
表6に示すとおり、アルギニンを使用しない以外は参考例3と同様にしてモルタルを調製した。
[モルタルフローの測定]
実施例2等について、各モルタルのモルタルフローを「JIS R 5201」に準拠して測定した。
[モルタル中の水酸化カルシウムの含有率の測定]
実施例2等について、供試体を用いて、モルタル中の水酸化カルシウム(Ca(OH))の含有率を測定した。具体的には、アセトンを用いてモルタルの水和を停止した後、目開きが0.15mmである篩を全通するまで該モルタルを粉砕し、得られた粉砕物を用いて、TG−DTA(熱重量測定−示差熱分析)による熱分析を行った。熱分析を行う際の昇温温度は10℃/分とし、室温(25℃)から500℃になるまで加熱を行った。測定は3回行い、その平均値を測定値とした。
それぞれの結果を表7に示す。
Figure 2018090429
Figure 2018090429
表6から、実施例2のモルタルは、比較例2のモルタルフロー値(165mm)と比べて優れたモルタルフロー値(186mm)を有することがわかる。このことから、フライアッシュとアルギニンの組み合わせは、フライアッシュを単独で用いる場合に比べて、セメント組成物の流動性をより高めることがわかる。
表7から、アルギニンの添加による参考例4(5.6%)から参考例3(4.9%)への低下の度合(0.7%)と、比較例2(4.9%)から実施例2(3.3%)への低下の度合(1.6%)を比べると、後者の度合の方が大きいことがわかる。このことから、フライアッシュとアルギニンを併用することによって、フライアッシュのポゾラン反応を顕著に促進でき、その結果、セメント組成物の自己修復性が向上すると推定できる。

Claims (5)

  1. セメント組成物に微細ひび割れを自ら修復する性能を与えるためのセメント混和材であって、フライアッシュとアルギニンの組み合わせであることを特徴とするセメント混和材。
  2. 請求項1に記載のセメント混和材およびポルトランドセメントを含むセメント組成物。
  3. 上記ポルトランドセメント100質量部に対する上記アルギニンの配合量が、4質量部以下である請求項2に記載のセメント組成物。
  4. 上記ポルトランドセメント100質量部に対する上記フライアッシュの配合量が、10〜120質量部である請求項2又は3に記載のセメント組成物。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載のセメント組成物からなる表層を含むことを特徴とする構造体。
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萩原 達朗,外3名: "アミノ酸の混入が再生コンクリート中の鉄筋腐食に与える影響", コンクリート工学年次論文集, vol. 37, no. 1, JPN6020035424, 2015, pages 949 - 954, ISSN: 0004445887 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110105007A (zh) * 2019-05-20 2019-08-09 山西晟科微生物建材科技有限公司 基于微生物的裂缝深宽三维自修复混凝土及其制备方法
CN110105007B (zh) * 2019-05-20 2021-09-21 山西晟科微生物建材科技有限公司 基于微生物的裂缝深宽三维自修复混凝土及其制备方法

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