JP2018087776A - 酵素センサー - Google Patents

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Abstract

【課題】大気中の有害物質であるアセトアルデヒドを簡易な構成でパッシブ法で定量することを目的とする。【解決手段】スルーポア及びメソポアを備えた一体型多孔質体で構成された保持体を備え、前記保持体にアセトアルデヒド酸化還元酵素及びアセトアルデヒドの酵素反応により生じた物質と反応して発色する発色反応剤が保持されていると共に、前記スルーポア及び前記メソポアに水が保持されていることを特徴とするアセトアルデヒドセンサー。【選択図】 図2

Description

本発明は、大気中の有害物質のアセトアルデヒドを多孔質の保持体に捕集し、保持体に保持されている酵素の反応により、微量な大気中有害物質のアセトアルデヒドを定量検出するセンサーに関する。
大気中有害物質は、体内に直接取り込まれてしまうために、大気汚染防止法、悪臭防止法等で法的にも規制されている。特に微量でも人体への影響が大きいアルデヒド類は、シックハウス症候群の原因物質であり、室内濃度等が厳しく規制されている。そのため、それらの有害物質を除去する方法やパッシブ方法によるモニタリング方法並びにそれらの方法を実施する装置等も提案されて製品化されている。
大気中有害物質の浄化方法の技術としては、ジルコニウム、鉄、セリウムの酸化物又はそれらをシリカ、アルミナ、ゼオライト、酸化チタン、コージェライト、セピオライト又は活性炭の担体にコーティングした触媒を構成し、それらの触媒と空気を接触させることで、ホルムアルデヒド等の環境負荷物質を除去し常温浄化する方法(特許文献1)や、ホルムアルデヒド酸化還元酵素を活性炭で構成した担体表面に固定化したフィルターに空気を通すことで、ホルムアルデヒドを分解する方法(特許文献2)等、種々検討され実用化もされている。
しかし、それらの方法は大気中有害物質を分解除去出来ても、大気中にどのくらい存在するかを定量することは出来ない。従って、大気中有害物質の分解除去の効果を確かめるためには、別の方法で大気中有害物質を検出する必要性がある。
又、大気中有害物質のモニタリングの技術としては、アガロースやポリアクリルアミド等の水分吸湿性ゲルに酵素を固定化し、呼気エタノールによって流れる電流を検出するガス測定用バイオセンサー等酵素を用いたガスの検出方法が提案されている(特許文献3)。
又、室内のホルムアルデヒドを、湿潤環境下で、酵素分解による発色により検出、測定するパッシブ型放散フラックスサンプラーも提案されている(特許文献4、特許文献5、特許文献6)。これらのサンプラー、即ちセンサーは、酵素反応を利用した発色を用いてホルムアルデヒドを検出、測定しているが、アセトアルデヒドに対しては感度が乏しく、夾雑成分の影響も受け易い。又、これらのセンサーは、酵素を付加する基材に紙を使用している。このため、サンプラーに保水機構を備えていない場合、サンプリング時間の経過に伴い、サンプラーから水分が大気に気散し、酵素活動の低下による反応阻害を起こすことがある。そこで、サンプラーの基材に酵素活動のための水を供給するための、保水紙を備える保水機構を別途に有している。
又、複数の細孔を有する担体の細孔内に反応物質を固定し、色素と共にゲル体に保持させて構成したホルムアルデヒドのセンサーも知られている(特許文献7、特許文献8)。このセンサーは、担体のメソ孔に酵素を固定化したものであるため、メソ孔に保水させることが出来ず、大気をサンプリングすることを目的とした場合、メソ孔とは別の構成の保水機構を備えていないと、サンプリング時間の経過に伴い、サンプラーから水分が大気に気散し、酵素活動の低下による反応阻害を起こすことが考えられる。そこで、ゲル体に水を含有させている。
更に、ゾルーゲル反応を用いて作成し、600℃〜1200℃に焼成した多孔性シリカ連続体を複数の層に形成し、色素が反応する検出領域と水分保持領域を別途に設けたセンサーも提案されている(特許文献9、特許文献10)。しかし、このセンサーは、ガスセンサーであり、ポンプで測定ガスを送り、酵素反応を利用して大気を検知する方法であり、簡易センサーを目的とした利用に関しては、ポンプ等の装置が必要であって構造が複雑であるため、適してはいない。又、600℃〜1200℃に焼成した多孔性シリカ連続体は、スルーポアの孔内に細孔であるメソポアは存在しないので、多孔性シリカ連続体以外に保水機構を備えていないと色素が充分に反応しない。そこで、多孔性シリカ連続体以外に水分保持領域を設けている。
又、ホルムアルデヒドが酵素反応を行う際には水が必要となるため、図17に示すように、ろ紙等に酵素を付加した酵素センサー(ホルムアルデヒド検知試験紙)92では、ろ紙の水分を保持するため保水紙等の保水材91をセンサー構造体90に組み込み酵素センサー(ホルムアルデヒド検知試験紙)92の水分を維持していた(非特許文献1)。
又、特許文献9の技術を概念的に示した図18に示すように、モノリス構造体94を用いて、ホルムアルデヒドを含む検体ガスを通気して、LED光源95等によりモノリス構造体94に光を当ててホトセンサー96により検出する方法もあるが、この場合でも、低濃度検出では、保水材97をモノリス構造体94の上流側に設置する構成(図18(a))や、適宜モノリス構造体94の上流側の水分保持領域99に保水液を滴下する構成(図18(b))が採用されている。
特許第3799945号公報 特開2001−340436号公報 特許第2838484号公報 特許第3839039号公報 特許第4080512号公報 特開2006−126131号公報 特許第5284871号公報 特許第5366655号公報 特開2014−6132号公報 特開2016−8820号公報
「比色型簡易ホルムアルデヒド放散量測定器(CPFS)の開発」 篠原直秀他、室内環境学会 2004 要旨集
上記のように、ホルムアルデヒドをターゲットとした簡易的なセンサーは種々提案されている。それに対して、アセトアルデヒドの分析は、DNPHカートリッジ固相を用いてアクティブ濃縮分析が広く行われている。これは、アセトアルデヒドの室内濃度指針値は48μg/mであり、公開されているホルムアルデヒドの室内濃度指針値は100μg/mであるので、アセトアルデヒドの場合にはホルムアルデヒドに対して、半分以下の低濃度の検出が必要で、分析がし難くなるためである。
しかし、このDNPHカートリッジ固相を用いたアクティブ濃縮分析方法は、バックに採取した雰囲気ガスや大気等を直接DNPHカートリッジへ流し、大気中のアセトアルデヒドを濃縮し、クロマト分析を行なう方法であり、装置的に大型で複雑であるので、アセトアルデヒドを簡易的にモニタリングする要求が高くなっている。
尚、従来技術の検出対象ガスは、水への溶解度が高いホルムアルデヒドガスであり、対象となる気体と保水材や水分保持領域などが接触して、水分を含んだホルムアルデヒドガスが酵素反応を起こし、ホルムアルデヒドを検出する構成になっている。しかし、後述するように、アセトアルデヒドは、ホルムアルデヒドに比べて、水への溶解度が低く、センサーや酵素との馴染みが悪くなるので、これらの方法は採用できなかった。
又、酵素反応を利用したホルムアルデヒドを検出する従来技術では、測定する前に、酵素を付加した基材以外の保水紙に水を添加して使用したり、通気上流側に水分保持領域を構成し、そこに水分を適宜滴下したり、検出体以外に予め水を添加した保水材を設置する等、センサー部分以外に保水構造部を別に持たせていた。そのため装置が複雑な構成となっていた。
更に、センサー部分の水分が揮発しないような種々な構成が検討がされているが、従来の装置や方法を用いる場合、一定時間放置して測定するパッシブ法では、ホルムアルデヒドの検出に影響を与えないように水分の揮発を抑えるには限界があり、逆に水分の供給が多過ぎると酵素が失活して酵素反応を利用することが出来ず、ホルムアルデヒドの検出が出来ないという問題点があった。
