JP2018082638A - 毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法、毛包組織含有シート、及び毛包組織含有シートの製造方法 - Google Patents

毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法、毛包組織含有シート、及び毛包組織含有シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】哺乳動物の毛包組織と類似し、規則的且つ高密度の内部に毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体を簡便に製造する方法を提供する。【解決手段】本発明の毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法は、規則的な配置の微小凹部からなるマイクロ凹版に、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を播種し、酸素を供給しながら混合培養することにより、毛包原基を形成させる工程を備える。【選択図】なし

Description

本発明は、毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法、毛包組織含有シート、及び毛包組織含有シートの製造方法に関する。
臨床応用に足る毛包再生医療の確立には、再生毛包が正常な組織構造を有し、移植部位に適した毛幹を有する毛が、形成、伸長することが必要である。毛等の皮膚付属器を含む外胚葉性付属器官は、通常、胎児期において、上皮系細胞及び間葉系細胞の相互作用により発生する。外胚葉性付属器官の一つである毛包は、個体の生涯にわたって成長と退行(毛周期)を繰り返し、成長期における毛球部の再生は、毛包器官発生期と同様な分子機構により誘導されることが知られている。また、このような毛周期における毛球部の再生は、間葉系細胞である毛乳頭細胞により誘導されると考えられている。すなわち、成長期において、毛包上皮幹細胞が間葉系細胞である毛乳頭細胞により分化誘導され毛球部が再生される。
これまでに毛包再生に向けて間葉系細胞(毛乳頭細胞及び真皮毛根鞘細胞)を置換することによる毛包可変領域の再生や毛包誘導能を有する間葉系細胞による毛包新生、上皮系細胞及び間葉系細胞による毛包の再構築などが試みられてきた。具体的には、上皮系細胞及び間葉系細胞の2種類の細胞集合体をゲル内で区画化して配置することで毛包原基を構築し、化学繊維等のガイドを挿入した後、それを移植することで毛包器官を再生する方法(例えば、特許文献1参照)、体性に由来する複数種の細胞にWntシグナル活性剤を添加した培養液を用いて混合培養することで、原始的な毛包器官を形成する方法(例えば、特許文献2参照)、毛包間葉系細胞の細胞集塊(スフェロイド)の外側に上皮細胞が接着している人工毛球体を作製する方法(例えば、特許文献3参照)等が挙げられる。
再公表WO2012/108069号公報 特開2013−78344号公報 特開2003−70466号公報
特許文献1〜3では、上皮系細胞及び間葉系細胞の2種類の細胞集合体を作製し、これらを融合させることで毛包原基を一つ一つ作製しており、数万本の毛髪を再生するには、作製効率及び移植効率に問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、哺乳動物の毛包組織と類似し、規則的且つ高密度の内部に毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体を簡便に製造する方法を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1]規則的な配置の微小凹部からなるマイクロ凹版に、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を播種し、酸素を供給しながら混合培養することにより、毛包原基を形成させる毛包原基形成工程を備えることを特徴とする毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法。
[2]前記マイクロ凹版が酸素透過性を有する材質からなる、[1]に記載の毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法。
[3]前記血管を構築し得る細胞が血管内皮細胞である、[1]又は[2]に記載の毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法。
[4]前記毛包原基形成工程において、間葉系細胞増殖用培地、上皮系細胞増殖用培地、及び血管内皮細胞増殖用培地を混合した培地を用いて間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を混合培養する、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法。
[5]間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を含む毛包原基と、生体適合性ハイドロゲルと、を含有し、前記毛包原基が、前記生体適合性ハイドロゲル上に規則的且つ哺乳動物の毛穴の密度と同程度の密度で配置されており、前記毛包原基は内部に毛細血管構造を有することを特徴とする毛包組織含有シート。
[6]さらに、前記毛包原基が分化し、毛包を形成している、[5]に記載の毛包組織含有シート。
[7]前記生体適合性ハイドロゲルがゲル化する細胞外マトリックス成分である、[5]又は[6]に記載の毛包組織含有シート。
[8]前記細胞外マトリックス成分がコラーゲンである、[7]に記載の毛包組織含有シート。
[9]前記毛包原基の密度が20個/cm以上500個/cm以下である、[5]〜[8]のいずれか一つに記載の毛包組織含有シート。
[10]規則的な配置の微小凹部からなるマイクロ凹版に、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を播種し、混合培養することにより内部に毛細血管構造を有する毛包原基を形成させる毛包原基形成工程と、前記微小凹部内に形成された内部に毛細血管構造を有する毛包原基を、生体適合性ハイドロゲルに転写する転写工程と、を備えることを特徴とする毛包組織含有シートの製造方法。
[11]前記血管を構築し得る細胞が血管内皮細胞である、[10]に記載の毛包組織含有シートの製造方法。
[12]前記毛包原基形成工程において、間葉系細胞増殖用培地、上皮系細胞増殖用培地、及び血管内皮細胞増殖用培地を混合した培地を用いて間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を混合培養する、[10]又は[11]に記載の毛包組織含有シートの製造方法。
[13]前記マイクロ凹版における前記微小凹部の密度が20個/cm以上500個/cm以下である、[10]〜[12]のいずれか一つに記載の毛包組織含有シートの製造方法。
本発明によれば、簡便に、規則的且つ高密度の内部に毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体を得ることができる。
本発明の毛包組織含有シートの製造方法の一実施形態を示す概略図である。 実施例1における培養開始から1日目及び3日目の各混合スフェロイドを、倒立型蛍光顕微鏡を用いて暗視野で観察した結果を示す画像である。 (A)実施例1における培養開始から3日目の各混合スフェロイドの抗Versivan抗体を用いた蛍光免疫染色後の切片を位相差顕微鏡により観察した際の画像である。(B)実施例1における培養開始から3日目の各混合スフェロイドの抗Versivan抗体を用いた蛍光免疫染色後の切片を、共焦点レーザ顕微鏡を用いて532nmのレーザ光を照射した際のRFPの蛍光(588nm)を捉えた画像である。(C)実施例1における培養開始から3日目の各混合スフェロイドの抗Versivan抗体を用いた蛍光免疫染色後の切片を、共焦点レーザ顕微鏡を用いて488nmのレーザ光を照射した際のRFPの蛍光(588nm)及びAlexa Fluor(登録商標) 488の蛍光(525nm)を捉えた画像である。 実施例2における培養開始から1日目及び3日目の各混合スフェロイドを、倒立型蛍光顕微鏡を用いて暗視野で観察した結果を示す画像である。 (A)実施例2における培養開始から3日目の各混合スフェロイドでのGAPDHの発現量に対するVersicanの相対的な発現量を示すグラフである。(B)実施例2における培養開始から3日目の各混合スフェロイドでのGAPDHの発現量に対するNexinの相対的な発現量を示すグラフである。 実施例3における培養開始から1日目及び3日目の各混合スフェロイドを、倒立型蛍光顕微鏡を用いて暗視野で観察した結果を示す画像である。 (A)実施例3における培養開始から3日目の各混合スフェロイドでのGAPDHの発現量に対するVersicanの相対的な発現量を示すグラフである。(B)実施例3における培養開始から3日目の各混合スフェロイドでのGAPDHの発現量に対するALPの相対的な発現量を示すグラフである。 (A)試験例1における培養開始から3日目のマウス上皮系細胞及びヒト毛乳頭細胞の混合スフェロイドをヌードマウス(ICR nu/nuマウス、5週齢)の皮下に移植し、移植から14日目のヌードマウスの様子を示す画像である。(B)試験例1における培養開始から3日目のマウス上皮系細胞、ヒト毛乳頭細胞、及びヒト臍帯静脈血管内皮細胞の混合スフェロイドをヌードマウス(ICR nu/nuマウス、5週齢)の皮下に移植し、移植から14日目のヌードマウスの様子を示す画像である。 試験例1における培養開始から3日目の各混合スフェロイドをヌードマウス(ICR nu/nuマウス、5週齢)の皮下に移植し、移植から18日目のヌードマウスの一移植部における毛髪の平均再生本数を示すグラフである。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法>
