JP2018090147A - 鉄道線路用の保守車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】周辺環境に依存せず、保守車両の位置を正確に特定可能なシステムを提供する。
【解決手段】保守車両は、周囲の物体までの距離を計測するレーザスキャナ11と、鉄道の運行管理サーバ2との通信を行うための通信装置13と、レーザスキャナによって得られた情報をもとに保守車両の位置を特定する監視装置20を有する。監視装置は、保守車両の走行する領域の周辺に存在する構造物の位置情報である環境地図31と、鉄道線路上の各地点の地理的位置情報を含む鉄道GIS情報33と、線路閉鎖区間の情報34とを記憶部に記憶しており、レーザスキャナによって得られた情報と環境地図とを照合することで保守車両の位置を特定し、鉄道GIS情報と線路閉鎖区間の情報から保守車両の移動可能範囲を特定し、保守車両の位置が移動可能範囲外にあると判定された場合、警報を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道設備の保守作業に用いる保守車両及びその警報通知システムに関する。
鉄道線路の保守作業では、線路上を自走可能な軌道モータ車や、一般道路を走行可能であると共に線路上も走行可能な軌陸車などの保守用車(以下、「保守車両」と呼ぶ)が使用されている。このような保守車両を使用して線路の保守作業を行う場合、保守作業を行う区間(支障区間と呼ばれる)に列車が進入しないように、運行管理システムなどにより、保守作業を行う区間(支障区間と呼ばれる)の設定が行われる。そして保守車両は、この支障区間内だけを移動することで、保守車両が他の列車と衝突する等の事故が発生することを防止している。
しかし、作業員の操作ミス等で、設定された支障区間以外のエリアに保守車両が進入してしまうことはあり得るので、作業員に保守車両が支障区間を逸脱して走行していることを通知する手段も必要である。たとえば特許文献1には、保守車両にGPS(Global Positioning System)を搭載し、GPSにより測位した緯度経度情報を用いて保守車両の在線位置を特定し、特定した在線位置をもとに、保守車両が支障区間を逸脱していないか判定する技術が開示されている。
特開2016−13783号公報
良く知られているように、GPSは上空にある複数の衛星から送信される信号を受信することで、位置を特定するシステムであるが、測位対象物の周囲の環境あるいは時間帯によっては、衛星からの信号が受信しづらくなることがある。たとえば測位対象物の周辺に高層ビルのような高い建造物が存在している場合、建造物によって衛星からの信号がさえぎられる、或いは建造物によって反射された信号を測位対象物が受信することがあり、その場合正確な位置の特定ができない。そのため特許文献1に開示されているような保守車両では、たとえば都市部など、建造物の多いエリアで保守作業を行う場合に、正確に自車の位置を特定できないことがある。
本発明の一実施形態に係る保守車両は、周囲の物体までの距離を計測するレーザスキャナと、鉄道の運行管理サーバとの通信を行うための通信装置と、レーザスキャナによって得られた情報をもとに保守車両の位置を特定する監視装置を有する。監視装置は、保守車両の走行する領域の周辺に存在する構造物の位置情報である環境地図と、鉄道線路上の各地点の地理的位置情報を含む鉄道GIS情報と、線路閉鎖区間の情報とを記憶部に記憶している。
監視装置は、レーザスキャナによって得られた情報と環境地図とを照合することで保守車両の位置を特定し、鉄道GIS情報と線路閉鎖区間の情報から保守車両の移動可能範囲を特定し、保守車両の位置が移動可能範囲外にあると判定された場合、警報を出力する。
本発明によれば、周辺環境に依存せず保守車両の位置を正確に特定でき、保守車両が誤って支障区間を逸脱することを防ぐことができる。
本発明の一実施例に係る警報システムの構成図である。 本実施例に係る保守車両が走行する領域の例である。 レーザスキャナによる測位方法の説明図である。 レーザスキャナにより測定されたセンシングデータの例を示す図である。 環境地図の例を示す図である。 車両形状格納部に格納されている情報の例を説明する図である。 車両形状格納部に格納されている情報の別の例を説明する図である。 線路閉鎖区間を説明する図である。 線路閉鎖区間情報格納部に格納されている情報の例を示す図である。 鉄道GIS格納部に格納されている情報の例を示す図である。 監視装置による、保守車両の位置特定及び警報出力処理の流れ図である。 線路閉鎖区間の算出方法を説明する図である。 線路閉鎖区間の算出方法の別の例を説明する図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施例に係る保守車両1の警報システムの説明を行う。