特に、引用文献9及び10に記載のホルムアルデヒドセンサーにおいては、アクティブ法が用いられ、検知対象物質が上流側から下流側に強制的に送られるため、又、ホルムアルデヒドは水への溶解度が高いので、上流側に水が存在しても下流側にホルムアルデヒドが送られて反応領域で酵素と反応することが可能であった。しかし、パッシブ法では、検知対象物質が反応領域へ強制的には送られないので、センサーの反応領域の前でアセトアルデヒドが接触する部分に水が存在すると、ホルムアルデヒドに比べて水への溶解度が低いアセトアルデヒドはセンサーの反応領域に達することが出来ず、アセトアルデヒドの検出が出来ないという問題点が顕著であった。
尚、これまで報告されているホルムアルデヒドのガスの溶解度を表すヘンリー定数は3500mol/L/atom(12℃)であるが、アセトアルデヒドは11.5mol/L/atom(12℃)であり、アセトアルデヒドはホルムアルデヒドに比べて水に対する溶解度が大幅に低い(大気汚染学会誌J.Japan Soc.Air Pollut.18(6)491〜495(1983))。
従って、従来から行なわれているホルムアルデヒドの検知と異なり、センサー部分以外に保水体等の保水構造部を別に設ける又はセンサーの反応領域の上流に水分保持領域を別に設ける従来の技術では、センサー部分の外表面又はセンサーの反応領域の外縁に水が供給され、アセトアルデヒドがセンサー部分との接触面にある水分のためセンサー部分と十分馴染まず、微量のアセトアルデヒドを再現良く検知することが出来なかった。
そこで、本発明は、大気中の有害物質であるアセトアルデヒドを簡易的に定量することを目的の1つとする。又、大気中の有害物質であるアセトアルデヒドを簡易な構成でパッシブ法で定量することを目的の1つとする。又、センサー部分以外に保水構造部を別に持たず、又はセンサーの反応領域の上流に水分保持領域を持たず、アセトアルデヒドを簡易な構成でパッシブ法で定量することを目的の1つとする。又、大気とセンサー部分との接触面が大気を十分に捕集することが可能な大きな表面積を持ち、定量性ある簡易なセンサーを提供することを目的の1つとする。
以上のような課題を解決するための手段としての本発明は、スルーポア及びメソポアを備えた一体型多孔質体で構成された保持体を備え、前記保持体にアセトアルデヒド酸化還元酵素及びアセトアルデヒドの酵素反応により生じた物質と反応して発色する発色反応剤が保持されていると共に、前記スルーポア及び前記メソポアに水が保持されていることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーである。
又、スルーポア及びメソポアを備えた一体型多孔質体で構成された保持体を備え、前記保持体の表面にアセトアルデヒド酸化還元酵素及びアセトアルデヒドと前記アセトアルデヒド酸化還元酵素との反応により生じた物質と反応して発色する発色反応剤が保持されていると共に、前記スルーポア及び前記メソポアに水が保持されていることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーである。
又、上記アセトアルデヒドセンサーであって、前記保持体は、モノリス多孔質体又はガラス多孔質体を含むセラミック多孔質体であることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーである。
又、上記アセトアルデヒドセンサーであって、前記保持体は、300℃以上600℃未満で焼成されて形成されたモノリス多孔質体又はアルカリ処理が施されたセラミック多孔質体であることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーである。
又、上記アセトアルデヒドセンサーであって、前記保持体は、スルーポアの径が1μm〜100μm、メソポアの径が0.001μm〜0.05μmであることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーである。
又、上記アセトアルデヒドセンサーであって、前記保持体の前記スルーポア及び前記メソポアの表面が親水性であることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーである。
又、上記アセトアルデヒドセンサーであって、前記保持体に、親水性基が保持体のシラノールに結合されて導入される化学処理が施されていることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーである。
又、上記アセトアルデヒドセンサーであって、前記保持体は、体積基準保水率80%以上を、10分以上維持することが出来る保持体であることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーである。
又、上記アセトアルデヒドセンサーであって、前記保持体の上部のスルーポア及びメソポア内に酵素及び発色反応物質が濃縮されて保持されていることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーである。
又、上部開口の凹部を備えたホルダーと上記いずれかに記載のアセトアルデヒドセンサーを備え、前記凹部に前記アセトアルデヒドセンサーが設置されていることを特徴とするパッシブ型アセトアルデヒドセンサーである。
又、上記パッシブ型アセトアルデヒドセンサーであって、前記凹部を覆う蓋部を備え、ガスバリア性を備えることを特徴とするパッシブ型アセトアルデヒドセンサーである。
又、上記パッシブ型アセトアルデヒドセンサーであって、前記凹部には、液溜め空間がアセトアルデヒドセンサーに隣接して設けられていることを特徴とするパッシブ型アセトアルデヒドセンサーである。
又、スルーポア及びメソポアを備えた一体型多孔質体で構成された保持体に、アセトアルデヒド酸化還元酵素及びアセトアルデヒドの酵素反応により生じた物質と反応して発色する発色反応剤を付加して、前記スルーポア及び前記メソポア内に供給し、前記スルーポア及び前記メソポア内に水を保持させることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーの製造方法である。
又、上記アセトアルデヒドセンサーの製造方法であって、前記保持体は、300℃以上600℃未満で焼成して形成したモノリス多孔質体又はアルカリ処理を施したセラミック多孔質体であることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーの製造方法である。
又、上記アセトアルデヒドセンサーの製造方法であって、前記保持体に親水性処理を施したことを特徴とするアセトアルデヒドセンサーの製造方法である。
又、上記アセトアルデヒドセンサーの製造方法であって、酵素反応溶液及び発色反応溶液は、前記保持体の上面から供給して下面から過剰分を排出させて、保持体の上部のスルーポア及びメソポア内に酵素及び発色反応物質を濃縮させて保持させることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーの製造方法である。
又、上記アセトアルデヒドセンサーの製造方法であって、アセトアルデヒドセンサーの使用の直前に、前記保持体に酵素反応溶液及び発色反応溶液を付加することを特徴とするアセトアルデヒドセンサーの製造方法である。
又、上記アセトアルデヒドセンサーの製造方法であって、アセトアルデヒドセンサーの使用の直前に、予め酵素反応溶液を付加している前記保持体に発色反応溶液を付加することを特徴とするアセトアルデヒドセンサーの製造方法である。
又、スルーポア及びメソポアを備えた一体型多孔質体で構成された保持体を備え、前記保持体にアセトアルデヒド酸化還元酵素及びアセトアルデヒドの酵素反応により生じた物質と反応して発色する発色反応剤が保持されると共に、前記スルーポア及び前記メソポアに水が保持されていることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーを大気中に暴露することを特徴とするアセトアルデヒドを検出する方法である。
