JP2018082539A - 積層鉄心の製造装置及び積層鉄心の製造方法 - Google Patents

積層鉄心の製造装置及び積層鉄心の製造方法 Download PDF

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Yusuke Eto
雄介 衛藤
直樹 深見
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Abstract

【課題】積層体を均一に加圧した状態で積層体に所定の処理を施す。【解決手段】加圧装置100は、複数の打抜部材B1が積層された積層体10をその積層方向から挟持可能に構成された挟持部材101,102と、挟持部材101,102を互いに近接及び離間させるように構成された昇降機構104と、挟持部材102を挟持部材101,102の対向方向に交差する方向に延びる第1の回動軸周りに回動可能に保持する保持部103とを備える。【選択図】図4

Description

本開示は、積層鉄心の製造装置及び積層鉄心の製造方法に関する。
特許文献1は、積層体の上下に治具を配置してこれらの治具によって積層体を積層方向に押圧した状態で、積層体の外周面を積層方向に沿って溶接することにより、複数の打抜部材を一体化する方法を開示している。
特開2006−254637号公報
ところで、一般に、金属板の厚さは、完全に均一ではなく、僅かに変動している。そのため、金属板から打ち抜かれた複数の打抜部材を積層して積層体を得た場合、積層体の積厚(積層方向における積層体の高さ)に偏りが生ずる場合がある。すなわち、積層体を水平面上に載置した場合、積層体の上面が斜めに傾斜した状態となる。
積厚に偏りが存在する積層体を上下から治具で積層方向に加圧した場合、積層体のうち積厚が高い箇所に対して付与される加圧力は強くなり、積層体のうち積厚が低い箇所に対して付与される加圧力は弱くなる。この状態で積層体の外周面を積層方向に沿って溶接し、治具を積層体から除去すると、積層体のうち積厚が高い箇所においては元に戻ろうとする力(スプリングバック力ともいう。)が溶接ビードに大きく作用して、応力集中により溶接ビードが割れてしまい得る。一方、積層体のうち積厚が低い箇所においては、加圧力が弱いため、溶接の際に打抜部材同士の間に隙間が生じていることがあり、当該隙間の近傍において溶接ビードの高さが低くなり、強度の低下により溶接ビードが割れてしまい得る。これらのように溶接割れが発生すると、積層体の寸法が変化し、その後の工程での積層鉄心の組み付け性に影響が生じる場合がある。なお、溶接割れを防ぐためには、溶接時の入力エネルギーを増やし、溶接部の強度を上げるなどの方法があるが、生産性が落ちるなどのデメリットがあり、現実的ではない。
そこで、本開示は、積層体を均一に加圧した状態で積層体に所定の処理を施すことが可能な積層鉄心の製造装置及び積層鉄心の製造方法を説明する。
[1]本開示の一つの観点に係る積層鉄心の製造装置は、複数の鉄心部材が積層された積層体をその積層方向から挟持可能に構成された第1及び第2の挟持部材と、第1の挟持部材と第2の挟持部材とを互いに近接及び離間させるように構成された昇降機構と、第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方を第1及び第2の挟持部材の対向方向に交差する方向に延びる第1の回動軸周りに回動可能に保持する保持部とを備える。
本開示の一つの観点に係る積層鉄心の製造装置では、積層体をその積層方向から挟持可能な第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方が、保持部によって第1の回動軸周りに回動可能である。そのため、積層体の積厚に偏りが存在しても(積層体に積厚が高い箇所と積厚が低い箇所とが存在しても)、第1及び第2の挟持部材が積層体を挟持する際に、第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方が保持部によって回動し積層体の端面の略全面に当接する。従って、第1及び第2の挟持部材によって積層体を均一に加圧した状態で積層体に所定の処理(例えば、溶接処理、樹脂充填処理等)を施すことが可能となる。
[2]上記第1項に記載の装置において、保持部は、第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方を対向方向及び第1の回動軸の延在方向の双方に交差する方向に延びる第2の回動軸周りに回動可能に保持してもよい。この場合、第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方が第1及び第2の回動軸の双方に関して回動可能であるので、第1及び第2の挟持部材が積層体を挟持する際に、第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方が積層体の端面の略全面により当接しやすくなる。従って、第1及び第2の挟持部材によって積層体をより均一に加圧することが可能となる。
[3]上記第1項又は第2項に記載の装置において、第1及び第2の挟持部材は上下方向に並んで配置されており、保持部は、第1及び第2の挟持部材のうち上方に位置する挟持部材を保持していてもよい。この場合、第1及び第2の挟持部材のうち下方に位置する挟持部材として、積層体を載置して搬送する搬送プレートを利用することができる。そのため、積層鉄心の製造装置を含む設備を簡素化することが可能となる。
