JP2018081741A - 非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量で、且つ内部短絡が発生した場合の発熱が小さな非水電解質二次電池を提供することである。
【解決手段】実施形態の一例である負極12は、負極集電体33と、当該集電体上に形成された負極合材層34とを備える。負極合材層34は、炭素系活物質35と、シリコン系活物質36と、水系バインダーとを含み、且つ初回充放電後におけるタッキング強度が0.25MPa以上である。シリコン系活物質36は、導電被膜を有さず、シリコン及びシリコン化合物の少なくとも一方が粒子表面に露出している。
【選択図】図2

Description

本開示は、非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池に関する。
シリコン(Si)、SiOxで表されるシリコン酸化物などのシリコン材料は、黒鉛などの炭素系活物質と比べて単位体積当りに多くのリチウムイオンを吸蔵できることが知られている。しかし、シリコン材料は黒鉛よりも導電性が低いことから、シリコン材料をそのまま負極活物質に適用した場合には負極合材層内に十分な導電パスが形成されず、期待されるほどの放電容量が得られない。そこで、シリコン系活物質の粒子表面に炭素被膜を形成して導電性を向上させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3952180号
ところで、非水電解質二次電池では、高容量化を図りながら、内部短絡発生時における安全性を向上させることが求められている。特に高エネルギー密度の電池においては内部短絡発生時の発熱が大きくなるため、かかる発熱を抑えて安全性を高めることは重要な課題である。
本開示の一態様である非水電解質二次電池用負極は、負極集電体と、当該集電体上に形成された負極合材層とを備えた非水電解質二次電池用負極であって、負極合材層は、炭素系活物質と、シリコン及びシリコン化合物の少なくとも一方を含有するシリコン系活物質と、水系バインダーとを含み、且つ初回充放電後におけるタッキング強度が0.25MPa以上であり、シリコン系活物質は、導電被膜を有さず、シリコン及びシリコン化合物の少なくとも一方が粒子表面に露出していることを特徴とする。
本開示の一態様によれば、高容量で、且つ内部短絡が発生した場合の発熱が小さな非水電解質二次電池を提供することができる。
実施形態の一例である非水電解質二次電池の断面図である。 実施形態の一例である負極の断面図である。 実験例で使用した三電極式試験セルを示す図である。 実験例で使用した擬似内部短絡試験用セル(ラミネートセル)を示す図である。
上述のように、非水電解質二次電池において高容量化と内部短絡発生時における安全性向上の両立を図ることは重要且つ困難な課題である。シリコン系活物質を用いて高容量化を図る場合、シリコン材料は導電性が低いことから、シリコン材料の粒子表面に導電被膜を形成することが一般的である。一方、本発明者らは、導電被膜を有さないシリコン系活物質を用いて、初回充放電後における負極合材層のタッキング強度を0.25MPa以上とすることにより、高容量で、且つ内部短絡発生時の安全性に優れた非水電解質二次電池を創出することに成功したのである。
シリコン系活物質を用いた場合に負極合材層内の導電パスが十分に形成されないことの原因の1つとして、充放電に伴うシリコン系活物質の大きな体積変化により、活物質粒子間に隙間が形成され活物質粒子同士の結着力(密着力・接触力)が弱くなることが考えられる。導電被膜を有さないシリコン系活物質を用いた場合に活物質粒子間の結着力が弱くなると、負極合材層内におけるシリコン系活物質と周囲の活物質との電気的接触が損なわれ、それらの材料が活物質として機能しない場合がある。本発明者らは、導電被膜を有さないシリコン系活物質を用いた場合においても、初回充放電後における負極合材層のタッキング強度を0.25MPa以上にすることで、充放電後においても活物質粒子間の良好な接触を確保でき、負極合材層内の導電パスが十分に維持されることを見出したのである。さらに、導電被膜を有さない高抵抗なシリコン系活物質を用いることで、内部短絡が発生したときに局所的な抵抗発熱が増加して、短絡箇所が速やかに溶断し、短絡継続時間が短くなることが見出された。なお、短絡継続時間が短くなると短絡による総発熱量も減少する。
つまり、導電被膜を有さない高抵抗なシリコン系活物質を用いて、負極合材層のタッキング強度を0.25MPa以上にすることで、高容量化と内部短絡発生時における安全性向上の両立を図ることが可能となる。
