JP2018087909A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より高品質の画像を実現するのに好適な定着装置を提供する。【解決手段】定着装置は、ベルト部材と、加熱部材と、潤滑剤供給部と、回転部材とを備える。ベルト部材は、内周面および外周面を有する管状をなし、回転可能に設けられている。加熱部材は、ベルト部材の内周面と対向するように配置されている。潤滑剤供給部は、潤滑剤を保持する本体と、開閉可能な導通路とを有する。回転部材は、ベルト部材の前記外周面と当接可能に設けられると共に回転可能に設けられている。【選択図】図2B
Description
本発明は、定着装置およびそれを備えた画像形成装置に関する。
これまでに、ベルトを使用して媒体に現像剤像を定着させる定着装置を備えた画像形成装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。このような定着装置では、ベルトと、そのベルトと接するヒータなどとの間にグリスを介在させるようになっている。
このような画像形成装置にあっては、例えばベルトを介して媒体に安定した圧力を加えて定着動作を行うことにより高品質の画像を形成することができる。
したがって、より高品質の画像を実現するのに好適な定着装置および画像形成装置を提供することが望ましい。
本発明の一実施形態としての定着装置は、ベルト部材と、加熱部材と、潤滑剤供給部と、回転部材とを備える。ベルト部材は、内周面および外周面を有する管状をなし、回転可能に設けられている。加熱部材は、ベルト部材の内周面と対向するように配置される。潤滑剤供給部は、潤滑剤を保持する本体と、開閉可能な導通路とを有する。回転部材は、ベルト部材の外周面と当接可能に設けられると共に回転可能に設けられている。
本発明の一実施形態としての画像形成装置は、上記定着装置を備える。
本発明の一実施形態としての定着装置および画像形成装置では、潤滑剤供給部において導通路が閉じた状態から開いた状態へ移行することにより、潤滑剤が、導通路からベルト部材の内周面と加熱部材との隙間に潤滑剤が供給されるようになっている。したがって、本発明の一実施形態としての定着装置および画像形成装置は、その組み立て時において潤滑剤が外部へ露出しにくい構造であるから、取り扱いが容易である。また、その動作時において適切な量の潤滑剤がベルト部材の内周面と加熱部材との隙間に供給される。
本発明の一実施形態としての定着装置および画像形成装置によれば、より高品質の画像を実現するのに適する。適量の潤滑剤の存在により、ベルト部材が円滑に回転するからである。
なお、これは本発明の効果の一例であり、本発明の効果はこれに限定されるものではなく、以下に記載のいずれの効果であってもよい。
なお、これは本発明の効果の一例であり、本発明の効果はこれに限定されるものではなく、以下に記載のいずれの効果であってもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明は本発明の一具体例であって、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。
<1.実施の形態>
[画像形成装置1の概略構成]
図1Aは、本発明の一実施の形態に係る定着装置105を搭載した画像形成装置1の全体構成例を表す模式図である。図1Bは、図1Aに示した画像形成装置1の内部構成に対応するブロック図である。画像形成装置1は、例えば用紙などの記録媒体(印刷媒体、転写材ともいう。)に対して画像(例えばカラー画像)を形成する、電子写真方式のプリンタである。なお、本明細書では、記録媒体の搬送方向と直交する方向(図1Aでは紙面と直交するX軸方向)を幅方向という。また、後述するように、定着装置105の内部において記録媒体が搬送される方向をZ軸方向とし、X軸方向およびZ軸方向の双方と直交する高さ方向をY軸方向とする。
[画像形成装置1の概略構成]
図1Aは、本発明の一実施の形態に係る定着装置105を搭載した画像形成装置1の全体構成例を表す模式図である。図1Bは、図1Aに示した画像形成装置1の内部構成に対応するブロック図である。画像形成装置1は、例えば用紙などの記録媒体(印刷媒体、転写材ともいう。)に対して画像(例えばカラー画像)を形成する、電子写真方式のプリンタである。なお、本明細書では、記録媒体の搬送方向と直交する方向(図1Aでは紙面と直交するX軸方向)を幅方向という。また、後述するように、定着装置105の内部において記録媒体が搬送される方向をZ軸方向とし、X軸方向およびZ軸方向の双方と直交する高さ方向をY軸方向とする。
画像形成装置1は、例えば筐体100の内部に、例えば給紙部101と、媒体搬送部102と、画像形成部103と、転写部104と、定着装置105と、排出部106とを備えている。
(給紙部101)
給紙部101は、例えば用紙カセット(給紙トレイ)24と、給紙ローラ11とを有する。用紙カセット24は記録媒体を収容するものである。給紙ローラ11は、用紙カセット24から1枚ずつ記録媒体を取り出し、その記録媒体を媒体搬送部102へ供給する部材である。
給紙部101は、例えば用紙カセット(給紙トレイ)24と、給紙ローラ11とを有する。用紙カセット24は記録媒体を収容するものである。給紙ローラ11は、用紙カセット24から1枚ずつ記録媒体を取り出し、その記録媒体を媒体搬送部102へ供給する部材である。
(媒体搬送部102)
媒体搬送部102は、例えば上流から順に、位置センサ12と、対向配置された一対の搬送ローラ14,15と、位置センサ13とを有している。位置センサ12,13は、それぞれ、搬送経路P上を進行する記録媒体の位置を検出するものである。一対の搬送ローラ14,15は、給紙ローラ11により供給された記録媒体を下流の画像形成部103へ搬送するものである。
媒体搬送部102は、例えば上流から順に、位置センサ12と、対向配置された一対の搬送ローラ14,15と、位置センサ13とを有している。位置センサ12,13は、それぞれ、搬送経路P上を進行する記録媒体の位置を検出するものである。一対の搬送ローラ14,15は、給紙ローラ11により供給された記録媒体を下流の画像形成部103へ搬送するものである。
(画像形成部103)
