JP2018090172A - 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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幹人 田代
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Abstract

【課題】加硫不良の発生を抑制し得る。【解決手段】ビード部4にリング状のビードコア5が埋設された空気入りタイヤ1である。ビードコア5のタイヤ半径方向の内周面18上に、内周面18のタイヤ軸方向の両端縁18e、18eからはみ出すことなくタイヤ周方向にのびる第1エアブリード糸21が配されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、空気溜まりによる加硫不良の発生が抑制される空気入りタイヤ及びその空気入りタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤの製造では、例えば、円筒状のフォーマの外周面に、タイヤの構成部材であるカーカスプライ、該カーカスプライの外側にビードコアが重ねられて生タイヤが成形されていた(図示省略)。従来、このような製造方法では、ビードコアとカーカスプライとの間に空気溜まりが生じやすく、加硫不良が発生しやすいという問題があった。
このため、例えば、下記特許文献1に示されるように、カーカスプライの表面に、カーカスコードと交差する向きにのびるエアブリード糸がタイヤ周方向に複数本配置された空気入りタイヤが知られている。エアブリード糸は、カーカスプライの表面の空気を取り込むので、空気溜まりが一ヶ所に集中するのを防止できる。又、例えば、ホーリング工程により、生タイヤの外側面からホーリング穴を形成したとき、エアブリード糸に取り込まれた空気は、エアブリード糸に近接するホーリング穴から排出することができる。これにより、空気入りタイヤは、加硫不良の発生が抑制される。
しかしながら、上述のような空気入りタイヤでも、カーカスプライとビードコアの内周面との間では、空気溜まりが発生しやすく、この部分の空気溜まりを効果的に抑制できないという問題があった。また、ビードコアの内周面とカーカスプライとの間で、エアブリード糸に取り込まれることなく残留した空気が、エアブリード糸を伝って、エアブリード糸の端部に溜まり、加硫不良を発生させるという問題があった。
国際公開第2013/035555号
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ビードコアとカーカスプライとの間の空気溜まりによる加硫不良の発生を抑制し得る空気入りタイヤ及びその空気入りタイヤの製造方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、ビード部にリング状のビードコアが埋設された空気入りタイヤであって、前記ビードコアのタイヤ半径方向の内周面上に、前記内周面のタイヤ軸方向の両端からはみ出すことなくタイヤ周方向にのびる第1エアブリード糸が配されている。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記第1エアブリード糸が、前記内周面を実質的に環状にのびるのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記第1エアブリード糸が、タイヤ周方向に沿ってのびているのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記第1エアブリード糸が、前記ビードコアの前記内周面にタイヤ軸方向の中央領域に配置されているのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記空気入りタイヤが、さらに、ラジアル構造のカーカスを具え、前記カーカスは、タイヤ周方向において、第1端を含む第1端部と、第2端を含む第2端部とを有するカーカスコードの層からなるカーカスプライを含み、前記カーカスプライは、前記第2端部が、前記第1端部の外側に重ねられたジョイント部を有し、前記カーカスの外側面にかつ前記第2端の近傍に、前記第2端に沿ってのびる第2エアブリード糸が配されているのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記第2エアブリード糸が、前記第2端と前記カーカスプライの前記ジョイント部以外の部分で構成される入隅コーナ部に配置されているのが望ましい。
