JP2018086871A - 移動体の床面構造 - Google Patents
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Abstract
Description
この場合、軌道などからの入力によって、台車等の走り装置から床構造体に振動が伝搬すると、床根太を介した固体伝搬によって床板が加振され、振動する。
その結果、振動の大きさ及び周波数の特性によっては、乗客等が振動を感じ、時に不快に感じることになる。
また、床板に伝搬する振動の周波数が、例えば数十Hz以上の場合には、床板の振動に伴い室内に騒音が発生する。
この騒音は、固体伝搬音といわれ、移動体において乗客の快適性などの観点から問題となる場合がある。
また、特許文献3には、床面部の振動及び騒音を効果的に抑制することを目的として、構体の床構造体に対して上方に浮かせて配置された床面部を、可撓性を有しかつ弾性部材を有する連結部材によって左右の側構から吊り下げ、構体に対してまくらぎ方向に相対変位可能とすることが記載されている。
しかし、このような構成とした場合、床板の中央部における支持がなくなるため、乗客や貨物等の荷重に対して床板の剛性が不足し、比較的大きなたわみが生じることが懸念される。
これに対して床板の厚さを増加したり、床板の下面に梁を追加するなどして剛性を向上することも考えられるが、床板自体の補強によって十分な剛性を得ようとした場合、大幅な重量増加は避けられず、鉄道車両等の性能に悪影響を与えてしまう。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、軽量かつ簡素な構成によって荷重による床面部のたわみを抑制した移動体の床面構造を提供することである。
本発明によれば、床面部に下向き荷重が負荷され、床面部の中央部が下がる方向の曲げ変形を生じさせる曲げモーメントが発生した際に、一対の支持部材は床面部の曲げ変形に応じて、下端部間が開く方向に相対回動しようとするが、張力部材によって支持部材の下端部間の開きは拘束されるため、床面部の曲げ変形を抑制する反力(抗力)が発生し、床面部のたわみが抑制される剛性向上効果を得ることができる。
このため、床構造体等からの振動の固体伝搬を抑制するために、床面部が側端部等で支持される場合であっても、比較的軽量かつ簡素な構造によってたわみを効果的に抑制することができる。
これによれば、下向き荷重が負荷されたときのたわみが比較的大きくなる床面部の中央部を重点的かつ効果的に補強することができる。
また、補強構造自体のスパンも小さくして軽量化を図ることができる。
これによれば、構造体自体が有する剛性によって、床面部がたわむことを抑制する効果が得られる。
そして、構造体の床面部への取付箇所に生じる床面部の曲げモーメントに対して、支持部材及び張力部材によって反力を得ることができるため、床面部全体の剛性を向上することができる。
これによれば、高速鉄道用や優等列車用の旅客用車両であれば通常設けられる腰掛の脚台を利用し、新規部品の追加を抑制しつつ、良好な床面部の補強効果を得ることができる。
腰掛の脚台は、乗客の荷重に耐えられるよう比較的高い強度、剛性を有することから、効果的に床面部の剛性向上を図ることができる。
これによれば、床面部を無負荷状態で湾曲させておくことによって、床面部の面剛性を高め、下向き荷重が負荷された時の床面部の曲げ変形をより抑制することができる。
この場合、前記床面部は、前記張力部材に負荷される張力によって前記湾曲した形状を保持している構成とすることができる。
これによれば、簡単な構成により床面部を湾曲させ、上述した効果を得ることができる。
この場合、前記支持部材は、前記張力部材が張力によって前記湾曲した形状を保持した状態で前記張力部材に対して実質的に直角となるよう配置される構成とすることができる。
これによれば、床面部と支持部材との接合部における角度変化を、効率よく張力部材の伸びに変換することが可能であり、床面部の補強効果をより向上することができる。
これによれば、張力部材の両端部に設けられる支持部材と、中間支持部材との間でも床面部のたわみを抑制する補強効果を得ることができ、下向き荷重が負荷された時の床面部の変形をよりいっそう抑制することができる。
これによれば、床面部の両端部の角度を拘束することによって、下向き荷重が負荷された時の床面部の変形をよりいっそう抑制することができる。
これによれば、左右方向(例えば鉄道車両の場合にはまくらぎ方向)の振動に対して、床面部の質量を利用した制振効果を得ることができ、振動、騒音の抑制効果をより向上することができる。