以上のような本発明によれば、大気中の有害物質であるアセトアルデヒドを簡易的に定量することが可能となった。又、大気中の有害物質であるアセトアルデヒドを簡易な構成でパッシブ法で定量することが可能となった。又、センサー部分以外に保水構造部を別に持たず、又はセンサーの反応領域の上流に水分保持領域を持たず、アセトアルデヒドを簡易な構成でパッシブ法で定量することが可能となった。又、センサーの外表面に水が存在せず、アセトアルデヒドとセンサー部分との接触面に水分が存在しないため、アセトアルデヒドがセンサー部分と十分馴染み、微量のアセトアルデヒドを再現良く検知することが出来、大気とセンサー部分との接触面が大気を十分に捕集することが可能な大きな表面積を持ち、定量性ある簡易なセンサーを提供することが可能となった。
アセトアルデヒドの反応形態を示す図 本発明パッシブ型アセトアルデヒドセンサー一実施例概念図 本発明パッシブ型アセトアルデヒドセンサー一実施例概念図 本発明パッシブ型アセトアルデヒドセンサー一実施例概念図 アセトアルデヒドセンサーの発色時とブランクの写真 センサー放置時間に対する水分量変化を示すグラフ図 本発明パッシブ型アセトアルデヒドセンサーの発色の変化を示す写真 本発明パッシブ型アセトアルデヒドセンサーの発色の変化を示す写真 本発明パッシブ型アセトアルデヒドセンサーの発色の変化を示す写真 本発明パッシブ型アセトアルデヒドセンサーの発色の変化を示す写真 本発明パッシブ型アセトアルデヒドセンサーの発色の変化を示す写真 本発明パッシブ型アセトアルデヒドセンサー一実施例概念図 本発明パッシブ型アセトアルデヒドセンサーの発色の変化を示す写真 保管による発色強度の経時変化を示すグラフ図 本発明パッシブ型アセトアルデヒドセンサー一実施例概念図 アセトアルデヒドセンサーの発色の変化を示す写真 従来の酵素センサーの概念図 従来の酵素センサーの概念図
以下本発明の実施の形態を図を参照して説明する。本発明は、スルーポア及びメソポアを備えた一体型多孔質体で構成された保持体にアセトアルデヒド酸化還元酵素及びアセトアルデヒドの酵素反応、即ちアセトアルデヒドとアセトアルデヒド酸化還元酵素との酵素反応により生じた物質と反応して発色する発色反応剤が保持されていると共に、前記スルーポア及び前記メソポアに水が保持されていることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーである。
大気中の微量なアセトアルデヒドの検出は、アセトアルデヒド脱水素酵素やアセトアルデヒド酸化酵素等のアセトアルデヒド酸化還元酵素(以下、単に「酵素」という。)を用いた触媒反応を利用し、アセトアルデヒドを酸化させる酵素反応を利用し、NAD又はNADPを電子受容体としてアセトアルデヒドを検出する方法により実現することが出来る。尚、酵素としてはアルデヒドデヒドロゲナーゼ (NAD)、アルデヒドデヒドロゲナーゼ (NADH)、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(NAD(P))、アルデヒド脱水素酵素スーパーファミリー、アセトアルデヒド脱水素酵素等を用いることが出来る。
アセトアルデヒド脱水素酵素の反応形態を図1に示す。アセトアルデヒドを酵素、例えばアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)により、酢酸に変化させる。その結果、溶液中に含まれるニコチンアミドアデニンジヌクレチド酸化型(NAD)がニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型(NADH)に変化する。この際260nmの紫外吸収に加えて、340nmの紫外吸収を有するようになる。この340nm吸収をモニターすることで、アセトアルデヒドの検知を行なうことが出来る。
大気中のアセトアルデヒドを簡易に検知し定量するためには、アセトアルデヒドの存在を可視化する必要があるため、アセトアルデヒドの酵素反応の2次反応を利用する。詳しくは、アセトアルデヒドとアセトアルデヒド酸化還元酵素との酵素反応により生じる物質NADH、言い換えれば酵素によってNADから変換されたNADHは、ジアホラーゼの触媒反応によりテトラゾリウム塩を還元し、ホルマザン色素を形成して発色することにより、アセトアルデヒドを可視化することが出来、アセトアルデヒドを検知、定量することが出来る。
又、大気中の微量なアセトアルデヒドの検知及び定量には、一定時間静置して捕集するパッシブ法が簡単で使用し易いので、好ましい。そして、パッシブ法において、大気中の微量なアセトアルデヒドを検知し定量するためには、アセトアルデヒドを捕集しかつ酵素反応及び発色反応により発色させて定量することが好ましい。従って、アセトアルデヒドを保持して酵素反応及び発色反応をさせる場を提供する基材、即ち保持体の構成が重要であり、又、検知方法の検討が必要である。
このような保持体としては、活性炭、水分湿潤ゲル、紙製のフィルター、シリカゲル粒子、一体型多孔質体等が考えられる。そして、一体型多孔質体としては、モノリス多孔質体、ガラス多孔質体、セラミック多孔質体がある。
しかし、活性炭は、パッシブ法で有機成分を捕集するためには保持体に大きな表面積が必要であるので除去には適しているが、活性炭自身の活性が強いのでアセトアルデヒドを検出させる反応の場としては適していない。又、水分湿潤ゲルはやわらくそれ自体で固体に出来ないので、簡易モニタリング用としては適していない。又、パッシブ型サンプラーに用いられる紙製のフィルターは、表面積が小さく検出には適していない。又、触媒の担体として用いられるシリカゲル粒子は、表面積が大きく活性炭に比べて活性が無いので、アセトアルデヒドを検出させる反応の場としては適している。しかし、粒子や粒子を固めたフィルター等では、空気が通る部分が小さくパッシブ用担体としては大気との接触面積が小さいので適していない。
そこで、保持体としては、静置パッシブ法においても、大気中の微量アセトアルデヒドを水分の影響無しにその表面に保持することが出来、かつ、酵素反応が生じるだけの水分をその内部に蓄えることが出来る保持体を用いることが好ましい。このような保持体としては、骨格が3次元的に繋がっており、保持体の内部にアセトアルデヒドを含んだ大気を拡散させることが出来、かつ反応を推進する水分を含ませ、蓄えることが出来るスルーポア及びメソポアを持ち、センサーとして簡単に設置出来る脆くなく剛性のある多孔質体が適している。
このように酵素反応には水分が必要であり、更に、発色反応は、水分を用いて行われる酵素反応を用いた二次反応であるので、発色反応をするためには水分が必要である。
そして、酵素反応及び発色反応が行われるためには、例えば体積13μLの多孔質体に対して、10μL以上即ち10mg以上の水分がある必要がある。又、発色具合は、10分程度で安定化するので、アセトアルデヒドを簡易測定するためには、最低10分間は、保持体に発色反応をすることが出来る水分量を保持する必要がある。即ち、保持体は、体積基準保水率80%以上を、発色反応を確認出来る10分以上維持することが出来る保持体であることが要求される。
このような保持体としては、具体的には、スルーポア及びメソポアを備えた一体型多孔質体である、モノリス多孔質体、ガラス多孔質体、セラミック多孔質体が適している。これらの一体型多孔質体は、大気中のアセトアルデヒドを保持して定量し可視化することが出来るセンサーを構成することが出来る。又、保持体のスルーポア及びメソポア内に水分を溜めることで、酵素反応及び発色反応に必要な水分を蓄えて、反応時に供給している。
モノリス多孔質体とは、三次元網目構造の連続し且つ相互に連通する貫通孔である、スルーポアを有した、単一の構造物である多孔質体である。モノリス多孔質体としては、貫通孔が連続的かつ規則正しく三次元網目構造を形成しているものが好ましいが、これに限定されない。貫通孔(スルーポア)は相互に連通し、モノリス多孔質体の上端から下端まで貫通した構造である。尚、貫通孔はモノリス多孔質体の軸と直行する方向の断面が円形又はそれに近いものが好ましい。又、貫通孔(スルーポア)内に貫通孔より小径であって貫通孔間に連通する又は連通しない細孔である、メソポアを有する構造とすることも出来る。ガラス多孔質体及びセラミック多孔質体も原料及び製造方法が異なるが、モノリス多孔質体と同様の構造を有する多孔質体である。