[4]上記第1項又は第2項に記載の装置において、第1及び第2の挟持部材は上下方向に並んで配置されており、保持部は、第1及び第2の挟持部材のうち下方に位置する挟持部材を保持しており、第1及び第2の挟持部材のうち上方に位置する挟持部材には、溶融樹脂を積層体の貫通孔に充填するための樹脂流路が設けられていてもよい。この場合、樹脂流路が設けられている上側の挟持部材が回動しないので、樹脂流路と積層体の貫通孔とを精度よく位置合わせすることができる。従って、挟持部材の樹脂流路を通じて積層体の貫通孔に溶融樹脂を充填する際に、溶融樹脂の漏れを抑制することが可能となる。
[5]上記第1項〜第4項のいずれか一項に記載の装置において、第1又は第2の挟持部材の回動とロックとを切り替え可能に構成されたロック部をさらに備えてもよい。この場合、例えば、積層体における積厚の偏りの有無に応じて、ロック部により第1又は第2の挟持部材の回動とロックとを切り替えることができる。あるいは、積層体における積厚の偏りが既知である場合には、ロック部により第1又は第2の挟持部材を任意の傾斜角でロックすることもできる。
[6]本開示の他の観点に係る積層鉄心の製造方法は、複数の鉄心部材が積層された積層体を、互いに対向する一対の挟持部材によって積層体の積層方向から挟持する第1の工程と、一対の挟持部材によって挟持された状態の積層体に対して処理を行う第2の工程とを含む。第1の工程では、第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方が、第1及び第2の挟持部材の対向方向に交差する方向に延びる第1の回動軸周りに回動可能である。この場合、上記第1項の装置と同様の作用効果を奏する。
[7]上記第6項の方法において、第1の工程では、第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方が、対向方向及び第1の回動軸の延在方向の双方に交差する方向に延びる第2の回動軸周りに回動可能であってもよい。この場合、上記第2項の装置と同様の作用効果を奏する。
[8]上記第6項又は第7項の方法において、第1の工程では、上下方向に並んで配置された第1及び第2の挟持部材のうち上方に位置する挟持部材が第1の回動軸周りに回動可能であってもよい。この場合、上記第3項の装置と同様の作用効果を奏する。
[9]上記第6項又は第7項に記載の方法において、第1の工程では、上下方向に並んで配置された第1及び第2の挟持部材のうち下方に位置する挟持部材が第1の回動軸周りに回動可能であり、第2の工程では、上下方向に並んで配置された第1及び第2の挟持部材のうち上方に位置する挟持部材の設けられた樹脂流路を通じて、積層体の貫通孔に溶融樹脂を充填してもよい。この場合、上記第4項の装置と同様の作用効果を奏する。
[10]上記第6項〜第9項のいずれか一項に記載の方法において、第1又は第2の挟持部材の回動とロックとが切り替え可能であってもよい。この場合、上記第5項の装置と同様の作用効果を奏する。
本開示に係る積層鉄心の製造装置及び積層鉄心の製造方法によれば、積層体を均一に加圧した状態で積層体に所定の処理を施すことが可能となる。
図1は、固定子積層鉄心の一例を示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線断面図である。 図3は、積層体が加圧装置に載置された状態を示す断面図である。 図4は、積層体が加圧されつつ溶接される様子を説明するための断面図である。 図5は、固定子積層鉄心の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。 図6は、回転子積層鉄心の一例を示す斜視図である。 図7は、図6のVII−VII線断面図である。 図8は、積層体が樹脂充填装置に載置された状態を示す断面図である。 図9は、積層体が加圧されつつ樹脂の充填が行われる様子を説明するための断面図である。 図10は、回転子積層鉄心の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。 図11は、加圧装置の他の例を示す断面図である。 図12は、従来の加圧装置によって積層体が加圧される様子を説明するための断面図である。 図13は、従来の加圧装置によって加圧されつつ溶接された積層体を示す断面図である。
以下に説明される本開示に係る実施形態は本発明を説明するための例示であるので、本発明は以下の内容に限定されるべきではない。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
[固定子積層鉄心の構成]
まず、図1及び図2を参照して、固定子積層鉄心1の構成について説明する。固定子積層鉄心1は、固定子(ステータ)の一部である。固定子が回転子(ロータ)と組み合わせられることにより、電動機(モータ)が構成される。
固定子積層鉄心1は、図1に示されるように、円筒形状を呈している。すなわち、固定子積層鉄心1の中央部分には、中心軸Ax1に沿って延びる貫通孔10aが設けられている。貫通孔10a内には、回転子が配置可能である。
固定子積層鉄心1は、複数の打抜部材B1(鉄心部材)が積み重ねられた積層体10によって構成されている。打抜部材B1は、金属板(例えば、電磁鋼板)が所定形状に打ち抜かれた板状体である。当該金属板の厚さは、完全に均一ではなく、僅かに変動している。そのため、複数の打抜部材B1が積層されてなる積層体10には、図2に示されるように、積厚に偏りが生ずる場合がある。積層体10の積厚に偏りが存在すると、積層体10の端面(図2においては上端面)が斜めに傾斜した状態となる。
積層体10は、いわゆる転積によって構成されていてもよい。「転積」とは、打抜部材B1同士の角度を相対的にずらしつつ、複数の打抜部材B1を積層することをいう。転積は、主に積層体10の板厚偏差を相殺することを目的に実施される。転積の角度は、任意の大きさに設定してもよい。