図1は、実施例に係る警報システムの構成図である。警報システムは、線路の保守作業で用いられる保守車両1と、鉄道路線の運行管理や保守区間等の管理を行う運行管理サーバ2を有する。保守車両1と運行管理サーバ2は、ネットワーク3を介して通信可能に構成されている。ネットワーク3は一例としてインターネットである。ただし、ネットワーク3に専用線が用いられてもよい。またネットワーク3の一部に、無線LANあるいは携帯電話等で用いられる無線ネットワークが含まれていてもよい。
本実施例に係る保守車両1は、レーザスキャナ11、GPSアンテナ12、通信装置13、そして監視装置20を有する。保守車両1はたとえば、一般道路を走行可能であるとともに、軌道(線路)上を走行可能な設備を有している軌陸車である。ただし保守車両1は、軌陸車以外の車両であってもよい。
レーザスキャナ11は、レーザ距離センサまたはレーザレンジファインダ(LRF)とも呼ばれる装置で、保守車両1の周囲にある建造物等の物体に対してレーザ光を照射することで、その物体までの距離を測定する装置である。本実施例では、レーザスキャナ11はたとえば保守車両1の屋根上に設けられ、また水平方向にレーザ光を照射するよう設置されている。また本実施例に係るレーザスキャナ11は、たとえば前方から左右135度、合計270度の範囲の物体に対して、水平にレーザ光を照射できる。以下では、レーザスキャナ11のことを「スキャナ11」と略記することもある。
GPSアンテナ12は、上空に存在する複数のGPS用の衛星(GPS衛星と呼ぶ)からの信号を受信するためのアンテナである。保守車両1は、GPSアンテナ12によって得られた複数のGPS衛星からの信号をもとに、自車位置(緯度、経度)を特定する。通信装置13は、ネットワーク3を介して運行管理サーバ2との通信を行うための装置である。また通信装置13は、保守車両1が運行管理サーバ2と無線通信を可能にするため、携帯電話などで用いられる無線ネットワークを介して通信可能な装置である。
監視装置20は、レーザスキャナ11、GPSアンテナ12、通信装置13から得られた情報を用いて保守車両1の位置を特定し、保守車両1が定められたエリアを逸脱している場合に警報を出力する。ここでの「定められたエリア」とは、保守車両1が保線作業などを行うエリアのことで、保守車両1がこのエリアに進入する前に、予めそのエリアには列車が進入しないように設定される。本実施例ではこのエリアを「線路閉鎖区間」と呼ぶ。線路閉鎖区間の設定は運行管理サーバ2で行われ、線路閉鎖区間の情報は運行管理サーバ2から保守車両1に通知される。
監視装置20は、プロセッサ、DRAMなどのメモリ、ハードディスク等の不揮発性記憶装置、そして保守車両1の乗員(作業員)が使用するタッチパネル或いはキーボードなどの入力デバイス、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカー等の出力デバイスを有する(これらは図1では非図示)。監視装置20のプロセッサでは、監視装置20の制御を行うためのプログラム(以下では「制御プログラム」と呼ぶ)が実行されることにより、監視装置20を、警報通知部21、位置検出処理部22、車両端算出部23、線路閉鎖区間判定部24、座標変換部26の機能部を有する装置として動作させる。また、監視装置20の不揮発性記憶装置は、上で述べた各機能部が処理を行う際に使用する情報を格納するための記憶領域である、地図格納部31、車両形状格納部32、鉄道GIS格納部33、線路閉鎖区間情報格納部34として用いられる。
警報通知部21は、保守車両1が移動可能な範囲を逸脱した場合、保守車両1の乗員(作業員)に警報を通知する機能部である。たとえば警報通知部21は、LCDに警告メッセージを表示する、あるいはスピーカーを用いて警告音を出力することで、作業員に線路閉鎖区間を逸脱している旨を通知する。もちろん警告メッセージの表示と警告音の出力の両方が行われてもよい。
位置検出処理部22は、レーザスキャナ11から得た情報を用いて、保守車両1の位置を特定する機能部である。車両端算出部23は、位置検出処理部22で得られた保守車両1の位置をもとに、保守車両1の各部(たとえば前端、後端、或いは四隅など)の位置を算出する。座標変換部26は、位置検出処理部22や車両端算出部23が算出した位置情報を、地理的位置情報(緯度経度)に変換する。
線路閉鎖区間判定部24は、車両端算出部23で得られた保守車両1の各部の位置の情報と、運行管理サーバ2から得られた線路閉鎖区間の情報とを比較することで、保守車両1が線路閉鎖区間内に位置しているか否かを判定する。
なお、ここでは各機能部が、制御プログラムによって実現される旨を説明したが、別の実施形態として、警報通知部21、位置検出処理部22、車両端算出部23、線路閉鎖区間判定部24の一部または全部が、ハードウェアによって実装されていてもよい。また、これらの各機能部で行われる処理の詳細は後述する。
運行管理サーバ2は、通信装置41とデータベース42を有する。通信装置41は、運行管理サーバ2がネットワーク3を介して保守車両1と通信するための装置である。データベース42は、鉄道線路の地図データや保守区間の情報を格納している。運行管理サーバ2は、保守車両1からのリクエストに応じて、これらの情報を保守車両1に提供する。