モノリス多孔質体の合成方法は、ゾルーゲル法等の一般的に知られている方法を用いることが出来る。具体的には、ゾルーゲル法で作成する場合、テトラエトキシシランを、ポリエチレングリコールポリマー(PEO)を含む酸性水溶液中で高分子化しゾル溶液を得る。そのゾル溶液を、円筒状、例えば内径8mm、長さ50cmのポリカーネートパイプに注ぎ密栓をして20時間インキュベーションする。円柱状のモノリスゾル体、例えば外径5mm、長さ40cmのモノリスゾル体を得ることが出来る。アンモニア水溶液に、ゲル内溶液を完全に置換した後、インキュベーションしメソポアを作成し、メタノールで洗浄しモノリス多孔質体を得る。その後、例えば厚み1mm〜2mmに切断し、本発明の保持体として用いることが出来る。
PEO濃度を、1%〜20%に変化させることで、モノリス多孔質体のスルーポアの径を0.1μm〜200μmまで変化させることが出来る。しかし、スルーポアの径が1μm未満では、大気がモノリス多孔質体の骨格内に入り込まないので本発明には適していなく、又、スルーポアの径が100μmより大きいと多孔質体が軟らかくなり本発明の保持体としては適さないので、モノリス多孔質体のスルーポアの径は1μm〜100μmが適している。
アンモニア水溶液の濃度を、0.01%〜1%に変化させることで、モノリス多孔質体のメソポアの径を0.0001μm〜0.2μmまで変化させることが出来る。メソポアの径0.001μm未満では、水分が保持出来ず本発明には利用出来ず、メソポアの径0.05μmより大きくては、非常に脆く、従来の水分吸湿性ゲルと同じになってしまい、基板上に貼りつける等の工夫が必要となる等、簡易センサーを構成することは出来ないので、モノリス多孔質体のメソポアの径は0.001μm〜0.05μmが適している。
従って、本発明用の保持体としては、気体が入り込むと共に試料成分及び水分を保持するスルーポアの径が1μm〜100μm、水分を保持するメソポアの径が0.001μm〜0.05μmである一体型多孔質体が適している。
多孔質の保持体内部に酵素反応溶液や発色反応溶液等の反応溶液を添加すると、反応試薬である酵素及び発色試薬の殆どは保持体の表面近くに保持され、水は、まずは入り込み易いスルーポアの空間に入り、次に、メソポア内に入る。逆に、放置すると比較的大きいスルーポアの空間における水分から減少し、メソポア内の水分は、長時間保持される。スルーポアやメソポアの表面が親水性でなければ、水を弾いてしまい、スルーポアやメソポアの空間に水を保持することは困難となり、更に、反応溶液を添加した瞬間は反応溶液がスルーポアやメソポアの空間を満たしたとしても、反応溶液はすぐに弾かれ、保持されずに、反応溶液はすぐに減っていく。従って、スルーポア及びメソポアの表面は親水性であることが好ましい。
ゾルーゲル法で作成するモノリス多孔質体では、焼成温度を調整することで親水性にすることが出来る。又、無機ガラスの溶融分相等から作成されるガラス多孔質体等のセラミック多孔質体では、アルカリ処理等の表面処理を行うことで親水性にすることが出来る。更に、モノリス多孔質体及びセラミック多孔質体は、親水性基をシラノールに結合させて導入する化学処理を施して親水性処理をすることが出来る。そして、親水性を備える多孔質体に保持される最大水分量は、スルーポアの空間とメソポアの空間の体積の合計になる。
モノリス多孔質体は、酵素反応に必要な時間内、酵素反応に必要な水分をスルーポア及びメソポア内に蓄えることが出来、かつ骨格の中又は/及び表面に十分なシラノールを有して、アセトアルデヒドを保持することが出来るように作成される。そして、モノリス多孔質体は、前述のようにゾル−ゲル法で作成することが出来るが、焼成温度を調整することで、親水性以外にアセトアルデヒドを保持することが出来る所定のモノリス多孔質体とすることが出来る。
即ち、モノリス多孔質体はテトラメトキシシラン等の金属アルコキシドやトリメトキシシラン等の反応性有機モノマー等を単独、又は、混合して用いて、部分的に加水分解して、重縮合してコロイド状オリゴマーを作り(ゾルの生成)、更に加水分解して重合と架橋を促進させ、三次元構造網目を作ることで合成される(ゲルの生成)。そして、最後に焼成して、完全にゲル化して固めるが、焼成温度が300℃以上あれば、ゲル化は完了する。ゲル化が完了していれば、融着等の熱でも変性することが無く、センサー構造体への固定は簡単になる。
保持体にアセトアルデヒドを保持させるためには、シラノールをモノリス多孔質体の外表面及び内表面に持たすことが好ましい。特に、保持体外表面のうちの上面、内表面のうちのスルーポア開口部分に持たすことが好ましい。そして、ゾルーゲル法でモノリス多孔質体を形成する場合の焼成工程において、アセトアルデヒドを保持させるためのシラノールをモノリス多孔質体の外表面及び内表面に持たすためには、焼成温度を800℃未満とすることが好ましい。800℃以上で焼成すると、シラノールがシロキサンになってしまうからであり、その結果、活性が無くなりアセトアルデヒドを保持出来なくなるからである。
又、保持体の内部に水を保持させるためには、シラノールをモノリス多孔質体の内表面のうちのスルーポア開口部分に持たすことが好ましい。更には、シラノールをモノリス多孔質体の外表面に持たすことが好ましい。そして、ゾルーゲル法でモノリス多孔質体を形成する場合の焼成工程において、水分を保持させるためのシラノールをモノリス多孔質体の外表面及び内表面に持たすためには、上記の理由から焼成温度を800℃未満とすることが好ましい。更には、焼成温度を600℃未満とすることが好ましい。焼成温度を600℃以上とすると、モノリス多孔質体に親水性メソポアが形成され難くなるからである。従って、モノリス多孔質体は、300℃以上、600℃未満で焼成したゾルーゲル法で作成したモノリス多孔質体が好適である。
ガラス多孔質体等のセラミック多孔質体も従来方法で作成することが出来る。ガラス多孔質体は、これに限定されないが、例えば、けい砂、硼酸、ソーダ灰及びアルミナを混合し、1200〜1400℃に溶融することで、ガラスの塊りが作られる。組成がNaO−B−SiO−CaOになりガラスの多孔質体となる。これを800〜1100℃にて成形後、未分相ガラスを得、熱処理によりSiO相とB−NaO−CaO相に分相させ、酸処理によって、SiO骨格を残したガラス多孔質体を製造する。
セラミック多孔質体は、これに限定されないが、例えば、けい砂、硼酸、ソーダ灰及びAl2O、ZrO、ZnO、TiO、SnO、MgO等種々の金属酸化物を混合し、1200〜1400℃に溶融することで、組成が金属酸化物−NaO−B−SiO−CaO等のセラミック多孔質体を製造することが出来る。
ガラス多孔質体やセラミック多孔質体は、組成や分相化条件でスルーポアの径をコントロールすることが出来、スルーポアと同時にメソポアも形成することが出来る。ガラス多孔質体及びセラミック多孔質体は、モノリス多孔質体と同様な理由から、スルーポアの径が1μm〜100μm、メソポアの径が0.001μm〜0.05μmが適している。
これらの分相法で作成したガラス多孔質体及びセラミック多孔質体は、モノリス多孔質体と異なり、耐アルカリ性が強い、そのため、1N水酸化ナトリウム水溶液による80℃6時間の加熱攪拌等によって、シラノールを形成出来る。この処理によって、アセトアルデヒドを保持出来るようになると共に水分を保持出来るようになる。即ち、ゾルーゲル法を用いたモノリス多孔質体では、骨格内に焼成温度の調整により作成されたシラノール、ガラス多孔質体及びセラミック多孔質体では、アルカリ処理等の表面処理がされて表面に形成された表面シラノールが、アセトアルデヒドの吸着及び水分保持の作用を奏している。
尚、モノリス多孔質体、ガラス多孔質体及びセラミック多孔質体の表面には、底面、側面、及び上面を含む外表面及びスルーポア及びメソポアの表面を含む内表面が含まれる。
更に、モノリス多孔質体、ガラス多孔質体及びセラミック多孔質体に、即ち保持体に、ジオール基、シアノ基、アミノ基、アミド基等の親水性基をシラノールに結合させて導入する化学処理を施すことで、水の保持力を調整、向上させることも出来る。