一実施形態において、本発明は、規則的な配置の微小凹部からなるマイクロ凹版に、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を播種し、酸素を供給しながら混合培養することにより、毛包原基を形成させる毛包原基形成工程を備える、毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法を提供する。
本実施形態の製造方法によれば、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞の混合細胞集塊(以下、「混合スフェロイド」とも呼ぶ。)の構造を高密度に保つことで効率的に内部に毛細血管構造を有する毛包原基を形成させることができ、簡便に、規則的且つ高密度の内部に毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体を得ることができる。
本明細書において、「間葉系細胞」とは、間葉組織由来の細胞又はその細胞を培養して得られる細胞を意味する。例えば、毛乳頭細胞、真皮毛根鞘細胞、発生期の皮膚間葉系細胞、万能細胞(例えば、胚性幹(ES)細胞、胚性生殖(EG)細胞、人工多能性(iPS)幹細胞等)から誘導された毛包間葉系細胞等が挙げられる。
本明細書において、「上皮系細胞」とは、上皮組織由来の細胞及びその細胞を培養して得られる細胞を意味する。例えば、バルジ領域の外毛根鞘最外層細胞、毛母基部の上皮系細胞、万能細胞万能細胞(例えば、胚性幹(ES)細胞、胚性生殖(EG)細胞、人工多能性(iPS)幹細胞等)から誘導された毛包上皮系細胞等が挙げられる。
本明細書において、「血管を構築し得る細胞」とは、血管を構築することができる細胞を意味する。例えば、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞等が挙げられ、これらの細胞のいずれか、又は、その両方を含有していてもよい。また、中でも、血管を構築し得る細胞としては、血管内皮細胞であることが好ましい。
各細胞の由来として、好ましくは、動物由来細胞であり、より好ましくは脊椎動物由来細胞であり、特に好ましくはヒト由来細胞である。
本明細書において、「毛包原基」とは、毛包のもととなる組織を意味し、上述の間葉系細胞、上述の上皮系細胞、及び上述の血管を構築し得る細胞から構成されている。毛包原基が形成される流れとしては、まず、上皮系細胞が肥厚し、間葉系細胞側に陥入することで、間葉系細胞及び血管を構築し得る細胞の細胞集塊(スフェロイド)を包み込む。続いて、間葉系細胞及び血管を構築し得る細胞のスフェロイドを包み込んだ上皮系細胞は毛母原基を形成し、間葉系細胞及び血管を構築し得る細胞のスフェロイドは毛誘導能を持つ毛乳頭を形成することで、毛母原基と毛乳頭等からなる毛包原基を形成する。この毛包原基では、毛乳頭細胞が毛母細胞に増殖因子を提供しており、毛母細胞の分化を誘導し、分化した細胞が毛を形成することができる。また、このとき、毛包原基の間葉系細胞側、すなわち毛乳頭の内部では、血管を構築し得る細胞が毛細血管構造を構築している。
本明細書において、「毛包」とは、表皮が内側に筒状に入り込んだ部分であって、毛を産生する皮膚の付属器官を意味する。
本明細書において、「再生毛包原基」とは、例えば、本実施形態の製造方法等により作製された毛包原基を意味する。
本明細書において、「毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体」とは、上述の再生毛包原基が複数集まっており、内部に毛細血管構造を有するものを意味する。本実施形態の製造方法では、簡便に、内部に毛細血管構造を有する複数の毛包原基が哺乳動物の毛穴の密度と同程度の密度で規則的に整列した再生毛包原基の集合体を得ることができる。本実施形態の製造方法で得られた集合体は各毛包原基の内部に毛細血管構造を有するため、移植後、移植体の血管と連通し、栄養分を得ることにより、高い毛包誘導能を発揮することができる。
また、毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体は毛包原基が分化し、毛包を形成していてもよい。
従来では、間葉系細胞のスフェロイドを高密度で規則的な配列で培養した後に、上皮系細胞を後から播種し、間葉系細胞のスフェロイドの周囲を覆わせる方法によって、高密度で規則的な配列の再生毛包原基の集合体を得ていた。
これに対し、本発明者らは、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を一緒に播種し、本実施形態の製造方法を用いて共培養することにより、簡便に、内部に毛細血管構造を有する複数の毛包原基が哺乳動物の毛穴の密度と同程度の密度で規則的に整列した再生毛包原基の集合体を得ることに初めて成功した。
本明細書において、規則的とは、等間隔で毛包原基が配置されている状態を表しており、哺乳動物の皮膚における毛穴と毛穴の間隔と同程度であればよい。また、哺乳動物の毛穴の密度と同程度の密度とは、具体的には、20個/cm以上500個/cm以下であることが好ましく、50個/cm以上250個/cm以下であることがより好ましく、100個/cm以上200個/cm以下であることがさらに好ましい。密度が上記範囲であることにより、正常な毛包組織の配置をより正確に再現した毛包組織を再生することができる。
(マイクロ凹版)
毛包原基を形成させる際に使用するマイクロ凹版は、複数の微小凹部が規則的に配置されているものが好ましい。マイクロ凹版は、市販のものを用いてもよいし、製造してもよい。
マイクロ凹版の製造方法として具体的には、まずCADソフト(V Carve Pro 6.5)等のパターン設計ソフトを用いて、作製するマイクロ凹版のパターンをコンピューターで設計する。次いで、切削機等を用いて、設計したパターン通りに基板を切削することで、パターンをもつ凹鋳型を作製する。この凹鋳型に樹脂(例えば、エポキシ樹脂等)を流しこみ、硬化させた後、離型することで、パターンをもつ凸鋳型を形成する。次いで、形成した凸鋳型をディッシュ底面に固定し、マイクロ凹版の材料となるガラス又はポリマー材を流し込み、硬化する。次いで、離型することで、規則的なパターンが形成されたマイクロ凹版が作製できる。
また、マイクロ凹版における微小凹部の密度は、20個/cm以上500個/cm以下であることが好ましく、50個/cm以上250個/cm以下であることがより好ましく、100個/cm以上200個/cm以下であることがさらに好ましい。密度が上記範囲であることにより、哺乳動物の毛穴の密度と同程度の密度で毛包原基が配置された状態で培養することができる。後述するとおり、この規則的な配置且つ高密度の内部に毛細血管構造を有する毛包原基をそのままの配置を保ちながら、被験動物の毛包欠損部に移植することで、正常な毛包組織の配置をより正確に再現した毛包組織を再生することができる。
また、微小凹部の開口形状について、特別な限定はない。例えば、円形状、四角状、六角状、ライン状等であってもよく、中でも、毛穴に近い形状であるという観点から、円形状であることが好ましい。
微小凹部の開口部の直径及び深さについて、混合スフェロイドを収容し培養できる大きさであれば特別な限定はないが、直径については、哺乳動物の毛穴と同程度の大きさであってよく、例えば、20μm以上1mm以下であってよい。また、深さについては、毛包組織含有シートの移植後の被験動物の皮膚への定着の観点から、1mm以下であってよい。
得られる毛包原基の配置及び大きさは、マイクロ凹版の微小凹部の開口形状、直径及び深さ等に依存するため、被験動物の種類、移植する部位等に合わせて、適宜マイクロ凹版の微小凹部を調製すればよい。