以下、本発明を適用した移動体の床面構造の第1実施形態について説明する。
第1実施形態の移動体の床面構造は、例えば、鉄道車両に設けられるものである。
図1は、第1実施形態の鉄道車両用車体を鉛直方向及びまくらぎ方向に沿った平面で切って見た模式的断面図である。
図2は、図1のII−II部矢視模式的断面図である。
図3は、図2のIII−III部矢視模式図である。
車体1は、例えば、図2に示すように、車体前後にドア用開口22が設けられるデッキDを有するとともに、各デッキDの間の空間部である車室内に、車両前後方向に沿いかつ通路を挟んで、複数の腰掛(クロスシート)を配列して構成される高速鉄道用車両や特急等の優等列車用の電車用車体である。
台枠の下部には、図示しない枕ばね系、牽引装置、ダンパ等を介して、前後一対のボギー台車が取り付けられる。
また、台枠の下部には、図示しない各種機器が吊り下げられる。
床構造体10は、車体1の下面部を構成する。
側構体20は、車両前後方向及び鉛直方向にほぼ沿ったパネル状に形成されている。
側構体20には、窓用開口21(図3参照)、及び、ドア用開口22等が形成されている。
窓用開口21は、車室の窓部に相当する部分である。
ドア用開口22は、これを開閉するドア装置が設けられるとともに、乗客の乗降等に用いられるものである。
側構体20及び屋根構体30は、例えば、アルミニウム系合金によるダブルスキン構造を有する。
妻構体40は、まくらぎ方向及び鉛直方向にほぼ沿ったパネル状に形成されている。
妻構体40の下端部、側端部、上端部は、それぞれ床構造体10、側構体20、屋根構体30の前後端部とそれぞれ接合されている。
妻構体40の中央部には、他車両との乗客等の往来に用いられる貫通扉が形成されている。
床板50の上面は、乗客が歩行したり、腰掛51が設置される車室床面を構成している。
床板50は、車室の床面部を構成するものであって、例えば、実質的に水平方向に沿って延在する平板状に形成されている。
床板50は、車室内の下部において、床構造体10との間に、上下方向に間隔を有して配置されている。
床板50は、その側端部を、側構体20から突出して形成されたブラケット50aに載置され支持されている。
腰掛51は、車両前後方向に沿って実質的に等間隔で複数列にわたって配列されている。
腰掛51は、床板50の中央部において、車両前後方向に延在する通路の左右にそれぞれ実質的に対称に配置されている。
腰掛51は、腰掛脚台52を介して床板50に取り付けられている。
腰掛脚台52は、腰掛51の下部に設けられ、腰掛51を床板50に固定するために用いられる台状の部材である。
腰掛脚台52は、まくらぎ方向に離間して配置された左右一対の脚部を有する。
空調ダクト60は、例えば上下方向に対して水平方向の寸法が大きい扁平状の断面形状を有し、車体1の前後方向にほぼ沿って延在している。
図1に示す例においては、空調ダクト60は、まくらぎ方向に沿って例えば4本が配列されている。
中央側の2本の空調ダクト60は、補強構造100の第1ブラケット110と第2ブラケット120との間であり、かつ、張力部材130よりも上方の領域に配置されている。
外側の2本の空調ダクト60は、補強構造100の左右にそれぞれ配置されている。
補強構造100は、床板50の上に、例えば、乗客の体重や貨物の重量等の下向き荷重が負荷された場合における床板50のたわみ(中央部が下降する方向の曲げ変形)を抑制するものである。
図4は、第1実施形態の鉄道車両用車体における床面部周辺の拡大図である。
図5は、第1実施形態の鉄道車両用車体における補強構造を示す図である。
補強構造100は、第1ブラケット110、第2ブラケット120、張力部材130等を有して構成されている。
このような補強構造100は、鉄道車両用車体1の前後方向における中央部一か所、又は、前後方向に分散した複数箇所にそれぞれ設けることができる。
第1実施形態においては、車体1は前後方向に例えば17分割された床板50を有し、補強構造100は各床板50にそれぞれ設けられるが、図2においては理解を容易とするため、補強構造100は一カ所にのみ図示している。
第1ブラケット110と第2ブラケット120とは、まくらぎ方向(車幅方向)に離間して、床板50の左右にそれぞれ設けられている。
第1ブラケット110、第2ブラケット120の下端部は、構体の床構造体10と間隔を隔てて離間して配置されている。
本体部111,121は、例えば、車両前後方向、及び、鉛直方向に略沿った平板状に形成されている。
