JP2018089968A - 液体吐出装置、及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性の低下を抑えつつ結露を除去することができる液体吐出装置の提供。【解決手段】液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズル面を払拭する払拭手段と、前記液体が付与される部材を加熱する加熱手段と、前記ノズル面の結露量を予測又は検出する結露量判断手段と、前記結露量判断手段で判断した結露量が閾値以上になったときに、前記ノズルから液体を溢れさせないで、前記払拭手段による払拭動作を行わせる制御をする手段と、を備える液体吐出装置である。【選択図】図9

Description

本発明は、液体吐出装置、及び液体吐出方法に関する。
液体吐出装置において、液体を付与した部材を加熱乾燥するようにした場合、ヘッドとの温度差によってノズル面に結露が生じ、液体の塊(結露液体)が生じ、結露液体がノズル周辺に接触することで、吐出障害につながってしまうおそれがある。
そこで、従来、液体吐出ヘッドのノズル面を清掃する清掃手段と、ノズル面に生じる結露量を検出又は予測する結露量判断手段と、清掃手段でノズル面を清掃するときに、ノズルから液体を溢れさせる制御をする溢れ制御手段とを有し、結露量が多いときには、結露量が少ないときよりも、相対的に、溢れさせる溢れ量を少なくする制御をするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、生産性の低下を抑えつつ結露を除去することができる液体吐出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段としての本発明の液体吐出装置は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズル面を払拭する払拭手段と、前記液体が付与される部材を加熱する加熱手段と、前記ノズル面の結露量を予測又は検出する結露量判断手段と、前記結露量判断手段で判断した結露量が閾値以上になったときに、前記ノズルから液体を溢れさせないで、前記払拭手段による払拭動作を行わせる制御をする手段と、を備える。
本発明によると、生産性の低下を抑えつつ結露を除去することできる液体吐出装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る液体吐出装置の一例を示す外観斜視説明図である。 図2は、本発明に係る液体吐出装置の機構部の一例を示す側面説明図である。 図3は、本発明に係る液体吐出装置の機構部の一例を示す平面説明図である。 図4は、ヘッドの一例を示す平面説明図である。 図5は、本発明に係る液体吐出装置の制御部の一例の説明に供するブロック説明図である。 図6は、本発明の実施形態における結露払拭動作の一例の内容の説明に供する平面説明図である。 図7は、比較例における結露払拭動作の一例を示す内容の説明に供する平面説明図である。 図8は、印刷中に結露払拭動作を実施する条件の第1例の説明に供する温度係数テーブルの一例を示す説明図である。 図9は、印刷中に結露払拭動作を実施する条件の第1例における結露払拭動作の制御の一例を示す説明に供するフロー図である。 図10は、印刷中の結露払拭動作のタイミングの一例を示す説明に供する説明図である。 図11は、印刷中に結露払拭動作を実施する条件の第2例の説明に供するスキャン数係数テーブルの一例を示す説明図である。 図12は、本発明の液滴吐出装置における洗浄装置の一例を示す概略図である。
(液体吐出装置、及び液体吐出方法)
本発明の液体吐出装置は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズル面を払拭する払拭手段と、前記液体が付与される部材を加熱する加熱手段と、前記ノズル面の結露量を予測又は検出する結露量判断手段と、前記結露量判断手段で判断した結露量が閾値以上になったときに、前記ノズルから液体を溢れさせないで、前記払拭手段による払拭動作を行わせる制御をする手段とを備え、さらに必要に応じてその他の手段を備える。
本発明の液体吐出方法は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズル面を払拭する払拭手段と、前記液体が付与される部材を加熱する加熱手段と、前記ノズル面の結露量を予測又は検出する結露量判断手段と、前記結露量判断手段で判断した結露量が閾値以上になったときに、前記ノズルから液体を溢れさせないで、前記払拭手段による払拭動作を行わせる制御をする手段と、を備える、液体吐出装置を用いる液体吐出方法であって、前記液体として、水、有機溶剤、及び色材を含有し、前記有機溶剤が、20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物を含むインクを用い、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の液体吐出装置及び液体吐出方法は、従来の装置及び方法では、結露量が閾値以上になる毎に、ノズルから液体を溢れさせる清掃を行うようにしたのでは生産性が低下するという問題があるという知見に基づくものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係る液体吐出装置の一例について図1から図4を参照して説明する。図1は、本発明に係る液体吐出装置100の外観斜視説明図、図2は同装置の機構部の側面説明図、図3は同装置の機構部の平面説明図、図4は、ヘッドの一例の平面説明図である。