画像形成部103はトナー像(現像剤画像)を形成するものであり、転写部104は画像形成部103において形成されたトナー像を記録媒体に転写するものである。画像形成部103は、例えば4つの画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cを有している。画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cは、それぞれ、LED(Light Emitting Diode)ヘッド3K,3Y,3M,3Cと、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cと、帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cと、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cと、トナータンク7K,7Y,7M,7Cと、現像ブレード8K,8Y,8M,8Cと、トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cと、感光体ブレード26K,26Y,26M,26Cとを有している。
画像形成部103はトナー像(現像剤画像)を形成するものであり、転写部104は画像形成部103において形成されたトナー像を記録媒体に転写するものである。画像形成部103は、例えば4つの画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cを有している。画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cは、それぞれ、LED(Light Emitting Diode)ヘッド3K,3Y,3M,3Cと、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cと、帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cと、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cと、トナータンク7K,7Y,7M,7Cと、現像ブレード8K,8Y,8M,8Cと、トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cと、感光体ブレード26K,26Y,26M,26Cとを有している。
LEDヘッド3K,3Y,3M,3Cは、それぞれ対向する感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面を露光し、各々の感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面に静電潜像を形成するものである。
感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cは、静電潜像を表面(表層部分)に担持する円柱状の部材であり、感光体(例えば有機系感光体)を用いて構成されている。
帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cは、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面(表層部分)を帯電させる部材(帯電部材)であり、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面(周面)に接するように配置されている。
現像ローラ6K,6Y,6M,6Cは、静電潜像を現像するトナーを表面に担持する部材であり、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面(周面)に接するように配置されている。
トナータンク7K,7Y,7M,7Cは、その内部にトナーを収容する容器であり、その下部にトナー排出口を有する。
現像ブレード8K,8Y,8M,8Cは、回転する現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの表面にトナーからなる層(トナー層)を形成すると共に、そのトナー層の厚さを規制(制御,調整)するトナー規制部材である。現像ブレード8K,8Y,8M,8Cは、例えばステンレス等からなる板状弾性部材(板ばね)であり、この板状弾性部材の先端部が現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの表面の近傍に配置されている。
トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cは、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cに対してトナーを供給するための部材(供給部材)であり、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの表面(周面)に接するように配置されている。
感光体ブレード26K,26Y,26M,26Cは、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面(表層部分)に残留するトナーを掻き取って回収することで、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面をクリーニングするクリーニング部材である。感光体ブレード26K,26Y,26M,26Cは、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面に対してカウンタで当接する(感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの回転方向に対して逆向きで突出する)ようにして配置されている。感光体ブレード26K,26Y,26M,26Cは、例えば、ポリウレタンゴム等の弾性体により構成されている。
(転写部104)
転写部104は、例えば搬送ベルト18と、この搬送ベルト18を駆動する駆動ローラ17と、この駆動ローラ17に従動する従動ローラ16と、搬送ベルト18を挟んで感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cと各々対向して配置された転写ローラ10K,10Y,10M,10Cと、ベルトブレード27と、廃トナーボックス28とを有している。
転写部104は、例えば搬送ベルト18と、この搬送ベルト18を駆動する駆動ローラ17と、この駆動ローラ17に従動する従動ローラ16と、搬送ベルト18を挟んで感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cと各々対向して配置された転写ローラ10K,10Y,10M,10Cと、ベルトブレード27と、廃トナーボックス28とを有している。
