JP2018089968A - 液体吐出装置、及び液体吐出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の液体吐出装置は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズル面を払拭する払拭手段と、前記液体が付与される部材を加熱する加熱手段と、前記ノズル面の結露量を予測又は検出する結露量判断手段と、前記結露量判断手段で判断した結露量が閾値以上になったときに、前記ノズルから液体を溢れさせないで、前記払拭手段による払拭動作を行わせる制御をする手段とを備え、さらに必要に応じてその他の手段を備える。
本発明の液体吐出方法は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズル面を払拭する払拭手段と、前記液体が付与される部材を加熱する加熱手段と、前記ノズル面の結露量を予測又は検出する結露量判断手段と、前記結露量判断手段で判断した結露量が閾値以上になったときに、前記ノズルから液体を溢れさせないで、前記払拭手段による払拭動作を行わせる制御をする手段と、を備える、液体吐出装置を用いる液体吐出方法であって、前記液体として、水、有機溶剤、及び色材を含有し、前記有機溶剤が、20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物を含むインクを用い、更に必要に応じてその他の工程を含む。
3Cを配置している。ここでは、加熱ヒータ3Aは印字前部分、加熱ヒータ3Bは印字領域部分、加熱ヒータ3Cは印字後部分に配置されている。なお、加熱手段は複数に分割しないで配置することもできるが、複数に分割することで加熱制御を細やかに行うことができる。また、加熱ヒータ3Bは、液体吐出ヘッド6に対向して搬送される印刷媒体2の案内手段を兼ねている。
また、ノズル面のダメージを抑制し、ノズル面の払拭を効果的に行うために、払拭手段が洗浄液を有する態様とすることもできる。
本発明の液体吐出装置及び液体吐出方法に用いる洗浄液としては、特に制限なく用いることができる。
特に、水、グリコールエーテル化合物、及び界面活性剤を含有する洗浄液であって、かつ前記グリコールエーテル化合物の含有量が、1質量%以上30質量%以下である洗浄液は、洗浄性に優れることから、払拭手段を用いてノズル面を擦摺する際の圧力を低くしても高い洗浄性を得られる。その結果、ノズル面を良好に払拭できるだけでなく、ノズル面へのダメージを低減させることができる。
また前記洗浄液が更に下記一般式(1)の化合物を含有する洗浄液である場合、上記効果がより向上する。
界面活性剤については特に限定はないが、界面活性剤を含有させることで、払拭の際のノズル面との摩擦を低減することができるため、ノズル面のダメージを低減できる。またノズル面に固着したインクの界面に洗浄液が入り込むのを促進するため、ダメージ低減の効果は更に向上する。またノズル面に結露した液が払拭部材へ浸透するのを促進するため、より効率的な払拭が可能となる。
グリコールエーテル化合物としては特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、特にジアルキルグリコールエーテル化合物を含有することが好ましい。ジアルキルグリコールエーテル化合物としては、たとえば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
グリコールエーテル化合物はノズル面に固着したインクに対して作用する力が強く、洗浄性が向上し、さらにジアルキルグリコールエーテル化合物であると、溶剤による固着物の軟化が起こりやすく、それにより洗浄性が向上するとともに、ノズル面に対するダメージを緩和することができる。
前記グリコールエーテル化合物は1重量%以上30重量%以下が好ましい。
洗浄液については更に、下記一般式(1)の化合物を含有することで、より軟化効果が高まり、洗浄性を向上させるとともに、ノズル面のダメージを抑制することができる。
洗浄液の付与量は、少量としては0.05mL/cm2以上1mL/cm2未満が好ましく、通常量としては1mL/cm2以上0.3mL/cm2未満が好ましく、多量としては0.3mL/cm2以上が好ましい。
次に、前記洗浄液を付与した前記払拭部材を用いて、ノズル面を払拭する。
このようにして、インク吐出ヘッドのノズルプレートのインク吐出側のノズル面の払拭(洗浄)を行うことができる。
洗浄装置300は、払拭部材としての不織布303と、洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズル302と、押圧部材としての押圧ローラ305と、払拭処理後の不織布を巻き取る巻き取りローラ304とを有している。
洗浄液は、図示しない洗浄液供給チューブを介して洗浄液タンクから供給される。前記洗浄液供給チューブの途中に設けられたポンプを駆動することにより、洗浄液付与ノズル302から洗浄液が、払拭部材としての不織布303に、記録時間により応じた洗浄液の付与量で付与される。なお、不織布303はロール状に巻回されている。
そして、図12に示すように、洗浄液が付与された不織布303が押圧部材としての押圧ローラ305によってインク吐出ヘッド301のノズル面301aに当接し押圧されることにより、ノズル面301aが清浄される。払拭処理が終了後、不織布303は巻取りローラ304により巻き取られる。
洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズル302は、複数設けることができ、制御手段(不図示)の制御に基づき、圧がかけられるようになっており、その圧を適宜変えることで洗浄液の付与量を調整することができる。また、制御手段(不図示)の制御に基づき、洗浄液を付与するノズル数を変えることで洗浄液の付与量を調整することができる。更に、制御手段(不図示)の制御に基づき、洗浄液を付与する回数を変えることで洗浄液の付与量を調整することができる。
一方で、前記インクを用いると、蒸気圧の低い溶剤を含むため、ヒータ温度とヘッド温度差の影響で結露しやすくなるが、本発明により生産性を損なうことなく結露を除去することができる。