詳しくは後述するように、0.25MPa以上の初回充放電後におけるタッキング強度を得るためには、負極活物質の表面、特に炭素系活物質の表面に対して水系バインダーを均一に付着させることが重要であると考えられる。本開示に係る非水電解質二次電池用負極では、水系バインダーからなる薄膜層(バインダー層)が負極活物質の粒子表面を広く覆っているものと想定される。かかるバインダー層は、活物質粒子間の結着性を高めて良好な粒子間接触を維持し、導電パスから孤立する活物質粒子を減少させると考えられる。
以下、実施形態の一例について詳細に説明する。
実施形態の説明で参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは、現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
図1は、実施形態の一例である非水電解質二次電池10の断面図である。
非水電解質二次電池10は、正極11と、負極12と、非水電解質とを備える。正極11と負極12との間には、セパレータ13が設けられる。非水電解質二次電池10は、例えば正極11及び負極12がセパレータ13を介して巻回されてなる巻回型の電極体14と、非水電解質とが電池ケースに収容された構造を有する。巻回型の電極体14の代わりに、正極及び負極がセパレータを介して交互に積層されてなる積層型電極体など、他の形態の電極体が適用されてもよい。電極体14及び非水電解質を収容する電池ケースとしては、円筒形、角形、コイン形、ボタン形等の金属製ケース、樹脂シートをラミネートして形成された樹脂製ケース(ラミネート型電池)などが例示できる。図1に示す例では、有底円筒形状のケース本体15と封口体16とにより電池ケースが構成されている。
非水電解質二次電池10は、電極体14の上下にそれぞれ配置された絶縁板17,18を備える。図1に示す例では、正極11に取り付けられた正極リード19が絶縁板17の貫通孔を通って封口体16側に延び、負極12に取り付けられた負極リード20が絶縁板18の外側を通ってケース本体15の底部側に延びている。例えば、正極リード19は封口体16の底板であるフィルタ22の下面に溶接等で接続され、フィルタ22と電気的に接続された封口体16の天板であるキャップ26が正極端子となる。負極リード20はケース本体15の底部内面に溶接等で接続され、ケース本体15が負極端子となる。本実施形態では、封口体16に電流遮断機構(CID)及びガス排出機構(安全弁)が設けられている。なお、ケース本体15の底部にも、ガス排出弁を設けることが好適である。
ケース本体15は、例えば有底円筒形状の金属製容器である。ケース本体15と封口体16との間にはガスケット27が設けられ、電池ケース内部の密閉性が確保される。ケース本体15は、例えば側面部を外側からプレスして形成された、封口体16を支持する張り出し部21を有することが好適である。張り出し部21は、ケース本体15の周方向に沿って環状に形成されることが好ましく、その上面で封口体16を支持する。
封口体16は、フィルタ開口部22aが形成されたフィルタ22と、フィルタ22上に配置された弁体とを有する。弁体は、フィルタ22のフィルタ開口部22aを塞いでおり、内部短絡等による発熱で電池の内圧が上昇した場合に破断する。本実施形態では、弁体として下弁体23及び上弁体25が設けられており、下弁体23と上弁体25の間に配置される絶縁部材24、及びキャップ開口部26aを有するキャップ26がさらに設けられている。封口体16を構成する各部材は、例えば円板形状又はリング形状を有し、絶縁部材24を除く各部材は互いに電気的に接続されている。具体的には、フィルタ22と下弁体23が各々の周縁部で互いに接合され、上弁体25とキャップ26も各々の周縁部で互いに接合されている。下弁体23と上弁体25は、各々の中央部で互いに接続され、各周縁部の間には絶縁部材24が介在している。内部短絡等による発熱で内圧が上昇すると、例えば下弁体23が薄肉部で破断し、これにより上弁体25がキャップ26側に膨れて下弁体23から離れることにより両者の電気的接続が遮断される。
[正極]
正極は、正極集電体と、当該集電体上に形成された正極合材層とを備える。正極集電体には、アルミニウムなどの正極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。正極合材層は、正極活物質の他に、導電材及びバインダーを含むことが好適である。正極は、例えば正極集電体上に正極活物質、導電材、及びバインダー等を含む正極合材スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧延して正極合材層を集電体の両面に形成することにより作製できる。