マイクロ凹版の材質は、細胞培養に適したものであればよく、特別な限定はない。例えば、透明なガラス、ポリマー材等が挙げられる。マイクロ凹版は、酸素透過性を有する材質からなることが好ましく、より具体的には、フッ素樹脂、シリコンゴム(例えば、ポリジメチルシロキサン(poly(dimethylsiloxane):PDMS)等)等が挙げられる。これらの材質を単独で使用してもよいし、組み合わせて使用してもよい。
本明細書において、「酸素透過性」とは、分子状の酸素を透過し、マイクロ凹版の微小凹部内まで到達させる性質を表している。具体的な酸素透過率としては、例えば100cm/m・24hr・atm以上5000cm/m・24hr・atm以下であってよく、例えば1100cm/m・24hr・atm以上3000cm/m・24hr・atm以下であってよく、例えば1250cm/m・24hr・atm以上2750cm/m・24hr・atm以下であってよい。
なお、「24hr」は24時間を意味し、「atm」とは、気圧を意味しており、上記単位は、1気圧の環境下において、24時間で透過する酸素の1mあたりの容量を表している。酸素透過率が上記範囲である材質からなるマイクロ凹版を使用することにより、十分な量の酸素を混合スフェロイドに供給でき、毛包原基を形成することができる。
[毛包原基形成工程]
まず、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞の混合懸濁液を上述のマイクロ凹版に播種する。このとき、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞の播種する細胞数の比率は、間葉系細胞及び上皮系細胞が同等の細胞数であり、血管を構築し得る細胞の細胞数が間葉系細胞又は上皮系細胞の細胞数よりも少なければよい。具体的な播種する細胞数の比率としては、間葉系細胞:上皮系細胞:血管を構築し得る細胞=2:2:1〜8:8:1であることが好ましく、間葉系細胞:上皮系細胞:血管を構築し得る細胞=4:4:1が特に好ましい。
次いで、播種した細胞を、酸素を供給しながら混合培養することにより、毛包原基を形成させる。このとき、播種する上述の3種類の細胞の合計細胞数が多いほど、毛包原基の形成効率が高く、毛包原基の大きさも大きくなるが、播種する上述の3種類の細胞の合計細胞数はマイクロ凹版の微小凹部の大きさに応じて適宜調整すればよい。培養時間は、1日以上5日以下(好ましくは、3日)であってよく、培養温度は25℃以上40℃未満(好ましくは、37℃)であってよい。
酸素を供給しながら培養する方法としては、マイクロ凹版に酸素を直接吹きかける等して供給しながら培養する方法や、酸素透過性を有する材質からなるマイクロ凹版を用いて培養する方法等が挙げられる。
混合スフェロイドにおいて、毛包原基が形成される流れとしては、まず、上皮系細胞が肥厚し、間葉系細胞側に陥入することで、間葉系細胞及び血管を構築し得る細胞のスフェロイドを包み込む。続いて、間葉系細胞及び血管を構築し得る細胞のスフェロイドを包み込んだ上皮系細胞は毛母原基を形成し、間葉系細胞及び血管を構築し得る細胞のスフェロイドは毛誘導能を持つ毛乳頭を形成することで、毛母原基と毛乳頭等からなる毛包原基を形成する。この毛包原基では、毛乳頭細胞が毛母細胞に増殖因子を提供しており、毛母細胞の分化を誘導し、分化した細胞が毛を形成することができる。また、このとき、毛包原基の間葉系細胞側、すなわち毛乳頭の内部では、血管を構築し得る細胞が毛細血管構造を構築している。さらに、本実施形態の製造方法において、毛包原基が分化し、毛包を形成していてもよい。
間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞からなる混合スフェロイドを共培養する際に使用する培地は、特別な限定はなく、細胞の生存増殖に必要な成分(無機塩、炭水化物、ホルモン、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、ビタミン)等を含む基本培地であればよい。
培地に含まれる無機塩は、細胞の浸透圧平衡の維持を助けるために、および膜電位の調節を助けるためのものである。
無機塩としては、特別な限定はなく、例えば、カルシウム、銅、鉄、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が挙げられる。塩は、通常、塩化物、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、及び重炭酸塩の形で用いられる。
一般的に、培地の重量オスモル濃度は、例えば200mOsm/kg以上400mOsm/kg以下であればよく、例えば290mOsm/kg以上350mOsm/kg以下、例えば280mOsm/kg以上310mOsm/kg以下であればよく、例えば280mOsm/kg以上300mOsm/kg未満(具体的には、280mOsm/kg)であればよい。
炭水化物としては、特別な限定はなく、例えば、グルコース、ガラクトース、マルトース、フルクトース等が挙げられる。
一般的に、培地中の炭水化物(好ましくは、D−グルコース)の濃度としては、0.5g/L以上2g/Lであることが好ましい。
アミノ酸としては、特別な限定はなく、例えば、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−シスチン、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン、及びその組み合わせ等が挙げられる。
一般的に、培地に含まれるグルタミンの濃度は0.05g/L以上1g/L以下(通常、0.1g/L以上0.75g/L以下)である。培地に含まれるグルタミン以外の各アミノ酸は、0.001g/L以上1g/L(通常、0.01g/L以上0.15g/L以下)である。アミノ酸は合成由来でもよい。
ビタミンとしては、特別な限定はなく、例えば、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、D−パントテン酸ヘミカルシウム、(ビタミンB5)、ピリドキサール/ピリドキサミン/ピリドキシン(ビタミンB6)、葉酸(ビタミンB9)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、アスコルビン酸(ビタミンC)、カルシフェロール(ビタミンD2)、DL−αトコフェロール(ビタミンE)、ビオチン(ビタミンH)、メナジオン(ビタミンK)、塩化コリン、myo−イノシトール、等が挙げられる。
培地は、さらに抗生物質、血清、成長因子、又はホルモンを含んでいてもよい。
抗生物質としては、例えば、ゲンタマイシン、アンフォテリシン、アンピシリン、ミノマイシン、カナマイシン、ペニシリン、ストレプトマイシン、ゲンタシン、タイロシン、オーレオマイシン等、通常の動物細胞の培養に用いられるものが挙げられる。これらの抗生物質を単独で含んでいてもよく、複数組み合わせて含んでいてもよい。
一般的に、培地に含まれる抗生物質の濃度は、特別な限定はなく、例えば0.1μg/mL以上100μg/mL以下であればよい。
血清としては、例えば、FBS/FCS(Fetal Bovine/Calf Serum)、NCS(Newborn Calf serum)、CS(Calf Serum)、HS(Horse Serum)等が挙げられ、これらに限定されない。
一般的に、培地に含まれる血清の濃度は、例えば2質量%以上10質量%以下であればよい。
成長因子としては、例えば、細胞増殖因子、細胞接着因子等が挙げられ、これらに限定されない。
成長因子としてより具体的には、例えば、上皮成長因子(Epidermal growth factor:EGF)、酸性繊維芽細胞成長因子(acidic fibroblast growth factor:aFGF)、塩基性繊維芽細胞成長因子(basic fibroblast growth factor:bFGF)、インスリン様成長因子−1(Insulin―like growth factor−1:IGF−1)、マクロファージ由来成長因子(Macrophage−derived growth factor:MDGF)、血小板由来成長因子(Platelet−derived growth factor:PDGF)、腫瘍血管新生因子(Tumor angiogenesis factor:TAF)、血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)等が挙げられる。これらの成長因子を単独で含んでいてもよく、複数組み合わせて含んでいてもよい。
一般的に、培地に含まれる成長因子の濃度は、特別な限定はなく、例えば1ng/mL以上10μg/mL以下であればよい。
ホルモンとしては、例えば、インスリン、グルカゴン、トリヨードチロニン、副腎皮質ホルモン(ハイドロコーチゾン等)等が挙げられる。これらのホルモンを単独で含んでいてもよく、複数組み合わせて含んでいてもよい。
一般的に、培地に含まれるホルモンの濃度は、特別な限定はなく、例えば1ng/mL以上10μg/mL以下であればよい。
また、成長因子及びホルモンを含む培地添加剤として、ウシ脳下垂体抽出物(Bovine Pituitary Extract:BPE)を用いてもよい。