ここで、結露には、有機溶剤や水などの液体の塊りが含まれる。例えば、インク中に含まれる有機溶剤や水などの液体成分が気化した後にノズル面で凝集したものや、あるいはインクジェット方式での印刷に伴い生じる飛沫が液体の塊としてノズル面に付着したものも含む。
また、前記20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物は、20℃における蒸気圧が0.01mmHg以上0.2mmHg以下であることが好ましい。
これにより、印字画像の乾燥性を良好なものとすることができ、ブロッキングを抑制でき定着性が良好な画像を得ることができる。
さらに、前記20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物の含有量は、インク全量に対して5質量%以上であることが好ましく、5質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
これにより、インクが乾燥することによる吐出不良を抑制することができ、またブロッキングを抑制でき、定着性が良好な画像を得ることができる。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。
有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
また、前記20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物以外にも、必要に応じて他の有機溶剤を併用しても良い。
有機溶剤のインク中における総含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、5質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
色材に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
(但し、一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは整数を表わす。 R及びR’はアルキル基、アルキレン基を表わす。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)、TEGO Wet KL245、TEGO Wet 250、TEGO Wet 260、TEGO Wet 265、TEGO Wet 270、TEGO Wet 280(エボニック社製)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F-2)
CnF2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCnF2n+1でnは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−CnF2n+1でnは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。 この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Du Pont社製のFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
<ブラック顔料分散液の調製>
下記に記載の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール)で7時間循環分散してブラック顔料分散液を得た。
・カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製):15質量部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製):2質量部
・イオン交換水:83質量部
<シアン顔料分散液の調製>
調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG−7351、東洋インキ株式会社製)に変更した以外は、調製例1と同様にして、シアン顔料分散液を得た。
<マゼンタ顔料分散液の調製>
調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液を得た。
<イエロー顔料分散液の調製>
調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントイエロー74(商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)に変更した以外は、調製例1と同様にして、イエロー顔料分散液を得た。
−インク1の調製−
下記に記載の化合物を混合撹拌し、平均孔径0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過することにより、インク1を調製した。
・調製例1で調製したブラック顔料分散液:20質量部
・ポリウレタン樹脂(製品名:スーパーフレックス150、第一工業製薬社製):8質量部
・1,2−プロパンジオール:15質量部
・3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド:9質量部
・3−メトキシ−3−メチルブタノール:3質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール:3質量部
・界面活性剤(製品名:SAG−002、日信化学工業株式会社製):3質量部
・防腐防黴剤(製品名:プロキセルLV、アビシア社製):0.05質量部
・防錆剤(製品名:BT−120、城北化学工業株式会社製):0.05質量部
・消泡剤(製品名:AD01、日信化学工業株式会社製):0.1質量部
・高純水:残量
−インク2〜5の調製−
調製例1において、組成を表1に示すように変更した以外は、インク1と同様にして、インク2〜5を調製した。
−洗浄液1の調製−
下記に記載の化合物を混合し、洗浄液1を調製した。
