JP2018086924A - シートベルトリーチャー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクト且つ簡易な構成で、車室内装材に対する組付け性と、シートベルトの装着性とを向上させる。
【解決手段】リヤシート2のシートバック21肩部近傍のシートサイドガーニッシュ3に設けられている筐体ベース5と、シートバック後方のリトラクタからシートバック及びシートサイドガーニッシュに沿ったウェビング41が挿通されたシートベルトガイド部6と、シートベルトガイド部が固定されていると共に、筐体ベースに回動可能に支持され、シートベルトガイド部をシートバックの肩部上で旋回移動させて、ウェビングをシートバック及びシートサイドガーニッシュから離間させるアーム7と、アームが回転するようにアームに対して弾性力を付与するために、一方の腕81が筐体ベースに係合され且つ他方の腕82がアームに係合されるように筐体ベースに内設されているねじりコイルばね8と、アームを係止させる係止部材とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、リヤシートに着座した乗員がシートベルト装着の際におけるウェビングの取り出しを容易にするシートベルトリーチャー装置に関する。
従来、リヤシートに着座した乗員がシートベルト装着の際におけるウェビングの取り出しを容易にするシートベルトリーチャー装置として、例えば、可倒式のシートバックをシートベルトと干渉させずに容易に前倒しにできるシートベルトのガイド構造(例えば、特許文献1参照。)や、後席シートに乗員が着座し、シートベルト装着を装着する際に、シートベルトのトング位置をシートバック面から前方側に移動させることで、バックルを容易に装着できるようにするシートベルト装置(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
特開平10−71929号公報 特開2010−69982号公報
しかしながら、背景技術に記載したシートベルトのガイド構造では、リヤシートのシートバック側面のロックストライカに係合させて当該シートバックが前倒しされないようにロックするためのロックプレートと、ウェビングを所定の位置にガイドするベルトガイドとを連動させるための連動機構を設けなければならないので、連動機構の各構成部品を組み込むためのスペースをホイールハウストリム内に確保しなければならなくなるという難点があった。
また、背景技術に記載したシートベルト装置では、ドアの開閉動作に連動させてシートバック内に収容された張り出しアームを回動させるための張り出しアーム機構及びばね駆動部をシートバック内に設けると共に、ドアの開閉を利用してばね駆動部内に収容されたばねに所定の付勢力を付与するばね駆動部を制御する駆動力入力部をドア内に設けなければならないので、シートバック及びドアの構造が複雑化する難点があった。
また、このシートベルト装置では、張り出しアームをシートバックの下部位置の表面から前方に張り出させるので、乗員の座った位置によっては腰に張り出しアームが当たってしまう難点があった。
本発明は、このような従来の難点を解消するためになされたもので、コンパクト且つ簡易な構成で、車室内装材に対する組付け性と、シートベルトの装着性とを向上させることができるシートベルトリーチャー装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、コンパクト且つ簡易な構成で、固定式シートバックの着脱作業や可倒式シートバックの前倒し作業の際、シートベルトガイド部材と干渉させることなく行うことができるシートベルトリーチャー装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成する本発明の第1の態様であるシートベルトリーチャー装置は、リヤシートのシートバックの肩部近傍に位置する車室内装材に設けられ、シートバックの後方に配置されているリトラクタから引き出されてシートバック及び車室内装材に沿って掛け渡された状態にあるウェビングを当該シートバック及び車室内装材から車両前方側に離間させるものである。
このシートベルトリーチャー装置は、筐体ベースと、シートベルトガイド部と、アームと、ねじりコイルばねと、係止部材とを備えているものである。なお、本明細書において「係止」とはかかわり合って止めることを意味する。
筐体ベースは、車室内装材に設けられているものである。
シートベルトガイド部は、ウェビングが挿通された状態で係合されているものである。なお、本明細書において「挿通」とは孔などの通路にさし通すことを意味する。