搬送ベルト18は、例えばポリイミド樹脂などの樹脂材料からなる無端の弾性ベルトであり、駆動ローラ17,従動ローラ16および転写ローラ10K,10Y,10M,10Cによって張設(張架)され、図1A中の矢印の方向へ循環回転するようになっている。駆動ローラ17は、搬送ベルトモータ801(後出)からの駆動力により搬送ベルト18を駆動する。転写ローラ10K,10Y,10M,10Cは、記録媒体を搬送方向に搬送しつつ、各画像形成ユニット2K,2Y,2M,2C内で形成されたトナー像を記録媒体上に静電的に転写するための部材である。転写ローラ10K,10Y,10M,10Cは、例えば、発泡性の半導電性弾性ゴム材により構成されている。駆動ローラ17,従動ローラ16および転写ローラ10K,10Y,10M,10Cは、それぞれ紙面に垂直な横方向に伸びる回転可能な略円柱状の部材である。ベルトブレード27は、搬送ベルト18の表面上に残存した廃トナーを掻き取ってクリーニング(清掃)するための部材であり、廃トナーボックス28は、ベルトブレード27により掻き取られた廃トナーを回収し、貯蔵するものである。
(定着装置105)
定着装置105は転写部104から搬送された記録媒体上に転写されたトナー像に対し熱および圧力を付与することで、そのトナー像を記録媒体上に定着させるための部材である。定着装置105は、例えばヒータ55と、サーミスタ792と、定着モータ793とを有する。定着装置105については後に詳述する。
定着装置105は転写部104から搬送された記録媒体上に転写されたトナー像に対し熱および圧力を付与することで、そのトナー像を記録媒体上に定着させるための部材である。定着装置105は、例えばヒータ55と、サーミスタ792と、定着モータ793とを有する。定着装置105については後に詳述する。
(排出部106)
排出部106は、位置センサ21と、対向配置された排出ローラ22,23とを有している。位置センサ21は、定着装置105から排出されて搬送経路P上を進行する記録媒体の位置を検出するものである。排出ローラ22,23は、定着装置105から排出された記録媒体を外部へ排出する。
排出部106は、位置センサ21と、対向配置された排出ローラ22,23とを有している。位置センサ21は、定着装置105から排出されて搬送経路P上を進行する記録媒体の位置を検出するものである。排出ローラ22,23は、定着装置105から排出された記録媒体を外部へ排出する。
画像形成装置1は、図1Bに示したように、印刷制御部700,I/F制御部710,受信メモリ720,画像データ編集メモリ730,操作部701およびセンサ群702を備えている。画像形成装置1は、さらに、印刷制御部700からの指令をそれぞれ受ける帯電電圧制御部740,ヘッド駆動制御部750,現像電圧制御部760,転写電圧制御部770,画像形成駆動制御部780,定着制御部790,搬送ベルト駆動制御部800および給紙・搬送駆動制御部810を備えている。
印刷制御部700は、マイクロプロセッサ、ROM,RAMおよび入出力ポート等により構成され、例えば予め定められたプログラムを実行することにより画像形成装置1における処理動作の全体を制御するものである。具体的には、印刷制御部700は、I/F制御部710からの印刷データや制御コマンドを受信し、帯電電圧制御部740,ヘッド駆動制御部750,現像電圧制御部760,転写電圧制御部770,画像形成駆動制御部780,定着制御部790,搬送ベルト駆動制御部800および給紙・搬送駆動制御部810の制御を統括して印刷動作を行う。
I/F制御部710は、パーソナルコンピュータ(PC)などの外部装置からの印刷データや制御コマンドを受信し、あるいは画像形成装置1の状態に関する信号を送信するものである。
受信メモリ720は、PCなどの外部装置からI/F制御部710を経由した印刷データを一時的に格納するものである。
画像データ編集メモリ730は、受信メモリ720に格納された印刷データを受け取り、その印刷データを編集した画像データを格納するものである。
操作部701は、例えば画像形成装置1の状態などの情報を表示するためのLEDランプや、使用者が指示を画像形成装置へ与えるための入力部(ボタンやタッチパネル)を有するものである。
センサ群702は、画像形成装置1の動作状態を監視する各種センサ、例えば記録媒体の位置を検出する位置センサ12,13,21、画像形成装置1内の温度を検出する温度センサ29、印刷濃度センサ30などを含んでいる。
帯電電圧制御部740は、印刷制御部700の指示により、帯電ローラ5(5K,5Y,5M,5C)に対し帯電電圧を印加し、感光体ドラム4(4K,4Y,4M,4C)の表面を帯電させるように制御を行うものである。
ヘッド駆動制御部750は、画像データ編集メモリ730に格納された画像データにしたがってLEDヘッド3(3K,3Y,3M,3C)による露光動作の制御を行うものである。
現像電圧制御部760は、印刷制御部700の指示により、現像ローラ6(6K,6Y,6M,6C)に対し現像電圧を印加し、感光体ドラム4(4K,4Y,4M,4C)の表面に形成された静電潜像にトナーを現像するように制御を行うものである。
転写電圧制御部770は、印刷制御部700の指示により、転写ローラ10(10K,10Y,10M,10C)に対し転写電圧を印加し、記録媒体にトナー像を転写させるように制御を行うものである。
画像形成駆動制御部780は、印刷制御部700の指示により、駆動モータ781〜784の駆動制御を行うものである。駆動モータ781〜784は、感光体ドラム4(4K,4Y,4M,4C),帯電ローラ5(5K,5Y,5M,5C)および現像ローラ6(6K,6Y,6M,6C)の回転駆動を行う。
定着制御部790は、印刷制御部700の指示により、定着装置105の定着動作を制御するものである。具体的には、ヒータ55への印加電圧の制御を行う。定着制御部790は、サーミスタ792により測定された定着装置105の温度に基づき、ヒータ55への印加電圧のオン・オフ制御を行う。定着制御部790は、さらに、定着モータ793の動作制御の動作制御をも行う。
搬送ベルト駆動制御部800は、印刷制御部700の指示により、画像形成装置1に設けられた搬送ベルトモータ801の動作制御を行うものである。搬送ベルトモータ801は、搬送ベルト18の駆動を行うものである。
給紙・搬送駆動制御部810は、印刷制御部700の指示により、画像形成装置1に設けられた給紙モータ811および搬送モータ812の動作制御を行うものである。
[定着装置105の構成]
