JP2018088202A - 火災感知器 - Google Patents
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Abstract
Description
煙感知器では、感知器本体内に回路収納部を形成し、その中に煙を検知するための感知器回路を実装したプリント基板を組込んでおり、この回路収納部内に腐食性ガスが侵入すると、プリント基板の実装電子部品や、導電パターン、電子部品と導電パターンとの半田付け部分などが腐食されるおそれがある。
特許文献1に記載されている感知器は、プリント基板(配線基板)が収納される感知器本体(ベース)とカバーとの接合部にパッキンを介挿することにより腐食性ガスの侵入を防止するようにしている。また、特許文献2に記載されている感知器は、プリント基板が収納されるベース(端子盤)とカバー(検煙部本体)との接合部にスポンジを介挿することにより腐食性ガスの侵入を防止するようにしている。
特に、特許文献1の感知器は、複数個所にパッキンを介挿する構成であるため、より一層組み付け作業が面倒になるという課題がある。
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成および組み立てで大幅なコストアップを招くことなくプリント基板の収納部への腐食性ガスの侵入を防止することができる火災感知器を提供することにある。
本体ケースと該本体ケースの上側を覆うカバー部材とからなる筐体の内部に、遮光壁からなるラビリンス構造を含む検煙領域および該検煙領域へ投光する発光素子と前記検煙領域で散乱された光を受光する受光素子を有する暗箱を備えた感知部と、該感知部からの信号に基づいて火災の発生を検出する電子回路が実装された回路基板と、が収納されてなる火災感知器において、
前記本体ケースに、前記回路基板および前記暗箱の基部を収納する収納凹部が形成され、
前記暗箱の基部に、周外方向へ広がる鍔部が形成され、
前記カバー部材に前記感知部が臨む開口部が形成され、該開口部の近傍には、前記暗箱の前記鍔部と接触可能な接触面部が設けられ、
前記収納凹部に前記回路基板および前記暗箱の基部が収納されて、前記本体ケースと前記カバー部材と結合された状態で、前記接触面部が前記鍔部と接触し、かつ前記暗箱の前記鍔部の外周面が前記収納凹部を構成する壁体の内面に接触するように構成したものである。
かかる構成によれば、本体ケースとカバー部材との接触面積が大きくなるためガスの侵入経路が長くなり、本体ケースとカバー部材との隙間を通って腐食性ガスがプリント基板の収納部へ侵入するのを有効に防止することができる。
かかる構成によれば、本体ケースの収納凹部内へ暗箱の基部を収納し易くなるとともに、収納された状態では暗箱の鍔部の外周面が収納凹部を構成する壁体の内面に接触するため、暗箱の鍔部の外周と収納凹部の壁体との隙間を通って腐食性ガスがプリント基板の収納部へ侵入するのを防止することができる。
前記回路基板には、前記挿通孔に対応する部位にネジ挿通穴が形成されているとともに、該ネジ挿通穴に対応して雌ネジ部を有する基板端子の取付け部が設けられ、
前記ネジが前記本体ケースの底壁の前記挿通孔から挿入されて先端の雄ネジ部が前記基板端子の前記雌ネジ部に螺合されることで前記回路基板が前記収納凹部内に固定されているように構成する。
かかる構成によれば、連結金具および回路基板を本体ケースに固定するためのネジを本体ケースの下方側から挿入する構成であるため、感知器カバー側からの腐食性ガスの侵入経路に対する基板収納空間の密閉性を高めることができる。
かかる構成によれば、基板端子は暗箱の鍔部に接触する位置に設けられているため、基板端子を半田付け等で回路基板に固定する必要がない、また、暗箱の鍔部にはネジの端部との接触を回避するための凹部が形成され、該凹部の近傍に基板端子を囲むように包囲枠が形成されているので、組み立ての際に固定用のネジの端部が暗箱の鍔部に当るのを回避しつつ、固定用のネジと基板端子のネジ穴との隙間を通ってプリント基板の収納部へ侵入するのを防止することができるため、基板収納空間の密閉性をより高めることができる。
本実施形態の光電式火災感知器(以下、単に感知器と記す)10は、火災に伴い発生した煙を感知可能な感知器であり、建造物の天井面などに設置されて使用されるように構成されている。なお、以下の説明では、感知器10を建造物の天井面に設置した状態で上になる側を下側、下になる側を上側とする。
また、感知器10は、前記本体ケース11の収容凹部11A内に収容され固定される回路基板13と、ラビリンス構造の遮光壁41を有し前記回路基板13に搭載される暗箱基台14と、該暗箱基台14の縁部の内側に係合し載置される円筒状の防虫網15と、該防虫網15を挟んで前記暗箱基台14に係合し暗箱を形成する有底円筒状の暗箱カバー16とを備え、これらの構成部材が、上記筐体内に収納され本体ケース11と感知器カバー12とが結合されることで感知器が構成される。
一方、感知器カバー12には、その中央に、暗箱の上部が突出可能な円形状の開口部12Aが形成されるとともに、該開口部12Aより突出した暗箱カバー16の円板状の蓋部16cの縁部に係合されるヘッドカバー21が設けられ、該ヘッドカバー21と感知器カバー12の上壁との間に、上記開口部12Aに連通する開口が円周方向に沿って複数個形成され、該開口が外部の煙をケース内部に流入可能にする煙流入口22として機能するように構成されている。
