JP2018084024A - 機械的固定工法用防水シートと該防水シートを用いた防水構造 - Google Patents

機械的固定工法用防水シートと該防水シートを用いた防水構造 Download PDF

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Abstract

【課題】防水シートの機械的固定工法において、荷重の偏りは防水シートの一部にダメージを蓄積してしまい、長期的な不具合のリスクを高める。このため、歪みが少ない防水シートを提供することを目的とする。【解決手段】上記目的を達成するために本発明が講じた手段は、縦糸および横糸で構成された基材と樹脂層とが積層され、積層後の前記基材を120℃で90分間加熱した場合における縦横の加熱収縮率の差が−3.0%以上+3.0%以下である機械的固定工法用防水シートである。【選択図】図1

Description

本発明は、屋上や屋根、ベランダ等に使用する防水シートに関する。
従来、ベランダ、バルコニー、陸屋根等における躯体をポリ塩化ビニルなどの合成高分子系の防水シートにより防水施工を行う方法の一つとして機械的固定工法がある。機械的固定工法は固定具を用いて防水シートを機械的に下地に固定する工法であり、接着剤を用いて防水シートを固定する接着工法と比較して、下地の調整や下地の水分の乾燥を待つ必要がない等の点で工期を短縮することが可能な工法である。
機械的固定工法では防水シートを下地に局所的に固定しており、それ以外の部分ではシートは下地に固定されていない。このため、風によって発生した負圧により固定されていない部分の防水シートが繰り返し持ち上げられる現象がある(ばたつき、フラッタリング)。このとき、防水シートの固定部には繰り返し荷重がかかる。これにより防水シートが破断する等の不具合が生じる場合がある。
このような不具合を防止するために特許文献1、2では、防水シートの固定具の構造を工夫することによって繰り返し荷重による防水シートの不具合を解消している。
特開2015‐200112 特開2016‐166462
また、強度や寸法安定性などのシート物性を補完するために基材に合成高分子系の樹脂を積層した構造の防水シートがある。
先行技術で例に挙げたような固定具を用いても、防水シートの施工時(具体例として、機械固定具と防水シート、もしくは防水シート同士の接合などの加熱融着時など)や経時変化で防水シートが収縮した際に、防水シートが変形してしまうと防水シートの固定部にかかる荷重に偏りが生じてしまう。荷重の偏りは防水シートの一部にダメージを蓄積してしまい、長期的な不具合のリスクを高める。このため、変形が少ない防水シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明が講じた手段の概要は、縦横の加熱収縮率の差を小さくした防水シートとしたことである。
具体的には、縦糸および横糸で構成された基材と樹脂層とが積層され、積層後の前記基材を120℃で90分間加熱した場合における縦横の加熱収縮率の差が−3.0%以上+3.0%以下である機械的固定工法用防水シートである。
また、前記防水シートより取り出された前記基材を120℃で90分間加熱した場合における縦糸および横糸の加熱収縮率が−4.0%以上+4.0%以下である機械的固定工法用防水シートである。
前記基材の材料にポリエステルが使用されている機械的固定工法用防水シートであることで繰り返し疲労に強くすることができる。また前記基材が平織もしくは直交布であることで防水シート同士の接合や固定具と防水シートとの接合強度がより安定する。
さらには下地の上に敷設された、縦糸および横糸で構成された基材と樹脂層とが積層され積層後の前記基材を120℃で90分間加熱した場合における縦横の収縮率の差が−3.0%以上+3.0%以下である機械的固定工法用防水シートと、前記下地の上に配置された固定具と、前記固定具の上から前記下地に打ち込まれ、前記固定具を固定する固定用留め具とを備え、前記固定具によって前記機械的固定工法用防水シートが固定される防水構造である。
本発明によれば、防水シートの変形を減らし、防水シートの固定部にかかる荷重や防水シートのダメージに偏りが生じさせにくくし、長期的な不具合のリスクを低減することができる。
本発明の防水シートの一実施形態における部分断面図である。 本発明に使用する基材の一実施形態における構造図である。 本発明の防水構造のうち先付工法の一実施形態における機械的固定部の断面図である。 本発明の防水構造のうち後付工法の一実施形態における機械的固定部の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の機械的固定工法用防水シートの構成について図1を用いて説明する。