正極活物質としては、Liと金属元素Mを含有するリチウム複合酸化物が例示できる。金属元素Mは、例えばCo、Ni、Mn等の遷移金属元素であり、正極活物質はリチウム含有遷移金属酸化物であることが好ましい。リチウム含有遷移金属酸化物は、遷移金属以外の金属元素Mを含有していてもよい。金属元素Mの例としては、Co、Ni、Mnの他に、Mg、Sc、Y、Fe、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bなどが挙げられる。好適なリチウム含有遷移金属酸化物の一例は、Ni-Co-Mn系、Ni-Mn-Al系、Ni-Co-Al系の複合酸化物である。これらは、1種単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。正極活物質の粒子表面は、酸化アルミニウム(Al23)等の酸化物、リン酸化合物、ホウ酸化合物等の無機化合物の微粒子で覆われていてもよい。
上記の中でもNi−Co−Mn系のリチウム含有遷移金属複合酸化物は、出力特性に加え回生特性にも優れること等から好適であり、Ni−Co−Al系のリチウム含有遷移金属複合酸化物は高容量且つ出力特性に優れるためさらに好適である。具体的には、一般式LiaNix1-x2(0.95≦a≦1.2、0.45≦x<1、MはCo、Mn及びAlから選択される少なくとも1種類以上の元素)で表される酸化物であることが好ましい。
Liの組成比aが0.95≦a≦1.2の条件を満たすものを用いるのは、0.95≦a≦1.2の条件を満たすと、NiイオンがLiサイトに入るカチオンミキシングが生じにくくなり、出力特性が向上するからである。また、Niの組成比xが0.45≦x<1の条件を満たすものを用いるのは、0.45≦xの条件を満たし、リチウム含有遷移金属複合酸化物に含まれる金属元素のうちリチウムを除く金属元素のなかで、ニッケルの割合(モル換算)が最も多くなると、充放電反応に寄与できるNiが増え、高容量になるためである。
リチウム含有遷移金属複合酸化物は、特に、一般式LiaNixCoyAlz2(0.95≦a≦1.2、0.8≦x<1、0<y<0.2、0<z≦0.05、x+y+z=1)で表される酸化物であることが好ましい。Coの組成比yが0<y<0.2の条件を満たすものを用いるのは、y<0.2の条件を満たすと、高容量を維持しながら、且つ充放電に伴うリチウム酸ニッケル化合物の相転移を抑制できるからである。また、Alの組成比zが0<z≦0.05の条件を満たすものを用いるのは、0<z≦0.05の条件を満たすと、正極の熱安定性が向上するからである。一方、0.05<zとなると、出力特性が低下する場合がある。
導電材は、正極合材層の電気伝導性を高めるために用いられる。導電材としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素材料が例示できる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダーは、正極活物質及び導電材間の良好な接触状態を維持し、且つ正極集電体表面に対する正極活物質等の結着性を高めるために用いられる。バインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が例示できる。また、これらの樹脂と、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩(CMC−Na、CMC−K、CMC-NH4等、また部分中和型の塩であってもよい)等のセルロース誘導体、ポリエチレンオキシド(PEO)等が併用されてもよい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[負極]
図2は、実施形態の一例である負極12の断面図である。
負極12は、負極集電体33と、当該集電体上に形成された負極合材層34とを備える。負極集電体33には、銅などの負極12の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極合材層34は、炭素系活物質35と、シリコン系活物質36と、水系バインダー(図示せず)とを含み、且つ初回充放電後におけるタッキング強度が0.25MPa以上である。負極12は、例えば負極集電体33上に炭素系活物質35、シリコン系活物質36、及び水系バインダー等を含む負極合材スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧延して負極合材層34を集電体の両面に形成することにより作製できる。
負極12は、負極活物質として炭素系活物質35(第1の負極活物質)とシリコン系活物質36(第2の負極活物質)を併用している。炭素系活物質35とシリコン系活物質36との質量比は、99:1〜70:30であることが好ましく、97:3〜80:20であることがさらに好ましい。炭素系活物質35とシリコン系活物質36の質量比が当該範囲内であれば、高容量化と良好なサイクル特性の向上を両立し易くなる。