次に、図2A〜図4を参照して、定着装置105の詳細な構成について説明する。図2Aは、記録媒体の搬送方向の上流から眺めた定着装置105の外観を表す斜視図であり、図2Bは、定着装置105の断面図である。図3Aは、定着装置105の一構成要素である潤滑剤供給部54(後出)の閉状態を拡大して表す斜視図である。図3Bは、図3Aに示した潤滑剤供給部54の開状態を拡大して表す斜視図である。
次に、図2A〜図4を参照して、定着装置105の詳細な構成について説明する。図2Aは、記録媒体の搬送方向の上流から眺めた定着装置105の外観を表す斜視図であり、図2Bは、定着装置105の断面図である。図3Aは、定着装置105の一構成要素である潤滑剤供給部54(後出)の閉状態を拡大して表す斜視図である。図3Bは、図3Aに示した潤滑剤供給部54の開状態を拡大して表す斜視図である。
定着装置105は、例えば基部50と、定着ベルト51と、加圧ローラ52と、ヒータ保持部材53と、潤滑剤供給部54と、ヒータ55と、フランジ56(56L,56R)と、レバー部材57と、付勢部材58と、駆動部材59とを有する。潤滑剤供給部54には、潤滑剤GRが保持されるようになっている。潤滑剤GRは、例えばゲル状のグリスであり、それが付着した部材の表面に薄い油膜を形成することで部材間の摩擦力を低減し、摺動性を向上させるように機能するものである。
定着ベルト51は、内周面511および外周面512を有する管状をなす無端の弾性ベルトであり、例えばポリイミド樹脂などの樹脂材料からなる無端の弾性ベルト、またはステンレス鋼などの金属基材上にシリコーンゴムなどが形成されてなるものである。定着ベルト51は、幅方向における両端に設けられた1対のフランジ56L,56Rやヒータ55、ヒータ保持部材53などによって張設(張架)され、軸51J(図2A,2B)の周囲を図2B中の矢印R51の方向へ循環回転(図2Bでは右回転)可能に設けられている。より詳細には、定着ベルト51は、その幅方向の両端においてレバー部材57に固定された1対のフランジ56L,56Rにより回転自在に支持されている。定着ベルト51の外周面512は、Y軸方向において対向する加圧ローラ52と当接するように付勢部材58により付勢され、XZ平面に広がるニップ部NPを形成する(図2B)。定着ベルト51は、ニップ部NPにおける加圧ローラ52との摩擦力により、加圧ローラ52の回転に従動するように矢印R51の方向へ回転する。この例では、ニップ部NPの近傍において、定着ベルト51は+Z方向へ移動する。ヒータ保持部材53、潤滑剤供給部54およびヒータ55などは、いずれも定着ベルト51によって取り囲まれた空間に配置されている。なお、定着ベルト51は、本発明の「ベルト部材」に対応する一具体例である。
加圧ローラ52は、X軸方向に延在する円柱状または円筒状の物体であり、軸51Jに沿って伸びる軸52Jの周囲を矢印R52(図2B)の方向へ回転可能に設けられたものである。加圧ローラ52は、例えば、X軸方向に伸びる金属パイプなどの剛性材料からなるシャフト521と、そのシャフト521を取り巻くように設けられた弾性層522とを有している。シャフト521は、その両端近傍において基部50により回転自在に支持されている。基部50は、例えば筐体100に固定されている。加圧ローラ52は、図2Bに示したように、定着ベルト51の外周面512と当接してニップ部NPを形成している。この例では、ニップ部NPの近傍において、加圧ローラ52は+Z方向へ移動する。ヒータ55は、定着ベルト51を挟んで加圧ローラ52と対向する位置に設けられている。なお、加圧ローラ52は本発明の「回転部材」に対応する一具体例である。
レバー部材57は、基端がシャフト57Pを中心として回動可能に基部50に取り付けられている。レバー部材57の先端部57Sと、基部50の先端部50Sとは、コイルばねなどの付勢部材58により、弾性的に連結されている。付勢部材58は、先端部57Sを先端部50Sへ近づけるように、すなわち図2B中の矢印Y58で示した方向に先端部57Sを付勢している。
ヒータ保持部材53は、後出の図5Aなどに示したように幅方向(X軸方向)に延在する略直方体形状の物体であり、幅方向において例えば定着ベルト51と実質的に同じ寸法を有している。ヒータ保持部材53は、1対のフランジ56L,56Rに固定されている。よって、ヒータ保持部材53、1対のフランジ56L,56R、レバー部材57および定着ベルト51は、基部50に支持された加圧ローラ52に対し、一体に変位するようになっている。ヒータ保持部材53は、図2Bに示したように、定着ベルト51の内周面511との間にヒータ55を保持している。
潤滑剤供給部54は、定着ベルト51の内周面511とヒータ55との隙間に潤滑剤GRを供給するものであり、例えば図3Aおよび図3Bに示したように、各々幅方向に延在する本体541およびシャッタ542を有している。シャッタ542の一端には、係合部543が取り付けられている。本体541は、潤滑剤GRを内部に保持すると共に、YZ面内における円周方向の一部にスリット541Kが設けられた部材である。本体541は、例えばフランジ56に固定されている。シャッタ542は、YZ面内における円周方向の一部にスリット542Kを有し、本体541のスリット541Kを塞いだ閉状態(図3Aに示した状態)からスリット541Kを開放した開状態(図3Bに示した状態)へ移行可能に、本体541に取り付けられた部材である。具体的には、シャッタ542は、図3Aに示した閉状態から、例えばX軸方向に沿った軸54Jを中心として図3Bに示した矢印R54の方向へ係合部543と一体となって回転することにより、図3Bに示した開状態に移行するようになっている。より詳細には、閉状態では、図4Aに示したようにシャッタ542のスリット542Kが本体541のスリット541Kと異なる位置にあり、開状態では、図4Bに示したようにシャッタ542のスリット542Kが本体541のスリット541Kと重なる位置にある。この開状態では、本体541に保持された潤滑剤GRが潤滑剤供給部54から流出し、定着ベルト51の内周面511に付着することとなる。図3Aおよび図3Bでは、本体541が、X軸方向に延在する一のスリット541Kを有する場合を示しているが、本技術では、スリット541Kを、X軸方向にならぶように離散的に複数設けるようにしてもよい。これらの本体541に設けられたスリット541Kおよびシャッタ542に設けられたスリット542Kは、いずれも、切り欠き(cut out)および開口(aperture)を含む概念である。なお、スリット541Kおよびスリット542Kが、本発明の「導通路」に対応する一具体例である。また、係合部543の外周面には、例えば後述のギヤ592のギヤ歯面592Aと係合するギヤ歯面543Aと、ギヤ歯面592Aから離れる平坦面543Kとが設けられている。なお、図4Aは閉状態における潤滑剤供給部54およびその近傍を表す断面模式図であり、図4Bは開状態における潤滑剤供給部54およびその近傍を表す断面模式図である。
