JP6781023B2 - 火災感知器 - Google Patents
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Description
煙感知器または熱煙複合型感知器においては、外部から光が入らないようにするラビリンス構造の遮光壁を周囲に有する暗箱内に、発光素子と受光素子を、互いの光軸をずらした状態で収納し、火災発生時に暗箱内に煙が流入すると、発光素子から照射された光が煙によって散乱され、その散乱光を受光素子が感知すると火災発生と判断して警報を発生するように構成されている。
そこで、受光素子を電磁シールドケースに収納した状態でプリント基板上に実装するようにした技術がある(例えば特許文献1)。また、受光素子をシールド用の金属板で覆うとともに、別のシールド用の金属板で受光素子からの信号を増幅する増幅回路を構成する集積回路及び回路部品を覆うようにした感知器に関する技術がある(特許文献2)。
本発明の他の目的は、シールド部材を基板に取り付けた後、半田付け等の固定のための処理を行わなくても、シールド部材が基板から簡単に外れることがないとともに、シールド部材を確実に所望の状態にセット可能な火災感知器を提供することにある。
本体ケースと該本体ケースの上側を覆うカバー部材とからなる筐体の内部に、監視対象の変化を検出する素子および該素子からの信号を増幅する増幅回路が実装された回路基板が収納されてなる火災感知器において、
前記回路基板には、少なくとも前記増幅回路を覆うように導電体からなるシールド用カバーが着脱可能に取り付けられ、
前記本体ケースの内壁面の前記シールド用カバーに対応する部位には、前記本体ケース内に前記回路基板を収納し固定した際に前記シールド用カバーに当接する突起を有する矯正部が設けられているようにしたものである。
前記矯正部は、前記回路基板の異なる取付け高さ位置に応じて、互いに高さが異なる複数の突起を備えるようにする。
かかる構成によれば、本体ケースを回路基板の取付け高さが異なる複数の機種に対して共用することができ、コストダウンを図ることができる。
前記折曲片には、前記シールド用カバーを前記回路基板に取り付けるための係止手段が設けられ、
前記係止手段は、前記折曲片に形成されたフックおよび係止爪であり、前記シールド用カバーには前記回路基板に向かって突出するストッパ片が設けられ、
前記回路基板には、前記フックが挿入可能なスリットおよび前記係止爪が挿入可能な開口部と前記ストッパ片の先端が係合する差込み穴が形成されているようにする。
また、フックを回路基板のスリットに差し込むとともに、係止爪を開口部へ挿入することで簡単にシールド用カバーを回路基板に取り付けることができるため、作業性を向上させることができる。また、シールド用カバーにストッパ片が設けられているため、取り付けた後のカバーのずれや移動を防止することができ、半田付け等の固定のための処理を行わなくてもシールド部材が容易に外れることがないようにすることができる。
かかる構成によれば、シールド用カバーを3箇所で回路基板に係止するように取り付けることができるため、取付け後の安定性が良いとともに取り外しも容易となる。
本実施形態の光電式火災感知器(以下、単に感知器と記す)10は、火災に伴い発生した煙を感知可能な感知器であり、建造物の天井面などに設置されて使用されるように構成されている。なお、以下の説明では、感知器10を建造物の天井面に設置した状態で上になる側を下側、下になる側を上側とする。
また、感知器10は、前記本体ケース11の収容凹部11A内に収容され固定される回路基板13と、ラビリンス構造の遮光壁を有し前記回路基板13に搭載される暗箱基台14と、該暗箱基台14の縁部の内側に係合し載置される円筒状の防虫網15と、該防虫網15を挟んで前記暗箱基台14に係合し暗箱を形成する有底円筒状の暗箱カバー16とを備え、これらの構成部材が、上記筐体内に収納され本体ケース11と感知器カバー12とが結合されることで感知器が構成される。
一方、感知器カバー12には、その中央に、暗箱の上部が突出可能な円形状の開口部12Aが形成されるとともに、該開口部12Aより突出した暗箱カバー16の円板状の蓋部16cの縁部に係合されるヘッドカバー21が設けられ、該ヘッドカバー21と感知器カバー12の上壁との間に、上記開口部12Aに連通する開口が円周方向に沿って複数個形成され、該開口が外部の煙をケース内部に流入可能にする煙流入口22として機能するように構成されている。