固定子積層鉄心1は、一つのヨーク部11と、複数のティース部12(図1及び図2に示される例では6個のティース部12)と、複数の耳金部13(図1及び図2に示される例では3個の耳金部13)と、複数の溶接部15(図1及び図2に示される例では3個の溶接部15)とを有する。ヨーク部11は、円環状を呈しており、中心軸Ax1囲むように延びている。各ティース部12はそれぞれ、対応するヨーク部11の内縁から中心軸Ax1側に向かうように固定子積層鉄心1の径方向に沿って延びている(突出している)。各ティース部12は、周方向において、略等間隔で並んでいる。
固定子積層鉄心1がモータとして構成される場合には、各ティース部12には、巻線(図示せず)が所定回数巻回される。隣り合うティース部12の間には、巻線を配置するための空間であるスロット10bが画定されている。各ティース部12にはカシメ部14が設けられている。カシメ部14は、積層方向において隣り合う打抜部材B1同士を接合する。
積層方向において隣り合う打抜部材B1同士は、カシメ部14によって締結されている。具体的には、カシメ部14は、図2に示されるように、積層体10の最下層以外をなす打抜部材B1に形成されたカシメ14aと、積層体10の最下層をなす打抜部材B1に形成された貫通孔14bとを有する。カシメ14aは、打抜部材B1の表面側に形成された凹部と、打抜部材B1の裏面側に形成された凸部とで構成されている。一の打抜部材B1のカシメ14aの凹部は、当該一の打抜部材B1の表面側に隣り合う他の打抜部材B1のカシメ14aの凸部と接合される。一の打抜部材B1のカシメ14aの凸部は、当該一の打抜部材B1の裏面側において隣り合う更に他の打抜部材B1のカシメ14aの凹部と接合される。貫通孔14bには、積層体10の最下層に隣接する打抜部材B1のカシメ14aの凸部が接合される。貫通孔14bは、積層体10を連続して製造する際、既に製造された積層体10に対して次に製造する積層体10がカシメ14aによって締結されるのを防ぐ機能を有する。
複数の耳金部13は、中心軸Ax1から離れるように、ヨーク部11の外縁から径方向外側に向けて突出している。各耳金部13は、周方向において略等間隔で並んでいる。各耳金部13は、中心軸Ax1方向において、固定子積層鉄心1の一端面から他端面にかけて直線状に延びている。
各耳金部13には、積層方向において耳金部13を貫通する貫通孔13aが設けられている。貫通孔13aは、固定子積層鉄心1を電動機のハウジング(図示せず)に固定するためのボルトの挿通孔として機能する。
各溶接部15はそれぞれ、積層体10の外周面であって各耳金部13の頂点近傍に形成されている。各溶接部15は、積層体10の一端面から他端面にかけて中心軸Ax1方向(積層方向)に延びる溶接ビードであり、複数の打抜部材B1を接合している。積層体10の外周面には、少なくとも一つの溶接部15が形成されていてもよい。複数の単位ブロックが積層されて積層体10が構成されている場合、各溶接部15は、積層体10の一端面から他端面にかけて全体的に延びているのではなく、各単位ブロック同士の境界部分を接合する複数の溶接スポットであってもよい。すなわち、この場合、複数の溶接スポットは、各単位ブロック同士の境界部分に位置するように互いに離間しながら中心軸Ax方向に並んでいる。
[固定子積層鉄心の製造方法]
続いて、図3〜図5を参照して、固定子積層鉄心1の製造方法について説明する。まず、図示しない打抜装置を用いて、帯状の金属板(電磁鋼板)を所定形状に打ち抜いて打抜部材B1を形成しつつ、複数の打抜部材B1を積み重ねて、積層体10を形成する(図5のステップS11)。
次に、図3に示される加圧装置100(積層鉄心の製造装置)により積層体10を加圧する(図5のステップS12)。ここで、加圧装置100について説明する。加圧装置100は、一対の挟持部材101,102と、保持部103と、昇降機構104と、溶接機105と、コントローラ106(制御部)とを備える。
一対の挟持部材101,102は、矩形状を呈する平板である。一対の挟持部材101,102は、上下方向に並ぶように位置している。下側に位置する挟持部材101(第2の挟持部材)の上面には、上方に向けて延びる複数の案内シャフト101aが設けられている。各案内シャフト101aは、挟持部材101の各角部にそれぞれ位置している。上側に位置する挟持部材102(第1の挟持部材)の各角部には、対応する案内シャフト101aが挿通可能な貫通孔102aが設けられている。貫通孔102aの大きさは、案内シャフト101aよりも若干大きい。
保持部103は、ベース部材103aと、摺動部材103bとを含む。ベース部材103aは、内部に収容空間V1を有している。ベース部材103aの底面は、挟持部材102の上面の中央部に固定されている。ベース部材103aの上面には、収容空間V1と連通する貫通孔103cが設けられている。摺動部材103bは、円柱状を呈している。摺動部材103bの中央部103dは、括れており、貫通孔103cと若干の隙間を有した状態で貫通孔103cと係合している。摺動部材103bの先端面F1は、先端に向けて凸の球面状を呈している。
先端面F1は、収容空間V1の内側底面F2と当接している。そのため、収容空間V1の内側底面F2は、球面状を呈する先端面F1に沿って摺動する。換言すれば、ベース部材103aは、球面状を呈する先端面F1の中心を通り且つ挟持部材101,102の対向方向(積層体10が挟持部材101に載置された状態における中心軸Ax1方向であり、図3における上下方向。以下、単に「対向方向」という。)に交差する方向に延びる第1の回動軸周りに回動可能である。同じく、ベース部材103aは、先端面F1の中心を通り且つ対向方向及び第1の回動軸の延在方向の双方に交差する方向に延びる第2の回動軸周りに回動可能である。第1の回動軸は、例えば図3の紙面の垂直方向に延びていてもよい。第2の回動軸は、例えば図3の紙面の水平方向に延びていてもよい。第1の回動軸と第2の回動軸とは直交していてもよい。