続いて、本実施例に係る保守車両1が走行する、鉄道施設内及びその周辺の領域の例を、図2を用いて説明する。図2は、線路などの鉄道施設とその周辺の建造物等を、上から見た時の図を表している。
図2に示されたエリアには、2つの路線(A線及びB線)の線路105が敷設されている。また線路の周辺には、架線を支持するための電架柱103、信号機104が設置されており、さらにその外側には、ビル101や塀102等が存在する。保守車両1はたとえば、2つの塀102の間に設けられた空間から鉄道施設内に進入する。
保守車両1が施設内を走行する時に、位置検出処理部22が自車位置を特定する方法について、図3を参照しながら説明する。図3は、図2で説明した施設内に保守車両1が進入し、スキャナ11を用いた測位を行っている状態を表す。以下ではビル101や塀102などの建造物、電架柱103や信号機104等の設備等を総称して「構造物」と呼ぶこともある。
保守車両1に設けられたスキャナ11は、左右方向にレーザ光を照射することで、保守車両1(正確にはスキャナ11)から周囲の構造物までの距離を測定する。図中の実線矢印は、レーザ光が構造物に照射されている様子を表している。たとえば矢印111は、スキャナ11が正面方向に照射したレーザ光を表し、一方矢印112は、スキャナ11が保守車両1の右斜め方向に照射したレーザ光を表し、矢印111と矢印112のなす角度がαであった場合を表す。矢印111,112で示されるレーザ光を照射することで、スキャナ11は図中の点111’,112’までの距離を測定することができる。なお、スキャナ11によって測定される構造物上の点(たとえば図3における点111’や点112’)を「測定点」と呼ぶ。
また、スキャナ11はレーザ光の照射された測定点の角度も計測可能である。本実施例では、保守車両1の正面に存在する測定点の角度を0度とする。図3では、測定点111’が保守車両1の正面に位置する点で、測定点111’の角度は0度である。そして測定点111’以外の測定点の角度、例えば測定点112’の角度は、保守車両1から測定点111’を結ぶ直線(図3における矢印111に相当する)と、保守車両1から測定点112’を結ぶ直線(図3における矢印112に相当する)とがなす角度として定義される。そのため、測定点112’の角度はαである。また本実施例では、保守車両1の左方向にある測定点の角度は負値とし、保守車両1の右方向にある測定点の角度は正値とする。そのため測定点112’の角度αは正値で、測定点113’の角度βは負値である。
位置検出処理部22は、各測定点までの距離及び角度の組を、保守車両1(正確にはスキャナ11)の位置を原点としたときの直交座標系上の座標(x,y)に変換する。この変換は要するに、極座標を直交座標系上の座標に変換する処理である。なお、スキャナ11は1回の測定で、−135度から135度の範囲の方向について、所定の角度毎(たとえば1度毎など)に距離測定を行う。
本実施例では1回の測定で得られるデータのセット(つまり−135度から135度の範囲について得られた距離の情報)を、センシングデータと呼ぶこととする。たとえばスキャナ11が、−135度から135度の範囲について1度毎に距離測定を行う場合、センシングデータは271個の測定点から構成される。
図4は、スキャナ11が1回の測定で収集したセンシングデータを図示したものである。図4において、点線で示されている矩形1’は、測定を行った時の保守車両1の位置を表し、その周囲にある複数の線(101’、102’、103’、104’)は、スキャナ11(保守車両1)が図中の1’に位置していた時に測定した、測定点(の集合)を表す。
また、スキャナ11による1回の測定は極めて短時間で終了するため、保守車両1はスキャナ11による測定を行いながら移動を行っていてもよい。
続いて環境地図及びそれを用いた保守車両1の位置検出方法について説明する。監視装置20は、周辺環境の地図情報をあらかじめ地図格納部31に保持している。本実施例ではこの地図情報を「環境地図」と呼ぶ。
図5に、環境地図300の例を示す。環境地図300は、周辺環境内に位置する構造物の座標の集合として構成される。なお構造物を表す各座標は、環境内の所定の位置を原点(0,0)とした座標として表現される。図5は環境地図300の内容を分かりやすくするために、環境地図300を構成する各座標値をxy座標系上に図示したものである。地図格納部31には実際には、構造物上の各点の座標値の一覧が記録されている。
位置検出処理部22は、レーザスキャナ11で得られたセンシングデータ(たとえば図4)と、環境地図300(図5)とのマッチング(重ね合わせ)を行うことによって、保守車両1(のレーザスキャナ11)が環境地図300上のどの座標に位置するかを求める。ここでのマッチングは公知の方法、たとえば特開2009−109200号公報などに開示されている方法を用いることで実現できる。そのため、ここではマッチング方法の原理を簡単に説明するだけにとどめる。