ここで、定着ベルト51の回転方向(矢印R51の方向)において、スリット541Kから定着ベルト51の外周面512と加圧ローラ52との当接部(ニップ部NP)までの回転角は180°未満であるとよい。すなわち、潤滑剤供給部54から潤滑剤GRが流出することとなる位置は、定着ベルト51の回転方向における、ニップ部NPの直前にあることが望ましい。
なお、潤滑剤供給部54は、本発明の「潤滑剤供給部」に対応する一具体例である。潤滑剤供給部54は、定着ベルト51が取り囲む空間に設けられている。
ヒータ55は、定着ベルト51を加熱する例えば平板状の部材であり、定着制御部790により制御される発熱体を含んでいる。発熱体は、例えば電流の供給により発熱する抵抗線などである。ヒータ55は定着ベルト51の内周面511と対向するように配置されている。ヒータ55は、本発明の「加熱部材」に対応する一具体例である。
駆動部材59は、互いに係合する2つのギヤ591,592を有し、定着モータ793によって形成される駆動力を、加圧ローラ52と、シャッタ542との各々に伝達する部材である。加圧ローラ52には、矢印R52の方向へのそれ自身の回転を行うための駆動力が伝達される。加圧ローラ52のシャフト521の一端には、ギヤ592が固定されており、定着モータ793の駆動力がギヤ591とギヤ592とを介してシャフト521に伝達される。ギヤ592は、YZ面内において軸52Jを中心として矢印R592の方向(加圧ローラ52の回転方向と同じ方向)に回転するようになっている。一方、シャッタ542には、閉状態から開状態への移行を行うための駆動力が係合部543を介して伝達される。先に述べたように、係合部543の外周面はギヤ歯面543Aを含んでおり、そのギヤ歯面543Aがギヤ592のギヤ歯面592Aと係合するようになっている。このため、ギヤ592の矢印R592の方向への回転により、係合部543はシャッタ542と一体となって矢印R54の方向に回転することとなる。このように、駆動部材59は、シャッタ542の閉状態から開状態への移行と加圧ローラ52の回転とを連動して行うようになっている。なお、本実施の形態では、駆動部材59のギヤ592が、加圧ローラ52の回転軸でもある軸52Jを中心として回転するようにしたが、ギヤ592が軸52Jと異なる軸を中心として回転するようにしてもよい。ここで、ギヤ592は本発明の「第1の回転部分」に対応する一具体例であり、係合部543は本発明の「第2の回転部分」に対応する一具体例である。
また、係合部543は、ギヤ592の回転に伴って閉状態に対応した第1の位置P1から開状態に対応した第2の位置P2まで回転したのち、ギヤ592から離間して第2の位置P2で停止した状態を維持するようになっているとよい。これにより、潤滑剤供給部54による定着ベルト51の内周面511とヒータ55との隙間への潤滑剤GRの供給が連続して行われるからである。具体的には、係合部543は、ギヤ歯面543Aが設けられている範囲内において回転可能となっている。平坦面543Kはギヤ592のギヤ歯面592Aから離間する。このため、例えば閉状態においてギヤ歯面543Aのうちギヤ歯面592Aと当接していた箇所が第1の位置P1(図3A)から矢印R54の方向へ第2の位置P2(図3B)まで到達したのちは、定着モータ793の駆動力が係合部543には伝達されなくなる。その結果、スリット542Kがスリット541Kと重なり合った位置でシャッタ542が停止したままの状態となり、開状態が維持される。
[定着装置105の製造方法]
続いて、定着装置105の製造方法について、図2A〜図4に加えて図5A〜図5Dを参照して説明する。
続いて、定着装置105の製造方法について、図2A〜図4に加えて図5A〜図5Dを参照して説明する。
まず図5Aに示したように、ヒータ55が載置されたヒータ保持部材53と、潤滑剤供給部54と、フランジ56Rとを用意し、ヒータ保持部材53および潤滑剤供給部54の一端を、フランジ56Rの一端に装着する。その際、潤滑剤供給部54は、本体541の内部に潤滑剤GRが封止されるように、本体541のスリット541Kとシャッタ542のスリット542Kとが異なる位置にある閉状態(図3Aの状態)でフランジ56Rに装着する。また、この段階では、シャッタ542の他端には係合部543が取り付けられてはいない。次に、ヒータ保持部材53および潤滑剤供給部54の他端側から、ヒータ保持部材53、潤滑剤供給部54およびヒータ55を収容するように定着ベルト51を装着する。図5Bに、定着ベルト51を装着した段階における定着装置105の断面を示す。図5Bは、図5Aに示したVB−VB線に沿った矢視方向の断面図である。この段階では、本体541の内部に収容された潤滑剤GRは、シャッタ542により封止されている。
定着ベルト51を装着したのち、図5Cに示したように、ヒータ保持部材53および潤滑剤供給部54の他端にフランジ56Lを装着したのち、シャッタ542の他端に係合部543を取り付ける。以上により、ベルトアセンブリ60が完成する。
さらに、ベルトアセンブリ60をレバー部材57に取り付けたのち、図5Dに示したように、加圧ローラ52が支持された基部50に、レバー部材57を、シャフト57Pを介して取り付ける。この段階においても本体541の内部に収容された潤滑剤GRはシャッタ542により封止されているので、定着ベルト51の内周面511には潤滑剤GRが付着していない。また、加圧ローラ52のシャフト521の一端に、ギヤ592を取り付ける。
最後に、先端部50Sと先端部57Sとを繋ぐように付勢部材58を取り付けることにより、定着装置105が完成する。ここで付勢部材58を取り付けると、付勢部材58の付勢力により、レバー部材57に固定されたフランジ56およびヒータ保持部材53が加圧ローラ52へ向かう方向(−Y方向)へ付勢される。その結果、ヒータ保持部材53に設けられたヒータ55とフランジ56に回転可能に装着された定着ベルト51とが加圧ローラ52を−Y方向へ加圧し、ニップ部NPを形成することとなる。
[作用・効果]
(A.基本動作)
画像形成装置1では、以下のようにして、記録媒体に対してトナー像が転写される。
(A.基本動作)
画像形成装置1では、以下のようにして、記録媒体に対してトナー像が転写される。