炭素系活物質35には、従来から負極活物質として使用されている黒鉛、ハードカーボンなどを用いることができる。黒鉛としては、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、塊状人造黒鉛(MAG)、黒鉛化メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)等の人造黒鉛などが例示できる。黒鉛は、一般的に多数の一次粒子が集合してなる二次粒子である。黒鉛粒子(二次粒子)の平均粒径は、例えば1〜30μmである。黒鉛粒子の平均粒径とは、レーザー回折散乱法で測定される粒度分布において体積積算値が50%となる体積平均粒径(Dv50)を意味する。黒鉛粒子の平均粒径は、例えばHORIBA製のLA−750を用いて測定できる(シリコン系活物質36についても同様)。
シリコン系活物質36は、シリコン(Si)及びシリコン化合物の少なくとも一方を含有する。シリコン系活物質36は、Siのみで構成されていてもよいが、好ましくはSiOx(0.5≦x≦1.5)で表されるシリコン酸化物から構成される。SiOxの平均粒径(Dv50)は、例えば1〜15μmであり、黒鉛粒子のDv50よりも小さいことが好ましい。
SiOxは、例えば非晶質のSiO2マトリックス中にSiが分散した構造を有する。透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてSiOxの粒子断面を観察すると、分散したSiの存在が確認できる。SiOxは、粒子内にリチウムシリケート(例えば、Li2zSiO(2+z)(0<z<2)で表されるリチウムシリケート)を含んでいてもよく、リチウムシリケート相中にSiが分散した構造を有していてもよい。
シリコン系活物質36は、導電被膜を有さず、Si及びシリコン化合物の少なくとも一方が粒子表面に露出している。例えば、SiOx粒子の表面には、炭素被膜等の導電層が形成されておらず、当該粒子表面にはSiO2、Li2zSiO(2+z)(0<z<2)等が存在する。炭素被膜を有するシリコン系活物質では、活物質粒子の表面が炭素で覆われているためSiOxは粒子表面に露出していないが、本開示に係るシリコン系活物質36では、SiOx粒子の表面を覆う炭素被膜が存在しないので、SiOx粒子の表面全体が露出している。
シリコン系活物質36は、紛体抵抗が107Ωcm以上であることが好ましい。例えば、粒子表面が全く炭素被覆されていないSiOx粒子の紛体抵抗は107Ωcm以上である。紛体抵抗が107Ωcm以上であれば、導電被膜を有するSiOx粒子を用いてもよいが、好ましくは導電被膜を実質的に有さないSiOx粒子を用いる。シリコン系活物質36の紛体抵抗は、ロレスタGP MCP−T610型(三菱化学アナリテック社製)を用いて測定される。なお、107Ωcmという紛体抵抗値は、測定限界値である。紛体抵抗が107Ωcm以上である高抵抗なシリコン系活物質36を用いることで、内部短絡発生時の発熱を効果的に抑制することができる。
負極合材層34を構成する水系バインダーは、水を主成分とする水系媒体に溶解又は分散する樹脂である。水系バインダーは、負極活物質の表面に付着しており、負極活物質同士の良好な接触状態を維持し、且つ負極集電体33の表面に対する負極活物質等の結着性を高める機能を有する。負極合材層34における水系バインダーの含有量は、負極活物質の質量に対して1.0〜5.0質量%であることが好ましい。これより少ないと充分なタッキング強度を得られない場合があり、またこれより多いとバインダー自体が抵抗層となり充分な容量を得られない場合がある。
上記水系バインダーは、例えば炭素系活物質35及びシリコン系活物質36のいずれの粒子表面にも同じ割合(被覆率)で付着している。水系バインダーは、負極活物質粒子の表面において、表面全体を被覆する薄膜状で存在すると考えられる。即ち、負極活物質粒子の表面には、水系バインダーからなる薄膜層が形成されている。このバインダー層は、従来の負極で形成されるバインダー層よりも緻密で均一であると考えられる。なお、負極活物質粒子の表面における水系バインダーの被覆率は、炭素系活物質35とシリコン系活物質36とで異なっていてもよい。例えば、炭素系活物質35における水系バインダーの被覆率は、シリコン系活物質36における水系バインダーの被覆率より低くてもよい。この場合も、両活物質の当該被覆率が同じである場合と同等又はそれ以上のサイクル特性が得られる。即ち、サイクル特性を改善するためには、炭素系活物質35の表面に水系バインダーを付着させることが重要であると考えられる。
上記水系バインダーとしては、ポリアクリル酸(PAA)、ポリビニルアルコール(PVA)、PEO、セルロース、及びこれらの誘導体等が例示できる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、セルロース誘導体を用いることが好ましい。セルロース誘導体としては、CMC等のカルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のヒドロキシアルキルセルロース、メチルセルロース等のアルコキシセルロース、及びこれらの塩等が例示できる。中でも、カルボキシアルキルセルロース及びその塩が好ましく、CMC及びその塩(特にNa塩)が特に好ましい。
