JP2013141919A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ビードワイヤの巻き回し終端部への応力集中に起因する周辺の部材の界面剥離を防止すると共に、巻き回し終端部の跳ね上がりを抑制することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 単一のビードワイヤWを連続的に巻回して得られる複数の周回部分5aをタイヤ軸方向に並べると共にタイヤ径方向に積層することで形成されたビードコア5と、該ビードコア5の径方向外側に配置された断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6とをビード部3に埋設した空気入りタイヤにおいて、ビードワイヤWの巻き回し終端部Eをビードコア5の径方向の最外層に配置すると共に、巻き回し終端部Eをその内層の周回部分5aに対して交差させながらビードフィラー6の幅方向両端よりも中央側となる位置に配置し、その位置で巻き回し終端部Eをビードコア5とビードフィラー6との間に挟み込む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、単一のビードワイヤからなるビードコアを備えた空気入りタイヤ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、ビードワイヤの巻き回し終端部への応力集中に起因する周辺の部材の界面剥離を防止すると共に、巻き回し終端部の跳ね上がりを抑制することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
空気入りタイヤのビード部には、ビードワイヤからなるビードコアと断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラーとが埋設されている。一般に、ビードコアは単一のビードワイヤを連続的に巻回して得られる複数の周回部分をタイヤ軸方向に並べると共にタイヤ径方向に積層することで形成されるが、その端末部は不連続な形状に起因する応力集中により周辺の部材を傷付けることがある。多くの場合、ビードコアはビードフィラーやカーカス層といった部材の界面に接しているため、低圧・高荷重下の走行では応力集中により界面剥離の起点となる可能性がある。
また、単一のビードワイヤからなるビードコアの場合、巻き回し終端部がビードコアの最外層のタイヤ軸方向両端部のいずれか一方に配置されることになるが、その部位はビードコアとビードフィラーとカーカス層との境界位置と一致する。そのため、ビードワイヤの巻き回し終端部がこれら部材間の界面剥離を誘発する恐れがある。
また、空気入りタイヤの製造過程ではカーカス層がビードコアの廻りに巻き上げられるが、カーカス層の張力によりビードワイヤの巻き回し終端部が跳ね上がってしまうこともある。そして、このようなビードワイヤの跳ね上がりを生じると、部材間の界面剥離だけでなく、跳ね上がった巻き回し終端部がタイヤから露出するような不具合を起こすこともある。
これら不都合に対する従来からの対策として、ビードコアの巻き回し始端部と巻き回し終端部が配置される部位に糸などの結束部材を巻き付けて、これら巻き回し始端部と巻き回し終端部を結束することが行われている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかしながら、ビードコアの巻き回し始端部と巻き回し終端部が配置される部位に結束部材を巻き付けても、巻き回し終端部への応力集中に起因する周辺の部材の界面剥離を必ずしも防止することはできず、また、結束部材による結束が不十分であったりすると、その巻き回し終端部の跳ね上がりを押さえ込むことができない場合もある。
特開2004−345537号公報 特開2010−120587号公報
本発明の目的は、ビードワイヤの巻き回し終端部への応力集中に起因する周辺の部材の界面剥離を防止すると共に、巻き回し終端部の跳ね上がりを抑制することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、単一のビードワイヤを連続的に巻回して得られる複数の周回部分をタイヤ軸方向に並べると共にタイヤ径方向に積層することで形成されたビードコアと、該ビードコアの径方向外側に配置された断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラーとをビード部に埋設した空気入りタイヤにおいて、前記ビードワイヤの巻き回し終端部を前記ビードコアの径方向の最外層に配置すると共に、前記巻き回し終端部をその内層の周回部分に対して交差させながら前記ビードフィラーの幅方向両端よりも中央側となる位置に配置し、その位置で前記巻き回し終端部を前記ビードコアと前記ビードフィラーとの間に挟み込