液体吐出装置100は、シリアル型装置であり、印刷媒体2をロール状に巻き回したロール体1を使用する。なお、カット紙を使用する構成でもよい。
印刷媒体2の搬送方向に沿って複数に分割した加熱手段である加熱ヒータ3A、3B、
3Cを配置している。ここでは、加熱ヒータ3Aは印字前部分、加熱ヒータ3Bは印字領域部分、加熱ヒータ3Cは印字後部分に配置されている。なお、加熱手段は複数に分割しないで配置することもできるが、複数に分割することで加熱制御を細やかに行うことができる。また、加熱ヒータ3Bは、液体吐出ヘッド6に対向して搬送される印刷媒体2の案内手段を兼ねている。
印字後部分の加熱ヒータ3Cに対向して乾燥ファンヒータ4を配置して、温風を当てることで、印刷物を確実に乾燥させることができるようにしている。
そして、印字領域部分には、液体を吐出する液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)6を搭載したキャリッジ5が図3で主走査方向に往復移動可能に配置されている。ここでは、キャリッジ5には2つのヘッド6a、6bを搭載している。
キャリッジ5は、図3に示すように、主走査方向に配置されたガイド部材11によって往復移動可能に支持され、主走査モータ15によって、駆動プーリ16と従動プーリ17との間に架け渡されたタイミングベルト18を介して往復移動される。
ヘッド6は、例えば図4に示すように、ノズル面61に、それぞれ複数のノズル6nを配列した2つのノズル列Na,Nbを有する。ヘッド6aの一方のノズル列Naはブラック(K)の液体を、他方のノズル列Nbはシアン(C)の液体を吐出する。ヘッド6bの一方のノズル列Naはマゼンタ(M)の液体を、他方のノズル列Nbはイエロー(Y)の液体を、それぞれ吐出する。
ヘッド6a、6bには、それぞれサブタンク7a、7bが一体的に備えられている。サブタンク7a、7bには、カートリッジホルダ51に交換可能に装着される各色の液体カートリッジ50から、液体ポンプ部52の液体ポンプによって、供給チューブ56を介して所要の液体が供給される。
また、図3に示すように、印刷領域(印刷媒体2の搬送領域)外で、主走査方向の一端部側には、ヘッド6の状態を維持回復する維持回復機構20が配置されている。
この維持回復機構20は、各ヘッド6のノズル面61をキャッピングするキャップ21、22と、印刷に寄与しない液体を受ける空吐出受け24と、ノズル面61を払拭して清掃する払拭手段である払拭部材23などを備えている。なお、払拭部材23の移動方向(払拭方向)は矢印方向(ヘッド6のノズル配列方向に沿う方向)とする。
次に、この装置の制御部の概要について図5のブロック説明図を参照して説明する。
制御部500は、本発明における結露量判断手段を兼ねた装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明に係る制御を実行させるためのプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、印刷データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
制御部500は、外部のホスト装置600から印刷データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。
制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備えている。I/O507には、例えば、ヒータ3Bの温度を検出するヒータ温度センサ572、ヘッド6の温度を検出するヘッド温度センサ573、その他のヒータ3A及び3Cの温度を検出する温度センサ、装置内に温度を検出する環境温度センサ、並びにその他の各種センサ(センサ群570)からの検知信号が入力される。
制御部500は、ヘッド6を駆動制御するヘッド駆動制御部508を備えている。制御部500は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、このデータをヘッド駆動制御部508からヘッドドライバ509に転送する。
制御部500は、キャリッジ5を主走査方向に移動させる主走査モータ15、印刷媒体2を送る送りモータ71、維持回復機構20のキャップ21、22の昇降や払拭部材23の移動を行う1又は複数の維持回復モータ72を駆動するモータ駆動部510を備えている。
制御部500は、送液ポンプ54を駆動する供給系駆動部511を備えている。
制御部500は、ヒータ3A〜3Cを駆動するヒータ駆動部512を備えている。
制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