アームは、シートベルトガイド部が固定されていると共に、筐体ベースに基端部が車幅方向で回動可能に支持され、当該シートベルトガイド部をシートバックの肩部上で旋回移動させるものである。
ねじりコイルばねは、アームが車両前方側から車両外側方向に向かう回転方向に回転するように当該アームに対して弾性力を付与するために、一方の腕が筐体ベースの一部位に係合され且つ他方の腕がアームに係合されるように当該筐体ベースに内設されているものである。なお、本明細書において「内設」とは内蔵するように内側に設けることを意味する。
係止部材は、筐体ベースの上部に設けられ、シートベルトガイド部がウェビングをシートバック及び車両内装材から車両前方側に離間させる位置でアームを係止させるものである。
このような第1の態様であるシートベルトリーチャー装置によれば、常時は、ねじりコイルばねの弾性力によりアームが車両前方側から車両外側方向に向かう回転方向に弾発されていると共に、係止部材によってアームを係止させていることから、シートベルトガイド部がウェビングをシートバック及び車両内装材から車両前方側に離間させることができるので、アームの初期位置においてウェビングをシートバック及び車両内装材の表面から浮くように配置させることができる。
また、乗員がベルト装着のために、ウェビングに挿通されたタングを引っ張って、車両フロアまたはシートクッションに固定されているバックルに掛止させると、ねじりコイルばねの弾発力がリトラクタの巻取り力(引張り力)より弱く設定されていることから、アームをねじりコイルばねの弾発力に抗してリヤシートに着座した乗員の上体側に回転させることができる。
なお、リヤシートに着座した乗員がシートベルトをバックルから脱着させると、アームがねじりコイルばねの弾性力により車両内側方向から車両前方側に向かって回転するので、当該アームを係止部材によってシートベルトガイド部がウェビングをシートバック及び車両内装材から車両前方側に離間させる位置に係止させることができる。
本発明の第2の態様は第1の態様であるシートベルトリーチャー装置において、アームを回転方向と逆の回転方向に回転させてシートベルトガイド部を車両後方側の所定位置に係止するために、アームの基端部の下面には係止凸部が形成されているものである。なお、本明細書において「係止」とは係り合って止めることを意味する。
また、筐体ベースの上面にはアームが逆の回転方向から回転してくると係止凸部を徐々に上昇させる傾斜面を有する係止爪部が形成されているものである。
また、アームは弾性部材で構成されているものである。
このような第2の態様であるシートベルトリーチャー装置によれば、車両前方側から車両内側方向に向かう回転方向に回転させると、アームの基端部の下面に形成された係止凸部が筐体ベースの上面に形成された係止爪部までスムーズに回転させることができるので、シートベルトガイド部を車両後方側の所定位置まで移動させることができ、さらに、この移動位置で係止凸部が係止爪部に係止されるので、その移動位置にアーム及びシートベルトガイド部を維持させることができる。
また、アームは弾性部材で構成されていることから、シートベルトガイド部を上方に引き上げると、当該アームを撓ませることができるので、係止爪部に係止されている係止凸部を容易に当該係止爪部から解除させることができる。
本発明の第3の態様は第2の態様であるシートベルトリーチャー装置において、アームのアーム部は、基端部から上方向に傾斜した状態で延設されている傾斜部位と、傾斜部位から水平方向に延設されベルトガイド部が固定される水平部位とから構成されているものである。
このような第3の態様であるシートベルトリーチャー装置によれば、基端部と傾斜部位との屈曲点を撓ませるための撓み起点として用いることができるので、アームを撓ませ易くなる。
本発明の第4の態様は第2の態様又は第3の態様であるシートベルトリーチャー装置において、シートベルトガイド部は、ウェビングを着脱自在な形状に形成されているものである。
このような第3の態様であるシートベルトリーチャー装置によれば、シートバックの後方側にアーム及びシートベルトガイド部を維持させたときに、シートベルトガイド部からウェビングを外すことができる。
本発明のシートベルトリーチャー装置によれば、コンパクト且つ簡易な構成で、車室内装材に対する組付け性と、シートベルトの装着性とを向上させることができる。また、コンパクト且つ簡易な構成で、固定式シートバックの着脱作業や可倒式シートバックの前倒し作業の際、シートベルトガイド部材と干渉させることなく行うことができる。