本発明は、空気入りタイヤの製造方法であって、ビード部にリング状のビードコアが埋設された生タイヤを成形する成形工程と、前記生タイヤを加硫する加硫工程とを含み、前記成形工程では、前記ビードコアのタイヤ半径方向の内周面上に、前記内周面のタイヤ軸方向の両側縁からはみ出すことなくタイヤ周方向にのびる第1エアブリード糸を配置する工程を含む。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、前記第1エアブリード糸が、前記内周面を実質的に環状にのびるのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、前記第1エアブリード糸が、タイヤ周方向に沿ってのびているのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、前記第1エアブリード糸が、前記ビードコアの前記内周面にタイヤ軸方向の中央領域に配置されているのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、前記成形工程が、タイヤ周方向において、第1端を含む第1端部と、第2端を含む第2端部とを有するカーカスプライを、前記第2端部が、前記第1端部の外側に重ねられるようにジョイントする工程と、前記カーカスプライの外側面かつ前記第2端の近傍に、前記第2端に沿ってのびる第2エアブリード糸を配する工程とをさらに含むのが望ましい。
また請求項12記載の発明は、前記生タイヤの外面側から前記第2エアブリード糸の近傍に針状体を突き刺して排気用のホーリング穴を形成するホーリング工程をさらに含むのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤは、ビード部に埋設されたビードコアのタイヤ半径方向の内周面に、内周面のタイヤ軸方向の両端縁からはみ出すことなくタイヤ周方向にのびる第1エアブリード糸が配されている。このような第1エアブリード糸は、空気入りタイヤの製造時、ビードコアの内周面とカーカスプライとの間の空気を第1エアブリード糸の全長に亘って広範囲に分散して取り込む。また、第1エアブリード糸は、空気入りタイヤの製造時、ビードコアの内周面に溜まりやすい空気を集めて空気の通り道となる。このため、例えば、生タイヤを加硫成形するための加硫金型に設けられたベントホールから、第1エアブリード糸で集められた空気がスムーズに排出される。このため、空気が一ヶ所に集中して大きな空気溜まりを発生させるのを防止できる。従って、本発明の空気入りタイヤは、加硫不良の発生が抑制される。
本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示す断面図である。 カーカスプライの巻き付けを説明する斜視図である。 (a)は、図1のビードコアの拡大図、(b)は、(a)の斜視図である。 図2のA−A線断面図である。 (a)は、ビードワイヤを巻き付けるためのドラムの斜視図、(b)は、(a)の溝部の拡大図である。 本実施形態の空気入りタイヤの製造方法を説明する断面図である。 本実施形態の空気入りタイヤの製造方法を説明する断面図である。 本実施形態の空気入りタイヤの製造方法を説明する断面図である。 比較例のビードコア部の斜視図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本発明の一実施形態を示す乗用車用の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)1の断面図が示される。本発明は、乗用車用のタイヤ1の他、自動二輪車用や重荷重用等の様々な空気入りタイヤ1に採用しうる。
図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7とを具えている。
カーカス6は、少なくとも1枚、本実施形態では、1枚のカーカスプライ6Aからなる。カーカスプライ6Aは、一対のビードコア5(他方のビードコアは図示省略)間をトロイド状に跨る本体部6aと、この本体部6aの両側に連なりかつビードコア5の回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含んでいる。カーカスプライ6Aは、タイヤ赤道Cに対して、例えば75〜90°の角度で傾けられたカーカスコードを含んでいる。カーカスコードには、例えば有機繊維コード又はスチールコードが採用される。
図2は、カーカスプライ6Aの斜視図である。図2に示されるように、カーカスプライ6Aは、タイヤ周方向において、第1端8eを含む第1端部8と、第2端9eを含む第2端部9とを有し、第2端部9が、第1端部8の外側に重ねられたジョイント部10を有している。ジョイント部10は、本実施形態では、カーカスプライ6Aタイヤ軸方向の両端6e(他端は図示省略)間で形成されている。
図1に示されるように、ベルト層7は、本実施形態では、タイヤ半径方向の内外に2枚のベルトプライ7A、7Bで構成されている。ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ赤道Cに対して、例えば、15〜45゜の角度で傾斜して配列されたベルトコード(図示省略)を含んでいる。ベルトコードは、例えば、スチール、アラミド又はレーヨン等が好適に採用されている。