以上より、保持部103は、挟持部材102を第1及び第2の回動軸周りに回動可能に保持するように構成されている。
昇降機構104は、摺動部材103bの基端部に接続されている。昇降機構104は、コントローラ106からの指示に基づいて動作し、摺動部材103bを対向方向において往復動させる。すなわち、昇降機構104は、摺動部材103bを上下動させることにより、挟持部材101,102を互いに近接及び離間させるように構成されている。なお、昇降機構104は、保持部103(摺動部材103b)及び挟持部材102を対向方向において往復動させるのであれば、特に限定されるものではなく、例えば、アクチュエータ、エアシリンダ等を使用することが考えられる。
溶接機105は、溶接トーチ105aと、供給機構105bと、駆動機構105cとを備える。溶接トーチ105aは、例えば、アーク溶接用のトーチである。供給機構105bは、コントローラ106からの指示に基づいて、溶接トーチ105aを介してワイヤを自動的に母材(積層体10の外周面)に対して供給可能に構成されている。なお、溶接トーチ105aは必ずしもワイヤを用いなくてもよい。また、溶接機105は、アーク溶接に限らず、レーザ溶接等の他の溶接処理を行えるように構成されていてもよい。駆動機構105cは、コントローラ106からの指示に基づいて、溶接トーチ105aを中心軸Ax方向に沿って移動可能に構成されている。駆動機構105cは、例えばエアシリンダ、サーボモータ等であってもよい。
コントローラ106は、例えば、記録媒体(図示せず)に記録されているプログラム又はオペレータからの操作入力等に基づいて昇降機構104、供給機構105b及び駆動機構105cをそれぞれ動作させるための指示信号を生成し、当該指示信号を昇降機構104、供給機構105b及び駆動機構105cに送信する。
上記の加圧装置100で積層体10を加圧する際には、まず、挟持部材101上に積層体10を載置する。この状態で、挟持部材101の各案内シャフト101aをそれぞれ挟持部材102の対応する貫通孔102aに挿通する。その後、コントローラ106が昇降機構104に指示して、昇降機構104により摺動部材103bを対向方向(中心軸Ax1方向)に沿って下方に押し出させる。挟持部材102の下面が積層体10の上端面に当接すると、積層体10の上端面が斜めに傾斜しているので、挟持部材102の下面が当該上端面に沿うようにベース部材103a及び挟持部材102が先端面F1に沿って摺動する(図4参照)。そのため、挟持部材101と斜めに傾斜した挟持部材102とによって、積層体10が略均一に加圧される。
次に、挟持部材101,102によって積層体10が加圧された状態で、図4に示されるように、積層体10の外周面であって各耳金部13の頂点近傍を溶接機105によって溶接する(図5のステップS13)。具体的には、コントローラ106が駆動機構105cに指示して、溶接トーチ105aの先端が耳金部13の頂点近傍に対面した状態を保持したまま、溶接トーチ105aを積層体10の上端面から下端面に向けて移動させる。このとき同時に、コントローラ106が供給機構105bに指示して、ワイヤを溶接トーチ105aに供給させる。これにより、積層体10の外周面であって各耳金部13の頂点近傍に、中心軸Ax方向(積層方向)に延びる溶接部15(溶接ビード)が形成される。
以上により、固定子積層鉄心1が得られる。その後、スロット10b内に巻線が位置するように各ティース部12に巻線が所定回数巻回されることにより、固定子が得られる。
[作用]
ところで、図12に示されるように、保持部103を備えない従来の加圧装置100Aを用いて積層体10を挟持部材101,102でその積層方向に加圧した場合、積層体10のうち積厚が高い箇所(図12において積層体10の右側の箇所)に対して付与される加圧力は強くなり、積層体10のうち積厚が低い箇所(図12において積層体10の左側の箇所)に対して付与される加圧力は弱くなる。この状態で積層体10の外周面を積層方向に沿って溶接し、挟持部材101,102を積層体10から除去すると、積層体10のうち積厚が高い箇所においては、元に戻ろうとするスプリングバック力(図13に示される矢印Ar参照)が溶接部15に大きく作用して、図13に示されるように、応力集中により溶接部15に割れ15aが発生してしまい得る。一方、積層体10のうち積厚が低い箇所においては、加圧力が弱いため、溶接の際に打抜部材B1同士の間に隙間が生じていることがあり、当該隙間の近傍において溶接部15(溶接ビード)の高さが低くなり、強度の低下により溶接部16に割れが発生してしまい得る。これらのように溶接割れが発生すると、積層体10の寸法が変化し、その後の工程での固定子積層鉄心1の組み付け性に影響が生じる場合がある。
しかしながら、以上のような第1実施形態では、加圧装置100において、積層体10をその積層方向から挟持可能な挟持部材102が、保持部103によって第1及び第2の回動軸周りに回動可能である。そのため、積層体10の積厚に偏りが存在しても(積層体10に積厚が高い箇所と積厚が低い箇所とが存在しても)、挟持部材101,102が積層体10を挟持する際に、挟持部材102は、保持部103によって所定の回動軸周りに回動し、積層体10の端面の略全面に当接する。従って、挟持部材101,102によって積層体10を均一に加圧した状態で積層体10に所定の処理(例えば、溶接処理等)を施すことが可能となる。これにより、加圧装置100による荷重を溶接後に解放したときに積層体10に生ずるスプリングバック力が、図12に示される従来の加圧装置100Aの場合と比較して、積層体10の周方向において均一に近づく。その結果、溶接部15への応力集中が低減される。一方、第1実施形態では、挟持部材101,102によって積層体10が均一に加圧された状態で積層体10に溶接が施されるので、隣接する打抜部材B1間の隙間の発生が抑制された状態で打抜部材B1同士が溶接される。そのため、溶接部15の強度が十分に確保される。以上より、溶接部15の溶接割れを抑制することが可能となる。