本発明の機械的固定工法用防水シートである防水シート(C)は樹脂層(A)と基材(B)を積層した複層品である。図1の実施形態では樹脂層(A)は第1樹脂層(A1)と第2樹脂層(A2)からなる。
基材(B)は図1のように樹脂層(A)の中間に設けても良いが、最下層に設けても良い。また樹脂層(A)は一層であっても、複数の層であってもよく、それぞれの層の組成を異なるものとしてもよい。
防水シート(C)を構成する基材(B)は縦糸(D)、横糸(E)からなり、縦糸(D)、横糸(E)それぞれの糸から構成されている。たとえば直交布、平織、綾織、朱子織、絡み織等の不織布および織布が使用できる。図2は、基材(B)の構造の一例である直交布を示すものであり、平面図と1−1´線における断面図とを併記したものである。
本発明の機械的固定工法用防水シートはカレンダー法、押出法、ゾル引き法等で製造される長尺の防水シートである。これらの製造法では樹脂層(A)をシート状に成形した後、基材(B)と積層する、もしくは基材(B)にゾル引きして樹脂層(A)を積層していく。このような成形方法では、一般的に材料が加熱された状態で長手方向(機械における流れ方向)に基材(B)を引っ張りながら樹脂層(A)を積層していくため、基材(B)に長手方向の張力がかかり、基材(B)に残留歪みが残る。さらに樹脂層(A)にも残留歪みが残る。その結果、樹脂層(A)と基材(B)で構成される防水シート(C)にも残留歪みが残る。
ここで、本発明の発明者は防水シート(C)の残留歪みは基材(B)の残留歪みの影響が支配的で、樹脂層(A)の残留歪みの影響が小さいことを見出した。
本発明の機械的固定工法用防水シートは建物の屋上防水等に使用される防水シートであり、特に機械的固定工法により施工される防水シートである。
この機械的固定工法には一般的に図3に示す先付工法と図4に示す後付工法とがある。
先付工法は、防水下地(H)上に上面が接着層で被覆された金属製の固定具(F)を固定具用留め具(G)で固定しておき、防水下地上に防水シート(C)を敷設した後に上記固定具(F)と防水シート(C)を接合する方法である。そして固定具(F)と防水シート(C)との接合は、接合面の樹脂をテトラヒドロフラン(以下THF)などの溶剤で溶かして接合する溶剤溶着や誘導加熱装置を用いて融着する方法が用いられている。誘導加熱時には固定具(F)の温度は瞬間的に300〜360℃まで加熱されるため、固定具(F)に接している防水シート(C)も加熱されることとなる。
また後付工法は、防水下地(H)上に防水シート(C)を敷設した後に固定具(F)を固定具用留め具(G)で固定し、上から補強用シート(I)を接合固定する方法である。補強用シート(I)の接合方法としては、接合面の樹脂をTHFなどの溶剤で溶かして接合する溶剤溶着と熱風によって樹脂同士を融着する熱融着がある。熱融着時には接合面の樹脂を溶融させるためにシートの接合面の温度は瞬間的に170〜200℃程度になる。
機械的固定工法において、防水シート同士の接合には接合面の樹脂をTHFなどの溶剤で溶かして接合する溶剤溶着、もしくは熱風により接合面の樹脂を溶融させて接合する熱融着がある。熱融着時には接合面の樹脂を溶融させるためにシート接合面の温度は瞬間的に170〜200℃程度になる。
機械的固定工法において、誘導加熱や熱融着を行う際は上記のように防水シート(C)は170℃〜250℃に加熱されるため、防水シート(C)に積層されている基材(B)にも120〜150℃程度の熱がかかると考えられる。このとき、防水シート(C)の基材(B)に残留歪みがあると加熱されたことで残留歪みが緩和され、基材(B)が元の状態に戻ろうとする。このため、樹脂層(A)と基材(B)が積層された防水シート(C)は基材(B)が収縮しようとする応力により、防水シート(C)自体も変形してしまう。
また、防水シート(C)は屋上等の屋外床に施工されるため、施工後も日光により加熱され続ける。特に断熱材がある場合はシート表面温度が80℃以上になることもある。この場合も、基材(B)の残留歪みがゆっくりと解消されることになるため、最終的には防水シート(C)自体が変形してしまう。