前述したように、回路基板13は、上面および下面に火災感知のための回路を構成する抵抗や容量、IC(半導体集積回路)などの電子部品が実装されたプリント配線基板により構成されている。
そして、回路基板13の図2(A)の一点鎖線Aで囲まれた部位の反対側の領域には、スリット31a,31bおよび開口31cを利用して、図2(B)に示すように、該領域を覆うように矩形状のシールド用カバー40が取り付けられるようになっている。シールド用カバー40は、ステンレスその他の金属板により形成することができる。
図3から分かるように、シールド用カバー40は、4辺のうち3辺に、基板に向かって折曲された折曲片41a,41b,41cが形成され、このうち対向する折曲片41a,41bの後端から少し離れた部位に、L字状のフック42a,42bが設けられている。また、折曲片41cの中央には、V字状に折曲された係止爪43が設けられている。さらに、係止爪43の両側にはスリット40a,40bが形成されているとともに、スリット40aの近傍には、係止爪43と同じ方向へ突出したストッパ片44が設けられている。
さらに、折曲片41cの係止爪43の近傍にはストッパ片44が設けられており、L字状のフック42a,42bがスリット31a,31bに差し込まれた状態でフック42a,42bが前後に移動可能であったとして、ストッパ片44が回路基板13に設けられている差込み穴31dに挿入されると、フック42a,42bの前後移動が阻止される。そのため、フック42a,42bの先端を半田付けで基板に固定する処理を施さなくても、シールド用カバー40が基板から外れるのを防止することができる。
以下、図4を用いて、このテーパT1,T2および突起P1,P2;P3,P4の機能について説明する。図4(A)はカバー40の装着直前の状態を、図4(B)はカバー40が装着された状態を、図4(C)はカバー40の取り外す際の状態を示す。
この状態で、係止爪43の背部を指で基板方向へ押圧する。すると、係止爪43が弾性変形しながら開口31c内に進入し、図4(B)に示すように、係止爪43全体が開口31c内に入ると、係止爪43が元の形状に復帰する。ここで、係止爪43の上部から指を離すと、図3(D)に示す係止爪43の先端の突起P3,P4が、開口31cの縁部に設けられている導電層32c(図2参照)に圧接されて食い込み、充分な電気的接触状態となる。
また、係止爪43を開口31cへ挿入させる際に、ストッパ片44が回路基板13に設けられている差込み穴31dに進入することで、フック42a,42bの前後移動が阻止されるため、感知器に振動や衝撃が加わってもシールド用カバー40がずれたり外れたりするのを防止することができる。
これにより、L字状のフック42a,42bがスリット31a,31bに沿って前方へ移動可能になるので、シールド用カバー40を前方すなわちフックが外れる方向へスライドさせることによって、回路基板13からシールド用カバー40を取り外すことができる。このように、折曲片41a,41bにテーパT1,T2や突起P1,P2を設けることで、シールド用カバー40を回路基板に対して簡単に着脱することができ、シールドの組み付けや素子の交換、感度調整等の作業が容易に行えるという利点がある。
図5に示されているように、本体ケース11の収容凹部11Aには、上記シールド用カバー40の取付け位置に対応して、互いに高さが異なる突起51a,51bおよびこれらの突起51a,51b間を結合する結合壁部51cを有する矯正部50が設けられている。これらの突起51a,51bの高さは、シールド用カバー40が回路基板13上に正しくセットされた状態でのシールド用カバー40の上面と収容凹部11Aの底面との間隔と同じになるように設定されている。2つの突起51a,51bが設けられているのは、異なる機種に対応できるようにするためである。
前述したように、係止爪43は充分に挿入されずに嵌合不良を起こすと、図6(A)に示すように、シールド用カバー40が少し持ち上がった状態になり、シールド用カバー40が回路基板13上に正しくセットされない。このとき、係止爪43は、爪の先端が開口31c内に留まり、嵌合不良を起こしている。
しかるに、この状態のまま、回路基板13を本体ケース11の収容凹部11A内に収納してネジ18を締め付けて固定すると、本体ケース11の底面に設けられている上記突起51a,51bのうち一方(図では51a)の先端がシールド用カバー40の上面に当接して、これを押し込むような力を与える。