第1実施形態では、加圧装置100において、挟持部材101,102が上下方向に並んで配置されており、保持部103が上方に位置する挟持部材102を保持している。そのため、下方に位置する挟持部材101として、積層体10を載置して搬送する搬送プレートを利用することができる。従って、固定子積層鉄心1の製造装置を含む設備を簡素化することが可能となる。
<第2実施形態>
[回転子積層鉄心の構成]
続いて、図6及び図7を参照して、回転子積層鉄心2の構成について説明する。回転子積層鉄心2は、回転子(ロータ)の一部である。回転子は、回転子積層鉄心2に端面板及びシャフトが取り付けられてなる。回転子が固定子(ステータ)と組み合わせられることにより、電動機(モータ)が構成される。回転子積層鉄心2は、図6に示されるように、積層体20と、複数の永久磁石22と、複数の樹脂材料23とを備える。
積層体20は、円筒状を呈している。すなわち、積層体20の中央部には、中心軸Ax2に沿って延びるように積層体20を貫通する軸孔20aが設けられている。積層体20は、複数の打抜部材B2(鉄心部材)が積み重ねられて構成されている。打抜部材B2は、金属板(例えば、電磁鋼板)が所定形状に打ち抜かれた板状体である。当該金属板の厚さは、完全に均一ではなく、僅かに変動している。そのため、複数の打抜部材B2が積層されてなる積層体20には、図7に示されるように、積厚に偏りが生ずる場合がある。積層体20の積厚に偏りが存在すると、積層体20の端面(図7においては上端面)が斜めに傾斜した状態となる。
積層方向において隣り合う打抜部材B2同士は、カシメ部24によって締結されている。具体的には、カシメ部24は、図7に示されるように、積層体20の最下層以外をなす打抜部材B2に形成されたカシメ24aと、積層体20の最下層をなす打抜部材B2に形成された貫通孔24bとを有する。カシメ24aは、打抜部材B2の表面側に形成された凹部と、打抜部材B2の裏面側に形成された凸部とで構成されている。一の打抜部材B2のカシメ24aの凹部は、当該一の打抜部材B2の表面側に隣り合う他の打抜部材B2のカシメ24aの凸部と接合される。一の打抜部材B2のカシメ24aの凸部は、当該一の打抜部材B2の裏面側において隣り合う更に他の打抜部材B2のカシメ24aの凹部と接合される。貫通孔24bには、積層体20の最下層に隣接する打抜部材B2のカシメ24aの凸部が接合される。貫通孔24bは、積層体20を連続して製造する際、既に製造された積層体20に対して次に製造する積層体20がカシメ24aによって締結されるのを防ぐ機能を有する。
積層体20には、複数の磁石挿入孔21(貫通孔)が形成されている図6に示される形態では、積層体20には8個の磁石挿入孔21が形成されている。磁石挿入孔21は、図7に示されるように、中心軸Ax2(積層方向)に沿って延びると共に積層体20を貫通している。
積層体20は、いわゆる転積によって構成されていてもよい。
磁石挿入孔21は、積層体20の外周縁に沿って所定間隔で並んでいる。図6及び図7に示されるように、中心軸Ax2方向から見たとき、磁石挿入孔21の大きさは永久磁石22の外形よりも大きい。磁石挿入孔21は、第2実施形態では積層体20の外周縁に沿って延びる長円形状(角が丸い四角形状)を呈しているが、その他の形状(例えば、矩形状、円形状、楕円形状、多角形状等)であってもよい。磁石挿入孔21の位置、形状及び数は、モータの用途、要求される性能などに応じて変更してもよい。
永久磁石22は、図6及び図7に示されるように、磁石挿入孔21内に配置されている。第2実施形態においては、一つの磁石挿入孔21内には一つの永久磁石22が挿通されているが、一つの磁石挿入孔21内に複数の永久磁石22が挿通されていてもよい。永久磁石22は、磁石挿入孔21内において、積層方向に複数並んでいてもよいし、積層体20の周方向に複数並んでいてもよいし、径方向に複数並んでいてもよい。
複数の打抜部材B2のうち少なくとも一つの打抜部材B2において磁石挿入孔21に保持突起が設けられており、永久磁石22が当該保持突起により磁石挿入孔21内に保持されていてもよい。この場合、永久磁石22が磁石挿入孔21内において傾き難くなる。永久磁石22の種類は、モータの用途、要求される性能などに応じて決定すればよく、例えば、焼結磁石であってもよいし、ボンド磁石であってもよい。
樹脂材料23は、永久磁石22が挿入された後の磁石挿入孔21内に充填されている。樹脂材料23は、永久磁石22を磁石挿入孔21内において固定する機能と、上下方向で隣り合う打抜部材B2同士を接合する機能とを有する。樹脂材料23としては、例えば熱硬化性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂と、硬化開始剤と、添加剤とを含む樹脂組成物が挙げられる。添加剤としては、フィラー、難燃剤、応力低下剤などが挙げられる。なお、樹脂材料23として熱可塑性樹脂を使用してもよい。
[回転子積層鉄心の製造方法]
続いて、図8〜図10を参照して、回転子積層鉄心2の製造方法について説明する。まず、図示しない打抜装置を用いて、帯状の金属板(電磁鋼板)を所定形状に打ち抜いて打抜部材B2を形成しつつ、複数の打抜部材B2を積み重ねて、積層体20を形成する(図10のステップS21)。
次に、積層体20の各磁石挿入孔21内に永久磁石22を挿入する(図10のステップS22)。
次に、図8に示される樹脂充填装置200(積層鉄心の製造装置)により積層体20を加圧する(図10のステップS23)。ここで、樹脂充填装置200について説明する。樹脂充填装置200は、一対の挟持部材201,202と、複数の直動ガイド207と、保持部203と、昇降機構204と、充填機205と、コントローラ206(制御部)とを備える。