このような防水シート(C)の残留歪み、特に基材(B)の残留歪みは製造工程において基材(B)に与えられた長手方向(機械における流れ方向)の張力が影響を及ぼしている。ここで、縦糸(D)と横糸(E)で構成される基材(B)は、縦糸(D)が長手方向となるように製造機械にかけられる。そして、基材(B)は縦糸(D)、横糸(E)それぞれの糸から構成されているため、縦糸(D)には長手方向に引っ張る張力がかかるが、横糸(E)には大きな張力はかからない状態となる。そのため、基材(B)に与えられた張力は主に縦糸(D)に歪みとして残留し、大きな張力がかからない横糸(E)の歪みは小さくなる。
したがって、施工時の誘導加熱、熱融着による加熱や、施工後の日光による加熱によって防水シート(C)が変形する際に、縦糸(D)に残留する歪みが大きく、横糸(E)に残留する歪みが小さいと縦糸方向すなわち防水シート(C)の長手方向が幅方向(長手方向対して垂直な方向)よりも大きく歪むこととなる。この場合には、長手方向と幅方向の歪みの差により防水シート(C)が変形してしまうことがある。防水シート(C)が変形すると、変形した付近の接合強度が下がり耐風圧性能が低下し、防水シート(C)が剥がれる要因となり得る。
そこで、基材(B)に残留する歪みを小さくすることで防水シート(C)が加熱により変形することを防止し、さらに縦糸(D)と横糸(E)に残留する歪みの差を小さくすることで防水シート(C)の変形を防止することができる。
成型加工後の防水シート(C)内部の基材(B)、すなわち樹脂層(A)と積層後の基材(B)の残留歪みは加熱収縮率を測定することで把握することができる。特に、施工時の条件を再現するため120℃での加熱収縮率測定を行った。
しかし、120℃では基材(B)周囲の樹脂層(A)が柔らかくなってしまい測定が困難となる場合があった。そこで、防水シート(C)の収縮率は樹脂層(A)基材(B)に依存することを利用し成型加工後の基材(B)の残留歪みを知るために、防水シート(C)から基材を取り出して加熱収縮率を測定した。取り出す方法としては、基材(B)に外力や熱を加えないために以下の方法を用いた。
1.THF等の防水シートの樹脂層を溶かせる溶剤に長さ350mm以上の防水シート(C)を40分間浸漬する。(浸漬時間は樹脂や溶剤によって調節する。)
2.基材(B)周囲の樹脂層(A)を取り除き、気温20±2℃、湿度65±20%の環境で1時間以上基材を乾燥させる。
取り出した基材(B)の両端を糸にたるみのないように固定し、縦糸および横糸に300mm間隔で標線を付ける。0.1mm単位まで標線間の距離を測定する。基材を120℃のオーブンに90分間静置する。オーブンから取り出した後、気温20±2℃、湿度65±20%の環境で1時間以上養生後に加熱前と同様に標線間の長さを測定し、加熱前後の差から縦糸および横糸の加熱収縮率を求める(式1)。縦横それぞれn=3実施し、平均値を求める。
縦糸と横糸の収縮率の偏りを把握するため、縦横の加熱収縮率の差、すなわち縦糸の加熱収縮率と横糸の加熱収縮率の差を求める(式2)。

加熱収縮率(%)=100×{加熱後の標線間距離(mm)−加熱前の標線間距離(mm)}/加熱前の標線間距離(mm) ・・・<式1>

*加熱収縮率は加熱後に収縮した場合は負の値、伸びた場合は正の値として算出される。

加熱収縮率の差(%)=縦糸の加熱収縮率(%)−横糸の加熱収縮率(%) ・・・<式2>
防水シート(C)から取り出した基材(B)を120℃で90分間加熱した場合における縦横の加熱収縮率の差が−3.0%以上+3.0%以下であることが好ましい。これにより、施工時や経年でのシートの変形を低減する効果がある。さらに基材(B)の縦横の加熱収縮率の差が−2.0%以上+2.0%以下が好ましく、−1.5%以上+1.5%以下がより好ましく、−1.0%以上+1.0%以下がより好ましい。
また、シート全体が過剰に収縮することも経時的に防水シート(C)の変形を生じさせる要因となりえることから、120℃で90分間加熱した場合の防水シート(C)から取り出した基材(B)の加熱収縮率は縦糸および横糸共に±4.0%以内、すなわち−4.0%以上+4.0%以下であると好ましく、−2.0%以上+2.0%以下が好ましく、−1.5%以上+1.5%以下がより好ましい。
基材(B)の材質は寸法安定性、引張強度に優れるという点からガラス繊維、ポリエステル、アラミド繊維、ビニロン等の長繊維糸による基材、または前記材料が含まれている基材を使用できる。特に適度な伸縮性があることにより繰り返し疲労に強い点からポリエステルが好ましい。