中でも、前記混合スフェロイドを共培養する際に使用する培地としては、間葉系細胞増殖用培地、上皮系細胞増殖用培地、及び血管内皮細胞増殖用培地を混合したものを用いることが好ましい。
間葉系細胞増殖用培地、上皮系細胞増殖用培地、及び血管内皮細胞増殖用培地の混合比としては、容量比で、間葉系細胞増殖用培地:上皮系細胞増殖用培地:血管内皮細胞増殖用培地=1:1:1であることが好ましい。
間葉系細胞増殖用培地としては、任意の抗生物質及び任意の血清、並びに、必要に応じて、任意の成長因子及び任意のホルモンを添加した公知の基本培地を用いればよい。
前記公知の基本培地としてより具体的には、例えば、DMEM、Minimum Essential Medium(MEM)、RPMI−1640、Basal Medium Eagle(BME)、Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium:Nutrient Mixture F−12(DMEM/F−12)、Glasgow Minimum Essential Medium(Glasgow MEM)等が挙げられる。
また、任意の抗生物質、任意の血清、任意の成長因子、及び任意のホルモンを含む間葉系細胞増殖用培地としては、例えば、毛乳頭細胞増殖培地(Follicle Dermal Papilla Cell Growth Medium:DPCGM)(Promo Cell社製)等が挙げられる。
上皮系細胞増殖用培地としては、塩化カルシウムを含み、無血清であって、上皮成長因子、並びに、必要に応じて任意の抗生物質及び任意のホルモンを添加した公知の上皮系細胞用基本培地を用いればよい。
前記公知の皮系細胞用基本培地としてより具体的には、例えば、HuMedia−KB2(クラボウ社製)、角化細胞基本培地2(Keratinocyte Basal Medium 2)(Promo Cell社製)、EpiLife(登録商標) Medium(Thermo Fisher SCIENTIFIC社製)等が挙げられる。
また、上皮成長因子、任意の抗生物質、及び任意のホルモンを含む上皮系細胞増殖用培地としては、例えば、HuMedia−KG2(クラボウ社製)、角化細胞増殖培地2(Keratinocyte Growth Medium 2)(Promo Cell社製)等が挙げられる。
血管内皮細胞増殖用培地としては、血管内皮細胞増殖因子、並びに、必要に応じて任意の成長因子、任意の抗生物質、任意の血清、及び任意のホルモンを添加した公知の血管内皮細胞用基本培地を用いればよい。
前記血管内皮細胞用基本培地としてより具体的には、例えば、EBM−2 Basal Medium(Lonza社製)、内皮細胞基本培地(Endothelial Cell Basal Medium)(Promo Cell社製)、内皮細胞基本培地2(Endothelial Cell Basal Medium2)(Promo Cell社製)等が挙げられる。
また、血管内皮細胞増殖因子、任意の成長因子、任意の抗生物質、任意の血清、及び任意のホルモンを含む血管内皮細胞増殖用培地としては、例えば、EGM2(Lonza社製)、内皮細胞増殖培地(Endothelial Cell Growth Medium)(Promo Cell社製)、内皮細胞増殖培地2(Endothelial Cell Growth Medium 2)(Promo Cell社製)等が挙げられる。
<毛包組織含有シート>
一実施形態において、本発明は、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を含む毛包原基と、生体適合性ハイドロゲルと、を含有し、前記毛包原基が、前記生体適合性ハイドロゲル上に規則的且つ哺乳動物の毛穴の密度と同程度の密度で配置されており、前記毛包原基は内部に毛細血管構造を有する毛包組織含有シートを提供する。
本実施形態の毛包組織含有シートによれば、簡便に、規則的且つ高密度の毛包組織を再生することができる。また、本実施形態の毛包組織含有シートは各毛包原基の内部に毛細血管構造を有するため、移植後、移植体の血管と連通し、栄養分を得ることにより、高い毛包誘導能を発揮することができる。
本実施形態において、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞は上述のものと同様のものが挙げられる。また、本実施形態において、毛包組織含有シートは上述の毛包原基が分化し、毛包を形成していてもよい。
本明細書において、「生体適合性ハイドロゲル」とは、生体への適合性を有するゲルであって、高分子が化学結合によって網目構造をとり、その網目に多量の水を保有した物質を意味する。より具体的には、天然物由来の高分子や合成高分子の人工素材に架橋を導入してゲル化させたものをいう。
天然物由来の高分子としては、ゲル化する細胞外マトリックス成分等が挙げられる。ゲル化する細胞外マトリックス成分としては、例えば、コラーゲン(I型、II型、III型、V型、XI型など)、マウスEHS腫瘍抽出物(IV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカンなどを含む)より再構成された基底膜成分(商品名:マトリゲル)、フィブリン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどを例示することができる。その他天然物由来の高分子として、ゼラチン、寒天、アガロースなどを使用することもできる。それぞれのゲル化に至適な塩等の成分、その濃度、pHなどを選択しハイドロゲルを作製することが可能である。また、これらの原料を組み合わせてもよい。
また、合成高分子としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、poly(II−hydroxyethylmethacrylate)/polycaprolactoneなどが挙げられる。また、これらの高分子を2種以上用いてハイドロゲルを作製することも可能である。
中でも、生体適合性ハイドロゲルは、天然物由来の高分子であることが好ましく、ゲル化する細胞外マトリックス成分であることがより好ましく、コラーゲン(特に、I型コラーゲン)であることがさらに好ましい。コラーゲンを含有することにより、より皮膚に近しい組成となり、高い毛包再生効率を実現できる。
本実施形態において、上述の毛包原基が、上述の生体適合性ハイドロゲル上に規則的且つ哺乳動物の毛穴の密度と同程度の密度で配置されていることが好ましい。規則的とは、等間隔で毛包原基が配置されている状態を表しており、哺乳動物の皮膚における毛穴と毛穴の間隔と同程度であればよい。また、哺乳動物の毛穴の密度と同程度の密度とは、具体的には、20個/cm以上500個/cm以下であることが好ましく、50個/cm以上250個/cm以下であることがより好ましく、100個/cm以上200個/cm以下であることがさらに好ましい。密度が上記範囲であることにより、正常な毛包組織の配置をより正確に再現した毛包組織を再生することができる。
<毛包組織含有シートの製造方法>
一実施形態において、本発明は、規則的な配置の微小凹部からなるマイクロ凹版に、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を播種し、混合培養することにより内部に毛細血管構造を有する毛包原基を形成させる毛包原基形成工程と、前記微小凹部内に形成された内部に毛細血管構造を有する毛包原基を、生体適合性ハイドロゲルに転写する転写工程と、を備える、毛包組織含有シートの製造方法を提供する。
本実施形態の製造方法によれば、簡便に、規則的且つ高密度の毛包組織含有シートを得ることができる。また、本実施形態の製造方法で得られた毛包組織含有シートは各毛包原基の内部に毛細血管構造を有するため、移植後、移植体の血管と連通し、栄養分を得ることにより、高い毛包誘導能を発揮することができる。
図1は、本発明の毛包組織含有シートの製造方法の一実施形態を示す概略図である。図1を参照しながら、本実施形態における毛包組織含有シートの製造方法について、以下に詳細を説明する。
(マイクロ凹版)
毛包組織含有シートを製造する際に使用するマイクロ凹版4は、上述のとおり、複数の微小凹部5が規則的に配置されているものが好ましい。マイクロ凹版4は、市販のものを用いてもよいし、製造してもよい。マイクロ凹版の製造方法としては、上述の<毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法>の(マイクロ凹版)に記載の方法と同様の方法が挙げられる。
また、マイクロ凹版4における微小凹部5の密度は、20個/cm以上500個/cm以下であることが好ましく、50個/cm以上250個/cm以下であることがより好ましく、100個/cm以上200個/cm以下であることがさらに好ましい。密度が上記範囲であることにより、哺乳動物の毛穴の密度と同程度の密度で毛包原基が配置された毛包組織含有シートを得ることができる。