本体部111,121の上端部は、床板50の下面部に、例えばボルト−ナット等の機械的締結手段や、溶接等によって固定されている。
本体部111,121の下端部は、床構造体10の上方側に、床構造体10と間隔を隔てて配置されている。
ガセット部112,122は、例えば実質的に直角三角形状の平面形を有する平坦なプレート状に形成されている。
ガセット部112,122は、本体部111,121における車幅方向内側の面部から車幅方向内側へリブ状に張り出して形成されている。
ガセット部112,122の上端部は、床板50の下面部に沿って配置されかつ床板50の下面部に固定されている。
この場合、いずれかの接合部に破損や欠陥等が生じると、ガセット部による補強効果が減殺されてしまうため、ガセット部は第1実施形態のように、本体部111,121の車幅方向内側に設けることが好ましい。
張力部材固定部113,123は、本体部111,121の下端部近傍にそれぞれ設けられている。
張力部材固定部113,123は、張力部材130に負荷される張力を、本体部111,121との間で伝達可能となっている。
張力部材固定部113,123は、例えば、張力部材130の両端部に形成される図示しないネジ部と締結されるナット等を有して構成されている。
このナットの締込量を調節することによって、無負荷状態において張力部材130に予め付与する張力(プリロード)を調節することが可能となっている。
張力部材130は、例えば、ステンレス鋼(SUS)等の金属材料からなる棒材(線材)等によって形成されている。
張力部材130は、実質的にストレートな形状を有するとともに、両端部は張力部材固定部113,123によって、第1ブラケット110、第2ブラケット120にそれぞれ固定されている。
張力部材130は、床板50の下方に、床板50とは間隔を隔てて実質的に水平方向に沿って配置されている。
張力部材130の床板50からの距離は、床構造体10等との他部品との干渉が生じない限り、極力大きくすることが補強効果の観点からは好ましい。
張力部材130は、鉄道車両の通常使用時において、伸び変形が実質的に無視し得る程度の剛性、強度となるように構成されている。
例えば、腰掛脚台52がアルミニウム合金製の角パイプによって形成され、まくらぎ方向に離間した一対の脚部を有する場合には、本体部111,121は、腰掛脚台52の脚部の間隔内に配置される。
また、第1実施形態においては、ガセット部112,122の床板50への固定箇所におけるまくらぎ方向内側(中央通路側)の端部が、腰掛脚台52のまくらぎ方向内側の脚部と実質的に一致する箇所に配置されている。
仮に床板50がこのように変位した場合、第1ブラケット110と第2ブラケット120とは、それぞれの張力部材固定部113,123が相互に離間する方向に相対変位することになる。
しかし、張力部材固定部113,123の間隔は、張力部材130により拘束され、相互に離間する方向への相対変位は実質的に防止されているため、補強構造100は、床板50が上述した変形をすることを防止する抗力を発生し、床板50は曲げ剛性が向上する。
特に、第1実施形態においては、第1ブラケット110、第2ブラケット120の床板50との固定箇所を、腰掛脚台52の左右の脚部間に設けたことによって、各ブラケット110,120の固定箇所周辺における床板50の剛性が他の領域に対して向上する。
腰掛脚台52による床板50の補強効果との相乗効果により、第1実施形態においては、補強構造100を単体で設けるよりも優れた剛性向上効果を得ることができる。
以下説明する比較例及び各実施形態において、上述した第1実施形態等の従前の実施形態と実質的に共通する箇所については、同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
以下、各床面構造において床板50の中央に鉛直荷重を負荷した際のたわみ量を数値計算によって算出した結果について説明する。
このときの解析条件は以下の通りである。
床板50は、実際の車両においては面板及びハニカムコアを有するアルミハニカム板によって形成されるが、この数値計算においては補強構造の剛性向上効果を検証できればよいため、特記ない限り板厚t=12.5mmのアルミニウム板とした。
床板50の平面形状は、まくらぎ方向長さ3000mm、車両前後方向長さ1200mmの矩形状とした。
床板50は、まくらぎ方向両端部において、特記ない限り車両前後方向に沿った軸回りの回動を実質的に拘束されない状態で支持されている。