基材(B)は縦糸(D)、横糸(E)からなる構造であり、直交布、平織、綾織、朱子織、絡み織等を使用することができる。特に表面の凹凸が少ない直交布や平織は、防水シート(C)の表面に基材(B)の凹凸が影響しにくいため、防水シート(C)同士の接合部や防水シート(C)と固定具(F)との接合部の接合強度が安定しやすく好ましい。ここで直交布とは、縦糸と横糸とを織らずに積層してバインダーなどにより結合したものであり、横糸が二本の縦糸により上下に挟まれた状態のものや、図2のように一本の縦糸が横糸に対して上下交互に配置されたものなどがある。
糸の太さや織り密度は任意のものを使用して良く、網状のクロスや目の詰まった基材を使用することができる。
たとえば、ポリエステルの場合は糸の太さが140〜2640Tex、織り密度は1×1〜20×20本/cm程度のものが使用できる。
機械的固定工法は、図3、図4に示すように固定具(F)と固定具用留め具(G)を用いて防水シート(C)を下地(H)に固定する工法である。既定の間隔で下地(H)に固定具(F)を取り付ける作業は全面に接着剤を塗布するよりも手間が少なく、施工時間を短縮することができる。また、下地(H)が湿った状態でも施工できるため、工期が天候に左右されにくいメリットがある。しかし、防水シート(C)は下地(H)に部分的に固定されるのみであり、他の部分は下地(H)に固定されていないため、風によって発生した負圧により固定されていない部分の防水シート(C)が繰り返し持ち上げられる現象がある(ばたつき、フラッタリング)。このとき、防水シート(C)の固定部には繰り返し荷重がかかるため、固定部分の耐風圧性能が不足するとシートが剥離や破断等の不具合が発生する。
防水シート(C)の固定部部分の耐風圧性能は固定具用留め付け具(G)の下地(H)からの引き抜き強度等にも依るが、図3の先付工法の場合は固定具(F)と防水シート(C)の接合強度と耐久性、図4の後付工法の場合は固定具(F)と防水シート(C)および補強シート(I)の接合強度と耐久性も重要な要素となる。さらに、防水シート(C)の強度と耐久性も重要な要素である。このため、施工時に固定具(F)と防水シート(C)および補強シート(I)の接合面が不均一であったり、防水シート(C)が変形してしまい固定部分で均一に荷重を受けられなくなると設計通りの耐風圧性能を発揮することは困難となる。また、防水シート(C)は繰り返し疲労に対しての耐久性も十分に備えている必要がある。そこで本発明においては、施工時の加熱や経時変化により防水シート(C)が変形しにくくするため、変形の原因となる防水シート(C)の残留歪みを基材(B)の残留歪みを制御することにより抑制できることを見出したのである。
本発明の防水シート(C)の樹脂層(A)には加硫ゴム系、非加硫ゴム系、熱可塑性エラストマー系、塩化ビニル樹脂系等の合成高分子系の樹脂が使用することできる。特に施工時に熱融着しやすいことから熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル樹脂系共重合体、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等が望ましい。
樹脂層(A)には樹脂の他にも、各種添加剤を配合することができ、例えば充填剤、可塑剤、安定剤、顔料、難燃剤、滑剤、加工助剤などを用いることができる。また防水シート(C)は屋外で使用されることから、樹脂層(A)は紫外線吸収剤やHALS、酸化防止剤などを添加した高耐候性の樹脂組成物であることが望ましい。
続いて、本発明の機械的固定工法用防水シートを用いた防水構造について説明する。
本発明の防水構造は建築物の屋上、ベランダ、バルコニーのシート防水構造である。
本発明の防水構造は建築物の屋上、ベランダ、バルコニーのシート防水構造のなかでも機械的固定工法による防水構造である。機械的固定工法による防水構造について図3および図4を用いて説明する。
図3の構造体は、下地(H)上に固定具(F)が配置され、固定具(F)は固定具用留め具(G)によって下地(H)に固定されている。固定具(F)の上に防水シート(C)が敷設され、固定具(F)の上面に被覆された接着層と防水シート(C)を接合した構造である。
また図4の構造体は、下地(H)上に防水シート(C)を敷設した上に固定具(F)が配置され、固定具(F)が固定具用留め具(G)で防水シート(C)を貫通して下地(H)に固定されている。また固定具(F)を完全に覆うように補強用シート(I)が配置され、防水シート(C)と補強用シート(I)とが接合されている構造である。また補強用シート(I)の端部にはシーラー(J)が塗布されていると、水密性がより向上するため好ましい。また固定具(F)と防水シート(C)との間には、防水シート(C)の表面を保護するための保護シート(K)を設けてもよい。