タイヤ1は、本実施形態では、タイヤ内腔面2bを形成するインナーライナーゴム11、カーカスプライ6Aの外側かつサイドウォール部3の表面を形成するサイドウォールゴム3G、及び、ビード部4の表面を形成するクリンチゴム4Gが配されている。本実施形態では、サイドウォール部3において、カーカス6とサイドウォールゴム3Gとが密着されている。また、本実施形態では、ビード部4において、カーカス6とクリンチゴム4Gとが密着されている。
図3(a)に示されるように、ビードコア5は、本実施形態では、内周面18と一対の側面19、19と外周面20とを有する断面略矩形状で形成されている。内周面18は、タイヤ半径方向の内側を向いている。一対の側面19、19は、内周面18のタイヤ軸方向の両端縁18e、18eからタイヤ半径方向外側にのびている。外周面20は、一対の側面19、19のタイヤ半径方向の外端間を継ぎ、断面三日月状のビードエーペックスゴムBgと接している。ビードコア5は、例えば、断面視、六角形等の多面形状のものや、円形状のものでも良い。
ビードコア5は、本実施形態では、ビードワイヤ15を多列多段に巻回させたリング状のビードコア本体16と、このビードコア本体16を取り囲むラッピング層17とが配置されている。ビードワイヤ15は、非伸縮性であれば特に限定されないが、例えば、ビード部4の剛性確保の観点より、スチールワイヤ等が採用されるのが望ましい。
ラッピング層17は、ビードワイヤ15のバラケを防止するのに役立つ。なお、ラッピング層17としては、ゴム材のみからなるゴム層の他、ゴム引きのキャンパス布からなるキャンバス層など種々のものが適宜採用される。
本実施形態では、ビードコア5の内周面18上に、内周面18のタイヤ軸方向の両端縁18e、18eからはみ出すことなくタイヤ周方向にのびる第1エアブリード糸21が配されている。第1エアブリード糸21は、空気入りタイヤ1の製造時、ビードコア5の内周面18とカーカスプライ6Aとの間の空気を第1エアブリード糸21の全長に亘って広範囲に分散して取り込む。また、後述する第2エアブリード糸25を併用した場合には、第1エアブリード糸21内の空気が、第2エアブリード糸25を通って、タイヤ1の外部に排気することも可能になる。さらに、第1エアブリード糸21は、空気入りタイヤ1の製造時、ビードコア5の内周面18に溜まりやすい空気を集めてその通り道となる。このため、例えば、生タイヤを加硫成形するための加硫金型に設けられたベントホールから、第1エアブリード糸で集められた空気がスムーズに排出される。このため、空気が一ヶ所に集中して大きな空気溜まりを発生させるのを防止できる。従って、本発明の空気入りタイヤは、加硫不良の発生が抑制される。なお、第1エアブリード糸21及び後述する第2エアブリード糸25は、例えば、生タイヤの加硫成形時の押圧力によって、図に示されるような円形状が維持されずにその断面形状が潰される場合がある。
図3(b)に示されるように、第1エアブリード糸21は、本実施形態では、内周面18を実質的に環状にのびている。これにより、ビードコア5の周方向の全長さに亘って、内周面18側の空気を取り込むことができるので、加硫不良の発生が効果的に抑制される。「実質的」とは、第1エアブリード糸21が、内周面18の1周以上、かつ1.2周以下の長さで配されている態様をいう。
第1エアブリード糸21は、タイヤ周方向に沿ってのびている。本実施形態の第1エアブリード糸21は、内周面18のタイヤ軸方向に対して実質的に同じ位置でのびている。これにより、タイヤ1の内周面18で最も空気の溜まりやすいタイヤ軸方向位置に絞って、第1エアブリード糸21が配されるので、有効に空気を集めることができる。「実質的」とは、第1エアブリード糸21の配設精度を考慮して、タイヤ軸方向内外に6mmの範囲で配設されることをいう。
第1エアブリード糸21の内周面18の配設位置は、上述のような態様に限定されるものではなく、例えば、内周面18のタイヤ軸方向の両端縁18e、18e間で振幅する波状やジグザグ状(図示省略)にのびても良い。このような場合、第1エアブリード糸21の空気を取り込む範囲が広げられる。
第1エアブリード糸21は、本実施形態では、内周面18のタイヤ軸方向の中央領域18Cに配置されている。これにより、最も効果的に内周面18側の空気を取り込むことができる。「中央領域18Cに配置」とは、第1エアブリード糸21の中心とビードコア5の中心線5cとの間のタイヤ軸方向距離Waが3mm以下で配置されている態様をいう。