んだことを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、単一のビードワイヤを連続的に巻回して得られる複数の周回部分をタイヤ軸方向に並べると共にタイヤ径方向に積層することで形成されたビードコアと、該ビードコアの径方向外側に配置された断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラーとをビード部に埋設した空気入りタイヤを製造する方法において、前記ビードワイヤの巻き回し終端部を前記ビードコアの径方向の最外層に配置すると共に、前記巻き回し終端部をその内層の周回部分に対して交差させながら前記ビードフィラーの幅方向両端よりも中央側となる位置に配置し、その位置で前記巻き回し終端部を前記ビードコアと前記ビードフィラーとの間に挟み込んで該ビードコアと該ビードフィラーとからなるビード組立体を形成した後、該ビード組立体を含むグリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤを加硫することを特徴とするものである。
本発明では、単一のビードワイヤからなるビードコアを備えた空気入りタイヤにおいて、ビードワイヤの巻き回し終端部をビードコアの径方向の最外層に配置すると共に、該巻き回し終端部をその内層の周回部分に対して交差させながらビードフィラーの幅方向両端よりも中央側となる位置に配置し、その位置で巻き回し終端部をビードコアとビードフィラーとの間に挟み込むことにより、ビードコアとビードフィラーとカーカス層との界面付近でビードワイヤが終端することを回避し、その巻き回し終端部への応力集中に起因する周辺の部材の界面剥離を防止することができる。しかも、ビードワイヤの巻き回し終端部はビードコアとビードフィラーとの間でしっかりと保持されるので、巻き回し終端部の跳ね上がりを抑制することができる。そのため、巻き回し終端部の跳ね上がりに起因する故障等の不具合も防止することができる。
本発明において、ビードフィラーのビードコアと接する面には巻き回し終端部を内包する窪みを設けることが好ましい。ビードフィラーとビードコアとを互いに接合する前の状態において、ビードフィラーのビードコアと接する面に上記のような窪みを設けておくことにより、ビードワイヤの巻き回し終端部を所望の位置に押さえ込むことができるので、寸法安定性及び生産性を改善することができる。
また、ビードコアとビードフィラーとの間には巻き回し終端部の変位を抑制するための変位抑制部材を挿入することが好ましい。これにより、ビードワイヤの巻き回し終端部を所望の位置に押さえ込むことができるので、寸法安定性及び生産性を改善することができる。
本発明では、ビードワイヤの巻き回し終端部を除くビードコアの本体部分の横断面形状が実質的に四角形となるようにビードワイヤを配列したり、或いは、ビードワイヤの巻き回し終端部を除くビードコアの本体部分の横断面形状が実質的に六角形となるようにビードワイヤを配列することが可能である。いずれの場合も、ビードワイヤの巻き回し終端部への応力集中に起因する周辺の部材の界面剥離を防止すると共に、巻き回し終端部の跳ね上がりを抑制することが可能である。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線半断面図である。 図1の空気入りタイヤのビードコア及びビードフィラーを抽出して示す断面図である。 図1の空気入りタイヤのビードコアを抽出して径方向外側から見た状態を示す平面図である。 図2のビードコアとビードフィラーとを組み立てる際の状態を示す断面図である。 本発明におけるビードコア及びビードフィラーの変形例を示す断面図である。 図5のビードコアとビードフィラーとを組み立てる際の状態を示す断面図である。 本発明におけるビードコアの変形例を示す断面図である。 従来のビードコアの一例を示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図4は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。
図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に巻き上げられている。カーカス層4の補強コードとしては、一般には有機繊維コードが使用されるが、スチールコードを使用しても良い。ビードコア5は、単一のビードワイヤWを連続的に巻回して得られる複数の周回部分5aをタイヤ軸方向に並べると共にタイヤ径方向に積層することで形成されている(図2参照)。ビードワイヤWはゴム被覆されたものであるが、ここでは被覆ゴム層の表示が省略されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部分と巻き上げ部分により包み込まれている。