又、従来から知られているコーティング剤及び/又は化学的修飾剤を適用して、保持体に親水基を導入し、保持体の水の保持力を調整、向上させることも出来る。コーティング剤としては、これに限定されないが、例えばポリエチレングリコール、エポキシ変性シリコンオイル等が挙げられ、保持体の表面と化学反応させ及び/又はコーティング剤同士で化学反応させることで親水基を導入することが出来る。又、化学的修飾剤としては、これに限定されないが、例えばグリキシドプロピルトリメトキシシラン、グリキシドプロピルメチルジメトキシシラン、グリキシドプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリルシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等アミノシラン、メルカプトシラン等の親水基を形成出来る各種シラン処理剤が挙げられる。上記の保持体に親水基を導入するための反応方法としては、トルエン等の溶液中での溶液還流反応、超臨界での反応、亜臨界での反応、気体状態での既存の反応等を使用することが出来る。
このようにして、保持体の骨格間に存在するスルーポア及びメソポア空間に留められた水、骨格内のシラノールによる吸水作用、大気との接触面となる骨格表面のシラノール又は/及び表面改質した反応基によって、保持体の水の保持力を調整、向上させることが出来る。
このようにして構成された保水基材でもある保持体に酵素反応溶液及び発色反応溶液を、添加吸収、通液、ディッピング又はコーティング等により付加して、保持体の表面に酵素及び発色反応剤を保持させてアセトアルデヒドセンサーを構成する。
酵素反応溶液は、酵素、補酵素を緩衝塩に溶解させた溶液で、アセトアルデヒドを濃度に応じて検出することが出来る化合物を生成することが出来れば、特に限定されない。例えば、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)、その補酵素(NAD)等をバッファーに溶解した溶液等で構成することが出来る。
発色反応溶液は、酵素反応で生じた生成物によって、二次の発色反応を生じさせる触媒及び発色物質をバッファーに溶解した溶液等で構成することが出来る。例えば、ジホラーゼを用いて触媒反応によりテトラゾリウム塩を還元し、ホルマザン色素を形成して発色させるが、この構成に限定されず、アセトアルデヒド濃度に応じた発色定量が可能であれば触媒及び発色物質は限定されない。
尚、予め酵素反応溶液と発色反応溶液を混合した混合反応溶液、酵素及び発色反応物質を混合した混合反応溶液を用いることとしてもよい。
発色反応に用いるテトラゾリウム塩の具体的な例としては特に限定されないが、INT(2−(4−Iodophenyl)−3−(4−nitrophenyl)−5−phneyl−2H−tetrazolium chloride)、MTT(3−(4,5−dimethyl−2−thiazolyl)−2,5−diphenyl−2H−tetrazolium bromide)、XTT(2,3−bis−(2−methoxy−4−nitro−5−sulfophenyl)−2H−tetrazolium−5−carboxanilide)等が挙げられる。
テトラゾリウム塩の還元によるホルマザン色素を形成する反応を安定させて再現性を向上させるために、多孔質の保持体の内部空間体積(孔内体積)より過剰量の酵素反応溶液を保持体の孔内に供給することが好ましい。そして、過剰の酵素反応溶液は保持体から取り除くことが好ましい。酵素反応溶液を保持体から取り除く際には、例えば吸水性の部材を用いることが好ましい。又、ジアホラーゼとテトラゾリウム塩の発色反応溶液を多孔質の保持体に予め製造時に付加してもよいが、発色反応溶液をセンサーの使用直前に保持体に付加することとしてもよい。更に、多孔質の保持体に付加する発色反応溶液は、センサー面、即ち多孔質の保持体の上面に均一に付加することが好ましい。
保持体に付加された酵素反応溶液及び発色反応溶液は、保持体の孔内に供給され、スルーポア及びメソポア空間に保持される。酵素反応溶液及び発色反応溶液は、保持体の上面から供給して下面から過剰分を排出することで、保持体、即ちアセトアルデヒドセンサーの上面及び上部のスルーポア内に酵素及び発色反応物質が濃縮されて保持され、水は主にその下方のスルーポア及びメソポア内に保持されている。このような構成により、保持体の上面を含む外表面及びスルーポアの上端部に水が存在せず、大気中のアセトアルデヒドは水に接触する前に酵素と接触し、広い面積でアセトアルデヒドを捕集することが出来、そして、主にセンサーの上面部分を着色させることが可能となり、アセトアルデヒドセンサーを目視して着色具合の確認をすることが容易となる。
そして、図2に示すように、高さが低い円柱状のアセトアルデヒドセンサー10を収納する上部開口の凹部12を備えたホルダー11、詳しくはその凹部12にアセトアルデヒドセンサー10を組み込み、アセトアルデヒドを捕集、定量するパッシブ型アセトアルデヒドセンサー(以下単に「パッシブ型センサー」という。)1を構成する。ホルダー11は図示のプレート状に限定されず、柱状等としてもよい。ホルダー11の凹部12にアセトアルデヒドセンサー10を組み込む方法は、物理的な嵌め込み、溶着、パッキング止め等で、運搬や測定時に外れなければ特に限定されない。又、測定時には、パッシブ型センサー1を測定場所や測定部分に載置又は貼付等により設置して使用する。尚、図2〜5において、アセトアルデヒドセンサー10とホルダー11は見やすいように離間して図示しているが、アセトアルデヒドセンサー10をホルダー11に固定出来れば、一部が離間した構成でもよい。
パッシブ型センサー1にはホルダー11の凹部12等の内部空間を覆い、密閉する着脱自在の蓋13を設けてもよい。蓋13により、アセトアルデヒドセンサー10は測定する前までは大気に暴露されず、或いは蓋13を外して大気に暴露して着色した後に再度蓋13を装着することにより大気との接触を止めて着色の進行を止めることが出来るので、アセトアルデヒドセンサー10をシールする蓋13を設け、パッシブ型センサー1にガスバリア性を備えさせることが好ましい。そして、保管時には、蓋13によりホルダー11の内部空間を密閉出来、大気及びアセトアルデヒドと反応することなく、測定時には、蓋13を開け、一定時間放置することで、パッシブ法にて大気中の微量アセトアルデヒドと反応して測定することが出来る。ホルダー11と蓋13はねじを設けて螺合可能に構成してもよいが、ホルダー11及び蓋13の弾性を利用して嵌め込み可能に構成し、或いはホルダー11の外側面又は/及び蓋13の内側面にローレットを形成して嵌め合い可能に構成してもよい。
パッシブ型センサー1は、大気中のアセトアルデヒド濃度に応じて、アセトアルデヒドセンサー10において酵素反応が進み、アセトアルデヒドセンサー10が発色して発色量が変化する。この発色量を目視又は光センサーにて検出し、大気中アセトアルデヒド濃度を測定する。大気中の微量アセトアルデヒドの定量は、発色したアセトアルデヒドセンサー10の色を比色定紙と比べて目視で行なうのが簡便であるが、発色具合を直接色センサー等で数値化して定量してもよい。
アセトアルデヒドセンサー10は、酵素反応溶液及び発色反応溶液を予め保持体に付加しておいて形成してもよいが、本発明の保持体は水となじむので、測定直前に酵素反応溶液及び発色反応溶液を保持体に添加して形成することとしてもよい。又、酵素反応溶液を予め保持体に付加し測定直前に発色反応溶液を保持体に添加して形成することとしてもよい。尚、測定直前に反応溶液を保持体に添加して構成した場合も予め添加して形成した場合と構成、作用は同じであり、大気と接触する保持体の表面は、アセトアルデヒドの保持を促進する活性シラノールが存在し、保持体の内部表面には、水の保持を促進する活性シラノールや親水基が存在し、反応に必要な水分を保持体の内部に含む構成となる。
保持体に酵素反応溶液及び発色反応溶液を添加させてアセトアルデヒドセンサーを製造する方法として、NAD を含むアセトアルデヒド脱水素酵素溶液(酵素反応溶液)とジアホラーゼとテトラゾリウム塩の発色反応液(発色反応溶液)を2段階に分けて添加させる場合の一具体的工程について説明する。
先ず、ALDH1.5U、NAD48μgを、0.3Mリン酸バッファーpH71mLに溶解し、アセトアルデヒド脱水素酵素溶液(酵素反応溶液)とする。INT676μg、ジアホラーゼ0.9mg(122Uに相当)を0.3Mリン酸バッファーpH71mLに溶解し、発色反応溶液とする。予め、保持体1個に対して、20μL水で飽和させ、酵素反応溶液30μL、発色反応溶液10μLを順次滴下により添加させる。このように酵素反応溶液と発色反応液の滴下を別の時にすることで、酵素反応溶液と発色反応溶液の混合保管による反応溶液の着色を抑えることが出来る。酵素反応溶液及び発色反応液は、アセトアルデヒドセンサーの大気との主な接触面となる保持体の上面から供給して下面から過剰分を排出させて、保持体の上面及び上部のスルーポア及びメソポア内に酵素及び発色反応物質を濃縮させて保持させることが好ましい。