このような床板の中央部に800Nの鉛直方向下向きの集中荷重を負荷した際の変形状態を数値計算によって求めた。
図6においては、理解を容易とするために、上下方向の変位を10倍に拡大して図示している。(後述する図7,8,9,11,12において同じ)
図6に示すように、補強構造100を持たない比較例の床面構造においては、床板50は、下方が凸となる弓なり状に変形する。
比較例においては、床板50の中央における下向き変位は、32.2mmとなった。
ここで、第1ブラケット110、第2ブラケット120の張力部材固定部113,123の間隔(スパン)S(図4参照)は、例えば1600mmである。
床板50の下面から張力部材130までの距離H1は、例えば150mmである。
ガセット部112,122の上端部の長さW1は、例えば100mmである。
張力部材130は、例えば、直径Φ=6mmのSUS丸棒である。
この変位量(たわみ量)は、比較例の約39%であり、このことから補強構造100を単独で設けることによって、剛性を約2.6倍に向上できることがわかる。
なお、この補強構造100の重量は、例えば約11kgである。
ここで、腰掛脚台52の高さH2(図4参照)は、例えば200mmである。
腰掛脚台52の左右の脚部間の幅W2は、例えば700mmである。
腰掛脚台52は、外寸が30mm×30mm、板厚t=3mmのアルミニウム系合金の角パイプによって形成されている。
まくらぎ方向内側の脚部は、ガセット部112,122のまくらぎ方向内側の端部と上下方向に実質的に重なるよう配置されている。
図8に示すように、床板50に、補強構造100を腰掛脚台52と上述した位置関係で設けた床面構造においては、床板50の中央における下向き変位は、11.0mmとなった。
この変位量(たわみ量)は、比較例の約34%であり、このことから補強構造100を腰掛脚台52とともに設けることによって、剛性を約2.9倍に向上できることがわかる。
なお、この場合にも補強構造100の重量は、例えば約11kgであり、腰掛51及び腰掛脚台52は車両に通常設けられるものであるため、これによる重量増は実質的に無視することができる。
面板及びハニカムコアを有するアルミハニカム板の板厚を変化させて剛性を向上した場合の重量を表1に示す。
一般的な鉄道車両においては、1両あたり10枚以上(例えば17乃至20枚程度)の床板を前後方向に配列して用いることから、車両あたり、あるいは、編成あたりの重量増加はさらに大きくなる。
これに対し、約11kgの重量増加により剛性を約3倍とできる第1実施形態の補強構造100は、車両の重量増加を抑制しつつ、効果的に床板50の曲げ剛性を向上できることがわかる。
(1)床板50に下向き荷重が負荷された際に、第1ブラケット110及び第2ブラケット120は、床板50の曲げ変形に応じて下端部間が開く方向に相対回動しようとするが、実際には張力部材130によって第1ブラケット110及び第2ブラケット120の下端部間の開きは拘束されるため、床板50の曲げ変形を抑制する抗力が発生する。
このため、床構造体10等からの振動の固体伝搬を抑制するために、床板50が側端部で支持される場合であっても、比較的軽量かつ簡素な構造によって床板50のたわみを効果的に抑制することができる。
(2)補強構造100を、床板50のまくらぎ方向における中央部に設けることによって、下向き荷重が負荷されたときのたわみが比較的大きくなる床板50の中央部を重点的かつ効果的に補強することができる。
(3)補強構造100の第1ブラケット110、第2ブラケット120を平面視において腰掛脚台52と重なるよう配置したことによって、腰掛脚台52自体が有する剛性によって床板50における第1ブラケット110及び第2ブラケット120の基部を補強し、床板50の補強効果を高めることができる。
このような腰掛脚台は、高速鉄道用や優等列車用の旅客用車両であれば通常設けられるものであることから、新規部品の追加を抑制しつつ、良好な床板50の補強効果を得ることができる。
次に、本発明を適用した移動体の床面構造の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の移動体の床面構造は、補強構造100の第1ブラケット110及び第2ブラケット120を、床板50のまくらぎ方向両端部近傍に配置したことを特徴とする。
第2実施形態においては、床板50の中央における下向き変位は、11.3mmとなった。
以上説明したように、第2実施形態においても、比較的軽量な構成により床板50の剛性向上を図ることができる。