ビードフィラー6のゴム組成物としては、20℃でのJIS硬さが60〜100の範囲にある高硬度のゴム組成物が使用されている。ここで、JIS硬さとはJIS−K6253に規定されるデュロメータ硬さであってAタイプのデュロメータを用いて使用されるものである。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8を配置されている。ベルトカバー層8は少なくとも1本の補強コードを引き揃えてゴム被覆してなるストリップ材をタイヤ周方向に連続的に巻回したジョイントレス構造とすることが望ましい。また、ベルトカバー層8はベルト層7の幅方向の全域を覆うように配置しても良く、或いは、ベルト層7の幅方向外側のエッジ部のみを覆うように配置しても良い。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
上述した空気入りタイヤにおいて、図2に示すように、ビードコア5は単一のビードワイヤWを連続的に巻回して得られる複数の周回部分5aを矢印に沿って変位させることにより、その本体部分が5列×3層の積層構造となるように構成されている。ビードワイヤWの巻き回し終端部E(斜線部)はビードコア5の径方向の最外層に配置されている。また、図3に示すように、ビードワイヤWの巻き回し終端部Eはその内層(最外層の直下の層)の周回部分5aに対して交差しながらビードコア5の幅方向端部から中央側に向かって湾曲し、ビードフィラー6の幅方向両端よりも中央側となる位置に配置されている。そして、巻き回し終端部Eは上記位置においてビードコア5とビードフィラー6との間に挟み込まれた状態になっている。
このように単一のビードワイヤWからなるビードコア5を備えた空気入りタイヤにおいて、ビードワイヤWの巻き回し終端部Eをビードコア5の径方向の最外層に配置すると共に、該巻き回し終端部Eをその内層の周回部分5aに対して交差させながらビードフィラー6の幅方向両端よりも中央側となる位置に配置し、その位置で巻き回し終端部Eをビードコア5とビードフィラー6との間に挟み込むことにより、ビードコア5とビードフィラー6とカーカス層4との界面付近でビードワイヤWが終端することを回避し、その巻き回し終端部Eへの応力集中に起因する周辺の部材の界面剥離を防止することができる。しかも、ビードワイヤWの巻き回し終端部Eはビードコア5とビードフィラー6との間でしっかりと保持されるので、巻き回し終端部Eの跳ね上がりを抑制し、それに起因する故障等の不具合も防止することができる。
上述の空気入りタイヤを製造する場合、ビードコア5の成形工程において、図4に示すように、ビードワイヤWの巻き回し終端部Eをビードコア5の径方向の最外層に配置すると共に、巻き回し終端部Eをその内層の周回部分5aに対して交差させながらビードフィラー6の幅方向両端よりも中央側となる位置に配置し、その位置で巻き回し終端部Eをビードコア5とビードフィラー6との間に挟み込んでビードコア5とビードフィラー6とからなるビード組立体9を形成する。
その際、ビードフィラー6のビードコア5と接する面には巻き回し終端部Eを内包する窪み6aを設けると良い。このようにビードフィラー6とビードコア5とを互いに接合する前の状態において、ビードフィラー6のビードコア5と接する面に窪み6aを設けておくことにより、ビードワイヤWの巻き回し終端部Eを所望の位置に押さえ込むことができるので、寸法安定性及び生産性を改善することができる。特に、図4に示すように、ビードフィラー6の底面の幅方向中央部が最も窪むように窪み6aに一対の傾斜面を設けた場合、巻き回し終端部Eをビードフィラー6の幅方向中央側へ寄せ易くなる。なお、ビードフィラー6の窪み6aはタイヤ加硫後においてはビードワイヤWの巻き回し終端部Eを包み込むように形状が変化する(図2参照)。
上述のようにビードコア5とビードフィラー6とからなるビード組立体9を形成した後、ビード組立体9を含むグリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤを加硫することにより、上記空気入りタイヤを得ることができる。
図5及び図6は本発明におけるビードコア及びビードフィラーの変形例を示すものである。図5において、ビードコア5とビードフィラー6との間にはビードワイヤWの巻き回し終端部Eの変位を抑制するための変位抑制部材10が挿入されている。この場合、図6に示すように、ビードワイヤWの巻き回し終端部Eをビードコア5とビードフィラー6との間に挟み込んでビード組立体9を形成する際に、ビードコア5とビードフィラー6との間に変位抑制部材10を挿入すれば良い。これにより、ビードワイヤWの巻き回し終端部Eを所望の位置に押さえ込むことができるので、寸法安定性及び生産性を改善することができる。