また、微小凹部の開口形状について、特別な限定はない。例えば、上述したものと同様の形状が挙げられ、中でも、毛穴に近い形状であるという観点から、円形状であることが好ましい。
微小凹部の開口部の直径及び深さについて、間葉系細胞1、上皮系細胞2、及び血管を構築し得る細胞3の混合スフェロイドを収容し培養できる大きさであれば特別な限定はないが、直径については、哺乳動物の毛穴と同程度の大きさであってよく、例えば20μm以上1mm以下であってよい。また、深さについては、毛包組織含有シートの移植後の被験動物の皮膚への定着の観点から、1mm以下であってよい。
得られる毛包組織含有シートにおける毛包原基の配置及び大きさは、マイクロ凹版4の微小凹部5の開口形状、直径及び深さ等に依存するため、被験動物の種類、移植する部位等に合わせて、適宜マイクロ凹版4の微小凹部5を調製すればよい。
マイクロ凹版の材質は、細胞培養に適したものであればよく、特別な限定はない。例えば、透明なガラス、ポリマー材等が挙げられる。中でも、マイクロ凹版は、酸素透過性を有する材質からなることが好ましく、より具体的には、フッ素樹脂、シリコンゴム(例えば、ポリジメチルシロキサン(poly(dimethylsiloxane):PDMS)等)等が挙げられる。これらの材質を単独で使用してもよいし、組み合わせて使用してもよい。
[毛包原基形成工程]
上述の<毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法>と同様に、まず、間葉系細胞1、上皮系細胞2、及び血管を構築し得る細胞3の混合懸濁液を、マイクロ凹版4に播種し、混合培養することにより毛細血管構造7を有する毛包原基6bを形成させる。
このとき、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞の播種する細胞数の比率は、間葉系細胞及び上皮系細胞が同等の細胞数であり、血管を構築し得る細胞の細胞数が間葉系細胞又は上皮系細胞の細胞数よりも少なければよい。具体的な播種する細胞数の比率としては、間葉系細胞:上皮系細胞:血管を構築し得る細胞=2:2:1〜8:8:1であることが好ましく、間葉系細胞:上皮系細胞:血管を構築し得る細胞=4:4:1が特に好ましい。
次いで、播種した細胞を、酸素を供給しながら混合培養することにより、毛包原基を形成させる。このとき、播種する上述の3種類の細胞の合計細胞数が多いほど、毛包原基の形成効率が高く、毛包原基の大きさも大きくなるが、播種する上述の3種類の細胞の合計細胞数はマイクロ凹版の微小凹部の大きさに応じて適宜調整すればよい。培養時間は、1日以上5日以下(好ましくは、3日)であってよく、培養温度は25℃以上40℃未満(好ましくは、37℃)であってよい。
間葉系細胞1、上皮系細胞2、及び血管を構築し得る細胞3の混合スフェロイド6aにおいて、毛細血管構造7を有する毛包原基6bが形成される流れは、上述の<毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法>の[毛包原基形成工程]において記載されたとおりである。さらに、本実施形態の製造方法において、毛包原基が分化し、毛包を形成していてもよい。
本実施形態の製造方法において用いられる間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞は、上述の<毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法>において例示されたものと同様のものが挙げられる。また、中でも、血管を構築し得る細胞としては、血管内皮細胞であることが好ましい。
細胞の由来として、好ましくは、動物由来細胞であり、より好ましくは脊椎動物由来細胞であり、特に好ましくはヒト由来細胞である。
間葉系細胞1、上皮系細胞2、及び血管を構築し得る細胞3の混合スフェロイド6aを共培養する際に使用する培地8は、特別な限定はなく、上述の<毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法>の[毛包原基形成工程]において例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、前記混合スフェロイドを共培養する際に使用する培地としては、間葉系細胞増殖用培地、上皮系細胞増殖用培地、及び血管内皮細胞増殖用培地を混合したものを用いることが好ましい。
間葉系細胞増殖用培地、上皮系細胞増殖用培地、及び血管内皮細胞増殖用培地の混合比としては、容量比で、間葉系細胞増殖用培地:上皮系細胞増殖用培地:血管内皮細胞増殖用培地=1:1:1であることが好ましい。
間葉系細胞増殖用培地、上皮系細胞増殖用培地、及び血管内皮細胞増殖用培地の具体例としては、上述の<毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法>の[毛包原基形成工程]において例示されたものと同様のものが挙げられる。
[転写工程]
次いで、培地8を除去して、生体適合性ハイドロゲル9を含む溶液を添加して、生体適合性ハイドロゲル9をゲル化させる。溶液中の生体適合性ハイドロゲルの濃度は、必要とするゲルの硬さに応じて、適宜調整することができる。また、ゲル化させるための時間についても、必要とするゲルの硬さに応じて、適宜調整することができる。ゲル化させる温度等の条件については、特別な限定はなく、例えば37℃のC0インキュベーター内で培養する方法等が挙げられる。
次いで、マイクロ凹版4から毛包原基6bを含むゲル化した生体適合性ハイドロゲル9を取り外すことで、毛包組織含有シート10が得られる。
本実施形態の製造方法において、生体適合性ハイドロゲルとは、上述の<毛包組織含有シート>において例示されたものと同様のものが挙げられる。中でも、生体適合性ハイドロゲルは、天然物由来の高分子であることが好ましく、ゲル化する細胞外マトリックス成分であることがより好ましく、コラーゲン(特にI型コラーゲン)であることがさらに好ましい。コラーゲンを使用することにより、より皮膚に近しい組成となり、高い毛包再生効率を実現できる。
生体適合性ハイドロゲルを含む溶液は、Ham’s Nutrient Mixtures F−10又はHam’s Nutrient Mixtures F−12等の無血清培地や、生体適合性ハイドロゲル再構成用の緩衝液(例えば、水酸化ナトリウム、炭酸水水素ナトリウム、HEPES−Bufferからなる緩衝液等)等を含んでいてもよい。
本実施形態の製造方法において、生体適合性ハイドロゲルをゲル化させる際に、ゲルの強度を補強するために、支持体を内包させてもよい。
支持体の材質としては、移植後に、毛包原基の上皮系細胞側の部分と被験動物側の上皮系細胞との連結を促進させることができるものであれば、特別な限定はない。例えば、ナイロン等のポリマーや合成又は天然の生体吸収可能なポリマーより作られた繊維、ステンレス等の金属繊維、炭素繊維、及び、ガラス繊維等の化学繊維、並びに天然の動物繊維(生体由来の毛髪等)や植物繊維等を挙げることができ、より具体的には、ナイロン糸やステンレス線等を挙げることができる。支持体の直径および長さは、再生対象となる部分により適宜設計することができる。直径は、例えば5μm以上100μm以下であってよく、例えば20μm以上50μm以下であってよい。また、長さは、例えば1mm以上10mm以下であってよく、例えば4mm以上6mm以下であってよい。
<毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の移植方法>
一実施形態において、本発明は、規則的な配置の微小凹部からなるマイクロ凹版に、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を播種し、混合培養することにより毛包原基を形成させる工程と、前記毛包原基を前記微小凹部の規則的な配置を保ちながら、被験動物の毛包欠損部に移植する工程と、を備える毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の移植方法を提供する。
本実施形態の移植方法によれば、簡便に、規則的且つ高密度の毛包組織を再生することができる。また、本実施形態の移植方法において用いられる再生毛包原基の集合体は各毛包原基の内部に毛細血管構造を有するため、移植後、移植体の血管と連通し、栄養分を得ることにより、高い毛包誘導能を発揮することができる。
[毛包原基形成工程]
上述の<毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法>と同様に、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞の混合懸濁液を、マイクロ凹版に播種し、混合培養することにより毛細血管構造を有する毛包原基を形成させる。
[移植工程]