次に、本発明を適用した移動体の床面構造の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の移動体の床面構造は、第2実施形態と同様に床板50の実質的に全幅にわたって配置された補強構造100を有するとともに、床板50に下向き荷重が実質的に負荷されない無負荷状態(初期状態)において、床板50が上方に凸となるよう弓なりに湾曲していることを特徴とする。
このような湾曲変形は、例えば、張力部材130に予め張力を与えることによって得ることができる。
図10は、第3実施形態の移動体の床面構造における無負荷状態を示す図である。
第3実施形態においては、床板50の中央における下向き変位は、6.5mmとなった。
以上説明したように、第3実施形態においては、第2実施形態と実質的に同様な効果に加え、床板50を予め上方に凸となるよう湾曲させておくことによって、剛性向上効果をより高めることができる。
次に、本発明を適用した移動体の床面構造の第4実施形態について説明する。
第4実施形態の移動体の床面構造は、第2実施形態と同様に床板50の実質的に全幅にわたって配置された補強構造100を有するとともに、床板50のまくらぎ方向における両端部を、側構体20に対して直角(床板50が水平)となるように、角度を拘束したことを特徴とする。
第4実施形態においては、床板50の中央における下向き変位は、9.9mmとなった。
以上説明したように、第4実施形態においては、第2実施形態と実質的に同様な効果に加え、床板50の側端部の角度を拘束することによって、床板50の側端部近傍の領域の曲げ剛性も中央の下向き変位を抑制する効果を発揮し、床板50のたわみをより抑制することができる。
次に、本発明を適用した移動体の床面構造の第5実施形態について説明する。
第5実施形態の移動体の床面構造は、床面50のまくらぎ方向における両端部を、側構体20及び床板50に対してそれぞれ揺動可能な連結部材70によって支持したことを特徴とする。
図13は、第5実施形態の鉄道車両用車体を鉛直方向及びまくらぎ方向に沿った平面で切って見た模式的断面図である。
連結部材70は、側構体20から、床板50を吊り下げる部材である。
連結部材70は、例えば上下方向にほぼ沿って延在するロッド状に形成されている。
連結部材70の上端部は、側構体20の内面(車幅方向内側の面)の上下方向における中央部に揺動可能に接続されている。
連結部材70と側構体20との接続箇所は、例えば、窓用開口21の下端部の直下などに設けられる。
連結部材の70の下端部は、床板50の側端部に揺動可能に接続されている。
この連結部材70と側構体20との接続部、及び、連結部材70と床板50との接続部は、揺動可能な部品の他、円筒ゴム等の弾性ブッシュなどを用いることができる。
このような構成により、床板50は、床構造体10等の構体に対して、左右方向に相対変位可能となっている。
連結部材70は、車両前後方向に分散して複数設けられている。
内装部材80と側構体20との間には空間部が形成され、連結部材70の下端部を除く実質的に全部は、この空間部内に収容されている。
次に、本発明を適用した移動体の床面構造の第6実施形態について説明する。
図14は、本発明の移動体の床面構造の第6実施形態を有する鉄道車両用車体を鉛直方向及びまくらぎ方向に沿った平面で切って見た模式的断面図である。
第6実施形態においては、鉄道車両は、1階車室及び2階車室を有するいわゆる2階建て車両であり、2階車室の床として、第2実施形態と実質的に同様の床面部50及び補強構造100が設けられている。
以上説明した第6実施形態においても、上述した第2実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用した移動体の床面構造の第7実施形態について説明する。
図15は、本発明の移動体の床面構造の第7実施形態を有する航空機を鉛直方向及び機幅方向に沿った平面で切って見た模式的断面図である。
第7実施形態において、本発明が適用される対象となる移動体は、例えば旅客機等の航空機である。
航空機の胴体Fは、鉛直方向及び機幅方向に沿った平面で切って見た断面形状が実質的に円形となっている。
床板50の側端部は、胴体Fの内面における側部に設けられたブラケット50aに載置され支持されている。
以上説明した第7実施形態によれば、航空機においても上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用した移動体の床面構造の第8実施形態について説明する。