変位抑制部材10としては、例えば、金属板、高硬度ゴムシート、短繊維入り高硬度ゴムシート、布材を挙げることができる。金属板の場合、その構成材料としてはスチールやアルミニウム等を使用することができ、予め屈曲した形状に加工することが好ましい。高硬度ゴムシート及び短繊維入り高硬度ゴムシートの場合、その硬度はビードフィラー6よりも高いものとする。布材の場合、ビードコア5の周りに巻き付けるようにしても良い。このような変位抑制部材10は、巻き回し終端部Eの変位を抑制することを目的とするものであるため、ビードコア5の周上においてビードワイヤWの巻き回し終端部Eに対応する部位だけに局所的に配置すれば良い。例えば、ビードコア5の周方向に沿って測定される変位抑制部材10の長さは50mm〜150mmの範囲に設定すれば良い。
図7は本発明におけるビードコアの変形例を示すものである。上述した各実施形態においては、ビードワイヤWの巻き回し終端部Eを除くビードコア5の本体部分の横断面形状が実質的に四角形となるようにビードワイヤWを配列した場合について説明したが、本発明では、図7に示すように、ビードワイヤWの巻き回し終端部を除くビードコア5の本体部分の横断面形状が実質的に六角形となるようにビードワイヤWを配列しても良い。ここで、ビードコア5の本体部分の横断面形状が実質的に六角形となる構造とは、ビードコア5の中間層に含まれる周回部分5aの本数をそれぞれ最内層及び最外層に含まれる周回部分5aの本数よりも多くした構造である。
このような場合も、ビードワイヤWの巻き回し終端部Eをビードコア5の径方向の最外層に配置すると共に、該巻き回し終端部Eをその内層の周回部分5aに対して交差させながらビードフィラー6の幅方向両端よりも中央側となる位置に配置し、その位置で巻き回し終端部Eをビードコア5とビードフィラー6との間に挟み込むことにより、ビードワイヤWの巻き回し終端部Eへの応力集中に起因する周辺の部材の界面剥離を防止すると共に、巻き回し終端部Eの跳ね上がりを抑制することが可能である。
タイヤサイズ205/55R16で、単一のビードワイヤを連続的に巻回して得られる複数の周回部分をタイヤ軸方向に並べると共にタイヤ径方向に積層することで形成されたビードコアと、該ビードコアの径方向外側に配置された断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラーとをビード部に埋設した空気入りタイヤにおいて、ビード部の構造だけを以下のように種々異ならせた従来例1,2及び実施例1〜3のタイヤを製作した。
従来例1のタイヤでは、図8のようにビードコアを5列×3層の積層構造とし、ビードワイヤの巻き回し終端部を非結束とした。従来例2のタイヤでは、図8のようにビードコアを5列×3層の積層構造とし、ビードワイヤの巻き回し終端部を糸で結束した。これら従来例1,2のタイヤにおいて、巻き回し終端部はビードコアの最外層のタイヤ軸方向端部に配置される。
実施例1のタイヤでは、図2のようにビードコアの本体部分を5列×3層の積層構造とし、ビードワイヤの巻き回し終端部をビードコアとビードフィラーとの間に挟み込んだ。実施例2のタイヤでは、図7のようにビードコアの本体部分を3列+5列+3列の積層構造とし、ビードワイヤの巻き回し終端部をビードコアとビードフィラーとの間に挟み込んだ。実施例3のタイヤでは、図5のようにビードコアの本体部分を5列×3層の積層構造とし、ビードワイヤの巻き回し終端部をビードコアとビードフィラーとの間に挟み込み、かつビードコアとビードフィラーとの間に変位抑制部材を挿入した。変位抑制部材としては、ビードフィラーよりも硬いゴムシートを用いた。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、生産性、巻き回し終端部の跳ね上がり量、巻き回し終端部の周辺部材の損傷度合いを評価し、その結果を表1に示した。
生産性:
各試験タイヤについて、ビードコアとビードフィラーとからなるビード組立体を生産する際の所要時間を測定した。評価結果は、従来例1と同等の生産性を有する場合を「○」で示し、従来例1よりも生産性が悪いが許容レベルである場合を「△」で示し、従来例1に比べて生産性の悪化が著しい場合を「×」で示した。
巻き回し終端部の跳ね上がり量:
各試験タイヤについて、加硫後にタイヤを解体し、ビードワイヤの巻き回し終端部の跳ね上がり量を測定した。
巻き回し終端部の周辺部材の損傷度合い:
各試験タイヤをリムサイズ16×6.5Jのホイールに組み付けてドラム試験機に装着し、空気圧120kPa、荷重6.2kN、速度80km/hの条件にて5000kmの走行試験を実施した後にタイヤを解体し、ビードワイヤの巻き回し終端部の周辺部材の損傷度合いを評価した。評価結果は、周辺部材に損傷が全く認められない場合を「○」で示し、周辺部材に僅かな界面剥離が認められる場合を「△」で示し、周辺部材に界面剥離による顕著な損傷が認められる場合を「×」で示した。
Figure 2013141919