ヘッド駆動制御部508は、上述したデータをシリアルデータで転送するとともに、このデータの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する。
このヘッド駆動制御部508は、ROM502に格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含む。そして、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力されるヘッド6の1行分に相当するデータに基づいてヘッド駆動制御部508から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択してヘッド6の圧力発生手段に対して与える。これにより、ヘッド6を駆動する。このとき、駆動波形を構成するパルスの一部又は全部或いはパルスを形成する波形用要素の全部又は一部を選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
次に、本実施形態における結露払拭動作について図6を参照して説明する。図6は同結露払拭動作の内容の説明に供する平面説明図である。
まず、加熱ヒータ3Bによる加熱によって印刷媒体2に吐出された液体の水分が蒸発し、蒸気がヘッド6のノズル面61に付着することで結露が生じる。例えば、図6(a)に示すように、ノズル面61に結露401が生じる。なお、結露401は、分かり易くするため同じ大きさで表記しているが、実際の大きさは一定ではなく、付着する箇所もランダムである。
結露401が生じて増加すると、結露401による吐出不良が発生するので、印刷中に定期的に結露401を除去する必要がある。
そこで、図6(b)に示すように、払拭部材23でノズル面61を払拭して結露401を除去する。その後、ここでは、図6(c)に示すように、空吐出を行ってノズル6nのメニスカス形成を行っている。
次に、比較例における結露払拭動作について図7を参照して説明する。図7は同結露払拭動作の内容の説明に供する平面説明図である。
この比較例では、図7(b)に示すように、例えばキャップ21でノズル面61をキャッピングして吸引するノズル吸引を行うことで、ノズル6nからノズル面61に液体400を溢れさせた後、図7(c)に示すように、払拭部材23でノズル面61を払拭して結露401を除去する。
この比較例のように、結露の払拭除去を行う度にノズル面61に液体を溢れさせるノズル吸引を行うのでは、結露払拭動作に時間がかかり、生産性が低下し、無駄な液体消費も増加することになる。
そこで、本実施形態のように、ノズル吸引など、ノズル6nからノズル面61に液体を溢れさせる動作を行うことなく、払拭を行うことによって、結露の払拭除去に要する時間を短縮でき、生産性を向上できる。
次に、印刷中に結露払拭動作を実施する条件の第1例について図8を参照して説明する。図8は同条件の説明に供する温度係数テーブルの説明図である。
本実施形態では、結露払拭動作においてノズルから液体を排出するヘッド吸引を行わないので、吐出不良を生じたノズルを回復することができない。そのため、ノズル面に付着する結露量をできる限り正確に予測し、吐出不良を起こさないタイミングで結露払拭動作を実施する必要がある。
ノズル面61に付着する結露量は、吐出時間(印字時間)が長いほど増加し、また、結露は温度差が大きいほど発生しやすくなるため、ヒータ温度とヘッド温度の差が大きいほど結露量が増加することになる。
そこで、第1例では、キャップ21、22がノズル面61をキャッピングしていない時間をデキャップ時間(秒)とし、「カウント(秒)=Σ(温度係数×デキャップ時間(秒))」で得られるカウント値が閾値以上になったときに結露払拭動作を開始するようにしている。
つまり、ヒータ温度及びヘッド温度を使用して温度係数を得て、これにデキャップ時間を乗じて結露量の予測値としてのカウントを算出し、カウントが閾値以上になったときに払拭部材23によるノズル面61の結露払拭動作を行う。
ここで、温度係数は、図8の温度係数テーブルのように、ヒータ温度とヘッド温度によって予め定められており、ヒータ3Bとヘッド6の温度差が大きくなるほど、温度係数が大きくなるように設定している。温度係数が大きくなるほど、カウントが閾値に早く到達するため、ヒータ温度とヘッド温度の差が大きいほど結露払拭動作が頻繁に行われることになる。
図8の例では、ヒータ温度40℃、ヘッド温度20℃(=温度差20℃)のときと、ヒータ温度60℃、ヘッド温度40℃(=温度差20℃)のときは、同じ温度差であるので、同じ温度係数としている。
ただし、温度差が同じでも、ヒータ温度が高い方が、蒸発量が多くなるため、結果として結露量も増えると予想される。つまり、上述したように、ヒータ温度40℃、ヘッド温度20℃(=温度差20℃)のときと、ヒータ温度60℃、ヘッド温度40℃(=温度差20℃)のときは、同じ温度差であるが、ヒータ温度が高い後者の方がノズル面に付着する結露量が多くなり、払拭頻度を頻繁にする必要がある。
そこで、ヒータ温度とヘッド温度だけでなく、ヒータ温度による係数を乗じるようにすることで、より正確なタイミングで結露払拭動作を行ことができる。
次に、第1例における結露払拭動作の制御について図9のフロー図を参照して説明する。