また、感知器カバー12下面の段差部12Bの外側には、本体ケース11の周壁11Bの先端が係合するが係合溝を構成するリブ12bが形成されているため、感知器カバー12と本体ケース11との隙間が蛇行するようになり、これによって矢印Bの方向から侵入しようとする腐食性ガスの侵入を防止することができる。
さらに、連結金具17を回路基板13に電気的に接続可能にするため、ネジ18を導電性金属で形成するとともに、ネジ18が螺合する雌ネジ部を有する基板端子25が、連結金具17およびネジ18と同じ数だけ設けられている。また、回路基板13の基板表面(図では上面)の上記ネジ挿通穴13aの近傍には、図示しないが、基板端子25との電気的接触を図るための導電層が形成され、回路基板13には該導電層と接続された配線パターンが形成されており、連結金具17は、ネジ18−基板端子25−導電層を介して回路基板13の所望の素子もしくは部位と電気的な導通が図られている。
さらに、暗箱基台14の鍔部14B下面の上記逃がし凹部14dの近傍には、図4に示すように、逃がし凹部14dを挟んで対向するように一対の円弧状リブ14eが形成されている。また、円弧状リブ14eの外側には、基板端子25の周囲を囲みかつ先端が回路基板13の表面に接触する包囲枠14fが形成されている。本実施形態では、包囲枠14fは、上面視コの字状をなすように形成され、開口している側の端面が本体ケース11の周壁の内面に接触可能に構成されている。
さらに、ネジ18の頭部側からネジ18と本体ケース11のボス部11bや基板のネジ挿通穴13aとの隙間を通って腐食性ガスが侵入しようとしても、本実施形態の感知器においては、暗箱基台14の鍔部14B下面に、逃がし凹部14dを囲むように一対の円弧状リブ14eが形成され、さらに該円弧状リブ14eの外側には基板端子25の周囲を囲みかつ先端が回路基板13の表面に接触する包囲枠14fが形成されているため、ガスの侵入を防止することができる。
また、上記実施形態の火災感知器においては、本体ケース11と感知器カバー12とを一体化させるため、感知器カバー12に係止爪(係止手段)12dを設け、本体ケース11に係合部11cを設けているが、逆すなわち本体ケース11に係止爪を設け、感知器カバー12に係合部を設けても良い。
11 本体ケース
11A 収容凹部
12 感知器カバー
12B 段差部
13 回路基板
13a ネジ挿通穴
14 暗箱基台
14B 鍔部
14f 包囲枠
16 暗箱カバー
17 連結金具
18 固定用のネジ
19A 発光素子
19B 受光素子
25 基板端子
Claims (5)
- 本体ケースと該本体ケースの上側を覆うカバー部材とからなる筐体の内部に、遮光壁からなるラビリンス構造を含む検煙領域および該検煙領域へ投光する発光素子と前記検煙領域で散乱された光を受光する受光素子を有する暗箱を備えた感知部と、該感知部からの信号に基づいて火災の発生を検出する電子回路が実装された回路基板と、が収納されてなる火災感知器において、
前記本体ケースに、前記回路基板および前記暗箱の基部を収納する収納凹部が形成され、
前記暗箱の基部に、周外方向へ広がる鍔部が形成され、
前記カバー部材に前記感知部が臨む開口部が形成され、該開口部の近傍には、前記暗箱の前記鍔部と接触可能な接触面部が設けられ、
前記収納凹部に前記回路基板および前記暗箱の基部が収納されて、前記本体ケースと前記カバー部材と結合された状態で、前記接触面部が前記鍔部と接触し、かつ前記暗箱の前記鍔部の外周面が前記収納凹部を構成する壁体の内面に接触するように構成されていることを特徴とする火災感知器。 - 前記カバー部材の前記接触面部の外側には、前記収納凹部を構成する前記本体ケースの周壁端部が係合する溝部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の火災感知器。
- 前記収納凹部を構成する前記壁体は、開口側ほど開口面積が大きくなるように傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の火災感知器。
- 前記収納凹部を構成する前記本体ケースの底壁に、前記回路基板と電気的に導通される連結金具を取り付けるネジの挿通孔が形成され、
前記回路基板には、前記挿通孔に対応する部位にネジ挿通穴が形成されているとともに、該ネジ挿通穴に対応して雌ネジ部を有する基板端子の取付け部が設けられ、
前記ネジが前記本体ケースの底壁の前記挿通孔から挿入されて先端の雄ネジ部が前記基板端子の前記雌ネジ部に螺合されることで前記回路基板が前記収納凹部内に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の火災感知器。 - 前記基板端子は前記鍔部に接触する位置に設けられ、前記鍔部の前記基板端子と対向する部位には、前記ネジの端部との接触を回避するための凹部が形成され、該凹部の近傍には前記基板端子を囲むように包囲枠が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の火災感知器。
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