下地(H)は特に制限はなく、コンクリート下地、金属下地、軽量発泡コンクリート(ALC)、鋼材、木質材等が用いられる。図3および図4の実施形態では下地(H)はコンクリート下地である。
本発明の防水構造においては上記以外の部材等をさらに設けても良い。例えば、下地(H)上に断熱層となる断熱材を敷設したり、また無機質板、緩衝用シート等を用いても良い(図示なし)。
本発明の機械的固定工法に用いる固定具(F)は防水シート(C)を固定できるものであればよい。厚み方向に貫通し、固定具用留め具(G)を打ち込むための穴を備えていることが好ましい。この穴の周囲には固定具用留め具(G)の頭が収容されるための座くりが設けられていることが好ましい。固定具(F)の厚みは0.5mm〜2.0mm程度で、形状は正方形または長方形をした矩形状のプレート状や、円形または楕円形状のディスク状、長尺状など任意であり、大きさは1辺または外径が50mm〜100mm程度に形成することができる。固定具(F)は金属製、硬質合成樹脂製、木製等が用いられる。強度や耐久性の点から金属製が好ましい。金属製の固定用板を構成する鋼鈑の材質としては、ステンレス板や、亜鉛・アルミニウム・マグネシウムメッキまたは亜鉛メッキ等の防錆処理が施された鋼板など、多湿状態でも錆びにくい鋼鈑が好適に使用される。
図3の実施形態のように固定具(F)と防水シート(C)とが接合される場合には固定具(F)の上面には接着層が設けられている。固定具(F)の接着層としてはアクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ニトリルゴム系、スチレン‐ブタジエンゴム系などの各種接着剤や、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂被覆層、またポリ塩化ビニル系樹脂やアクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂の組成物を溶剤に溶解したシール材などを用いることができる。図3の実施形態では固定具(F)の上面に熱可塑性樹脂被覆層であるポリ塩化ビニル系樹脂の被覆層が積層一体化されている(図示なし)。接合強度を考慮すると、防水シート(C)と熱可塑性樹脂被覆層の材質は同種のものを用いるのが好ましく、防水シート(C)がポリ塩化ビニル系樹脂製である場合には、固定具(F)の熱可塑性樹脂被覆層もポリ塩化ビニル系樹脂からなることが好ましい。また接着層は固定具(F)の上面に予め設けるだけでなく、施工時に新たに設けてもよい。
固定具用留め具(G)は、固定具(F)を下地(H)に固定するための留め具であって、ネジ、ビス、ボルト、釘等が用いられる。また、固定具用留め具(G)は下地(H)に打ち込まれ固定される。材質としては、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼等の鋼材などが使用できる。また、固定具(F)の上面から頭部がはみ出ないように、固定具用留め具(G)の頭の形状は皿、平、なべがよく、ドライバーやレンチで掛ける座面の窪み形状は十字穴、六角穴、四角穴が好ましい。
図4に示す補強用シート(I)および保護シート(K)は防水シート(C)と同様のシートが使用でき、合成高分子系防水シートが使用できる。中でも熱可塑性樹脂製防水シートが好ましく使用され、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等を使用することができる。補強用シートIは樹脂層の単層でも良く、ガラスクロス、ガラス不織布、ポリエステルクロス、ポリエステル不織布等の基材層を積層した複層品でも良い。また樹脂層は一層であっても、複数の層であってもよく、それぞれの層の組成を異なるものとしてもよい。
塩化ビニル樹脂系組成物で構成される第1樹脂層と第2樹脂層の間にポリエステルの直交布である基材を積層した防水シートを、以下のように製造した。
まずポリ塩化ビニル樹脂100重量部にBa/Zn系安定剤3重量部、炭酸カルシウム50重量部、DOP60重量部、顔料15重量部およびその他添加剤を含む樹脂組成物を170℃のカレンダーロールにて圧延し、基材と積層することで第1樹脂層と基材とを積層したシートを得る。次にポリ塩化ビニル樹脂100重量部にBa/Zn系安定剤3重量部、炭酸カルシウム20重量部、DOP60重量部、顔料15重量部およびその他添加剤を含む樹脂組成物を170℃のカレンダーロールにて圧延した第2樹脂層を第1樹脂層と基材とを積層したシートの基材面側に積層して、防水シートを製造した。このとき、樹脂層と基材の積層時の張力を調整することで表1に示す実施例1〜5、比較例1〜4の防水シートを得た。