位置検出処理部22は、センシングデータのそれぞれの点の座標を、原点(保守車両1の位置)を中心に角度θだけ回転させ、また(X,Y)だけ平行移動させた座標値を求める。以下ではこのようにセンシングデータの各点を回転、平行移動させて得られたものを「移動後のセンシングデータ」と呼ぶ。そして位置検出処理部22は、移動後のセンシングデータの各座標が環境地図300上の構造物と一致するか判定する処理を行い、環境地図300上の構造物と一致する座標の数を計数する。
位置検出処理部22は、θ、X、Yを変化させながら、繰り返しこの判定処理を行うことにより、環境地図300上の構造物と一致する座標(移動後のセンシングデータの座標)の数が最も多くなるときのθ、X、Yを求める。ここで求められた(X,Y)が、環境地図300上の保守車両1(レーザスキャナ11)の座標値となる。またここで求められる角度θは、環境地図上の保守車両1の向きを表す。以下では、保守車両1の座標値(X,Y)と向き(角度θ)の組み合わせを、保守車両1の「姿勢」と呼ぶ。
ここで述べたマッチング方法は一例であり、位置検出処理部22はこれ以外の方法、たとえば上で述べた方法よりも計算量の少なくなる方法を用いて、保守車両1の姿勢を求めてもよい。
さらに環境地図300には、幾つかの点(少なくとも2点以上の点)について、それらの点の地理的位置情報(緯度と経度)が含まれている。たとえば図5の例のように、環境地図300上の2点の座標((XM1,YM1)及び(XM2,YM2)。これらの座標はビルなどの構造物上の点の座標である)に対応する、緯度経度の情報((N1,E1)及び(N2,E2))が、環境地図300に記憶されているとよい。
座標変換部26は、環境地図300に記憶されている2点の緯度経度の情報を用いて、例えば線形補間(または線形外挿)を行うことで、環境地図300上の座標値を緯度経度の情報に変換する。逆に座標変換部26は、緯度経度の情報を環境地図300上の座標値に変換することも可能である。
続いて車両端算出部23で行われる処理の説明を行う。図6は、車両端算出部23が使用する車両形状格納部32に格納されている情報を表している。先に述べたとおり、位置検出処理部22は、レーザスキャナ11で得られたセンシングデータと環境地図300を用いることで、現在保守車両1がいる位置(環境地図300上の座標)を算出する事ができるが、ここで求められる位置は正確には、レーザスキャナ11の位置である。保守車両1はレーザスキャナ11よりも大きいため、保守車両1が定められたエリアを逸脱していないか正確に判定するためには、保守車両1の各部(特に端部)の位置を求め、保守車両1の端部が定められたエリアをはみ出していないか判定する必要がある。車両端算出部23は、車両形状格納部32に格納されている情報を用いて保守車両1の端部の位置を算出する。
監視装置20は、車両形状格納部32に、保守車両1の形状についての情報を保持している。保守車両1の形状の表現方法は任意の方法が採用されてよいが、本実施例に係る監視装置20は、レーザスキャナ11の位置を原点としたときの、保守車両1の各部の座標のリストを車両形状格納部32に保持している。以下では、車両形状格納部32に格納されている座標のことを、「車両の相対座標」または単に「相対座標」と呼ぶ。
車両形状格納部32にはたとえば図6に示されているように、少なくとも保守車両1の端部(前端、後端、左端、右端など)の座標が格納されているとよい。図6では6点の座標((x1、y1),(x2、y2),...(x6、y6))のみが車両形状格納部32に格納されている例が示されているが、例えば保守車両1の形状が複雑な場合(長方形などの単純な形状ではなく、複数の突起がある等の形状の場合)には、これより多くの座標(特に突起部の座標)が格納されていることが好ましい。また、車両形状格納部32に格納されている座標は負値のこともある。たとえば図6において、レーザスキャナ11よりも左側(または下側)に位置する座標(たとえば(x1,y1))のx座標(x1)及びy座標(y1)は、負の値である。
位置検出処理部22によって、保守車両1(のレーザスキャナ11)の位置(座標)が特定されると、車両端算出部23はそれを用いて、保守車両1の各部の位置(環境地図300上の座標)を求める。位置検出処理部22によって求められたレーザスキャナ11の座標(環境地図300上の座標)が(X,Y)、また保守車両の向きがθの場合、保守車両1の各部の座標(環境地図300上の座標)は、原点(レーザスキャナ11の位置)を中心に、相対座標を角度θだけ回転させた座標を求め(これを「回転後相対座標」と呼ぶ)、さらに回転後相対座標のx座標にXを加算し、回転後相対座標のy座標にYを加算することで求められる。
たとえば図6の例では、保守車両1の左後部の相対座標が(x1,y1)である。位置検出処理部22によって求められたレーザスキャナ11の座標が(X,Y)、向きが0度の場合、保守車両1の座標(環境地図300上の座標)は、(X+x1,Y+y1)を計算することで求められる。さらに、位置検出処理部22によって求められた保守車両1の向きがθの場合、最初に相対座標(x1,y1)を角度θだけ回転した時の座標(仮にこの座標を(x1’,y1’)とする)を求めて、(X+x1’,Y+y1’)を計算することで、保守車両1の左後部の座標が求められる。車両端算出部23は保守車両1の各部について同様の演算を行うことで、保守車両1の各部の環境地図300上の座標を求める。