図4は、図2のA−A線断面図である。図4には、カーカスプライ6Aの外側に配されるサイドウォールゴム3G、及び、カーカスプライ6Aの内側に配されるインナーライナーゴム11が仮想線で示される。図2及び図4に示されるように、本実施形態では、カーカス6の外側面6sかつ第2端9eの近傍に、ラジアル方向にのびる第2エアブリード糸25が配されている。これにより、例えば、カーカス6のジョイント部10とサイドウォールゴム3Gやクリンチゴム4Gとの間の空気が、第2エアブリード糸25に取り込まれる。このため、空気が広範囲に分散されるので、空気が一ヶ所に集中して大きな空気溜まりが形成されるのが抑制される。また、第2エアブリード糸25は、ビードコア5の内側では、第1エアブリード糸21と接する場合、第1エアブリード糸21、第2エアブリード糸25間では、取り込まれた空気の移動が行われる。このため、例えば、生タイヤ形成するときに、サイドウォールゴム3Gの外面にホーリング穴を形成した場合には、両エアブリード糸21、25内に取り込まれた空気は、加硫時、第2エアブリード糸25に近いホーリング穴をへて外部に排気される。この場合、第1エアブリード糸21、及び、第2エアブリード糸25は、空気の排気の通り路としても機能する。
第2エアブリード糸25は、本実施形態では、第2端9eとカーカスプライ6Aのジョイント部10以外の部分で構成される入隅コーナ部26に配置されている。これにより、とりわけ、空気溜りの発生しやすい入隅コーナ部26での加硫不良が抑制される。
第2エアブリード糸25は、例えば、カーカスプライ6Aの一対の折返し部6b(他方の折返し部の図示省略)、及び、本体部6aに沿ってのびている。これにより、入隅コーナ部26のタイヤ軸方向の全長さに亘って第2エアブリード糸25が配されるので、さらに、有効に加硫不良の発生が抑制される。また、第1エアブリード糸21の空気が、第2エアブリード糸25を伝って、上述のベントホールからスムーズに排出される。本実施形態では、第2エアブリード糸25は、第1エアブリード糸21と接触して交差している。
第2エアブリード糸25の配設領域は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、少なくとも、第1エアブリード糸21と接していれば、第2エアブリード糸の空気が排出される上述のベントホールで途切れても良い。
第2エアブリード糸25の中心と第2端9eとのタイヤ周方向の最大離間距離Laは、5mm以下が望ましい。最大離間距離Laが5mmを超える場合、第2エアブリード糸25が効果的に入隅コーナ部26の空気を取り込めないおそれがある。
このような第1エアブリード糸21及び第2エアブリード糸25としては、例えば、ナイロンやポリエステル等の有機繊維や、ガラス・カーボン等の無機繊維の複数本のフィラメントから構成されているものが望ましい。これにより、内周面18側の空気や入隅コーナ部26の空気を、フィラメント間に取り込むことができるので、一層、空気溜まりの発生を抑制できる。
このような作用を効果的に発揮させるために、第1エアブリード糸21及び第2エアブリード糸25は、例えば、ラテックス接着剤(RFL)等に浸漬するディップ処理がなされていないものが望ましい。
また、第1エアブリード糸21及び第2エアブリード糸25の総繊度は、490〜1840dtexであるのが望ましい。総繊度が490dtex未満であると、空気の取り込み量が低下するおそれがある。逆に、総繊度が1840dtexを超えると、エアブリード糸21、25が過度に太くなり、エアブリード糸21、25とゴム部材との間で隙間が形成され易くなり、かえって加硫不良が発生するおそれがある。このような観点より、総繊度は、より好ましくは800〜1200dtexであるのが望ましい。
第1エアブリード糸21及び第2エアブリード糸25は、フィラメントが撚られることなく束ねて使用されてもよいが、フィラメントのバラケを抑制する観点より、予め撚られているものが望ましい。
次に、本実施形態のタイヤ1の製造方法が説明される。
本実施形態の製造方法は、リング状のビードコア5を成形するビードコア成形工程と、ビード部4にビードコア5が埋設された生タイヤ1a(図8に示す)を成形する生タイヤ成形工程と、生タイヤ1aを加硫する加硫工程とを含んでいる。
ビードコア成形工程では、図5(a)に示されるように、例えば、周知構造の回転自在な円盤状のドラム31が用いられる。ドラム31の外周面31sには、環状で周方向に連続してのびる断面略矩形の溝部32が設けられている。ドラム31は、例えば、その半径方向の内外に拡縮径が可能である。
図5(b)に示されるように、本実施形態のビードコア成形工程では、1本のビードワイヤ15が、ドラム31の溝部32に多列多段に順次巻き付けられる。これにより、断面矩形状のビードコア本体16が形成される。この後、ドラム31が縮径されて、ビードコア本体16が溝部32から取り出されて、周知構造のラッピング製造装置(図示省略)によって、ビードコア本体16の外側面にラッピング層17(図3(b)に示す)が配されて、ビードコア5が形成される。