具体的には、図1Aに示したように、まず、用紙カセット24に収納されている記録媒体が、給紙ローラ11によって最上部から1枚ずつピックアップされ、下流の媒体搬送部102の方向へ繰り出される。次いで、給紙ローラ11から繰り出された記録媒体は、媒体搬送部102により斜行が矯正されつつ下流の画像形成部103および転写部104へ搬送される。画像形成部103および転写部104では、以下のようにして、トナー像が記録媒体上に転写される。
起動状態の画像形成装置1に対してPCなどの外部機器からI/F制御部710を介して印刷画像データおよび印刷命令が印刷制御部700に入力されると、印刷制御部700は、印刷命令に応じて、画像形成駆動制御部780などと連携して印刷画像データの印刷動作を開始させる。
画像形成駆動制御部780は、駆動モータ781〜784を駆動し、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cを所定の方向に一定速度で回転させる。感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cが回転すると、その動力がギヤ列などの駆動伝達部を介して、トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9C、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cおよび帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cへそれぞれ伝達される。その結果、トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9C、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cおよび帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cは、それぞれ所定の方向に回転する。
一方、印刷制御部700からの指令により、帯電電圧制御部740が帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cに対し所定の電圧を印加し、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面を一様に帯電させる。
次いで、ヘッド駆動制御部750がLEDヘッド3K,3Y,3M,3Cを起動し、画像信号に基づく印刷画像に対応する光を感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cに照射して感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面に静電潜像を形成する。さらに、トナータンク7K,7Y,7M,7Cからトナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cへトナーを供給する。トナーは、トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cに担持され、トナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cの回転と共に現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの近傍に移動する。そこで、トナーは現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの電位とトナー供給用スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cの電位との電位差により例えば負に帯電し、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cへ供給される。現像ローラ6K,6Y,6M,6Cへ供給されたトナーは現像ブレード8K,8Y,8M,8Cにより所定の厚さに規制されたトナー層を形成する。
さらに、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面に形成された静電潜像に応じて、現像ローラ6K,6Y,6M,6C上のトナー層が現像されて感光体ドラム4K,4Y,4M,4C上にトナー像が形成される。そのトナー像は、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cと対向配置されると共に転写電圧制御部770により所定の電圧が印加された転写ローラ10K,10Y,10M,10Cとの間の電界によって記録媒体に転写される。
その後、定着装置105において、記録媒体上に転写されたトナー像に対し熱および圧力を付与し、そのトナー像を記録媒体上に定着させる。そののち、トナー像が定着された記録媒体は排出部106により外部へ排出される。なお、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cには、記録媒体へ転写されなかったトナーが僅かに残留する場合があるが、その残留したトナーは感光体ブレード26K,26Y,26M,26Cにより除去される。このため、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cは連続して使用できる。
(B.定着装置105の動作)
定着装置105では、印刷制御部700の指示に基づき、定着制御部790の制御により、トナー像の記録媒体上への定着処理がなされる。具体的には、定着制御部790の制御により、ヒータ55へ電流が供給されて定着ベルト51の加熱が行われると共に、定着モータ793が起動し、ギヤ591とギヤ592とを介してシャフト521に駆動力が伝達されて加圧ローラ52の回転が開始される。加圧ローラ52の回転に伴い、ニップ部NPにおいて当接する定着ベルト51も従動して回転を開始する。一方、駆動部材59のギヤ592の回転に伴い、潤滑剤供給部54の係合部543が矢印R54の方向に回転し、シャッタ542が図3Aの閉状態から図3Bの閉状態に移行する。その結果、本体541に保持された潤滑剤GRが潤滑剤供給部54から流出し、定着ベルト51の内周面511に付着することとなる。定着ベルト51の回転が開始されると、定着ベルト51の内周面511に付着した潤滑剤GRは、内周面511に沿って定着ベルト51の周回方向へ広がる。なお、スリット541Kおよびスリット542Kが幅方向に延在しているので、潤滑剤GRは幅方向にも広がる。定着ベルト51の回転がさらに継続されることにより、潤滑剤GRは、やがて内周面511の全体に亘ってほぼ均等の厚さで塗布される。その結果、潤滑剤GRが形成する薄い油膜の作用により、ヒータ55と定着ベルト51の内周面511との間に生じる摩擦力は低減される。よって、定着ベルト51のヒータ55に対する摺動性が向上し、定着ベルト51の回転が安定化する。