ここでは、印刷が開始されると、ヒータ温度センサ572によって加熱ヒータ3Bの温度(ヒータ温度)を検出し、ヘッド温度センサ573によってヘッド6の温度(ヘッド温度)を検出する(温度検出)。
そして、前述した温度係数テーブルを使用して、検出したヒータ温度とヘッド温度に対応する温度係数を決定する。
次いで、キャップ21、22によってヘッド6のノズル面61がキャピングされていない時間(デキャップ時間)のカウントを開始する。
その後、「カウント(秒)=Σ(温度係数×デキャップ時間(秒))」の演算をして、カウントが閾値以上になったか否かを判別する。
このとき、カウントが閾値以上になっていなければ、印刷終了か否かを判別して、印刷終了でなければ、上記の判別処理に戻る。
これに対し、カウントが閾値以上になったときには、ノズルから液体を溢れださせないで、払拭部材23でノズル面61を払拭する払拭動作を行い、カウントをリセットし、印刷を再開して、温度を検出する処理に戻る。
印刷終了になれば、処理を終了する。
このように、印刷動作中の払拭動作では、ノズルから液体を溢れださせることなく、つまり、ノズルから液体を吸引する動作や、ヘッド内を加圧してノズルから液体を排出させる動作を行うことなく、ノズル面を払拭する。これにより、結露を払拭する動作に要する時間を短縮することができ、生産性を向上することができ、無駄な液体消費も抑制できる。
次に、印刷中の結露払拭動作のタイミングの具体例について図10を参照して説明する。図10は同説明に供する説明図である。
印刷開始時の温度検出の結果により、温度係数が図8のAに決定された場合、温度係数が大きい値になるため結露払拭動作の開始タイミングは早めにくる(T1〜T3)。温度検知を行うタイミングは印刷再開のタイミングであるため、印刷を続けていくうちに温度係数がBに変わった場合(例えば印刷中にヘッド温度が上昇した場合)、係数Bが使われるのはT4の払拭からとなる。なお、T3の結露払拭動作では、T2の払拭動作終了時に温度係数がAであるため、係数はAが使用される。同様に、温度係数Cが使われるのはT7の払拭からとなる。このように、印刷中に各温度が変化した場合、そのときの最適条件で結露払拭動作の開始タイミングがくるように制御する。
次に、印刷中に結露払拭動作を実施する条件の第2例について図11を参照して説明する。図11は同条件の説明に供するスキャン数係数テーブルの説明図である。
結露の原因は液体の蒸気によるものであるため、印字率(ヘッド6からの吐出量、ヘッド6のスキャン数等)が高いほど結露量が増加しやすくなる。
そこで、第2例では、第1例に加えて印刷条件(ここでは、スキャン数)を考慮して、「カウント(秒)=Σ(温度係数×スキャン数係数×デキャップ時間(秒))」で得られるカウント値が閾値以上になったときに結露払拭動作を開始するようにしている。
ここで、スキャン数係数とは、図11に示すように印刷パス数(pass数)に対応するヘッド6(キャリッジ5)のスキャン回数に応じて変化する係数である。この場合、スキャン数が多いほど、スキャン数係数が大きくなるために結露払拭動作のタイミングが早くなり、スキャン数が少ないほど結露払拭動作のタイミングが遅くなる。
基本的に、印刷中にスキャン数が変化することはないため、スキャン数係数を決定するタイミングは印刷開始時、もしくはページ間のみで十分である。
次に、払拭手段について説明する。
本実施形態では、ノズル面に液体を溢れさせるヘッド吸引動作を行わないで、払拭手段による払拭を行うため、ノズル面が濡れた状態で払拭する通常のクリーニング動作と比べてノズル面に対するダメージが大きくなるおそれがある。
そこで、払拭手段としては、ウェブ(帯状払拭部材)を使用することが好ましい。ウェブによる払拭であれば、ノズル面が液体で濡れていない状態で払拭を行っても、ノズル面のダメージを低減することができる。
また、ノズル面のダメージを抑制し、ノズル面の払拭を効果的に行うために、払拭手段が洗浄液を有する態様とすることもできる。
<洗浄液>
本発明の液体吐出装置及び液体吐出方法に用いる洗浄液としては、特に制限なく用いることができる。
特に、水、グリコールエーテル化合物、及び界面活性剤を含有する洗浄液であって、かつ前記グリコールエーテル化合物の含有量が、1質量%以上30質量%以下である洗浄液は、洗浄性に優れることから、払拭手段を用いてノズル面を擦摺する際の圧力を低くしても高い洗浄性を得られる。その結果、ノズル面を良好に払拭できるだけでなく、ノズル面へのダメージを低減させることができる。
また前記洗浄液が更に下記一般式(1)の化合物を含有する洗浄液である場合、上記効果がより向上する。
(ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
<界面活性剤>
界面活性剤については特に限定はないが、界面活性剤を含有させることで、払拭の際のノズル面との摩擦を低減することができるため、ノズル面のダメージを低減できる。またノズル面に固着したインクの界面に洗浄液が入り込むのを促進するため、ダメージ低減の効果は更に向上する。またノズル面に結露した液が払拭部材へ浸透するのを促進するため、より効率的な払拭が可能となる。
<グリコールエーテル化合物>