表1から判るように、従来例1,2のタイヤにおいては、ビードワイヤの巻き回し終端部への応力集中に起因して周辺の部材に界面剥離が発生し、しかも巻き回し終端部には比較的大きな跳ね上がりが発生していた。これに対して、実施例1〜3のタイヤでは、ビードワイヤの巻き回し終端部への応力集中に起因する周辺の部材の損傷が防止され、巻き回し終端部の跳ね上がりも抑制されていた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
5a 周回部分
6 ビードフィラー
6a 窪み
7 ベルト層
8 ベルトカバー層
9 ビード組立体
10 変位抑制部材
W ビードワイヤ
E 巻き回し終端部

Claims (10)

  1. 単一のビードワイヤを連続的に巻回して得られる複数の周回部分をタイヤ軸方向に並べると共にタイヤ径方向に積層することで形成されたビードコアと、該ビードコアの径方向外側に配置された断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラーとをビード部に埋設した空気入りタイヤにおいて、前記ビードワイヤの巻き回し終端部を前記ビードコアの径方向の最外層に配置すると共に、前記巻き回し終端部をその内層の周回部分に対して交差させながら前記ビードフィラーの幅方向両端よりも中央側となる位置に配置し、その位置で前記巻き回し終端部を前記ビードコアと前記ビードフィラーとの間に挟み込んだことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ビードフィラーの前記ビードコアと接する面に前記巻き回し終端部を内包する窪みを設けたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビードコアと前記ビードフィラーとの間に前記巻き回し終端部の変位を抑制するための変位抑制部材を挿入したことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ビードワイヤの巻き回し終端部を除く前記ビードコアの本体部分の横断面形状が実質的に四角形となるように前記ビードワイヤを配列したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ビードワイヤの前記巻き回し終端部を除く前記ビードコアの本体部分の横断面形状が実質的に六角形となるように前記ビードワイヤを配列したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 単一のビードワイヤを連続的に巻回して得られる複数の周回部分をタイヤ軸方向に並べると共にタイヤ径方向に積層することで形成されたビードコアと、該ビードコアの径方向外側に配置された断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラーとをビード部に埋設した空気入りタイヤを製造する方法において、前記ビードワイヤの巻き回し終端部を前記ビードコアの径方向の最外層に配置すると共に、前記巻き回し終端部をその内層の周回部分に対して交差させながら前記ビードフィラーの幅方向両端よりも中央側となる位置に配置し、その位置で前記巻き回し終端部を前記ビードコアと前記ビードフィラーとの間に挟み込んで該ビードコアと該ビードフィラーとからなるビード組立体を形成した後、該ビード組立体を含むグリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤを加硫することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記ビードフィラーの前記ビードコアと接する面に前記巻き回し終端部を内包する窪みを設けることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 前記ビードコアと前記ビードフィラーとの間に前記巻き回し終端部の変位を抑制するための変位抑制部材を挿入することを特徴とする請求項6又は7に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  9. 前記ビードワイヤの前記巻き回し終端部を除く前記ビードコアの本体部分の横断面形状が実質的に四角形となるように前記ビードワイヤを配列することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  10. 前記ビードワイヤの前記巻き回し終端部を除く前記ビードコアの本体部分の横断面形状が実質的に六角形となるように前記ビードワイヤを配列することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
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