上記水系バインダーとしてセルロース誘導体を用いる場合、その重量平均分子量(Mw)は、100000〜500000が好ましく、200000〜400000がさらに好ましい。CMCのNa塩(CMC−Na)を用いる場合、そのエーテル化度は、例えば0.4〜1.5の範囲であり、好ましくは0.6〜1.3の範囲である。CMCのエーテル化度は、エーテル結合の量を示す指標であり、CMC中に含まれる水酸基をカルボキシメチル基(−CH2COOH)、ナトリウムカルボキシメチル基(−CH2COONa)またはアンモニウムカルボキシメチル基(−CH2COONH4)などで置換する程度を指す。CMCのエーテル化度が0.4〜1.5の範囲であれば、水溶液の透明性を著しく損なうことがなく、且つ水系スラリーの粘度を適度に保つことができるため好ましい。
負極合材層34は、セルロース誘導体等の水系バインダーの他に、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ポリイソプレン等のバインダーとして機能する樹脂を含んでいてもよい。セルロース誘導体等と併用する他のバインダーとしては、SBRが好適である。負極合材層34における上記水系バインダーの含有量は、サイクル特性向上等の観点から、他のバインダーの含有量よりも多いことが好ましい。上記水系バインダーと他のバインダーとの質量比は、好ましくは99:1〜60:40である。
負極合材層34は、上記のように、初回充放電後におけるタッキング強度が0.25MPa以上である。負極合材層34のタッキング強度は、例えば活物質粒子間の結着力(密着力)を示す指標であり、値が大きいほど当該結着力が強いことを意味する。シリコン系活物質36を用いた負極合材層34において、タッキング強度が0.25MPa以上という値は、シリコン系活物質を含む従来の負極のタッキング強度と比べて飛躍的に高い値である。負極合材層34の優れた密着性は、負極活物質(特に炭素系活物質35)の粒子表面に対する水系バインダーの被覆状態に起因すると考えられる。
負極合材層34の初回充放電後におけるタッキング強度は、0.25MPa以上であることが好ましく、例えば0.3MPa以上である。初回充放電後における負極合材層34のタッキング強度を0.25MPa以上、好ましくは0.3MPa以上することで、タッキング強度が0.25MPa未満の場合と比べて放電容量が特異的に向上する。
負極合材層34のタッキング強度は、市販のタッキング試験機(例えば、レスカ社製のTAC−II)を用いて測定される。具体的な測定条件等は下記の通りである。
[試験サンプル]
負極12を所定サイズ(例えば、2cm×3cm)にカットしたものを試験サンプルとした。負極12が電池に組み込まれている場合は、電池を分解して負極12を取り出し、1時間真空乾燥したものをカットして試験サンプルとした。なお、タッキング強度の測定に使用される電池は、初回充放電後のものである。通常の充放電条件(過充電試験等の特殊な条件でない場合)では、充放電条件の相違が負極合材層のタッキング強度に与える影響は無視できる。充放電条件の一例を以下に示す。
(充放電条件)
充放電条件:0.3It(1035mA)の電流で電池電圧が4.2Vとなるまで定電流充電を行った後、4.2Vの電圧で電流値が69mAとなるまで定電圧充電を行った。その後、0.5It(1725mA)の電流で電池電圧が2.5Vとなるまで定電流放電を行った。
[測定条件]
接着面積2mmφの金属棒の先端に日東製両面テープ#515を貼り、試験サンプルに400gfの予加重で10秒間押さえた後、600mm/minの速さで剥がした。このとき、剥がすのに必要な応力をタッキング強度とした。
負極合材層34のタッキング強度を0.25MPa以上に調整する方法としては、負極活物質及び水系バインダー等を混合攪拌して負極合材スラリーを作製する過程において、スラリー粘度が大きく低下して略一定になるまでスラリーの攪拌を継続する方法が挙げられる。負極合材スラリーは、例えば炭素系活物質35及びシリコン系活物質36を混合した負極活物質の粉末と、セルロース誘導体等の水系バインダーとを、適量の水と共にミキサー(例えば、プライミクス社製のT.K.ハイビスミックス)で混合攪拌して作製される。スラリーをある程度攪拌すると、各材料が均一に分散して次第にスラリーの粘度が低下する。さらに長時間攪拌を継続すると、スラリーの粘度が大きく低下して、やがて略一定となる。当該スラリーの大きな粘度低下は、セルロース誘導体等の水系バインダーが負極活物質の表面に付着することに起因すると考えられる。例えばスラリー粘度が略一定となったときには負極活物質の表面がセルロース誘導体で広く被覆されていると考えられる。スラリー粘度が大きく低下して略一定になるまでスラリーの攪拌を継続することで、負極合材層34のタッキング強度を0.25MPa以上に調整することができる。このとき、炭素系活物質35及びシリコン系活物質36の表面には、従来の負極において負極活物質の表面に形成されるバインダー層よりも緻密で均一なバインダー層が形成されていると考えられる。