なお、保守車両1はクレーン等の作業用の装置を備えることがある。その場合、クレーンのブーム端部が、定められたエリアを逸脱する可能性がないか判断することが必要なケースもありえる。そのため、保守車両1がクレーン等を搭載している場合には、たとえば図7に示されるように、車両形状格納部32にクレーンの可動範囲(端部が動き得る範囲)の相対座標を記憶しておき、車両端算出部23は、クレーンの可動範囲の各座標を求めるとよい。
また、車両形状格納部32に格納する情報は座標値のセットでなくてもよい。たとえば車両形状格納部32にクレーンの可動範囲を記録しておく場合、クレーンが保守車両1を中心とした円運動を行うと仮定し(たとえばクレーンのブーム端部が最大半径r[m]の円運動を行うと仮定することができる)、車両形状格納部32に円の半径(r[m]など)だけを記憶しておき、車両端算出部23は車両形状格納部32に格納された半径の情報を用いて、クレーンの可動範囲の各座標を算出してもよい。
続いて、本実施例における線路閉鎖区間、及び線路閉鎖区間判定部24で行われる処理の概要を説明する。図8は、図2に示された、鉄道施設内及びその周辺の領域に対して、線路閉鎖区間を図示したものである。図8において、一点鎖線241及び242に挟まれた範囲が線路閉鎖区間を表しており、また斜線で示された領域は保守車両1の移動が許されている領域を表す。以下では、保守車両1の移動が許され、警報の通知が行われない領域のことを、「移動可能範囲」と呼ぶ。保守車両1が移動可能範囲から逸脱すると、警報通知部21は警報を出力する。
保守車両1は、運行管理サーバ2が保持している線路閉鎖区間についての情報(線路閉鎖区間情報と呼ぶ)を取得し、線路閉鎖区間情報格納部34に格納する。図9は線路閉鎖区間情報格納部34に格納されている線路閉鎖区間情報340の例を示している。
線路閉鎖区間情報340は、路線名とキロ程(路線の起点からの距離)の組み合わせによって構成される。具体的には線路閉鎖区間情報340は、線名341、駅名・駅間342、線路名343、開始キロ程344、終了キロ程345の情報を含む。線名341は線路閉鎖区間が設定されている路線名を表し、線路名343には、「上り」または「下り」が格納される。そして開始キロ程344及び終了キロ程345にはそれぞれ、キロ程が格納され、開始キロ程344及び終了キロ程345で特定される区間が線路閉鎖区間であることを表している。
図8は、2種類の路線(A線及びB線)のうち、B線に線路閉鎖区間が設定されている例を示している。一方、B線に隣接する路線であるA線には線路閉鎖区間が設定されていない。
保守車両1の移動可能範囲は、主に線路閉鎖区間情報340と、建築限界(線路に対して設けられているクリアランスで、建築物等を設置してはならない領域)によって定まる。鉄道の場合、線路中心から左右に所定距離(たとえば1.9m)の範囲が、建築限界と定められている。
図8を参照しながら、例を説明する。保守車両1が線路に沿った方向に移動する場合、線路閉鎖区間情報340に定められた区間(線路閉鎖区間開始キロ程と、線路閉鎖区間終了キロ程の間)が移動可能な範囲である。ただし、保守車両1が線路閉鎖区間情報340に定められた区間を逸脱する前に警報が出力されることが望ましいので、本実施例に係る警報システムでは、移動可能範囲はこれより狭く設定される。線路閉鎖区間開始キロ程がa[km]、線路閉鎖区間終了キロ程がb[km]の場合、(a+M)[km]〜(b−M)[km]の範囲が移動可能範囲と定められる。本実施例ではMのことを「マージン」と呼ぶ。Mは0以上の値で、たとえば0.0006km(=0.6m)等の値である。
一方保守車両1が線路に沿っていない方向に移動する場合、たとえばB線上りの隣にあるA線の方向に移動する場合、B線上り線に隣接するA線下り線の建築限界が、保守車両1の移動可能範囲を決定する要因となる。具体的にはA線下り線の線路中心から(建築限界+マージン)を超える範囲が移動可能範囲と定められる。建築限界が1.9m、マージンが0.6mの場合、B線上りの線路とA線下りの線路の間にある領域のうち、A線下り線の線路中心から2.5mより遠い範囲(図中の斜線部分の領域)は、保守車両1の移動可能範囲で、逆にA線下り線の線路中心から2.5m以内の領域に保守車両1が進入すると、警報が出力される。本実施例では、線路閉鎖区間の設定された路線に隣接する路線(上の説明ではA線下り線)の線路中心から、(建築限界+マージン)以内の領域のことを「検知区域」と呼ぶ。線路閉鎖区間判定部24はこのように、線路閉鎖区間情報340と建築限界を考慮して、保守車両1の移動可能範囲を求める。詳細は後述する。