一対の挟持部材201,202は、矩形状を呈する平板である。一対の挟持部材201,202は、上下方向に並ぶように位置している。下側に位置する挟持部材201(第2の挟持部材)の上面には、上方に向けて延びる複数の案内シャフト201aが設けられている。各案内シャフト201aは、挟持部材201の各角部にそれぞれ位置している。上側に位置する挟持部材202(第1の挟持部材)の各角部には、対応する案内シャフト201aが挿通可能な貫通孔202aが設けられている。貫通孔202aの大きさは、案内シャフト201aよりも若干大きい。挟持部材202には、その厚さ方向(中心軸Ax2方向)に貫通する複数の樹脂流路202bが設けられている。各樹脂流路202bは、積層体20が挟持部材201に載置された場合に積層体20の各磁石挿入孔21と対向するように位置している。挟持部材202のうち少なくとも樹脂流路202bの近傍には、ヒータ202cが内蔵されている。ヒータ202cは、コントローラ206からの指示に基づいて動作し、挟持部材202を加熱させる。
直動ガイド207は、直線状のガイドレール207aと、スライダ207bとを含む。ガイドレール207aは、鉛直方向に延びるように固定壁RWに取り付けられている。第2実施形態においては、例えば4本のガイドレール207aが挟持部材202の各角部に対向するように位置している。スライダ207bは、ガイドレール207aに対して嵌合するように取り付けられていると共に、挟持部材202の側面に取り付けられている。第2実施形態においては、例えば4つのスライダ207bが挟持部材202の各角部の側面に取り付けられている。スライダ207bの内部には、複数の転動体(例えば、鋼球、円筒ころ等)が配置されており、これらの転動体がガイドレール207aに接している。そのため、スライダ207bは、転動体自身が回転すると共に複数の転動体がスライダ207bの内部を循環することで、ガイドレール207a上を直線運動可能である。従って、挟持部材202は、その姿勢が水平に保たれたままの状態で、ガイドレール207aに沿って上下動可能である。
保持部203は、ベース部材203aと、摺動部材203bとを含む。ベース部材203aは、内部に収容空間V2を有している。ベース部材203aの底面は、挟持部材201の下面の中央部に固定されている。ベース部材203aの下面には、収容空間V2と連通する貫通孔203cが設けられている。摺動部材203bは、円柱状を呈している。摺動部材203bの中央部203dは、括れており、貫通孔203cと若干の隙間を有した状態で貫通孔203cと係合している。摺動部材203bの先端面F3は、先端に向けて凸の球面状を呈している。摺動部材203bの基端部は、固定壁RWに固定されている。
先端面F3は、収容空間V2の内側底面F4と当接している。そのため、収容空間V2の内側底面F4は、球面状を呈する先端面F3に沿って摺動する。換言すれば、ベース部材203aは、球面状を呈する先端面F3の中心を通り且つ挟持部材201,202の対向方向(積層体20が挟持部材201に載置された状態における中心軸Ax2方向であり、図8における上下方向。以下、単に「対向方向」という。)に交差する方向に延びる第3の回動軸周りに回動可能である。同じく、ベース部材203aは、先端面F3の中心を通り且つ対向方向及び第3の回動軸の延在方向の双方に交差する方向に延びる第4の回動軸周りに回動可能である。第3の回動軸は、例えば図8の紙面の垂直方向に延びていてもよい。第4の回動軸は、例えば図8の紙面の水平方向に延びていてもよい。第3の回動軸と第4の回動軸とは直交していてもよい。
以上より、保持部203は、挟持部材201を第3及び第4の回動軸周りに回動可能に保持するように構成されている。
昇降機構204は、挟持部材202の上面の中央部に接続されている。昇降機構204は、コントローラ206からの指示に基づいて動作し、挟持部材202を対向方向において往復動させる。すなわち、昇降機構204は、摺動部材203bを上下動させることにより、挟持部材201,202を互いに近接及び離間させるように構成されている。なお、昇降機構204は、挟持部材202を対向方向において往復動させるのであれば、特に限定されるものではなく、例えば、アクチュエータ、エアシリンダ等を使用することが考えられる。
充填機205は、複数のプランジャ205aと、駆動機構205bとを備える。複数のプランジャ205aはそれぞれ、各樹脂流路202b内に一つずつ配置されている。各プランジャ205aは、対応する樹脂流路202b内においてスライド可能である。駆動機構205bは、コントローラ206からの指示に基づいて、各プランジャ205aをそれぞれ挟持部材202の厚さ方向(中心軸Ax2方向)に沿って移動可能に構成されている。駆動機構205bは、例えばエアシリンダ、サーボモータ等であってもよい。
コントローラ206は、例えば、記録媒体(図示せず)に記録されているプログラム又はオペレータからの操作入力等に基づいてヒータ202c、昇降機構204及び駆動機構205bをそれぞれ動作させるための指示信号を生成し、当該指示信号をヒータ202c、昇降機構204及び駆動機構205bに送信する。
上記の樹脂充填装置200で積層体20を加圧する際には、まず、各磁石挿入孔21内に永久磁石22が挿入された状態の積層体20を挟持部材201上に載置する。この状態で、挟持部材201の各案内シャフト201aをそれぞれ挟持部材202の対応する貫通孔202aに挿通する。その後、コントローラ206が昇降機構204に指示して、昇降機構204により挟持部材202を対向方向(中心軸Ax2方向)に沿って下方に押し出させる。挟持部材202の下面が積層体20の上端面に当接すると、積層体20の上端面が斜めに傾斜しているので、当該上端面が略水平面である挟持部材202の下面に沿うようにベース部材203a及び挟持部材201が先端面F3に沿って摺動する(図9参照)。そのため、斜めに傾斜した挟持部材201と挟持部材202とによって、積層体20が略均一に加圧される。なお、積層体20の上端面が挟持部材202の下面と当接した状態では、各樹脂流路202bは対応する磁石挿入孔21と連通している。