次に、第1エアブリード糸21を配置する第1配置工程が行われる。第1配置工程では、ビードコア5の内周面18に、第1エアブリード糸21が連続して実質的に環状に配置される。これにより、ビードコア5と第1エアブリード糸21とが組み合わされたビードコア部5A(図3(b)に示す)が形成される。このとき、ゴム材で形成されるラッピング層17は、第1エアブリード糸21の配置を安定的に保持しうる。
第1エアブリード糸21は、図3(a)に示されるように、本実施形態では、内周面18からはみ出すことなく、実質的に環状に配されている。また、第1エアブリード糸21は、タイヤ周方向に沿ってのび、かつ、内周面18のタイヤ軸方向の中央領域18Cに配置されているのが望ましい。
次に、生タイヤ成形工程が行われる。図6は、カーカスプライ6Aのジョイント部10を含む断面図である。図6に示されるように、先ず、周知構造の円筒状のフォーマFが準備される。生タイヤ成形工程は、本実施形態では、カーカス6を含む筒状基体35(図7に示す)を形成する形成ステップと、筒状基体35をシェーピングするシェーピングステップと、シェーピングされた筒状基体35に必要なゴム部材を貼り付ける貼付ステップが行われる。
形成ステップでは、本実施形態では、フォーマFの外周面Faに、シート状のインナーライナーゴム11、クリンチゴム4G、及び、カーカスプライ6Aが順に巻き付けられる。カーカスプライ6Aは、第1端部8の外側に第2端部9が重ねられ、ジョイント部10が形成される。
次に、本実施形態では、第2エアブリード糸25を配置する第2配置工程が行われる。第2配置工程では、第2エアブリード糸25が、カーカスプライ6Aの入隅コーナ部26に配置される。第2エアブリード糸25は、本実施形態では、カーカスプライ6Aの両端6e(一方端は図示省略)間を継いで、第2端9eに沿って配されている。
次に、図7に示されるように、形成ステップでは、第1エアブリード糸21を含むビードコア部5A、及び、ビードエーペックスゴムBgがカーカスプライ6Aの外側に配置されて、筒状基体35が形成される。次に、カーカスプライ6A、クリンチゴム4Gの両端部がフォーマFの軸方向外側から内側に折り返されて、サイドウォールゴム3Gが、カーカスプライ6Aの外側に配置される。
そして、サイドウォールゴム3G上かつジョイント部10の位置に、例えば、図示しない針状体を有するホーリング装置によって、ホーリング穴38が設けられているのが望ましい。これにより、加硫成形時、ビードコア5の内周面18とカーカスプライ6Aとの間の空気、及び、ジョイント部10の入隅コーナ部26の空気が、第1エアブリード糸21及び第2エアブリード糸25をへてホーリング穴38から排気できる。なお、ホーリング穴38からの排気は、例えば、加硫金型に設けられたベントホール(図示省略)にて排出される。特に、好ましい態様では、ホーリング穴38は、第2エアブリード糸25近傍のサイドウォールゴム3Gに設けられるのが望ましい。なお、ホーリング穴は、第1エアブリード糸21近傍のクリンチゴム4Gに設けられても良いし、第2エアブリード糸25近傍のクリンチゴム4Gに設けられても良い(図示省略)。
このようなホーリング穴38は、サイドウォールゴム3Gのジョイント部10とタイヤ軸方向外側で合う位置に予め形成されても良い。また、ホーリング穴38は、手動で形成しても良い。
図8に示されるように、シェーピングステップでは、例えば、フォーマFに具えられた、周知構造のビードロック機構Gによって、一対のビードコア5、5がフォーマFの軸方向内側に近接する向きに移動させられつつ、フォーマFの内部に加圧空気が吐出される。これにより、筒状基体35が、トロイド状にシェーピングされる。
次に、貼付ステップが行われる。貼付ステップは、本実施形態では、ベルト層7及びトレッドゴム2Gを含むトレッドリング39が貼り付けられる。これにより、生タイヤ1aが形成される。貼付ステップは、周知構造の貼付装置によって行われる。
なお、クリンチゴム4Gは、カーカスプライ6Aの折り返しの後に配置することもできる。また、サイドウォールゴム3Gは、カーカスプライ6Aの折り返しの前に配置することもできる。
加硫工程では、慣例に従い、ゴム等の変形可能な風船状の弾性体からなるブラダーによって、生タイヤ1aのタイヤ内腔面1cが加硫金型(図示省略)側へ押圧されて加硫成形され、図1のタイヤ1が製造される。
以上、本発明の特に好ましい実施形態が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。
図1の基本構造をなす空気入りタイヤが、表1の仕様に基づき試作され、加硫工程を経た後、加硫不良の発生状況がテストされた。テスト方法は、以下の通りである。
タイヤサイズ:140/80R13