負極合材スラリーの攪拌時間は、例えば50分以上である。負極活物質に対する水系バインダーの添加量が同じである場合、スラリーの攪拌時間が長いほど、タッキング強度が向上する傾向が見られる。なお、炭素系活物質35と、水系バインダーとを、適量の水と共にミキサーで混合攪拌してスラリー化した後、シリコン系活物質36を当該スラリーに添加することにより、炭素系活物質35における水系バインダーの被覆率をシリコン系活物質36における水系バインダーの被覆率よりも低くすることができる。
[セパレータ]
セパレータには、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、セルロースなどが好適である。セパレータは、セルロース繊維層及びポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂繊維層を有する積層体であってもよい。また、ポリエチレン層及びポリプロピレン層を含む多層セパレータであってもよく、セパレータの表面にアラミド系樹脂等が塗布されたものを用いてもよい。セパレータの厚みは、例えば10〜20μmである。
セパレータと正極及び負極の少なくとも一方との界面には、無機物のフィラーを含むフィラー層が形成されていてもよい。無機物のフィラーとしては、例えばTi、Al、Si、Mgの少なくとも1種を含有する酸化物、リン酸化合物などが挙げられる。フィラー層は、例えば当該フィラーを含有するスラリーを正極、負極、又はセパレータの表面に塗布して形成することができる。
[非水電解質]
非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む。非水溶媒には、例えばエステル類、エーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、及びこれらの2種以上の混合溶媒等を用いることができる。非水溶媒は、これら溶媒の水素の少なくとも一部をフッ素等のハロゲン原子で置換したハロゲン置換体を含有していてもよい。
上記エステル類の例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)等の環状カルボン酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステルなどが挙げられる。
上記エーテル類の例としては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテル等の環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチル等の鎖状エーテル類などが挙げられる。
上記ハロゲン置換体としては、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等のフッ素化環状炭酸エステル、フッ素化鎖状炭酸エステル、フルオロプロピオン酸メチル(FMP)等のフッ素化鎖状カルボン酸エステル等を用いることが好ましい。
電解質塩は、リチウム塩であることが好ましい。リチウム塩の例としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、LiSCN、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(P(C24)F4)、LiPF6-x(Cn2n+1x(1<x<6,nは1又は2)、LiB10Cl10、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、Li247、Li(B(C24)F2)等のホウ酸塩類、LiN(SO2CF32、LiN(C12l+1SO2)(Cm2m+1SO2){l,mは1以上の整数}等のイミド塩類などが挙げられる。リチウム塩は、これらを1種単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。これらのうち、イオン伝導性、電気化学的安定性等の観点から、LiPF6を用いることが好ましい。リチウム塩の濃度は、非水溶媒1L当り0.8〜1.8molとすることが好ましい。
実験例
以下、実験例により本開示をさらに説明するが、本開示はこれらの実験例に限定されるものではない。
<実験例1>