グリコールエーテル化合物としては特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、特にジアルキルグリコールエーテル化合物を含有することが好ましい。ジアルキルグリコールエーテル化合物としては、たとえば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
グリコールエーテル化合物はノズル面に固着したインクに対して作用する力が強く、洗浄性が向上し、さらにジアルキルグリコールエーテル化合物であると、溶剤による固着物の軟化が起こりやすく、それにより洗浄性が向上するとともに、ノズル面に対するダメージを緩和することができる。
前記グリコールエーテル化合物は1重量%以上30重量%以下が好ましい。
<アミド系化合物>
洗浄液については更に、下記一般式(1)の化合物を含有することで、より軟化効果が高まり、洗浄性を向上させるとともに、ノズル面のダメージを抑制することができる。
(ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
払拭手段への洗浄液の付与量は、使用するインクや洗浄液の種類により変更しても良い。また、通常量と多量や、少量と通常量などの複数の設定量から選択しても良い。
洗浄液の付与量は、少量としては0.05mL/cm以上1mL/cm未満が好ましく、通常量としては1mL/cm以上0.3mL/cm未満が好ましく、多量としては0.3mL/cm以上が好ましい。
前記洗浄液の付与の際には、洗浄液付与ノズルには圧がかけられるようになっており、その圧を変えることで洗浄液の付与量を所望の量に調整することができる(圧力の選択)。また、複数の洗浄液付与ノズルの付与するノズル数を変えることにより洗浄液の付与量の調整が可能であり(ノズル数選択)、更には洗浄液付与ノズルから洗浄液を付与する回数を変える(洗浄液の付与回数選択)ことで付与量を調整する(付与回数選択)ことができる。
次に、前記洗浄液を付与した前記払拭部材を用いて、ノズル面を払拭する。
このようにして、インク吐出ヘッドのノズルプレートのインク吐出側のノズル面の払拭(洗浄)を行うことができる。
ここで、図12は、本発明の液滴吐出装置における洗浄装置の一例を示す概略図である。この図12の洗浄装置300は、インク吐出ヘッドのノズルプレート301のインク吐出側のノズル面301aを洗浄する装置である。
洗浄装置300は、払拭部材としての不織布303と、洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズル302と、押圧部材としての押圧ローラ305と、払拭処理後の不織布を巻き取る巻き取りローラ304とを有している。
洗浄液は、図示しない洗浄液供給チューブを介して洗浄液タンクから供給される。前記洗浄液供給チューブの途中に設けられたポンプを駆動することにより、洗浄液付与ノズル302から洗浄液が、払拭部材としての不織布303に、記録時間により応じた洗浄液の付与量で付与される。なお、不織布303はロール状に巻回されている。
そして、図12に示すように、洗浄液が付与された不織布303が押圧部材としての押圧ローラ305によってインク吐出ヘッド301のノズル面301aに当接し押圧されることにより、ノズル面301aが清浄される。払拭処理が終了後、不織布303は巻取りローラ304により巻き取られる。
洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズル302は、複数設けることができ、制御手段(不図示)の制御に基づき、圧がかけられるようになっており、その圧を適宜変えることで洗浄液の付与量を調整することができる。また、制御手段(不図示)の制御に基づき、洗浄液を付与するノズル数を変えることで洗浄液の付与量を調整することができる。更に、制御手段(不図示)の制御に基づき、洗浄液を付与する回数を変えることで洗浄液の付与量を調整することができる。
次に、印刷中のノズル面に付着する結露量の予測又は検出する手段について説明する。
ノズル面61に付着する結露401は液体の蒸気によって発生するため、時間や温湿度が大きく影響する。そのため、時間を計測するカウント手段を備え、そのカウントされた時間に応じて結露量を予測したり、温度検出手段、湿度検出手段を用いて、結露量を予測することができる。
温度に関しては、具体的に、上述したようにヒータ温度、ヘッド温度のほか装置内温度などがあり、特に、ヒータ温度とヘッド温度は感度が高く、ヒータ温度が高いほど、ヘッド温度が低いほど結露量が多くなる。
また、印字率が高いほど、液体の蒸気も多くなるため、液体吐出量やキャリッジのスキャン数から結露量を予測することもできる。
さらに、ユーザーが選択した印刷媒体(液体が付与される部材)の種類を考慮して予測する方法や、ヘッドと印刷媒体間の距離を検出するギャップ検出手段から検出された距離から予測する方法がある。
また、結露量を直接測定する方法としては、撮像手段を用いて直接ノズル面を観察する方法や、ノズル面に光を照射し、その反射光を測定することで結露量を測定する方法がある。