さらに、上記実施例では、突起51aの先端がシールド用カバー40の上面に当接した際に、他の高い方の突起51bが、シールド用カバー40の前方に前壁と接するように位置することとなる。これにより、シールド用カバー40の前方への移動が阻止されるため、シールド用カバー40が抜け落ちるのを、より確実に防止することができる。
本実施形態の火災感知器において、2つの突起51a,51bが設けられているのは、異なる機種に対応可能にするためである。従って、対象機種が1つである場合には突起は1つで良い。
本発明者が適用を考えた煙感知器には、1個の発光素子と1個の受光素子を備えるものと、1個の発光素子と2個の受光素子を備え異なる2種類の波長の光を受光することで火災の発生を検出するものとがあった。そして、上記2つの機種は、回路基板13上での受光素子の実装位置が異なるとともに、素子の高さが異なるため各機種の回路基板13を本体ケース11の収容凹部11A内に収納させるには、回路基板13の取付け高さを変える必要があった。
さらに、上記実施形態では、シールド用カバー40を基板に取り付けるための脚部として2個のフックと1個の係止爪を設けたものについて説明したが、1個のフックと2個の係止爪あるいは2個のフックと2個の係止爪を設けるように構成しても良い。また、フックの形はL字状に限定されず、T字状等他の形状であってもよい。係止爪も実施例のように先端が外側を向くように曲げられた形状に限定されず、内側を向くように曲げた形状であっても良い。
さらに、上記実施形態では、本発明を、発光素子と受光素子を有する煙感知器に適用したものを説明したが、本発明はそれに限定されず、赤外線を検知する焦電素子、サーミスタのような感熱素子あるいはCOなどの有害ガスを検知するガスセンサ等の素子およびこれらの素子からの信号を増幅する増幅回路を実装した基板を備えた火災感知器に広く適用することができる。
11 本体ケース
12 感知器カバー
13 回路基板
14 暗箱基台
16 暗箱カバー
19A 発光素子
19B 受光素子
19a,19b リード端子
31a,31b スリット
40 シールド用カバー
41a,41b,41c 折曲片
42a,42b フック(係止手段)
43 係止爪(係止手段)
44 ストッパ片
50 矯正部
51a,51b 突起
Claims (4)
- 本体ケースと該本体ケースの上側を覆うカバー部材とからなる筐体の内部に、監視対象の変化を検出する素子および該素子からの信号を増幅する増幅回路が実装された回路基板が収納されてなる火災感知器において、
前記回路基板には、少なくとも前記増幅回路を覆うように導電体からなるシールド用カバーが着脱可能に取り付けられ、
前記本体ケースの内壁面の前記シールド用カバーに対応する部位には、前記本体ケース内に前記回路基板を収納し固定した際に前記シールド用カバーに当接する突起を有する矯正部が設けられ、
前記本体ケースは、前記回路基板を異なる高さ位置に収納可能であり、
前記矯正部は、前記回路基板の異なる取付け高さ位置に応じて、互いに高さが異なる複数の突起を備えることを特徴とする火災感知器。 - 互いに高さが異なる前記複数の突起のうち、高さの低い突起は、前記本体ケース内に前記回路基板を収納し固定した際に前記シールド用カバーの上面に当接し、
前記高さの低い突起よりも高さの高い突起は、前記本体ケース内に前記回路基板を収納し固定した際に、先端が前記シールド用カバーの前端面もしくは後端面の近傍に位置するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の火災感知器。 - 前記シールド用カバーの縁部には、前記回路基板側へ折曲された折曲片が設けられ、
前記折曲片には、前記シールド用カバーを前記回路基板に取り付けるための係止手段が設けられ、
前記係止手段は、前記折曲片に形成されたフックおよび係止爪であり、
前記シールド用カバーには前記回路基板に向かって突出するストッパ片が設けられ、
前記回路基板には、前記フックが挿入可能なスリットおよび前記係止爪が挿入可能な開口部と前記ストッパ片の先端が係合する差込み穴が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の火災感知器。 - 前記折曲片は前記シールド用カバーの両側縁部および前端もしくは後端に設けられ、
前記フックは前記シールド用カバーの両側縁部の折曲片に、また前記係止爪は前記シールド用カバーの前端もしくは後端の折曲片に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の火災感知器。
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