[負極の作製]
黒鉛粉末(Dv50:20μm)と、導電被膜を有さず、紛体抵抗が107Ωcm以上であるSiOx粉末(x:1.0、Dv50:5μm)とを93:7の質量比で混合したものを負極活物質として用いた。当該負極活物質と、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na、Mw:約310000)と、スチレン‐ブタジエン共重合体(SBR)とを、100:1.5:1.0の質量比で、適量の水と共にミキサー(プライミクス社製、T.K.ハイビスミックス)で混合し、負極合材スラリーを調製した。スラリーの攪拌時間は45分間とした。45分の攪拌操作により、スラリー粘度は大きく低下して略一定となった。次に、当該スラリーを銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、塗膜を乾燥した後、圧延ローラにより塗膜を圧延して、負極集電体の両面に負極合材層が形成された負極を作製した。負極合材層の密度は1.60g/mLとした。
[三電極式試験セルの作製]
図3に、上記負極を用いて作製した三電極式試験セル50を示す。露点−50℃以下のアルゴン雰囲気下で、作用極51、対極52、参照極53、非水電解質54、及びこれらを収容して密閉する外装体55を用いて、非水電解質二次電池である三電極式試験セル50を作製した。作用極51として上記負極を用いた。対極52及び参照極53には金属リチウムを用いた。各電極には、それぞれリードを取り付けた。非水電解質54は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを、3:7の体積比で混合した混合溶媒に、1.0mol/Lの濃度となるように六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を添加して調製した。
<実験例2>
負極合材スラリーの作製において、CMC−Na(Mw:約310000)に代えてCMC−Na(Mw:約350000)を用いたこと以外は、実験例1と同様にして負極及び三電極式試験セルを作製した。
<実験例3>
負極合材スラリーの作製において、CMC−Naの添加量を3.0質量%(負極活物質100に対して、3.0の質量比で添加。以下同様。)に変更したこと以外は、実験例1と同様にして負極及び三電極式試験セルを作製した。
<実験例4>
負極合材スラリーの作製において、CMC−Naの添加量を1.0質量%に変更し、スラリーの攪拌時間を7分間に変更したこと以外は、実験例1と同様にして負極及び三電極式試験セルを作製した。
<実験例5>
負極活物質として、導電被膜を有さず、紛体抵抗が107Ωcm以上であるSiOx粉末の代わりに、炭素被膜を有し、紛体抵抗が0.24であるSiOx粉末(x:1.0、Dv50:5μm)を用いたこと以外は、実験例4と同様にして負極及び三電極式試験セルを作製した。
[放電比容量の評価]
実験例1〜5の三電極式試験セルについて、下記条件で充放電を行い、シリコン系活物質(SiOx)の単位重量当たりの放電比容量を求めた。評価結果を表1に示す。表1に示す値は、実験例4の試験セルの放電比容量を100%としたときの相対値である。
(充放電条件)
充放電条件:0.1It(8mA)の電流で電池電圧が0.0Vとなるまで定電流充電を行った後、0.01It(0.8mA)の電流で電池電圧が0.0Vとなるまで定電流充電を行った。その後、0.1It(8mA)の電流で電池電圧が1.0Vとなるまで定電流放電を行った。
[タッキング強度の評価]
次に、上記充放電を行った試験セルを分解して負極を取り出し、1時間真空乾燥したものを1.5cm×1.5cmのサイズにカットして試験サンプルを作製した。当該サンプルについて、下記条件で負極合材層のタッキング強度を測定した。評価結果は表1に示す。
測定装置:レスカ社製、TAC−II
測定条件:接着面積:2mmφ
両面テープ:日東#515
予加重:400gf 10sec
試験速度:600mm/min
<実験例6>
[正極の作製]
LiNi0.88Co0.09Al0.032で表されるリチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物と、アセチレンブラックと、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、95.0:2.5:2.5の質量比で混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加した。NMPを添加した混合物をミキサー(プライミクス社製、T.K.ハイビスミックス)を用いて攪拌し、正極合材スラリーを調製した。次に、当該スラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、塗膜を乾燥した後、圧延ローラにより塗膜を圧延して、正極集電体の両面に正極合材層が形成された正極を作製した。正極合材層の密度は3.60g/mLとした。