本発明において、吐出される「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液等の用途で用いることができる。
本発明の液体吐出装置及び液体吐出方法に用いる液体としては、特に制限なく用いることができるが、水、有機溶剤、及び色材を含有し、前記有機溶剤として20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物を含むインクを用いると、ノズル面のインクが乾燥することによる吐出不良も抑制することができる。
一方で、前記インクを用いると、蒸気圧の低い溶剤を含むため、ヒータ温度とヘッド温度差の影響で結露しやすくなるが、本発明により生産性を損なうことなく結露を除去することができる。
ここで、結露には、有機溶剤や水などの液体の塊りが含まれる。例えば、インク中に含まれる有機溶剤や水などの液体成分が気化した後にノズル面で凝集したものや、あるいはインクジェット方式での印刷に伴い生じる飛沫が液体の塊としてノズル面に付着したものも含む。
また、前記20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物は、20℃における蒸気圧が0.01mmHg以上0.2mmHg以下であることが好ましい。
これにより、印字画像の乾燥性を良好なものとすることができ、ブロッキングを抑制でき定着性が良好な画像を得ることができる。
さらに、前記20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物の含有量は、インク全量に対して5質量%以上であることが好ましく、5質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
これにより、インクが乾燥することによる吐出不良を抑制することができ、またブロッキングを抑制でき、定着性が良好な画像を得ることができる。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。
有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤として、20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物を少なくとも1種用いることが好ましい。
前記化合物は2種類以上を併用してもよい。
20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−ピロリドン、ホルムアミドなどが挙げられる。
20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物は、20℃における蒸気圧が0.01mmHg以上0.2mmHg以下であることがより好ましい。
蒸気圧は、例えばDSC法により測定することができる。
また、前記20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物以外にも、必要に応じて他の有機溶剤を併用しても良い。
有機溶剤のインク中における総含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、5質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
色材に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
一般式(S−1)
(但し、一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは整数を表わす。 R及びR’はアルキル基、アルキレン基を表わす。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)、TEGO Wet KL245、TEGO Wet 250、TEGO Wet 260、TEGO Wet 265、TEGO Wet 270、TEGO Wet 280(エボニック社製)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
一般式(F-1)
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F-2)
2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)−Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCnF2n+1でnは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CnF2n+1でnは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。 この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Du Pont社製のFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
「液体吐出ヘッド」には、液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