本発明のシートベルトリーチャー装置における好ましい実施の形態を示す図で、(A)は車室内において車体側壁に設置した状態の斜視図、(B)は上面図、(C)は側面図である。 本発明のシートベルトリーチャー装置と、リヤシートと、シートベルトと、リトラクタとの位置関係を示す側面図である。 図1に示されたシートベルトリーチャー装置の分解斜視図である。 本発明のシートベルトリーチャー装置の構成要素であるアーム及び筐体ベースそれぞれに形成された係止凸部及び係止爪部を示す図で、(A)はシートベルトリーチャー装置の斜め上面から見た斜視図、(B)はアーム及びシートベルトガイド部を下方側から見たときの係止凸部を示す斜視図、(B)は(A)の1点鎖線で囲んだP1部において筐体ベースを斜め上方側から見たときの係止爪部を示す部分斜視図である。 図1(A)に示されたシートベルトリーチャー装置を平面視した状態における動作説明図である。 本発明のシートベルトリーチャー装置の構成要素であるアームの弾性特性を示す側断面図である。 図4に示された係止凸部が形成されたアーム及び係止爪部が形成された筐体ベースの簡易説明図で、(A)は断面図、(B)は(A)の1点鎖線で囲んだP2部の動作説明図、(C)は(B)の拡大図である。
以下、本発明のシートベルトリーチャー装置を実施するための形態例について、図面を参照して説明する。
本発明のシートベルトリーチャー装置は図1(A)に示すように、リヤシート2のシートバック21の肩部近傍に位置する車室内装材3に設けられ、シートバック21の後方に配置されているリトラクタ4から引き出されてシートバック21及び車室内装材3に沿って掛け渡された状態にあるウェビング41を当該シートバック21及び車室内装材3から車両前方側に離間させるものである。なお、図1(A)においては、車室内装材3としてリヤシートの側部に隣接するシートサイドガーニッシュを使用している。
リヤシート2は図2に示すように、座部としてのシートクッション22の車両後端に、当該シートクッション2の着座乗員の上体を背面側から支持するシートバック21が設けられて構成されている。なお、本発明のシートベルトリーチャー装置1は、シートバック21がシートクッション22に対して前倒し可能に連結されている可倒式シートバック、及びシートバック21がシートクッション22に対して着脱自在に固定されている固定式シートバックの何れにおいても適用させることができる。
このリヤシート2には3点を1本のウェビングで結ぶ連結タイプである連続3点式シートベルトが適用され、この3点式シートベルトは図1(A)、図2に示すように、ウェビング41と共に、ウェビング41を巻き取るリトラクタ4と、ウェビング41に挿通されたスリップガイド42と一体構造のタング43と、タング43を掛止するバックル44とから構成され、リトラクタ4がシートバック21の後方で車体に固定され、ウェビング41の一端が車両フロア(図示せず。)またはリヤシート2のシートクッション22に固定され、且つバックル44が車両フロアまたはリヤシート2のシートクッション22に固定されている。この3点式シートベルトはリヤシート2の左右両側の窓側にそれぞれ配置されている。
リトラクタ4は、ウェビング41に作用する巻取り力(引張り力)によって当該ウェビング41を巻き取るように付勢する構造で、ウェビング41を水平状態で引き出すことができる。なお、本明細書において「付勢」とは勢いを増加することを意味する。
このようなリトラクタ4及び3点式シートベルトが配置されたリヤシート2に適用されるシートベルトリーチャー装置1は図1(B)、(C)、図3に示すように、筐体ベース5と、シートベルトガイド部6と、アーム7と、ねじりコイルばね8と、係止部材9とを備えているものである。
筐体ベース5は、シートサイドガーニッシュ3に形成された水平面部を有する台座31に設けられ、上面側にはねじりコイルばね8を嵌め込むと共に所定深さで係止させることができる円形状の嵌合溝51が形成されている。この筐体ベース5の材質としては、ポリアミド樹脂等のプラスチック樹脂が用いられる。
シートベルトガイド部6は、ウェビング41が挿通された状態で係合されている。また、シートベルトガイド部6は、ウェビング41を着脱自在な形状に形成されている。具体的には、シートベルトガイド部6には、ウェビング41を挿通できる大きさのスリット61が形成され、このスリット61の両側部はそれぞれ円弧状に形成されている。この両側部に形成された円弧部61a、61bの向きは同一方向で図1(C)、図3中において上側に向かって弧を描くように形成されている。即ち、シートベルトリーチャー装置1をシートサイドガーニッシュ3に設置した場合に、この円弧部61a、61bは車両上方向に向かって弧を描くように形成されている。また、図1(C)、図3中において奥側になる円弧部61aの上端には水平方向に切り欠かれた切欠き部61cが形成されている。スリット61はこのように形成されているので、ウェビング41を着脱自在にすると共に容易には外れないようにすることができる。