図16は、本発明の移動体の床面構造の第8実施形態を有するバスを鉛直方向及び車幅方向に沿った平面で切って見た模式的断面図である。
バスの車体Bは、鉛直方向及び車幅方向に沿った平面で切って見た断面形状が実質的に矩形状となっている。
床板50の側端部は、車体Bの内面における側壁部に設けられたブラケット50aに載置され支持されている。
以上説明した第8実施形態によれば、バスにおいても上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用した移動体の床面構造の第9実施形態について説明する。
図17は、第9実施形態の移動体の床面構造における無負荷状態を示す図である。
第9実施形態の移動体の床面構造は、第3実施形態と同様に、無負荷状態において床板50が上方に凸となるよう弓なりに湾曲している。
第9実施形態においては、張力部材130の張力によって床板50を湾曲させた状態で、第1ブラケット110、第2ブラケット120の本体部111,121を、張力部材130と実質的に直角となるように配置したことを特徴とする。
第1ブラケット110、第2ブラケット120における床板50の側端部側の縁部である本体部111、121は、図17に示すように、張力部材130の長手方向(実質的に水平方向)に対して直角となるよう、鉛直方向に沿って配置されている。
図18(a)、図18(b)は、それぞれ第3実施形態、第9実施形態における床板50の側端部近傍の模式的拡大図である。
なお、図18(a)、図18(b)において、理解を容易にする目的で、床板50のたわみは拡大して図示している。
図18(a)に示す第3実施形態においては、第1ブラケット110の本体部111は、床板50の下面部から実質的に垂直に突出している。
このため、床板50が上方が凸となるように湾曲した際に、図18(a)に示すように、本体部111は、鉛直方向及び張力部材130の長手方向に対して傾斜して配置されることになる。
これに対し、図18(b)に示す第9実施形態においては、第1ブラケット110の本体部111は、床板50が湾曲した状態において実質的に鉛直方向に沿って配置され、張力部材130の長手方向に対して実質的に直角に配置されている。
このとき、第3実施形態においては、張力部材130の伸びは、図18(c)におけるdとなる。
一方、第9実施形態においては、張力部材130の伸びは、図18(c)におけるcとなる。
図18(c)よりc>dであることは明らかであり、第9実施形態は床板50のたわみを効率よく張力部材130の伸びに変換可能であることがわかる。
以上説明した第9実施形態によれば、上述した第3実施形態の効果と実質的に同様の効果に加え、床板50の変形をロスなく張力部材130の伸びに変換することが可能となり、床板50の補強効果をよりいっそう向上することができる。
次に、本発明を適用した移動体の床面構造の第10実施形態について説明する。
図19は、第10実施形態の本発明を適用した移動体の床面構造において床板中央に集中荷重を負荷した際の変形を示す図である。
第10実施形態の移動体の床面構造は、第4実施形態と実質的に同様の構成に加え、さらに、第3ブラケット140、第4ブラケット150を付加したものである。
第3ブラケット140、第4ブラケット150は、床板50のまくらぎ方向(車幅方向)における中央部から下方に突出して形成された柱状の支持金具(中間支持部材)である。
第3ブラケット140、第4ブラケット150の下端部は、張力部材130の中間部を支持するよう構成されている。
第3ブラケット140、第4ブラケット150は、第1ブラケット110と第2ブラケット120の間に、張力部材130の長手方向に沿って、車体1の中央に対して対称となるように分散して配置されている。
第10実施形態においては、床板50の中央における下向き変位は、5.3mmとなった。
以上説明した第10実施形態によれば、上述した第4実施形態の効果と実質的に同様の効果に加え、張力部材130の両端部に設けられる第1ブラケット110、第2ブラケット120と、第3ブラケット140、第4ブラケット150との間でも床板50のたわみを抑制する補強効果を得ることができ、下向き荷重が負荷された時の床板50の変形をよりいっそう抑制することができる。
なお、本発明は上述した各実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
例えば、各実施形態では移動体は例えば鉄道車両、航空機、バスであったが、これに限らず新交通システム車両や船舶等、他の移動体にも適用することが可能である。