「液体吐出装置」には、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。この「液体吐出装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体吐出装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置がある。
また、「液体吐出装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するものも含まれる。
また、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
なお、本発明において、画像形成、記録、印字、印写、印刷等はいずれも同義語とする。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
<ブラック顔料分散液の調製>
下記に記載の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール)で7時間循環分散してブラック顔料分散液を得た。
・カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製):15質量部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製):2質量部
・イオン交換水:83質量部
(調製例2)
<シアン顔料分散液の調製>
調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG−7351、東洋インキ株式会社製)に変更した以外は、調製例1と同様にして、シアン顔料分散液を得た。
(調製例3)
<マゼンタ顔料分散液の調製>
調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液を得た。
(調製例4)
<イエロー顔料分散液の調製>
調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントイエロー74(商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)に変更した以外は、調製例1と同様にして、イエロー顔料分散液を得た。
(調製例5)
−インク1の調製−
下記に記載の化合物を混合撹拌し、平均孔径0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過することにより、インク1を調製した。
・調製例1で調製したブラック顔料分散液:20質量部
・ポリウレタン樹脂(製品名:スーパーフレックス150、第一工業製薬社製):8質量部
・1,2−プロパンジオール:15質量部
・3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド:9質量部
・3−メトキシ−3−メチルブタノール:3質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール:3質量部
・界面活性剤(製品名:SAG−002、日信化学工業株式会社製):3質量部
・防腐防黴剤(製品名:プロキセルLV、アビシア社製):0.05質量部
・防錆剤(製品名:BT−120、城北化学工業株式会社製):0.05質量部
・消泡剤(製品名:AD01、日信化学工業株式会社製):0.1質量部
・高純水:残量
(調製例6〜9)
−インク2〜5の調製−
調製例1において、組成を表1に示すように変更した以外は、インク1と同様にして、インク2〜5を調製した。
(調製例10)
−洗浄液1の調製−
下記に記載の化合物を混合し、洗浄液1を調製した。
・ジエチレングリコールジブチルエーテル:10質量部
・エマルゲンLS110(花王株式会社製):1質量部
・高純水:89質量部
(調製例11)
−洗浄液2の調製−
調製例10において、組成を下記表2に示すように変更した以外は、洗浄液1と同様にして、洗浄液2を調製した。
なお、洗浄液2に添加した一般式(1)の化合物は、Rがメチル基であるKJケミカルズ社製のエクアミドM−100を用いた。
(実施例1〜8)
調製したインク1〜5及び洗浄液1〜2について、以下のようにして液体吐出装置の吐出安定性に与える影響を評価した。
<吐出安定性評価>
調製したインク1〜5を、印刷中に結露払拭動作を実施する条件(図8参照)、及び図9に示すフロー図に従い制御する図1〜3に示すインクジェットプリンターを用いて、結露払拭動作を行いながら連続印字を実施した。結露払拭動作に係る結露払拭条件及び結露払拭手段について以下に示す。
[結露払拭条件]
結露払拭条件1:払拭手段に、洗浄液を付与しない
結露払拭条件2:払拭手段に、洗浄液1を付与する
結露払拭条件3:払拭手段に、洗浄液2を付与する
[結露払拭手段]
結露払拭手段1:図3の23に示す払拭手段を用いる
結露払拭手段2:図12の払拭手段を用いる
図12に示す結露払拭手段を用いた結露の払拭は、以下の手順で行った。