このシートベルトガイド部6の材質としては、ポリアセタール樹脂等のプラスチック樹脂が用いられる。
アーム7は、シートベルトガイド部6が固定されていると共に、筐体ベース5に基端部71が車幅方向で回動可能に支持され、当該シートベルトガイド部6をシートバック21の肩部上で旋回移動させる。具体的には、基端部71がリング状の平板から形成され、この基端部71から延設されたアーム部72がシートベルトガイド部6を固定できるような長さで形成されている。なお、本明細書において、「延設」とは、一方向に延びるように設けることを意味する。アーム部72は、基端部71から上方向に傾斜した状態で延設されている傾斜部位72aと、傾斜部位72aから水平方向に延設されベルトガイド部6が固定される水平部位72bとから構成されている。
ねじりコイルばね8は、その軸線まわりにねじり荷重を受け、一方の腕に伝達された荷重を他方の腕に伝達させることができることから、アーム7が車両前方側から車両外側方向に向かう回転方向に回転するように当該アーム7に対して弾性力を付与するために、一方の腕81が筐体ベース5の一部位に係合され且つ他方の腕82がアーム7に係合されるように当該筐体ベース5に内設されている。具体的には、ねじりコイルばね8は、一方の腕81が筐体ベース5の溝51の側壁に設けられた切欠き部52に係合され、且つ他方の腕82がアーム7の基端部71に穿設された孔71aに嵌め込まれている。
係止部材9は図3、図4(A)に示すように、筐体ベース5の上部に設けられ、シートベルトガイド部6がウェビング41をシートバック21及びシートサイドガーニッシュ3から車両前方側に離間させる位置でアーム7を係止させるものである。具体的には、係止部材9は、筐体ベース5の嵌合溝51や切欠き部52等を塞ぐための蓋として機能するように形成されていると共に、裏面にはねじりコイルばね8を巻装するための円筒スリーブ91が突出するように形成されている。この円筒スリーブ91はねじりコイルばね8を巻装した状態で、筐体ベース5の嵌合溝51に嵌合させることができるような大きさに形成されている。また、円筒スリーブ91の中空部は係止部材9の上面に貫通している。なお、本明細書において、「巻装」とは、外側を巻いた状態に装うことを意味する。
また、係止部材9の裏面には、シートベルトガイド部6がウェビング41をシートバック21及びシートサイドガーニッシュ3から車両前方側に離間させる位置でアーム7を係止させるための切欠き部92が設けられている。この切欠き部92内においてアーム7が回動することになる。また、係止部材9の裏面には、アーム7が回動するときの接触摩擦力を軽減するためのリブ93が間隔を置いて複数個所に設けられている(図7(A)、(B)参照。)。なお、図1(B)、(C)には、係止部材9の記載を省略している。
さらに、本発明のシートベルトリーチャー装置1は図4(A)、(B)、(C)に示すように、アーム7を回転方向と逆の回転方向に回転させてシートベルトガイド部6を車両後方側の所定位置に係止するために、アーム7の基端部71の下面には係止凸部71bが形成されている。さらに、筐体ベース5の上面にはアーム7が逆の回転方向から回転してくると係止凸部71bを徐々に上昇させる傾斜面53aを有する係止爪部53が形成されている。係止爪部53は、傾斜面53aの切欠き端が基端部71の板面に向かって垂下する壁面53bを有している。この壁面53bに係止凸部71bが係止されることになる。なお、ここで言う「アーム7を係止する所定位置」とは、アーム7及びシートベルトガイド部6が固定式シートバックの着脱作業や可倒式シートバックの前倒し作業の邪魔にならない退避位置である。また、アーム7は弾性部材で構成されている。この弾性部材としては、ばね用ステンレス鋼帯等の板ばねが好適である。