又、他の具体的工程として、保持体100個に対して、酵素反応溶液1mLを滴下により添加し、減圧脱気し、余った酵素反応溶液を廃棄する。酵素反応試薬及び水分を含んだ酵素反応試薬を含有する保持体を一度に多数を得ることが出来る。測定直前に発色反応溶液を滴下し、センサーにすることで、保管期間を延ばすことも出来る。酵素反応溶液を保持体に付与する方法は特に限定されない。一方、発色反応溶液を保持体に付与する方法は、センサーを目視して着色具合の確認をするために、センサーの上面部分を着色させることが好ましいので、発色反応溶液は、滴下や減圧や遠心等で上方から流す方法で付与することが推奨される。
測定直前に発色反応溶液又は、酵素反応溶液及び発色反応溶液を保持体に添加する場合には、ホルダー11から保持体を取り外して、保持体に反応溶液を添加することとしてもよいが、保持体をホルダー11に保持させたままで反応溶液を添加することとしてもよい。この場合には、図3に示すように、ホルダー11には、保持体即ちアセトアルデヒドセンサー10から排出された余分な反応溶液を貯留するための液溜め空間20が保持体に隣接して設けられていることが好ましい。液溜め空間20は、アセトアルデヒドセンサーの大きさ、酵素反応溶液や発色反応溶液の量によって異なり、その大きさや形状は特に限定されない。液溜め空間20は凹部12をアセトアルデヒドセンサー10の厚みより深く構成して凹部12の下方部分で構成し(図3(a))、或いは凹部12から横方向に広がる空間により構成することが出来る(図3(b))。
又、図4に示すように、パッシブ型センサー1は、ホルダー11の凹部12内の保持体又はアセトアルデヒドセンサー10の下方の液溜め空間20内に、乾燥した吸水体22を設けて構成することとしてもよい。この場合には、アセトアルデヒドセンサー10に吸水体22から水分が逆流しないように、吸水体22の吸水量の調整や添加する反応溶液量を調整する。
ホルダー11及び蓋13の材質は、アセトアルデヒドの発生や吸着が無ければ特に限定されないが、通常パッシブ型センサー1を保管する2℃から測定雰囲気となる60℃まで使用出来ることが好ましく、例えば、ガラス、金属、合成樹脂等の材質を用いることが出来る。又、加工の容易性、剛性、重量及び扱いやすさから、具体的には壁等の垂直面に両面テープ等での貼付け設置を考えると軽い方が良く、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂が好ましいが、これに限定されない。
ホルダー11や蓋13の形状は、パッシブ型センサー1の保管時に、反応溶液の漏れが無くシール出来、測定時、即ち蓋13を外した時にアセトアルデヒドセンサー10が大気と接触し、一定時間測定後に、着色量が目視で確認出来れば、特に限定されない。
保持体又はアセトアルデヒドセンサー10の形状は、測定直前に保持体又はアセトアルデヒドセンサー10に反応溶液を添加する場合があること、保持体の製造の容易性及び保持体又はアセトアルデヒドセンサー10に反応溶液を均一に添加することが望まれることを考慮すると、円柱形が好ましい。
保持体又はアセトアルデヒドセンサー10の大きさは特に限定されないが、作成時の反応溶液の添加の容易性及び着色の目視確認の容易性及び確実性を考慮すると、上面が直径2mm〜6mmの円形の円柱形状が好ましい。
パッシブ型センサー1、ホルダー11の大きさは特に限定されないが、実際にパッシブ型センサー1を用いる場合には、保管、輸送、測定時の設置に関しても考慮する必要がある。数箇所の場所に設置して測定し、どのような場所にでも簡単に設置出来ることを考慮すると、ホルダー11は外形が直径3cm〜8cm程度又は3〜8cm四方程度の大きさで、高さ1cm〜4cmぐらいの柱形状が好ましい。
図5に、ホルダーにはめ込んだアセトアルデヒドセンサー10の発色時(図5(a))とブランク(図5(b))の写真を示す。
モノリス多孔質体の製造時の焼成温度の変化、モノリス多孔質体へのジオール結合、セラミック多孔質体による、保持体に保持される水分量の経時変化を測定した。
10μl酢酸を添加した7%ポリエチレングリコール水溶液20mLに、テトラメトキシシラン10mlを、攪拌混合後、内径6mmのポリカーボネート管に入れ両端をシールし、40℃でゲル化した。0.1Mアンモニア水溶液で置換し、16時間熟成しエタノールで置換乾燥後に、300℃、400℃、550℃、650℃、800℃、1000℃で8時間焼成し、外径3mm〜5.5mmの6種のモノリス多孔質体を得た。厚さ1mmに切断し保持体を得た。
又、上記のように製造し、550℃で焼成したモノリス多孔質体100個を、10%グリキシドプロピルトリメトキシシランデカン溶液50mL中で、130℃で10時間加熱攪拌を行ない、メタノールで洗浄した。次いで50mLイオン交換水中で、6時間加熱還流を行ない、アセトンで洗浄後、80℃で10時間以上減圧乾燥し、ジオール結合モノリス多孔質体を得た。
セラミック多孔質体は、SiO:59.0質量%、B:25.0質量%、ZrO:5.0質量%、Al:3.0質量%、CaO:3.0質量%、NaO:5.0質量%を溶融し、540℃で直径約4mmのロッドに引き加工し、次いで750℃にて約32時間処理して分相させた。相分離物を90℃にて1N硫酸(酸(ml)/ガラス(g)の比=170)を用いて2日間酸処理し、その後、0.5N−NaOH(酸(ml)/ガラス(g)の比=170)を用いて6時間アルカリ処理して、セラミック多孔質体とした。ダイヤモンドカッターで厚み1mmに切断し円板状のセラミック多孔質体を得た。
0.3Mリン酸バッファーpH7を用いて、アセトアルデヒド脱水素酵素(アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ALDH)1U、INT(2−(4−indophenyl)−3−(4−nitrophenyl)−5−phenyltetrazolium chloride)0.1mg/mL、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)0.8mg/3mLの酵素及び発色反応物質が混合された混合反応溶液を作成し、上記8種の保持体に過剰に該混合反応溶液50μLずつを添加し、余分な混合反応溶液はふき取り、室温放置時間に対しての水の重量変化をプロットした。結果を図6に示す。
300℃、400℃、550℃で焼成したモノリス多孔質体、ジオール結合モノリス多孔質体(図中「Diol」)、セラミック多孔質体(図中「セラミック」)においては、30分放置後でも10mg以上の水分を保持していた。650℃で焼成したモノリス多孔質体は、最初は10mgの水分を保持出来たが、30分放置後では、5mg未満になった。800℃で焼成したモノリス多孔質体は、混合反応溶液と馴染んだが保持出来る水分量は最初から少なく、さらに放置により減ってしまい25分後には5mg未満となった。1000℃で焼成したモノリス多孔質体は最初から混合反応溶液を弾いてしまい、殆ど水分を保持出来なかった。
上述のように、保持体は、体積基準保水率80%以上を、発色反応を確認することが出来るまでの10分以上維持することが出来る多孔質体であることが要求される。そこで、厚さ1mmの上記の多孔質体の構成、物性値と保水率の変化、水分保持力の結果を表1に示す。
混合反応溶液を吸収することが出来、10分後でも保水率80%以上の多孔質体は、300℃以上、550℃以下で焼成したモノリス多孔質体、化学処理したジオール結合モノリス多孔質体、分相法で作成し、アルカリ処理を行なったセラミック多孔質体であり、アセトアルデヒドを検知するためには、550℃以下で焼成したゾルーゲル法で作成したメソポアを有するモノリス多孔質体、それに化学処理を施した多孔質体、分相ガラス法から作成してアルカリ処理を施したメソポアを有するセラミック多孔質体が適していることが実証された。