規則的な配置の微小凹部内において形成された毛細血管構造を有する毛包原基を、例えば、上述の微小凹部と同様の規則的な配置である複数のチップ、ニードル、又はノズルを有するマルチピペットを用いて吸引する。次いで、被験動物の毛包欠損部に規則的な配置のまま毛包原基を移植する。規則的な配置を保つことにより、正常な毛包組織の配置をより正確に再現した毛包組織を再生することができる。マルチピペットは手動のものでも、全自動のものでもよい。
本明細書において、「マルチピペット」とは、複数のチップ、ニードル又はノズルを先端に有し、上述の微小凹部と同様の規則的な配置でチップ、ニードル、又はノズルが備えられており、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞からなる毛髪原基を吸引及び排出できるものであれば、特別な限定はない。材質は、細胞に有害なものでなければ特別な限定はなく、また、マルチピペットに装着するチップ、ニードル、又はノズルの先端の口径は、マイクロ凹版の微小凹部に差し込むことができる程度の大きさであれば、特別な限定はない。
<毛包組織含有シートの移植方法>
本実施形態の毛包組織含有シートは、当業者に公知の方法で対象となる部位に移植することができる。例えば、シャピロ式植毛術やチョイ式植毛器を用いた植毛、空気圧を利用したインプランター等を使用し、移植することができる。シャピロ式植毛術とは、移植部位をマイクロメス等で移植創を作った後に、ピンセットを用いて移植する方法である。
本実施形態の毛包組織含有シートの大きさは、被検動物(ヒト又は非ヒト動物を含む各種哺乳動物、好ましくはヒト)の年齢、性別、症状、治療部位、治療時間等を勘案して適宜調節される。
また、移植深度としては、再生対象となる部位により適宜変更することができる。例えば0.05mm以上5mm以下であってよく、例えば0.1mm以上1mm以下であってよく、例えば0.3mm以上0.5mm以下であってよい。
また、移植する部位としては、被検動物の真皮層内に移植することが好ましく、毛包形成及びその後の発毛効率の優れた真皮及び皮下組織の境界面より上方とすることがより好ましい。また、移植創上端部に毛包原基の上皮系細胞成分の上端部が露出するよう移植深度を調節すると、さらに被検動物の上皮系細胞との連続性を高めることができるため、好ましい。
本実施形態の毛包組織含有シートにおいて、皮膚接合用のテープやバンド、縫合等により、毛包組織含有シートと移植対象部位とを固定してもよい。
本実施形態の毛包組織含有シートにおいて、上述の支持体を内包している場合は、再生器官原基を移植後しばらくして被検動物の上皮系細胞と、毛包原基の上皮系細胞由来の側との連続性が確保された後、移植部位より抜くことができる。移植後の状態により適宜設定することができるが、例えば、移植後3日以上7日以下で移植部位から抜くことが好ましい。または、支持体が、自然と移植部位より抜けるまで放置することもできる。生体吸収性の材料の支持体は、自然と移植部位より抜けるか、分解又は吸収されるまで放置することができる。
また、本実施形態の毛包組織含有シートにおいて、上述の支持体を内包している場合は、毛包原基の上皮系細胞由来の細胞が、支持体に沿って伸長する。これにより、移植後の被検動物側の上皮系細胞と毛包原基の上皮系細胞側との連続性を向上させることができる。特に、支持体が移植部位の表皮より外に維持される場合には、被検動物側の上皮系細胞が、異物を排除するように、支持体に沿って移植部位の内側へ伸長するため、連続性をさらに向上させることができる。さらに、意図した方向へ毛包形成を促すことができる。その結果、毛包原基からの発毛率を向上させることができるとともに、発毛方向の制御も可能となる。
<毛包組織の再生治療方法>
また、本発明の一側面は、疾患や事故等による表皮の欠損又は脱毛等の毛髪欠損部位の治療のための毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体を提供する。
また、本発明の一側面は、疾患や事故等による表皮の欠損又は脱毛等の毛髪欠損部位の治療のための毛包組織含有シートを提供する。
また、本発明の一側面は、疾患や事故等による表皮の欠損又は脱毛等の毛髪欠損部位の治療のための毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法を提供する。
また、本発明の一側面は、疾患や事故等による表皮の欠損又は脱毛等の毛髪欠損部位の治療のための毛包組織含有シートの製造方法を提供する。
また、本発明の一側面は、治療的に有効量の毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体を含む医薬組成物を提供する。
また、本発明の一側面は、治療的に有効量の毛包組織含有シートを含む医薬組成物を提供する。
また、本発明の一側面は、前記医薬組成物を含む、毛包再生治療剤を提供する。
また、本発明の一側面は、前記医薬組成物を含む、毛包再生治療剤を製造するための上記毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の使用を提供する。
また、本発明の一側面は、前記医薬組成物を含む、毛包再生治療剤を製造するための上記毛包組織含有シートの使用を提供する。
また、本発明の一側面は、上記毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の有効量を、治療を必要とする患者に移植することを含む、疾患や事故等による表皮の欠損又は脱毛等の毛髪欠損部位の治療方法を提供する。
また、本発明の一側面は、上記毛包組織含有シートの有効量を、治療を必要とする患者に移植することを含む、疾患や事故等による表皮の欠損又は脱毛等の毛髪欠損部位の治療方法を提供する。
本明細書において、再生可能な毛包組織を含む組織としては、毛包を再生し、さらに毛髪を再生したい体表皮であれば、特別な限定はなく、例えば、頭皮等が挙げられる。
また、適用可能な疾患としては、脱毛を伴う任意の疾患であって、例えば男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia:AGA)、女子男性型脱毛症(Female Androgenetic Alopecia:FAGA)分娩後脱毛症、びまん性脱毛症、脂漏性脱毛症、粃糠性脱毛症、牽引性脱毛症、代謝異常性脱毛症、圧迫性脱毛症、円形脱毛症、神経性脱毛症、抜毛症、全身性脱毛症、症候性脱毛症等が挙げられ、これらに限定されない。
治療対象としては、特別な限定はなく、哺乳動物が好ましい、哺乳動物としては、例えば、霊長類(例えばヒト、サル、チンパンジー等)、げっ歯類(例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター等)、有蹄類(例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ等)、及びペット動物(例えばイヌ、ネコ、ウサギ等)が挙げられ、中でも、ヒトが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]マウス上皮系細胞及び間葉系細胞、並びにヒト臍帯静脈血管内皮細胞を用いた毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の作製(1)
(1)毛包原基の形成
マイクロ凹版として、Prime surface 96U plateを用いた。
まず、胎齢18日のC57BL/6jjclマウス(日本クレア社から購入)から上皮系細胞及び間葉系細胞を採取した。次いで、遠心分離を行い、上清を除去後、培地に懸濁した。また、予め、RFP遺伝子導入ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(以下、「RFP−HUVEC」と称する場合がある。)はコンフルエントになるまで培養しておいた。
次いで、Prime surface 96U plateに、採取した上皮系細胞及び間葉系細胞、並びにRFP−HUVECの混合懸濁液を以下の表1に示す細胞数となるように播種した。
培地は、ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle Medium;DMEM)(10%ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum;FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)含有)とHuMedia−KG2培地(倉敷紡績社製)を1:1で混合した培地(以下、「DM/KG2混合培地」と称する場合がある。)を用いた。培地交換は毎日行った。
(2)蛍光顕微鏡による観察
培養中の間葉系細胞、上皮系細胞、及びRFP−HUVECの混合細胞集塊(以下、「混合スフェロイド」と称する場合がある。)について、培養開始から1日目及び3日目に倒立型蛍光顕微鏡DP−71(オリンパス社製)を用いて観察した。結果を図2に示す。
(3)蛍光免疫染色による観察