次に、挟持部材201,202によって積層体20が加圧された状態で、図9に示されるように、各磁石挿入孔21内に樹脂を充填する(図10のステップS24)。具体的には、まず、各樹脂流路202b内に樹脂ペレットPを配置する。樹脂ペレットPは、円柱形状を呈する固体状の樹脂である。続いて、各樹脂流路202bにそれぞれプランジャ205aを挿入する。この状態で、コントローラ206がヒータ202c及び駆動機構205bに指示して、樹脂ペレットPを溶融させつつ、溶融状態の樹脂をプランジャ205aによって樹脂流路202bから磁石挿入孔21内に押し出させる。各磁石挿入孔21内に充填された溶融樹脂が固化することにより、各永久磁石22が樹脂材料23によって各磁石挿入孔21内に固定される。
以上により、回転子積層鉄心2が得られる。その後、軸孔20aにシャフトを挿通して固定し、回転子積層鉄心2の両端面に対して端面板をそれぞれ配置する。こうして、回転子積層鉄心2と、シャフトと、端面板とを備える回転子が得られる。
[作用]
以上の第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、積層体20の積厚に偏りが存在しても(積層体20に積厚が高い箇所と積厚が低い箇所とが存在しても)、挟持部材201,202が積層体10を挟持する際に、挟持部材201は、保持部203によって所定の回動軸周りに回動し、積層体20の端面の略全面に当接する。従って、挟持部材201,202によって積層体20を均一に加圧した状態で積層体20に所定の処理(例えば、樹脂充填処理等)を施すことが可能となる。
第2実施形態では、樹脂充填装置200において、挟持部材201,202が上下方向に並んで配置されており、保持部203が下方に位置する挟持部材201を保持している一方、上方に位置する挟持部材202には樹脂流路202bが設けられている。そのため、樹脂流路202bが設けられている上側の挟持部材202が回動しないので、樹脂流路202bと積層体10の磁石挿入孔21とを精度よく位置合わせすることができる。従って、挟持部材202の樹脂流路202bを通じて積層体10の磁石挿入孔21に溶融樹脂を充填する際に、溶融樹脂の漏れを抑制することが可能となる。
<他の実施形態>
以上、本開示に係る実施形態について詳細に説明したが、本発明の要旨の範囲内で種々の変形を上記の実施形態に加えてもよい。例えば、図11に示されるように、加圧装置100は、挟持部材101の回動とロックとを切り替え可能に構成されたロック部107をさらに備えてもよい。ロック部107は、筒状を呈している。ロック部107の内周面は、ベース部材103aの外周面と摺動部材103bの基端部側の外周面とに密着する。そのため、ロック部107が保持部103に取り付けられた状態では、ベース部材103aが摺動部材103bに対して回動することができない。従って、例えば、積層体10における積厚の偏りの有無に応じてロック部107を保持部103に対して取り付け又は取り外しすることにより、挟持部材102の回動とロックとを切り替えることができる。ロック部107は、挟持部材102が任意の傾斜角を保持するようにベース部材103aを摺動部材103bに対してロック可能に構成されていてもよい。この場合、積厚の偏りが既知である積層体10に対して、挟持部材102の傾きが予め調節された状態で、挟持部材101,102により積層体10を加圧することができる。なお、樹脂充填装置200もロック部107と同様の部材を備えていてもよい。
ベース部材103aは、第1及び第2の回動軸の少なくとも一方の周りに回動可能であってもよい。すなわち、摺動部材103bの先端面F1は、先端に向けて凸の球面状を呈しておらず、先端に向けて凸の円柱面状を呈していてもよい。同様に、ベース部材203aは、第3及び第4の回動軸の少なくとも一方の周りに回動可能であってもよい。すなわち、摺動部材203bの先端面F3は、先端に向けて凸の球面状を呈しておらず、先端に向けて凸の円柱面状を呈していてもよい。
加圧装置100において、挟持部材101,102の双方に保持部103が設けられており、双方の挟持部材101,102が回動してもよい。すなわち、挟持部材101,102の双方が各保持部103によって所定の回動軸周りに回動可能であってもよい。加圧装置100において、下側に位置する挟持部材101(第2の挟持部材)のみに保持部103が設けられており、挟持部材101のみが回動してもよい。この場合、昇降機構104は、上側に位置する挟持部材102(第1の挟持部材)の上面の中央部に接続されていてもよいし、摺動部材103bの基端部に接続されていてもよい。樹脂充填装置200においても同様に、挟持部材201,202の双方又は一方に保持部203が設けられていてもよい。この場合、昇降機構204は、摺動部材203bの基端部に接続されていてもよいし、下側に位置する挟持部材201(第2の挟持部材)の下面の中央部に接続されていてもよい。
積層体10を得るにあたり、打抜部材B1を1枚ごとに積層してもよいし、打抜部材B1が所定枚数積層され且つ一体化された単位ブロック(鉄心部材)ごとに積層してもよい。同様に、積層体20を得るにあたり、打抜部材B2を1枚ごとに積層してもよいし、打抜部材B2が所定枚数積層され且つ一体化された単位ブロック(鉄心部材)ごとに積層してもよい。単位ブロックごとに積層する場合には、隣り合う単位ブロックの境界部分にのみ溶接を行ってもよい。