実施例1の550℃で焼成したモノリス多孔質体で構成した保持体においての発色反応のために必要な放置時間、混合反応溶液の添加必要量を検討した。具体的には、保持体は、1個当たり重さ:4.0〜4.5mg、厚さ:1mm、直径:4.1mmであり、そこに混合反応溶液を添加しアセトアルデヒドセンサーを作成し、アセトアルデヒド30ppbを含む空気中での暴露試験を行なった。混合反応溶液は、INT:168μg、ALDH:1.1U、ジアホラーゼ:30U、NAD:36μgを、0.3Mリン酸バッファーpH7:1mLに溶解し、混合反応溶液とした。そして、保持体を吸収パットの上に載せ、混合反応溶液量を、各々10μL、50μL、100μLを保持体の上面から添加吸収させ、アセトアルデヒドセンサーを作成した。尚、余分な混合反応溶液は、保持体を通り下面から吸収パットに吸収させた。このようにして作成したアセトアルデヒドセンサーを用いて、アセトアルデヒド30ppb暴露及びアセトアルデヒドを含まない空気中でのブランクにおいての10分後と30分後の発色具合を検査した。尚、ブランクも酵素の変色により発色をする。
図7に示すように、混合反応溶液の10μL以上の添加においては、アセトアルデヒドに対して発色して、酵素の変色により発色するブランクとの差を目視で確認出来ることが明らかになった。即ち、保持体の場合では、10mg以上の水分を保持出来れば、酵素反応が進み発色することが明らかとなった。又、発色時間としては、10分から差がはっきりしてきて、20分以上で安定になるので、20分後、より望ましくは30分後に発色具合を見るのが良い。
又、10μL添加でも、発色を十分目視で確認出来るが、この実施例の4mm径の場合では、周り未発色部分が観測され、液添加のバラツキを考慮すると50μL〜100μL添加の方が好ましい。
図7の発色後にアセトアルデヒドセンサーを側面方向から見た写真が、図8である。混合反応溶液を保持体に付与した上流側である上部分に反応試薬が濃縮され上部分で反応して発色していることが確認出来る。大気中アセトアルデヒドと接触する上面は水分が少ないのでパッシブ法でも十分反応し、発色反応に必要な水分は、保持体自体に形成されているスルーポア及びメソポアの内部空間に保持されている水分が利用されていることが判る。又、混合反応溶液が100μLでも、50μLと同様にアセトアルデヒドセンサーの上面を含む上部分で発色しているので、混合反応溶液量としては10μLの10倍量でも良いことが判る。そして、混合反応溶液の最適添加量は、アセトアルデヒドセンサーの直径によって異なるが、目安としては、水分量から考慮して保持体重量の2倍容量以上が望ましい。
実施例1の550℃で焼成したモノリス多孔質体で構成した保持体を用いたアセトアルデヒドセンサー1個に対し、反応試薬量をINT:0.68〜33.78μg、ALDH:0.03〜0.23U、ジアホラーゼ:0.84〜6.08U、NAD:0.1〜7.21μgで作成した混合反応溶液を用い、混合反応溶液の添加量を50μL〜200μLに変化させた。
その結果、30ppbアセトアルデヒド暴露試験において、発色の強弱があったが、発色し検出は可能であった。又、INT量が16μg以上では、ブランク時における着色が強くなる傾向があり、0.74μg以下では、発色が弱くなる傾向があった。又、NAD量を増やす程、発色開始時間が早くなり、着色強度が強くなるが、ブランクでの発色も強くなる傾向があった。更に、ALDHの酵素量としては、0.05U〜0.19Uまで大きな変化もなく、表面で濃縮がされていることの証明にもなった。
広範囲のアセトアルデヒドの濃度において、アセトアルデヒドの検知は可能であるが、ブランク着色、試薬量の節約、反応試薬添加の取り扱い易さを考慮して、50μL添加で、INT:8.45μg、ALDH:0.06U、ジアホラーゼ:1.52U、NAD:1.8μgにおいて、10ppb、50ppb、100ppb、500ppbアセトアルデヒド雰囲気での暴露試験を行なった。図9に示すように、アセトアルデヒドを発色によって、10分以後ならば 濃度の違いを目視検知出来、十分な性能を得ることが出来た。
1Lのガラス製ガス捕集瓶内でアセトアルデヒドを揮発させ、アセトアルデヒドの濃度を基準値の48μg/m、基準値の4倍、基準値の10倍となるように作成した。そこに実施例1の550℃で焼成したモノリス多孔質体で構成した保持体に、INT:8.45μg、ALDH:0.06U、ジアホラーゼ:1.52U、NAD:1.8μgを含有する混合反応溶液を50μL添加して、実施例3と同様に作成したアセトアルデヒドセンサーを30分間暴露させ、アセトアルデヒドを定量した。
その結果、図10に示すように、アセトアルデヒドの濃度に応じて、発色が異なり、比色定紙と比較することで、指針濃度でも簡便に定量することが出来た。
実際の分析においては、アセトアルデヒドとホルムアルデヒドが共存することが考えられるので、ホルムアルデヒドの影響も検査した。500μg/mホルムアルデヒドに調整した1Lガラス製ガス捕集瓶に実施例4と同様に作成したアセトアルデヒドセンサーを30分暴露した。その結果、図11に示すように、ホルムアルデヒドにおいては発色せず、アセトアルデヒドの検知の妨害はしないことが実証出来た。図中、500μg/mホルムアルデヒドに暴露したアセトアルデヒドセンサーをB、比較例としての暴露していないアセトアルデヒドセンサーをAで示す。
更に、上記で作成したホルムアルデヒド500μg/m気体に、アセトアルデヒド基準値48μg/mになるようにアセトアルデヒドを添加した。そこに、実施例4と同様に作成したアセトアルデヒドセンサーを30分暴露させ、アセトアルデヒドを定量した。
その結果、図11に示すように、着色し、比色定紙と比較したところ、上記基準値レベルと同等の着色を示した。図中、500μg/mホルムアルデヒド及び48μg/mアセトアルデヒドに暴露したアセトアルデヒドセンサーをCで示す。又、同様に1000μg/mの酢酸影響も検査したが同様の結果となった。本発明アセトアルデヒドセンサーは、ホルムアルデヒドや酢酸の影響を受けず、微量のアセトアルデヒド基準値を定量出来ることが実証された。
ポリプロピレン製のホルダー11及び蓋13を、図12に示すように、ホルダー11及び蓋13が嵌め込み可能にパッシブ型センサー1を作成した。
製品としては、保管、輸送後の状態も良好である必要がある。そこで、酵素反応溶液を付与した保持体を2℃の冷蔵庫に保管し、室温25℃に戻した後、発色反応溶液を添加してアセトアルデヒドセンサーを作成した。このように作成したアセトアルデヒドセンサーをアセトアルデヒド基準値48μg/mにガラス製ガス捕集瓶内で暴露させ、保管時の経時による劣化を比色定紙と比較して調べた。酵素反応溶液自身の経時変化を確認するために、酵素反応溶液だけを予め付与して冷蔵保存させた保持体に、発色反応溶液のみ測定直前に添加してアセトアルデヒドセンサーを作成し、暴露させ着色により検査した。
より具体的には、実施例1で作成した550℃焼成モノリス多孔質体にALDH:1.5U、NAD:61μgを、イオン交換水1mLに溶解した酵素反応溶液30μLのみ付与した保持体を2℃の冷蔵庫に5日間保管した後、室温25℃に戻し、INT:250μg、ジアホラーゼ:138μg(122Uに相当)を、イオン交換水1mLに溶解した発色反応溶液20μLを添加してアセトアルデヒドセンサーとし、ホルダーに設置し、パッシブ型センサーを作成した。
結果を図13に示す。図13(a)が、値付けした比色定紙になり、6が基準値のレベルとなる。図13(b)は、酵素反応溶液を付与した保持体作成後5日後に、発色反応溶液を添加し、ホルダーに設置したセンサーの48μg/mアセトアルデヒドへの30分間の暴露例であり、右端はブランクである。酵素反応溶液を付与した保持体を5日間保管した後に使用しても、アセトアルデヒドセンサーの劣化は認められず、アセトアルデヒドを基準値で定量可能であることが確認出来た。
実施例4と同様に作成したアセトアルデヒドセンサーを用いて、暴露直前に混合反応溶液を保持体に付加して作成したアセトアルデヒドセンサー、混合反応溶液を保持体に付加して作成した直後にパラフィルムで1個ずつシールしたアセトアルデヒドセンサー、混合反応溶液を保持体に付加して作成した直後にホルダーに埋め込んだアセトアルデヒドセンサーで、作成直後に蓋をし、保管時に蓋があるもの(蓋付パッシブ型センサー)、同様にホルダーに埋め込んだアセトアルデヒドセンサーで保管時蓋なしのもの(蓋なしパッシブ型センサー)4種について2℃での保管日数に対して、着色レベルをプロットした。