図10は、鉄道GIS格納部33に格納される情報の例を説明する図である。本実施例に係る警報システムは、鉄道路線の地理的位置についての情報を管理しているデータベース42を有しており、本実施例ではこれを鉄道GIS(Geographic Information System(s))と呼ぶ。鉄道GISは運行管理サーバ2が管理している。鉄道GISから取得できる情報としては、線路上の各地点の位置情報がある。具体的には、図8に示す黒丸の位置の情報を、鉄道GISは有している。またデータベース42には、これ以外の補助情報も有している。たとえば各路線間の関係(各路線に隣接する路線の名称等)を表す情報も有している。
鉄道GIS格納部33には、運行管理サーバ2から取得した情報が格納される。図10に示される通り、鉄道GIS格納部33には、GIS情報330と補助情報350が格納される。GIS情報330は線名331、線路名332、キロ程333、緯度334、経度335の情報を有する。線名331、線路名332はそれぞれ、鉄道路線の名称と、上りまたは下りを表す情報である。キロ程333は、鉄道路線の起点からの距離(キロ数)を表す情報である。そして緯度334及び経度335は、線名331、線路名332及びキロ程333で特定される位置の緯度及び経度を表す情報である。
補助情報350は、各路線間の位置関係を表す情報で、線名351及び線路名352で特定される線路に隣接する路線の名称(及び線路名)が、隣接線名353に格納される。
鉄道GIS格納部33にはこれ以外の情報が格納されてもよい。また上で挙げた情報のフォーマットは一例であり、これ以外のフォーマットで鉄道GIS格納部33に情報が格納されてもよい。
線路閉鎖区間情報格納部34に記録されている情報は、路線名とキロ程の組み合わせであるが、GIS情報330には、路線名とキロ程に加えて、緯度経度の情報が含まれている。そのため、線路閉鎖区間情報格納部34と鉄道GIS格納部33の情報とを参照することで、線路閉鎖区間として指定されているエリアの地理的位置情報(緯度及び経度)を特定することができる。さらに、補助情報350を参照することで、線路閉鎖区間に指定されている線路に隣接する路線を特定することもできる。
続いて、監視装置20による保守車両1の位置特定及び警報出力処理の流れを、図11を用いて説明する。なお、図11において、参照番号の前に付されているアルファベットの“S”は、「ステップ」を意味する。
まずステップ201で監視装置20は、通信装置13を介して、運行管理サーバ2が有している線路閉鎖区間情報340を取得する。先に述べたとおり線路閉鎖区間情報340には、線路閉鎖区間が設定されている路線名やその区間(開始キロ程、終了キロ程)が含まれている。監視装置20は運行管理サーバ2から得た線路閉鎖区間情報340をもとに、線路閉鎖区間に設定されている路線及びその周辺の路線の鉄道GISや補助情報も、運行管理サーバ2から取得し、鉄道GIS格納部33に格納する。なお、鉄道GIS格納部33に既に線路閉鎖区間に設定されている路線の情報が格納されている場合には、この処理は行われなくてもよい。
なお、複数の地域で保守作業が行われることもあり、その場合、運行管理サーバ2では複数の線路閉鎖区間情報を保持している。保守車両1の作業員が運行管理サーバ2から線路閉鎖区間情報及び鉄道GISの情報を取得する際、自身が作業を行う地域を運行管理サーバ2に伝え、自身が作業を行う地域の線路閉鎖区間情報及び鉄道GISの情報を取得する。
さらに監視装置20は線路閉鎖区間判定部24を用いて、線路閉鎖区間情報340とGIS情報330と補助情報350とから、移動可能範囲を算出させる。この処理の詳細は後述する。
続いて監視装置20はレーザスキャナ11を用いて、保守車両1の周囲の構造物までの距離を計測し、センシングデータを得る(ステップ202)。続いて監視装置20は位置検出処理部22を用いて、保守車両1の姿勢を算出する(ステップ203)。位置検出処理部22による姿勢の算出方法は先に述べたとおりであり、位置検出処理部22は、ステップ201で得たセンシングデータと、地図格納部31に格納されている環境地図300とのマッチングを行うことで、保守車両1の環境地図上の座標値、及び角度を求める。
ステップ204では、監視装置20は車両端算出部23を用いて、保守車両1の各端部の座標を算出する。この算出方法は先に述べたとおりであるため、ここでの説明は略す。また車両端算出部23によって、保守車両1の各端部の座標を算出された後、監視装置20は座標変換部26を用いて、保守車両1の各端部の座標を、地理的位置情報(緯度経度)に変換する。
続いてステップ205では、監視装置20は線路閉鎖区間判定部24を用いて、ステップ204で得られた保守車両1の端部の座標が、ステップ201で求められた移動可能範囲外に位置するか、あるいは移動可能範囲内に位置するかを判定する。
ステップ205における比較の結果、保守車両1の端部のいずれかが移動可能範囲外に位置すると判定された場合(ステップ206:Yes)、監視装置20は警報通知部21によって、警報を出力する(ステップ207)。逆に保守車両1の端部のすべてが移動可能範囲内に位置する場合には(ステップ206:No)、警報の出力は行われない。この後監視装置20は再びステップ202から処理を繰り返す。