定着装置105では、印刷制御部700の指示に基づき、定着制御部790の制御により、トナー像の記録媒体上への定着処理がなされる。具体的には、定着制御部790の制御により、ヒータ55へ電流が供給されて定着ベルト51の加熱が行われると共に、定着モータ793が起動し、ギヤ591とギヤ592とを介してシャフト521に駆動力が伝達されて加圧ローラ52の回転が開始される。加圧ローラ52の回転に伴い、ニップ部NPにおいて当接する定着ベルト51も従動して回転を開始する。一方、駆動部材59のギヤ592の回転に伴い、潤滑剤供給部54の係合部543が矢印R54の方向に回転し、シャッタ542が図3Aの閉状態から図3Bの閉状態に移行する。その結果、本体541に保持された潤滑剤GRが潤滑剤供給部54から流出し、定着ベルト51の内周面511に付着することとなる。定着ベルト51の回転が開始されると、定着ベルト51の内周面511に付着した潤滑剤GRは、内周面511に沿って定着ベルト51の周回方向へ広がる。なお、スリット541Kおよびスリット542Kが幅方向に延在しているので、潤滑剤GRは幅方向にも広がる。定着ベルト51の回転がさらに継続されることにより、潤滑剤GRは、やがて内周面511の全体に亘ってほぼ均等の厚さで塗布される。その結果、潤滑剤GRが形成する薄い油膜の作用により、ヒータ55と定着ベルト51の内周面511との間に生じる摩擦力は低減される。よって、定着ベルト51のヒータ55に対する摺動性が向上し、定着ベルト51の回転が安定化する。
このように、定着装置105では、駆動部材59により、シャッタ542の閉状態から開状態への移行と加圧ローラ52の回転とが連動して行われる。
(C.効果)
このように、本実施の形態の定着装置105では、潤滑剤供給部54においてシャッタ542が閉状態から開状態へ移行することにより、本体541に保持された潤滑剤GRが定着ベルト51の内周面511とヒータ55との隙間に供給されるようになっている。すなわち、定着装置105は、その組み立て時において潤滑剤GRが露出しない構造であるから、取り扱いが容易である。具体的には、定着装置105では、その製造過程においては本体541に保持された潤滑剤GRがシャッタ542により封止されたまま維持されるので、フランジ56および定着ベルト51などを装着する段階などにおいて製造作業者等が潤滑剤GRを触れることがない。よって、優れた製造作業性が得られる。
このように、本実施の形態の定着装置105では、潤滑剤供給部54においてシャッタ542が閉状態から開状態へ移行することにより、本体541に保持された潤滑剤GRが定着ベルト51の内周面511とヒータ55との隙間に供給されるようになっている。すなわち、定着装置105は、その組み立て時において潤滑剤GRが露出しない構造であるから、取り扱いが容易である。具体的には、定着装置105では、その製造過程においては本体541に保持された潤滑剤GRがシャッタ542により封止されたまま維持されるので、フランジ56および定着ベルト51などを装着する段階などにおいて製造作業者等が潤滑剤GRを触れることがない。よって、優れた製造作業性が得られる。
さらに、定着装置105では、製造過程において潤滑剤GRが他の部材や製造作業者の手などに付着することで減量してしまうことがない。そのうえ、スリット542Kがスリット541Kと重なり合った位置でシャッタ542が停止したままの状態となり、開状態が維持されるようになっているので、その動作時において適切な量の潤滑剤がベルト部材の内周面と加熱部材との隙間に供給されることとなる。よって、定着ベルト51が円滑に回転するので、画像形成装置1では、より高品質の画像を長期に亘って実現することができる。
また、定着装置105では、定着ベルト51の回転方向において、スリット541Kから定着ベルト51の外周面512と加圧ローラ52との当接部(ニップ部NP)までの回転角を180°未満とすることで、すなわち、潤滑剤供給部54から潤滑剤GRが流出することとなる位置を、定着ベルト51の回転方向における、ニップ部NPの直前に配置することで、最も摩擦力が高くなるニップ部NPにおいて、ヒータ55に対する定着ベルト51の摺動性を効果的に高めることができる。
また、定着装置105では、駆動部材59により、シャッタ542の閉状態から開状態への移行と加圧ローラ52の回転とが連動して行われるようになっており、よりいっそうの構成の簡素化を実現している。
<2.変形例>
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、カラー画像を形成する画像形成装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば黒色のトナー像のみを転写し、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよい。また、上記実施の形態では、1次転写方式(直接転写方式)の画像形成装置について説明したが、本発明は2次転写方式にも適用されうる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、カラー画像を形成する画像形成装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば黒色のトナー像のみを転写し、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよい。また、上記実施の形態では、1次転写方式(直接転写方式)の画像形成装置について説明したが、本発明は2次転写方式にも適用されうる。