混合スフェロイドについて、培養開始から3日目に4%パラホルムアルデヒドで固定し、ウサギ抗Versican抗体(MILLIPORE社製)(一次抗体)及びAlexa Fluor(登録商標) 488結合ヤギ抗ウサギIgG(H+L)交差吸着抗体(Themo Fisher Scientific社製)(二次抗体)を用いて、蛍光免疫染色を行った。次いで、倒立型位相差顕微鏡IX−71を用いた明視野での観察(図3(A)参照。)、及び共焦点レーザ顕微鏡LSM700(Carl Zeiss社製)を用いた暗視野での観察(図3(B)及び(C)参照。)を行った。結果を図3(A)〜(C)に示す。なお、図3(A)〜(C)は同じサンプルについての画像である。図3(A)は位相差顕微鏡により観察した際の画像である。図3(B)は共焦点レーザ顕微鏡を用いて532nmのレーザ光を照射した際のRFPの蛍光(588nm)を捉えた画像である。図3(C)は共焦点レーザ顕微鏡を用いて488nmのレーザ光を照射した際のRFPの蛍光(588nm)及びAlexa Fluor(登録商標) 488の蛍光(525nm)を捉えた画像である。
(4)結果及び考察
図2及び図3(A)〜(C)から、播種した3種類の細胞は、1つの凝集体を形成した後、3日間の培養中に凝集体内で同種細胞どうしが集合しあい、間葉系細胞集塊内部に血管内皮細胞による毛細血管構造を有する毛包原基が形成されることが確かめられた。
また、細胞数を変えて毛包原基の形成を評価したところ、すべての細胞数で間葉系細胞集塊内部に血管内皮細胞による毛細血管構造を有する毛包原基の形成が観察された。
以上のことから、マイクロ凹版として、Prime surface 96U plateを用いることで、マウス胎児上皮系細胞及び間葉系細胞、並びに血管内皮細胞の3種類の細胞が各ウェルにおいて凝集し、均一に分散した1つの凝集体を形成した後、同種の細胞同士がその中で自発的に分離することで、間葉系細胞集塊内部に血管内皮細胞による毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体を製造できることが確かめられた。
[実施例2]マウス上皮系細胞及び間葉系細胞、並びにヒト臍帯静脈血管内皮細胞を用いた毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の作製(2)
(1)毛包原基の形成
マイクロ凹版として、Prime surface 96U plateを用いた。
まず、胎齢18日のC57BL/6jjclマウス(日本クレア社から購入)から上皮系細胞及び間葉系細胞を採取した。また、予め、RFP−HUVECはコンフルエントになるまで培養しておいた。次いで、Prime surface 96U plateに、採取した上皮系細胞及び間葉系細胞、並びにRFP−HUVECの混合懸濁液を以下の表2に示す細胞数となるように播種した。また、用いた培地についても表2に示す。
表2において、培地Aとは、DM/KG2混合培地である。また、培地Bとは、DMEM(10%FBS及び1%P/S含有)とHuMedia−KG2培地(倉敷紡績社製)とEGM2(LONZA社製)とを1:1:1で混合した培地(以下、「DM/KG2/EGM2混合培地」と称する場合がある。)である。培地交換は毎日行った。
(3)蛍光顕微鏡による観察
培養中の混合スフェロイドについて、培養開始から1日目及び3日目に倒立型蛍光顕微鏡DP−71(オリンパス社製)を用いて観察した。結果を図4に示す。
(4)毛包誘導マーカー(Versican遺伝子及びNexin遺伝子)のRT−PCR解析
培養開始から3日目の各混合スフェロイドについて、毛包誘導マーカーであるVersican遺伝子及びNexin遺伝子のRT−PCR解析を行った。
(4−1)RNAの抽出
まず、培養開始から3日目の各混合スフェロイドを1.5mLマイクロチューブに移しかえた。次いで、4℃、5000rpmで、3分間遠心した。この操作は、残存する培地を捨てるため、混合スフェロイドを沈殿させると同時に、遠心分離機内の予冷のために行った。次いで、上清(培地)を捨てた後、Buffer RLTを350μL加え、よくピペッティングした。続いて、ピペッティング後の溶液をQIA Shredderスピンカラムに回収し、4℃、10000rpmで、2分間遠心した。次いで、QIA Shredderスピンカラムの上部を捨て、コレクションチューブ内の溶液に70%エタノールを350μL加え、RNeasyスピンカラムに移した。次いで、4℃、10000rpmで、15秒間遠心した。次いで、コレクションチューブ内の濾液を捨て、Buffer RW1を700μL加え、4℃、10000rpmで、15秒間遠心した。次いで、コレクションチューブ内の濾液を捨て、Buffer RPEを500μL加え、4℃、10000rpmで、15秒間遠心した。次いで、コレクションチューブ内の濾液を捨て、Buffer RPEを500μL加え、4℃、10000rpmで、2分間遠心した。次いで、新しい2mLコレクションチューブに遠心後のカラムを移し、4℃、10000rpmで、1分間遠心した。これは、残存するBuffer RPEを除去するために行った。続いて、1mLマイクロチューブに遠心後のカラムを移し、RNase free waterを30μL加え、4℃、10000rpmで、1分間遠心した。次いで、遠心後のカラムが設置された1mLマイクロチューブに、再度RNase free waterを30μL加え、4℃、10000rpmで、1分間遠心し、RNA溶解液を得た。
(4−2)分光光度計によるRNA濃度測定
次いで、Nano Vueの電源を付け、希釈率を60.0に設定した。ここで、希釈率とは、RNA抽出における最終容量である。続いて、測定板を70%エタノールで拭いた後、RNase free water2μLを測定板の中心にアプライし、[OA/100%T]のボタンを押した。この操作でベースラインを得た。続いて、(4−1)で得られたRNA溶解液2μLを測定板の中心にアプライし、測定ボタンを押した。A260/A280はサンプルの純度を表し、2.0に近い方が好ましい。次いで、次のサンプル(RNA溶解液)を測定する際は、キムワイプで拭きとって70%エタノールで拭いてから使用した。
(4−3)RT−PCR
次いで、(4−2)で濃度を測定したRNA溶解液を150μg/mLとなるように希釈し、65℃で、5分間インキュベートし、その後氷上で冷却した。続いて、マイクロチューブに下記表3に示す組成の溶液を加え、透明フィルムで覆った。表3において、RNAとは、各混合スフェロイド由来のRNA溶解液を示す。
次いで、(サーマルサイクラーにセットし、しっかり閉まっていることを確認した。続いて、37℃で15分間、98℃で5分間の逆転写反応を行い、各混合スフェロイド由来のRNAの逆転写産物であるcDNAをそれぞれ得た。
次いで、マイクロチューブに下記表4に示す組成の溶液を加え、透明フィルムで覆った。表4において、DNAとは、各混合スフェロイド由来のRNAの逆転写産物であるcDNAを示す。さらに、PCRで用いたプライマーの塩基配列について、表5に示す。
次いで、サーマルサイクラーにセットし、しっかり閉まっていることを確認した。続いて、95℃で4分間、(95℃で5秒間、60℃で60秒間)×45サイクル、72℃で10分間のプロトコールにてPCRを行った。コントロールとして、GAPDHの発現量を測定し、GAPDHの発現量に対するVersican又はNexinの相対的な発現量を算出した。結果を図5(A)及び(B)に示す。図5(A)及び(B)において、「4:4:0(DM/KG2)」は、表2における混合スフェロイド(i)を示し、「4:4:0」は表2における混合スフェロイド(ii)を示し、「4:4:1」は混合スフェロイド(iii)を示す。
(5)結果及び考察
図4から、混合スフェロイド(iii)においてのみ、RFP−HUVEC由来のRFPの蛍光が観察された。
また、図5(A)及び(B)から、Versivan遺伝子及びNexin遺伝子の発現について、混合スフェロイド(ii)は混合スフェロイド(i)よりも有意に高く、混合スフェロイド(iii)は混合スフェロイド(ii)よりも有意に高いことが明らかとなった。
このことから、血管内皮細胞増殖用培地であるEGM2の添加、及び血管内皮細胞の混合は、毛包原基の毛包誘導能の向上に有意に働くことが示された。
[実施例3]マウス上皮系細胞、ヒト毛乳頭細胞、及びヒト臍帯静脈血管内皮細胞を用いた毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の作製
毛包原基の形成
マイクロ凹版として、Prime surface 96U plateを用いた。
まず、胎齢18日のC57BL/6jjclマウス(日本クレア社から購入)ら上皮系細胞を採取した。また、予め、ヒト毛乳頭細胞(Promo Cell社製)及びRFP−HUVECはコンフルエントになるまで培養しておいた。