図11の処理は、保守車両1の移動中繰り返し行われる。これにより保守車両1が移動可能範囲を逸脱した時点で、作業員にその旨が通知される。
なお、監視装置20は、保守車両1による作業が終了した時に、作業員からの指示に基づいて、図11の処理を終了してもよい。たとえば作業員が入力デバイスを用いて警報出力処理の中止を指示した場合(ステップ208:Yes)、監視装置20は図11の処理を中断するとよい。
最後に、ステップ201における移動可能範囲の算出処理について、図12を用いて説明する。図12は、2つの線路(A線とB線)のうち、B線に線路閉鎖区間が設定されている場合の例を示している。また斜線部は、保守車両1の移動可能範囲を表している。なお、ここでは説明の簡単化のため、A線とB線の間の移動可能範囲について説明を行う。そのため実際にはB線の下の部分も、保守車両の移動可能範囲であるが、ここではB線の下の部分の移動可能範囲については説明を略す。本実施例では特に断りのない限り、線路中心から左右に1.9mの範囲を建築限界とし、またマージンが0.6mである例を説明する。図12では、A線には線路閉鎖区間が閉鎖されていないので、A線の左右方向2.5mの範囲(検知区域)に保守車両1が進入すると、警報が出力される。
移動可能範囲の算出を行う際、鉄道GIS格納部33に格納されている地点ごとに移動可能範囲を求める。図12に示された例では、B線上の3地点(B1,B2,B3)が線路閉鎖区間内に該当する点である。これらの位置情報が鉄道GIS格納部33に格納され、またその座標((緯度,経度)である)はそれぞれ、(N11,E11),(N12,E12),(N13,E13)であったとする。またB線に隣接するA線の3地点(A1,A2,A3)の位置情報が鉄道GIS格納部33に格納され、その座標がそれぞれ、(N21,E21),(N22,E22),(N23,E23)であったとする。
この時、ステップ201ではまず、鉄道GIS格納部33に格納されている情報をもとに、B線に隣接する路線であるA線の地点の位置情報(GIS情報330に格納されている位置情報)のうち、B線の各地点(B1,B2,B3)に最も近いA線の各地点(図12の例では、A1,A2,A3)を特定する。続いてA線の各地点(A1,A2,A3)から、線路と直交する方向(図12の下方向)に2.5m離れた地点(以下ではそれぞれの地点をA1’,A2’,A3’と呼ぶ)の座標を求める。以下では、A1’,A2’,A3’の座標が、(N21’,E21’),(N22’,E22’),(N23’,E23’)であったとする。
この場合、線路閉鎖区間判定部24は、地点B1と、B1に隣接する地点B2と、地点A1’と、A1’に隣接する地点A2’で囲まれた領域を移動可能範囲と決定する。同様に、線路閉鎖区間判定部24は、A2’,A3’,B3,B2で囲まれた領域も移動可能範囲と決定する。線路閉鎖区間判定部24は、この処理を鉄道GIS格納部33に格納されている各点について実施することで、保守車両1の移動可能範囲を求める。
なお、ここで説明した例は、各地点(B1,B2,B3)が線路閉鎖区間開始位置(または終了位置)ではない場合の例である。次に線路閉鎖区間開始位置(または線路閉鎖区間終了位置)付近における、保守車両1の移動可能範囲の決定方法の例を説明する。
図13は、線路閉鎖区間開始位置(または線路閉鎖区間終了位置)付近における、保守車両1の移動可能範囲を説明する図である。図13では、地点B0が線路閉鎖区間開始位置である。ここで点A0’は、A線上の地点A0(これもA1等と同様、位置情報が鉄道GIS格納部33に格納されている点である)から線路と直交する方向に2.5m離れた地点を表す。
図12を用いて説明した、線路閉鎖区間開始位置ではない地点(たとえば地点B1またはB2付近)における移動可能範囲の算出方法では、A1’,A2’,B1,B2の間に挟まれる領域が、移動可能範囲として求められる。ただし線路閉鎖区間開始位置付近(地点B0)の移動可能範囲を求める場合、線路閉鎖区間判定部24は、まず地点B0(線路閉鎖区間開始位置)から線路に沿って、線路閉鎖区間終了位置方向にマージン分(0.6m)移動した地点の座標を求める。ここではこの地点をB0’と呼び、またB0’の座標は(N10’,E10’)とする。続いて線路閉鎖区間判定部24は、線分B0’−B1に直交し、地点B0’を通る直線Lを求め、直線Lと線分A0’−A1’との交点(図13における点D)を求める。そしてこの場合、点D,A1’,B1,B0’で囲まれる領域を移動可能範囲と決定する(つまり図13において、直線Lよりも左側の領域は、移動可能範囲とならない)。
ここでは線路閉鎖区間開始位置付近における、保守車両1の移動可能範囲の決定方法を説明したが、線路閉鎖区間終了位置付近においても同様の方法で、保守車両1の移動可能範囲が決定される。
このように、本実施例に係る保守車両では、保守車両に備えられたレーザスキャナを用いて位置を特定するため、GPS衛星からの信号の受信感度が悪い地域で作業を行う際にも、正確に車両の位置を特定できる。