また、床面構造を構成する各部材の形状、構造、材質、製法、配置、数量等は、上述した各実施形態に限定されず、適宜変更することが可能である。
例えば、各実施形態では、張力部材を棒材によって構成しているが、これに限らず、例えば車両の前後方向にほぼ沿った幅を有する板材などによって、車両前後方向に連続して構成してもよい。また、張力部材をワイヤ等の線材によって形成してもよい。
また、補強構造の配置、個数、方向等も特に限定されない。
また、第5実施形態では、可動床板を側構から吊り下げる連結部材として、例えば剛体のロッド状の部材を用いているが、例えばワイヤ等の可撓性を有する部材を用いることにより、側壁部(側構部)及び可動床板に対して揺動可能とする構成としてもよい。
また、第3実施形態においては張力部材に予め張力を与えることによって床板を湾曲させているが、これに代えて、あるいは、これとともに、床板の側端部を、中央部側が高くなるように傾斜させた状態で角度を拘束するようにしてもよい。
10 床構造体 20 側構体
21 窓用開口 22 ドア用開口
30 屋根構体 40 妻構体
50 床板 50a ブラケット
51 腰掛 52 腰掛脚台
60 空調ダクト 70 連結部材
80 内装部材 100 補強構造
110 第1ブラケット 111 本体部
112 ガセット部 113 張力部材固定部
120 第2ブラケット 121 本体部
122 ガセット部 123 張力部材固定部
130 張力部材 140 第3ブラケット
150 第4ブラケット
F 胴体 B 車体
Claims (11)
- 被収容物が収容される空間部の下部において実質的に水平方向に沿って延在し、周縁部において支持された床面部と、
前記床面部から下方に突出しかつ水平方向に離間して配置された一対の支持部材と、
一対の前記支持部材にわたして前記床面部の下面部から離間した箇所に設けられ前記支持部材の下端部の間隔が広がる方向の相対変異を抑制する張力部材と
を備えることを特徴とする移動体の床面構造。 - 前記支持部材は、前記床面部の周縁部から前記張力部材の長手方向に離間した箇所に配置されていること
を特徴とする請求項1に記載の移動体の床面構造。 - 前記床面部の上面部に取り付けられる構造体を有し、
前記支持部材の前記床面部への固定箇所の少なくとも一部が平面視において前記構造体と重なった位置に配置されていること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動体の床面構造。 - 前記構造体は、乗員が着座する腰掛を支持する脚台であること
を特徴とする請求項3に記載の移動体の床面構造。 - 前記床面部は、無負荷状態において中央部が周縁部に対して高くなる方向に湾曲していること
を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の移動体の床面構造。 - 前記床面部は、前記張力部材に負荷される張力によって前記湾曲した形状を保持していること
を特徴とする請求項5に記載の移動体の床面構造。 - 前記支持部材は、前記張力部材が張力によって前記湾曲した形状を保持した状態で前記張力部材に対して実質的に直角となるよう配置されること
を特徴とする請求項6に記載の移動体の床面構造。 - 前記床面部から下方に突出し、前記張力部材の中間部を支持する中間支持部材を備えること
を特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の移動体の床面構造。 - 前記張力部材の長手方向における前記床面部の両端部が、角度を拘束された状態で支持されていること
を特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の移動体の床面構造。 - 前記床面部は、前記空間部の側部に設けられ実質的に上下方向に延在する側壁部に対して近接又は離間するよう水平方向に相対変位可能に支持されていること
を特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の移動体の床面構造。 - 前記移動体は鉄道車両用車体であり、前記床面部はまくらぎ方向における両端部において、前記鉄道車両用車体の側面部を構成する側構によって支持されていること
を特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の移動体の床面構造。
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