固定子積層鉄心1を製造する際に、積層体10の貫通孔に樹脂を充填する工程が存在する場合には、第2実施形態に係る樹脂充填装置200を用いて樹脂充填処理を実施してもよい。回転子積層鉄心2を製造する際に、積層体20に溶接を施す工程が存在する場合には、第1実施形態に係る加圧装置100を用いて溶接処理を実施してもよい。
上記の実施形態では、固定子の内周面に対向して回転子を配置するインナーロータ型の回転電機(電動機、発電機)について説明したが、固定子の外周側に回転子を配置するアウターロータ型の回転電機に本発明を適用してもよい。
第2実施形態においては、磁石挿入孔21に対して上側から樹脂を注入する樹脂充填装置200について説明したが、磁石挿入孔21に対して下側から樹脂を注入する樹脂充填装置に対して本発明を適用してもよい。当該樹脂充填装置においては、下方に位置する挟持部材201に樹脂流路202bが設けられており、上方に位置する挟持部材202に保持部203が設けられていてもよい。
第2実施形態においては、挟持部材202の上面の中央部に昇降機構204を接続する場合について説明したが、摺動部材203bの基端部に昇降機構204を接続し、下側に位置する挟持部材201(第2の挟持部材)側から積層体20を加圧してもよい。
1…固定子積層鉄心、2…回転子積層鉄心、10…積層体、15…溶接部、20…積層体、21…磁石挿入孔、22…永久磁石、23…樹脂材料、B1,B2…打抜部材(鉄心部材)、100…加圧装置(積層鉄心の製造装置)、101…挟持部材(第2の挟持部材)、102…挟持部材(第1の挟持部材)、103…保持部、103a…ベース部材、103b…摺動部材、104…昇降機構、105…溶接機、106…コントローラ、107…ロック部、200…樹脂充填装置(積層鉄心の製造装置)、201…挟持部材(第2の挟持部材)、202…挟持部材(第1の挟持部材)、202b…樹脂流路、203…保持部、203a…ベース部材、203b…摺動部材、204…昇降機構、205…充填機、206…コントローラ、Ax1,Ax2…中心軸、P…樹脂ペレット。

Claims (10)

  1. 複数の鉄心部材が積層された積層体をその積層方向から挟持可能に構成された第1及び第2の挟持部材と、
    前記第1の挟持部材と前記第2の挟持部材とを互いに近接及び離間させるように構成された昇降機構と、
    前記第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方を前記第1及び第2の挟持部材の対向方向に交差する方向に延びる第1の回動軸周りに回動可能に保持する保持部とを備える、積層鉄心の製造装置。
  2. 前記保持部は、前記第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方を前記対向方向及び前記第1の回動軸の延在方向の双方に交差する方向に延びる第2の回動軸周りに回動可能に保持する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1及び第2の挟持部材は上下方向に並んで配置されており、
    前記保持部は、前記第1及び第2の挟持部材のうち上方に位置する挟持部材を保持している、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記第1及び第2の挟持部材は上下方向に並んで配置されており、
    前記保持部は、前記第1及び第2の挟持部材のうち下方に位置する挟持部材を保持しており、
    前記第1及び第2の挟持部材のうち上方に位置する挟持部材には、溶融樹脂を積層体の貫通孔に充填するための樹脂流路が設けられている、請求項1又は2に記載の装置。
  5. 前記第1又は第2の挟持部材の回動とロックとを切り替え可能に構成されたロック部をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 複数の鉄心部材が積層された積層体を、互いに対向する一対の挟持部材によって前記積層体の積層方向から挟持する第1の工程と、
    前記一対の挟持部材によって挟持された状態の前記積層体に対して処理を行う第2の工程とを含み、
    前記第1の工程では、前記第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方が、前記第1及び第2の挟持部材の対向方向に交差する方向に延びる第1の回動軸周りに回動可能である、積層鉄心の製造方法。
  7. 前記第1の工程では、前記第1及び第2の挟持部材の少なくとも一方が、前記対向方向及び前記第1の回動軸の延在方向の双方に交差する方向に延びる第2の回動軸周りに回動可能である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1の工程では、上下方向に並んで配置された前記第1及び第2の挟持部材のうち上方に位置する挟持部材が前記第1の回動軸周りに回動可能である、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記第1の工程では、上下方向に並んで配置された前記第1及び第2の挟持部材のうち下方に位置する挟持部材が前記第1の回動軸周りに回動可能であり、
    前記第2の工程では、上下方向に並んで配置された前記第1及び第2の挟持部材のうち上方に位置する挟持部材の設けられた樹脂流路を通じて、前記積層体の貫通孔に溶融樹脂を充填する、請求項6又は7に記載の方法。
  10. 前記第1又は第2の挟持部材の回動とロックとが切り替え可能である、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
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