実施例1〜5、比較例1〜4の防水シートにおいて、熱融着時の変形と120℃で90分間加熱した場合における縦横の基材の加熱収縮率の差を測定した。基材の加熱収縮率の測定は以下の方法で行なった。
1.縦横の長さ350mm以上の防水シートをTHFに40分間浸漬する。
2.基材周囲の熱可塑性樹脂層を取り除き、気温20±2℃、湿度65±20%の環境で1時間以上基材を乾燥させる。
取り出した基材の両端を糸にたるみのないように固定し、縦糸および横糸に300mm間隔で標線を付ける。0.1mm単位まで標線間の距離を測定する。基材を120℃のオーブンに90分間静置する。オーブンから取り出した後、気温20±2℃、湿度65±20%の環境で1時間以上養生後に加熱前と同様に標線間の長さを測定し、加熱前後の差から縦糸および横糸の加熱収縮率を求める。測定は縦横それぞれn=3実施し、平均値を求める。縦糸と横糸の収縮の偏りを把握するため、縦糸の加熱収縮率と横糸の加熱収縮率の差を求める。
縦糸および横糸それぞれの加熱収縮率と、縦糸と横糸の加熱収縮率の差はそれぞれ前述の式1、式2より求めた。
熱融着時の変形の評価は以下の方法で行った。
実際の施工作業の一つである誘導加熱によるシート融着を行うことで確認した。
1.防水シートを直径150mmの円型に型抜きする。
2.直径80mmの円型の機械的固定工法用固定具(UD−PV1、ロンシール工業製)に中心が重なるように円型に抜いた防水シートを被せる。
3.誘導加熱装置(UD BOX III、ロンシール工業製)で固定具と防水シートを融着する。(装置条件はHモード(発振8秒)、必要に応じて圧着用の錘を乗せる。)
4.防水シートの変形の様子を目視により確認する。
<評価基準>
◎:施工時の変形なし 〇:施工時にわずかに変形 ×:施工時に大きく変形
結果を表1に示す。実施例1〜5は比較例1〜4と比較して、熱融着時の変形が少なくなることを確認した。特に縦横の収縮率の差がより小さい実施例1、3〜5においては防水シートの変形がほぼなく良好な結果となった。
このように、固定具と防水シートを融着する際に誘導加熱装置により加熱すると防水シートにも熱がかかる。そのため、比較例のように縦横の加熱収縮率の差が大きいと防水シートが基材の縦方向に収縮し、基材の横方向には収縮が小さいため防水シートが反りかえるように大きく変形してしまう。一方、実施例のように縦横の加熱収縮率の差が小さいと防水シートの反りが小さくまたは反りが見られないため良好な結果となった。
本発明によれば、防水シートの変形を減らし、防水シートの固定部にかかる荷重や防水シートのダメージに偏りが生じさせにくくし、長期的な不具合のリスクを低減することができる。
したがって本発明は、機械的固定工法による防水施工に好適に利用できる。
A 樹脂層
B 基材
C 防水シート
D 縦糸
E 横糸
F 固定具
G 固定具用留め具
H 下地
I 補強シート
J シーラー
K 保護シート

Claims (5)

  1. 縦糸および横糸で構成された基材と樹脂層とが積層され、積層後の前記基材を120℃で90分間加熱した場合における縦横の加熱収縮率の差が−3.0%以上+3.0%以下である機械的固定工法用防水シート。
  2. 前記防水シートより取り出された前記基材を120℃で90分間加熱した場合における縦糸および横糸の加熱収縮率が−4.0%以上+4.0%以下である請求項1に記載の機械的固定工法用防水シート。
  3. 前記基材の材料にポリエステルが使用されている請求項1または請求項2のいずれかに記載の機械的固定工法用防水シート。
  4. 前記基材が平織もしくは直交布である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の機械的固定工法用防水シート。
  5. 下地の上に敷設された、縦糸および横糸で構成された基材と樹脂層とが積層され、積層後の前記基材を120℃で90分間加熱した場合における縦横の加熱収縮率の差が−3.0%以上+3.0%以下である機械的固定工法用防水シートと、
    前記下地の上に配置された固定具と、
    前記固定具の上から前記下地に打ち込まれ、前記固定具を固定する固定用留め具とを備え、
    前記固定具によって前記機械的固定工法用防水シートが固定される防水構造。
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