[擬似内部短絡試験用セル(ラミネートセル)の作製]
図4に、上記正極及び実験例1で作製した上記負極を用いて作製した擬似内部短絡試験用セルの電極群60の積層構造を示す。正極61に上記正極を用い、負極65に実験例1で作製した上記負極を用いた。セパレータ64には、ポリエチレン製セパレータを用いた。図4において、62が正極集電体、63が正極合材層、66が負極集電体、67が負極合材層である。電極群60をアルミニウムラミネートシートで構成される外装体(図示せず)に挿入して、105℃で2時間真空乾燥した後、実験例1で用いた上記非水電解液を注入し、外装体の開口部を封止して擬似内部短絡試験用セルを作製した。試験セルの設計容量は50mAhである。
<実験例7>
負極合材スラリーの作製において、CMC−Naの添加量を1.5質量%に変更したこと以外は実験例5と同様にして負極を作製し、当該負極を負極65に適用して擬似内部短絡試験用セルを作製した。
[内部短絡模擬試験]
実験例6,7の擬似内部短絡試験用セルについて、放電比容量の評価と同じ条件で充電を行った後、以下の手順で内部短絡模擬試験を行い、内部短絡継続時間及び短絡箇所における発熱量を測定した。評価結果は表2に示す。
測定手順:25℃に設定された温度槽の中で、4.2Vの外部電圧を試験セルに印加しながら、鉄製の釘(直径:2mm)を0.1mm/秒の速度でセルに突き刺し、セルを貫通させた。釘は負極の法線方向に沿って電極群を貫通し、その結果、正極と負極との間で内部短絡が生じた。本試験では、電池電圧と電流をモニタリングし、短絡発生から電池電圧が4.2V、即ち短絡終了までの発熱量を求めた。表2に示す値は、実験例7の試験セルの内部短絡継続時間及び発熱量を100%としたときの相対値である。
Figure 2018081741
Figure 2018081741
表1に示すように、実験例1〜3の電池はいずれも、実験例4,5の電池と比較して高い放電容量を有する。実験例5の電池は、実験例4の電池と比べると高容量であるが、タッキング強度が0.21MPaと低いため、炭素被膜が形成されたSiOxを用いたにも関わらず、実験例1〜3の電池よりも低容量であった。また、表2に示すように、実験例6の電池は、実験例7の電池と比較して内部短絡継続時間が短く、短絡箇所での発熱量も少なかった。即ち、実験例6の電池は、実験例7の電池よりも、内部短絡発生時における安全性が高いと言える。
以上の結果から、導電被膜を有さない高抵抗なシリコン系活物質を用い、且つ負極合材層のタッキング強度を0.25MPa以上とした場合にのみ、高容量化で、且つ内部短絡が発生した場合の発熱が小さな非水電解質二次電池を提供することができる。
10 非水電解質二次電池、11 正極、12 負極、13 セパレータ、14 電極体、15 ケース本体、16 封口体、17,18 絶縁板、19 正極リード、20 負極リード、21 張り出し部、22 フィルタ、22a フィルタ開口部、23 下弁体、24 絶縁部材、25 上弁体、26 キャップ、26a キャップ開口部、27 ガスケット、33 負極集電体、34 負極合材層、35 炭素系活物質、36 シリコン系活物質、50 試験セル、51 作用極、52 対極、53 参照極、54 非水電解質、55 外装体、60 電極群、61 正極、62 正極集電体、63 正極合材層、64 セパレータ、65 負極、66 負極集電体、67 負極合材層

Claims (4)

  1. 負極集電体と、当該集電体上に形成された負極合材層とを備えた非水電解質二次電池用負極であって、
    前記負極合材層は、炭素系活物質と、シリコン及びシリコン化合物の少なくとも一方を含有するシリコン系活物質と、水系バインダーとを含み、且つ初回充放電後におけるタッキング強度が0.25MPa以上であり、
    前記シリコン系活物質は、導電被膜を有さず、シリコン及びシリコン化合物の少なくとも一方が粒子表面に露出している、非水電解質二次電池用負極。
  2. 前記シリコン系活物質は、紛体抵抗が107Ωcm以上である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極。
  3. 前記水系バインダーは、少なくともセルロース誘導体を含む、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池用負極。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極と、
    正極と、
    非水電解質と、
    を備えた非水電解質二次電池。
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