第1及び第2エアブリード糸:ポリエステル
ビードコアの内周面のタイヤ軸方向の幅:5.0mm
表1の「第1エアブリード糸、第2エアブリード糸の有無」では、「A」は、第1エアブリード糸が設けられている態様を示し、「B」は、第2エアブリード糸が設けられている態様を示す。
表1の「Wa」は、「+」がタイヤ軸方向内側への離間距離を示し、「−」がタイヤ軸方向外側への離間距離を示す。
従来例は、国際公開第2013/035555号の図1及び図2に示された有機繊維コードの配設位置にエアブリード糸が設けられた仕様である。
<ビードコア回り及びカーカスのジョイント部の加硫不良の発生率>
各試供タイヤが50本製造された。各試供タイヤの解体後、ビードコア回りにおける加硫不良の発生の有無、及び、カーカスのジョイント部の加硫不良の発生の有無が目視により確認された。評価は、加硫不良の発生率(%)で表示した。発生率が小さいほど良好である。
テスト結果が表1に示される。
Figure 2018090172
表1から明らかなように、実施例の空気入りタイヤは、比較例に比べて加硫不良の発生率が有意に減少していることが確認できた。また、各実施例のタイヤは、比較例1のタイヤに比して、製造コストが80%である。
1 空気入りタイヤ
4 ビード部
5 ビードコア
18 内周面
18e 内周面の端縁
21 第1エアブリード糸

Claims (12)

  1. ビード部にリング状のビードコアが埋設された空気入りタイヤであって、
    前記ビードコアのタイヤ半径方向の内周面上に、前記内周面のタイヤ軸方向の両端縁からはみ出すことなくタイヤ周方向にのびる第1エアブリード糸が配されている空気入りタイヤ。
  2. 前記第1エアブリード糸は、前記内周面を実質的に環状にのびる請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1エアブリード糸は、タイヤ周方向に沿ってのびている請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1エアブリード糸は、前記ビードコアの前記内周面にタイヤ軸方向の中央領域に配置されている請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記空気入りタイヤは、さらに、ラジアル構造のカーカスを具え、
    前記カーカスは、タイヤ周方向において、第1端を含む第1端部と、第2端を含む第2端部とを有するカーカスコードの層からなるカーカスプライを含み、
    前記カーカスプライは、前記第2端部が、前記第1端部の外側に重ねられたジョイント部を有し、
    前記カーカスの外側面にかつ前記第2端の近傍に、前記第2端に沿ってのびる第2エアブリード糸が配されている請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第2エアブリード糸は、前記第2端と前記カーカスプライの前記ジョイント部以外の部分で構成される入隅コーナ部に配置されている請求項5記載の空気入りタイヤ。
  7. 空気入りタイヤの製造方法であって、
    ビード部にリング状のビードコアが埋設された生タイヤを成形する成形工程と、
    前記生タイヤを加硫する加硫工程とを含み、
    前記成形工程では、前記ビードコアのタイヤ半径方向の内周面上に、前記内周面のタイヤ軸方向の両端縁からはみ出すことなくタイヤ周方向にのびる第1エアブリード糸を配置する工程を含む空気入りタイヤの製造方法。
  8. 前記第1エアブリード糸は、前記内周面を実質的に環状にのびる請求項7記載の空気入りタイヤの製造方法。
  9. 前記第1エアブリード糸は、タイヤ周方向に沿ってのびている請求項7又は8記載の空気入りタイヤの製造方法。
  10. 前記第1エアブリード糸は、前記ビードコアの前記内周面にタイヤ軸方向の中央領域に配置されている請求項7乃至9のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  11. 前記成形工程は、タイヤ周方向において、第1端を含む第1端部と、第2端を含む第2端部とを有するカーカスプライを、前記第2端部が、前記第1端部の外側に重ねられるようにジョイントする工程と、
    前記カーカスプライの外側面かつ前記第2端の近傍に、前記第2端に沿ってのびる第2エアブリード糸を配する工程とをさらに含む請求項7乃至10のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  12. 前記生タイヤの外面側から前記第2エアブリード糸の近傍に針状体を突き刺して排気用のホーリング穴を形成するホーリング工程をさらに含む請求項11記載の空気入りタイヤの製造方法。
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