以上、本発明の実施例を説明したが、これらは、本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施例にのみ限定する趣旨ではない。すなわち、本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。
上で説明した実施例では、地理的位置(緯度経度)を用いて、保守車両の位置や移動可能範囲を算出していたが、必ずしも地理的位置を用いなくてもよい。たとえば移動可能範囲の情報を、環境地図上の座標値に変換し、これを保守車両の座標(環境地図上の座標)と比較することで、保守車両が移動可能範囲内にあるか否かを判定してもよい。
また上で説明した実施例では、保守車両の各部(端部)の座標を求めて、保守車両の各部が移動可能範囲内にあるか否かを判定しているが、計算量を削減するために、保守車両の各部の座標を求めずに、レーザスキャナの座標のみを求め、レーザスキャナの位置が移動可能範囲内にあるか否かを判定するようにしてもよい。その場合、図11のステップ204は行う必要はない。そしてステップ205で、監視装置20はステップ203で得られた保守車両1の座標を、座標変換部26を用いて緯度経度に変換し、これを移動可能範囲と比較すればよい。
1: 保守車両
2: 運行管理サーバ
3: ネットワーク
11: レーザスキャナ
12: GPSアンテナ
13: 通信装置
20: 監視装置
21: 警報通知部
22: 位置検出処理部
23: 車両端算出部
24: 線路閉鎖区間判定部
26: 座標変換部
31: 地図格納部
32: 車両形状格納部
33: 鉄道GIS格納部
34: 線路閉鎖区間情報格納部

Claims (5)

  1. 鉄道の保守作業に用いられる保守車両であって、
    前記保守車両は、
    周囲の物体までの距離を計測するレーザスキャナと、鉄道の運行管理サーバとの通信を行うための通信装置と、前記レーザスキャナによって得られた情報をもとに前記保守車両の位置を特定する監視装置を有し、
    前記監視装置は、
    前記保守車両の走行する領域の周辺に存在する構造物の位置情報である環境地図を記憶する地図格納部と、
    線路上の各地点の地理的位置情報を含む鉄道GIS情報を格納する、鉄道GIS格納部と、
    前記線路のうち、列車の進入が禁止された区間である線路閉鎖区間の情報を格納する、線路閉鎖区間情報格納部と、
    前記レーザスキャナによって得られた情報と前記環境地図とを照合することで、前記保守車両の位置を特定する位置情報検出部と、
    前記鉄道GIS情報と前記線路閉鎖区間の情報から、前記保守車両の移動可能範囲を特定し、前記保守車両の位置が前記移動可能範囲外にあるか判定する、線路閉鎖区間判定部と、
    前記線路閉鎖区間判定部によって、前記保守車両の位置が前記移動可能範囲外にあると判定された場合、警報を出力する警報通知部と、
    を有することを特徴とする、保守車両。
  2. 前記監視装置は、前記保守車両の形状についての情報を記憶する、車両形状格納部と、
    前記保守車両の形状についての情報と前記保守車両の位置の情報を用いて、前記保守車両の各端部の位置を特定する車両端算出部と、を有し、
    前記線路閉鎖区間判定部は、前記保守車両のいずれかの端部の位置が前記移動可能範囲外にある場合、前記保守車両の位置が前記移動可能範囲外にあると判定する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の保守車両。
  3. 前記移動可能範囲は、前記線路上以外の領域も含み、
    前記線路閉鎖区間判定部は、前記線路閉鎖区間が設定されている前記線路の左右の領域のうち、該線路に隣接する線路から所定距離以上離れた領域を、前記保守車両の移動可能範囲と決定する、
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の保守車両。
  4. 前記線路閉鎖区間の情報は、前記列車の進入が禁止されている前記線路の開始キロ程及び終了キロ程を含み、
    前記鉄道GIS情報は、前記線路上の各キロ程の緯度経度情報を含んでおり、
    前記線路閉鎖区間判定部は、前記線路閉鎖区間の情報と前記鉄道GIS情報を用いて、前記移動可能範囲に相当する緯度経度の範囲を算出する、
    ことを特徴とする、請求項1ないし3の何れか一項に記載の保守車両。
  5. 前記環境地図は、前記環境地図上の点に対応する緯度経度の情報を含み、
    前記監視装置は、前記環境地図に含まれる緯度経度の情報を用いて、前記位置情報検出部により特定された前記保守車両の位置を緯度経度の情報に変換し、
    前記保守車両の緯度経度を、前記移動可能範囲の緯度経度と比較することで、前記保守車両の位置が前記移動可能範囲外にあるか判定する、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の保守車両。
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