また、上記実施の形態では、潤滑剤GRとしてゲル状のグリスを用いるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば液体状のシリコーンオイルを吸収材(布など)に染み込ませたものをヒータ保持部材53と潤滑剤供給部54との間に保持するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、定着ベルト51と共にニップ部NPを形成する回転部材として加圧ローラ52を用いるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば定着ベルト51と類似したベルト部材をローラ等で張架したものを回転部材として用いるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、駆動部材59により、シャッタ542の閉状態から開状態への移行と加圧ローラ52の回転とを連動して行うようにしたが、本発明では、各々を個別に行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、本発明の「導通路」の一部に対応する一具体例として、スリット541Kを例示して説明するようにしたが、その形状は特に限定されるものではない。例えば略円形状の開口や略正方形状の開口、半円状の切り欠きなどであってもよい。また、その形状は幾何学的形状のものに限定されない。また、上記実施の形態では、本発明の「導通路」の一部に対応する一具体例を構成するものとして、スリット542Kを有する円筒状のシャッタ542を設けるようにしたが、本発明の「導通路」はこれに限定されるものではない。例えば導通路のうちの本体に設けられた部分の形状に応じて種々の形状のシャッタを用いることができる。また、上記実施の形態においては、本体541およびシャッタ542の双方に開口または切り欠きがある場合を説明したが、本発明の「導通部」はこれに限定されず、何らかの開閉可能な導通路が形成されるものであればよい。
また、上記実施の形態では、定着装置105における熱源として、抵抗線などの発熱体を含む板状のヒータ55を用いるようにしたが、本発明では、ヒータ55の代わりに、例えばハロゲンランプを熱源として用いてもよい。また、ニップ部NPを形成するにあたり、定着ベルト51の内周面511を付勢する加圧パッドをさらに備えるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、露光装置として発光ダイオードを光源とするLEDヘッドを用いるようにしたが、例えばレーザ素子等を光源とした露光装置を用いてもよい。
さらに、上記実施の形態等では、本発明における「画像形成装置」の一具体例として、印刷機能を有する画像形成装置について説明したが、これには限られない。すなわち、そのような印刷機能に加え、例えば、スキャン機能やファックス機能を有する複合機として機能する画像形成装置においても、本発明を適用することが可能である。
1…画像形成装置、100…筐体、101…給紙部、102…媒体搬送部、103…画像形成部、104…転写部、105…定着装置、106…排出部、2K,2Y,2M,2C…画像形成ユニット、3K,3Y,3M,3C…LEDヘッド、4K,4Y,4M,4C…感光体ドラム、5K,5Y,5M,5C…帯電ローラ、6K,6Y,6M,6C…現像ローラ、7K,7Y,7M,7C…トナータンク、8K,8Y,8M,8C…現像ブレード、9K,9Y,9M,9C…トナー供給用スポンジローラ、10K,10Y,10M,10C…転写ローラ、11…給紙ローラ、12,13…位置センサ、14,15…搬送ローラ、16…従動ローラ、17…駆動ローラ、18…搬送ベルト、24…用紙カセット、26K,26Y,26M,26C…感光体ブレード、50…基部、51…定着ベルト、511…内周面、512…外周面、51J…軸、52…加圧ローラ、53…ヒータ保持部材、54…潤滑剤供給部、541…本体、541K…スリット、542…シャッタ、542K…スリット、543…係合部、55…ヒータ、56…フランジ、57…レバー部材、58…付勢部材、59…駆動部材、591,592…ギヤ、700…印刷制御部、701…操作部、702…センサ群、710…I/F制御部、720…受信メモリ、730…画像データ編集メモリ、740…帯電電圧制御部、750…ヘッド駆動制御部、760…現像電圧制御部、770…転写電圧制御部、780…画像形成駆動制御部、790…定着制御部、800…搬送ベルト駆動制御部、810…給紙・搬送駆動制御部。
Claims (12)
- 内周面および外周面を有する管状をなし、回転可能に設けられたベルト部材と、
前記ベルト部材の前記内周面と対向するように配置された加熱部材と、
潤滑剤を保持する本体と、開閉可能な導通路とを有する潤滑剤供給部と、
前記ベルト部材の前記外周面と当接可能に設けられると共に回転可能に設けられた回転部材と
を備えた定着装置。 - 前記潤滑剤供給部は、前記導通路を開閉可能とするシャッタをさらに有する
請求項1記載の定着装置。 - 前記シャッタの開閉に要する駆動力を前記シャッタに付与し、前記回転部材の回転を行う駆動力を前記回転部材に付与する駆動部材をさらに備えた
請求項2記載の定着装置。 - 前記駆動部材は、前記シャッタの前記開閉と前記回転部材の回転とを連動して行う
請求項3記載の定着装置。 - 前記駆動部材は、第1の回転部分を有し、
前記潤滑剤供給部は、前記駆動部材における前記第1の回転部分と係合し、前記第1の回転部分の回転に伴って前記シャッタと共に回転する第2の回転部分をさらに有する
請求項3または請求項4に記載の定着装置。 - 前記第2の回転部分は、前記第1の回転部分の回転に伴って前記シャッタの閉状態に対応した第1の位置から前記シャッタの開状態に対応した第2の位置まで回転したのち、前記第1の回転部分から離間して前記第2の位置で停止した状態を維持するようになっている
請求項5記載の定着装置。 - 前記回転部材の回転軸と、前記駆動部材における前記第1の回転部分の回転軸とが一致している
請求項5または請求項6に記載の定着装置。 - 前記加熱部材と前記回転部材とは、前記ベルト部材を挟んで対向配置されている
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記潤滑剤供給部は前記ベルト部材が取り囲む空間に設けられている
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記ベルト部材の回転方向において、前記導通路から前記ベルト部材の前記外周面と前記回転部材との当接部までの回転角は180°未満である
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記導通路は前記ベルト部材の回転軸に沿って延在しており、または複数の前記導通路は前記ベルト部材の回転軸に沿って離散的に配置されている
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の定着装置。 - 請求項1から請求項11のうちのいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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