・ジエチレングリコールジブチルエーテル:10質量部
・エマルゲンLS110(花王株式会社製):1質量部
・高純水:89質量部
−洗浄液2の調製−
調製例10において、組成を下記表2に示すように変更した以外は、洗浄液1と同様にして、洗浄液2を調製した。
なお、洗浄液2に添加した一般式(1)の化合物は、R1がメチル基であるKJケミカルズ社製のエクアミドM−100を用いた。
調製したインク1〜5及び洗浄液1〜2について、以下のようにして液体吐出装置の吐出安定性に与える影響を評価した。
調製したインク1〜5を、印刷中に結露払拭動作を実施する条件(図8参照)、及び図9に示すフロー図に従い制御する図1〜3に示すインクジェットプリンターを用いて、結露払拭動作を行いながら連続印字を実施した。結露払拭動作に係る結露払拭条件及び結露払拭手段について以下に示す。
[結露払拭条件]
結露払拭条件1:払拭手段に、洗浄液を付与しない
結露払拭条件2:払拭手段に、洗浄液1を付与する
結露払拭条件3:払拭手段に、洗浄液2を付与する
[結露払拭手段]
結露払拭手段1:図3の23に示す払拭手段を用いる
結露払拭手段2:図12の払拭手段を用いる
図12に示す結露払拭手段を用いた結露の払拭は、以下の手順で行った。
図12に示すインク吐出ヘッドの洗浄装置300を用いて、払拭部材として不織布303(商品名:Anticon)に洗浄液1又は2を0.05mL/cm2付与し、押圧部材により洗浄液が付与された払拭部材を前記インクジェットプリンターのインク吐出ヘッド301のノズル面301aに押しつけることにより、ノズル面の洗浄を行った。図12に示すインク吐出ヘッドの洗浄装置における押圧部材としての押圧ローラ305には、ブチルゴムを用いた。
次に、ノズル面を洗浄後のインクジェットプリンターを用いて、ノズルチェックパターンを出力し、ノズルが抜けが生じたノズルの数(全ノズル数:192個)を確認し、以下の基準に基づき、吐出安定性を評価した。結果を表3に示す。
[評価基準]
◎:ノズル抜けなし
○:ノズル抜けが生じたノズル数が2個以下
△:ノズル抜けが生じたノズル数が3個以上5個以下
×:ノズル抜けが生じたノズル数が6個以上
2 印刷媒体
5 キャリッジ
6 液体吐出ヘッド
23 払拭部材
3A、3B、3C 加熱ヒータ
500 制御部
Claims (13)
- 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
ノズル面を払拭する払拭手段と、
前記液体が付与される部材を加熱する加熱手段と、
前記ノズル面の結露量を予測又は検出する結露量判断手段と、
前記結露量判断手段で判断した結露量が閾値以上になったときに、前記ノズルから液体を溢れさせないで、前記払拭手段による払拭動作を行わせる制御をする手段と、を備えることを特徴とする液体吐出装置。 - 前記結露量の予測に、少なくとも前記加熱手段の温度及び前記液体吐出ヘッドの温度を使用する請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記液体吐出ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップを備え、
前記結露量の予測に、前記キャップが前記ノズル面をキャッピングしていないデキャップ時間を使用する請求項2に記載の液体吐出装置。 - 前記液体吐出ヘッドは往復移動可能であり、
前記結露量の予測に、前記液体吐出ヘッドのスキャン数を使用する請求項2に記載の液体吐出装置。 - 前記結露量の予測に、前記液体吐出ヘッドからの吐出量を使用する請求項3又は4に記載の液体吐出装置。
- 前記ノズル面を撮像して前記結露量を検出する請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記ノズル面に光を照射したときの反射光を受光して前記結露量を検出する請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記液体がインクであり、前記インクは、水、有機溶剤、及び色材を含有し、
前記有機溶剤が、20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物を含む請求項1から7のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物の含有量が、インク全量に対して5質量%以上である請求項8に記載の液体吐出装置。
- 前記払拭手段が洗浄液を含有し、
前記洗浄液が、水、グリコールエーテル化合物、及び界面活性剤を含有し、
前記グリコールエーテル化合物の含有量が、洗浄液全量に対して1質量%以上30質量%以下である請求項1から9のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記洗浄液が更に下記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項10に記載の液体吐出装置。
- 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
ノズル面を払拭する払拭手段と、
前記液体が付与される部材を加熱する加熱手段と、
前記ノズル面の結露量を予測又は検出する結露量判断手段と、
前記結露量判断手段で判断した結露量が閾値以上になったときに、前記ノズルから液体を溢れさせないで、前記払拭手段による払拭動作を行わせる制御をする手段と、を備える、液体吐出装置を用いる液体吐出方法であって、
前記液体として、水、有機溶剤、及び色材を含有し、
前記有機溶剤が、20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物を含むインクを用いることを特徴とする液体吐出方法。 - 前記払拭手段が洗浄液を含有し、
前記洗浄液が、水、グリコールエーテル化合物、及び界面活性剤を含有し、
前記グリコールエーテル化合物の含有量が、洗浄液全量に対して1質量%以上30質量%以下である請求項12に記載の液体吐出方法。
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