図12に示すインク吐出ヘッドの洗浄装置300を用いて、払拭部材として不織布303(商品名:Anticon)に洗浄液1又は2を0.05mL/cm付与し、押圧部材により洗浄液が付与された払拭部材を前記インクジェットプリンターのインク吐出ヘッド301のノズル面301aに押しつけることにより、ノズル面の洗浄を行った。図12に示すインク吐出ヘッドの洗浄装置における押圧部材としての押圧ローラ305には、ブチルゴムを用いた。
次に、ノズル面を洗浄後のインクジェットプリンターを用いて、ノズルチェックパターンを出力し、ノズルが抜けが生じたノズルの数(全ノズル数:192個)を確認し、以下の基準に基づき、吐出安定性を評価した。結果を表3に示す。
[評価基準]
◎:ノズル抜けなし
○:ノズル抜けが生じたノズル数が2個以下
△:ノズル抜けが生じたノズル数が3個以上5個以下
×:ノズル抜けが生じたノズル数が6個以上
1 ロール体
2 印刷媒体
5 キャリッジ
6 液体吐出ヘッド
23 払拭部材
3A、3B、3C 加熱ヒータ
500 制御部
特開2015−131419号公報

Claims (13)

  1. 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    ノズル面を払拭する払拭手段と、
    前記液体が付与される部材を加熱する加熱手段と、
    前記ノズル面の結露量を予測又は検出する結露量判断手段と、
    前記結露量判断手段で判断した結露量が閾値以上になったときに、前記ノズルから液体を溢れさせないで、前記払拭手段による払拭動作を行わせる制御をする手段と、を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記結露量の予測に、少なくとも前記加熱手段の温度及び前記液体吐出ヘッドの温度を使用する請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記液体吐出ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップを備え、
    前記結露量の予測に、前記キャップが前記ノズル面をキャッピングしていないデキャップ時間を使用する請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記液体吐出ヘッドは往復移動可能であり、
    前記結露量の予測に、前記液体吐出ヘッドのスキャン数を使用する請求項2に記載の液体吐出装置。
  5. 前記結露量の予測に、前記液体吐出ヘッドからの吐出量を使用する請求項3又は4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記ノズル面を撮像して前記結露量を検出する請求項1に記載の液体吐出装置。
  7. 前記ノズル面に光を照射したときの反射光を受光して前記結露量を検出する請求項1に記載の液体吐出装置。
  8. 前記液体がインクであり、前記インクは、水、有機溶剤、及び色材を含有し、
    前記有機溶剤が、20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物を含む請求項1から7のいずれかに記載の液体吐出装置。
  9. 前記20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物の含有量が、インク全量に対して5質量%以上である請求項8に記載の液体吐出装置。
  10. 前記払拭手段が洗浄液を含有し、
    前記洗浄液が、水、グリコールエーテル化合物、及び界面活性剤を含有し、
    前記グリコールエーテル化合物の含有量が、洗浄液全量に対して1質量%以上30質量%以下である請求項1から9のいずれかに記載の液体吐出装置。
  11. 前記洗浄液が更に下記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項10に記載の液体吐出装置。
    (ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
  12. 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    ノズル面を払拭する払拭手段と、
    前記液体が付与される部材を加熱する加熱手段と、
    前記ノズル面の結露量を予測又は検出する結露量判断手段と、
    前記結露量判断手段で判断した結露量が閾値以上になったときに、前記ノズルから液体を溢れさせないで、前記払拭手段による払拭動作を行わせる制御をする手段と、を備える、液体吐出装置を用いる液体吐出方法であって、
    前記液体として、水、有機溶剤、及び色材を含有し、
    前記有機溶剤が、20℃における蒸気圧が0.2mmHg以下である化合物を含むインクを用いることを特徴とする液体吐出方法。
  13. 前記払拭手段が洗浄液を含有し、
    前記洗浄液が、水、グリコールエーテル化合物、及び界面活性剤を含有し、
    前記グリコールエーテル化合物の含有量が、洗浄液全量に対して1質量%以上30質量%以下である請求項12に記載の液体吐出方法。

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