このように構成されたシートベルトリーチャー装置1をシートサイドガーニッシュ3に形成された水平面部を有する台座31に設置するには、第1に、筐体ベース5を台座31の所定位置に載置する。第2に、ねじりコイルばね8を筐体ベース5の嵌合溝51に嵌合させると共に、スリーブカラー11もねじりコイルばね8の内径側に位置するように嵌合溝51に嵌合させる。この際、ねじりコイルばね8の一方の腕81を、筐体ベース5の切欠き部52に係合させ、他方の腕82をアーム7の基端部71に穿設された孔71aに嵌め込んでおく。第3に、アーム7の基端部71を筐体ベース5の上面上の所定位置に載置させ、さらに、係止部材9で筐体ベース5の嵌合溝51や切欠き部52等を塞ぐように当該筐体ベース5上に載置する。この際、係止部材9の円筒スリーブ91を、ねじりコイルばね8が巻装するように筐体ベース5の嵌合溝51に嵌合させる。
最後に、座金付きボルト12を係止部材9の上面側からスリーブカラー11の中空部に挿入して、台座31のねじ穴31aにねじ止めする。この際、座金付きボルト12の座金部分で、係止部材9を筐体ベース5に押圧できるように当該係止部材に係止させることができるので、筐体ベース5、シートベルトガイド部6、アーム7、ねじりコイルばね8及び係止部材9から成るシートベルトリーチャー装置1を、シートサイドガーニッシュ3に形成された水平面部を有する台座31に設置することができる。なお、係止部材9の上面に形成された蓋溝94は蓋13で塞ぐことで見栄えがよくなる。
このようにしてシートサイドガーニッシュ3に形成された水平面部を有する台座31に、シートベルトリーチャー装置1を組み立てることができるので、シートサイドガーニッシュ3に対する組付け性が向上する。
このようなシートベルトリーチャー装置1の動作について、以下、図5、図6及び図7(A)、(B)、(C)と共に図1(A)、(B)、(C)及び図4を参照しながら説明する。なお、図5において矢印で方向を示してあるが、これは運転席に着座した乗員から見た方向を示している。矢印FRは車両前方向、矢印OUTは車両外側方向をそれぞれ示している。
シートベルトリーチャー装置1は、常時は、ねじりコイルばね8の弾性力によりアーム7が車両前方側から車両外側方向に向かう回転方向に弾発されていると共に、係止部材9によってアーム7を係止させていることから、シートベルトガイド部6がウェビング41をシートバック21及びシートサイドガーニッシュ3から車両前方側に離間させることができるので、アーム7の初期位置においてウェビング41をシートバック21及びシートサイドガーニッシュ3の表面から浮くように配置させることができる。図5においては、実線で示したアーム7及びシートベルトガイド部6の位置である。したがって、リヤシート2に着座した乗員Cがシートベルト装着の際におけるウェビング41の取り出しを容易にすることができる。
また、乗員Cがベルト装着のために、ウェビング41に挿通されたタング43を引っ張って、車両フロアまたはシートクッション22に固定されているバックル44に掛止させると、ねじりコイルばね8の弾発力がリトラクタ4の巻取り力(引張り力)より弱く設定されているので、アーム7をねじりコイルばね8の弾発力に抗してリヤシート2に着座した乗員Cの上体側に回転させることができる。図5においては、一点鎖線で示したアーム7及びシートベルトガイド部6の位置である。したがって、ウェビング41の引き出し易さをアシストすると共に当該ウェビング41で上体を拘束することができる。
なお、リヤシート2に着座した乗員Cがタング43をバックル44から脱着させると、アーム7がねじりコイルばね8の弾性力により車両内側方向から車両前方側に向かって回転するので、当該アーム7を係止部材9によってシートベルトガイド部6がウェビング41をシートバック21及びシートサイドガーニッシュ3から車両前方側に離間させる位置に係止させることができる。したがって、シートベルトの使用後は、アーム7を初期位置に自動的に戻すことができる。
また、車両前方側から車両内側方向に向かう回転方向に回転させると、アーム7の基端部71の下面に形成された係止凸部71bが筐体ベース5の上面に形成された係止爪部53までスムーズに回転させることができるので、シートベルトガイド部6を車両後方側の所定位置まで移動させることができ、さらに、この移動位置で係止凸部71bが係止爪部53に係止されるので、その移動位置にアーム7及びシートベルトガイド部6を維持させることができる。図5においては、二点鎖線で示したアーム7及びシートベルトガイド部6の位置である。
したがって、シートバック21の後方側にアーム7及びシートベルトガイド部6を維持させることができるので、固定式シートバックの着脱作業や可倒式シートバックの前倒し作業の際、アーム7及びシートベルトガイド部6と干渉させることなく行うことが可能になる。