結果を図14に示す。アセトアルデヒドセンサーのみをパラフィルムで包んだ物は、そのシール性にバラツキがあり、着色も一定にならなかった。蓋が無いパッシブ型センサーのアセトアルデヒドセンサーは、10日程度で劣化してしまい着色しなくなった。ホルダーに埋め込み、蓋をして保管した蓋付パッシブ型センサーのアセトアルデヒドセンサーは、バラツキも無く30日保管までは、強度6の着色があり、基準値を定量出来ることが証明された。強度は低くなるが、50日程度までは検出は可能であった。本発明アセトアルデヒドセンサー、パッシブ型センサーは、冷蔵保管により30日までは48μg/mアセトアルデヒドの定量が可能で、50日程度までは検知可能であった。
また、実施例1で作成した550℃焼成モノリス多孔質体にALDH:1.5U、NAD:61μgを、イオン交換水1mLに溶解した酵素反応溶液30μLのみ付与した保持体を図3(a)のホルダー11に設置して、冷蔵保存した。測定直前に、INT:250μg、ジアホラーゼ:138μg(122Uに相当)を、イオン交換水1mLに溶解した発色反応溶液20μLを添加した。その結果、30日〜50日でも強度6の着色があり、まったく劣化せず、長期間アセトアルデヒド基準値の定量が行なうことが出来た。
酵素反応溶液又は/及び発色反応溶液或いは混合反応溶液を付与した後に、アセトアルデヒドセンサー10をホルダー11にセットする手間、工程を省くために、アセトアルデヒドセンサー10から排出された余分な反応溶液を貯留する液溜め空間20を凹部12の下方のみに設け(図15(a))、或いは更に横方向に拡張して設けた(図15(b))ホルダー11を用いてアセトアルデヒドの簡易検知を実施した。
実施例1の550℃で焼成したモノリス多孔質体で構成した保持体を、液溜め空間を設けたホルダーの凹部に嵌め込みにより設置し、アセトアルデヒドへの暴露直前に酵素反応溶液及び発色反応溶液を添加して作成したパッシブ型センサーを用いた。
ALDH:1.5U、NAD:61μgを、イオン交換水1mLに溶解し、酵素反応溶液とした。INT:250μg、ジアホラーゼ:138μg(122Uに相当)を、イオン交換水1mLに溶解し、発色反応溶液とした。それらの溶液を、3ヶ月間冷蔵保存した。実施例1の550℃で焼成したモノリス多孔質体の保持体が設置されているホルダーに、イオン交換水20μL、酵素反応溶液30μL、発色反応溶液10μLを滴下した。酵素反応溶液及び発色反応溶液はすべて保持体内に吸収し余分な反応溶液は、液溜め空間に廃棄された。アセトアルデヒドセンサーの表面は乾いた状態であった。
30μg/m又は150μg/mのアセトアルデヒドを含んだ空気に、アセトアルデヒドセンサーを30分暴露させたところ、図16に示すように、比色定紙で定量出来る着色になり、使用直前に酵素反応溶液及び発色反応溶液を付与して構成したアセトアルデヒドセンサーを用いても大気中の微量アセトアルデヒドの簡易検知が出来ること、更に、液溜め空間20を設けて余分な反応溶液を液溜め空間に廃棄するホルダーの使用でも大気中の微量アセトアルデヒドの簡易検知が出来ることが実証された。
本発明は大気中の有害物質であるアセトアルデヒドを簡易的に定量することが出来るので、環境汚染の調査に関連する産業において極めて有用に利用することが出来る。
1 パッシブ型アセトアルデヒドセンサー
20 液溜め空間
10 アセトアルデヒドセンサー
11 ホルダー
12 凹部
13 蓋

Claims (18)

  1. スルーポア及びメソポアを備えた一体型多孔質体で構成された保持体を備え、前記保持体にアセトアルデヒド酸化還元酵素及びアセトアルデヒドの酵素反応により生じた物質と反応して発色する発色反応剤が保持されていると共に、前記スルーポア及び前記メソポアに水が保持されていることを特徴とするアセトアルデヒドセンサー。
  2. 前記保持体は、モノリス多孔質体又はガラス多孔質体を含むセラミック多孔質体であることを特徴とする請求項1に記載のアセトアルデヒドセンサー。
  3. 前記保持体は、300℃以上600℃未満で焼成されて形成されたモノリス多孔質体又はアルカリ処理が施されたセラミック多孔質体であることを特徴とする請求項1に記載のアセトアルデヒドセンサー。
  4. 前記保持体は、スルーポアの径が1μm〜100μm、メソポアの径が0.001μm〜0.05μmであることを特徴とする請求項1から3のうち何れか1項に記載のアセトアルデヒドセンサー。
  5. 前記保持体の前記スルーポア及び前記メソポアの表面が親水性であることを特徴とする請求項1から4のうち何れか1項に記載のアセトアルデヒドセンサー。
  6. 前記保持体に、親水性基が保持体のシラノールに結合されて導入される化学処理が施されていることを特徴とする請求項1から5のうち何れか1項に記載のアセトアルデヒドセンサー。
  7. 前記保持体は、体積基準保水率80%以上を、10分以上維持することが出来る保持体であることを特徴とする請求項1から6のうち何れか1項に記載のアセトアルデヒドセンサー。
  8. 前記保持体の上部のスルーポア及びメソポア内に酵素及び発色反応物質が濃縮されて保持されていることを特徴とする請求項1から7のうち何れか1項に記載のアセトアルデヒドセンサー。
  9. 上部開口の凹部を備えたホルダーと請求項1から8の内いずれか1項に記載のアセトアルデヒドセンサーを備え、前記凹部に前記アセトアルデヒドセンサーが設置されていることを特徴とするパッシブ型アセトアルデヒドセンサー。
  10. 前記凹部を覆う蓋部を備え、ガスバリア性を備えることを特徴とする請求項9に記載のパッシブ型アセトアルデヒドセンサー。
  11. 前記凹部には、液溜め空間がアセトアルデヒドセンサーに隣接して設けられていることを特徴とする請求項9又は10に記載のパッシブ型アセトアルデヒドセンサー。
  12. スルーポア及びメソポアを備えた一体型多孔質体で構成された保持体に、アセトアルデヒド酸化還元酵素及びアセトアルデヒドの酵素反応により生じた物質と反応して発色する発色反応剤を付加して、前記スルーポア及び前記メソポア内に供給し、前記スルーポア及び前記メソポア内に水を保持させることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーの製造方法。
  13. 前記保持体は、300℃以上600℃未満で焼成して形成したモノリス多孔質体又はアルカリ処理を施したセラミック多孔質体であることを特徴とする請求項12に記載のアセトアルデヒドセンサーの製造方法。
  14. 前記保持体に親水性処理を施したことを特徴とする請求項12又は13に記載のアセトアルデヒドセンサーの製造方法。
  15. 酵素反応溶液及び発色反応溶液は、前記保持体の上面から供給して下面から過剰分を排出させて、保持体の上部のスルーポア及びメソポア内に酵素及び発色反応物質を濃縮させて保持させることを特徴とする請求項12から14のうち何れか1項に記載のアセトアルデヒドセンサーの製造方法。
  16. アセトアルデヒドセンサーの使用の直前に、前記保持体に酵素反応溶液及び発色反応溶液を付加することを特徴とする請求項12から15のうち何れか1項に記載のアセトアルデヒドセンサーの製造方法。
  17. アセトアルデヒドセンサーの使用の直前に、予め酵素反応溶液を付加している前記保持体に発色反応溶液を付加することを特徴とする請求項12から15のうち何れか1項に記載のアセトアルデヒドセンサーの製造方法。
  18. スルーポア及びメソポアを備えた一体型多孔質体で構成された保持体を備え、前記保持体にアセトアルデヒド酸化還元酵素及びアセトアルデヒドの酵素反応により生じた物質と反応して発色する発色反応剤が保持されると共に、前記スルーポア及び前記メソポアに水が保持されていることを特徴とするアセトアルデヒドセンサーを大気中に暴露することを特徴とするアセトアルデヒドを検出する方法。
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