次いで、Prime surface 96U plateに、採取した上皮系細胞4.0×10細胞、ヒト毛乳頭細胞4.0×10細胞、及びRFP−HUVEC 1.0×10細胞、合計9.0×10細胞を含む混合懸濁液を播種した。対照群として、採取した上皮系細胞4.0×10細胞、及びヒト毛乳頭細胞4.0×10細胞、合計8.0×10細胞を含む混合懸濁液も準備し、播種した。
また、培地は、毛乳頭細胞増殖培地(Follicle Dermal Papilla Cell Growth Medium:DPCGM)(Promo Cell社製)とHuMedia−KG2培地(倉敷紡績社製)とEGM2(LONZA社製)とを1:1:1で混合した培地(以下、「DM/KG2/EGM2混合培地」と称する場合がある。)を用いた。培地交換は毎日行った。
(3)蛍光顕微鏡による観察
培養中の混合スフェロイドについて、培養開始から1日目及び3日目に倒立型蛍光顕微鏡DP−71(オリンパス社製)を用いて観察した。結果を図6に示す。
(4)毛包誘導マーカー(Versican遺伝子及びNexin遺伝子)のRT−PCR解析
培養開始から3日目の各混合スフェロイドについて、毛包誘導マーカーであるVersican遺伝子及びALP遺伝子のRT−PCR解析を行った。
(4−1)RNAの抽出
実施例2の(4−1)と同様の方法を用いて、各混合スフェロイドからRNA溶解液を得た。
(4−2)分光光度計によるRNA濃度測定
実施例2の(4−2)と同様の方法を用いて、(4−1)で得られた各RNA溶解液のRNA濃度を測定した。
(4−3)RT−PCR
PCRにおいて、以下の表6に示すプライマーを使用した以外は、実施例2の(4−3)と同様の方法を用いて、RT−PCRを行った。コントロールとして、GAPDHの発現量を測定し、GAPDHの発現量に対するVersican又はALPの相対的な発現量を算出した。結果を図7(A)及び(B)に示す。図7(A)及び(B)において、「4:4:0」はマウス上皮細胞及びヒト毛乳頭細胞の混合スフェロイドを示し、「4:4:1」はマウス上皮細胞、ヒト毛乳頭細胞、及びRFP−HUVECの混合スフェロイドを示す。
(5)結果及び考察
図6から、マウス上皮細胞、ヒト毛乳頭細胞、及びRFP−HUVECの混合スフェロイドにおいてのみ、RFP−HUVEC由来のRFPの蛍光が観察された。また、マウス上皮細胞、ヒト毛乳頭細胞、及びRFP−HUVECの3種類の細胞が凝集し、均一に分散した1つの凝集体を形成した後、同種の細胞同士がその中で自発的に分離することで、間葉系細胞集塊内部に血管内皮細胞による毛細血管構造を有する毛包原基が形成されることが確かめられた。
また、図7(A)及び(B)から、Versican遺伝子及びALP遺伝子の発現をについて、マウス上皮細胞、ヒト毛乳頭細胞、及びRFP−HUVECの混合スフェロイドはマウス上皮細胞及びヒト毛乳頭細胞の混合スフェロイドよりも有意に高いことが明らかとなった。これは血管内皮細胞の産生するサイトカイン(例えば、VEGF等)が毛乳頭細胞の毛包誘導能向上に寄与したためであると推察された。
[試験例1]移植により再生した毛包組織の評価試験
(1)マウス皮下移植
実施例3で作製した培養開始から3日目のマウス上皮細胞、ヒト毛乳頭細胞、及びRFP−HUVECの混合スフェロイドをヌードマウス(ICR nu/nuマウス、5週齢)(オリエンタル酵母社より購入)の皮下に20GVランスを用いて移植穴をあけて、マイクロピペットを用いて、1つずつ移植した。対照群として、実施例3で作製した培養開始から3日目のマウス上皮細胞及びヒト毛乳頭細胞の混合スフェロイドも移植した。
移植後、2日に1回肉眼による観察を行い、移植から14日目のヌードマウスの様子を図8(A)及び(B)に示す。図8(A)において、「HFG」はマウス上皮細胞及びヒト毛乳頭細胞の混合スフェロイドを移植したマウスを示す。図8(B)において、「VHFG」はマウス上皮細胞、ヒト毛乳頭細胞、及びRFP−HUVECの混合スフェロイドを移植したマウスを示す。
また、移植から18日目のヌードマウスの移植部を、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製)を用いて観察し、移植部における毛髪の再生本数を測定した。各ヌードマウスにおける毛髪の平均再生本数を図9に示す。
(2)結果と考察
図8(A)及び(B)から、いずれの混合スフェロイドを移植したマウスにおいても、ホクロ様の黒ずんだ部分が形成されており、一部の黒ずんだ部分から発毛が観察された。また、マウス上皮細胞及びヒト毛乳頭細胞の混合スフェロイドを移植したマウスにおける再生効率は50%であり、マウス上皮細胞、ヒト毛乳頭細胞、及びRFP−HUVECの混合スフェロイドを移植したマウスにおける再生効率は55%であり、大きな差は見られなかった。
また、図9から、移植部における平均再生本数は、マウス上皮細胞及びヒト毛乳頭細胞の混合スフェロイドを移植したマウスでは約1.4本であったのに対し、マウス上皮細胞、ヒト毛乳頭細胞、及びRFP−HUVECの混合スフェロイドを移植したマウスでは約2.1本であり、高い傾向が見られた。
本発明によれば、簡便に、規則的且つ高密度の内部に毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体を得ることができる。
1…間葉系細胞、2…上皮系細胞、3…血管を構築し得る細胞、4…マイクロ凹版、5…微小凹部、6a…混合スフェロイド、6b…毛包原基、7…毛細血管構造、8…培地、9…生体適合性ハイドロゲル、10…毛包組織含有シート。

Claims (13)

  1. 規則的な配置の微小凹部からなるマイクロ凹版に、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を播種し、酸素を供給しながら混合培養することにより、毛包原基を形成させる毛包原基形成工程を備えることを特徴とする毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法。
  2. 前記マイクロ凹版が酸素透過性を有する材質からなる、請求項1に記載の毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法。
  3. 前記血管を構築し得る細胞が血管内皮細胞である、請求項1又は2に記載の毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法。
  4. 前記毛包原基形成工程において、間葉系細胞増殖用培地、上皮系細胞増殖用培地、及び血管内皮細胞増殖用培地を混合した培地を用いて間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を混合培養する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の毛細血管構造を有する再生毛包原基の集合体の製造方法。
  5. 間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を含む毛包原基と、
    生体適合性ハイドロゲルと、を含有し、
    前記毛包原基が、前記生体適合性ハイドロゲル上に規則的且つ哺乳動物の毛穴の密度と同程度の密度で配置されており、
    前記毛包原基は内部に毛細血管構造を有することを特徴とする毛包組織含有シート。
  6. さらに、前記毛包原基が分化し、毛包を形成している、請求項5に記載の毛包組織含有シート。
  7. 前記生体適合性ハイドロゲルがゲル化する細胞外マトリックス成分である、請求項5又は6に記載の毛包組織含有シート。
  8. 前記細胞外マトリックス成分がコラーゲンである、請求項7に記載の毛包組織含有シート。
  9. 前記毛包原基の密度が20個/cm以上500個/cm以下である、請求項5〜8のいずれか一項に記載の毛包組織含有シート。
  10. 規則的な配置の微小凹部からなるマイクロ凹版に、間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を播種し、混合培養することにより内部に毛細血管構造を有する毛包原基を形成させる毛包原基形成工程と、
    前記微小凹部内に形成された内部に毛細血管構造を有する毛包原基を、生体適合性ハイドロゲルに転写する転写工程と、
    を備えることを特徴とする毛包組織含有シートの製造方法。
  11. 前記血管を構築し得る細胞が血管内皮細胞である、請求項10に記載の毛包組織含有シートの製造方法。
  12. 前記毛包原基形成工程において、間葉系細胞増殖用培地、上皮系細胞増殖用培地、及び血管内皮細胞増殖用培地を混合した培地を用いて間葉系細胞、上皮系細胞、及び血管を構築し得る細胞を混合培養する、請求項10又は11に記載の毛包組織含有シートの製造方法。
  13. 前記マイクロ凹版における前記微小凹部の密度が20個/cm以上500個/cm以下である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の毛包組織含有シートの製造方法。
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