また、アーム7は弾性部材で構成されていることから、シートベルトガイド部6を上方に引き上げると、当該アーム7を撓ませることができるので、係止爪部53に係止されている係止凸部71bを容易に当該係止爪部53から解除させることができる(図6参照。)。なお、図6においては、引き上げ前のアーム7は実線で示し、引き上げたアーム7は一点鎖線で示している。したがって、アーム7がねじりコイルばね8の弾性力により車両内側方向から車両前方側に向かって回転するので、当該アーム7を初期位置に自動的に戻すことができる。
また、アーム7のアーム部72に基端部71から上方向に傾斜した状態で延設されている傾斜部位72aを設けることで、基端部71と傾斜部位72aとの屈曲点を撓ませるための撓み起点として用いることができるので、アーム7を撓ませ易くなる。
また、シートベルトガイド部6を、ウェビング41が着脱自在になるように形成することで、シートバック21の後方側にアーム7及びシートベルトガイド部6を維持させたときに、シートベルトガイド部6からウェビング41を外すことができる。したがって、固定式のシートバックの着脱作業や可倒式のシートバックの前倒し作業においてウェビングを干渉させずに行うことができる。
なお、本発明のシートベルトリーチャー装置は、上述のようにシートサイドガーニッシュに設けていたが、これに限らず、リヤシートのシートバックの肩部近傍に位置する車室内装材であるボディサイドトリムに設けてもよい。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
1……シートベルトリーチャー装置
2……リヤシート
21……シートバック
3……シートサイドガーニッシュ(車室内装材)
4……リトラクタ
41……ウェビング
5……筐体ベース
53……係止爪部
6……シートベルトガイド部
7……アーム
71……基端部
71b……係止凸部
72……アーム部
72a……傾斜部位
72b……水平部位
8……ねじりコイルばね
81……一方の腕
82……他方の腕
9……係止部材

Claims (4)

  1. リヤシートのシートバックの肩部近傍に位置する車室内装材に設けられ、前記シートバックの後方に配置されているリトラクタから引き出されて前記シートバック及び前記車室内装材に沿って掛け渡された状態にあるウェビングを当該シートバック及び前記車室内装材から車両前方側に離間させるシートベルトリーチャー装置であって、
    前記車室内装材に設けられている筐体ベースと、
    前記ウェビングが挿通された状態で係合されているシートベルトガイド部と、
    前記シートベルトガイド部が固定されていると共に、前記筐体ベースに基端部が車幅方向で回動可能に支持され、当該シートベルトガイド部を前記シートバックの前記肩部上で旋回移動させるアームと、
    前記アームが前記車両前方側から車両外側方向に向かう回転方向に回転するように当該アームに対して弾性力を付与するために、一方の腕が前記筐体ベースの一部位に係合され且つ他方の腕が前記アームに係合されるように当該筐体ベースに内設されているねじりコイルばねと、
    前記筐体ベースの上部に設けられ、前記シートベルトガイド部が前記ウェビングを前記シートバック及び前記車室内装材から前記車両前方側に離間させる位置で前記アームを係止させる係止部材とを備えていることを特徴とするシートベルトリーチャー装置。
  2. 前記アームを前記回転方向と逆の回転方向に回転させて前記シートベルトガイド部を車両後方側の所定位置に係止するために、前記アームの前記基端部の下面には係止凸部が形成され、前記筐体ベースの上面には前記アームが前記逆の回転方向から回転してくると前記係止凸部を徐々に上昇させる傾斜面を有する係止爪部が形成され、前記アームは弾性部材で構成されていることを特徴とする請求項1記載のシートベルトリーチャー装置。
  3. 前記アームのアーム部は、前記基端部から上方向に傾斜した状態で延設されている傾斜部位と、前記傾斜部位から水平方向に延設され前記ベルトガイド部が固定される水平部位とから構成されていることを特徴とする請求項2記載のシートベルトリーチャー装置。
  4. 前記シートベルトガイド部は、前記ウェビングを着脱自在な形状に形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のシートベルトリーチャー装置。
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KR102276256B1 (ko) * 2020-02-19 2021-07-12 현대트랜시스(주) 차량용 시트벨트 가이드 장치

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